JP5004324B2 - 磁性体を含む金型の補修方法 - Google Patents

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本発明は、磁性体を含む材料よりなる金型について、これを研削や切削、放電加工、通電焼結やレーザー焼結等、様々な加工法により作製する際および使用時に逆磁歪現象により金型表面に生成した磁場ベクトルおよび磁場強度を磁束密度センサーを用いて残留応力や表面亀裂の分布や位置を導出し、残留応力や表面亀裂を除去する金型の補修方法に関するものである。
プレス用金型および成形用金型には、研削や切削、放電加工や通電焼結、レーザー焼結等、様々な加工法による型作製時において、加工時に溶融を伴うような高温から室温へと急冷される場合があり、また射出成形などの熱間金型としての使用時における圧縮と冷却の繰り返しが与えられるなど、その作製時や使用時に大きな熱応力が発生する。これらの多くは表面において引張応力として働くため、金型表面に微細なヘアークラックの発生を誘導する。また金型用の素材が硬さを重視した脆性材料であるため破壊靭性値は小さく、微細なクラックの存在により金型の寿命は大きく低下する。
そのため金型の内部に存在する残留応力を減らすために、加工表面層の除去による金型の補修方法や金型を作成する最適な加工プロセスを求めるなどの努力がなされており、これらの指針を与えるべく、金型表面の内部応力の分布や亀裂の位置を正確に測定し、このデーターに基づいた金型の補修技術は重要となってきている。
一方、金型の作製は、多種多様の加工を経て行われることが多い。熱処理から焼入処理、焼き戻し処理を経て金型材が供された後、数段階に分けた放電加工や切削加工、研削加工を経て作製される。
その中でも、難加工材である金型の最終成形に多く使用される放電加工においては、切断時や成形時に溶融温度から、加工液の温度まで急激に冷やされるため、加工表面に大きな熱応力が生じることが多い。
また切削加工や研削加工においても、金型に使用される難削材を高効率に生産する必要性から、高い切削・研削応力で高速強加工を施す場合が多く、同様に加工表面に大きな残留応力部が生じる可能性がある。
しかしながら、加工後の金型は歪みや寸法誤差を嫌うために一般に焼き戻し処理を行うことはできず、これらの残留応力の影響は避け難い。
そのため従来、金型の表面に残留応力を持つ表面加工層の除去のために、研磨や化学的処理による表面仕上げ工程が施されてきたが、表面加工層の深さは金型材や個々の加工履歴によって大きく異なるため、適切な除去量を決定する指標が求められていた。
一般に金型の加工は、金型の部位を考慮し、放電加工や切削加工、研削加工、そして最終仕上げ加工など、それぞれの加工法の特徴を活かした加工法の組み合わせが工夫されている。それらの加工履歴を含めた内部残留応力の評価法は、これらのプロセスにおける適切な加工パラメーターを求める意味で重要となる。
従来、金型などの物体表面の残留応力は、X線による回折ピーク位置の変化の測定によって評価されてきた。例えば、非特許文献1が公知である。しかしながら、X線は遷移金属試料の数μmの深さにしか侵入しないことから、数十μm〜数百μmのオーダーで存在する物体内部の残留応力を検出するためには、物体内部の測定対象が露出するまで物体表面の素材を除去し、露出した新たな表面の残留応力を測定する必要があった。しかしながら、一旦素材を除去してしまうと、除去前に物体内部で釣り合っていた内部応力が解放されてしまうため、応力の再配分が生じ、物体表面の残留応力状態は除去前とは全く異なったものとなってしまっていた。そのため、従来の手法では、物体内部の残留応力分布を直接実測する方法は未だ実現されてこなかった。
またX線測定は放射線を用いるため、装置は大がかりで高価であり、その取り扱いも被爆等の危険性から一般者が手軽に行なえるものではないなどの欠点があった。
X線応力測定法 改著養賢堂日本材料学会著 (1981)
一方、金型の熱応力等、内部応力について解析を行い、より実工程に即した金型を設計する方法として、有限要素法を用いる方法が種々検討されている。例えば特許文献1では、実測した温度分布から、金型内部に発生する熱応力分布を求め、金型の目的の位置における熱疲労寿命を予測する方法が提案されている。
特開2000−246394号公報
しかしながら、放電加工や切削加工等、金型に多用される加工方法では、同じ作製条件でも、被加工材表面の温度分布は安定せず、不確定要素は多い。また加工先端では溶融温度に達するのに、その周囲では室温近くになるなど局所的に温度変化が大きく、温度を正確に実測するのは困難であり、計算に大きな誤差を与えかねない。
