JP2887208B2 - 耐熱着色性に優れた難燃性繊維 - Google Patents

耐熱着色性に優れた難燃性繊維

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、可燃性繊維との複合体に於ても優れた難燃
性を示し、耐熱着色性にも優れた難燃性繊維とその製造
方法に関するものである。
(従来技術) 従来、難燃性繊維としては、可燃性の天然繊維又は合
成繊維に難燃剤を後処理したもの、合成繊維を製造する
に際して原料中に難燃剤を混合して紡糸したものが知ら
れている。中でも含ハロゲン高分子物質であるポリ塩化
ビニール成分と、ポリビニルアルコールとを含有する紡
糸原液に、難燃剤として錫酸を混合して湿式紡糸した後
アセタール化した合成繊維は、難燃性が優れ、又、燃焼
ガスの毒性が極めて少ないので、インテリア、寝装品な
どに用いられている。
一般的に、難燃性向上のために、難燃性モノマーを共
重合したもの、或いは、難燃剤を紡糸原液に添加したも
のは、難燃性以外の繊維性能が低下することが多く、こ
の様な場合には、一般繊維性能に優れた可燃性繊維と、
難燃性繊維とを混合使用し、複合繊維として使用するこ
とが通常行なわれている。
このような目的のため、既に同一出願人による特開平
2−6611号公報に於て、重量比で80:20〜20:80の含ハロ
ゲン高分子物質とポリビニルアルコールを主要構成成分
とし、この主要構成成分100重量部に対して、0.3〜10重
量部の錫酸と1〜5重量部の5酸化アンチモンを含有す
ることを特徴とする難燃性繊維を提案した。
(発明が解決しようとする課題) 近年の防災意識の高まりから、消防法によって規制さ
れた防災物品ばかりでなく、寝装品、衣料等の防災製品
の難燃化も、業務用を中心に開発がすすめられている。
業務用のシーツ、浴衣等については、通常100回程度の
業務用洗濯によって繰り返し使用されるので、具体的商
品として完成するためには、難燃性は当然として、更に
業務用洗濯に対する適性を備えたものでなければならな
い。この業務用洗濯適性として特に問題になるのは、乾
燥・アイロンがけの工程であり、通常固定された熱金属
板と表面に耐熱性繊維から成るフェルトを巻いた回転す
る金属ロールとの間に、布帛を通過せしめる(以下、こ
の通過性を本発明における「通過性」と略す)ことによ
り、乾燥とアイロンがけを同時に達成する方式が採用さ
れている。寝装品、衣料のように、適度の吸湿性を要求
される製品の場合、セルローズ系繊維と先に特開平2−
6611号公報で提案した難燃性繊維との複合繊維を用いる
ことが好都合であるが、難燃性を満足させるために難燃
性繊維の比率をあげれば、複合繊維としての吸湿性が犠
牲となるばかりでなく、更に、難燃性繊維が本質的に有
する熱可塑性のために、通過性が悪化し、シワになり易
く商品価値が全くないものとなってしまう。一方、通過
性を満足させるために難燃性繊維の比率をさげれば、複
合繊維としての難燃性が不十分となってしまう。つま
り、先に特開平2−6611号公報で提案した難燃性繊維
は、複合繊維として難燃性と通過性を共に満足させるこ
とが出来ず、業務用洗濯を必要とする商品とはなり得な
かった。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、セルローズ系繊維と難燃性繊維との複
合繊維に於て、難燃性と通過性を共に満足させるための
難燃性繊維の処方について鋭意検討した。通過性を満足
させるためには、セルローズ系繊維が少なく共65%、よ
り好ましくは70%以上含有していることが必要であるこ
とを実験的に確認し、難燃性繊維35%以下、より好まし
くは30%以下に於て、所望の難燃性を備えるべく難燃剤
処方を検討した結果、難燃剤添加量を増せば、それ相当
に難燃性は向上するものの、一方で耐熱性着色性が低下
することが明らかとなった。そこで、難燃剤と熱安定剤
の組み合せについて更に検討を加えることにより、特定
の難燃剤と特定の熱安定剤の組み合せの、特定の添加量
に於て少なく共65%以上、より好ましくは70%以上のセ
ルローズ系繊維との複合繊維に於て、通過性、難燃性、
耐熱着色性を一気に解決し得る難燃性繊維が得られるこ
とを見い出し本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、重量比で80:20〜20:80の含ハロゲン高
分子物質とポリビニルアルコールを主要構成成分とし、
この主要構成成分100重量部に対して、0.3〜10重量部の
錫酸、5〜25重量部の5酸化アンチモン及び、0.13〜3.
