JP2881231B2 - Fmレーダ装置 - Google Patents

Fmレーダ装置

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JP2881231B2 JP1032491A JP3249189A JP2881231B2 JP 2881231 B2 JP2881231 B2 JP 2881231B2 JP 1032491 A JP1032491 A JP 1032491A JP 3249189 A JP3249189 A JP 3249189A JP 2881231 B2 JP2881231 B2 JP 2881231B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、物標との間の距離を測定するFMレーダ装置
に関する。
従来技術 最近、自動車や電車などの走行車両にFM−CWレーダ装
置を搭載して、他の自動車または障害物などとの間の距
離、相対速度を計測しながら、自車が危険領域に入ると
運転者に警報を与えたり、自動ブレーキを働かせたりし
て衝突を未然に防止させるシステムの開発が行なわれて
いる。
そのFM−CWレーダ装置の動作原理としては、以下のと
おりである。
第2図に示すように、基本周波数foの信号を周期Tmに
てfo+Δfまで直線状に上昇させ、もとのfoまで直線状
に下降させる三角波による変調を行なわせ(fm=1/Tmは
変調周波数,Δfは周波数偏移幅)、その周波数変調さ
れた信号を送信波Twとしてレーダ監視エリアに向けて発
射し、その監視エリア内に存在する物標からの反射波Rw
を受信する。
その受信波Rwを先の送信波Twと同一時間軸で比較する
と、電波の往復時間tdに応じて位相がずれ、そのときの
周波数差frが物標までの距離に比例することに着目し
て、周波数frを測定することにより物標までの距離を求
めるようにしている。
また、その求められた物標までの距離(x)の時間的
変化(dx/dt)を求めることにより、相対速度をわり出
すことができる。
従来、この種のFM−CWレーダ装置として、送信信号Tw
と受信信号Rwとを混合することにより得られる送,受信
信号間の周波数差frにしたがう信号の周波数を、ヘテロ
ダイン周波数測定の原理にもとづくスペクトラム分析に
よって測定するようにしたものが同一出願人によって開
発されている(特開昭57−201873号公報参照)。
第4図に従来のスペクトラム分析によるFM−CWレーダ
装置の構成を示している。
同図の構成にあって、周波数変調部1において、発振
器3における基本周波数foの信号が、変調信号発生回路
2からの三角波による変調信号Smにしたがって周波数変
調され、その発振器3から出力される周波数変調された
信号が電力分配器4によって分配されて、その大半がサ
ーキュレータ5に、またその一部がミキサ6にそれぞれ
与えられる。サーキュレータ5に与えられた信号は、ア
ンテナANTに導かれて自由空間に電波として発射され
る。
そして、物標○からの反射波がアンテナANTによって
受信されて、その受信信号がサーキュレータ5を通して
ミキサ6に与えられ、そこで送信信号と混合されて、ミ
キサ6の出力信号が増幅器7によって増幅され、その増
幅器7から送,受信信号間の周波数差にしたがう受信周
波数frの信号が得られる。
次いで、受信周波数frの信号と局部発振器17からの局
部発振周波数fvの信号とがミキサ10において混合され、
そのミキサ10から出力される受信周波数frと局部発振周
波数fvとの差(または和)にしたがう周波数fdの信号が
増幅器11を通して帯域フィルタ12に与えられる。
そして、帯域フィルタ12を通過した信号が増幅器13を
通して検波器14に与えられ、その検波された電圧信号が
A・D変換器15によってデジタルデータに変換されて、
そのデータが演算制御回路(マイクロコンピュータ)
9′に読み込まれて内部メモリに格納される。
その際、演算制御回路9′から出される制御信号によ
ってD・A変換器16を通して局部発振器17における局部
発振周波数fvを連続的に変えて、ミキサ10から出力され
る信号の周波数fdを複数のチャンネル対応となるように
可変にして、各チャンネルごとに検波器14による検波電
圧をA・D変換器15によってデジタルデータ化しては演
算制御回路9′の内部メモリに順次格納していくことに
より、スペクトラム分析によるデータ群を得る。
演算制御回路9′は、そのスペクトラム分布情報か
ら、受信周波数frと局部発振周波数fvとが共振して検波
電圧がハイレベル状態になっているチャンネルをわり出
し、そのとき共振状態にある受信周波数frの値にしたが
って物標との間の距離を求める。
しかしてこのような従来のスペクトラム分析式による
