JP2886676B2 - コークス炉消火車の運転制御装置 - Google Patents

コークス炉消火車の運転制御装置

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JP2886676B2 JP33054290A JP33054290A JP2886676B2 JP 2886676 B2 JP2886676 B2 JP 2886676B2 JP 33054290 A JP33054290 A JP 33054290A JP 33054290 A JP33054290 A JP 33054290A JP 2886676 B2 JP2886676 B2 JP 2886676B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、コークス炉消火車の運転制御装置に関す
るものである。
〔従来の技術〕
従来から、コークス炉における消火車の運転制御に関
しては、一般に、当該消火車を牽引する電気車の運転室
に乗務した作業員の操作により行なわれており、その運
転手順としては、まず、コークス炉構成での窯出しを行
う炉室位置に対して、押出し機,ならびにガイド車,消
火車をそれぞれ正確に位置合せして停車させた状態と
し、押出し機によって焼成されたまゝの赤熱コークスが
押出されてくると、当該押出し速度に同調して消火車を
進行させながら、この消火車の開閉扉を閉じた車上に、
赤熱コークスを積み込んで受骸させ、ついで、積み込み
終了後は、消火車を消火塔に向け走行移動させて、消火
塔内の所定位置に正確に停止させ、かつこの状態で塔上
のタンク水槽から、積み込まれた赤熱コークスに散水す
ることによって消火させ、かつ水切りをなした上で、さ
らに今度は、消火車をコークワーフに向け走行移動させ
て、所定のワーフ箇所前に正確に停止させ、その後、開
閉扉を開いて消火されたコークスを当該所定のワーフ箇
所上に卸して排骸させ、このようにして当回の窯受け作
業を終了し、以後、この作業を各炉室毎に順次に繰り返
して所要の窯出しを実行するものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、上記コークス炉消火車の運転操作について
は、その作業上、ガイド車とか押出し機などの他の作業
機械との相互関係が極めて重要であり、このために通常
の場合には、有線,無線電話などによる通信手段を用
い、それぞれの担当箇所の作業員が相互に連絡を取り合
って、個々の作業機械の作業状態,作業位置などを一々
確認しながら作業を進める必要がある。
しかしながら、このような作業員相互の連絡の取り合
いによる人為的かつ手動的な運転操作においては、思い
違いなどのために誤報を生じ易く、作業状態,作業位置
などを必ずしも正確に把握して作業できないという問題
点がある。
そこで、従来においては、これらの押出し機,ガイド
車,および消火車などの各作業機械の運転操作を一連に
自動制御する手段も提案されてはいるが、例えば、消火
車の作業位置の基準となる軌道面それ自体を取り上げて
みても、消火車,ならびに当該消火車を牽引走行する電
気車の合計重量が相当程度までに大きい(例えば、消火
車の自重55t,電気車の自重35t,合計重量90t程度)こと
から、当該軌道面に対する負荷重量が多く、炉体ならび
に消火塔,コークワーフなどに対する軌道面の相対的位
置関係が変動し易くて、この軌道面自体を運転操作のた
めの基準面にできないなどの点で、必ずしも効果的な自
動制御をなし得ないものであった。
この発明は、従来のこのような問題点を解消するため
になされたもので、その目的とするところは、コークス
炉における消火車の走行のための運転方式を改善すると
共に、これによって当該消火車の効果的な自動制御操作
を可能にした,この種のコークス炉消火車の運転制御装
置を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
