JP2887205B2 - 印刷用塗被紙 - Google Patents

印刷用塗被紙

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JP2887205B2 JP1139963A JP13996389A JP2887205B2 JP 2887205 B2 JP2887205 B2 JP 2887205B2 JP 1139963 A JP1139963 A JP 1139963A JP 13996389 A JP13996389 A JP 13996389A JP 2887205 B2 JP2887205 B2 JP 2887205B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、高級印刷用紙に関するものであり、特に白
色度、光沢度、ピッキング強度等の印刷効果に優れ、同
時にオフセット輪転印刷時のブリスターを改善したオフ
セット輪転印刷用塗被紙に関する。
「従来の技術」 一般に印刷用塗被紙と呼ばれるものは、原紙表面に顔
料及び接着剤を主成分とする塗被組成物を塗被して製造
されるが、その製造方法及び品質レベルによりキャスト
コート紙、アート紙、コート紙、微塗工紙等に分類さ
れ、その殆どがパンフレット、カレンダー、週刊誌、書
籍、包装用紙等として利用されている。
特に、近年パンフレット、カレンダー、週刊誌、書
籍、包装用紙等の印刷物の急増に伴い高級多色印刷用の
オフセット印刷機の普及がめざましく、そのための印刷
用塗被紙の需要が著しく伸びている。一方、印刷物の美
観の点から、これら印刷用塗被紙に対してより優れた平
滑性、光沢を有すること、また、印刷技術の高度化、高
速化に伴いピッキング強度、耐水性等、より優れた印刷
適性を有することが強く要望されている。
周知の通り、オフセット印刷機には枚葉印刷機と巻取
紙を対象とする輪転印刷機がある。両者の印刷方式は基
本的には同じであるが、最大の相違点はオフセット輪転
印刷機の方は印刷効率を高めるために高速化が可能にな
るように設計されており、印刷されたインキが印刷スピ
ードにマッチして瞬間的に乾燥することが重要である。
その為に、通常、オフセット輪転印刷機には高温乾燥機
が付設されている。しかし、このように高温乾燥機をつ
けると、所謂ブリスター(火ぶくれ現象)と呼ばれる特
有のトラブルが発生し易い。このブリスターの発生の有
無が枚葉印刷機とオフセット輪転印刷機における大きな
相違点である。
即ち、オフセット輪転印刷機では紙シートが100〜700
m/分の高速度で印刷機上を走行するので、紙表面に転移
したインキは急速に固化セットする必要があるため、ガ
ス・バーナー、ジェットエアー、オーブン・ドライヤー
等により急速加熱が行われるが、その際紙の表面温度は
100〜200℃にも上昇すると言われている。印刷用紙は通
常5〜7%の平衡水分を含んでいるが、これが上記の如
き急激な加熱により瞬時に水蒸気となり、紙層外へ逸散
しようとする。一般に紙シートは繊維間の空隙率が60%
程度の多孔性構造をとっており、中質紙や上質紙のよう
に塗被層を有しない紙層中の水分は容易に外部に蒸発・
逸散することができるが、塗被紙では紙層中の水分は塗
被層に阻害されて逃げ場を失い、遂には紙層を破裂させ
て“火ぶくれ”、つまりブリスターが発生する。
一般に、印刷効果の面から枚葉印刷及びオフセット輪
転印刷用塗被紙に要求される品質特性としては白紙光
沢、平滑性、白色度、インキグロスやインキ転移性に優
れ、印刷インキのアフタータックに耐えうる印刷ピッキ
ング強度があること、耐水性がありウェットピッキング
強度が強いこと、また印刷に際し表裏差がないこと等が
挙げられる。
さらに、前述した如くオフセット輪転印刷用塗被紙に
おいては、所遺ブリスターを起こさないように種々の対
策が講じられている。具体的には通気性の改善、原紙内
部の接合強度の改善等が挙げられる。
塗被紙においては、顔料や接着剤を主成分とする塗被
層を原紙へ設けたものであるが、非塗被紙に比べて上述
の如き品質要求を殆ど満たすことができるが、反面ブリ
スターについては問題が残されている。
