JP2881181B2 - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JP2881181B2 JP1121048A JP12104889A JP2881181B2 JP 2881181 B2 JP2881181 B2 JP 2881181B2 JP 1121048 A JP1121048 A JP 1121048A JP 12104889 A JP12104889 A JP 12104889A JP 2881181 B2 JP2881181 B2 JP 2881181B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は液晶表示素子に関し、特に正の誘電異方性を
有する液晶をホモジニアス配向させたECB(electricall
y controlled birefringence)型液晶表示素子に関する
ものである。
〔従来の技術〕
電気的に制御される複屈折効果を利用したいわゆるEC
B型液晶素子は、上下基板間に液晶分子がホモジニアス
配向するように液晶層を挾持した液晶セルを有し、この
液晶セルの両側に、液晶層に近接した偏光子の透過軸ま
たは吸収軸と液晶分子の配向方向をずらして前記偏光子
が配設され、液晶分子の複屈折性を利用して液晶セルが
着色するような構成となっている。そして液晶層に電圧
を印加して液晶層の配向状態により表示色を変化させて
いる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、従来のECB型液晶表示素子では、観察
する光が実際に通ってくる液晶層内の距離が視角によっ
て変化すること、みかけの複屈折の大きさが液晶分子の
配向方向と視角方向の相対角によって変化することなど
のため、視覚方向の違いにより表示色が大きく変化して
しまうという問題があった。
本発明はこのような従来技術の欠点を解消し、視角に
より表示色の変化が著しく低減され、表示品質の優れた
ECB型液晶表示素子を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段及び作用〕
上記目的を達成するため、本発明によれば、正の誘電
異方性を有する液晶組成物からなる液晶層が、電極を備
えた一対の基板間でホモジニアス配向するように構成さ
れた液晶セルと、該液晶層を挾むようにして設けられた
一対の偏光子を有する液晶表示素子において、上記液晶
層と両偏光子との間の少なくとも一方に、基板面に対し
て垂直な方向に光軸を有する正の光学異方性の一軸媒体
を設けたことを特徴とする液晶表示素子が提供される。
上記のような特徴を有する一軸媒体は、例えば、正の
光学異方性を持つ単結晶を光軸に対して垂直に切り出す
ことにより実現される。また、負の誘電異方性を有する
液晶組成物からなる液晶層が基板間でホメオトロピック
配向するように構成された液晶セルも、上記のような特
徴を有する一軸媒体となる。
次に、本発明を図面により詳細に説明する。
第1図は本発明の液晶表示素子の構成例を示す断面図
である。透明電極12,22および配向膜11,21が形成された
上下両基板13,23の間に液晶層30が挾持されており、シ
ール材31によって外界と隔離されて液晶セルが形成され
ている。液晶層30の液晶分子は、配向膜11,21によって
基板13,23に対して略水平方向になっており、これら上
下基板13,23間でホモジニアス配向している。なお、必
要に応じて液晶層30またはシール材31に液晶層30の厚さ
を一定に保つためのギャップ材を混入してもよい。
上記のように形成された液晶セルの最も外側に偏光子
14,24が配設されるが、本構成例では、上側偏光子24と
上側基板23の間に正の光学異方性の一軸媒体32が配置さ
れる。なお、本発明では一軸媒体32を配置したが、下側
偏光子14と下側基板13との間に配置してもよく、液晶セ
ルの両側に配置しても良い。また前記の特徴を有する正
の一軸媒体を液晶セルの少なくとも一方の基板として用
いて構成した液晶表示素子も本発明の目的を達成するこ
とができる。
ここで、正の光学異方性の一軸媒体32の作用効果を説
明するために、第2図のように視角方向の角度の定義を
行う。すなわち、液晶セル平面CPに垂直な方向と視角方
向Vの成す角度をθ、液晶分子配向方向ADのCP面への射
影方向をM、視角方向VのCP面への射影方向とM方向の
成す角をφとする。
ECB型液晶表示素子に電圧を印加すると液晶分子の配
向状態が変化してリターデーションが変わるために表示
色が変化する。第3図に、従来のECB型液晶表示素子の
