JP2880777B2 - 洗濯機 - Google Patents

洗濯機

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Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は、洗濯機モータとしてブラシレスモータを用
いた洗濯機に関する。
（従来の技術） 従来洗濯機では、周知のように、洗濯機モータにより
撹拌体を駆動して洗いまたはすすぎを行ない、あるいは
脱水槽を高速回転駆動して脱水を行なうようにしてい
る。そして、洗濯機モータとしては従前から誘導モータ
を用いている。
ところで、最近では、洗濯機として、小形で且つ軽量
でしかも高洗浄性能の洗濯機が要望されており、この点
から洗濯機モータの出力トルクも高くする必要が生じて
いる。しかし、洗濯機モータとして従前と同様に誘導モ
ータを用いた場合、該誘導モータが比較的低出力である
ことから、所要の出力トルクを得ようとすると、定格の
大きな誘導モータを必要としモータ自体が大形化して洗
濯機全体の大きさも大きくなってしまう。このような観
点から、洗濯機モータとして、従前の誘導モータから、
小形で高出力のブラシレスモータに変更することが検討
されている。この場合、モータのロータの回転位置を検
出する位置検出素子と、モータを駆動するためのインバ
ータ主回路およびこのインバータ主回路を前記位置検出
素子からの信号等に基づいて制御するインバータ制御回
路を有するモータ駆動制御回路とを設けて、モータを所
定の回転速度にて駆動すると共に、回転速度一定化のた
めにフィードバック制御をすることが考えられている。
（発明が解決しようとする課題） ところで、上記インバータ主回路は半導体スイッチン
グ素子としてトランジスタを有して構成されるが、この
インバータ主回路にモータロック等の原因により過電流
が流れると、該トランジスタが劣化して動作不良を起こ
してしまうおそれがある。しかして、この対策として、
インバータ主回路の電流を検出して過電流を検出するこ
とが考えられるが、しかし、洗濯機では、槽内における
洗濯物の流動状況等によってモータにかかる負荷が一時
的急変して瞬間的に過電流が流れることもあり、そのよ
うな瞬間的な過電流はトランジスタへの影響も比較的少
ない。このように、洗濯物流動による一時的過電流発生
を、モータロック等による過電流、すなわちインバータ
主回路が動作不良となるような過電流異常として誤判断
する不都合がある。
また、前記位置検出素子は、洗濯機内下部に位置する
モータの内部に設けられるものであり、これに対し、イ
ンバータ制御回路起は洗濯機上部または背部といった離
れた部位に存し、このため、該位置検出素子とインバー
タ制御回路とを接続する信号ラインが長くなってしま
い、この信号ラインにノイズが侵入しやすくなり、位置
検出素子からインバータ制御回路への信号伝送が不確実
になるおそれがある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、第１
の目的は、洗濯機モータの小形化ひいては洗濯機の小形
を図り得ると共に、洗濯物流動による瞬間的過電流発生
を、インバータ主回路が動作不良となる異常として誤判
断することがなくてインバータ主回路を必要時のみに保
護できる洗濯機を提供するにある。
また、本発明の第２の目的は、洗濯機モータの小形化
ひいては洗濯機の小形を図り得ると共に、位置検出素子
からインバータ制御回路への信号伝送を確実化できてモ
ータ制御を良好に行なうことができる洗濯機を提供する
にある。
［発明の構成］ （課題を解決するための手段） 第１の目的を達成するために本発明の洗濯機は、ブラ
シレスモータから成る洗濯機モータと、この洗濯機モー
タのロータの回転位置を検出する位置検出素子と、この
洗濯機モータを駆動するためのインバータ主回路および
このインバータ主回路を前記位置検出素子からの信号等
に基づいて制御するインバータ制御回路を有するモータ
