JP2880728B2 - 難燃性変性シリコーン樹脂組成物 - Google Patents

難燃性変性シリコーン樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、難燃性変性シリコーン樹脂組成物に関し、
さらに詳細には、一般の接着剤、シーリング材、コーテ
ィング材、注型材等として用いられ、難燃性をはじめと
して、速硬化性、貯蔵安定性等に優れた性質を有する難
燃性変性シリコーン樹脂組成物に関するものである。
〔従来の技術〕
一般に、建築、機械、電気、その他各種工業におい
て、接合部や接触部のシールには水密、気密の目的で、
シリコーン系、変成シリコーン系、ポリサルファイド系
及びポリウレタン系のシーリング材が広く使用されてい
る。近年、建築部材や電気部品等について難燃性が求め
られており、そこに適用されるシーリング材についても
同様に難燃性が求められているものである。しかし、上
記シーリング材の殆どのものが燃焼し易いという欠点が
あった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、上記した問題点を解消するために発明され
たもので、接着剤、シーリング材、コーティング材、注
型材等として用いられ、難燃性をはじめとして、速硬化
性、貯蔵安定性等に優れた性質を有する難燃性変性シリ
コーン樹脂組成物を提供することを目的とするものであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明の一成分型難燃性
変成シリコーン樹脂組成物においては、 (a)下記一般式(3) (式中、R1は炭素数1〜12の1価の炭化水素基で、R2
炭素数1〜6の1価の炭化水素基であり、nは0〜2の
整数である。) で示される加水分解性珪素官能基を末端に有するポリエ
ーテル重合体からなる変性シリコーン樹脂 (b)下記一般式(1) (式中、nは0,1,2の整数、xは2〜6の整数、yは2
〜5の整数である。)で示される臭素化合物及び/又は 下記一般式(2) (式中、mは30以上の数値、A1,A2及びA3は同一であっ
ても相異なってもよく、それぞれ−NH4,−H,−CONH2
いずれか一種類の官能基である。但し、A1,A2及びA3
同時に−H又は−CONH2となる場合は除かれる。)で示
されるポリリン酸化合物 (c)三酸化アンチモン (d)シラノール化合物の縮合触媒 (e)オルガノシラン化合物 を含有させたものである。
前記オルガノシラン化合物としては、 下記一般式(4) (式中、R3及びR4は炭素数1〜4の1価の炭化水素基
で、Yは置換基又は置換原子を含みうる1価の炭化水素
基であり、a及びbはそれぞれ0〜2の整数で、かつa
とbの和は0〜2である。)示されるオルガノシランで
あることが好ましい。
本発明の難燃性変性シリコーン樹脂組成物は、上記し
たごとく一成分型として用いるのが好ましいが、二成分
型として用いることもできる。二成分型とするには、A
剤として(a)前記一般式(3)で示される加水分解性
珪素官能基を末端に有するポリエーテル重合体からなる
変性シリコーン樹脂を含有し、B剤として(d)シラノ
ール化合物の縮合触媒を含有し、A剤又はB剤の少なく
とも一方に(b)前記一般式(1)で示される臭素化合
物及び/又は前記一般式(2)で示されるポリリン酸化
合物、(c)三酸化アンチモン及び(e)オルガノシラ
ン化合物を必須成分として含有するように構成する。
〔作用〕
本発明における前記一般式(3)で示される加水分解
珪素官能基を末端に有するポリエーテル重合体、即ち
(a)変性シリコーン樹脂、は主鎖が本質的に−R−O
−(式中、Rは炭素数が2〜4である2価のアルキレン
基である)で示される繰り返し単位を有し、末端のうち
少なくとも一端に上記式で示される加水分解性官能基を
有するようなポリエーテル重合体が好ましい。
かかる本発明において用いられる(a)変性シリコー
ン樹脂としては、例えばイソシアネート末端のポリエー
テルウレタンプレポリマーと、γ−アミノプロピルトリ
メトキシシランやγ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ンやγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランとの反
応生成物(特公昭46−30711号)、あるいは末端シリル
エーテル基として を有するオキシプロピレン重合体が挙げられる。
本発明における前記一般式(1)で示される(b)臭
素化合物の具体例としては、ヘキサブロモベンゼン、デ
カブロモジフェニルオキサイド、テトラデカブロモジフ
ェノキシベンゼン、オクタブロモジフェニルオキサイ
ド、ヘキサブロモジフェニルオキサイド、ペンタブロモ
ジフェニルオキサイド、テトラブロモジフェニルオキサ
イド等を挙げることができる。
