JP2887292B2 - 液晶素子 - Google Patents
液晶素子Info
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- crystal layer
- retardation
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は液晶素子に関し、特に正の誘電異方性を持つ
液晶を略水平配向させ、電界に伴う複屈折率変化を利用
して光の変調を行うECB（Electrically Controlled Bir
efringence）型液晶素子に関するものである。
液晶を略水平配向させ、電界に伴う複屈折率変化を利用
して光の変調を行うECB（Electrically Controlled Bir
efringence）型液晶素子に関するものである。
電気的に制御される複屈折効果を利用したいわゆるEC
B型液晶素子は、上下基板間に液晶分子がホモジニアス
配向するように液晶層を挾持した液晶セルを有し、この
液晶セルの両側に、液晶層に近接した偏光子の透過軸ま
たは吸収軸と液晶分子の配向方向をずらして前記偏光子
が配設され、液晶分子の複屈折性を利用して液晶セルが
着色するような構成となっている。そして液晶層に電圧
を印加して液晶層の配向状態の変化に伴なう液晶層の実
質的なリターデイション変化により表示色を変化させて
いる。
B型液晶素子は、上下基板間に液晶分子がホモジニアス
配向するように液晶層を挾持した液晶セルを有し、この
液晶セルの両側に、液晶層に近接した偏光子の透過軸ま
たは吸収軸と液晶分子の配向方向をずらして前記偏光子
が配設され、液晶分子の複屈折性を利用して液晶セルが
着色するような構成となっている。そして液晶層に電圧
を印加して液晶層の配向状態の変化に伴なう液晶層の実
質的なリターデイション変化により表示色を変化させて
いる。
従来のECB型液晶素子を光シャッターとして用い、白
黒型の光変調素子とするためには、液晶層の屈折率異方
性と厚さの積（液晶層のリターデイション）を約0.3μ
ｍ以下にする必要がある。しかし、液晶層のリターデイ
ションを小さくすると、印加電圧に対する光透過率の変
化が著しく小さくなるため時分割駆動には向かず、実質
的に高時分割駆動は不可能であるという欠点があった。
黒型の光変調素子とするためには、液晶層の屈折率異方
性と厚さの積（液晶層のリターデイション）を約0.3μ
ｍ以下にする必要がある。しかし、液晶層のリターデイ
ションを小さくすると、印加電圧に対する光透過率の変
化が著しく小さくなるため時分割駆動には向かず、実質
的に高時分割駆動は不可能であるという欠点があった。
本発明は、このような従来の白黒型のECB型液晶素子
の欠点を解消し、白黒型光シャッターやカラー表示素子
に好ましく使用することのできる、高時分割駆動特性に
優れたECB型液晶素子を提供することを目的とする 〔課題を解決するための手段及び作用〕 上記目的を達成するため、本発明によれば、正の誘電
異方性を有する液晶組成物からなる液晶層が、電極を備
えた一対の基板間で略水平配向するように構成された液
晶セルと、該液晶層を挟むようにして設けられた一対の
クロスニコル配置の偏光子を有する液晶素子において、
上記の両偏光子の透過軸を略直交させて、上記液晶層と
両偏光子との間の少なくとも一方に複屈折層を設け、該
複屈折層の面内における最大屈折率方向が該液晶層の液
晶分子配向方向と略直交するようになし、該液晶層の屈
折率異方性ΔnLと液晶層の厚さdLの積ΔnL・dL）（液晶
層のリターデイション）が該複屈折層の屈折率異方性Δ
nCと複屈折層の厚さdCの積ΔnC・dC）（複屈折層のリタ
ーデイション）よりも0.1〜0.27μｍ、より好ましくは
0.13〜0.25μｍだけ大きくなるようにした。両リターデ
イションの差が0.1μｍより小さいと明状態での明るさ
が著しく小さくなり、一方両リターデイジョンの差が0.