前記目的を達成するために、この発明に係るコークス
炉消火車の運転制御装置は、所定の軌道面を走行する消
火車の走行運転のために、ワイヤロープを介したウイン
チ装置による牽引手段を採用し、消火車の軌道面に対す
る負荷重量を低減させて当該軌道面の位置変動を防止
し、炉体ならびに消火塔,コークワーフなどに対する当
該軌道面,ひいては消火車の相対的位置関係を確保する
と共に、運転制御系の構成についても可及的に簡略化さ
せて、当該消火車の走行運転制御を効果的かつ確実に行
わせ得るようにしたものである。
すなわち、この発明は、押出し機と連繋作動されて軌
道上を走行する消火車を有し、押出し機によってコーク
ス炉の指定炉室から押出される焼成コークスを消火車上
に受骸すると共に、当該消火車を消火塔内に走行移動さ
せてコークスの消火をなした後、コークワーフの指定ワ
ーフ箇所に走行移動させて排骸させるコークス炉消火車
の運転制御装置であって、前記消火車の走行移動にウイ
ンチ装置によるワイヤロープ牽引方式を用い、前記軌道
の基端部側に設けられるウインチ装置の駆動ドラム,お
よび軌道の末端部側に設けられた従動ドラム間に、ワイ
ヤロープをエンドレス状に巻き掛けて張設すると共に、
消火車に架設した掴持装置によって当該ワイヤロープを
着脱自在に掴持させ、ウインチ装置の制御回転駆動によ
りワイヤロープを介して、消火車を往復走行運転し得る
ようにした消火車の走行運転手段と、前記ウインチ装置
の回転駆動量から、前記軌道上における消火車の所要作
業位置を検出する走行位置検出手段と、前記指定炉室の
受骸位置,消火塔における消火位置,ならびに指定ワー
フ箇所に対応する排骸位置の各作業位置への前記消火車
の接近を確認する作業位置検出手段とを少なくとも備
え、予め設定された作業プログラムに基づいて、前記走
行位置検出手段による消火車の所要作業位置の検出と、
前記作業位置検出手段による消火車の作業位置の確認と
が一致したとき、該当作業を行なうことを特徴とするコ
ークス炉消火車の運転制御装置である。
〔作用〕
従って、この発明装置においては、所定の軌道面を走
行する消火車の走行運転のために、ワイヤロープを介し
たウインチ装置による牽引手段を採用しているために、
軌道面に対しては、消火車の空重量,ないしは、積載荷
重のみが負荷されることになって、当該軌道面に対する
負荷重量を格段に低減し得て位置変動を防止でき、炉体
ならびに消火塔,コークワーフなどに対する当該軌道
面,ひいては消火車の相対的位置関係の確保が可能にな
り、当該消火車の走行運転制御を確実に行ない得るもの
で、しかも、走行位置検出手段による消火車の所要作業
位置の検出と、作業位置検出手段による消火車の作業位
置の確認とが一致したときに、所定の作業プログラムに
基づいて、該当作業を行なうようにしたから、消火車に
よる作業,ひいては、コークスの窯出し作業を効果的か
つ良好に行ない得るのである。
また、消火車の走行運転手段であるワイヤロープ牽引
方式として、軌道の基端部側に設けられるウインチ装置
の駆動ドラムと、軌道の末端部側に設けられる従動ドラ
ムとの間にエンドレス状に巻き掛けられるワイヤロープ
に対して、消火車での車体底部に固設される掴持装置を
用いて、当該ワイヤロープの各該当位置をそれぞれに着
脱自在に掴持させて構成したので、消火車の走行移動自
体を円滑に行なえるほか、こゝでは、各掴持装置の選択
的変更によって、ワイヤロープ自体の局部的な疲労を避
けた使用が可能になり、より一層,効果的な運行をなし
得るのである。
〔実 施 例〕
以下、この発明に係るコークス炉消火車の運転制御装
置の一実施例につき、第1図ないし第6図を参照して詳
細に説明する。
第1図はこの実施例を適用したコークス炉での消火車
の運転制御装置の概要をコークス炉,消火車,コークワ
ーフとの位置関係のもとに模式的に示す構成説明図、第
2図(a),(b)は同上装置における押出し機,消火