また、本発明における前記一般式(2)で示される
(b)ポリリン酸化合物の具体例としては、ポリリン酸
アンモニウム、カルバミルポリリン酸アンモニウム、メ
ラミン変性カルバミルポリリン酸アンモニウム、メラミ
ン変性ポリリン酸アンモニウム等を挙げることができ
る。本発明において用いられるポリリン酸化合物は変性
品であってもよい。
本発明におけるこれらの(b)臭素化合物及び/又は
ポリリン酸化合物の使用量は、(a)変性シリコーン樹
脂100重量部に対して、20〜400重量部、好ましくは50〜
200重量部の範囲がよい。この(b)成分の使用量が少
なすぎると難燃性に効果が見られなくなり、多過ぎると
硬化物性が硬く脆くなる傾向が見られる。
本発明における(c)三酸化アンチモンの使用量は、
(a)変性シリコーン樹脂100重量部に対して、10〜200
重量部、好ましくは20〜100重量部の範囲がよい。この
(c)成分の使用量が少なすぎると難燃性に効果が見ら
れなくなり、多過ぎると硬化物性が硬く脆くなる傾向が
見られる。
本発明における(d)シラノール化合物の縮合触媒と
しては有機珪素チタン酸塩、オクチル酸錫、ジブチル錫
ジアセテート、ジブチル錫ジラウレートなどのカルボン
酸の金属塩、ジブチルアミン−2−エチルヘキソエート
などのアミン塩などの公知のシラノール縮合触媒が有効
である。
(d)縮合触媒の使用量は(a)変性シリコーン樹脂
100重量部に対して0.05〜5重量部である。
本発明における(e)オルガノシランの上述の(a)
変性シリコーン樹脂の架橋剤として作動するもので、こ
れは上述したように、一般式(4)で示される化合物で
ある。
その具体例としては、ジメチルジメトキシシラン、メ
チルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、ジメ
チルジエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フ
ェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキ
シシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラ
ン、アミノメチルトリエトキシシラン、N−β(アミノ
エチル)アミノメチルトリメトキシシラン、アミノメチ
ルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)メチルト
リブトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノイソ
ブチルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノ
エチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキ
シシラン、〔[N−β(アミノエチル)]N−β(アミ
ノエチル)〕γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3,4−エ
ポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、γ−
メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メ
タアクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソ
シアネートプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げら
れる。これらは単独で用いてもよいが数種類を組み合わ
せることも可能である。
この(e)成分は(a)成分100重量部に対して0.5〜
30重量部、好ましくは1〜15重量部の範囲がよい。この
(e)成分の量が少なすぎると難燃性に効果がみられな
くなり、多過ぎると硬化物性が硬く、脆くなる。
また、本発明の変性シリコーン樹脂には必要に応じて
硬化速度を調整するための助触媒として、酸化亜鉛、酸
化カルシウム、酸化マグネシウムのごとき周期律表II族
の金属酸化物及び/またはキシリレンジアミン、ヘキサ
メチレンジアミン、オクチルアミンなどの有機一級アミ
ン等を使用することも可能である。
本発明の組成物には本発明の目的を損なわない範囲で
充填剤、可塑剤、顔料、老化防止剤、紫外線吸収剤、タ
レ止メ剤等をそれぞれ添加することができる。
その充填剤としてはフュームドシリカ、沈降性シリ
カ、無水珪酸、含水珪酸及びカーボンブラックのごとき
補強性充填材;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪
藻土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベン
トナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、酸化アルミ
ニウム、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウム、ホウ酸マグネシウム、ケイ酸ジルコニウム及びシ
ラスバルーンなどのごとき充填剤;石綿、ガラス繊維及
びフィラメントのごとき繊維状充填剤が使用できる。
また、その可塑剤としては通常の可塑剤、例えばジオ
クチルフタレート、ジブチルフタレート、ブチルベンジ
ルフタレートのごときフタル酸エステル類;アジピン酸
ジオクチル、コハク酸イソデシル、セバチン酸ジブチル
のごとき脂肪族第二塩基性酸エステル類;ジエチレング
リコールジベンドエート、ペンタエリスリトールなどの
ごときグリコールエステル類、オレイン酸ブチル、アセ
チルリシノール酸メチルのごとき脂肪族エステル類など
が挙げられる。
また、その可塑剤に100〜10,000程度の分子量の液状
樹脂を可塑剤として使用することも可能である。例え
ば、キシレン樹脂、ポリブタジエン、ポリオキシプロピ
レングリコール、ポリオキシプロピレントリオール、ポ
リエステル樹脂、アクリルオリゴマー、NBR、SBR、多硫
化系ゴム等の液状のものが挙げられる。
(実施例) 以下に、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。
実施例1 変性シリコーン樹脂(a)として、メチルジメトキシ
シリル基末端ポリプロピレンオキシド(カネカMSポリマ
ー、鐘淵化学工業(株)製)を100重量部とり、これに
(b)成分としてヘキサブロモベンゼン100重量部、
(c)成分の三酸化アンチモン30重量部、可塑剤として
DOP(ジオクチルフタレート)30重量部、及び充填剤と
して炭酸カルシウム50重量部を加え、高粘度用混合攪拌
機を使用して、100℃で減圧(10Torr以下)攪拌する。
次に、室温まで徐冷した後、(e)成分としてビニルト
リメトキシシランを2重量部、N−β(アミノエチル)
γ−アミノプロピルトリメトキシシランを2重量部及び
縮合触媒(d)としてジブチル錫ジラウレート2重量部
を添加し、減圧攪拌して本発明の一成分型変性シリコー
ン樹脂組成物を製造した。
得られた一成分型変性シリコーン樹脂組成物について
下記の試験を行い、その結果を第1表に示した。
タックフリータイム試験 上記組成物を20℃、65%RHの条件下に放置し、その表
面が硬化する時間を測定した。
貯蔵安定性試験 上記組成物をカートリッジに密閉充填して50℃の条件
下に7日間放置した後、その組成物の状態及び硬化性を
観察した。
第1表の性能表示において、○は変化なし、△は増
粘、×は硬化しない(20℃、3日後)である。
難燃性試験 上記組成物を20℃、65%RHの条件下で7日間放置して
硬化させた後、硬化物を長さ100mm、幅10mm、厚さ3mmに
カットし、試験片とした。この試験片を垂直に吊るし、
その下部にガスバーナーの炎(黄色でない状態で炎の高
さを18mmに調整)を10秒間あて、取り去り、燃焼状態を
観察した。
第1表の性能表示において、○は5秒以内で消える、
△は30秒以内で消える、×は全部燃焼する、−は貯蔵安
定性が悪いため難燃性試験は実施しなかった、を示す。
実施例2 ヘキサブロモベンゼンの代わりにデカブロモジフェニ
ルオキサイド100重量部を用いた以外は、実施例1と同
様の組成及び手順で本発明の一成分型変性シリコーン樹
脂組成物を製造し、同様の試験を行い、その結果を第1
表に示した。
実施例3 ヘキサブロモベンゼンの代わりにテトラデカブロモジ
フェノキシベンゼン100重量部を用いた以外は、実施例
1と同様の組成及び手順で本発明の一成分型変性シリコ
ーン樹脂組成物を製造し、同様の試験を行い、その結果
を第1表に示した。
実施例4 ヘキサブロモベンゼンの代わりにカルバミルポリリン
酸アンモニウム100重量部を用いた以外は、実施例1と
同様の組成及び手順で本発明の一成分型変性シリコーン
樹脂組成物を製造し、同様の試験を行い、その結果を第
1表に示した。
実施例5 ヘキサブロモベンゼンの代わりにメラミン変性カルバ
ミルポリリン酸アンモニウム100重量部を用いた以外
は、実施例1と同様の組成及び手順で本発明の一成分型
変性シリコーン樹脂組成物を製造し、同様の試験を行
い、その結果を第1表に示した。
実施例6 ヘキサブロモベンゼンの代わりにデカブロモジフェニ
ルオキサイド50重量部及びカルバミルポリリン酸アンモ
ニウム50重量部を用いた以外は、実施例1と同様の組成
及び手順で本発明の一成分型変性シリコーン樹脂組成物
を製造し、同様の試験を行い、その結果を第1表に示し
た。
実施例7 炭酸カルシウムの代わりに水酸化アルミニウム50重量
部を用いた以外は、実施例2と同様の組成及び手順で本
発明の一成分型変性シリコーン樹脂組成物を製造し、同
様の試験を行い、その結果を第1表に示した。