また、さらに現場で数多く使用される金型について個々に必要な個所の温度測定を行い、計算で予測を行うには、手間のほかに熟練と知識が必要となり、有効な方法とは考えられない。
一方、鉄などの強磁性材料は、応力により透磁率が変化する現象が知られており、この性質を利用して、高周波の励磁電源により外部から磁束を与え、検査材料を透過する磁束密度の変化を測定することにより、構造材料の経年劣化を非破壊的に測定する手法が提案されている。例えば特許文献2においては、磁化回路の一部にまたは全体に試料を置き、応力を付加させた際の、透磁率の変化を用いた手法を提案している。
他方、例えば特許文献3においては、異なる方向から2種の磁化回路を置き、試料の一部を磁化回路として通すことにより、繰り返しかかる応力による疲労に起因して生じる透磁率の異方性を透磁率の変化から測定する手法を提案している。
特開2001-21538号公報 特開2002-350403号公報
しかしながら、これらの手法では、外部から磁束を励磁して印加しなければならず、磁束は広がることから、高い空間分解能を持つ材料の評価は難しい。また透磁率は外部磁場に対して、非線形に振る舞うため、励磁場の振幅にも大きく影響され、定量的な測定が望めないなどの問題が存在する。
さらに非特許文献2においては、外部から直流磁界や交流磁界を印可することにより発生する歪み量の差から残留応力を見積もる手法を紹介している。
中川平三郎、機械の研究, 56巻3号(2004)p.397
しかしながら、この手法では、印可磁場の空間的広がりから高い空間分解能を期待することは出来ず、また残留応力の分布を評価するためには、局所的な歪みの測定が必要となるなど、測定が複雑になる等の問題が存在する。
また近年、疲労現象において繰り返し付与される応力により変化する漏れ磁束密度をSQUID等の高感度磁気センサーにより測定し、応力負荷過程における経時的変化の差分から、オーステナイト系ステンレス鋼等の疲労度を推定する方法が提案されている(特許文献4)。
特開2005-055341号公報
しかしながらこの方法では、SQUIDといった特殊で、高価なセンサーを用いる必要があり、液体ヘリウムなどの冷却剤を必要とするため、一般の工場等に使えるシステムとはなり得ない。また試験的に繰り返し応力負荷を加えてそれに対する材料評価を行うだけでは、材料の代表的特性を評価できるだけであり、実際の個々の金型の各加工における特性を評価することにはならない。また疲労だけでは金型の特性評価には十分ではなく、むしろヘヤークラックや残留応力などの破壊靭性値に及ぼすパラメーターの評価を得る手法とはならない。
他方、金型の放電加工では、被加工材の各面に分けて、異なる方向から、様々なワイヤー位置で、数回の加工が施される。それらの加工履歴は、作成後の金型の加工工程を解析する意味で重要となる。
従来、金型作製時におけるワイヤー放電加工等におけるワイヤーの位置や移動方向などの加工履歴を明らかにする手法は提案されてこなかった。SEMなど電子顕微鏡等で、加工表面のテクスチャーを解析することによって多少の推定は可能であるが、大掛かりな装置を用い真空チャンバー中で行う必要性があるため、複雑な面を簡便に評価することは難しかった。
さらに金型は、作製時や使用時に大きな応力や熱影響が加えられるために、表面にヘヤークラック等の亀裂が入ることが多く、それが原因となって金型の不良が起こる。また製造工程で混入した異物があった場合、これも強度に影響を及ぼす。これら亀裂の発生や異物の存在を金型の保守管理時に検査等で知ることができれば、金型を補修することにより、製造プロセス時におけるラインの停止や不良品の製造を防ぐことができ、工業上、有用となる。
しかしながら、金型表面の亀裂は、一般に、割れによる表面の開口部は細く小さく内部には深いヘヤークラック的な形態を示し、表面を観察するだけでは容易にその存在を知ることができない。さらにクラックが内部にあった場合、その存在は外部から検出することは出来ない。また表面近傍に埋め込まれた異物の存在も表面からは容易には検出できない。
これまで加工面のヘアークラックの検査法として、染色塗料の染み込み具合から探る浸透探傷試験法等や、外部磁場を印加した表面の磁束密度の変化を測る磁粉探傷試験法、外部印加交流磁場によって発生する渦電流の流れやすさを交流磁場コイルのインピーダンスの変化から探る渦流探傷試験法、超音波のエコーなどを検出する超音波探傷試験法などが提案されてきた。
しかしながら、浸透探傷試験法は、表面の浅い傷と深い傷を明確に区別するものではなく、また検査後に塗料を除去する必要があることから、金型等、表面の精度を気にする部材には向かない。