車の各走行制御系の概要を模式的に示す構成説明図であ
り、また、第3図(a),(b)は同上装置における消
火車のワイヤロープ牽引方式を示す構成説明図、第4図
(a),(b),(c)は同上消火車の扉開閉作動およ
び確認手段,非常停止手段の詳細をそれぞれに示す構成
説明図、第5図(a),(b)は同上装置における消火
系,ワーフ打ち系の詳細をそれぞれに示す構成説明図で
あり、さらに、第6図は同上装置を用いた消火車の制御
フローを示す機能説明図である。
これらの第1図ないし第5図実施例構成において、符
号11はコークス炉、12は消火塔、13はコークワーフであ
り、また、14はこれらの各部に対応して敷設された軌道
15に沿って制御走行する消火車、16は多重伝送装置17を
介してシーケンサー18を配したシステム運転制御装置で
ある。
前記コークス炉11は、併置された各炉室内に対して個
々に装入される原料石炭を、各炉室毎、順次に焼成処理
するためのもので、当該コークス炉11に対しては、よく
知られているように、焼成されたコークスを、焼成終了
順に各炉室内から押出すための押出し機21,押出される
赤熱コークスを前記消火車14上に受骸させるべくこれを
ガイドするガイド車22,それに、各炉室内に原料石炭を
装入するための図示省略した装入車などの各作業機械が
それぞれに配置させてあり、また、各炉室対応に前記消
火車14の定位置停車を規制する個々の近接スイッチ23を
備えて炉室前定位置停止検知24をなし得るようになって
いる。
そして、前記押出し機21については、従来の場合と全
く同様に、前記システム運転制御装置16からの制御指令
により、例えば、I.R地上局25,平行2線型誘導無線線路
26,それに、当該押出し機21に付設されるI.R車上局27を
介して制御運転駆動されるようになっており、また、前
記ガイド車22については、この押出し機17の走行作動に
連動運転されると共に、消火車14の定位置停車を確認す
るリミットスイッチ28を有している。
前記消火塔12は、前記消火車14上に受骸される赤熱コ
ークスを消火するためのもので、前記軌道15の末端部側
に配置され、内部下方にあっては、当該消火車14を受け
入れ得る消火空間部31を有しており、その上部側にあっ
ては、消火のための水を貯水するタンク水槽32,消火ノ
ズル33などを設けると共に、当該タンク水槽32の水位監
視・補給給水34,消火ノズル33からの赤熱コークスへの
散水35などについては、前記システム運転制御装置16か
らの制御指令に基づき、シーケンサー18によって作動さ
れる。
また、前記消火塔12に対しては、塔内での消火空間部
31内の定位置に消火車14が進入したことを検出する近接
スイッチ36を設けて消火定位置停止検知37をなし、こゝ
でも、前記シーケンサー20を介し、前記システム運転制
御装置16からの制御指令により、当該進入位置で消火車
14を正確に停車させ得るようにすると共に、後述するよ
うに進入位置に停車した消火車14に対しては、前記近接
スイッチ36の検出信号でオン作動されて、当該消火車14
に電源を供給する導電シュー38を所定位置に配置してあ
る。なお、39は当該導電シュー38への送電制御盤であ
る。
前記コークワーフ13は、前記消火車14上で消火され
て、当該消火車14から排骸される処理済のコークスを受
け入れるためのもので、当該コークスの受け入れワーフ
箇所の指定については、各該当ワーフ箇所毎に設置され
る個々の検知センサ41a,41bなどによるワーフ上コーク
ス検知42により、かつ指定ワーフ箇所での消火車14の停
車については、同様に、各該当ワーフ箇所毎に設置され
る個々の近接スイッチ43によるワーフ定位置停止検知44
のもとに、こゝでもシーケンサー18を介して、前記シス
テム運転制御装置16からの制御指令によってなされる。
前記消火車14は、前記したように、前記コークス炉11
の炉室内から押出し機17によって押出される赤熱コーク