27μｍより大きいと複屈折のために明状態が着色してし
まう。
の欠点を解消し、白黒型光シャッターやカラー表示素子
に好ましく使用することのできる、高時分割駆動特性に
優れたECB型液晶素子を提供することを目的とする 〔課題を解決するための手段及び作用〕 上記目的を達成するため、本発明によれば、正の誘電
異方性を有する液晶組成物からなる液晶層が、電極を備
えた一対の基板間で略水平配向するように構成された液
晶セルと、該液晶層を挟むようにして設けられた一対の
クロスニコル配置の偏光子を有する液晶素子において、
上記の両偏光子の透過軸を略直交させて、上記液晶層と
両偏光子との間の少なくとも一方に複屈折層を設け、該
複屈折層の面内における最大屈折率方向が該液晶層の液
晶分子配向方向と略直交するようになし、該液晶層の屈
折率異方性ΔnLと液晶層の厚さdLの積ΔnL・dL）（液晶
層のリターデイション）が該複屈折層の屈折率異方性Δ
nCと複屈折層の厚さdCの積ΔnC・dC）（複屈折層のリタ
ーデイション）よりも0.1〜0.27μｍ、より好ましくは
0.13〜0.25μｍだけ大きくなるようにした。両リターデ
イションの差が0.1μｍより小さいと明状態での明るさ
が著しく小さくなり、一方両リターデイジョンの差が0.
27μｍより大きいと複屈折のために明状態が着色してし
まう。
上記複屈折層が多数重ねられる場合は、液晶層のリタ
ーデイションと各複屈折層のリターデイションの合計と
が上記関係となるようにする。また、複屈折層を液晶層
の両側に設ける場合も、両側の複屈折層の面内における
最大屈折率方向は液晶層の液晶分子配向方向と略直交
し、液晶層のリターデイションと両側の複屈折層のリタ
ーデイションの合計が上記関係となるようにする。
ーデイションと各複屈折層のリターデイションの合計と
が上記関係となるようにする。また、複屈折層を液晶層
の両側に設ける場合も、両側の複屈折層の面内における
最大屈折率方向は液晶層の液晶分子配向方向と略直交
し、液晶層のリターデイションと両側の複屈折層のリタ
ーデイションの合計が上記関係となるようにする。
上記のような構成にすることにより、複屈折層による
補償効果で白黒表示が可能になるとともに、液晶層のリ
ターデイションを従来に比べて著しく大きくすることが
できるため、時分割駆動特性の大幅向上が可能となる。
補償効果で白黒表示が可能になるとともに、液晶層のリ
ターデイションを従来に比べて著しく大きくすることが
できるため、時分割駆動特性の大幅向上が可能となる。
本明細書で言う複屈折層とは、屈折率異方性を有する
もので、かつ透明性を有することが必要である。具体的
には、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレー
ト、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリ
エーテルスルホン等の芳香族高分子や、ポリエチレン、
ポリプロピレン等のポリオレフィン系高分子、塩化ビニ
リデン、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、アクリ
ル樹脂等のビニル系高分子、セルロース及びその誘導体
たとえば、再生セルロース（セロハン）、ジアセチルセ
ルロース、トリアセチルセルロース等の各高分子の延伸
または押し出し成形フィルムを例示することができる。
また、雲母、方解石、水晶等の結晶の薄片を光学軸に平
行な面で切り出したものを例示することもできる。
もので、かつ透明性を有することが必要である。具体的
には、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレー
ト、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリ
エーテルスルホン等の芳香族高分子や、ポリエチレン、
ポリプロピレン等のポリオレフィン系高分子、塩化ビニ
リデン、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、アクリ
ル樹脂等のビニル系高分子、セルロース及びその誘導体
たとえば、再生セルロース（セロハン）、ジアセチルセ
ルロース、トリアセチルセルロース等の各高分子の延伸
または押し出し成形フィルムを例示することができる。
また、雲母、方解石、水晶等の結晶の薄片を光学軸に平
行な面で切り出したものを例示することもできる。
大面積のものが容易に得られるという点で高分子系の
ものを特に有利に使用することができる。
ものを特に有利に使用することができる。
上記複屈折層は、液晶層の片側もしくは両側において