正面から見た色が、それぞれ緑、青、赤となるように電
圧を調整した時の、スペクトルの視角依存性(φ=0゜
方向)を示す。図中実線がθ=0゜、破線がθ=20゜、
一点鎖線がθ=40゜の場合である。同図から、従来のEC
B型液晶表示素子ではスペクトルは視角θに依存して大
きく変化し、表示色の視角依存性が大きいことがわか
る。
次に本発明によるECB型液晶表示素子のスペクトルの
視角依存性(φ=0゜方向)の一例を第4図に示す。第
3図と同様、実線がθ=0゜、破線がθ=20゜、一点鎖
線がθ=40゜の場合である。同図からわかるように、本
発明のECB型液晶素子は従来の素子に較べて、スペクト
ルの視覚依存性が小さく、表示色の視覚依存性が大幅に
低減されている。なお、本発明のECB型液晶表示素子に
おける液晶セル及び正の光学異方性の一軸媒体のパラメ
ーターは表−1に示す通りである。
〔実施例〕 次に本発明の実施例につき説明するが、本発明はこれ
ら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1) ストライプ状の透明電極を形成したガラス基板にポリ
イミド系配向膜を形成し、ラビング処理を施し、これを
2枚貼り合わせてその間に正の誘電異方性を有するネマ
ティック液晶ZLI2293(メルク社製)を封入し、液晶セ
ルを形成した。セルパラメーターは前記表−1の通りに
した。この液晶セルは偏光板で挾んで電圧を印加して表
示色を観察したところ、見る方向によりセルの色が著し
く変化した。
上記と同様にして形成した液晶セルの両側に一対の偏
光板を配設する際、水晶を光軸方向に垂直に切り出した
ものを上側偏光板と液晶セルの上側基板との間に挾んで
ECB型液晶表示素子を作製した。水晶の厚さと複屈折の
積は5.5(μm)とした。この素子を観察したところ、
表示色の視角依存性は大幅に改善された。
実施例2 実施例1の液晶セルの上側偏光板と液晶セルの上側基
板との間に、ルチル(TiO2)を光軸方向に垂直に切り出
したものを挾んでECB型液晶表示素子を作製した。ルチ
ルの厚さと複屈折の積は5.5(μm)とした。この素子
を観測したところ、表示色の視角依存性は、ルチルのな
い素子に較べて大幅に改善された。
実施例3 2枚の基板と表面に垂直配向剤(チッソ社製ODSE)を
塗布して焼成し、垂直配向膜を形成した。これら2枚の
基板を貼り合わせ、その間に負の誘電異方性を有する液
晶(メルク社製、ZLI4318)を封入し、液晶セル2を形
成した。液晶セル2の液晶層の厚さと液晶分子の屈折率
異方性の積は5.5μmとした。
この液晶セル2を実施例1の液晶セルの上に重ね、偏
光板で挾んで電圧を印加して表示色を観測したところ、
表示色の視角依存性が、液晶セル2のない場合に較べて
大幅に改善された。
〔発明の効果〕
以上詳細に説明したように、本発明によれば、一対の
基板間にホモジニアス配向した液晶層を有するECB型液
晶表示素子において、液晶層と偏光子の間に正の光学異
方性の一軸媒体を配設したので、表示色の視角依存性を
大幅に改善することができ、表示品質の優れた液晶表示
素子を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の液晶表示素子の構成例を示す断面図、
第2図は本発明の液晶表示素子における正の光学異方性
の一軸媒体の作用効果を説明するための角度の定義を示
す図、第3図は従来の液晶表示素子のスペクトルの視角
依存性を示す図、第4図は本発明の液晶表示素子のスペ
クトルの視角依存性を示す図である。 11,21……配向膜、12,22……透明電極 13,22……基板、14,24……偏光子 30……液晶層、31……シール材 32……正の光学異方性の一軸媒体

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】正の誘電異方性を有する液晶組成物からな
    る液晶層が、電極を備えた一対の基板間でホモジニアス
    配向するように構成された液晶セルと、 該液晶層を挾むようにして設けられた一対の偏光子を有
    する液晶表示素子において、 上記液晶層と両偏光子との間の少なくとも一方に、基板
    面に対して垂直な方向に光軸を有する正の光学異方性の
    一軸媒体を設けたことを特徴とする液晶表示素子。
JP1121048A 1989-05-15 1989-05-15 液晶表示素子 Expired - Fee Related JP2881181B2 (ja)

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