そのために、塗被層の構成成分である顔料や接着剤に
ついても耐ブリスター対策ということで原材料メーカー
や製紙メーカーが協力して、従来から種々検討が加えら
れてきており、その中にあって、炭酸カルシウムの利用
技術もその検討課題の一つとして取り行われてきた。
ところで、工業用の炭酸カルシウムには天然の石灰石
を物理的に粉砕処理して得られる重質炭酸カルシウムと
化学的方法により合成して得られる沈降性炭酸カルシウ
ムの二種類がある。
さらに、沈降性炭酸カルシウムの製造方法としては石
灰乳に炭酸ガスを吹き込んで反応させる炭酸ガス化合法
と炭酸塩を塩化カルシウム水溶液等と反応させて得られ
る炭酸塩溶液化合法とがあるが、現在は前者の炭酸ガス
化合法が多く採用されている。これらの方法により製造
される沈降性炭酸カルシウムはその一次粒子の大きさに
応じてゴム、プラスチック、製紙、塗料等の填料又は顔
料として大量に使用されている。
一般に、塗被紙用顔料としては印刷用紙の光学的性質
及び印刷適性の面から最も望ましい炭酸カルシウムの一
次粒子の粒度分布は0.1〜0.3μmであることが明らかに
されているが、上記の炭酸ガス化合法で製造される沈降
性炭酸カルシウムでこのように細かい膠質の炭酸カルシ
ウムは、元来一次粒子間の凝集力が非常に強いものであ
って、一次粒子が複数個乃至多数個凝集して大きな凝集
体即ち二次粒子を形成していることが多い。そして、こ
の二次粒子があたかも一次粒子のような挙動を示し、本
来の一次粒子が持つ基本的な特徴を消失せしめ、即ち、
その粒子径、粒子形状等が有する特有の品質効果が発揮
されなかったのが実情である。
例えば、沈降性炭酸カルシウムを配合した塗被組成物
を塗布して製造されるオフセット印刷用紙の場合、使用
される炭酸カルシウムの一次粒子の大きさは正常であれ
ば0.1〜0.3μmのものであるが、それが凝集体を形成し
て実体としては2μm以上の粒子径のものが殆どであ
る。結果として、本来の一次粒子がもつ白色度、平滑
度、光沢度等の品質特性が損なわれ、平滑度や白紙光沢
を低下させる起因となっている。
従って、上記の如き難点を有することから、このよう
に大きな凝集体を形成した沈降性炭酸カルシウムを塗被
組成物の顔料成分として用いる場合には、限定して使用
されるのが一般的である。例えば二度塗りの場合は下塗
り塗被組成物の顔料として他の顔料であるカオリン、水
酸化アルミニウム、二酸化チタン、重質炭酸カルシウム
等と混合使用されている。また、上塗り層では軽量コー
ト紙や微塗工紙に、或いは、マット仕上げの塗被紙を製
造する場合等において使用される例が多い。しかし、白
色度、光沢度、平滑度等に優れ且つ耐ブリスター適性が
必要とされるようなアート紙やコート紙等の高級印刷用
塗被紙には不適当な顔料とされていた。
「発明が解決しようとする課題」 本発明の目的は、上記の如き難点を改善し、白色度、
光沢度、平滑度及び印刷強度等に優れており、特にオフ
セット輪転印刷時のブリスターを解消したオフセット輪
転印刷用塗被紙を提供するものである。
「課題を解決するための手段」 本発明は、原紙上に顔料及び接着剤を主成分とする塗
被層を設けた塗被紙において、顔料として下記条件を満
足する沈降性炭酸カルシウムを10重量部以上含有せしめ
たことを特徴とする印刷用塗被紙である。
d;セディグラフX線透過式粒度分布測定法により測定し
た平均粒子径(μm)で、 d=0.1〜1.5μmの範囲。
D;BET比表面積測定法により測定した比表面積の値より
算出した平均粒子径(μm)。
「作用」 本発明者等で、オフセット輪転印刷用塗被紙の品質改
善、特に白色光沢、平滑性、白色度に優れ、さらにブリ
スター、表面強度等の印刷適性が同時に改善され得る白
色顔料について鋭意検討を重ねた結果、下記条件を満た
す沈降性炭酸カルシウムが本発明の目的に最も適合する
顔料であることを見出し、遂に本発明を完成するに至っ
た。
d;セディグラフX線透過式粒度分布測定法により測定し
た平均粒子径(μm)で、 d=0.1〜1.5μmの範囲。
D;BET比表面積測定法により測定した比表面積の値より
算出した平均粒子径(μm)。
沈降性炭酸カルシウムは元来一次粒子間の凝集力が非
