JP2882455B2 - テープカセット - Google Patents
テープカセットInfo
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- iron oxide
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- Magnetic Record Carriers (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
て用いられるテープカセットに関する。そして、この発
明は特に、ケースの制振性を部品点数を増すことなく低
コストで向上させ、かつ制振性向上による反動としての
外観、成形性、強度等の損失をほとんど招くことのない
テープカセットを提供することを目的としている。
図9は同側断面図である。テープカセット100は、ケ
ース101内に供給リール102と巻き取りリール10
3とを収納している。これらリール102,103に磁
気テープ104が掛け渡されている。前記ケース101
内面には、リール102,103の頭部を押さえるため
の板状スプリング105が板状スプリング取付ボス10
6により取り付けられている。
入して録画や再生を行うわけであるが、録画・再生時に
は、VTR内部の磁気テープを走行させるための駆動モ
ータにより振動が発生している。
り、磁気テープの走行安定性が損なわれるため、忠実な
トレースが行われなくなる。その結果、ジッタ(画面の
ゆれ)、S/N(信号とノイズの比)等が悪化すること
になり、この駆動モータの振動は、画質及び音質に悪影
響を与えている。
TR内部の巻き取り側リール台112は、駆動元であり
また振動源でもある駆動モータ(図示せず)で駆動され
る。駆動モータの振動は、図中の矢印と矢印の2つ
のルートを通る。
ール台112→巻取りリール103→板状スプリング1
05→供給リール102→磁気テープ104のルートで
あり、また矢印のルートは、駆動モータ→シャーシ
(図示せず)→ホルダ110(ここまでVTR側)→ケ
ース101→板状スプリング105→供給リール102
→磁気テープ104のルートである。この2つのルート
で伝わる振動は磁気テープ104をゆらし走行を不安定
にする。従って、磁気テープのトレースが不完全とな
り、ジッタやノイズが増大することになり、2つのルー
トで伝わる振動は、録画及び再生時の画質や音質を悪化
させる。なお、111は供給側リール台である。
側の記録・再生ヘッド部付近に、テープの振れを抑える
制振・走行安定性用部品を取り付けることが行われてい
る。また、テープカセット側での従来の対策としては、
特開昭61−87286号に示されるように、ナイロン
樹脂に無機フィラーを充填して成形したケースを使用す
ることや、実開平2−5181号に示されるように、ケ
ース内面に制振用積層体を接着することが提案されてい
る。
の制振・走行安定性用部品だけでは、効果がまだ充分に
得られていない。また、前記したカセット側の対策は、
ナイロン樹脂が高価であることや、制振積層体が別部品
であることから、コスト高となってしまうという問題が
あった。
増すことなく低コストで向上させ、有害なジッタ及びノ
イズを減少させ、かつ制振性向上による反動としての外
観、成形性、強度等の損失をほとんど招くことのないテ
ープカセットを提供することを目的としている。
するために本発明は、磁気テープを巻装した1対のテー
プリールをケース内に収納してなるテープカセットにお
いて、上下2分割からなる前記ケースは、酸化鉄微粒子
を1〜20重量%含むスチロール系樹脂により射出成形
したケースであることを特徴とするテープカセットを提
供するものである。
板状スプリング105が固定されているケース101
(このケース101は、矢印の振動ルート内にも含ま
れている)の材質を、汎用熱可塑性樹脂から振動減衰型
熱可塑性樹脂に変えることにより、悪影響を及ぼす振動
をケース101で分散・減衰させ、上記課題を解決する
ようにしたものである。ケースに含有させた酸化鉄微粒
子により振動伝達の分散および減衰が行われ、ケースを
伝わる振動(駆動モータからリールに向かう振動、及び
リールからケースに向かう振動)は減衰される。酸化鉄
微粒子は安価な材料であり、また、本発明は制振用部品
として新たな部品を設けておらず部品点数を増加させて
いないので、低コストで実現できる。
セット1は、上ハーフ1aと下ハーフ1bとより成るケ