液晶層と偏光子の間に設けられるが、液晶セルの基板と
偏光子の間に設置して、液晶セルと別体としても良く、
液晶セルにおける基板を兼ねていても良く、液晶セルの
一部として構成されても良い。複屈折層を液晶セルの基
板として用いれば、液晶素子全体の厚さを増さなくてす
み、また界面反射による光のロスを最小限にすることが
できる。さらに、蒸着等により基板上に複屈折層を形成
しても良い。また、偏光子の保護フィルムとして複屈折
層を有するフィルムを用いることにより構成しても良
い。また、複数の複屈折層を用いて上記と同様の効果を
出すこともできる。
液晶層と偏光子の間に設けられるが、液晶セルの基板と
偏光子の間に設置して、液晶セルと別体としても良く、
液晶セルにおける基板を兼ねていても良く、液晶セルの
一部として構成されても良い。複屈折層を液晶セルの基
板として用いれば、液晶素子全体の厚さを増さなくてす
み、また界面反射による光のロスを最小限にすることが
できる。さらに、蒸着等により基板上に複屈折層を形成
しても良い。また、偏光子の保護フィルムとして複屈折
層を有するフィルムを用いることにより構成しても良
い。また、複数の複屈折層を用いて上記と同様の効果を
出すこともできる。
さらに、上記液晶セルと同じ液晶セルを上記液晶セル
に重ね、二つの液晶セルの液晶分子配向方向が直交する
ように構成しても、本発明の目的を達成することができ
る。
に重ね、二つの液晶セルの液晶分子配向方向が直交する
ように構成しても、本発明の目的を達成することができ
る。
次に、本発明を図面により詳細に説明する。
第１図は本発明の液晶素子の構成例を示す断面図であ
る。透明電極12,22および配向膜11,21が形成された上下
両基板13,23の間に液晶層30が挾持されており、シール
材31によって外界と隔離され、液晶セルが形成されてい
る。液晶層30の液晶分子は、配向膜11,21によって基板1
3,23に対して略水平に配向している。液晶層30の厚さは
プラスチックビーズ、ガラスロッド、シリカビーズなど
のギャップ材を基板上11又は12に散布するかシール材31
に混入することにより、あるいは樹脂などの溶液を印刷
乾燥や加熱によって凹部をつくること等により制御す
る。
る。透明電極12,22および配向膜11,21が形成された上下
両基板13,23の間に液晶層30が挾持されており、シール
材31によって外界と隔離され、液晶セルが形成されてい
る。液晶層30の液晶分子は、配向膜11,21によって基板1
3,23に対して略水平に配向している。液晶層30の厚さは
プラスチックビーズ、ガラスロッド、シリカビーズなど
のギャップ材を基板上11又は12に散布するかシール材31
に混入することにより、あるいは樹脂などの溶液を印刷
乾燥や加熱によって凹部をつくること等により制御す
る。
上記のように形成された液晶セルの最も外側に偏光子
14,24が配設されるが、本構成例では、上記偏光子24と
上側基板23との間に前記の特徴を有する複屈折層32を一
枚設けた。この構成例は単なる例示であって本発明はこ
の構成例のみに限定されるものではなく種々の変形、変
更が可能であり、例えば既述のように複屈折層を下偏光
子14と下側基板13との間に設置してもよく、また複数枚
の複屈折層によって同じ効果を出すようにしてもよい。
14,24が配設されるが、本構成例では、上記偏光子24と
上側基板23との間に前記の特徴を有する複屈折層32を一
枚設けた。この構成例は単なる例示であって本発明はこ
の構成例のみに限定されるものではなく種々の変形、変
更が可能であり、例えば既述のように複屈折層を下偏光
子14と下側基板13との間に設置してもよく、また複数枚
の複屈折層によって同じ効果を出すようにしてもよい。
従来のECB型液晶素子の透過光あるいは反射光の色の
色度座標（x,y）及び明るさＹのリターデイションΔnL
・dLによる変化をそれぞれ第２図及び第３図に示す。こ
こでは、上記偏光子はクロスニコル配置で、液晶分子の
配向方向と隣接する偏光子の透過軸の成す角は45゜とし
た。従来のECB型液晶素子を白黒型光シャッターとして
用いるためには、選択点と非選択点の色が白あるいは黒
に近く、かつ選択点と非選択点の明るさの差が大きいこ
とが好ましい。このために、従来のECB型液晶素子で
は、ΔnL.dLの値を第２図において白色を示す点（ｘ＝
0.333,y＝0.333の位置、＋印で示す。）の近くなるよう
に設定しなければならない。さらに、時分割駆動時の非
選択点から選択点に変わったときの印加電圧上昇に伴っ
て起こる小さなリターデイシヨンの減少で最も大きな明
