JP2881063B2 - スクリュウコンベヤの中間サポート装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はスクリュウコンベヤにお
けるスクリュウ軸部の支持機構に関し、特に垂直スクリ
ュウコンベヤの長手方向中途位置でスクリュウ羽根の外
周をコンベヤ外筒に対して支持する中間サポート装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に垂直スクリュウコンベヤは高揚程
でスクリュウ軸の回転も例えば４００ｒｐｍと高速回転
のものが多いため、スクリュウ軸の回転振れによりスク
リュウ軸外周のスクリュウ羽根とコンベヤ外筒が接触
し、激しい振動や羽根の損傷を招く。このため、この種
のスクリュウコンベヤでは、前記スクリュウ軸の中途部
を前記外筒に放射状に連結した固定アームで軸支してい
る。しかしこの場合はスクリュウ軸外周のスクリュウ羽
根は前記固定アームの上下部で切断せざるを得ず、エネ
ルギロスとなるだけでなく、その切断部位で搬送物の詰
まりが発生し、また搬送物中の異物がスクリュウ羽根の
切断部間でかきまわされ、羽根や前記固定アームを変形
させる等の問題が起きている。

【０００３】スクリュウ軸の中途部を外筒内壁から延ば
した固定アームで軸支することによる上述の問題を解決
するために、スクリュウ羽根の外周を長手方向中途位置
で外筒に対して支持する構造のものが知られている。例
えば実開昭６３−１１４２０号公報には、スクリュウ羽
根の外周に接触環を固着し、コンベヤ外筒を部分的に切
断してこの部分に前記接触環と内接可能な環状部材を同
芯に配置し、かつその外面を前記外筒に対してベアリン
グ輪を介して支持する構造、あるいは前記外筒の切断部
に複数個のローラを軸支し、該ローラによって前記スク
リュウ羽根の外周の接触環を回転自在に支持する構造等
が記載されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前述のスクリュウ羽根
の外周に接触環を固着してこの部分を外筒側で支持する
構造は、スクリュウ羽根を中途位置で切断することなく
スクリュウ軸を実質的に支承できる点で有利であるが、
前記接触環を同芯の環状部材で内接可能に囲包する構造
の場合はスクリュウ軸の振れによってスクリュウ羽根外
周の接触環が断続的に外筒側の環状部材に衝接し、前記
接触環と前記環状部材間の摩耗や衝撃による損傷が起き
易い。しかも、ベアリングのサイズが大きくなる分装置
が高価になり、かつベアリングの取り替えが困難にな
る。加えて、スクリュウの回転時、大きな回転力を必要
とする。また前記環状部材の代りに複数のローラによっ
て前記接触環の外周を支持する構造は、スクリュウ羽根
の回転数に比して各ローラの回転数がきわめて大（２０
００ｒｐｍ）となるにもかかわらず、前記ローラの軸部
が外筒に固着したブラケットにブッシュ等を介して直か
に軸支されているので、ローラ軸支部の摩耗およびそれ
によるガタの発生が激しく、またローラ周部が摩耗した
場合にはローラ自体を交換しなければならず、実用化の
上で大きな難点があった。

【０００５】さらに前記環状部材および前記ローラ支持
のいずれも、防塵に対する配慮がなされていないため、
スクリュウ羽根のまわりの搬送物や異物が前記環状部材
やローラの回転部分に侵入するという不具合があり、保
守上に大きな問題があった。

【０００６】本発明は、上述した問題に鑑みてなされた
ものであり、スクリュウ羽根の外周を支持するローラの
高速回転にも有効に対処でき、粉塵や異物の侵入やかみ
込みの防止構造を備え、また使用中の摩耗に対してもロ
ーラを交換せずに簡単にローラ側を位置調整して長期使
用できるようにしたスクリュウコンベヤの中間サポート
装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、スクリ
ュウ軸の長手方向中途部でスクリュウ羽根の外周にリン
グ体を固着し、コンベヤ外筒に設けた複数個のローラで
前記リング体を支持するようにしたスクリュウコンベヤ
の中間サポート装置において、前記スクリュウ軸は前記
スクリュウ羽根と共に切断され、この切断箇所に前記リ
ング体の軸方向両側にのび、かつ、中間スクリュウ羽根
をもつ中間軸が該スクリュウ軸に対して着脱可能に装着
されると共に、前記スクリュウ軸のスクリュウ羽根と前
記中間軸の中間スクリュウ羽根とがなめらかに接合さ
れ、前記コンベヤ外筒は前記スクリュウ軸の切断箇所に
対応した位置で切除され、この切除箇所に中間外筒が着
脱可能に装着されると共に、その中途部に前記リング体
が介在されるように分断され、かつ、その分断箇所が外
筒連結胴で連結され、前記リング体は前記外筒の内径と
同一の内径に形成され、かつ該リング体の外周が前記外
筒連結胴で囲包されており、前記外筒連結胴には前記ロ
ーラが前記リング体に接触するための切欠孔が形成され
ると共に該ローラを囲包するローラ収納箱が径方向に位
置調整可能に装着され、前記ローラは、前記ローラ収容
箱にころがり軸受を介して枢支され、前記ローラ収納箱
の開口部の前記リング体と前記ローラとが接触する手前
側に、かつ該リング体と該ローラとに接触して塵芥封止
部材が設けられることを特徴とするスクリュウコンベヤ
の中間サポート装置が提供される。