75重量部のメルカプタン系/ラウレート系=5/5〜3/7の
組成比からなるオクチル錫系熱安定剤を含有することを
特徴とする耐熱着色性に優れた難燃性繊維とその製造方
法及び該難燃性繊維と可燃性繊維とからなる難燃性及び
耐熱着色性に優れた繊維組成物を要旨とするものであ
る。
第1に本発明の耐熱着色性に優れた難燃性繊維を構成
する物質について詳述する。
尚、ここに記載する物質以外に、本発明の目的達成の
ため以外の目的のため使用される物質例えば、顔料、帯
電防止剤、耐光性向上剤、染色性改良剤、艷消剤等を必
要に応じ含有せしめても良いことは当然である。
本発明に於て、用いられる含ハロゲン高分子物質とし
ては、塩化ビニール、塩化ビニリデン、クロロプレン等
の含ハロゲン重合性物質の重合体、これらの二種以上及
び希望により更に他の重合性物質との共重合体或いはこ
れらの混合物の微粒子状物が挙げられ、サスペンジョ
ン、エマルジョンの何れでも良い。また、ポリビニルア
ルコールは、酢酸ビニール成分が2%以下のものが好適
に用いられる。
また、錫酸としてはSnO2とH2Oのモル比が0.5〜0.7の
もの、5酸化アンチモンはコロイド状のものが好まし
く、その粒径は100mμ以下のものが好適に用いられる。
オクチル錫系熱安定剤としては、ラウレート系、マレ
ート系、メルカプトマレート系、メルカプタン系等を単
独又は2種以上を混合して用いることが出来る。このう
ち、マレート系又はメルカプトマレート系は、繰り返し
洗濯中或いは繊維製造工程中に加水分解して機能消失す
る傾向を示すため、ラウレート系、メルカプタン系が好
適に用いられる。
周知の如く、含ハロゲン高分子物質の熱着色の原因
は、脱ハロゲン化水素反応による共役二重結合の生成で
あり、この二重結合が7〜8個連続することにより着色
が始まるとされている。また、ハロゲン化水素雰囲気中
では、自己触媒反応により、脱ハロゲン化水素反応が更
に促進されることも認められている。
本発明で好適に用いられるメルカプタン系の熱安定剤
は、アリル位の塩素或は3級塩素等の比較的不安定な塩
素原子をメルカプト基で置換することによる二重結合生
成の阻止と塩酸キャプチャーとして機能することによる
自己触媒反応の不活性化に共に寄与し得るものであり、
耐熱着色性の点からはその単独使用で十分に本発明の目
的を達成し得るものであるが、一方熱分解温度が200℃
近傍にあるため、本発明の繊維を得るための繊維化工
程、特に熱固定の雰囲気温度を高くしすぎると繊維が発
泡状態となり、とても実用に耐えるような繊維を得るこ
とは出来ない。そればかりでなく、雰囲気温度を高くし
すぎると繊維化工程での発煙・異臭が著しく、環境衛生
上の問題を惹起する。
これに対し、ラウレート系の熱安定剤は主として塩酸
キャプチャーとして機能することによる耐熱着色機構の
みであるので、耐熱着色機能の点のみからは、メルカプ
タン系に一歩ゆずることになるが、一方熱分解温度が23
0℃付近にあるため、繊維の発泡状態、繊維化工程での
発煙・異臭の問題は、相当に軽減されることになる。
このような理由から、本発明の耐熱着色性に優れた難
燃性繊維を得るためには、耐熱着色性に加え、更に生産
性と環境衛生上の問題を総合的に勘案すると、オクチル
錫系熱安定剤のうちメルカプタン系とラウレート系を混
合使用することが最も好ましい。
熱安定剤としては、この他にバリウム/亜鉛系、カル
シウム/亜鉛系等の金属石鹸糸、有機亜リン酸エステル
系、エポキシ樹脂系、ブチル錫系等が知られているが、
金属石鹸系は本発明の材料系に対する効果が不十分であ
り、同一効果を得るためには大量使用が必要で、紡糸原
液の安定性及び紡糸の安定性の点から実用上好ましくな
い。又、本発明の繊維のうち後処理としてアセタール化
を必要とする用途に対しては、該熱安定剤の耐酸性が問
題となる。
有機亜リン酸エステル系も本発明の材料系に対する効
果が不十分で、大量使用時には上記と同様の問題があ
る。
エポキシ樹脂系は熱安定剤組成物の分散安定性に問題
があり、これ又実用上好ましくない。また、ブチル錫系
はその毒性のため使用は避けなければならない。
又、オクチル錫系熱安定剤を添加する際には、フタル
酸系可塑剤と界面活性剤とを含む熱安定剤組成物として
混合するが、熱安定剤組成物中のフタル酸系可塑剤とし
