JP2886234B2 - ナイフの刃砥ぎ装置 - Google Patents

ナイフの刃砥ぎ装置

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JP2886234B2 JP2019401A JP1940190A JP2886234B2 JP 2886234 B2 JP2886234 B2 JP 2886234B2 JP 2019401 A JP2019401 A JP 2019401A JP 1940190 A JP1940190 A JP 1940190A JP 2886234 B2 JP2886234 B2 JP 2886234B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ナイフ(ブレード)の刃砥ぎ装置に関す
る。
(従来の技術) 本件出願人の米国特許第4,627,194号(1986年12月9
日登録)及びこれの関連特許には、磁気ナイフ案内手段
を使用したナイフの刃砥ぎ装置が開示されている。この
磁気ナイフ案内手段は、ナイフを研磨する際における可
動研磨面に対する、ナイフの方向性と保持性が特にすぐ
れている。そして、刃砥ぎ装置は、刃先の先端が境界と
なる側面の幅(側面幅)が標準的なナイフを研磨する場
合に、大きな成功を収めている。
そこで、次の要求として、ペンナイフのような側面幅
が非常に狭いナイフ及び側面幅が非常に広いナイフにつ
いても、有効に適用できる刃砥ぎ装置が、要望されてい
る。
次に、第1図及び第2図を参照し、従来の技術を具体
的に説明する。
第1図は、本件出願人の特許に係る刃砥ぎ装置に使用
される磁気ナイフ案内手段の構成を示している。同図に
示すように、磁気ナイフ案内手段は、磁石(磁気材料)
10及び平行に配置される強磁性下(下部プレート12及び
上部プレート14)を有し、N極とS極とを有している。
磁気案内面16は、傾斜した平面であって、図示しない可
動研磨面と交わっている。この磁気案内面16の寸法を、
符号Aで表す。
ナイフ18の側面幅が寸法Aより小さい場合、使用者
が、ナイフ18に物理的な力を加えて、第2B図に示す位置
に持って来ない限り、第2A図に示すように、ナイフ18
は、上部プレート14に膠着(ハングアップ)する。つま
り、プレート12,14内部に集中される磁場は、ナイフ18
を、上部位置あるいは下部位置のいずれかの位置に、強
制的に膠着し、磁束の抵抗が最小となる経路を形成す
る。
理論的には、ナイフ18は、N極とS極のちょうど中間
位置で安定するが、このことは、実際上の意味を有しな
い。それは、若干でも外乱があれば、ナイフ18が、プレ
ート12,14のどちらか一方に、移動するからである。
ナイフ18は、上述の磁気ナイフ案内手段(磁性構造
体)により、下方に引っ張られ、可動研磨面と当接する
位置に移動させられる。ナイフ18が、上部プレート14に
膠着し、刃先が可動研磨面に届いていない場合、使用者
は、実際とは異なっているが、研磨中であると誤解する
可能性がある。このときナイフ18は、可動研磨面のダイ
ヤモンド砥粒に、接触していない。
使用者が、十分に知覚して、ナイフ18を、下部プレー
ト12に押しつける場合、刃先が可動研磨面に当接するか
どうかは、ナイフ18の幾何形状、N極とS極との間の距
離、あるいは下部プレート12と可動研磨面との間の間隔
によって決定される。
側面幅が非常に狭いナイフを、強制的に下部位置に配
置する場合、別の重大な問題が生じる。すなわち、ナイ
フ18が、上部プレート14と接触しないため、磁気案内面
16に対する角度が不安定になる。言い換えれば、上部プ
レート14との接触が無い場合、ナイフ18を通過する磁束
は、減少し、上部プレート14での良好な接触がない(又
は上部プレートに近接していない)場合、ナイフ18の側
面に、ねじれが発生し易くなる。つまり、上部プレート
14からの強い磁力は、磁気案内面16に対する側面の角度
の良好なコントロールを、確立し、保持している。
実際上、上述の磁石10は、例えば0.0254〜0.001693mm
(数千分の1インチ、例えば、1/1000〜1/15000イン
チ)程度、磁気案内面16に対して後ろに設けられてい
る。さらに、実際の製造誤差を考慮して、一般に、0.00
8467〜0.003175mm(1/3000〜1/8000インチ)程度のセッ
