JP2009198251A - 自発磁化により鉄鋼材料の焼入れ範囲を評価する方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
従来の技術は、渦電流や硬度計などの局所的な相の情報に限定した手法であり、正確な焼入れ範囲の評価ができないでいた。そのため、製品の焼入れ範囲が変化した場合、製品の焼入れ領域の変化を正確に評価できなかった。
【解決手段】
キュリー点までに冷やされた試料が、逆磁歪み効果により磁化することから、相変態分布に依存した磁化分布が得られ、これにより試料全体の焼入れ範囲を推測することを特徴とする。
【選択図】 図4
従来の技術は、渦電流や硬度計などの局所的な相の情報に限定した手法であり、正確な焼入れ範囲の評価ができないでいた。そのため、製品の焼入れ範囲が変化した場合、製品の焼入れ領域の変化を正確に評価できなかった。
【解決手段】
キュリー点までに冷やされた試料が、逆磁歪み効果により磁化することから、相変態分布に依存した磁化分布が得られ、これにより試料全体の焼入れ範囲を推測することを特徴とする。
【選択図】 図4
Description
本発明は、鉄鋼材料よりなる部材について、これを焼入れや深冷サブゼロ処理する際に、焼き入れ時の相変態によって生じ、深冷サブゼロ処理によって緩和される内部応力によって自発的に発現する磁場ベクトル分布および磁場強度の分布から、焼入れされた範囲や焼入れ処理や深冷サブゼロ処理、および焼入れによる歪み量の程度を評価する方法と、この磁場測定の際、周囲を磁気シールドしたまま、試料表面に磁気センサーを走査させて、微弱な磁化分布の変化を測定する測定装置に関するものである。
鉄鋼材料は、高温領域でfcc構造であるオーステナイト相をとり、低温領域ではbcc構造であるフェライト相をとるばかりでなく、オーステナイト相から、十分に早く急冷した場合、侵入型不純物元素である炭素が拡散に間に合わず、歪みを残した低温相であるマルテンサイト相へと相変態する。このマルテンサイト相は、非常に硬くて塑性変形しにくく、耐摩耗性にも優れることから、刃物等、硬さを必要とする様々な工業部品においては、必要な領域を高温から急冷することによって、マルテンサイトを生じさせる処理を行う。この処理は「焼入れ」と呼ばれ、工業プロセス上、多く用いられる。
焼入れにより、マルテンサイト変態した領域は硬くなるものの、靭性が落ち脆くなるため、逆に靭性を必要とする領域では、変態をしないフェライト相やパーライト相、残留オーステナイト相を残す必要がある。このため部品の領域で、必要な相を正確な領域に生成させる必要がある。
一般に、大量生産による焼入れ処理の場合、次々と同じ条件で、同じ形状、同じ材質の試料を処理するため、これらの試料には、ほぼ同様な範囲に焼入れが施されるはずである。ところが、急冷に不可欠な冷却プロセスは、ある意味、速度論の問題であり、制御が大変難しい。例えば、水等に焼入れる場合、試料と冷媒との間の熱伝達係数の僅かな違いが、抜熱速度を大きく変化させてしまうため、工程における様々な条件の変化により、冷却速度が大きく変化してしまう。そのため、適切な条件よりも冷却速度が遅くなると、マルテンサイトが晶出を始める温度であるMs点まで過冷する前にフェライトへと変態してしまうため、焼入れ領域がうまく定まらない等の問題が頻繁に発生する。また逆に適切な条件よりも冷却速度が速すぎる場合には、全体がマルテンサイトに変態する前にマルテンサイト変態の終了点であるMf温度に達してしまい、残留オーステナイトが残り、製品に大きな歪を残す原因となる。さらに合金元素の添加量のばらつきは、マルテンサイトの開始温度や終了温度、フェライトへの変態温度や駆動エネルギーを変化させるため、焼入れ条件が変化してしまい、同様な問題を生じさせる。
このため、焼入れ処理により、マルテンサイト組織が予定した領域に形成されており、どれだけの残留オーステナイトが残っているか、また逆にフェライトやパーライト組織がそれ以外の領域で形成されていることを正確に確かめて、焼入れ処理時の温度等のパラメーターにフェードバックさせる技術が重要となる。
特に、工場における大量生産を考えた場合、焼入れ処理は、流れ作業の中で進むことが多いことから、流れ作業の中で、高速に全数検査できることが望ましい。