ては、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート等の
ジアルキルフタレート等が用いられ、界面活性剤として
は、オクチル錫系熱安定剤とフタル酸系可塑剤を安定に
分散せしめ、且紡糸原液を安定に保持せしめるものであ
れば良く、特に限定するものではないが、例えば芳香族
系非イオン活性剤であるポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエ
ーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル等が好
適に用いられる。
第2に、本発明の耐熱着色性に優れた難燃性繊維を構
成する物質の配合比について詳述する。
紡糸原液に於て、含ハロゲン高分子物質とポリビニル
アルコールの比が80:20より大きいと、紡糸が円滑に出
来なかったり、得られた繊維の強伸度が低いため実用性
に乏しく、逆に20:80より小さいと難燃性が不十分とな
り本発明の目的を達成しない。
前記錫酸の添加量が主要構成成分の固形分100重量部
に対して、0.3重量部未満では、得られる繊維の難燃性
が不十分であり、10重量部を超えると、該繊維単独での
難燃性は添加量に応じて向上するものの、該繊維と可燃
性繊維との繊維組成物の難燃性はそれほど向上せず、且
繊維の紡糸性が低下するため好ましくない。
5酸化アンチモンの添加量が前記主要構成成分の固形
分100重量部に対して5重量部未満では、セルローズ系
繊維等の可燃性繊維と混合した複合繊維に於ける難燃性
が不十分であり、逆に25重量部を超えると、難燃性はそ
れ相当に向上するものの、耐熱着色性が低下する。
前記の熱安定剤組成物に関しては、熱安定剤組成物10
0重量部において、まず分散安定性の点から、界面活性
剤5重量部以上必要とし、紡糸原液の安定性及び紡糸性
の点から、オクチル錫系熱安定剤は75重量部以下でなけ
ればならない。フタル酸系可塑剤は、20重量部未満で
は、繊維化工程中、繊維と金属ロールとの間の滑り性が
不十分となって円滑な紡糸を阻外し、逆に30重量部を超
えるとオクチル錫系熱安定剤の割合が少なくなるため耐
熱着色性が低下する。結局熱安定剤組成物100重量部に
おいて、オクチル錫系熱安定剤は65〜75重量部、フタル
酸系可塑剤は20〜30重量部、界面活性剤は5〜15重量部
となる。かかる組成の熱安定剤組成物は、重量比で80:2
0〜20:80の含ハロゲン高分子物質とポリビニルアルコー
ルとからなる本発明の難燃性繊維の主要構成成分100重
量部に対して0.2重量部未満では繊維化工程で熱着色
し、又製品となった際の業務用洗濯に於ける乾燥・アイ
ロンがけ工程の温度での着色が著しく、とても実用に耐
えない。逆に5重量部を超えると、紡糸原液の安定性が
低下し、紡糸不能に至る。
オクチル錫系熱安定剤として、メルカプタン系とラウ
レート系を配合して使用する場合、メルカプタン系が多
くなると、耐熱着色性は向上するが、繊維化工程に於け
る雰囲気温度を高くしすぎると発煙・異臭が激しくな
り、環境衛生上の問題がある。逆にメルカプタン系が少
なくなるとその分耐熱着色性が低下するため、メルカプ
タン系/ラウレート系=5/5〜3/7の組成比が最も好まし
い。
第3に、本発明の耐熱着色性に優れた難燃性繊維の製
造方法について詳述する。
前記の含ハロゲン高分子物質のエマルジョンとポリビ
ニルアルコール水溶液とを固形分比80:20〜20:80に混合
して例えば固形分濃度15〜30%の水溶液を調製し、これ
に錫酸、5酸化アンチモン及び熱安定剤組成物のそれぞ
れの水分散液の所定量を添加し、得られた紡糸原液を湿
式紡糸し、用途に応じて適宜後処理を行なうことによ
り、本発明の耐熱着色性に優れた難燃性繊維が得られ
る。錫酸、5酸化アンチモン、熱安定剤組成物は、それ
ぞれ単独に逐次添加しても良く、或いは、2成分、3成
分混合した後添加しても良い。後処理としては、通常、
湿熱処理、水洗、乾燥、熱延伸、熱固定した後、アルデ
ヒド化合物を含有するアセタール化浴でアセタール化処
理を行ない、水洗、仕上処理、捲縮、切断、乾燥するこ
とが行なわれるが、用途によって適宜省略し、或は、他
の処理を追加して行なってもよい。