ースの中に、磁気テープ4を巻回する供給側テープリー
ル2及び巻取り側テープリール3を内蔵している。これ
らのテープリール2,3の上面の略中央部は、図示せぬ
板上スプリングにより、下ハーフ1b方向に押圧されて
いる。さらに、磁気テープ4はテープカセット1の前面
側を通るように経路設定されており、VTR機器等へ未
挿入の状態においては、その前面部を回動自在に軸支さ
れている前蓋6によって保護されるようになっている。
セットと形状および構造が同じであり、テープカセット
の内部についても図8,9と同じであるので、詳細は省
略する。
るケース(上ハーフ1aと下ハーフ1b)について説明
する。上ハーフ1aと下ハーフ1bは、スチロール系樹
脂に、正8面体の粒子形状の酸化鉄微粒子を含有させた
樹脂材料を用いて、射出成形により形成したものであ
る。
S,ABS,AS等が考えられるが、ハーフ材料(ケー
ス材料)としては、成形性および外観等の品質の点にお
いて、HIPSやABS樹脂が最適である。また、これ
ら樹脂に添加する酸化鉄微粒子の割合は、1〜20重量
%が好適であり、さらに望ましくは10〜15重量%で
ある。
うな結晶形状のものであり、具体的には粒子長Lが0.
1〜0.5μmである正8面体形状に近い8面体形状の
ものである。好ましくは、正8面体形状のものである。
てであるが、樹脂に対して添加する割合を増加させるほ
ど、制振効果が向上することが確認されている。しか
し、一方では、添加割合の増加により射出成形による成
形品にヒケやウエルドが目立つようになり、さらには樹
脂の収縮率が変化することにより、製品寸法が思うよう
に出せなくなり、製品としての品質が劣下することにな
る。この品質低下を防ぐためには、既存の射出成形シス
テムの成形条件を大幅に修正することが必要となるばか
りか、型(金型)の修正までが必要になってしまう場合
もある。従って、酸化鉄の添加割合の決定は重要な要素
であり、本発明者は制振効果、製品品質、コストを総合
的に判断して、添加割合を上記の値に設定した。
性を示す。前記正8面体形状の酸化鉄微粒子の添加量
を、表1に示すように変えた複数の熱可塑性ABS樹脂
材を用い、射出成形法により上ハーフと下ハーフとを作
製した(実施例1〜7)。また、比較例1として酸化鉄
微粒子添加量0(無添加)のものも用意した。なお、成
形に当たってはそれぞれ同一の金型を用いた。
(単位時間当りの振動減衰率)を測定した結果をグラフ
にしたものが図3である。図3より、酸化鉄の含有量が
増加すると損失係数が大きくなる傾向にあることがわか
る。このことは、含有量が増加すると振動が早く減衰
し、制振効果が大きくなることを示している。
のハーフを用いてテープカセットを作成し、カセット上
面中央部における縦振動のレベルを測定したものを図4
に示す。図4より、酸化鉄含有の実施例4の方が無添加
の比較例1に較べて、振動のレベルが全体的に低くなっ
ているとともに、起伏の変化も抑えられており、振動が
低減されていることがわかる。また、上記実施例4と比
較例1のそれぞれのハーフを用いて作成したテープカセ
ットについて、それぞれのジッタを測定した結果を図1
0に示す。ジッタの測定は、カラーバー信号をVTR
(日本ビクター(株)製 HR−S6600)により記
録再生し、測定器(MEGURO製 VTRジッタメー
タ MK−6110A)によって行った。図10からわ
かるように、酸化鉄微粒子含有の実施例4の方が、無添
加の比較例1に較べて、ジッタの平均レベルが低く、振
幅も小さくなっており、確かに酸化鉄微粒子の制振効果
によりジッタが低減されている。
なるハーフを用いて作成したテープカセットについて、
制振性及び外観・強度など諸特性を検討し、テープカセ
ットとしての総合評価を行ったものを表2に示す。
鉄微粒子添加量0%(無添加)のもの(比較例1)を標
準としている。制振性は損失係数から、製品外観は目視
により、離型性,成形性はその材料を射出成形する際の
成形状況より、落下強度は地上70cmからテープカセ
ットを落下させた時の破損状況を目視により、寸法精度
は成形したハーフの各箇所の寸法が所定通りかどうかを
測定により、6段階で評価した。また、総合評価として
は、制振性に重点をおき、これに各項目の評価を考慮し
てテープカセットとしての商品価値を4段階で評価し
た。
ては前記酸化鉄微粒子の添加量が1〜20重量%のもの
がよく、特に5〜15重量%にすることで制振性だけで
なく製品品質にも優れたテープカセットが得られる。
