JP2886131B2 - 耐熱性磁気スケールの製造方法 - Google Patents
耐熱性磁気スケールの製造方法Info
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- JP2886131B2 JP2886131B2 JP8105180A JP10518096A JP2886131B2 JP 2886131 B2 JP2886131 B2 JP 2886131B2 JP 8105180 A JP8105180 A JP 8105180A JP 10518096 A JP10518096 A JP 10518096A JP 2886131 B2 JP2886131 B2 JP 2886131B2
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- Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
- Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は高温領域で使用す
る耐熱性磁気スケールの製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】図6は例えば特公昭48−10655号
公報に示された従来の磁気スケールを示す断面図であ
り、図において、6は鉄またはエリンバー(商品名)の
ごとき鉄合金よりなる断面円形の棒状の基体、7は基体
6の表面にメッキまたはクラッドで被着形成された銅ま
たはアルミニウムのごとき非磁性金属層、8は非磁性金
属層7の上に被着形成されたコバルト−ニッケルのごと
き磁性層である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従来の磁気スケールは
以上のように構成されており、例えば金属データブック
(日本金属学会編、昭和49年)の表1・2・6、および表6
・6・4に示されているように、鉄またはエリンバー(商品
名)のごとき鉄合金の熱膨張係数はそれぞれ12.1×10-6
および8.0×10-6であり、銅およびアルミニウムの熱膨
張係数はそれぞれ17.0×10-6および23.5×10-6であり、
また例えば耐熱鋼データ集(特殊鋼倶楽部編、昭和40
年)の表6(その2)に示されているようにコバルト−
ニッケルの熱膨張係数は例えばS−816(AISI N
O.671 )では11.9×10-6(AISI21〜316 ℃)であ
る。図6に示すような構成では、磁気スケールの熱膨張
係数は基体の熱膨張係数でほとんど決まるが、100〜
300℃の高温度領域でかかる磁気スケールを使用した
場合、基体、非磁性金属層および磁性層の熱膨張係数が
それぞれ異なるため、基体、非磁性金属層および磁性層
の膨張の量が異なり、基体から非磁性金属層や磁性層が
剥離する恐れがあった。 【0004】更に、剥離しない場合でも基体、非磁性金
属層および磁性層の熱膨張係数がそれぞれ異なるためか
かる磁気スケールを高温度領域で使用した場合、基体、
非磁性金属層および磁性層の膨張の量が異なるため、基
体、非磁性金属層および磁性層のそれぞれに熱膨張に伴
う応力が加わり、磁性層の磁気特性が劣化し、磁気スケ
ールの感度が低下するという問題点があった。 【0005】また、磁気テープ等を磁気スケールに用い
るものがあるが、この場合は熱により消磁されてしま
い、例えば50℃ぐらいまでしか使えないという問題点
があった。 【0006】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、100℃以上でも消磁せず、温
度変化に対しても剥離が生じず、安定かつ測定精度が高
い耐熱性磁気スケールを製造する方法を提供することを
目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】この発明に係る耐熱性磁
気スケールの製造方法は、S35C、フェライト系ステ
ンレス、またはマルテサント系ステンレスのいずれかよ
りなり、焼き入れ硬化が可能な強磁性体からなる耐熱性
基材に、所定間隔に熱を加えて加熱溶融部分の磁気特性
を変化させ、上記基材より大きな残留磁化を発生させる
ようにしたものであり、上記基材及び上記加熱溶融部分
の少なくともいずれか一方のキュリー点が100℃以上