前記のアルデヒド化合物としては、ホルマリン、アセ
トアルデヒド、フルフラール、グリオキザール、ベンズ
アルベヒドなどを用いることができる。
第4に、本発明の難燃性及び耐熱着色性に優れた繊維
組成物について詳述する。
可燃性繊維と難燃性繊維との複合体の難燃性を達成す
るためには、可燃性繊維由来の可燃性熱分解生成物と難
燃性繊維由来の熱分解生成物との間の相互作用により、
可燃性熱分解生成物を難燃化又は不燃化せしめ、燃焼の
連鎖反応を終息せしめる必要がある。
可燃性生成物は、その発生源である可燃性繊維の化学
構造によって異なり、従って同一の難燃性繊維を用いて
各種の可燃性繊維との複合体の難燃化を達成すること
は、通常は期待出来ないが、本発明の難燃性繊維は、セ
ルローズ系、ポリエステル、アクリル、ビニロン、ナイ
ロン、ポリプロピレン等の何れの可燃性繊維との複合体
に於ても有効である。その中でもセルローズ系、特に木
綿繊維に対して有効である。又、一般に難燃性を向上さ
せると耐熱着色性が低下するが、本発明の難燃性繊維は
その点をも克服した。
(発明の作用及び効果) 本発明は、特に業務用洗濯を必要とする分野への難燃
性繊維製品の提供を目的として検討を行なったものであ
り、製品特性としては難燃性、耐熱着色性、通過性、熱
安定剤の毒性、耐熱着色能の持続性、難燃性以外の繊維
物性を、難燃性繊維の製造条件としては紡糸原液の安定
性、紡糸の安定性、繊維化工程での繊維の着色、発煙、
異臭、熱安定剤組成物の分散安定性等、発明完成に至る
各種バリヤーが特許請求の範囲に記載の特定の難燃剤と
特定の熱安定剤組成物との組み合せの特定の配合量に於
てのみクリヤー出来ることを見出したものである。
これらの条件のうち一つでも欠けると、本発明の目的
を達成することが出来ない。
更に、本発明の難燃性繊維は、巾広い可燃性繊維との
複合体に対し、難燃性を付与することに効果的であり、
難燃性繊維製品分野に於いて、ますます多様化、高度化
する消費者の要求に応えることが出来、斯界へ寄与する
こと甚大である。
(実施例) 以下、実施例により、本発明を更に詳しく説明する
が、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものでは
ない。
実施例1 ポリ塩化ビニルを主成分とするポリ塩化ビニールエマ
ルジョンとポリビニルアルコール水溶液を固形分重量比
で50:50の割合となりよう混合した固形分濃度22重量%
の混合液の固形分100重量部に対して、SnO2:H2O=1:0.6
(モル比)の錫酸を固形分で1.5重量部、コロイド状5
酸化アンチモン(日産化学株式会社、水性ゾルA−2550
M)を固形分で8.5重量部及び別記する熱安定剤組成物を
固形分で2重量部添加したものを紡糸原液とし、80℃に
保温して、これを40℃の硫酸ナトリウム飽和水溶液中に
湿式紡糸し、引続いて95℃の硫酸ナトリウム飽和水溶液
中で湿熱処理し、冷水で洗滌した後、乾燥、延伸、熱固
定工程を経て、繊維化した。紡糸原液の安定性及び紡糸
性は、十分満足出来るものであった。
この繊維を硫酸15重量部、硫酸ナトリウム15重量部、
ホルムアルデヒド5.5重量部、水64.5重量部を含む70℃
のアセタール化浴に、60分間浸漬した後圧搾脱液してか
ら、40℃の温水で充分洗滌し、更に50℃、30g/Lの炭酸
ナトリウム水溶液で中和洗滌し、再び室温の水で洗滌し
た後、仕上油剤処理、乾燥、捲縮、切断して、2デニー
ルのステープルを得た。
前記の熱安定剤組成物は、オクチル錫系熱安定剤とし
てブレックT−130FM(大日本インキ化学工業株式会社
製メルカプタン系熱安定剤)とブレックT−7048(大日
本インキ化学工業株式会社製ラウレート系熱安定剤)を
重量比で4:6に配合したもの70重量部に、フタル酸系可
塑剤としてモノサイザーW−520(DOP)(大日本インキ
化学工業株式会社)25重量部を混合した後、芳香族系非
イオン界面活性剤としてノイゲンEA−112(第一工業製
薬株式会社)5重量部添加し、常温にて30分間ホモミキ
サーにて混合撹拌し、次いでこれを15重量%の濃度にな
るように水中に添加した後、常温にて10分間ホモミキサ
ーにて再度分散せしめることにより調製した。
また、比較のために、本発明の熱安定剤組成物を加え
ず、更に難燃剤の添加量を変更したサンプル、即ち比較