(さらに、制振性をより重視すれば、酸化鉄微粒子の添
加量が10〜15重量%のものがよい。)
添加量を、表3に示すように変えた複数の熱可塑性HI
PS樹脂材を用い、射出成形法により実施例8〜11の
ハーフを作製した。また比較例2として、酸化鉄微粒子
添加量0(無添加)のものも用意した。なお、成形に当
たってはそれぞれ同一の金型を用いた。
(単位時間当りの振動減衰率)を測定した結果をグラフ
にしたものが図5である。図5より、やはり前述のAB
S樹脂の場合と同じように、酸化鉄微粒子の添加量が増
加すると損失係数が大きくなる(振動が早く減衰する)
傾向にあることがわかる。これは、添加量増加により、
制振効果が大きくなることを示している。
各試料について、各々の損失係数と曲げ応力、及び曲げ
弾性率との関係をグラフにしたものが、図6,7であ
る。図6,7より、酸化鉄微粒子の添加量を増やせば、
損失係数が大きくなり制振性は向上するものの、逆に、
曲げ応力及び曲げ弾性率が低下することがわかる。曲げ
応力及び曲げ弾性率の低下は、テープカセットのハーフ
としての強度の不足、外観不良等を招き、製品品質低下
の原因となる。このことからも、添加量の上限は、20
重量%が適当であるといえる。
有率は、1重量%以上20重量%以下の場合が、制振効
果及び製品としての前記諸特性の点から望ましいことが
わかる。また、5〜15重量%にすることで制振性だけ
でなく製品品質にもより優れたテープカセットが得られ
る。(さらに、制振性をより重視すれば、酸化鉄微粒子
の添加量が10〜15重量%のものがよい。)
ル系樹脂ケースに振動を減衰させる特性を持たせるよう
にしたので、駆動モータからケースに伝わる振動レベル
を低下させることができ、ジッタ特性を大幅に改善でき
る。よって、この発明は記録再生におけるノイズの低減
と画質及び音質の向上が図れる。さらに本発明は、ケー
スの制振性向上を、酸化鉄微粒子を添加させることのみ
で実現しているので、部品点数の増加や高価な材料を用
いることなく低コストで実現でき、かつ制振性向上によ
っても外観、成形性、強度等を大きく損なうことがな
い。
の関係を示す図である。
数の関係を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】磁気テープを巻装した1対のテープリール
をケース内に収納してなるテープカセットにおいて、上
下2分割からなる前記ケースは、酸化鉄微粒子を1〜2
0重量%含むスチロール系樹脂により射出成形したケー
スであることを特徴とするテープカセット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28129294A JP2882455B2 (ja) | 1994-10-20 | 1994-10-20 | テープカセット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28129294A JP2882455B2 (ja) | 1994-10-20 | 1994-10-20 | テープカセット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08124346A JPH08124346A (ja) | 1996-05-17 |
JP2882455B2 true JP2882455B2 (ja) | 1999-04-12 |
Family
ID=17637039
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28129294A Expired - Fee Related JP2882455B2 (ja) | 1994-10-20 | 1994-10-20 | テープカセット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2882455B2 (ja) |
-
1994
- 1994-10-20 JP JP28129294A patent/JP2882455B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08124346A (ja) | 1996-05-17 |
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Legal Events
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