常に強いものであり、通常は一次粒子が多数凝集して大
きな凝集体を形成した状態で使用されている。この様に
して凝集している炭酸カルシウムはそのスラリーを例え
ば湿式粉砕機で処理した場合でも完全に個々の一次粒子
までに分離させることはできない。
従って、本発明者達が沈降性炭酸カルシウムを水中に
分散せしめ、卓上型プロペラミキサーの如き通常の攪拌
機で処理し、得られたスラリーをセディグラフX線透過
式粒度分布測定法で測定した平均粒子径dは一次粒子が
多数凝集して、所謂二次粒子となった凝集体をあたかも
一次粒子であるかの如く、その粒子径として測定された
ものである。よって、dは正しくは平均二次粒子径と解
釈されるべきものであり、以後はdを二次粒子径と呼称
する。
一方、BET比表面積測定法により測定した比表面積の
値より算出した沈降性炭酸カルシウムの平均粒子径D
は、近似的には本来の粒子径、即ち一次粒子径として定
義することのできるものであるから、以後はDを一次粒
子径と呼称する。
オフセット印刷用塗被紙の白色顔料として、沈降性炭
酸カルシウムを使用することは公知であるが、従来技術
での沈降性炭酸カルシウムは既に述べた如く、所謂二次
粒子径dが2μm以上にもなる大きな凝集体を形成して
いる炭酸カルシウムであった(以下、凝集型沈降性炭酸
カルシウムと称する)。
この凝集型沈降性炭酸カルシウムは通気性が良いた
め、耐ブリスター適性に優れてはいるものの、前述の如
く、白色度、光沢度、平滑度或いは表面強度の低下を避
けることができないために、高品質の印刷用塗被紙用の
顔料として使用するには問題を残していた。しかし、他
の顔料と比較して、特にオフセット輪転印刷での重要な
品質適性の一つである耐ブリスター適性等といった点に
おいては、極めて優れた特性を発揮することが知られて
いる。
本発明者等は印刷用塗被紙の塗被組成物用顔料として
沈降性炭酸カルシウムの粒子径や粒子の分布特性等につ
いて鋭意研究を行った結果、二次粒子径が1.5μm以下
の場合であれば、たとえ凝集体を形成していても、その
ような沈降性炭酸カルシウムを用いた印刷用塗被紙は、
一次粒子の特性を失うことなく極めて高品質の塗被紙を
効果的に製造することができ、且つ従来の凝集型沈降性
炭酸カルシウムが有していた上記の如き難点をすべて解
消し、耐ブリスター適性に優れたオフセット輪転印刷用
塗被紙を得られることを突き止め、本発明を完成するに
至った。
而して、本発明の沈降性炭酸カルシウムはオフセット
輪転印刷用塗被紙の顔料として始めて使用するものであ
るが、従来の凝集型沈降性炭酸カルシウムと比較すると
白色度や光沢度が高く、さらに、表面強度も良好であ
る。また、水分の透過性(ローランド適性)も同程度に
良いという特徴を有している。
このような効果が得られる本発明の沈降性炭酸カルシ
ウムは、セディグラフX線透過式粒度分布測定法により
水分散系で測定した場合に、平均粒子径で示される二次
粒子径dが0.1〜1.5μmの範囲に有ることが必要であ
る。また、二次粒子径dとBET比表面積測定法により測
定される比表面積の値から算出され、平均粒子径として
示される一次粒子径Dとの比が下記の式を満たすことが
必要である。
より好ましくは である。因に、水分散系で測定された平均粒子径で示さ
れる二次粒子径が0.1μm以下の場合には、光沢度は良
いが塗被層がより緻密に形成されるために、通気性が低
下しさらに表面強度も低下するので好ましくない。一
方、二次粒子径が1.5μmを越えると白色光沢やインキ
クグロスが著しく低下し、本発明の所望する光沢度の優
れた塗被紙を得ることはできない。さらに、上記式d/D
の値が5.5を越える場合も、その沈降性炭酸カルシウム
は大きな凝集体を形成しており、光沢度や表面強度が著
しく低下し、本発明における所望の効果を発揮すること
ができない。
本発明の沈降性炭酸カルシウムを使用して製造したオ
フセット輪転印刷用塗被紙の透気度をTAPPI−T−536hm
−85記載の方法で測定すると、従来から使用されていた
凝集型沈降性炭酸カルシウムで製造したオフセット輪転
印刷用塗被紙と略同レベルに達していて、しかもブリス
ターが同程度かそれ以上に改善されていることについて