るさ変化を得ることが必要なので、第３図もあわせ考慮
するとΔnL・dLの値は0.1〜0.27μｍ程度に限定されて
しまう。しかし、このような小さなΔnL・dLの範囲で
は、電圧に伴うリターデイションの変化は急峻ではな
く、高時分割駆動時に大きなコントラストが得られなく
なってしまう。このように従来のECB型液晶素子で白黒
型光シャッター動作を行わせようとすると液晶層のリタ
ーデイションΔnL・dLの値が限定される上に、高時分割
駆動は実質的に不可能であった。
色度座標（x,y）及び明るさＹのリターデイションΔnL
・dLによる変化をそれぞれ第２図及び第３図に示す。こ
こでは、上記偏光子はクロスニコル配置で、液晶分子の
配向方向と隣接する偏光子の透過軸の成す角は45゜とし
た。従来のECB型液晶素子を白黒型光シャッターとして
用いるためには、選択点と非選択点の色が白あるいは黒
に近く、かつ選択点と非選択点の明るさの差が大きいこ
とが好ましい。このために、従来のECB型液晶素子で
は、ΔnL.dLの値を第２図において白色を示す点（ｘ＝
0.333,y＝0.333の位置、＋印で示す。）の近くなるよう
に設定しなければならない。さらに、時分割駆動時の非
選択点から選択点に変わったときの印加電圧上昇に伴っ
て起こる小さなリターデイシヨンの減少で最も大きな明
るさ変化を得ることが必要なので、第３図もあわせ考慮
するとΔnL・dLの値は0.1〜0.27μｍ程度に限定されて
しまう。しかし、このような小さなΔnL・dLの範囲で
は、電圧に伴うリターデイションの変化は急峻ではな
く、高時分割駆動時に大きなコントラストが得られなく
なってしまう。このように従来のECB型液晶素子で白黒
型光シャッター動作を行わせようとすると液晶層のリタ
ーデイションΔnL・dLの値が限定される上に、高時分割
駆動は実質的に不可能であった。
そこで、本発明の液晶素子は、液晶層と偏光子の間
に、その面内の最大屈折率方向が液晶分子配向方向と直
交するように複屈折層を挾み、液晶層のリターデイショ
ンが複屈折層のリターデイションより0.1〜0.27μｍ、
好ましくは0.13〜0.25μｍだけ大きくなるように構成す
ることにより、液晶層と複屈折層の全体としてのリター
デイションが0.1〜0.27μｍとなり、白黒表示が可能と
なる上に、液晶層のリターデイションの値そのものに制
限がなくなるようにしたものである。従って、液晶層の
リターデイションΔnL・dLを前述の0.27μｍよりはるか
に大きくすることができるため、液晶層のリターデイシ
ョンの電圧による変化が急峻となり、高時分割駆動が可
能になる。
に、その面内の最大屈折率方向が液晶分子配向方向と直
交するように複屈折層を挾み、液晶層のリターデイショ
ンが複屈折層のリターデイションより0.1〜0.27μｍ、
好ましくは0.13〜0.25μｍだけ大きくなるように構成す
ることにより、液晶層と複屈折層の全体としてのリター
デイションが0.1〜0.27μｍとなり、白黒表示が可能と
なる上に、液晶層のリターデイションの値そのものに制
限がなくなるようにしたものである。従って、液晶層の
リターデイションΔnL・dLを前述の0.27μｍよりはるか
に大きくすることができるため、液晶層のリターデイシ
ョンの電圧による変化が急峻となり、高時分割駆動が可
能になる。
第４図は本発明による液晶素子の別の実施例を示す断
面図である。同図中、第１図と同様な要素には同一符号
を付してある。この実施例は第４図を見る限り外見上従
来の液晶素子と同様の構成であるが、偏光子24の構造が
従来のものとは異なっている。すなわち、第５図に示す
ように、偏光子24は、２枚の偏光子用基板51,41の間に
二色性膜60を挾んだ構造となっており、液晶層側の基板
である41が複屈折層を兼ねている。このような構成とし
ても、上記の同様の効果を得ることができる。
面図である。同図中、第１図と同様な要素には同一符号
を付してある。この実施例は第４図を見る限り外見上従
来の液晶素子と同様の構成であるが、偏光子24の構造が
従来のものとは異なっている。すなわち、第５図に示す
ように、偏光子24は、２枚の偏光子用基板51,41の間に
二色性膜60を挾んだ構造となっており、液晶層側の基板
である41が複屈折層を兼ねている。このような構成とし
ても、上記の同様の効果を得ることができる。
次に、本発明の実施例につき説明するが、本発明はこ
れら実施例のみに限定されるものではない。
れら実施例のみに限定されるものではない。
（実施例１） 透明電極をパターニングしたガラス基板に、日立化成
社製の配向剤HL−1110をスピナーで塗布し、120℃のオ
