JP2887989B2 - 車両用ヘッドアップ表示装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、運転情報をフロントガ
ラスの外側前方に結像させて表示する車両用ヘッドアッ
プ表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、車速、エンジン回転数、燃料
残量、各種警告等の運転情報を表示部から所定の光学系
を介してフロントガラスに投射し、車両の前方視野内に
結像させて、視野内の前景と重ねて見えるようにした車
両用ヘッドアップ表示装置が提案されている（特開昭６
２−１０１５３４号公報）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、該表示
装置に表示する運転情報には、上記情報の他に、道路の
混雑状況や事故の発生などを知らせる道路情報、車両の
現在位置や進行方向を知らせるナビゲーション情報等が
あり、情報量あるいは情報の内容によっては、画像の全
画面に対する面積比率が大きくなって、前景視界の確保
が困難になり、安全に走行することができなくなるとい
う問題があった。

【０００４】本発明は、運転に関する各種情報を表示す
ることができると共に、前景視界を確保することができ
る車両用ヘッドアップ表示装置を提供することを目的と
する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は図１に例示するように、フロントガラス内
側に設けた運転情報表示部の画面に表示した運転情報を
所定の光学系を介してフロントガラスの外側前方に結像
して表示する車両用ヘッドアップ表示装置において、前
記運転情報表示部の画面に表示された運転情報の画像が
全画面に対して占める面積比率を演算する演算手段と、
前記演算手段により演算された面積比率が予め定める値
を越えるか否かを判別する判別手段と、前記判別手段に
より、画像の全画面に対する面積比率が所定値を越えた
ことが判別されたことに応じて、前記運転情報表示部の
画像を反転表示する表示制御手段と、を備えたことを特
徴とする車両用ヘッドアップ表示装置を要旨とする。

【０００６】

【作用】本発明では、フロントガラスの内側に設けた運
転情報表示部の画面に表示された運転情報が、所定の光
学系を介してフロントガラスの外側前方に結像して表示
される。

【０００７】そして、演算手段が、運転情報表示部の画
面に表示された運転情報の画像が全画面に対して占める
面積比率を演算し、判別手段が、演算手段により演算さ
れた面積比率が予め定める値を越えるか否かを判別し、
判別手段により、画像の全画面に対する面積比率が所定
値を越えたことが判別されたことに応じて、表示制御手
段が、運転情報表示部の画像を反転表示させる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図２は、本実施例の車両用ヘッドアップ表示装
置の概略構成を示す説明図である。図２おいて、フロン
トガラス１には、蒸着あるいはコーティングにより薄膜
３が形成されている。この薄膜３は、入射光の一部を透
過し、その残りを反射する性質を有している。

【０００９】フロントガラス１の下には、光学系５が配
置され、この光学系５には、運転情報を表示する運転情
報表示部としての表示器７からの表示光が投射されるよ
うになっている。表示器７としては、例えば、透過型液
晶表示器が用いられる。表示器７に表示された運転情報
表示光は、光学系５で反射され、更に、フロントガラス
１の薄膜３で反射されて、ドライバの眼９に入る。ドラ
イバは、フロントガラス１の外側前方に結像された運転
情報と前景とを重ねて見ることができる。図２では、運
転情報として、警告マーク１１が表示された状態が示さ
れている。

【００１０】図３は、本実施例の車両用ヘッドアップ表
示装置の電気的構成を示す概略ブロック図である。図３
において、画像制御回路２１は、表示器７に表示される
運転情報の表示を制御するものである。画像制御回路２
１には、運転情報として表示すべき各種の画像データを
記憶した画像メモリ２３が接続される他、各種運転情報
を提供する図示しないメインコンピュータが接続され
る。

【００１１】画像制御回路２１の制御部２３１は、表示
器７に表示された運転情報の画像の面積を演算して、全
画面に対する割合を求めると共に、その値と予め定める
値とを比較し、所定値よりも大きければ、表示を反転さ
せるための切替信号を表示器７に出力する。ここで、表
示の反転とは、液晶表示器の光透過部と非透過部とを逆
にすることである。

【００１２】図４は、本実施例の動作を説明するための
フローチャートである。ステップＳ１では、画像メモリ
２３から表示に必要な画像データを画像制御回路２１に
ロードする。次に、ステップＳ２では、画像を構成する
ドットの個数を計数し、画面を構成する全ドットの個数
で除算して、画像が全画面に対して占める面積比率を算
出する。