また渦流探傷試験法は、装置も大掛かりであり、且つコイルのインピーダンスの変化が、表面からの距離や表面の凹凸、内部組織の抵抗変化にも影響されるため、その信号が必ずしも、割れ等の欠陥に対応しない。
さらに磁粉探傷試験法は、外部磁場により、一旦、全体を磁化する必要があり、また探傷後、消磁の作業が必要となることから、金型に狂いを生じさせやすい。また部材のサイズによっては大掛かりな装置が必要となる。さらに、外部から印加した磁束の乱れは、ヘアークラックよりもむしろ、表面の突起や凹みによって引き起こされることから、深い傷の探傷には向かない。
最後に超音波探傷法は、音波が部材全体に広がってしまうため、表面にある傷を特異的に見つける方法にはなりえず、また解析も複雑になることから、現場向きの手法ではない。加えて、音波の波長長さの制限から、精密金型部品等の小型金型では、複雑な形状を持つ表面からの反射が生じることから、これらの部材の探傷には向かない。
従来のこれら技術では、研削や切削、放電加工等の様々な加工法における作製時やプレス金型や成形金型としての使用時における不確定な要素によって生じる金型内部の残留応力やヘヤークラックを表面から深い範囲にわたって正確に見積もることはできず、そのため適切な金型補修を行うことはできなかった。また金型を扱う現場で、有効な空間分解能を保ったまま、簡便に内部応力を評価する方法を供することはできないため、一般の工場での金型補修に内部応力やヘヤークラック等の検査を取り入れることはできなかった。また内部応力の他に金型のワイヤー放電加工プロセスにおける加工履歴の情報を与える手法は提案されてこなかった。
そこで強磁性体を含む材料からなる金型内部の残留応力を精度よく検出し、その情報に基づいて残留応力を除去する最適な金型の補修方法を提供することが本発明の課題である。
本発明は、強磁性体を含む材料からなる金型表面近傍の残留応力やヘヤークラックを評価し、これを元におこなう金型の補修において、内部応力に起因した逆磁歪み現象によって発生した該金型の表面の磁場ベクトルと磁場強度を、磁束密度センサーとしてホール素子やMI(Magneto
Impedance)素子を用い、該金型の表面を、3次元的に移動走査させて磁場強度と磁場ベクトルを検出することを特徴とする。又、ワイヤー放電加工において、ワイヤーの切り込み位置や移動方向を簡便に評価するために、上記と同様の検査方法を用い、加工履歴に依存した磁場の符号の向きや変化から、加工履歴の情報を得ることを特徴とする。
本発明は、本発明者らの考案になる特許文献5で提案されている磁性体を含む材料の破断原因等を際に、該材料の破断表面を、磁束密度センサーを3次元的に移動走査させて磁場強度と磁場ベクトルを検出することを特徴とする検査方法を、金型の加工の際に生じる残留応力の評価や残留応力の除去量の評価および表面近傍に発生した亀裂の評価やワイヤー放電加工における加工時の情報の評価に応用し、これを元に金型の補修をおこなうものである。
特願2005−57442号公報
測定対象の強磁性体を含む材料からなる金型の材料とは、例えば鉄のα相やマルテンサイト相を含むSKD鋼や炭素鋼や粉末高速度鋼(粉末ハイス)、コバルトを含有した高速度鋼(コバルトハイス)に代表される金型用鉄合金や工具鋼、鉄鋼材料がある。また強磁性体であるコバルト合金やニッケル合金、鉄アルミニウム金属間化合物を金属炭化物の焼結マトリックスとする超硬合金がある。またコバルトを主とする工具鋼であるステライトがある。さらに高温用の金型材であるニッケル系合金のハステロイや超合金がある。また銅にコバルトを数パーセント混ぜた二相分離合金等を用いることにより、型彫放電加工時の相手電極材の評価も可能となる。産業上大半の金型が磁性体を含む材料であり、本手法の対象となる。
又、ホール素子とは、半導体中を流れる電流に対して垂直に掛かる磁界強度に比例して、電流と磁界方向に垂直にローレンツ力が働き電圧が発生するという原理に基づいたセンサーである。これを三つの異なる方向の磁場強度を測る様に並べた複合センサーを用いることにより、3次元の磁場ベクトルとその絶対値である磁場強度を同時に検出することができる。
この発明である強磁性体を含む材料からなる金型内部の残留応力の検査方法によれば、金型の作製時や修正時、使用時に導入された金型内部の残留応力によって逆磁歪現象として発生した漏れ磁束ベクトルの分布の変化から、金型表面近傍に残留する内部応力の分布を評価することが可能となる。また本検査方法が、簡便で且つ安価で且つ安全な方法であることから、工場の現場においても容易に使用でき、同じプロセスで作製しても、残留応力量が一定しない金型の個々の検査を可能にし、金型の表面加工層を研削等により除去することにより内部の残留応力を取り除く作業において、最小限必要な除去量を見積もるのに必要な情報を与え、それに応じて個々の金型の作製時や使用時における補修を可能にする。