トバックが、形成されている。これにより、プレート1
2,14が突き出て、ナイフ18の側面に擦り傷をつける虞が
なくなる。しかし、理論的には、ナイフ18を、磁石10に
直に接触させることも可能である。
ナイフ18の側面幅が非常に狭い場合、あるいは下部プ
レート12と可動研磨面との間の間隔が非常に大きい場
合、ナイフ18を手で強制的に押し下げ、刃先を、図示し
ない研磨材に接触させることも可能である。しかしこの
場合、ナイフ18を研磨するために、使用者は、継続して
押圧する必要がある。
したがって、従来の磁気ナイフ案内手段において、ナ
イフ18の側面幅が、下部プレート12と可動研磨面との間
の間隔のサイズより小さい場合、刃砥ぎは、使用者にと
って困難な作業である。さらに、側面幅が小さなナイフ
18を効果的に保持するためには、前記間隔は、小さくな
ければならない。しかし、ギャップを小さくすれば、側
面幅広のナイフや目方の重いナイフを研磨する際の安定
性が、低下してしまう。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので
あり、上記タイプの刃砥ぎ装置であって、側面幅広ある
いはペンナイフタイプの側面幅狭のナイフに対しても、
有効に保持して案内する磁気ナイフ案内手段を有する刃
砥ぎ装置を、提供することを目的とする。
本発明の別の目的は、取っ手までの全刃長に渡り研磨
することができ、しかも側面幅狭のペンナイフタイプに
も、適用可能な刃装置を、提供することである。
(発明の概要) 最初に、第3図及び第4図を参照し、本発明の原理を
説明する。なお、第1図及び第2図と共通する、あるい
は類似する部材には、同一の符号を付してある。
研磨の対象であるナイフの安定性は、磁気ナイフ案内
手段により生成されるトルクによって制御される。第3
図に示される簡単な磁気ナイフ案内手段を使用し、トル
クを説明する。なお、同図中に符号Dは、下部プレート
(強磁性板)12と上部プレート(強磁性板)14との間の
距離である。
刃先の先端が境界となる側面の幅(側面幅)が距離D
より長いナイフ20のトルクは、単純に、距離Dと磁石
(磁気材料)10の磁束と強さFとの積に比例する。つま
り、トルク=kF・Dである。なお、係数kの値は、ナイ
フ20を構成する金属の透磁率と、ナイフ20の側面と有効
磁極との間に空隙が存在する場合はその厚みとによって
決定される。また、ナイフ20を、磁石10に接触させるこ
ともできる。あるいは、ナイフ20を、磁石10から約0.07
62〜0.381mm(0.003〜0.015インチ)離して、保持する
こともできる。
有効であることが確認された、本発明に係る磁気ナイ
フ案内手段(磁性構造体)の幾何形状を、第4図に示し
ている。同図に示すように、従来の平らな上部プレート
14に代わり、屈曲した強磁性板からなる上部プレート22
を使用している。
上部プレート22は、下部プレート12に対し平行な部分
24と、下方に曲がった傾斜部26とを有する。この傾斜部
26は、N極から出た磁束の全部または一部を、S極であ
る下部プレート12近傍のポイントに導くために利用され
る。このような構造は、ナイフの側面幅が、距離D1より
かなり短く、距離D2同程度である小さなナイフにとっ
て、理想的である。
一方、ナイフの刃面の幅がD1と同じあるいはD1以上の
場合、第3図に示す構造は、第4図に示す構造と比べ、
ナイフを研磨する際に、大きなトルクを発生し、ナイフ
の安定性を向上させる。ただし、磁石10のサイズが同じ
であり、a)上部プレート22が、全磁束を傾斜部26の端
部に導く十分な厚さを有し、b)ナイフが、傾斜部26に
密接している場合である。
従って、第4図に示す構成においては、磁束及びトル
クを増加させる厚い磁石が使用可能であるため、小さい
ナイフに対処できる。
以上のように、第4図に示す傾斜部26を有する磁気ナ
イフ案内手段の構成は、ポケットナイフのような側面幅
狭のナイフに対して、良好な性能を示す。しかし、側面
幅広のナイフに適用する場合、傾斜部26を有しない構成
に比べ、ナイフに働くトルクが減少する。一方、傾斜部
26を除去した構成を、側面幅狭のナイフに適用する場
合、当然、ナイフは、上部プレートあるいは下部プレー
トに、膠着するため、可動研磨面のダイヤモンド砥粒に