ーブンで１時間乾燥し配向膜を形成した後、これにラビ
ング処理を施した。この基板を２枚用い、ラビング方向
が反平行になるよう２枚の基板を貼り合わせ、その間に
正の誘電異方性を持つメルク社製の液晶ZLI−2293を封
入した。液晶層の厚さは２枚の基板を貼り合わせる時に
マイラースペーサーを挟み込むことによって制御し、液
晶層のリターデイションが1.16μｍと0.91μｍの値を持
つセルを２組作製した。そして２組のセルを互いのラビ
ング方向が直交するように重ね、その積層体を挟むよう
に２枚の偏光板を配置し、液晶素子とした。この際、偏
光板の透過軸が液晶セルのラビング方向に対して45゜と
なるようにした。このようにして作製した液晶素子につ
いて、リターデイションが1.16μｍの液晶セルに電圧を
印加して表示色の変化を観察したところ、電圧無印加時
はほぼ白で、しきい値電圧よりわずかに大きい電圧で黒
となった。また液晶素子の相対透過率が50％変化する電
圧V50と10％変化する電圧V10の比（V50/V10）で表わさ
れる急峻性γは1.15であり、後述の比較例と比較して急
峻性が良く時分割駆動特性が優れていることが確認され
た。
社製の配向剤HL−1110をスピナーで塗布し、120℃のオ
ーブンで１時間乾燥し配向膜を形成した後、これにラビ
ング処理を施した。この基板を２枚用い、ラビング方向
が反平行になるよう２枚の基板を貼り合わせ、その間に
正の誘電異方性を持つメルク社製の液晶ZLI−2293を封
入した。液晶層の厚さは２枚の基板を貼り合わせる時に
マイラースペーサーを挟み込むことによって制御し、液
晶層のリターデイションが1.16μｍと0.91μｍの値を持
つセルを２組作製した。そして２組のセルを互いのラビ
ング方向が直交するように重ね、その積層体を挟むよう
に２枚の偏光板を配置し、液晶素子とした。この際、偏
光板の透過軸が液晶セルのラビング方向に対して45゜と
なるようにした。このようにして作製した液晶素子につ
いて、リターデイションが1.16μｍの液晶セルに電圧を
印加して表示色の変化を観察したところ、電圧無印加時
はほぼ白で、しきい値電圧よりわずかに大きい電圧で黒
となった。また液晶素子の相対透過率が50％変化する電
圧V50と10％変化する電圧V10の比（V50/V10）で表わさ
れる急峻性γは1.15であり、後述の比較例と比較して急
峻性が良く時分割駆動特性が優れていることが確認され
た。
（実施例２） リターデイションの値が1.54μｍのポリマーフィルム
と、リターデイションの値がそれよりも0.25μｍだけ大
きく（1.79μｍ）なるように作製した液晶セルを用意
し、ポリマーフィルムの面内の最大屈折率方向と液晶セ
ルの分子配向方向が直交するように重ね、実施例１と同
様に偏光板で挟んで液晶素子を作製した。そして、この
素子について急峻度の測定を行ったところ、V50/V10の
値は1.09となり、実施例１よりも更に急峻性が良好であ
ることが確認された。
と、リターデイションの値がそれよりも0.25μｍだけ大
きく（1.79μｍ）なるように作製した液晶セルを用意
し、ポリマーフィルムの面内の最大屈折率方向と液晶セ
ルの分子配向方向が直交するように重ね、実施例１と同
様に偏光板で挟んで液晶素子を作製した。そして、この
素子について急峻度の測定を行ったところ、V50/V10の
値は1.09となり、実施例１よりも更に急峻性が良好であ
ることが確認された。
（比較例） リターデイションの値が0.25μｍとなるように液晶セ
ルを作製し、該セルをクロスニコルにした偏光板に挟
み、偏光板の透過軸と液晶分子配向方向が45゜となるよ
うに配置して比較例の液晶素子とした。この素子につい
て急峻度の測定を行ったところ、V50/V10の値は1.34と
なり、時分割駆動特性が劣っていた。
ルを作製し、該セルをクロスニコルにした偏光板に挟
み、偏光板の透過軸と液晶分子配向方向が45゜となるよ
うに配置して比較例の液晶素子とした。この素子につい
て急峻度の測定を行ったところ、V50/V10の値は1.34と
なり、時分割駆動特性が劣っていた。
以上詳細に説明したように、本発明によれば、液晶層
と偏光子の間に複屈折層を設け、該複屈折層の面内の最
大屈折率方向が液晶分子長軸の配向方向と直交するよう
に配置し、液晶層のリターデイションが複屈折層のリタ
ーデイションより0.1〜0.27μｍだけ大きくなるように
設定したので、液晶層と複屈折層の全体としてのリター
デイションは0.1〜0.27μｍとなり、白黒表示が可能と
なる上に、液晶層のリターデイションの値そのものに制
限がなくなるため、液晶層のリターデイションが大きく