は全く予想もされないことであった。
このような効果が得られる理由については、必ずしも
明らかではないが、その一つの要因として塗被層内にお
ける各顔料が均一に分布されることにより、沈降性炭酸
カルシウムの微細な孔隙が塗被層内に均一に形成される
ためと推定される。即ち、本発明で使用される沈降性炭
酸カルシウムをカオリンの如く板状の結晶構造を有する
顔料と混合配合して得られた塗被組成物を原紙に塗被す
ることによって得られたオフセット輪転印刷用塗被紙
は、いかなる塗被層においても、例えばカオリンの如く
板状の顔料のみによって緻密な層を形成しているような
塗被紙ではなく、微粒で通気性の良い炭酸カルシウムが
塗被層中に殆ど均一に分布されているために、塗被層中
に程よい微細な孔隙が形成され、しかも微粒な炭酸カル
シウムであるために、本来一次粒子として有している光
沢度や平滑性等の特性がそれ程低下することなく発揮さ
れるために、結果として高品質且つ予想以上のブリスタ
ーの改善効果が得られるものと思われる。
さらに、本発明の沈降性炭酸カルシウムは、下記の式
を満たすことによって、本発明の所望の効果を得るうえ
で、より好ましく使用できるものである。
d1;セディグラフX線透過式粒度分布測定法により測定
した累積重量が70%に達するときの粒子径(μm)。
d2;セディグラフX線透過式粒度分布測定法により測定
した累積重量が30%に達するときの粒子径(μm)。
即ち、上記の式は平均粒子径を示す50重量%を中心
に、その前後(本発明においては30〜70重量%の範囲)
の粒子の大きさがどの程度の幅をもって分布しているか
を求める式である。つまり、粒子径の均一性を知る指標
となるものである。従って、上記式の計算結果を粒子の
均一度(以後、uと呼称する)と表現する。
因みに、uが0の場合は略同じ粒子径の単一粒子から
成っていることを意味し、均一性に優れている。一方、
uが2以上になると均一性が失われ、不揃いの粒子の集
まりとなる。従って、このような沈降性炭酸カルシウム
を顔料として使用すると、局部的に緻密な塗被層を形成
する原因となり、結果的に塗被紙のピッキング強度やブ
リスター等の改善の面で本発明が所望とする改善効果が
得られなくなる恐れがあり、好ましくない。
本発明で使用される沈降性炭酸カルシウムは、例えば
特開昭59−57913号、特公昭42−14706号、55−51852
号、59−12607号等で記載されている方法で製造されて
いるものが挙げられるが、特に、これらの製造方法に限
定されるものではない。また、製造される沈降性炭酸カ
ルシウムの結晶構造及び粒子形態等についても特に限定
されるものではないが、粒子形状としては立方形、切株
状方柱形、柱状形の沈降性炭酸カルシウムは紡錘形のも
のと比較して高光沢、高白色度が得やすく、本発明の目
的に適した沈降性炭酸カルシウムとしてより好ましく使
用できる。
また、通常の沈降性炭酸カルシウムには、スラリー状
或いはケーキ状の含水製品やこれらをさらに乾燥して得
られる粉末製品等がある。中でも前者の未乾燥品は乾燥
粉末品と比較して、一般的に二次凝集物が少ないため
に、好ましく使用できる。
なお、近年高濃度の塗被液の調製が可能であり、しか
も取扱い時の作業性の良さという点から、流動性があり
懸濁安定性の良好な固形分濃度が50%以上の高濃度且つ
低粘度の水分散系スラリー状の炭酸カルシウムが開発さ
れており、とりわけ本発明の目的に適している。
次に、本発明の沈降性炭酸カルシウムを単独又は他の
顔料と併用してオフセット輪転印刷用塗被紙用塗被組成
物を得る方法について述べる。
先ず、併用する顔料としては通常一般塗被紙に用いら
れている顔料、例えばカオリン、水酸化アルミニウム、
サチンホワイト、硫酸バリウム、重質炭酸カルシウム、
凝集型沈降性炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、
プラスチックピグメント、焼成クレー、シリカ、酸化亜
鉛、酸化マグネシウム、ベントナイト等の中から塗被紙
の品質目標に応じて一種又は二種以上を適宜組合わせて
使用することができる。例えば、高光沢、高平滑等を重
視する場合はカオリンを主体とした配合を設定する等で