押し付ける力は、無くなる。
したがって、必要とされるものは、側面幅が狭いナイ
フ及び広いナイフの両方に対し、適当なトルクを加える
ことができる磁気ナイフ案内手段である。
意外なことに、全磁束を傾斜部の先端に導くことがで
きない不十分な厚みを有する上部プレートを使用する場
合、側面幅広のナイフに関しては、上部プレートの屈曲
点に、かなりの漏れ磁束が存在する。その結果、側面幅
広のナイフに働くトルクが増加する一方、側面幅狭のナ
イフの場合に関しては、磁束及びトルクが著しく減少す
ることはない。
以上のような知見により得られた本発明は、平面形状
の可動研磨面を有する刃砥ぎ部材と、前記研磨面を動か
す駆動手段と、前記研磨面に対して所定の角度で交差す
る平面上に配置される平面形状の磁気案内面を有する磁
気ナイフ案内手段とを有する。刃先の先端が境界となる
側面を有するナイフを研ぐためのナイフの刃砥ぎ装置に
おいて、前記磁気ナイフ案内手段は、反対の極性たるN
極とS極の磁極面を持つ磁気材料と、前記磁極面の一方
に配置される第1強磁性部材と、前記磁極面の他方に配
置される部分、及び前記磁気案内面が配置される前記平
面に対して平行な方向かつ前記磁気材料に隣接する方向
に限定的に延長する傾斜部とを有する、非平面形状の第
2強磁性部材とを有し、前記第1強磁性部材の前記磁気
案内面に相対する端部は、前記第2強磁性部材の前記傾
斜部に比べ、前記研磨面に隣接しており、前記磁気案内
面に沿って磁場を発生させ、前記ナイフを前記磁気案内
面に当接させておくようにしたことを特徴とする。
また、本発明は、表面を研磨材で被覆した研磨面を両
側に有する強磁性プレート手段と、前記研磨面を動かす
駆動手段と、前記強磁性プレート手段を介し、隣接して
相対する少なくとも2つの磁気ナイフ案内手段とからな
り、前記磁気ナイフ案内手段はそれぞれ、前記研磨面に
対して所定の角度で交差する平面上に配置される平面形
状の磁気案内面と、反対の極性たるN極とS極の磁極と
を有する磁気材料とを有し、前記隣接して相対する磁気
ナイフ案内手段は、前記磁気材料の磁極と磁場の方向
が、ほぼ一致していることを特徴とする。
(実施例) 以下、本発明の実施例を、第5図〜第7図に基づい
て、詳細に説明する。
第5図及び第6図は、本発明に係る磁気ナイフ案内手
段の構成に影響を及ぼす多数の要素を示している。な
お、これらの図は、5倍に拡大されており、実施例を詳
細に示している。また、第1図乃至第4図と共通するあ
るいは類似する部材には、同一の符号を付してある。
第6図に示すように、ナイフ28は、磁気案内面30上に
配置されている。この磁気案内面30は、金属製の屈曲し
強磁性板である上部プレート(第2強磁性部材)22の傾
斜部26の表面32から0.1778mm(0.007インチ)離して配
置されている。
上部プレート22は、ナイフ28の側面に対し平行となる
傾斜部26と、下部プレート12(第1強磁性部材)に対し
平行となる部分24とを有する。上部プレート22の部分24
の裏面34は、磁石(磁気材料)10の上部表面と密着さ
せ、上部プレート22内の磁束を最大にすることが好まし
い。さらに、上部プレート22の屈曲点36の近傍において
も、磁石10と密着させることが好ましい。なお、第6図
では、0.127mm(0.005インチ)のクリアランスを、製造
上設定している。金属製の強磁性板である下部プレート
12は、第5図及び第6図に示すように、ナイフ面から約
0.127mm(0.005インチ)離して配置されている。
なお、実際には、ナイフ28を、磁石10上に配置するこ
ともできる。しかし、0.1778mm(0.007インチ)離して
配置することにより、幾つかの利点が得られる。
つまり、上部プレート22は、厚さが不十分であるた
め、上部の磁極(仮にN極とする)からの磁束を全て
を、導くことができない。したがって、屈曲点36の近傍
かつ傾斜部26の長さ方向に延長する上部プレートの磁束
の一部は、ナイフ28の内部に漏れる。そして、ナイフ28
は、漏入した磁束を、下部プレート12に導く。
実際の実験によると、0.79375mm(1/32インチ)の厚
みを有する金属製のプレートは、磁束が十分に漏れるた
め、側面幅広のナイフに関し、トルクを増加させること
がきた。また、上部プレートの厚さが1.5875mm(1/16イ