スを積み込んで受骸し、かつその消火後、これをコーク
ワーフ13での所定の受け入れワーフ箇所上に卸して排骸
させるためのものであり、その走行運転手段としてワイ
ヤロープ牽引方式を採用している。
すなわち、前記軌道15の基端部側に配置した走行機械
室51内にあっては、ブレーキドラム54に対するブレーキ
機構53付きのウインチ装置52を設けると共に、当該ウイ
ンチ装置52の駆動ドラム55に対して多重に巻き掛けら
れ、かつ当該軌道15の末端部側に設けた従動ドラム56を
経てエンドレス状(無端帯状)に張設されるワイヤロー
プ57を有しており、また、前記消火車14での車体底部の
前後には、前記ワイヤロープ57を部分的に掴持する所要
の掴持部材60,61をそれぞれに配した前部,および後部
の各掴持装置58,59を設け、当該各掴持装置58,59の掴持
部材60,61によってワイヤロープ57の該当位置を着脱自
在に掴持させ得るようにして構成させたもので、当該各
掴持状態に維持したまゝ、ウインチ装置52による駆動ド
ラム55の正逆方向への制御された回転駆動,つまり、ウ
インチ牽引制御による駆動操作に伴い、敷設された軌道
15上において、消火車14を前記コークス炉11,消火塔12,
およびコークワーフ13の各相互間で、これらの各部にお
ける各近接スイッチ23,36,43による定位置停止作動を含
んで任意に往復走行し得るようになっている。
仍って、このように構成されるワイヤロープ牽引方式
では、ワイヤロープ57に対する各掴持装置58,59による
各該当位置部分の掴持によって、消火車14の走行移動自
体を円滑に行なえるのは勿論であり、かつ当該掴持位置
を適宜に変更することで、ワイヤロープ57のドラム巻き
掛け部などにおける局部的な疲労を避けた使用が可能に
なるために、より一層,効果的である。
また、前記ワイヤロープ57については、そのワイヤ延
び量,ならびに走行機動時におけるワイヤ弛みを吸収し
て駆動ドラム55でのスリップを阻止するために、当該消
火車14の車体に連繋されていないリターン側にあって、
メインウエイト機構62を、ターン側にあって、サブウエ
イト機構63をそれぞれに付設させてある。
また、前記ウインチ装置52には、駆動ドラム21の回転
数および回転角位置の検知65,回転速度の検知86などを
なして、これをデータ出力するエンコーダ64が設けられ
ると共に、当該ウインチ装置52による駆動ドラム55の正
逆方向への回転駆動については、前記システム運転制御
装置16からの制御指令により、ウインチ制御装置67によ
ってなされ、かつブレーキ機構53は、ウインチ制御装置
67により制御されて駆動ドラム55を制動し、前記それぞ
れに設定された各定位置での消火車14の正確な停車,な
らびに当該消火車14の非常停車をそれぞれに行う。
そして、当該消火車14には、前記した炉室前定位置停
止検知24の近接スイッチ23に対応される導電性プレート
68aと、消火定位置停止検知37,ワーフ定位置停止検知44
の各近接スイッチ36,43に対応する導電性プレート68b
と、それに、前記消火定位置停止検知37に伴い、前記導
電シュー38からの給電を受ける集電子69とがそれぞれに
配置されている。
また、当該消火車14には、別に、受骸したコークスを
排骸するための開閉扉71を空圧シリンダ開閉機構72で開
閉作動させると共に、併せて、車輪73に対して空圧シリ
ンダブレーキ機構74で走行ブレーキ作動させるための,
モータ76,エアーコンプレッサ77,およびエアータンク78
からなる空気圧縮装置75が搭載されており、当該空気圧
縮装置75は、前記集電子69からの給電,換言すると、消
火塔12内で消火操作される間だけ給電を受けて稼動し、
この間に所要量,所要圧力の圧縮空気をエアータンク78
内に蓄える。
そして、前記のように蓄えられた圧縮空気は、それぞ
れに開閉切替え弁79,80を介して前記空圧シリンダ開閉