さらにこれにより、金型内部の残留応力を極力無くすように工夫を行う上で、例えば金型作製時の加工プロセスのパラメーターを最適化する作業に指針を与える。
さらに金型の使用時において定期的に漏れ磁束ベクトルの分布を測定することにより、その変化から、例えば射出成形型における加熱冷却による熱応力や研削加工時に生じた加工残留応力やプレス加工における衝撃力等によって金型表面に入ったクラックや異物の位置と大きさを見積もることができ、欠陥の入った一部の金型の交換や補修による処置を施すことにより、金型の寿命を大幅に向上させ、急なラインの停止等のトラブルを未然に防ぐことを可能にする。
加えてワイヤー放電加工におけるワイヤーの移動方向に磁束ベクトルが変化し、その符号が移動方向に依存することから、金型作製時におけるワイヤーカットの履歴を評価することが可能になり、例えば、他社によって作製された金型の加工プロセスを理解する上での重要な情報を与える。また残留応力を小さくするよう、異なる面での加工手順を最適化する上で必要な情報を与える。
図1に示すように、試料をXYZステージに乗せ、3次元またはそれに準じた磁束密度測定が可能な磁気センサーを計りたい金型表面の直上に配置する。以下、試料の測定面に平行な面内にx軸とy軸を互いに垂直に取り、測定面の法線方向に離れる向きにz軸を取る。
またこのセンサーには、1mm程度センサー位置よりも飛び出た形で柔らかく弾性変形可能な金属の針が併設してある。金型試料と金属針間の電気伝導測定により、センサーの金型表面からの距離が1mm以下の一定に保たれるように工夫されている。センサーと試料との関係を図2に示す。
表面からの距離が一定になるようにステージのz方向の高さを調整後、金型表面から漏れ出た3次元方向の磁束密度を測定し、有効な磁束密度が得られていることを確認する。測定した残留磁束ベクトルを磁気測定装置により定量化し、デジタル化した後、コンピューターに記録する。XYステージを用いてセンサーを金型表面のXY端に移動させた後、金属針−金型間の電気伝導度の情報によりzステージをコンピューターにより制御し、金型表面からの高さが一定に保たれるように保持する。これを繰り返しながらセンサーの分解能以下でXY方向にステージを走査させ、金型表面上に漏れ出た3次元磁束密度ベクトルの分布を得る。この3次元磁束密度ベクトルをコンピューター上に保存し、そのベクトルの大きさや向きの変化を解析することにより、金型の残留応力やワイヤー放電加工プロセスの履歴、表面のヘアークラックの分布を評価する。この測定装置は、特許文献2における装置と同じものが使用でき、磁束密度を効率良く集め、試料センサー間の距離を一定に保つための高透磁率材料からなる探針と弾性片持ち梁であるセンサー保持棒を有するなどの工夫も有効である。
本発明における強磁性体を含む材料からなる金型内部の残留応力を検査する方法の実施例の一つ目を以下に記す。試料としてSKD鋼、粉末ハイス鋼、WC-Coからなる超硬合金数種からなる20×65×20mmサイズの板を用意する。これをワイヤー放電加工により、厚み方向に切断し、20×65×10mmサイズの板とする。その後、20×65mmの面を長手方向に4分割し、20×20mmの1つと20×15mmの3つの計4領域に分け、最初の領域をそのままにし、残りの3つを50μm、100μm、150μmの深さにそれぞれ精密研削加工を施す。またワイヤー放電加工による垂直方向の影響を見積もるため、各領域の境界に放電加工を1mm深さになるように施す。これらの加工は、放電加工および精密研削加工の各パラメーターによる本測定法の測定能を見積もるため特に用意されたものである。今回加工を施された試料断面の概略を図3に示す。
次に試料加工面の磁性を、図1に示す装置を用いて、3次元磁束密度センサーを走査(走査線間隔0.2mm、速度1秒/ステップ)させ、漏れ磁束密度の測定を行う。その際、加工面からの距離を0.5mmと一定になるようにステージのz方向の高さを調整し、加工面とセンサーをほぼ接した状態に置いた。x、y、z各方向の磁束密度を磁束密度測定装置により電気信号に変換後、AD変換器によりデジタル化し、PCにより各位置での3次元磁束密度ベクトルデータを記録した。その後、XYステージを用いて、センサーを次の位置へ移動させ、再び測定を行った。これを繰り返すことにより、加工面のXY面上に存在する3次元漏れ磁束密度ベクトルの分布図を得た。本試料においては高い平面度がでているためzステージの制御を行う必要はないが、試料によっては高さ方向の変化に応じてzステージを制御して、センサーと試料面との距離を1mm以下の一定距離に保つ必要がある。