ンチ)の場合、磁束のほぼ全部が通るため、屈曲点36に
おける磁束の漏れは、殆どなくなった。
屈曲点36における漏れ磁束の量は、上部プレートの厚
さ、屈曲点36とナイフ28との距離、あるいは傾斜部26と
ナイフ28の側面との間隔を変えることにより調節可能で
ある。また、傾斜部26の先端を経由したナイフ28の側面
に向かって流れる磁束の比率は、傾斜部26の先端とナイ
フ28の側面との間隔を変えることで、容易に調節可能で
ある。また、傾斜部26をナイフ28と平行に構成し、かつ
肉厚を調節することにより、側面幅広のナイフ及び幅狭
のナイフのいずれも、適用可能とすることは、実際的と
言える。
さらに、傾斜部26の下端部(先端)と磁石10との間
に、間隔38を設けることは、好ましいことも分かった。
なお、第6図に示されている間隔38は、0.508mm(0.020
インチ)である。間隔38は、磁石10から傾斜部26に直接
流れる短絡磁束を、減少させる。
また、主磁束通路が上部プレートを通過するように設
定し、屈曲点36における漏れ磁束の量と、傾斜部26から
の漏れ磁束の量とを調節可能とすることは、望ましい。
さらに、傾斜部26の下端部と磁石10との間隔を、傾斜部
26の下端部とナイフ28との間隔より、大きくすることが
望ましい。それは、ナイフ28を通過する磁束の短絡とい
うよりは、傾斜部26を降下して磁石10に流入する磁束の
短絡を、最小限に抑えるためである。
側面幅広のナイフの場合、屈曲点36、傾斜部26の表
面、及び傾斜部26の先端部に、漏れ磁束が存在する。こ
れらの磁束線は、前述のように、ナイフ28にトルクを発
生させる。他方、側面幅狭のナイフ、例えば、傾斜部26
の先端から下部プレート12までの間隔程度の幅を有する
ナイフの場合、磁束は、傾斜部26を降下してナイフに導
かれ、トルクを発生させる。
勿論、上部プレート22の厚さを薄くすれば、側面幅狭
のナイフに伝わる磁束の量は、側面幅広のナイフに伝わ
る磁束の総量より、少なくなる。このように、本発明に
係る磁気ナイフ案内手段は、側面幅が異なるナイフに対
し、一定量の磁束を供給する手段を提供し、実質的に従
来の全ての種類のナイフに対し、適当なトルクを発生さ
せる。
ナイフと磁気ナイフ案内手段との物理的な離間は、ナ
イフの擦り傷を最小化し、磁束が集中してナイフに向け
られる場所を、容易にコントロール可能とする。観念的
には、ナイフの側面幅が、磁気ナイフ案内手段より大き
い場合、トルクを最大にするためには、磁束が、磁気ナ
イフ案内手段の上部において、ナイフに向かい漏れるこ
とが必要である。他方、ナイフの側面幅が、磁気ナイフ
案内手段より小さい場合、ナイフ側面の上部付近に、磁
束を集中させる必要がある。
色々なナイフに適用するためには、傾斜部26の先端か
ら下部プレート12までの間隔を、適用されるナイフの最
小側面幅に比べ、大幅に小さくすることは、望ましくな
い。なお、この間隔は、通常、約2.54〜3.81mm(0.10〜
0.15インチ)である。また、この間隔を削減する場合、
大きな間隔を有する構造に比べ、側面幅広のナイフにか
かる全トルクの大きさは、著しく減少する。
上述の磁気ナイフ案内手段の場合と同様に、下部プレ
ート12の位置を、研磨面に対して調節することが望まし
い。つまり、磁力によって、ナイフ28の刃先を、研磨材
被覆金属板(刃砥ぎ部材)42のダイヤモンド砥粒40に接
触するように引き下げ、刃砥ぎの間、ナイフ28の刃先
を、ダイヤモンド砥粒40に接触させ続ける必要がある。
実験によれば、下部プレート12と研磨面との間隔が、約
0.889mm(0.035インチ)である場合、テストしたナイフ
全部について、十分に引き下げることができた。
ダイヤモンド砥粒40が電気メッキされた研磨材被覆金
属板42と、下部プレート12との間隔が、約0.889mm(0.0
35インチ)より小さい場合、かなりの磁束が、下部プレ
ート12から研磨材被覆金属板42に伝わり、不具合を生じ
させる。つまり、ナイフを刃砥ぎスロットの中に入れた
場合、ナイフの刃先が、研磨材被覆金属板42に引き付け
られ、磁気案内面から引き離される。その結果、ナイフ
角度のコントロールを、正確に行うことが不可能にな
り、良好な刃先を得ることを、非常に妨害する。実際、
下部プレート12と研磨材被覆金属板42との間隔が、約0.