【０００８】

【実施例】次に、本発明を実施例について図面を参照し
て説明する。図１は本発明を適用した垂直スクリュウコ
ンベヤの要部を拡大した部分的な縦断面図である。外周
にスクリュウ羽根３を備えたスクリュウ軸１が外筒２に
同芯に挿入されて軸線まわりに回転するように該外筒の
上下部で軸支されている。スクリュウ軸１の長手方向中
途部でかつ長手方向に適当な間隔を置いて複数個のリン
グ体４（図では１個のみ示す）がスクリュウ羽根３の外
周に溶接等の手段で固着されている。スクリュウ軸１は
その中途部が或る長さにわたって切除され、この切除部
にリング体４の軸線方向両側にのびる中間軸１Ａが着脱
可能に装着される。この中間軸１Ａにはスクリュウ軸１
のスクリュウ羽根３となめらかに接合される中間スクリ
ュウ羽根３Ａを有している。また外筒２はその中途部が
少なくとも中間軸１Ａの長さと同じまたはこれをこえる
範囲の長さにわたって切除されており、この外筒切除部
に中間サポート用外筒２Ａが着脱可能に装着される。中
間サポート用外筒２Ａはリング体４で分割されている。
なおスクリュウ羽根３とリング体４との固着をより確実
にするために図１，図３の実施例に示すようにスクリュ
ウ羽根３の下面に半径方向にのびる補強リブ１５が溶接
され、この補強リブ１５のスクリュウ軸側およびリング
体側がスクリュウ軸１およびリング体内周面に固着され
ている。

【０００９】中間サポート用外筒２Ａは、リング体４に
対応する部位が切断されかつこの切断部でリング体４を
或る余裕をもってはさみ込むように切断部を上下に離隔
するべく外筒連結胴１６が中間サポート用外筒２Ａの外
周に固着される。リング体４の外径は外筒連結胴１６の
内径よりやや小径となっているが、該リング体の内径は
外筒内周に対して径方向の段差ができないように該外筒
２の内径と等しくなっている。外筒連結胴１６は図２に
示すように周方向に等間隔３箇所でリング体４が露呈す
る切欠孔があいており、この部分にそれぞれ後述するロ
ーラ５がリング体４と接触して回転するように配置され
ている。

【００１０】３個のローラ５の各々は、ローラ収容箱１
３に挿通された頭部フランジ部８ａをもつ固定軸８の外
周にスペーサ９およびころがり軸受列６をはさんで軸支
されている。ころがり軸受列６の軸方向両端はオイルシ
ール７によって閉塞され、さらにローラ５の上下端面に
はオイルシール押え１０が設けられてローラ内部のころ
がり軸受列６に外部の粉塵が侵入するのを防いでいる。
なお、ころがり軸受列６に給脂したグリースは、侵入し
た粉塵を外部へ押し出す作用を兼ねている。ローラ収容
箱１３は複数枚の調整用シム板１２を介して外筒連結胴
１６にボルト１８等で脱着可能に取り付けられている。
さらにローラ収容箱１３の外側部は開閉可能な点検用カ
バー１４で閉塞されている。１１は固定軸８の抜止板で
あり、ローラ収容箱１３の下側からセットボルト１７に
よって固定軸８に固着される。