ある。しかしながら、前述した如くオフセット輪転印刷
用塗被紙の場合には、紙層中の水分蒸発を阻害するよう
な顔料構成は避けるべきであって、本発明においては少
なくとも10重量%以上の沈降性炭酸カルシウムが用いら
れる。因みに、10重量%以下では所望とするブリスター
改善効果が得難い。
本発明における塗被紙では、上記の如く顔料として、
本発明の沈降性炭酸カルシウムを少なくとも10重量%以
上配合したオフセット輪転印刷用塗被紙の塗被組成物に
特徴を有するものであるが、勿論これら顔料以外に接着
剤、各種助剤等を適宜添加して調製されるものである。
接着剤としては従来公知公用のカゼイン、大豆蛋白、
スチレン・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート
・ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテック
ス・アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステ
ルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテック
ス、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体
ラテックス、或いはこれらの各種重合体をカルボキシル
基等の官能基含有単量体により、官能基変性したアルカ
リ溶解性或いはアルカリ非溶解性の重合体ラテックス、
ポリビニルアルコール、オレフィン・無水マレイン酸樹
脂、メラミン樹脂等の合成樹脂系、接着剤、陽性澱粉、
酸化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロ
ース誘導体等、一般の塗被紙用として公知公用の接着剤
を単独或いは併用することができる。なお、接着剤の使
用量は顔料100重量部に対し5〜50重量部、通常10〜30
重量部の範囲で使用される。
また、助剤としては、消泡剤、着色剤、離型剤、流動
変性剤等が必要に応じて適宜使用される。
さらに、上記の如き材料を用いて構成されるオフセッ
ト輪転印刷用塗被紙の塗被組成物は一般に固形分濃度を
45〜75重量%程度に調製し、原紙上に乾燥重量が10〜50
g/m2程度になるように塗被後、一般に、スーパーキャレ
ンダー装置等に通して高度の光沢や平滑か付与され、耐
ブリスター適性の優れたオフセット輪転印刷用紙として
仕上げられる。
なお、塗被層を形成するに当たっては該塗被組成物の
一度塗りの層とするか或いは二層以上の多層構造にする
かは特に限定するものではなく、多層構造の場合下塗
り、上塗り層の塗被組成物が同一である必要はなく、所
要の品質レベルに応じて適宜調整された配合であれば良
く、限定されるものではない。但し、本発明で目的とす
る高級なオフセット輪転印刷用塗被紙を得る為には、本
発明の沈降性炭酸カルシウムを下塗り又は上塗り層のい
ずれかに総顔料の10重量%以上配合されていることが必
要である。特に、多層構成の塗被層の場合、いずれの層
においても本発明の沈降性炭酸カルシウムが10重量%以
上配合されている層構成の場合には、より好ましい結果
が得られる。
本発明で使用される原紙は特に限定されるものではな
く、一般の上質紙、各種機械パルプ(BCTMP,CTMP,SGP,R
GP等)やDIP等を含む中質紙或いは中性抄紙された原紙
等が用いられるが、澱粉又は澱粉誘導体等の如き水溶性
の接着剤でサイジングを施し、紙層内部の結合強度を増
強したものを使用すればより好ましい結果が得られる。
また、塗被層を形成する方法としては一般に公知公用
の塗被装置、例えばブレードコーター、エアーナイフコ
ーター、ロールコーター、ブラシコーター、チャンプレ
ックスコーター、バーコーター、グラビヤコーター等の
装置が適宜用いられる。これらの装置はオンマシンコー
ター或いはオフマシンコーターの形として慣用の方法で
用いられるが、特に、本発明の塗被紙を製造するために
複数の塗被装置とキャレンダー装置等を配備した高速の
オンマシンコーターを用いると、極めて効率的に且つ高