【００１３】次に、ステップＳ３では、算出した面積比
率が所定値を越えるか否かを判別する。この所定値は、
フロントガラス１に形成される薄膜３の大きさによっ
て、適宜決められる。上記面積比率が所定値を越えてい
る場合には、ステップＳ４において、表示の態様を反転
させる。上記面積比率が所定値を越えていない場合に
は、表示の態様を反転させることなく、そのままの態様
で表示を行わせる。

【００１４】表示の態様を図５および図６に示す。図５
（ａ）に示すような態様で、運転情報としてバッテリに
異常が生じたことを示すバッテリマーク３１と警告マー
ク３３との両方を表示すると、画像の占有面積が大きい
ために、前景が見にくくなり、立木３５および車３７の
発見が遅れる虞があるが、本実施例では、図５（ｂ）に
示すようにバッテリマーク３１および警告マーク３３を
反転表示するので、前景の視界が確保される。

【００１５】また、図６（ａ）に示すような態様で、進
行方向を変える交差点を示す地図情報４１とその地点ま
での走行距離情報４３とを表示すると、画像の占有面積
が大きくなって、前景が見にくくなるので、図６（ｂ）
に示すように、反転表示させて前方の視界を確保する。

【００１６】以上のように本実施例では、表示器７に表
示すべき画像の全画面に対する面積比率を算出し（ステ
ップＳ２）、算出した面積比率と所定値とを比較し（ス
テップＳ３）、その面積比率が所定値を越える場合に
は、表示器７に運転情報を反転表示する（ステップＳ
４）。

【００１７】尚、ステップＳ２の処理の実行が演算手段
として働き、ステップＳ３の処理の実行が判別手段とし
て働き、ステップＳ４の処理の実行が表示制御手段とし
て働く。以上のように本実施例によれば、表示すべき画
像の全画面に対する面積比率が所定値を越える場合に
は、その画像を反転表示するので、前方の視界が確保さ
れ、車両走行の安全性が保たれる。

【００１８】以上実施例を説明したが、本発明は上記実
施例に限定されるものではなく、種々の態様で実施し得
る。例えば、上記面積比率と対比される上記所定値を、
画像の形状あるいは画像の表示位置に応じて増減させて
もよい。また、反転表示を画像の一部に限定して行なっ
てもよい。

【００１９】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、表示す
べき画像の全画面に対する面積比率が所定値を越える場
合には、その画像を反転表示するので、前方の視界が確
保され、車両走行の安全性が保たれる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の基本的構成を例示したブロック図であ
る。

【図２】本実施例の車両用ヘッドアップ表示装置の概略
構成を示す説明図である。

【図３】本実施例の車両用ヘッドアップ表示装置の電気
的構成を示す概略ブロック図である。

【図４】本実施例の動作を説明するためのフローチャー
トである。

【図５】表示態様を示す説明図である。

【図６】表示態様の他の例を示す説明図である。

【符号の説明】

１…フロントガラス ３…薄膜 ５…光学系 ７
…表示器 ２１…画像制御回路 ２３…画像メモリ

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−101534（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−227531（ＪＰ，Ａ) 特開 昭56−154790（ＪＰ，Ａ) 実開 昭61−171082（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭60−188641（ＪＰ，Ｕ) 実公 平５−35423（ＪＰ，Ｙ２) 実公 平４−54020（ＪＰ，Ｙ２) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B60K 35/00 G02B 27/02 G09F 9/00 359 G09F 9/30 390

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フロントガラス内側に設けた運転情報表
   示部の画面に表示した運転情報を所定の光学系を介して
   フロントガラスの外側前方に結像して表示する車両用ヘ
   ッドアップ表示装置において、 前記運転情報表示部の画面に表示された運転情報の画像
   が全画面に対して占める面積比率を演算する演算手段
   と、 前記演算手段により演算された面積比率が予め定める値
   を越えるか否かを判別する判別手段と、 前記判別手段により、画像の全画面に対する面積比率が
   所定値を越えたことが判別されたことに応じて、前記運
   転情報表示部の画像を反転表示する表示制御手段と、 を備えたことを特徴とする車両用ヘッドアップ表示装
   置。