381mm(0.015インチ)未満である場合、ある種のナイフ
に関し、重大な問題である。
逆に、下部プレート12を、磁気案内面30から、離し過
ぎる場合、ナイフ28の内部を通過する磁束が減少し、磁
気案内面30に対してナイフ28を保持する磁気力である引
力(引張力)が、小さくなる。また、下向きの引張力
(ナイフ28をダイヤモンド砥粒40に引き付ける力)も減
少する。つまり、前述のように、下部プレート12の最適
位置は、研磨面のダイヤモンド砥粒40から、約0.889mm
(0.035インチ)離れた所である。
第7図は、本発明の他の実施例に関する。
刃砥ぎスロット及び磁気ナイフ案内手段(磁性構造
体)を1つ以上有する刃砥ぎ装置では、磁場の相互作用
によって、ナイフの磁気案内面に対する安定性が得られ
る。さらに、複数の研磨材被覆金属板(強磁性プレート
手段)44が有る場合は、隣接する磁気ナイフ案内手段の
磁石(磁気材料)10,10Aの磁場が、同じ方向性を有する
こと、つまり、磁極が一列に並び、かつ同じ磁極は、同
じ方向に位置することが重要である。例えば、両N極が
上方に位置しかつ両S極が下方にあること(第7図)、
あるいは逆もまた同様に、望ましい。
第7図に示すように、左側に位置する磁気ナイフ案内
手段の磁石10Aは、研磨材被覆金属板44に、反対の極性
を有する磁極を誘導する。同様に、右側に位置する磁気
ナイフ案内手段の磁石10は、ナイフ46に、反対の極性を
有する磁極を誘導する。すなわち、研磨材被覆金属板44
に誘導される磁極と、ナイフ46に誘導される磁極とは、
同じ方向性を有する。このように両者の極性が同じであ
るため、反発により、ナイフ46を磁気案内面に向かい押
し付ける利点を有する。
つまり、ナイフ46は、右側の磁気ナイフ案内手段の磁
石10から、引っ張られる一方、研磨材被覆金属板44か
ら、反発される。その結果、磁気案内面に対する、ナイ
フ46の位置の安定性が増加する。なお、研磨材被覆金属
板44からの力は、前記二つの力に比べて小さい。
また、左側の磁気ナイフ案内手段の磁石10Aの極性が
逆である場合、当然、研磨材被覆金属板44の極性も逆に
なる。したがって、研磨材被覆金属板44の極性と逆の極
性を有するナイフ46は、研磨材被覆金属板44の方に引き
付けられる。ナイフ46が、磁気案内面に正確に挿入され
る場合、極性を逆にした作用は、それほど重大な問題で
はない。しかし、ナイフ46の挿入に正確さが欠ける場
合、ナイフ46が研磨材被覆金属板44に引き付けられて、
ナイフ46に損傷を与える恐れがある。これはまた、使用
者にとって容認できないほど、ナイフ46の位置を不安定
性とする。
(発明の効果) 以上のように、本発明によれば、側面幅広あるいはペ
ンナイフタイプの側面幅狭のナイフに対しても、有効に
保持して案内する磁気ナイフ案内手段を有する刃砥ぎ装
置を提供することができる。
また、本発明によれば、取っ手までの全刃長に渡り研
磨することができ、しかも側面幅狭のペンナイフタイプ
にも、適用可能な刃砥ぎ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、従来の刃砥ぎ装置に使用される磁気ナイフ案
内手段を概略的に示す断面立面図、 第2A図及び第2B図は、側面幅狭のナイフが当接している
磁気ナイフ案内手段を示す(第1図に類似する)断面立
面図、 第3図及び第4図は、本発明の基礎となる原理を説明す
るための(第2図に同類似する)断面立面図、 第5図は、本発明の実施例に係る刃砥ぎ装置の一部を示
す平面図、 第6図は、第5図の線6−6についての断面図、及び 第7図は、本発明の他の実施例に係る磁気ナイフ案内手