品質の印刷用塗被紙を得ることができる。
「実施例」 以下に、本発明の効果をより具体的に説明するために
実施例を記載するが、本発明がこれらの実施例に限定さ
れるものでないことは勿論であり、実施例中の「部」及
び「%」は特に断らない限りそれぞれ重量部及び重量%
を示す。
実施例1〜9、比較例1〜5 (表−1)に示すような沈降性炭酸カルシウム50部と
カオリン(EMC社製カオリン/UW−90)50部をポリアクリ
ル酸ソーダ0.2部と一緒にコーレス分散機を用いて、水
分散し濃度68%の顔料スラリーを調製した。このように
して得たスラリーにアンモニア水0.2部と接着剤とし
て、予め95℃、28%濃度で30分間蒸煮して得た酸化澱粉
(王子コーンスターチ社製/エースA)5部(固形分)
及びスチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(住友ノ
ーガタック社製/SN−307)10部(固形分)を添加し、さ
らにシリコン系消泡剤0.1部、ステアリン酸カルシウム
0.5部及び水を添加し撹拌・混合して濃度60%の塗被紙
を得た。
上記の如くして得た塗被液を米坪74g/m2の上質原紙に
乾燥重量で片面当たり20g/m2となるようにブレードコー
ターを用いて両面塗被を行い、紙水分が6%となるよう
に乾燥した。次に、このようにして得た両面塗被紙をス
ーパーキャレンダー処理を行ってオフセット輪転印刷用
塗被紙として仕上げた。なお、オフセット輪転印刷用塗
被紙としての品質結果を(表−1)に示した。
実施例10〜14、比較例6〜11 (表−2)に示すようにカオリン(EMC社製/HTクレ
ー)と沈降性炭酸カルシウム(実施例2で使用したもの
と同一サンプル(b)と比較例1で使用した炭酸カルシ
ウムサンプル(i)を用いて)の配合比率をそれぞれ変
更させたものについて、ポリアクリル酸ソーダ0.2部と
一緒にコーレス分散機を用いて、水分散し濃度68%の顔
料スラリーを調製した。
以下、実施例1と同じようにしてオフセット輪転印刷
用塗被紙を得た。得られた塗被紙の品質結果を表−3に
示した。
実施例15 重質炭酸カルシウム(備北粉化工業社製/ソフトン18
00)50部と沈降性炭酸カルシウム(実施例2で使用した
サンプル(b))50部の混合顔料をポリアクリル酸ソー
ダ0.5部と一緒にコーレス分散機を用いて、水分散し濃
度68%の顔料スラリーを調製した。
このスラリーに実施例1で用いたと同様の酸化澱粉12
部(固形分)及びスチレン・ブタジエン共重合体ラテッ
クス4部(固形分)を添加し、さらにシリコン系消泡剤
0.1部、ステアリン酸カルシウム0.5部及び水を添加し撹
拌・混合して濃度55%の下塗り用塗被液を得た。別に、
カオリン(HTクレー)70部と沈降性炭酸カルシウム(サ
ンプル(b))30部の混合顔料をポリアクリル酸ソーダ
0.2部と一緒にコーレス分散機を用いて、水分散し濃度6
8%の顔料スラリーを調製した。このスラリーに実施例
1で用いたと同様の酸化澱粉5部(固形分)及びスチレ
ン・ブタジエン共重合体ラテックス10部(固形分)を添
加し、さらにシリコン系消泡剤0.1部、ステアリン酸カ
ルシウム0.5部及び水を添加し撹拌・混合して濃度60%
の上塗り用塗被液を得た。上記二種の塗被液を用いて、
ロールコータ及びブレードコータを装備したオンマシン
を用いて抄紙・塗工を行った。
即ち、LBKP85%、NBKP15%のパルプ構成からなる米坪
60g/m2の原紙がサイズプレスにより澱粉サイジングを施
された後、ロールコータに至りここで前記の下塗り用塗
被液を乾燥重量がフェルト側6g/m2、ワイヤー側7g/m2
塗被量になるように塗被され、下塗り層が形成された。
次に、この下塗り層が形成された塗被紙は乾燥パートを
通過した後、キャレンダースタックに通され、塗被面が
平滑化された後、直ちにブレードコータに至り、ここで
前記上塗り用塗被液をフェルト側9g/m2、ワイヤー側9g/
m2の塗被量になるように塗被・乾燥された後、キャレン
ダーに通され巻き取られた。この巻き取り紙は含有水分
が約6%であり、スーパーキャレンダ処理されてオフセ
ット輪転印刷用塗被紙に仕上げられた。得られた塗被紙
の品質結果を表−4に示した。