従来、提案されてきた焼入れ性の評価手法は、いずれもマルテンサイト相の特徴を生かしたものであった。例えば、マルテンサイト相は内部の侵入型元素位置の炭素原子が格子を大きく歪ませていることから、転位が相を横切って移動しにくいため塑性変型しにくく硬い。またこうした局所的な歪みが電子の散乱位置となり電気抵抗を高める結果となる。
前者を利用した例としては、硬さ試験による硬度測定がある。焼入れ部分の硬度は、周囲よりも高くなることから、圧痕部の局所的な焼入れ状態が分かる。非特許文献1に示されたジョミニー式一端焼入方法などは、この手法を用いている。
JIS G0561 鋼の焼入性試験方法(一端焼入方法)(2006)
一方、硬度計の圧痕は、数十μmと小さいことから、焼入れ部と非焼入れ部との境界を探るには、連続的に複数の圧痕を打たなければならないなど、広い範囲における焼入れの様子を探るには適さない。また圧痕を打つ際には、試料を固定することも必要で、そのため流れ作業には向かず、一部をサンプリングして検査する場合が多い。
一方、ビッカース等の圧痕は、数μmの深さしか入らないため、硬さに影響するのはその数倍程度としかならず、本手法では、試料を内部における焼入れの様子を知ることができない。さらにビッカース圧痕は、組織をなす結晶粒よりも大きいため、残留オーステナイト量などを見積もることは難しい。焼入れした工具鋼を金型等に応用する場合、その作成時間を短縮する目的から、近年、焼入れ後に切削加工を施す。そのため内部の焼入れは重要であり、本手法は適さない。
他方、特許文献1や2や3に示されるように、近年、超音波を用いて、その伝播速度や反射信号の変化から、広い範囲の焼入れ検査を可能とする方法が提案されている。
ところが、非特許文献2に示されるように、一般にマルテンサイト相とフェライト相を比べるとヤング率(弾性係数)が大きくなる場合も小さくなる場合もあり、硬さとは異なり傾向は一定しない。またその変化も硬さほど大きなものではなく、これは一般の材料量の弾性係数に広く見られる傾向である。塑性変形しないという意味の硬さと、弾性変形しにくいという意味の弾性係数は異なる物性であることを考える必要がある。
坂井田喜久、田中恒輔、材料、56(2007) p.602-608.
一般に超音波の速度は、弾性係数と密度の比の逆数に比例することから、音波の屈折は、むしろ焼入時の熱や相変態による残留応力による密度の変化に対応した変化であると考えられる。これにより焼入部のマルテンサイト相とフェライト相との間で音波の屈折等の変化が測定できる。
しかしながら、超音波を用いた手法では、信号が広がってしまうために、局所的な部分の相変態量の評価が難しくなる。また周波数などを上げて直進性を良くしても、屈折等の効果があるため、全体の波動の様子から評価しなければならないが、超音波の全体の振幅を評価するには、高価な光学装置等の助けを借りる必要があり大変さも生じる。
一方、特許文献4や5に示されるように、試料表面近傍のコイルに交流を流し、交番磁場を与えることにより、試料表面に発生する渦電流を検知コイルで検出する手法も提案されている。
渦電流は、侵入深さが数mmオーダと浅く、透磁率の他に試料の電気抵抗にも依存することから、焼入れ後の試料表面におけるこれらの物性の変化を検出する。一般に焼入後の組織は、炭素量に依存して、マルテンサイト相とフェライト相またはパーライト相となるが、これらの組織はいずれも強磁性体であり、どちらも透磁率は大きく、決まった差はない。一方、マルテンサイト相には残留オーステナイトが残る場合があり、このオーステナイト相は非磁性であるため、その体積比に従って、この領域の透磁率を降下させ、渦電流量が減少する。また電気抵抗は炭素原子が強制固溶していて格子が歪んでいるマルテンサイトの方が大きく、そのため渦電流量が減少する。
この手法の問題点として、信号がコイルの位置に大きく依存し、相の変化に対する大きな誤差となることが挙げられる。また表面近傍数mm程度の局所的な情報しか得られないなどの制限もある。さらにコイルにはある一定程度の大きさが必要で、励磁源から磁場も広がってしまうため、空間分解能にも限界がある。そのため内部も含めた正確な焼入領域の評価が難しく、その点で問題があった。