のものである。 【0008】 【0009】また、出力が0.1KW〜15KW、掃引速度が1
分当り0.1m〜15.0m、単位長当りの照射エネルギーが2
0kJ/m〜300kJ/m、ビームの焦点位置が基材表面から
0〜±100mm の範囲の電子ビーム又はレーザビームによ
り熱を加えたものである。 【0010】また、基材及び加熱溶融部分の少なくとも
いずれか一方を着磁したものである。 【0011】 【発明の実施の形態】 実施の形態1.以下、この発明の一実施の形態を図につ
いて説明する。図1はこの発明の実施の形態1による耐
熱性磁気スケールの製造方法を示す斜視図である。図に
おいて、1は板状の耐熱性基材であり、焼き入れ硬化が
可能な合金、例えば炭素鋼S35Cのような強磁性体で
ある。2は電子ビーム3等により加熱された加熱部分で
あり、磁気特性が変化した部分である。図2は上記耐熱
性磁気スケールを着磁している様子を示す側面構成図で
あり、図において、4は着磁用の電磁石、10は磁気ス
ケールである。図3は図2に示す方法によって着磁した
磁気スケールを用いて変位量を検出している様子を示す
斜視図であり、図において、5は磁気スケールに残留し
ている磁化を検出する例えばホール素子のようなセンサ
ーである。図4は図3の方法で検出された磁化量を示す
関係図であり、横軸に変位量、縦軸に磁化量をとってい
る。 【0012】図1において、板状の炭素鋼S35Cの基
材1に、出力1.1KW、掃引速度1.O m/min、焦点距離+5
0 mmの電子ビーム3を照射すると、電子ビームを照射さ
れた部分は急激に加熱溶融される。続いて、電子ビーム
を移動すると、いままで電子ビームを照射されていた部
分は今度は急激に冷却個体化される。そのため、電子ビ
ームを掃引した部分は線状あるいは面状に急激な加熱冷
却作用を受け、極度の残留応力が発生する。S35Cの
ような炭素鋼では急激な溶融固化を行うと焼き入れ効果
により硬度が非常に高くなることが知られている。従っ
て、強磁性の炭素鋼S35Cの基材に電子ビームを照射
すれば基材の表面あるいは内部に線状あるいは面状の磁
気特性の変化層、即ち磁気格子が形成される。形成され
た磁気格子は、上述のように極度の応力を受けて硬度が
高くなっているため保磁力が大きく、図2に示す方法で
電磁石4を使って着磁すると、大きな残留磁化が発生す
る。従って、電子ビームを照射する間隔を任意に選び、
図3のように残留磁化量を検出する素子、例えばホール
素子5などを用いることにより、図4に示すような変位
量と残留磁化量の関係図が得られ、変位の検出が可能と
なる。また、この発明では強磁性の基材の表面あるいは
内部の一方あるいは両方に、線状あるいは面状にある間
隔でそれぞれ独立して、焼き入れ硬化により磁気特性の
変化した領域を形成したので、残留磁化が図4に示すよ
うにパルス的に検出され、従来の方法に比べ安定で、か
つ非常に検出感度が高くなる。また、加熱部分2は基材
1そのものを焼き入れ硬化させて形成されたものであ
り、100℃以上のキュリー点を共に有するので、耐熱
性がある。 【0013】なお、この実施の形態では電子ビームの出
力を1.1KWとしたが、0.1〜15KWの範囲であってもよい。
なお、電子ビームの出力が0.1W未満では掃引速度を非常
に遅くしなければ基材が溶融しないので焼き入れ硬化に
よる磁気変化層が形成できず、また、15KWを越えると掃
引速度を非常に速くしなければ溶融幅が広くなり溶融体
が急冷されないので上記磁化変化層が形成できなくなる
ため実用的でない。また、電子ビームの掃引速度を1.0m
/minとしたが、0.1〜15.0m/minの範囲であってもよ
い。また、電子ビームの焦点距離を基材表面から+50mm
としたが、0〜±100mmの範囲であってもよい。なお、電
子ビームの焦点距離が+100mmを越える場合や−100mm
未満の場合には電子ビームの焦点が離れすぎるので基材
が溶融せず焼き入れ硬化による磁気変化層が形成されな
い。なお、単位当たりの照射エネルギーは20KJ/m〜300
KJ/mが望ましい。 【0014】また、上記実施の形態では電子ビームによ
り加熱したが、他の加熱方法、例えばレーザビーム、プ
ラズマ、抵抗加熱により加熱するようにしてもよい。な
お、例えばレーザビームの場合も、出力、掃引速度、焦
点距離等が電子ビームの場合と同様に限定される。 【0015】さらに、上記実施の形態では耐熱性基材1