比較例12 使用した沈降性炭酸カルシウムが、下塗り用塗被液及
び上塗り用塗被液共に比較例1で使用したサンプル
(i)である以外は、実施例15と同様にしてオフセット
輪転印刷用塗被紙を得た。得られた塗被紙の品質結果を
(表−3)に示した。
〔備考〕粒子径測定の品質評価方法 (1) 一次粒子径Dの測定 BET比表面積測定法により測定した比表面積Sをもと
にして、下記の式により一次粒子径を算出した。
D;BET比表面積測定法により測定した比表面積から算出
された沈降性炭酸カルシウムの一次粒子径(μm)。
S;BET比表面積測定法により測定した沈降性炭酸カルシ
ウムの比表面積(m2/g)。
ρ;沈降性炭酸カルシウムの真比重(g/cm3)。
(2) 二次粒子径dの測定 500mlの容器に予め総量が300gとなるように計算の上
に、仕上がり濃度が60%になるように水を投入後、所要
の沈降性炭酸カルシウムを添加しながら卓上型プロペラ
ミキサーを用いて800rpm、10分間の撹拌を行いスラリー
を調製した。このようにして得た沈降性炭酸カルシウム
のスラリーをセディグラフX線透過式粒度分布測定装置
(島津製作所製)を使用して、累積重量が50重量%に達
するときの粒子径を測定し、得られた値を二次粒子径と
した。さらに累積重量が30重量%に達するときの粒子径
及び70重量%に達するときの粒子径をそれぞれ求めた。
(3) 塗被紙の品質評価 (イ)光沢度 JIS P 8142の方法に準じて測定した。
(ロ)白色度 JIS P 8123の方法に準じて測定した。
(ハ)透気度 TAPPI−T−536hm−85に記載の方法に準じて測定し
た。
(ニ)ドライピック(表面強度) RI印刷適性試験機(明製作所製)によって評価した。
○;ピックの発生がなく良好 △;ピックが微かに発生 ×;ピックが多数発生した (ホ)ブリスター(火ぶくれ現象) KRKブリスターテスター(熊谷理機工業製)を用いて
評価した。
○;ピックの発生がなく良好 △;ピックが微かに発生 ×;ピックが多数発生した 「効果」 本発明の実施例から明らかなように、本発明の沈降性
炭酸カルシウムを含有するオフセット輪転印刷用塗被紙
は光沢、白色度、印刷強度に優れ然も極めてブリスター
適性の優れたものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−57913(JP,A) 特公 昭54−38207(JP,B2) 特公 昭55−51852(JP,B2)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原紙上に顔料及び接着剤を主成分とする塗
    被層を設けた塗被紙において、顔料として下記条件を満
    足する沈降性炭酸カルシウムを10重量部以上含有せしめ
    たことを特徴とするオフセット輪転印刷用塗被紙。 d;セディグラフX線透過式粒度分布測定法により測定し
    た平均粒子径(μm)で d=0.1〜1.5μmの範囲。 D;BET比表面積測定法により測定した比表面積の値より
    算出した平均粒子径(μm)。
  2. 【請求項2】沈降性炭酸カルシウムが下記条件を満足す
    る請求項(1)記載のオフセット輪転印刷用塗被紙。 d1;セディグラフX線透過式粒度分布測定法により測定
    した累積重量が70%に達するときの粒子径(μm)。 d2;セディグラフX線透過式粒度分布測定法により測定
    した累積重量が30%に達するときの粒子径(μm)。
  3. 【請求項3】沈降性炭酸カルシウムがカルサイト型立方
    形炭酸カルシウムである請求項(1)又は(2)記載の
    オフセット輪転印刷用塗被紙。
  4. 【請求項4】沈降性炭酸カルシウムがカルサイト型切株
    状方柱形炭酸カルシウムである請求項(1)又は(2)
    記載のオフセット輪転印刷用塗被紙。
  5. 【請求項5】沈降性炭酸カルシウムがアラゴナイト型柱
    状炭酸カルシウムである請求項(1)又は(2)記載の
    オフセット輪転印刷用塗被紙。
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