今回問題にする鉄鋼材料の焼入れ処理においては、焼きの入った領域でオーステナイト相が多少残留オーステナイト相を残したままマルテンサイト相に変態し、焼きの入らなかった領域で、オーステナイト相はフェライト相、もしくはパーライト相へと変態する。一般にマルテンサイト相は、フェライト相やパーライト相よりも体積が大きく、そのため焼入れ後の試料には、焼きの入った領域と焼きの入らなかった領域の境界で、大きな相変態応力が生じる。また残留オーステナイト相は他の相よりも体積が小さいため、オーステナイトが残留するほど、周りの組織との間に、体積歪による相変態応力が生じる。
一方、焼入れの冷却過程で、試料は600℃近傍のキュリー温度以下のとなり、フェライト相やマルテンサイト相は常磁性体から強磁性体へと2次相転移する。パーライトはフェライトとセメンタイとの共析組織であることから、この場合も強磁性体になる。この際、焼き入った領域では、マルテンサイト相と残留オーステナイト相の間に相変態応力が存在することから、試料は決められた方向に歪み、そのため逆磁歪効果から、より磁化され易い方向が定まる。磁化分布が焼きの入った領域により多く存在することから、逆に磁化分布を測ることにより、焼きが入った領域の変化を知ることができる。
他方、今回の手法を応用することで、焼入れ後の部材を深冷サブゼロ処理する際に、適切に深冷サブゼロ処理されたかが、自発磁化の減少で評価することができる。
さらにこの手法を応用すると、焼入れに際して入る熱処理歪について、規格外になるほど歪んだ部材は、通常よりも大きな磁化が観測されるため、磁化の強度分布を測定することにより、歪の量を評価することができる。通常、画像処理などの高価な手法が利用されてきた分野であるが、本手法により、より簡便に求めることが出来る。
従来の技術は、渦電流や硬度計などの局所的な相の情報に限定した手法であったり、逆に超音波等の全体の情報から領域を限定できずに評価する手法であったりして、正確な焼入れ範囲の評価ができないでいた。そのため、焼入れ温度や冷却条件、試料の材質などのずれにより、製品の焼入れ範囲が変化した場合、製品の焼入れ領域の変化を正確に評価する必要があった。また深冷サブゼロ処理をおこなった場合、マルテンサイト終了温度のずれによって、適切なマルテンサイト量まで組織を調整することができないため、これを正確に評価する必要があった。また焼入れにより歪が大きく生じてしまい、このため部品の寸法が合わなくなってしまうものを取り除く必要があるが、従来の手法では画像的な評価しかできず、他の物理量で評価できる簡便な手法が望まれていた。これが本発明で解決しようとする課題である。
本発明は、鉄鋼材料を高温のオーステナイト相から焼入れることによって生じるマルテンサイト相と変態をしなかった残留オーステナイト相もしくはフェライト相、パーライト相との間に相変態応力が生じ、これにより応力磁気異方性を持つことを利用するものである。すなわちキュリー点までに冷やされた試料が、逆磁歪み効果により磁化することから、相変態分布に依存した磁化分布が得られ、これにより試料全体の焼入れ範囲を推測することを特徴とする。
この発明である自発磁化による鉄鋼材料の焼入範囲の評価法によれば、焼入れによるマルテンサイト相と残留オーステナイト相、もしくはフェライト相、パーライト相との境界近傍に、自発磁化が発生する。内部でのマルテンサイト相の分布も、磁束として表面に現れてくることから、表面の磁化分布を測定することで、内部の状態も含めたマルテンサイト相の分布、つまり焼入れの範囲を確定することができる。
また得られる磁場が極めて小さいことから、微小な磁場を測定するセンサーと周囲からの磁場ノイズの影響を遮断するための磁気遮蔽の工夫を施すことを装置上の特徴とする。
一般に工場における生産では、同じ製品を同じ工程で多量に生産することから、焼入れ条件が安定していれば、焼入れによって生じる熱応力は同じ分布になるはずである。そのため、狭い領域の測定で全体の焼入れ状態を推測することが可能となり、測定する必要のある領域を限定することができる。これらの領域での表面の漏れ磁束分布が同じ分布になれば、試料全体の焼入れ条件の安定性が保証されることになる。
また磁気分布は、試料表面で複数の磁気センサーを用い、これを走査させることにより高速で得られることから、工場等のラインにおいて、全数検査を可能にする。