本試料の場合、ワイヤー放電加工を施した際に発生する加工表面近傍の熱応力によって、逆磁歪現象として試料表面に漏れ磁束が生じる。また放電加工面により熱応力の存在する表面加工層の一部を研削処理により除去加工し、試料表面の漏れ磁束密度を減少させる。測定した漏れ磁束密度の分布の変化から、試料加工面内部に存在する残留応力の深さ方向の分布を明らかにすることができる。
強磁性体を含む材料からなる金型のワイヤー放電加工表面には、切断時に溶融した表面加工層が、加工液によって急冷されたために熱収縮し、引張り応力を受けている。今回の超硬合金の場合、金属炭化物をつなぐマトリックスのコバルトは応力の方向に磁場ベクトルが向く性質を示し、そのため、より強い熱応力を受けた放電加工面ほど、加工面方向に平行に微細な磁石が並ぶこととなり、その結果、磁束密度がワイヤー放電の切り進んだ方向に一方の極から他方の極へと変化している。今回用いた粉末ハイスやSKD鋼においても同様の性質を示す。
そのため磁化強度の変化の傾きが大きい試料ほど、表面加工層において熱応力を強く受けていることを意味し、傾きの小さな試料ほど表面加工層の熱応力が少ないことを意味する。
図4と図5に超硬合金に放電加工した試料における漏れ磁束密度の分布を示す。図4は、加工面に存在する3次元磁束ベクトル分布の鳥瞰図を、図5には、加工面をz方向から見た3次元磁束ベクトルの分布図である。放電加工のみを施した面においてのみ、大きな磁束密度の変化が観察されたが、ある深さ以上の研削を施した面では、磁束密度の傾きを観察することはできなかった。よって今回放電加工を施した本超硬合金の試料の場合、十分な深さの研削によって加工層の熱影響部が十分に取り除くことができたものと判断された。
一方、図6にSKD工具鋼を加工した試料における漏れ磁束密度の分布を示す。放電加工のみの面に対して、研削を施すほど、磁束密度の変化が小さくなっている様子が観察されるが、150μm研削された後も、若干の傾きが残っており、この程度の研削では、加工層の熱影響部が十分には取り除けていないことが分かる。この傾向は、粉末ハイスを加工した試料においても同様であった。
一般に、SKD鋼や粉末ハイスは、超硬合金に比べ柔らかく、ヤング率や降伏応力も低いことから、一定の熱応力に対して、深い加工影響部が残ることが知られており、今回の結果は、従来の報告である非特許文献3とも一致する。以上の結果から、本発明が表面加工層の残留応力の半定量化に有用であり、これを元に金型表面の研削による補修加工に適切な深さの情報を与えうることが分かる。
緒方勳他、精密工学会誌, 57巻1号(1991)p.144-149
一方、同じ応力に対してもどれだけ磁場ベクトルが揃うかは、材料が固有に持つ磁歪み係数に依存しており、図4〜6の分布の度合いが、直接熱応力の値に変換されるわけではない。この係数は同じ鉄合金でも組成とともに変化することから、金型として使用する材料については、これらの物性値を明らかにしておく必要がある。これまで調べられてきた磁歪係数については、例えば非特許文献4に詳しい。幸い強磁性体の逆磁歪現象は弾性応力に比例して発生するため、多結晶材料については、曲げ試験や圧縮試験等の機械的試験によって、簡単に見積もることができる。特に応力に対して同じ方向に磁場ベクトルが向く材料であるのか、逆に応力とは垂直方向に磁場ベクトルが向く材料であるのかは、測定した磁場ベクトルの方向を元に応力を解釈する本発明にとって重要である。さらなるより精密な測定は、単結晶による精密な測定を必要とし、実用材については、今後の研究により、精密な磁歪係数の数値化が望まれる。
MagnetostrictionTheory and Applications of Magnetoelasticity, Etiennedu Tremolet de Lacheisserie, CRC Press (1993)
他方、一般に金型は、主たる加工に寄与し、応力が掛かる部分ほど、複雑な形状を示すため、外部に漏れ出る磁束密度ベクトルは、これら形状の効果を大きく受ける。また複数の加工面が接する領域においては、他の面から漏れ出る磁束ベクトルの影響も無視できない。図4〜6の具体例は、いずれも単純な平面であったためにこれらの効果は無視できたが、それでも端の領域においては形状効果が観察された。