FM−CWレーダ装置では、スペクトラム分析に際して、チ
ャンネル走査を行なわせるためのミキサ10、増幅器11、
帯域フィルタ12、増幅器13、検波器14、D・A変換器16
および局部発振器17からなる構成部分を必要として、全
体の構成が複雑になっている。
また従来のものでは、チャンネル走査によるスペクト
ラム分析の処理速度が帯域フィルタ12の通過帯域幅に依
存するものとなって、距離分解能を上げるために帯域フ
ィルタ12の通過帯域幅を狭くするほどその処理速度が遅
くなってしまう。
目的 本発明は以上の点を考慮してなされたもので、簡単な
構成により、スペクトラム分析の処理を迅速に行なわせ
ることができるようにしたFMレーダ装置を提供するもの
である。
構成 本発明はその目的達成のため、送,受信信号間の周波
数差にしたがう信号を、高速フーリェ変換によってスペ
クトラム分析するようにしたことを特徴としている。
以下、添付図面を参照して本発明の一実施例について
詳述する。
第1図はFM−CWレーダ装置を用いたときの基本的な構
成例を示すもので、三角波による変調信号Smを発生する
変調信号発生器2および基本周波数foの信号を変調信号
Smにしたがって周波数変調する発振器3からなる周波数
変調部1と、その周波数変調された送信信号を分配する
電力分配器4と、その電力分配器4から与えられえる送
信信号をアンテナANTに与えて電波として発射させ、物
標○によって反射されたアンテナANTからの受信信号を
ミキサ6に与えるサーキュレータ5と、その受信信号と
電力分配器4から与えられる送信信号とを混合する前記
ミキサ6と、そのミキサ6の出力信号を増幅する増幅器
7と、その増幅器7の出力信号をデジタル信号に変換す
るA・D変換器8と、そのA・D変換器8から出力され
るデジタルデータを読み込んで、高速フーリエ変換によ
るスペクトラム分析をなして、そのスペクトラム分析さ
れた複数のチャンネルデータのなかからハイレベル状態
にあるデータのチャンネルにしたがって物標Oとの間の
距離を求めるとともに、A・D変換器8におけるデータ
のサンプリング周期の制御をなす演算制御回路(マイク
ロコンピュータ)9とによって構成されている。
しかしてこのように構成されたものにあっては、第4
図の構成の場合と同様に、増幅器7から送,受信信号間
の周波数差にしたがう受信周波数frの信号が得られる。
そして、その受信周波数frの信号が、演算制御回路9
からの制御信号によってサンプリング周期が制御された
A・D変換器8において所定の周期でサンプリングされ
て、デジタルデータ化される。
その変換された受信周波数frに関するデジタルデータ
が演算制御回路9に読み込まれて、内部メモリに格納さ
れる。
演算制御回路9は、内部メモリに所定のデータが蓄え
られると、そのデータを用いて高速フーリエ変換による
スペクトラム分析の処理を実行する。
その際、高速フーリエ変換によるスペクトラム分析に
よって、第3図に示すように、チャンネルCHx(x=1,
2,3,…)ごとに分けられた各スペクトルにおけるレベル
データの一群によってスペクトラム分析情報が得られ
る。
第3図中、Srは増幅器7から出力されるアンテナANT
と物標Oとの間の距離に比例した受信周波数frすなわち
送信信号と受信信号とのあいだにおけるビート周波数の
信号をあらわしている。
なお、高速フーリエ変換によるスペクトラム分析とし
ては、公知の手法がそのまま用いられる。
そして、演算制御回路9は、スペクトラム分析された
複数のチャンネルデータのなかから、ハイレベル状態と
なっているデータの1つのチャンネル(または物標が複
数ある場合にはハイレベル状態となっているデータの複
数のチャンネル)をわり出して、そのチャンネルにした
がって物標との間の距離を求める。
具体的には、ハイレベル状態となっているデータのチ
ャンネル対応するスペクトラム分析された周波数から共
振状態にある受信周波数frを知って、物標との間の距離
を求める。
または、スペクトラム分析される複数のチャンネルに
番号付けをして、その複数のチャンネルデータのなかか
らハイレベル状態にあるデータのチャンネルの番号Nx
(Nx=1,2,3,…)を知り、FM−CWレーダ装置における物
標の最大測定距離Lm,スペクトラム分析される総チャン
ネル数nから、物標との間の距離Lxを次式にしたがって
求めるようにする。
Lx=Lm×Nx/n …(1) なお、最大測定距離Lmは、変調信号における変調周波
数、周波数偏移幅などによって決定される。
このように構成された本発明によるFMレーダ装置にあ
っては、最大測定距離Lmを総チャンネル数nに分けるよ
うに高速フーリェ変換によるスペクトラムの分析数を決
定して、スペクトラム分析された複数のチャンネルのデ