さらに焼入れ後の部材を深冷サブゼロ処理する場合、得たい領域で深冷サブゼロ処理が十分に行われているかについて、磁化分布を測定することで評価することできる。これにより、靭性が高い部品の製造が可能となる。
加えて、本手法により、磁化分布が通常よりも大きく出現した場合には、焼入れにより発生する熱処理歪が許容範囲を超えていることを示すため、簡便な熱処理歪測定法として利用できる。これにより従来の高価な画像処理装置を用いずに、高速に部材の歪量の評価が可能となり、規格外の製品をその場で高速に取り除くことができる。
試料は、オーステナイト相になるまで加熱後、急冷されて焼入れ処理がなされる。その際、図1に示すように焼入れ時に、試料周囲をパーマロイ等で覆うことにより磁気遮蔽し、外部からの磁場の影響を抑える。水焼入れ、油焼入れ、ソルトバス焼入れ、ガス焼入れ、高周波焼入れ、真空焼入れ、レーザ焼入れなど、様々な焼入れ手法に対応可能である。
その後、焼き入れた試料を図2に示すように、試料をXYZステージに乗せ、3次元またはそれに準じた磁束密度測定が可能な磁気センサーを計りたい焼入れ試料の表面の直上に配置する。この際、発生する磁場は、微小であるため、試料の周囲は磁気遮蔽効果の大きいパーマロイ等で覆い、外からのノイズを極力小さくする。また磁気センサーは、安定化電流電源と微小電圧までの測定を可能にした測定系によるホール素子や感度の良いMI素子を使用して、0.01mT以下の磁場強度の測定に耐えるものとする。また試料と金属針間の電気伝導測定により、センサーの金型表面からの距離が1mm以下の一定に保たれるように工夫されている。
センサーは、焼きの入った領域を中心に磁場の変化を測定する。測定時間が十分に得られる場合、表面を2次元的に走査して、分布をより明確にすることにより精度を向上させることが出来る。また試料面に傾きや凹凸がある場合には、センサー面に対して平行になるように補正するか、z軸を動かして高さを調整するなどの工夫が必要である。
一般に工場における生産では、同じ製品を同じ工程で多量に生産することから、焼入れ条件が安定していれば、熱応力は同じ分布になるため、走査範囲をあらかじめ決めることにより、効率や精度を上げることができる。
得られた磁束ベクトルの大きさは、相変態や熱応力に伴う高い残留応力部において、高い値を示す。特に焼入れ部における残留オーステナイトを多く含むマルテンサイト相や、焼入れ部分と非焼入れ部分の境界に高い残留応力が発生することから、焼きの入った領域を特定するのに役立つ。
本発明である自発磁化による鉄鋼材料の焼入範囲の評価法についての実施例を以下に記す。試料として油焼入れ鋼の代表であるSKS93からなる長さ200mm、幅30mm、厚さ7mmサイズの板を用意する。これをフライス加工により、幅方向の片側を3.5mm厚になるように切削を施す。今回加工を施された試料断面の概略を図3に示す。
この板をArガスで置換させた雰囲気炉中に置き、200℃/hrで昇温して900℃で30分保持する。その後、これを約2/3の長さ分を水中に焼入れする。試料の温度が十分に室温近くに戻った後、乾燥させ、この表面の磁性測定を行った。
磁性測定は、ホール素子やMI素子をプローブとしたセンサーを用い、定電流電源と微小電圧測定器により、10μTまで感度を高めた測定器を使用した。このプローブは磁束ベクトルの各xyz成分を取り出せるセンサー3つが取り付けられており、3次元磁束ベクトルを1度に測定することができる。また測定する磁化が弱いことから、地磁気等の影響を押さえるため、測定試料の周囲を消磁したパーマロイで覆った。この時、パーマロイの開口部は水平に南北に向けない。
次に、センサーを試料面から1mm以内に近づけ、試料面に沿って走査させることにより、試料表面から漏れ出る磁束ベクトルを測定した。大量生産する製品で磁性分布があらかじめ分かっているものについては、走査領域を限定し、センサーを並べるなどして、高速測定を行うことで、生産ラインにおける全数検査にも対応できる。