駆動制御回路とを備えたものであって、前記インバータ
主回路に流れる電流を検出する電流検出手段と、この電
流検出手段による電流検出値が基準値を超えたときに過
電流検出信号を出力する過電流検出手段と、この過電流
検出手段による過電流検出信号の出力頻度が所定値に達
したとき異常検出信号を発生する異常検出手段とを設け
た構成としている（請求項１の発明）。
第２の目的を達成するために本発明の洗濯機は、ブラ
シレスモータから成る洗濯機モータと、この洗濯機モー
タのロータの回転位置を検出する位置検出素子と、この
洗濯機モータを駆動するためのインバータ主回路および
このインバータ主回路を前記位置検出素子からの信号等
に基づいて制御するインバータ制御回路を有するモータ
駆動制御回路とを備えたものであって、前記位置検出素
子から前記インバータ制御回路への出力信号電圧を前記
位置検出素子に印加される電圧より高い電圧に変換する
構成としている（請求項２の発明）。
（作用） 請求項１の発明によれば、洗濯機モータをブラシレス
モータから構成するので、洗濯機モータの小形化ひいて
は洗濯機の小形が図れる。また、過電流検出信号の出力
頻度が所定値に達したとき異常検出信号を発生する異常
検出手段を設けているので、洗濯物流動による瞬間的過
電流発生は異常としては検出されず、インバータ主回路
が動作不良となるようなモータロック等による過電流発
生のみを異常として判断することができる。
請求項２の発明によれば、洗濯機モータをブラシレス
モータから構成するので、洗濯機モータの小形化ひいて
は洗濯機の小形が図れる。また、位置検出素子からイン
バータ制御回路への出力信号電圧を位置検出素子に印加
される電圧より高い電圧に変換する構成としているか
ら、該信号ラインの電圧レベルが高くなり、いわゆるs/
n比が大きくなって、信号ラインにノイズが侵入して
も、位置検出素子からインバータ制御回路への信号伝送
が確実になる。
（実施例） 以下、本発明の一実施例につき第１図ないし第３図を
参照しながら説明する。
まず、第２図において、商用交流電源に接続されるプ
ラグ１には、電源スイッチ２を介して、ダイオードブリ
ッジ３および平滑コンデンサ４からなる直流電源回路５
が接続されており、この直流電源回路５の出力側にはイ
ンバータ主回路６が接続されている。そして、このイン
バータ主回路６は、第１図から分かるように半導体スイ
ッチング素子としてトランジスタ７を有して構成されて
おり、このインバータ主回路６とインバータ制御回路８
とでモータ駆動制御回路９を構成している。洗濯機モー
タ10は三相DCブラシレスモータから構成されており、こ
れは、前記モータ駆動制御回路９のインバータ主回路６
に接続されている。この洗濯機モータ10にはそのロータ
の回転位置を検出する位置検出素子たるホールIC11が設
けられており、このホールIC11からの信号は信号ライン
12を介して前記インバータ制御回路８に与えられるよう
になっている。
操作回路部13は、洗濯運転の行程制御全般を行なう時
計機能付きの主マイクロコンピュータと各種スイッチの
入力回路さらには時計表示器等を備えて構成されてい
る。
しかして、上記操作回路部13は、電源スイッチ２を介
さずに動作電源が与えられるようになっており、すなわ
ち、電源プラグ１に接続された直流電源回路14およびス
イッチングトランス15から動作電源が与えられるように
なっている。これに対し、前記インバータ制御回路８に
は電源スイッチ２を介して動作電源が与えられるように
なっており、すなわち、電源プラグ１に前記電源スイッ
チ２を介して直流電源回路16が接続されており、この直
流電源回路16の出力がインバータ制御回路８に与えられ
るようになっている。このように操作回路部13に対し常
に商用電源から電源が与えられるようにし、これに対
し、インバータ制御回路８には電源スイッチ２のオン時
にのみ電源を与えるようにしたことで、次の利点があ
る。すなわち、操作回路部13は時計機能を有することか
ら常時電源が必要であり、この場合、インバータ制御回