なり、急峻性が向上し、高時分割駆動が可能となる。
と偏光子の間に複屈折層を設け、該複屈折層の面内の最
大屈折率方向が液晶分子長軸の配向方向と直交するよう
に配置し、液晶層のリターデイションが複屈折層のリタ
ーデイションより0.1〜0.27μｍだけ大きくなるように
設定したので、液晶層と複屈折層の全体としてのリター
デイションは0.1〜0.27μｍとなり、白黒表示が可能と
なる上に、液晶層のリターデイションの値そのものに制
限がなくなるため、液晶層のリターデイションが大きく
なり、急峻性が向上し、高時分割駆動が可能となる。
第１図は本発明の液晶素子の構成例を示す断面図、第２
図は従来のECB型液晶素子の色度座標を示す図、第３図
は従来のECB型液晶素子の明るさＹのリターデイション
ΔnL・dLによる変化を示すグラフ、第４図は本発明の液
晶素子の他の構成例を示す断面図、第５図は第４図の偏
光子の構造を示す断面図である。 11,21……配向膜、12,22……透明電極 13,23……基板、14,24……偏光子 30……液晶層、31……シール材 32……複屈折層
図は従来のECB型液晶素子の色度座標を示す図、第３図
は従来のECB型液晶素子の明るさＹのリターデイション
ΔnL・dLによる変化を示すグラフ、第４図は本発明の液
晶素子の他の構成例を示す断面図、第５図は第４図の偏
光子の構造を示す断面図である。 11,21……配向膜、12,22……透明電極 13,23……基板、14,24……偏光子 30……液晶層、31……シール材 32……複屈折層
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) G02F 1/1335
Claims (1)
- 【請求項１】正の誘電異方性を有する液晶組成物からな
る液晶層が、電極を備えた一対の基板間で略水平配向す
るように構成された液晶セルと、 該液晶層を挟むようにして設けられた一対の偏光子を有
する液晶素子において、 上記の両偏光子の透過軸を略直交させて、上記液晶層と
両偏光子との間の少なくとも一方に少なくとも一枚の複
屈折層を設け、該複屈折層の面内における最大屈折率方
向が該液晶層の液晶分子配向方向と略直交するようにな
し、該液晶層の屈折率異方性と該液晶層の厚さの積が、
該複屈折層の面内の屈折率異方性と該複屈折層の厚さの
積よりも0.1〜0.27μｍだけ大きいことを特徴とする液
晶素子。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1243146A JP2887292B2 (ja) | 1989-09-19 | 1989-09-19 | 液晶素子 |
| US07/887,381 US5175638A (en) | 1989-09-12 | 1992-05-21 | ECB type liquid crystal display device having birefringent layer with equal refractive indexes in the thickness and plane directions |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1243146A JP2887292B2 (ja) | 1989-09-19 | 1989-09-19 | 液晶素子 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH03105311A JPH03105311A (ja) | 1991-05-02 |
| JP2887292B2 true JP2887292B2 (ja) | 1999-04-26 |
Family
ID=17099475
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1243146A Expired - Fee Related JP2887292B2 (ja) | 1989-09-12 | 1989-09-19 | 液晶素子 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2887292B2 (ja) |
-
1989
- 1989-09-19 JP JP1243146A patent/JP2887292B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH03105311A (ja) | 1991-05-02 |
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