として炭素鋼S35Cを用いたが、他の耐熱性の優れ
た、焼き入れ硬化が可能な強磁性材料で、残留磁化が大
きくなるように磁気特性が変化する素材であれば、例え
ばフェライト系またはマルテンサイト系ステンレスであ
ってもよい。 【0016】また、上記実施の形態では基材および加熱
溶融部分の少なくともいずれか一方を着磁して残留磁化
量を検出するようにしたが、あらかじめ着磁せずに、検
出時に、図5に示すように、励起用磁石4と磁束量を検
出する素子、例えばホール素子5などを用いて図4と同
様の変位量と検出磁束量の関係が得られ、変位の検出が
可能となる。また、このような励磁式の磁気検出器を用
いれば、300〜400℃の高温にさらされるような環
境下でも使用することができる。 【0017】 【発明の効果】以上のように、この発明によれば、S3
5C、フェライト系ステンレス、またはマルテサント系
ステンレスのいずれかよりなり、焼き入れ硬化が可能な
強磁性体からなる耐熱性基材に、所定間隔に熱を加えて
加熱溶融部分の磁気特性を変化させ、上記基材より大き
な残留磁化を発生させるようにし、上記基材及び上記加
熱溶融部分の少なくともいずれか一方のキュリー点が1
00℃以上となるようにしたので、高温でも消磁せず、
耐熱性のある磁気スケールが得られる。また、温度変化
に対して剥離等の恐れがなく、安定かつ測定精度の高い
ものが製造できる効果がある。 【0018】 【0019】また、出力が0.1KW〜15KW、掃引速度が1
分当り0.1m〜15.0m、単位長当りの照射エネルギーが2
0kJ/m〜300kJ/m、ビームの焦点位置が基材表面から
0〜±100mm の範囲の電子ビーム又はレーザビームによ
り熱を加えると、磁気変化層が容易に形成できる。 【0020】また、基材及び加熱溶融部分の少なくとも
いずれか一方を着磁すると、励起用の磁石がなくても変
位量が検出でき、検出装置の構成が簡単になる。
る耐熱性磁気スケールの製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】図6は例えば特公昭48−10655号
公報に示された従来の磁気スケールを示す断面図であ
り、図において、6は鉄またはエリンバー(商品名)の
ごとき鉄合金よりなる断面円形の棒状の基体、7は基体
6の表面にメッキまたはクラッドで被着形成された銅ま
たはアルミニウムのごとき非磁性金属層、8は非磁性金
属層7の上に被着形成されたコバルト−ニッケルのごと
き磁性層である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従来の磁気スケールは
以上のように構成されており、例えば金属データブック
(日本金属学会編、昭和49年)の表1・2・6、および表6
・6・4に示されているように、鉄またはエリンバー(商品
名)のごとき鉄合金の熱膨張係数はそれぞれ12.1×10-6
および8.0×10-6であり、銅およびアルミニウムの熱膨
張係数はそれぞれ17.0×10-6および23.5×10-6であり、
また例えば耐熱鋼データ集(特殊鋼倶楽部編、昭和40
年)の表6(その2)に示されているようにコバルト−
ニッケルの熱膨張係数は例えばS−816(AISI N
O.671 )では11.9×10-6(AISI21〜316 ℃)であ
る。図6に示すような構成では、磁気スケールの熱膨張
係数は基体の熱膨張係数でほとんど決まるが、100〜
300℃の高温度領域でかかる磁気スケールを使用した
場合、基体、非磁性金属層および磁性層の熱膨張係数が
それぞれ異なるため、基体、非磁性金属層および磁性層
の膨張の量が異なり、基体から非磁性金属層や磁性層が
剥離する恐れがあった。 【0004】更に、剥離しない場合でも基体、非磁性金
属層および磁性層の熱膨張係数がそれぞれ異なるためか
かる磁気スケールを高温度領域で使用した場合、基体、
非磁性金属層および磁性層の膨張の量が異なるため、基
体、非磁性金属層および磁性層のそれぞれに熱膨張に伴
う応力が加わり、磁性層の磁気特性が劣化し、磁気スケ
ールの感度が低下するという問題点があった。 【0005】また、磁気テープ等を磁気スケールに用い
るものがあるが、この場合は熱により消磁されてしま
い、例えば50℃ぐらいまでしか使えないという問題点