厳密には、本手法を具体的な金型材のより定量的な残留応力分布の評価手段に使う際に、前述した材料物性に依存した磁歪係数を考慮した解析の他に、試料全域の測定に基づく形状も考慮した評価をおこなう必要がある。しかしながら、主たる残留応力による漏れ磁束密度は加工面近傍に現れることから、半定量な解析にはこれでも十分に役立つことが期待される。
もっとも、多結晶で使用する場合が大半である金型においては、残留応力の度合いを半定量化する目的であれば、簡便な試験で十分であり、また同じ材料間で応力の大小を議論するのであれば、正確な係数が分からなくとも簡単な比較は可能となる
他方、ワイヤー放電加工においては、超硬合金中のコバルトのように磁場ベクトルが応力の方向に向く材料からなる場合は、ワイヤーの進行方向に対して左側にある材料はN極からS極に、逆に右側にある材料はS極からN極に変化する。
また図4〜6に示した4つの領域の境界に面に垂直方向に切断線を導入した場合、同様に線の左右で逆の極が発生している様子が観察される。これは、切断面に平行な面で観測した上記の結果と同じ現象である。
この様に極の変化方向と左右の切断の向きには、常に一定の関係が存在する。これは切断の際に生じる回転モーメントが原因となっているものと考えられる。この現象を応用すると、金型作成時のワイヤーの進行方向を明らかにすることが可能となる。
他方、一般にワイヤー放電による入力熱量は一定せず、切断部の移動とともに材料周囲の境界条件も変化することから、温度分布は複雑となり、それに伴う熱応力分布もそれほど単純ではない。また加工機の持つ特性から、切断加工時の投入エネルギーが経時的に変化する場合もあり、これらの特性を知ることは、最適な金型設計には必要不可欠である。
例えば、図7に示すように、別の放電加工機により超硬試料に加工を施した場合、放電加工面の磁束密度測定から、磁束密度の大きさの周期的な変化が観察される場合があり、均一と考えていた放電加工面に何らかの負均一性を与える加工放電エネルギーの周期的な変化が存在していたことが示唆される。
さらに、超硬合金に放電加工した試料において測定した図4、図5で示した漏れ磁束ベクトルのうち、測定面から垂直なz成分を除いた、測定面内に存在するx、yの2成分からなるベクトルの加工面内の分布を図8に示す。漏れ磁束ベクトルは、加工面内で特徴的な流れを示しているが、特に加工面の数箇所に流れの特異点である渦が存在していることが分かる。またこれらの渦の存在する領域は全て、磁束ベクトルの大きさが小さい。
これらの渦の領域を光学顕微鏡で観察すると、細長い割れが観察される。これら表面の傷は、磁束のxyベクトルの渦が観察されない位置にも存在することから、渦近傍の割れが、他の傷とは異なる内部方向に深い亀裂の入ったヘアークラックである可能性がある。
金型の表面加工層に内部方向に割れの進んだヘアークラックや異物が存在した場合、加工面方向の残留応力は緩和され、さらに残留応力場は、面内のクラック周りで特異点を持つ。よって残留応力の逆磁歪現象で生じた漏れ磁束ベクトルのxy成分の表すベクトル分布もクラック周りで渦等の特異点からくる分布を示す。また磁歪み係数の異なる材料においては、これらの特異点がベクトルのxy成分の発散となる場合も考えられる。
このことから、上記の漏れ磁束密度の加工面内の2次元ベクトルの特異点である渦や発散が、大きな応力緩和を生じさせるヘアークラックや異物の存在を示すものと考えられ、本手法が従来にはない欠陥検出の手法となることを示唆する。ヘアークラックがプレスや射出成型で使用される金型の寿命を決めることから、本手法は、工業上、重要となるものと考えられる。このクラック位置の情報を元に本発明では、除去加工等による金型の補修を可能にする。
本発明における強磁性体を含む材料からなる金型内部の残留応力を検査する方法の実施例の二つ目を以下に記す。試料としてWC-Coからなる超硬合金からなる20×65×20mmサイズの板を用意する。これを高速研削加工により、表面研削をおこない、20×65×10mmサイズの板とする。その後、20×65mmの面を長手方向に4分割し、20×20mmの1つと20×15mmの3つの計4領域に分け、最初の領域をそのままにし、残りの3つを50μm、100μm、150μmの深さにそれぞれ精密研削加工を施す。これらの加工は、高速研削加工および精密研削加工の各パラメーターによる本測定法の測定能を見積もるため特に用意されたものである。今回加工を施された試料断面の様子は図3と同じである。
次に試料加工面の磁性を、図1に示す装置を用いて、3次元磁束密度センサーを走査(走査線間隔0.2mm、速度1秒/ステップ)させ、漏れ磁束密度の測定を行う。その際の測定条件や測定パラメーターは、実施例1の場合と同じである。