ータのなかからハイレベル状態にあるデータのチャンネ
ル番号Nxを検出して、そのチャンネル番号Nxに定数(Lm
/n)を乗ずることによって物標までの距離Lxを求めるこ
とができるようになる。
このように本発明によれば、FM−CWレーダ本体におけ
る物標との間の距離に比例する送,受信信号間の周波数
差にしたがう受信周波数frを、演算制御回路9において
高速フーリェ変換によるスペクトラム分析によって求め
るようにしているので、従来の帯域フィルタを用いてス
ペクトラム分析を行なわせる場合のようにフィルタ処理
のために全体の処理速度が遅くなるようなことがなく、
そのスペクトラム分析を高速で行なわせることができ、
スペクトラム分析される総チャンネル数nの設定に自由
度があり、総チャンネル数nを多く設定することによっ
て距離分解能を簡単に上げることができるようになる。
その際、演算制御回路9として高速処理用のマイクロ
コンピュータを用いれば、さらにスペクトラム分析を高
速で行なわせることができるようになる。
また本発明では、演算制御回路9において高速フーリ
ェ変換によるスペクトラム分析を演算処理によって行な
わせるようにしているので、従来のようにスペクトラム
分析に際してチャンネル走査を行なわせるための構成部
分を何ら必要とせず、全体の構成が簡単になる。
効果 以上、本発明によるFMレーダ装置にあっては、送信信
号と受信信号とを混合することによって得られる信号を
高速フーリェ変換処理することによって周波数に応じて
チャンネル分けしながらスペクトラム分析する手段と、
そのスペクトラム分析された複数のチャンネルデータの
なかからハイレベル状態にあるデータのチャンネルにし
たがって物標との間の距離を求める手段をとり、スペク
トラム分析された複数のチャンネルに番号付けをして、
その複数のチャンネルデータのなかからハイレベル状態
にあるデータのチャンネル番号Nxをわり出し、最大測定
距離Lmとスペクトラム分析された総チャンネル数nとか
ら、物標との間の距離Lxを、Lx=Lm×Nx/nとして求める
ようにしたもので、簡単な構成により、スペクトラム分
析の処理を迅速になして、物標との間の距離の測定を高
速で行なわせることができるという優れた利点を有して
いる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるFMレーダ装置の一実施例を示すブ
ロック構成図、第2図はFMレーダ装置における送,受信
信号の特性図、第3図はFMレーダ装置における物標との
間の距離に比例した受信周波数frの信号およびスペクト
ラム分析されるチャンネルをそれぞれ示す特性図、第4
図は従来のスペクトラム分析式によるFM−CWレーダ装置
を示すブロック構成図である。 1…周波数変調部、2…変調信号発生器、3…発振器、
4…電力分配器、5…サーキュレータ、6…ミキサ、7
…増幅器、8…A・D変換器、9…演算制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−31992(JP,A) 特開 昭59−99385(JP,A) 特開 昭54−81793(JP,A) 特開 昭57−201873(JP,A) 信学技報 Vol.88,No.150 (CAS88−34)1988年7月29日p.1 〜8

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基本周波数の信号を変調信号にしたがって
    周波数変調させた送信信号と物標からの反射波による受
    信信号とを混合し、それによって得られる送,受信信号
    間の周波数差にしたがう信号の周波数から物標との間の
    距離を求めるようにしたFMレーダ装置において、送信信
    号と受信信号とを混合することによって得られる信号を
    高速フーリエ変換処理することによって周波数に応じて
    チャンネル分けしながらスペクトラム分析する手段と、
    そのスペクトラム分析された複数のチャンネルデータの
    なかからハイレベル状態にあるデータのチャンネルにし
    たがって物標との間の距離を求める手段とを設け、スペ
    クトラム分析された複数のチャンネルに番号付けをし
    て、その複数のチャンネルデータのなかからハイレベル
    状態にあるデータのチャンネル番号NX(NX=1,2,3,…)
    をわり出し、最大測定距離Lmとスペクトラム分析された
    総チャンネル数nとから、物標との間の距離LXを、LX
    Lm×NX/nとして求めるようにしたことを特徴とするFMレ
    ーダ装置。
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