【００１１】図１，図２に示すように、外筒連結胴１６
の前記切欠孔において該連結胴１６とローラ５とリング
体４とに接触してローラ収容箱１３の外筒側開口の内の
リング体４とローラ５とか接触する手前側の開口１３′
を閉塞する塵芥封止部材１９が設けられている。前記リ
ング体４は、中間スクリュウ羽根３Ａに固着され、該中
間スクリュウ羽根３Ａは、中間軸１Ａに固着されてい
る。さらに、該中間軸１Ａは上下のスクリュウ軸１に連
結されている。このため、リング体４とローラ５に塵芥
等が噛み込み、リング体４が径方向に押された場合、ス
クリュウ軸全体が径方向に押されることになる。これに
より、リング体４は外筒連結胴１６に、また、スクリュ
ウ羽根３は外筒２に接触して、スクリュウ軸１およびス
クリュウ羽根３の回転に対しての抵抗となり、コンベヤ
の搬送能力は低下する。しかし本発明においては、ロー
ラ収容箱１３の外筒側開口内のリング体４とローラ５と
が接触する手前側の開口１３′はローラ５の周部と塵芥
封止部材１９によって外筒内部から遮断され、これによ
ってコンベヤ稼動時の外筒内の搬送物や異物、ごみ等が
ローラ収容箱１３に浸入するのが防止される。スクリュ
ウ軸１の回転に伴なってスクリュウ羽根３はリング体４
とともに回転し外筒下部の搬送物を羽根上面に担持しつ
つ上方へ送り出す。補強リブ１５はスクリュウ羽根３の
下面に固着されているので搬送作用の障害にならない。
リング体４はその周囲３箇所で外周を該リング体の略全
長にわたって巾広のローラ５に支持されて回転し、この
ようなリング体４をスクリュウ羽根３の長手方向全長に
わたり適当な間隔で設けることによりスクリュウ軸１は
たわみや芯振れが防止される。各ローラ５はころがり軸
受列６により内径部を軸支されるので高速回転によって
も軸支部分の摩耗が極少であり、またリング体４の外側
にあるためころがり軸受列６へのシールが簡単でしかも
確実となる。使用中にリング体４とローラ５の接触面が
摩耗したときは、これらを交換することなくローラ収容
箱１３と外筒連結胴１６間のシム板１２を摩耗量に応じ
て抜き取っていくことでローラ５の位置調整ができる。
ローラ収容箱１３は外側の点検カバー１４を外すことで
内部の点検が可能であり、保守がきわめて容易となる。

【００１２】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ス
クリュウ羽根を中途部で切断することなくスクリュウコ
ンベヤの全長にわたってスクリュウ軸を安定に支持する
ことができ、エネルギロスのない効率的な搬送が可能と
なる。スクリュウ羽根の外周のリング体を支持するロー
ラは高速回転に耐える軸支構造であり、また前記リング
体とローラ間の摩耗等の場合の位置調整も分解やローラ
交換を要することなくシム板の調整で簡単にでき、全体
として軽量かつ保守性にすぐれたスクリュウコンベヤの
中間サポート装置が実現できる。さらに中間軸、中間ス
クリュウ羽根およびこれに固着したリング体、中間外
筒、連結胴を予め機外で一体に組み立ててユニット化し
ておき、これをスクリュウ軸の側方から該軸の切断部分
に組み込むことにより、中間サポート装置の取り付けが
迅速、容易に行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例による垂直スクリュウコンベヤ
の要部を拡大した部分的な縦断面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線に沿った拡大横断面図である。

【図３】図１に示す実施例における補強リブの取付状態
を示す図１矢視Ｆからみた平面図である。

【符号の説明】 １ スクリュウ軸 ２ コンベヤ外筒 ３ スクリュウ羽根 ４ リング体 ５ ローラ ６ ころがり軸受列 ８ 固定軸 １０ オイルシール押え １２ 調整用シム板 １３ ローラ収容箱 １４ 点検カバー １５ 補強リブ １６ 外筒連結胴 １９ 塵芥封止部材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B65G 33/00 - 33/38

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】スクリュウ軸の長手方向中途部でスクリュ
   ウ羽根の外周にリング体を固着し、コンベヤ外筒に設け
   た複数個のローラで前記リング体を支持するようにした
   スクリュウコンベヤの中間サポート装置において、前記
   スクリュウ軸は前記スクリュウ羽根と共に切断され、こ
   の切断箇所に前記リング体の軸方向両側にのび、かつ、
   中間スクリュウ羽根をもつ中間軸が該スクリュウ軸に対
   して着脱可能に装着されると共に、前記スクリュウ軸の
   スクリュウ羽根と前記中間軸の中間スクリュウ羽根とが
   なめらかに接合され、前記コンベヤ外筒は前記スクリュ
   ウ軸の切断箇所に対応した位置で切除され、この切除箇
   所に中間外筒が着脱可能に装着されると共に、その中途
   部に前記リング体が介在されるように分断され、かつ、
   その分断箇所が外筒連結胴で連結され、前記リング体は
   前記外筒の内径と同一の内径に形成され、かつ該リング
   体の外周が前記外筒連結胴で囲包されており、前記外筒
   連結胴には前記ローラが前記リング体に接触するための
   切欠孔が形成されると共に該ローラを囲包するローラ収
   納箱が径方向に位置調整可能に装着され、前記ローラ
   は、前記ローラ収容箱にころがり軸受を介して枢支さ
   れ、前記ローラ収納箱の開口部の前記リング体と前記ロ
   ーラとが接触する手前側に、かつ該リング体と該ローラ
   とに接触して塵芥封止部材が設けられることを特徴とす
   るスクリュウコンベヤの中間サポート装置。