機構72,空圧シリンダブレーキ機構74に供給し得るよう
になっている。こゝで、前者の空圧シリンダ開閉機構72
においては、消火車14が指定されたワーフ箇所に停車さ
れた時点で、当該ワーフ箇所毎に配置されている扉開閉
指令用空圧シリンダ81により開閉切替え弁79が開閉作動
されるとで、当該開閉扉71の開閉作動をなして、積み込
まれているコークスの排骸を行うものであって、扉開閉
指令用空圧シリンダ81の作動は、開閉切替え弁82を介し
て前記シーケンサー18により制御される。また、後者の
空圧シリンダブレーキ機構74においては、車体底部の前
後での前記各掴持装置58,59の上り側,および下り側に
それぞれ設けられている前記ワイヤロープ57のテンショ
ン検知機構83が、当該上り側,および下り側におけるワ
イヤロープ57の切断などを検知したときに、このテンシ
ョン検知機構83で開閉切替え弁80を開作動して車輪73を
緊急制動させることにより、当該消火車14を、その位置
に緊急停車させるのである。
さらに、前記軌道15の基端部と末端部とにあっては、
消火車14の走行範囲を規制するリミットスイッチ84,85
が設けられて、いわゆる暴走検知73をなすと共に、別途
所定位置には、軌道15上,ひいてはワイヤロープ57での
消火車14の制御系に対する絶対番地を検出して補正する
ためのリミットスイッチ86を設けてある。
前記システム運転制御装置16は、以上の各制御を行う
ためのものであって、例えば、制御プログラムなどをデ
ータ入力するキーボード入力装置91と、当該入力データ
をモニタ表示するCRT装置92とそれに、こゝでは図示省
略したが、入力される各データの演算処理用CPU,制御プ
ログラムなどを格納するROM,各入力データなどを一時記
憶するRAMのそれぞれによって構成される。
しかして、上記各構成によるこの実施例でのコークス
炉消火車14の自動制御された運転手順は、第6図を参照
して、次の通りに行なわれる。
前記システム運転制御装置16には、種々の各制御デー
タに併せて、ワーフ管理シーケンス103からの入力を受
ける窯出しスケジュール実積101,および銘柄(原料石
炭)V.S.散水タイム102の各データが格納されている。
そして、前記窯出しスケジュール実積101によって
は、ワーフ管理シーケンス103からの入力,つまり、既
に終了した前回のワーフ打ち終了のデータ入力に伴い、
次回(当回)の窯出し炉番設定104がなされ、前記銘柄
V.S.散水タイム102によっては、当回の散水タイム設定1
05および水切りタイム設定106がそれぞれになされ、か
つ前記ワーフ管理シーケンス103によっては、当回のワ
ーフ番号設定107がなされる。
まず、当回の窯出し炉番設定104に伴い、別に押出し
機21に対する該当炉番設定108が指令されて、当該押出
し機21の該当炉番への走行と、同様に、こゝではあらた
めて条件を示さないガイド車22の走行とがそれぞれに開
始されると共に、ウインチ装置52による駆動ドラム55の
制御回転駆動により、消火車14の該当炉番への走行,つ
まり、窯合せ走行開始ステップ[201]が開始される。
そして、当該消火車14が設定炉番に至って、該当部での
近接スイッチ23が該当位置への消火車14の近接を検出す
ると、当該近接スイッチ23による出力とウインチ装置52
でのエンコーダ64の出力とのアンド出力により、この消
火車14の窯合せ走行が停止され、こゝでの窯合せ走行終
了ステップ[202]が示され、同時に、当該停止位置で
の消火車14により、ガイド車22のリミットスイッチ28が
オンされる。
こゝで、前記ガイド車22でのリミットスイッチ28のオ
ン109ならびに前記押出し機21の定位置確認110による当
該ガイド車18,押出し機17の各設定位置停止と、それ
に、消火塔12でのタンク水槽32の満水111とを条件にし
て、所期の受骸準備完了ステップ[203]が出力され、
この受骸準備完了出力が押出し機21に表示112される