図4にこうして得られた磁束ベクトルの分布図を示す。図に示されるように、焼き入れ時に水面近くにあった試料の薄刃部分に大きな磁化ベクトルが存在していることが分かる。鉄系材料の磁歪み係数λは負であることから、応力方向に垂直な向きに磁場ベクトルが向いており、引っ張り応力がこの領域に特に大きくなっていることが分かる。よってこの領域で焼入れが生じており、マルテンサイトと残留オーステナイトによる変態応力が大きく、熱歪等が大きいことが予想される。またこの試料における焼入れ領域を確かめるために、試料の同じ領域についてビッカース硬度測定を行ったところ、図5に示すように、強磁性を示した領域で硬い焼入れが実現していることが確かめられた。
さらに、熱歪を減少させる手法として、焼入れ後の製品を深冷サブゼロ処理する場合についても、残留オーステナイト相がマルテンサイト相に変化し、相変態応力が減少することによって、内部応力が緩和される。そのため、本手法により、磁束ベクトルの減少から、深冷サブゼロ処理によって内部応力が緩和された領域を特定でき、深冷サブゼロ処理の工程の可否を評価することができる。
本発明である自発磁化による鉄鋼材料の焼入範囲の評価法により、焼入れされた製品のマルテンサイト領域を特定できるようになり、また深冷サブゼロ処理された後の応力緩和の評価もできることから、以下のような、産業上の様々な利用可能性が生まれる。
刃物の焼入れ、深冷サブゼロ処理において、刃のどこまでの領域にマルテンサイト相が出来たかを評価出来る。このことにより、未焼入れの製品を減らし、残留オーステナイト量を調整することができ、より硬く靭性のある製品を得ることができる。
歯車の焼入れ、深冷サブゼロ処理において、適切な領域にマルテンサイト相が出来ていることが確認でき、その焼きの深さを評価することにより、硬さと靭性のある製品を作ることができる。これにより、摩耗やスコーリングなどの発生を防ぎ、寿命の長い歯車の生産が可能となる。
軸の焼入れ、深冷サブゼロ処理において、適切な領域に表面硬化層が出来ていることを確認することが出来る。これにより、ベアリング等の摩耗に耐えられる高寿命な軸の生産が可能となる。
ベアリングやベアリングケースの焼入れ、深冷サブゼロ処理において、適切な領域に表面硬化層が出来ていることを確認することが出来る。これにより、摩耗に耐えられ、高速長時間回転に耐え得る高寿命なベアリングの生産が可能となる。
金型材の焼入れ、深冷サブゼロ処理において、焼きの深さ等の情報を得ることが出来、その後の切削加工等に有益な情報が提供出来る。
上記のような製品に限らず様々な製品の焼入れ、深冷サブゼロ処理工程において、昇温不足や、焼入れ速度不足で生じた未焼入れした製品や、急冷速度が大きすぎるために生じる残留オーステナイト量をその場で判定することが出来、製造プロセスの迅速な再調整を可能にする。
また逆に焼入れが過ぎて、製品に許容範囲以上の歪みが生じた場合には、通常よりも、より大きな磁化が生じることから、歪みを画像等で評価するよりも簡便な手法で、適さない製品を排除することが可能となる。
1 試料
2 冷却材 (水など)
3 非磁性容器
4 磁気遮蔽管
5 3次元磁束密度センサー素子部
6 3次元磁束密度センサー測定部
7 制御用コンピューター
8 自動XYZステージ
9 試料
10 試料保持部
11 センサー位置調整部
12 磁気遮蔽管
2 冷却材 (水など)
3 非磁性容器
4 磁気遮蔽管
5 3次元磁束密度センサー素子部
6 3次元磁束密度センサー測定部
7 制御用コンピューター
8 自動XYZステージ
9 試料
10 試料保持部
11 センサー位置調整部
12 磁気遮蔽管
Claims (2)
- 鉄鋼材料からなる部材の焼入れ処理および深冷サブゼロ処理において、相変態に基因する内部応力によって自発的に発現する磁場ベクトル分布および磁場強度の分布を測定することによって、焼入れ範囲及び歪み度を評価する方法。
- 前記において、周囲を磁気シールドしたまま、試料表面に磁気センサーを走査させて、微弱な磁化分布の変化を測定する測定装置。
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JP2008038845A JP2009198251A (ja) | 2008-02-20 | 2008-02-20 | 自発磁化により鉄鋼材料の焼入れ範囲を評価する方法 |
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2008
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