路８にも常時電源を与えた構成とすると、インバータ制
御回路８が常に動作可能状態にあってノイズの侵入にて
誤動作するおそれがあるが、本実施例では必要時のみ
（電源スイッチ２オン時のみ）電源を与えるからそのよ
うなおそれはない。
次に第１図は要部の電気的構成を示している。インバ
ータ制御回路８は、ベース駆動回路17とマイクロコンピ
ュータ18とを備えて構成されており、前記ホールIC11か
らの信号は前記信号ライン12を介してベース駆動回路17
に与えられるようになっている。ベース駆動回路17はホ
ールIC11からの検出信号に基づいて洗濯機モータ10の巻
線への通電タイミングをとるようになっている。またマ
イクロコンピュータ18は前記速度指令信号を与えると共
に、後述するが異常検出手段としても機能する。
電流検出手段たる電流検出回路19は、インバータ主回
路６の電流を電圧値で検出するための抵抗19aと、サー
ジ吸収用のフィルタ20とか構成されている。また過電流
検出手段たる過電流検出回路21は、このフィルタ20を通
した検出電圧即ち電流検出値と基準電圧発生回路22から
与えられる基準値とを比較し電流検出値が基準値を超え
たときに過電流検出信号Skを出力する比較器23と、この
過電流検出信号Skをラッチするラッチ回路24とから構成
されている。そして、このラッチ回路24の出力は前記マ
イクロコンピュータ18に与えられる他にベース駆動回路
17に与えられるようになっている。しかして、ベース駆
動回路17はラッチ回路24から過電流検出信号Skが与えら
れると、インバータ主回路６に一時停止信号を出力し、
またマイクロコンピュータ18はラッチ回路24から過電流
検出信号Skが与えられると、この過電流検出信号Skの入
力回数をカウントすると共にラッチ回路24にリセットパ
ルスを与えてこれをリセットする。さらに、このマイク
ロコンピュータ18は、ラッチ回路24に１分間に16回以上
のリセットをかけても過電流検出信号Skの入力される
と、つまり過電流検出信号Skの出力頻度が所定値この場
合１分間16以上の頻度に達すると、異常発生検出信号Se
を出力する。この異常発生検出信号Seはベース駆動回路
17に与えられ、ベース駆動回路17はこの異常発生検出信
号Seが与えられると、動作を停止し、もってインバータ
主回路６の駆動を停止して洗濯機モータ10の運転を中止
する。
次に、第３図にはホールIC11からインバータ制御回路
８への信号ライン12部分についての電気的構成を示して
いる。第１の直流電源回路25は14V電圧を出力し、第２
の直流電源回路26は5V電圧を出力している。しかして、
ホールIC11およびインバータ制御回路８には5V電圧が与
えられている。従って、ホールIC11の信号出力電圧は０
〜5Vとなっている。ここで、前記信号ライン12には第１
の直流電源回路25からの14V電圧（これはホールIC11の
出力電圧すなわち該ホールIC11に印加される電圧より高
い電圧である）が印加されており、そして、インバータ
制御回路８の信号入力側には14Vから5Vに変換するオー
プンコレクタバッファ27が介在されている。
上記構成によれば、洗濯機モータ10をブラシレスモー
タから構成しているので、洗濯機モータ10の小形化ひい
ては洗濯機の小形を図ることができる。また、インバー
タ主回路６の電流を検出する電流検出回路19および過電
流を検出する過電流検出回路21を設けると共に、過電流
検出信号Skの出力頻度が所定値に達したとき異常検出信
号Seを発生する異常検出手段としての機能を有するマイ
クロコンピュータ18を設けているので、洗濯物流動によ
る瞬間的過電流発生は異常としては検出されず、インバ
ータ主回路６が動作不良となるようなモータロック等に
よる過電流発生のみを異常として判断することができ
る。特に本実施例では、異常検出信号Seに基づいてベー
ス駆動回路17の動作を停止させるようにしたので、イン
バータ主回路６のトランジスタ７が劣化するようなこと
もなく、また洗濯機モータ10が焼損するようなこともな