が、この状態では、窯出しを行う該当コークス炉対応位
置にあって、ガイド車22が停止されており、かつ当該ガ
イド車22に対して、消火車14が正確に位置合せして一旦
停車され、同時に、押出し機21による焼成されたコーク
スの押出し,つまり、窯出しが開始113される。
そして、前記押出し機21によって、焼成されたまゝの
赤熱コークスがガイド車22を経て押出されてくると、前
記ウインチ装置52による駆動ドラム55の制御回転駆動が
再開指令され、その押出し速度に同期した速度によっ
て、消火車14を進行させることにより、こゝでは、受骸
走行開始ステップ[204]となって押出し機ラム前進中1
14が示され、当該消火車14での開閉扉17を閉じた車上に
対して、この赤熱コークスが次第に積み込まれて受骸さ
れ、その後、押出し機ラム極限リミットスイッチオン11
5により、押し出し作業,ひいては積み込みが終了し、
かつ同時に、当該受骸走行終了ステップ[205]が示さ
れる。
ついで、前記押出し機ラム後退開始116を条件に、ウ
インチ装置52による駆動ドラム55の制御回転駆動が加速
指令されて、前工程で赤熱コークスを積み込み受骸した
消火車14の消火塔12への走行開始ステップ[206]が開
始され、こゝでは、押出し機ラムの後退復帰がなされる
と共に、当該消火車14は、消火塔12の消火空間部31内の
定位置に進入し、この定位置での近接スイッチ36のオン
117による出力とエンコーダ64の出力とのアンド出力に
より、消火車14の消火塔12内への走行が定位置で正確に
停車され、こゝでの消火塔走行終了ステップ[207]が
示される。
その後、前記散水タイム設定105によって指示される
条件のもとに、消火車14上に受骸された赤熱コークスへ
の消火散水開始ステップ[208]が指令されて、タンク
水槽32に蓄えられてい消火水が消火ノズル33から散水さ
れ、赤熱コークスを消火するのであり、その消火を待っ
て、消火散水終了ステップ[209]に移行した後、今度
は、前記水切りタイム設定106によって指定される条件
のもとに、同様に、水切り開始ステップ[210]が指令
され、かつその終了を待って、水切り終了ステップ[21
1]に移行する。そして、こゝでの赤熱コークスに対す
る消火散水開始ステップ[208]から水切り終了ステッ
プ[211]までの工程においては、この第6図フローの
場合、特に、あらためて示してはないが、消火塔12の消
火空間部31内での定位置に消火車14が停車された時点で
は、当該消火塔12に配置した導電シュー38に対して、消
火車14に設けた集電子66が接触して給電がなされ、当該
消火車14に搭載されている空気圧縮装置75が稼動される
ことになり、この消火・水切りの期間内に所要量,所要
圧力の圧縮空気がエアータンク78内に蓄えられる。
続いて、前記水切りの終了に伴い、再度、ウインチ装
置52による駆動ドラム55の制御回転駆動が指令されて、
前工程で消火,水切りされたコークスを積み込んだまゝ
の消火車14は、消火塔12の消火空間部31内から前記ワー
フ番号設定107で指定されたコークワーフ13の設定位置
へのワーフ走行開始ステップ[212]を開始する。そし
て、当該消火車14が設定ワーフ箇所位置まで進行する
と、前記と同様に、定位置での近接スイッチ43がこれを
検出して、こゝでも、そのオン118による出力とエンコ
ーダ64の出力とのアンド出力により、この消火車14の所
定ワーフ箇所への走行が定位置で正確に停車され、こゝ
でのワーフ定位置停止ステップ[213]が示されると共
に、当該停車位置では、消火車14に搭載されている空気
圧縮装置75の開閉切替え弁79が、当該ワーフ箇所毎に配
置された扉開閉指令用空圧シリンダ81に対向された状態
119になる。
その後、前記ワーフ管理シーケンス103による制御
で、開閉切替え弁82が開弁されると、外部の圧縮空気源
から導入される圧縮空気により扉開閉指令用空圧シリン