があった。 【0006】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、100℃以上でも消磁せず、温
度変化に対しても剥離が生じず、安定かつ測定精度が高
い耐熱性磁気スケールを製造する方法を提供することを
目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】この発明に係る耐熱性磁
気スケールの製造方法は、S35C、フェライト系ステ
ンレス、またはマルテサント系ステンレスのいずれかよ
りなり、焼き入れ硬化が可能な強磁性体からなる耐熱性
基材に、所定間隔に熱を加えて加熱溶融部分の磁気特性
を変化させ、上記基材より大きな残留磁化を発生させる
ようにしたものであり、上記基材及び上記加熱溶融部分
の少なくともいずれか一方のキュリー点が100℃以上
のものである。 【0008】 【0009】また、出力が0.1KW〜15KW、掃引速度が1
分当り0.1m〜15.0m、単位長当りの照射エネルギーが2
0kJ/m〜300kJ/m、ビームの焦点位置が基材表面から
0〜±100mm の範囲の電子ビーム又はレーザビームによ
り熱を加えたものである。 【0010】また、基材及び加熱溶融部分の少なくとも
いずれか一方を着磁したものである。 【0011】 【発明の実施の形態】 実施の形態1.以下、この発明の一実施の形態を図につ
いて説明する。図1はこの発明の実施の形態1による耐
熱性磁気スケールの製造方法を示す斜視図である。図に
おいて、1は板状の耐熱性基材であり、焼き入れ硬化が
可能な合金、例えば炭素鋼S35Cのような強磁性体で
ある。2は電子ビーム3等により加熱された加熱部分で
あり、磁気特性が変化した部分である。図2は上記耐熱
性磁気スケールを着磁している様子を示す側面構成図で
あり、図において、4は着磁用の電磁石、10は磁気ス
ケールである。図3は図2に示す方法によって着磁した
磁気スケールを用いて変位量を検出している様子を示す
斜視図であり、図において、5は磁気スケールに残留し
ている磁化を検出する例えばホール素子のようなセンサ
ーである。図4は図3の方法で検出された磁化量を示す
関係図であり、横軸に変位量、縦軸に磁化量をとってい
る。 【0012】図1において、板状の炭素鋼S35Cの基
材1に、出力1.1KW、掃引速度1.O m/min、焦点距離+5
0 mmの電子ビーム3を照射すると、電子ビームを照射さ
れた部分は急激に加熱溶融される。続いて、電子ビーム
を移動すると、いままで電子ビームを照射されていた部
分は今度は急激に冷却個体化される。そのため、電子ビ
ームを掃引した部分は線状あるいは面状に急激な加熱冷
却作用を受け、極度の残留応力が発生する。S35Cの
ような炭素鋼では急激な溶融固化を行うと焼き入れ効果
により硬度が非常に高くなることが知られている。従っ
て、強磁性の炭素鋼S35Cの基材に電子ビームを照射
すれば基材の表面あるいは内部に線状あるいは面状の磁
気特性の変化層、即ち磁気格子が形成される。形成され
た磁気格子は、上述のように極度の応力を受けて硬度が
高くなっているため保磁力が大きく、図2に示す方法で
電磁石4を使って着磁すると、大きな残留磁化が発生す
る。従って、電子ビームを照射する間隔を任意に選び、
図3のように残留磁化量を検出する素子、例えばホール
素子5などを用いることにより、図4に示すような変位
量と残留磁化量の関係図が得られ、変位の検出が可能と
なる。また、この発明では強磁性の基材の表面あるいは
内部の一方あるいは両方に、線状あるいは面状にある間
隔でそれぞれ独立して、焼き入れ硬化により磁気特性の
変化した領域を形成したので、残留磁化が図4に示すよ
うにパルス的に検出され、従来の方法に比べ安定で、か
つ非常に検出感度が高くなる。また、加熱部分2は基材
1そのものを焼き入れ硬化させて形成されたものであ
り、100℃以上のキュリー点を共に有するので、耐熱
性がある。 【0013】なお、この実施の形態では電子ビームの出
力を1.1KWとしたが、0.1〜15KWの範囲であってもよい。
なお、電子ビームの出力が0.1W未満では掃引速度を非常
に遅くしなければ基材が溶融しないので焼き入れ硬化に
よる磁気変化層が形成できず、また、15KWを越えると掃
引速度を非常に速くしなければ溶融幅が広くなり溶融体
が急冷されないので上記磁化変化層が形成できなくなる
ため実用的でない。また、電子ビームの掃引速度を1.0m