い。
また、本実施例では、位置検出素子であるホールIC11
からインバータ制御回路８への出力信号電圧をホールIC
11に印加される電圧より高い電圧に変換する構成として
いるから、該信号ラインの電圧レベルが高くなり、いわ
ゆるs/n比が大きくなって、信号ライン12にノイズが侵
入しても、ホールIC11からインバータ制御回路８への信
号伝送が確実になる。なお、14Vから5Vに変換する構成
としてはオープンコレクタバッファ27に限られず、本発
明の他の実施例として示す第４図のようにトランジスタ
28を用いた構成でも良い。
［発明の効果］ 本発明は以上の説明から明らかなように、次の効果を
得ることができる。
請求項１の洗濯機によれば、洗濯機モータをブラシレ
スモータから構成するので、洗濯機モータの小形化ひい
ては洗濯機の小形を図ることができ、しかも、過電流検
出信号の出力頻度が所定値に達したとき異常検出信号を
発生する異常検出手段を設けているので、洗濯物流動に
よる瞬間的過電流発生は異常としては検出されず、イン
バータ主回路が動作不良となるようなモータロック等に
よる過電流発生のみを異常として判断することができ、
もって異常検知精度の向上を図ることができる。
請求項２の発明によれば、洗濯機モータをブラシレス
モータから構成するので、洗濯機モータの小形化ひいて
は洗濯機の小形を図ることができ、さらには、位置検出
素子からインバータ制御回路への出力信号電圧を位置検
出素子に印加される電圧より高い電圧に変換する構成と
しているから、該信号ラインの電圧レベルが高くなり、
いわゆるs/n比が大きくなって、信号ラインにノイズが
侵入しても、位置検出素子からインバータ制御回路への
信号伝送が確実になる。
【図面の簡単な説明】
第１図ないし第３図は本発明の一実施例を示すもので、
第１図は要部の電気回路図、第２図は全体の概略的電気
回路図、第３図は第１図とは異なる要部の電気回路図で
あり、そして第４図は本発明の他の実施例を示す電圧変
換構成の電気回路図である。 図面中、６はインバータ主回路、７はトランジスタ、８
はインバータ制御回路、10は洗濯機モータ、11はホール
IC（位置検出素子）、12は信号ライン、17はベース駆動
回路、18はマイクロコンピュータ（異常検出手段）、19
は電流検出回路（電流検出手段）、21は過電流検出回路
（過電流検出手段）を示す。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】ブラシレスモータから成る洗濯機モータ
    と、この洗濯機モータのロータの回転位置を検出する位
    置検出素子と、この洗濯機モータを駆動するためのイン
    バータ主回路およびこのインバータ主回路を前記位置検
    出素子からの信号等に基づいて制御するインバータ制御
    回路を有するモータ駆動制御回路とを備えたものであっ
    て、前記インバータ主回路に流れる電流を検出する電流
    検出手段と、この電流検出手段による電流検出値が基準
    値を超えたときに過電流検出信号を出力する過電流検出
    手段と、この過電流検出手段による過電流検出信号の出
    力頻度が所定値に達したとき異常検出信号を発生する異
    常検出手段とを設けたことを特徴とする洗濯機。
  2. 【請求項２】ブラシレスモータから成る洗濯機モータ
    と、この洗濯機モータのロータの回転位置を検出する位
    置検出素子と、この洗濯機モータを駆動するためのイン
    バータ主回路およびこのインバータ主回路を前記位置検
    出素子からの信号等に基づいて制御するインバータ制御
    回路を有するモータ駆動制御回路とを備えたものであっ
    て、前記位置検出素子から前記インバータ制御回路への
    出力信号電圧を前記位置検出素子に印加される電圧より
    高い電圧に変換する構成としたことを特徴とする洗濯
    機。
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