ダ81が作動されて、外部から開閉切替え弁79を開弁さ
せ、この結果、空圧シリンダ開閉機構72が作動されて、
ワーフ打ち開始ステップ[214]となり、開閉扉71の開
閉作動が行なわれて、所定ワーフ箇所への積み込まれて
いるコークスの排骸が実行され、かつこの排骸作業の終
了に伴い、ワーフ打ち終了ステップ[215]に移行して
次回の窯出し操作に備えられ、このようにして消火車14
による1回の所定窯出し作業を終了するのである。
〔発明の効果〕
以上詳述したように、この発明によれば、所定の軌道
面を走行する消火車の走行運転のために、ワイヤロープ
を介したウインチ装置の牽引による消火車の走行運転手
段を採用していることから、軌道面に対しては、消火車
の空重量,ないしは、積載荷重のみが負荷されることに
なって、従来に比較するとき、当該軌道面に対する負荷
重量を格段に低減(ほゞ1/2程度)できるもので、これ
によって、従来問題となっていた過重な重量負担による
軌道面の位置変動を効果的に防止でき、結果的に炉体な
らびに消火塔,コークワーフなどに対する軌道面,ひい
ては消火車の相対的位置関係の確保が可能になることか
ら、当該軌道面を基準にした消火車の走行運転制御を確
実に行ない得るのであり、しかも、走行位置検出手段に
よる消火車の所要作業位置の検出と、作業位置検出手段
による消火車の作業位置の確認とが一致したときに、所
定の作業プログラムに基づいて、該当作業を行なうよう
にしているために、消火車による作業,ひいては、コー
クスの窯出し作業を効果的かつ良好に行ない得る利点を
有している。
また、消火車の走行運転手段であるワイヤロープ牽引
方式としては、軌道の基端部側に設けられるウインチ装
置の駆動ドラムと、軌道の末端部側に設けられる従動ド
ラムとの間にエンドレス状に巻き掛けられるワイヤロー
プに対して、消火車での車体底部の前後に固設される各
掴持装置を用いて、当該ワイヤロープの各該当位置をそ
れぞれに着脱自在に掴持させることで構成したので、消
火車の走行移動自体を円滑に行なえるほか、こゝでは、
各掴持装置の選択的変更によって、ワイヤロープ自体の
局部的な疲労を避けた使用が可能になるもので、より一
層,効果的な運行をなし得るのであり、併せて、このよ
うなワイヤロープを介したウインチ装置の牽引による消
火車の走行運転手段では、装置全体の構成,ならびに制
御操作を格段に簡略化できるなどの優れた特長を有する
ものである。
【図面の簡単な説明】 第1図はこの発明の一実施例を適用したコークス炉での
消火車の運転制御装置の概要をコークス炉,消火塔,コ
ークワーフとの位置関係のもとに模式的に示す構成説明
図、第2図(a),(b)は同上装置における押出し
機,消火車の各走行制御系の概要を模式的に示す構成説
明図、第3図(a),(b)は同上装置における消火車
のワイヤロープ牽引方式を示す構成説明図、第4図
(a),(b),(c)は同上消火車の扉開閉作動およ
び確認手段,非常停止手段の詳細をそれぞれに示す構成
説明図、第5図(a),(b)は同上装置における消火
系,ワーフ打ち系の詳細をそれぞれに示す構成説明図、
第6図は同上装置を用いた消火車の制御フローを示す機
能説明図である。 11……コークス炉、12……消火塔、 13……コークワーフ、14……消火車、 15……軌道、 16……システム運転制御装置、 18……シーケンサー、21……押出し機、 22……ガイド車、 23……近接スイッチ(炉前定位置)、 28……リミットスイッチ(定位置停車)、 31……消火空間部、 32……タンク水槽、 33……消火ノズル、 36……近接スイッチ(消火定位置)、 38……導電シュー、 41a,41b……検知センサ(コークス検知)、 43……近接スイッチ(ワーフ定位置)、 52……ウインチ装置、 53……ブレーキ機構、 54……ブレーキドラム、 55……駆動ドラム、56……従動ドラム、 57……牽引用ワイヤロープ、 58,59……掴持装置、 