/minとしたが、0.1〜15.0m/minの範囲であってもよ
い。また、電子ビームの焦点距離を基材表面から+50mm
としたが、0〜±100mmの範囲であってもよい。なお、電
子ビームの焦点距離が+100mmを越える場合や−100mm
未満の場合には電子ビームの焦点が離れすぎるので基材
が溶融せず焼き入れ硬化による磁気変化層が形成されな
い。なお、単位当たりの照射エネルギーは20KJ/m〜300
KJ/mが望ましい。 【0014】また、上記実施の形態では電子ビームによ
り加熱したが、他の加熱方法、例えばレーザビーム、プ
ラズマ、抵抗加熱により加熱するようにしてもよい。な
お、例えばレーザビームの場合も、出力、掃引速度、焦
点距離等が電子ビームの場合と同様に限定される。 【0015】さらに、上記実施の形態では耐熱性基材1
として炭素鋼S35Cを用いたが、他の耐熱性の優れ
た、焼き入れ硬化が可能な強磁性材料で、残留磁化が大
きくなるように磁気特性が変化する素材であれば、例え
ばフェライト系またはマルテンサイト系ステンレスであ
ってもよい。 【0016】また、上記実施の形態では基材および加熱
溶融部分の少なくともいずれか一方を着磁して残留磁化
量を検出するようにしたが、あらかじめ着磁せずに、検
出時に、図5に示すように、励起用磁石4と磁束量を検
出する素子、例えばホール素子5などを用いて図4と同
様の変位量と検出磁束量の関係が得られ、変位の検出が
可能となる。また、このような励磁式の磁気検出器を用
いれば、300〜400℃の高温にさらされるような環
境下でも使用することができる。 【0017】 【発明の効果】以上のように、この発明によれば、S3
5C、フェライト系ステンレス、またはマルテサント系
ステンレスのいずれかよりなり、焼き入れ硬化が可能な
強磁性体からなる耐熱性基材に、所定間隔に熱を加えて
加熱溶融部分の磁気特性を変化させ、上記基材より大き
な残留磁化を発生させるようにし、上記基材及び上記加
熱溶融部分の少なくともいずれか一方のキュリー点が1
00℃以上となるようにしたので、高温でも消磁せず、
耐熱性のある磁気スケールが得られる。また、温度変化
に対して剥離等の恐れがなく、安定かつ測定精度の高い
ものが製造できる効果がある。 【0018】 【0019】また、出力が0.1KW〜15KW、掃引速度が1
分当り0.1m〜15.0m、単位長当りの照射エネルギーが2
0kJ/m〜300kJ/m、ビームの焦点位置が基材表面から
0〜±100mm の範囲の電子ビーム又はレーザビームによ
り熱を加えると、磁気変化層が容易に形成できる。 【0020】また、基材及び加熱溶融部分の少なくとも
いずれか一方を着磁すると、励起用の磁石がなくても変
位量が検出でき、検出装置の構成が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による耐熱性磁気ス
ケールの製造方法を示す斜視図である。 【図2】 この発明の実施の形態1に係わる耐熱性磁気
スケールを着磁している様子を示す側面構成図である。 【図3】 この発明の実施の形態1に係わる耐熱性磁気
スケールを用いて変位量を検出する様子を示す斜視図で
ある。 【図4】 検出された磁化量と変位量との関係を示す関
係図である。 【図5】 この発明の実施の形態1に係わる他の変位量
を検出する様子を示す斜視図である。 【図6】 従来の磁気スケールを示す断面図である。 【符号の説明】 1 耐熱性基材、2 加熱部分、3 電子ビーム、4
電磁石、5ホール素子、10 耐熱性磁気スケール。
ケールの製造方法を示す斜視図である。 【図2】 この発明の実施の形態1に係わる耐熱性磁気
スケールを着磁している様子を示す側面構成図である。 【図3】 この発明の実施の形態1に係わる耐熱性磁気
スケールを用いて変位量を検出する様子を示す斜視図で
ある。 【図4】 検出された磁化量と変位量との関係を示す関
係図である。 【図5】 この発明の実施の形態1に係わる他の変位量
を検出する様子を示す斜視図である。 【図6】 従来の磁気スケールを示す断面図である。 【符号の説明】 1 耐熱性基材、2 加熱部分、3 電子ビーム、4
電磁石、5ホール素子、10 耐熱性磁気スケール。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 池田 英男