本試料の場合、高速研削加工を施した際に発生する加工表面近傍の熱応力によって、逆磁歪現象として試料表面に漏れ磁束が生じる。一般に研削砥石は、中央部が高く周辺部が低い丸みを帯びた形状をしていることから、この砥石を平行移動して研削面を広げていく際に、砥石の中央部に当たる面には、周辺部に比べて、大きな応力が生じる。
また一般に研削は固定した砥石に対して試料を固定したテーブルを走らせながら行なうが、その際、既に研削されたラインで凹みがある場合には、次のラインのその位置でより大きな応力が掛かり、さらに研削が進むことにより、同様に凹みを生じさせる。この現象により、表面ではあまり凹凸の変化が内容に見える研削後の加工面に砥石の研削方向に研削面の応力が大きく変化し、これに対応する残留磁束ベクトルの分布が生じる
図9に高速研削加工を施した試料の残留磁束ベクトル分布を、図10に摺動面精度の悪い通常の研削加工を施した試料の残留磁束ベクトル分布を示す。図で見るように加工面の残留磁束ベクトルは、研削ラインの方向に垂直に分布し、主として後者の機構による応力分布が検出されたものと考えられる。
また表面加工層の一部を研削処理により除去加工した場合、実施例1同様、試料表面の漏れ磁束密度を減少させる。測定した漏れ磁束密度の分布の変化から、試料加工面内部に存在する残留応力の深さ方向の分布を明らかにすることができる。この残留応力の情報を元に金型の最終研削加工の条件が明らかとなり、金型の作製時に適切な補修を加えることが可能となる。
以上のように加工面の3次元磁束ベクトルの分布を評価することにより、様々な加工時に導入された残留応力や表面近傍の割れを評価することができる。これはその他の加工である、切削加工やレーザーや電流による焼結加工においても同じであり、こうした金型の補修に威力を発揮する。
本発明の磁性体を含む材料を用いて作製された金型表面の残留漏れ磁束ベクトル測定により、金型の寿命に大きく影響する金型表面の残留応力の大きさや異物の存在およびヘアークラックの発生が評価できるようになり、この情報に基づいた金型の補修によって、以下のような、産業上の様々な利用可能性が生まれる。
まず産業上大半の金型が磁性体を含む材料であるフェライト鋼や金型鋼、工具鋼やコバルトや強磁性金属間化合物を含む超硬合金、ニッケルα相を含む超合金等を用いて作成されていることから、大半の金型が本手法による以下の応用が可能となる。また銅にコバルトを数パーセント混ぜた二相分離合金等を用いることにより、型彫放電加工時の相手電極材の評価による補修も可能となる。
残留漏れ磁束ベクトルの大きさやベクトルの向きの変化から、作成時に導入された金型表面の残留応力の分布を評価することが可能となり、金型の加工時や補修時のパラメーターを最適化する際の指針として使える。例えば、残留応力が少なくなるような放電加工の電流量やパルス周波数、切断速度などの値を変化させて作った金型の表面残留応力を最小化することにより、最適な放電加工機のプロセス条件を見出すことが容易になる。
また型彫放電加工において相手電極材に銅コバルト合金等、磁性相を含む電極材を用いることにより、電極の消耗部位や残留応力部位を磁性により明らかにすることも可能となる。
これら作成時の加工パラメーターを最適化できることは、高速研削加工やマシニングセンター等の切削加工、その他レーザーや電流の放電や通電加熱を用いた粉末焼結などの金型作成プロセスにおいても同じである。逆に本手法による残留応力の解析から、個々の加工法の特徴や残留応力を作る原因を明らかにすることができるため、金型の補修の他、従来の金型の加工プロセスの改良や、新たな加工プロセスの創成にも有用である。
他方、金型の中で、破損が致命的になる部位や使用時に大きな応力が掛かる部位は決まっているため、部位に合わせて残留応力を制御した金型の作成や補修も可能となり、多少の残留応力が気にならない部位の金型作成の効率化を図ることも可能となる。
また一般の金型作成においては、放電加工や高速研削加工、高速切削加工において表面に大きく入った表面加工層が存在するため、これを精密研削や機械研磨、電界研磨により除去する工程を含む場合が多い。
しかしながら、除去量をいくらにするかの判定は難しく、少なく除去した場合は、残留応力の存在により金型の寿命が短くなる可能性があり、また過剰に除去した場合は、余分なコストとなって跳ね返る。
本手法を用いれば、実施例1のように、一定除去加工後に磁束密度ベクトルの測定をおこなうことにより、どの程度の除去加工によって表面加工層の残留応力を減らすことができるかの指針を与えることが可能となり、最低限の除去加工量を与えることから、適切な補修を可能とする。