サンプルAとして錫酸1.0重量部、コロイド状5酸化ア
ンチモン4.0重量部を添加したもの、及び、比較サンプ
ルBとして錫酸1.5重量部、コロイド状5酸化アンチモ
ン8.5重量部を添加したものを、同様に作製した。
このようにしてアセタール化し、切断して得られた本
発明の耐熱着色性に優れた難燃性繊維ステープル及び比
較サンプルA、Bをそれぞれ30重量部と、木綿繊維70重
量部とを混綿して、綿番手20番の混紡糸を作製し、この
混紡糸を用いて、目付140g/m2の平織地を得た。
この平織地に対して、業務用洗濯条件下の繰り返し洗
濯を行なったところ、乾燥・アイロンがけ工程に於ける
熱金属板表面温度175℃、通過スピード40m/minに於い
て、通過性には全く問題はなかった。
それぞれの平織地について、繰り返し洗濯を100回行
なった試料の防災性と白色度を測定したが、表1に示す
通り、本発明の耐熱着色性に優れた難燃性繊維と木綿繊
維とから成る織物は、比較サンプルと比べて優れた性能
を示した。
実施例2 実施例1の本発明の耐熱着色性に優れた難燃性繊維又
は比較サンプルAと、木綿繊維、ポリエステル繊維、ア
クリル繊維、ビニロン繊維、ナイロン繊維、ポリプロピ
レン繊維のそれぞれを、表2及び表3に示した混用率で
混綿し、綿番手20番の紡績糸を作製した。得られた紡績
糸を用いて、目付165〜170g/m2の丸編地を作製し、更に
スコアロール700(花王アトラス株式会社製高級エーテ
ル型のノニオン型精錬洗浄剤)を2g/L含有する45℃の処
理浴により30分間精錬した後75℃で乾燥し、これらの試
料についてLOI(限界酸素指数)を測定した。
表2及び表3に示すように、本発明の耐熱着色性に優
れた難燃性繊維は、いずれの可燃性繊維との複合繊維組
成物のLOIアップに対しても有効であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // D06M 101:18 101:22

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量比で80:20〜20:80の含ハロゲン高分子
    物質とポリビニルアルコールを主要構成成分とし、この
    主要構成成分100重量部に対して、0.3〜10重量部の錫
    酸、5〜25重量部の5酸化アンチモン及び、0.13〜3.75
    重量部のメルカプタン系/ラウレート系=5/5〜3/7の組
    成比からなるオクチル錫系熱安定剤を含有することを特
    徴とする耐熱着色性に優れた難燃性繊維。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載の難燃性繊維と
    可燃性繊維とから主としてなる難燃性及び耐熱着色性に
    優れた繊維組成物。
  3. 【請求項3】可燃性繊維が、セルローズ系、ポリエステ
    ル、アクリル、ビニロン、ナイロン、ポリプロピレンの
    各単独繊維或はこれらの二種以上の繊維混合物であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第2項記載の繊維組成
    物。
  4. 【請求項4】セルローズ系繊維として木綿繊維を用いる
    ことを特徴とする特許請求の範囲第3項記載の繊維組成
    物。
  5. 【請求項5】重量比で80:20〜20:80の含ハロゲン高分子
    物質とポリビニルアルコールを主要構成成分とする繊維
    の製造方法において、この主要構成成分100重量部に対
    して、0.3〜10重量部の錫酸、5〜25重量部の5酸化ア
    ンチモン及び、0.2〜5重量部のメルカプタン系/ラウ
    レート系=5/5〜3/7の組成比からなるオクチル錫系熱安
    定剤組成物(熱安定剤組成物は組成物100重量部におい
    て65〜75重量部のオクチル錫系熱安定剤と20〜30重量部
    のフタル酸系可塑剤と5〜15重量部の界面活性剤からな
    る)を含有する原液を湿式紡糸することを特徴とする耐
    熱着色性に優れた難燃性繊維の製造方法。
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