段の断面図である。 10、10A…磁石(磁気材料)、12…下部プレート(第1
強磁性部材)、14…上部プレート、16、30…磁気案内
面、18、20、28、46…ナイフ、22…上部プレート(第2
強磁性部材)、26…傾斜部、36…屈曲点、40…研磨材
(可動研磨面)、42…研磨材被覆金属板(刃砥ぎ部
材)、44…研磨材被覆金属板(強磁性プレート手段)。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平面形状の可動研磨面を有する刃砥ぎ部材
    と、前記研磨面を動かす駆動手段と、前記研磨面に対し
    て所定の角度で交差する平面上に配置される平面形状の
    磁気案内面を有する磁気ナイフ案内手段とを有するナイ
    フの刃砥ぎ装置において、 前記磁気ナイフ案内手段は、 反対の極性たるN極とS極の磁極面を持つ磁気材料と、 前記磁極面の一方に配置される第1強磁性部材と、 前記磁極面の他方に配置される部分、及び前記磁気案内
    面が配置される前記平面に対して平行な方向かつ前記磁
    気材料に隣接する方向に限定的に延長する傾斜部とを有
    する、非平面形状の第2強磁性部材とを有し、 前記第1強磁性部材の前記磁気案内面に相対する端部
    は、前記第2強磁性部材の前記傾斜部に比べ、前記研磨
    面に隣接しており、 前記磁気案内面に沿って磁場を発生させ、前記ナイフを
    前記磁気案内面に当接させておくようにした ことを特徴とするナイフの刃砥ぎ装置。
  2. 【請求項2】前記磁場は、前記研磨面の移動中も、前記
    ナイフの刃先を、前記研磨面に接触させておく保持力を
    発生させる請求項1に記載の刃砥ぎ装置。
  3. 【請求項3】前記第2強磁性部材の厚さは、飽和せずに
    前記磁気材料より発生した磁束を、全部伝えるだけの十
    分な厚さに足りない請求項1に記載の刃砥ぎ装置。
  4. 【請求項4】前記第1強磁性部材と前記研磨面との間隔
    は、0.381mm(0.015インチ)から1.905mm(0.075イン
    チ)までの範囲内にある請求項1に記載のナイフの刃砥
    ぎ装置。
  5. 【請求項5】前記第1強磁性部材と前記第2強磁性部材
    の前記傾斜部との間隔は、2.032mm(0.080インチ)から
    3.81mm(0.150インチ)までの範囲内にある請求項1に
    記載のナイフの刃砥ぎ装置。
  6. 【請求項6】前記磁気ナイフ案内手段と磁極性が同じで
    同じ磁極がほぼ同じ方向を示す第2磁気ナイフ案内手段
    を有し、当該第2磁気ナイフ案内手段は、前記刃砥ぎ部
    材を介し、前記磁気ナイフ案内手段に隣接して相対する
    請求項1に記載の刃砥ぎ装置。
  7. 【請求項7】表面を研磨材で被覆した研磨面を両側に有
    する強磁性プレート手段と、前記研磨面を動かす駆動手
    段と、前記強磁性プレート手段を介し、隣接して相対す
    る少なくとも2つの磁気ナイフ案内手段とからなり、 前記磁気ナイフ案内手段はそれぞれ、前記研磨面に対し
    て所定の角度で交差する平面上に配置される平面形状の
    磁気案内面と、反対の極性たるN極とS極の磁極とを有
    する磁気材料とを有し、 前記隣接して相対する磁気ナイフ案内手段は、前記磁気
    材料の磁極と磁場の方向が、ほぼ一致している ことを特徴とするナイフの刃砥ぎ装置。
  8. 【請求項8】前記強磁性プレート手段は、単一の平面板
    である請求項7に記載の刃砥ぎ装置。
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