また後述するように表面のヘアークラックや異物を推定できることから、一定除去加工後に磁束密度ベクトルの測定をおこなうことにより、応力負荷部のクラックや異物を完全に除く作業も可能となる。これにより、最適な最終仕上げ加工や補修加工を個々の金型に施すことが可能となる。
一方、金型において加工時や使用時において発生するヘアークラック等の深い割れや異物の存在は、使用時における金型破損の大きな原因となり、高価な金型の寿命を大きく減少させるばかりでなく、不意なラインの停止を誘発し、工場全体の効率を大きく下げる結果を招く。
本手法は、従来の残留応力測定法に比べて、簡単であり、安価・安全で、高速化も可能なことから、現場でのラインや工程に入れ込むことができ、個々の金型における全数検査も可能となる。そのため金型の作製時や使用途中のメインテナンス等の補修において、金型の表面に生じたクラックの有無を調べることができ、適切な補修を施すことが出来る。一般に金型などの高硬度材はシビアな加工や使用環境を要求するため、個々の金型表面加工層の残留応力は一様ではないため、この全数検査による補修の可能性は、個々の金型製品の信頼性を大きく向上させる。
本手法は、小さな精密金型から自動車用金型や大型プレス機用金型などにも適応可能であり、金型のサイズには特に依存しないことから、様々な産業の金型の全数検査やメインテナンスにおける補修に有効である。
さらに本手法により、加工プロセスにおける切断方向や研削方向、切削方向が明らかになることから、未知の条件でされた金型の工程を明らかにすることにも有用となる。例えばワイヤー放電加工においては、複数の加工工程を組み合わせて金型を作るが、これら一回一回の切断方向がNSの磁場の向きから分かることにより、切断の順序なども類推することが可能となる。また研削や切削装置の剛性などの推定も可能となる。
以上のように本発明により、安価で簡便に強磁性体を含む材料からなる金型の残留応力やヘヤークラック等の欠陥を取り除く金型の作成方法や補修方法が可能となり、産業上、有益なものとなることが期待される。
本発明の実施の一形態を示した図である。 本発明の実施の一形態におけるセンサー部を示した図である。 本発明により測定された磁性体を含む材料の加工法の試料断面図 本発明により測定された超硬合金のワイヤー放電加工面の磁束密度ベクトル分布を示した図である。 本発明により測定された超硬合金のワイヤー放電加工面の磁束密度ベクトル分布をz方向から示した図である。 本発明により測定されたSKD工具鋼ワイヤー放電加工面の磁束密度ベクトル分布を示した図である。 本発明により測定された超硬合金の別のワイヤー放電加工機による加工面の磁束密度ベクトル分布を示した図である。 本発明により測定された超硬合金のワイヤー放電加工面のxy成分のみを取り出した磁束密度ベクトルの分布を示した図である。 本発明により測定された超硬合金の高速研削加工面の磁束密度ベクトル分布を示した図である。 本発明により測定された超硬合金の摺動面精度の悪い研削加工面の磁束密度ベクトル分布を示した図である。
符号の説明
1 3次元磁束密度センサー素子部
2 3次元磁束密度センサー制御部
3 制御用コンピューター
4 自動XYZステージ
5 試料
6 試料保持部
7 センサー位置調整部
8 センサー保持棒
9 探針
10 放電加工または研削加工を施した面
11 放電加工または研削加工を施した後、50μm除去加工を施した面
12 放電加工または研削加工を施した後、100μm除去加工を施した面
13 放電加工または研削加工を施した後、150μm除去加工を施した面
14 磁化率(テスラ)
15 2次元磁束ベクトルの渦

Claims (3)

  1. 磁性体を含む材料よりなる金型において、これを作製する際および使用時に逆磁歪現象により金型表面に生成する磁場ベクトルおよび磁場強度を磁束密度センサーを用いて測定する第1ステップと、測定した磁場ベクトルおよび磁場強度の分布から残留応の分布を導出する第2ステップと、残留応力の分布に基づいて機械的又は化学的に残留応力を除去する第3ステップとで構成される金型の補修方法。
  2. 前記第2ステップにより得られた磁場ベクトルの特異点および磁場強度の低下度合いから表面近傍の亀裂や異物の位置を導出することを特徴とする請求項1に記載の金型の補修方法。
  3. 磁性体を含む材料よりなる金型について、これをワイヤー放電加工により作製する際に、逆磁歪現象により金型表面に生成した磁場ベクトルおよび磁場強度を磁束密度センサーを用いて測定することにより、ワイヤー放電加工におけるワイヤーの位置や移動方向などの加工履歴を明らかにする評価方法。
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