60,61……掴持部材、 62……メインウエイト機構、 63……サブウエイト機構、 64……エンコーダ、 67……ウインチ制御装置、 68a,68b……導電性プレート、 69……集電子、71……開閉扉、 72……空圧シリンダ開閉機構、 73……車輪、 74……空圧シリンダブレーキ機構、 75……空気圧縮装置、 79……開閉切替え弁(扉開閉)、 80……開閉切替え弁(車輪ブレーキ)、 81……扉開閉指令用空圧シリンダ、 83……テンション検知機構(ロープ切断)、 84,85……リミットスイッチ(走行範囲)、 86……リミットスイッチ(絶対番地補正)、 91……キーボード入力装置、 92……CRT装置。
フロントページの続き (72)発明者 園木 進 福岡県北九州市八幡西区大字藤田2447番 地の1 三菱化成株式会社黒崎工場内 (56)参考文献 特開 昭64−30343(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10B 39/14 C10B 41/04 B61B 9/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】押出し機と連繋作動されて軌道上を走行す
    る消火車を有し、押出し機によってコークス炉の指定炉
    室から押出される焼成コークスを消火車上に受骸すると
    共に、当該消火車を消火塔内に走行移動させてコークス
    の消火をなした後、コークワーフの指定ワーフ箇所に走
    行移動させて排骸させるコークス炉消火車の運転制御装
    置であって、 前記消火車の走行移動にウインチ装置によるワイヤロー
    プ牽引方式を用い、前記軌道の基端部側に設けられるウ
    インチ装置の駆動ドラム,および軌道の末端部側に設け
    られた従動ドラム間に、ワイヤロープをエンドレス状に
    巻き掛けて張設すると共に、消火車に架設した掴持装置
    によって当該ワイヤロープの該当位置を着脱自在に掴持
    させ、ウインチ装置の制御回転駆動によりワイヤロープ
    を介して、消火車を往復走行運転し得るようにした消火
    車の走行運転手段と、 前記ウインチ装置の回転駆動量から、前記軌道上におけ
    る消火車の所要作業位置を検出する走行位置検出手段
    と、 前記指定炉室の受骸位置,消火塔における消火位置,な
    らびに指定ワーフ箇所に対応する排骸位置の各作業位置
    への前記消火車の接近を確認する作業位置検出手段とを
    少なくとも備え、 予め設定された作業プログラムに基づいて、前記走行位
    置検出手段による消火車の所要作業位置の検出と、前記
    作業位置検出手段による消火車の作業位置の確認とが一
    致したとき、該当作業を行なうことを特徴とするコーク
    ス炉消火車の運転制御装置。
  2. 【請求項2】前記掴持装置による消火車の牽引走行のた
    めのワイヤロープの該当位置掴持の上り側,および下り
    側には、当該ワイヤロープの切断などによる牽引不能を
    検知するための検知手段をそれぞれに設け、牽引不能を
    検知した時点で、当該消火車を緊急停車させ得るように
    した請求項1記載のコークス炉消火車の運転制御装置。
  3. 【請求項3】前記軌道の各端部には、前記消火車の走行
    範囲外を検出する走行範囲外検出手段を設け、当該走行
    範囲外を検出した時点で、当該消火車を緊急停車させ得
    るようにした請求項1および2記載のコークス炉消火車
    の運転制御装置。
  4. 【請求項4】前記コークワークに対しては、各ワーフ箇
    所毎に対応して、前記消火車の開閉扉を開閉する扉開閉
    手段を設けた請求項1ないし3の何れかに記載のコーク
    ス炉消火車の運転制御装置。
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