兵庫県尼崎市塚口本町八丁目1番1号
三菱電機株式会社 材料研究所内
(72)発明者 大村 俊次
兵庫県尼崎市塚口本町八丁目1番1号
三菱電機株式会社 材料研究所内
(72)発明者 大峯 恩
兵庫県尼崎市塚口本町八丁目1番1号
三菱電機株式会社 生産技術研究所内
(72)発明者 森安 雅治
兵庫県尼崎市塚口本町八丁目1番1号
三菱電機株式会社 生産技術研究所内
(56)参考文献 特開 昭62−83620(JP,A)
特開 昭60−250211(JP,A)
特開 昭57−16309(JP,A)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.S35C、フェライト系ステンレス、またはマルテ
サント系ステンレスのいずれかよりなり、焼き入れ硬化
が可能な強磁性体からなる耐熱性基材に、所定間隔に熱
を加えて加熱溶融部分の磁気特性を変化させ、上記基材
より大きな残留磁化を発生させるようにした、上記基材
及び上記加熱溶融部分の少なくともいずれか一方のキュ
リー点が100℃以上である耐熱性磁気スケールの製造
方法。 2.出力が0.1KW〜15KW、掃引速度が1分当り0.1m〜1
5.0m、単位長当りの照射エネルギーが20kJ/m〜300kJ
/m、ビームの焦点位置が基材表面から0〜±100mm の
範囲の電子ビーム又はレーザビームにより熱を加えた請
求項1記載の耐熱性磁気スケールの製造方法。 3.基材及び加熱溶融部分の少なくともいずれか一方を
着磁した請求項1または2記載の耐熱性磁気スケールの
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8105180A JP2886131B2 (ja) | 1996-04-25 | 1996-04-25 | 耐熱性磁気スケールの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8105180A JP2886131B2 (ja) | 1996-04-25 | 1996-04-25 | 耐熱性磁気スケールの製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62217316A Division JP2824059B2 (ja) | 1987-08-31 | 1987-08-31 | 耐熱性磁気スケールの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH095113A JPH095113A (ja) | 1997-01-10 |
JP2886131B2 true JP2886131B2 (ja) | 1999-04-26 |
Family
ID=14400487
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8105180A Expired - Lifetime JP2886131B2 (ja) | 1996-04-25 | 1996-04-25 | 耐熱性磁気スケールの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2886131B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5716309A (en) * | 1980-07-04 | 1982-01-27 | Toshiba Mach Co Ltd | Displacement detector |
JPS60250211A (ja) * | 1984-05-28 | 1985-12-10 | Inoue Japax Res Inc | 磁気スケ−ルの製造方法 |
JPS6283620A (ja) * | 1985-10-09 | 1987-04-17 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 磁気目盛 |
-
1996
- 1996-04-25 JP JP8105180A patent/JP2886131B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH095113A (ja) | 1997-01-10 |
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