実施例8 炭酸カルシウムの代わりにホウ酸マグネシウム50重量
部を用いた以外は、実施例2と同様の組成及び手順で本
発明の一成分型変性シリコーン樹脂組成物を製造し、同
様の試験を行い、その結果を第1表に示した。
実施例9 炭酸カルシウムの代わりにホウ酸マグネシウム50重量
部を用いた以外は、実施例2と同様の組成及び手順で本
発明の一成分型変性シリコーン樹脂組成物を製造し、同
様の試験を行い、その結果を第1表に示した。
実施例10 炭酸カルシウムの代わりにホウ酸マグネシウム50重量
部を用いた以外は、実施例4と同様の組成及び手順で本
発明の一成分型変性シリコーン樹脂組成物を製造し、同
様の試験を行い、その結果を第1表に示した。
比較例1 ヘキサブロモベンゼンの代わりにヘキサブロモシクロ
ドデカン(Br74%)100重量部を用いた以外は、実施例
1と同様の組成及び手順で本発明の一成分型変性シリコ
ーン樹脂組成物を製造し、同様の試験を行い、その結果
を第1表に示した。
比較例2 ヘキサブロモベンゼンの代わりにトリスジブロモプロ
ピルイソシアヌレート(Br65%)100重量部を用いた以
外は、実施例1と同様の組成及び手順で本発明の一成分
型変性シリコーン樹脂組成物を製造し、同様の試験を行
い、その結果を第1表に示した。
比較例3 ヘキサブロモベンゼンの代わりにテトラブロモビスフ
ェノールA−ビスジブロモプロピルエーテル(Br66%)
100重量部を用いた以外は、実施例1と同様の組成及び
手順で本発明の一成分型変性シリコーン樹脂組成物を製
造し、同様の試験を行い、その結果を第1表に示した。
比較例4 ヘキサブロモベンゼンの代わりにテトラブロモビスフ
ェノールスルホン−ビスジブロモプロピルエーテル(Br
65%)100重量部を用いた以外は、実施例1と同様の組
成及び手順で本発明の一成分型変性シリコーン樹脂組成
物を製造し、同様の試験を行い、その結果を第1表に示
した。
比較例5 ヘキサブロモベンゼンの代わりにテトラブロモビスフ
ェノールA−ポリカーボネートオリゴマー(Br50%)10
0重量部を用いた以外は、実施例1と同様の組成及び手
順で本発明の一成分型変性シリコーン樹脂組成物を製造
し、同様の試験を行い、その結果を第1表に示した。
比較例6 ヘキサブロモベンゼンの代わりに塩素化パラフィン
(Cl70%)100重量部を用いかつ炭酸カルシウムを150重
量部添加し、そしてDOPを添加しなかった以外は、実施
例1と同様の組成及び手順で本発明の一成分型変性シリ
コーン樹脂組成物を製造し、同様の試験を行い、その結
果を第1表に示した。
比較例7 ヘキサブロモベンゼンの代わりにトリクレジルホスフ
ェート100重量部を用いかつ炭酸カルシウムの代わりに
水酸化アルミニウムを150重量部添加し、そしてDOPを添
加しなかった以外は、実施例1と同様の組成及び手順で
本発明の一成分型変性シリコーン樹脂組成物を製造し、
同様の試験を行い、その結果を第1表に示した。
比較例8 ヘキサブロモベンゼンの代わりにオキシジエチレンビ
ス(ビスクロロエチルホスフェート)(P,12%、Cl,25
%)100重量部を用いかつ炭酸カルシウムの代わりにホ
ウ酸マグネシウムを150重量部添加し、そしてDOPを添加
しなかった以外は、実施例1と同様の組成及び手順で本
発明の一成分型変性シリコーン樹脂組成物を製造し、同
様の試験を行い、その結果を第1表に示した。
比較例9 ヘキサブロモベンゼンを添加せず、そして炭酸カルシ
ウムの代わりに水酸化アルミニウムを150重量部添加し
た以外は、実施例1と同様の組成及び手順で本発明の一
成分型変性シリコーン樹脂組成物を製造し、同様の試験
を行い、その結果を第1表に示した。
比較例10 ヘキサブロモベンゼンを添加せず、そして炭酸カルシ
ウムの代わりにホウ酸マグネシウムを150重量部添加し
た以外は、実施例1と同様の組成及び手順で本発明の一
成分型変性シリコーン樹脂組成物を製造し、同様の試験
を行い、その結果を第1表に示した。
比較例11 ヘキサブロモベンゼンを添加せず、そして炭酸カルシ
ウムの代わりにケイ酸ジルコニウムを150重量部添加し
た以外は、実施例1と同様の組成及び手順で本発明の一
成分型変性シリコーン樹脂組成物を製造し、同様の試験
を行い、その結果を第1表に示した。
第1表に示した結果から、本発明の構成要件を具備す
る実施例では、タックフリータイムが6時間以下で良好
であり、かつ貯蔵安定性及び難燃性ともに良好であっ
た。しかし、本発明の(b)前記一般式(1)で示され
る臭素化合物及び/又は前記一般式(2)で示されるポ
リリン酸化合物の代わりに比較例1〜8に見られるよう
に他のハロゲン系又はリン酸えすてる系の難燃剤を使用
した場合には貯蔵安定性が悪く、硬化阻害を引き起こす
欠点があった。また、比較例9及び10に見られるように
無機系の難燃剤を用いた場合には、タックフリータイム
も短く、かつ貯蔵安定性が良好でも難燃性が劣るという
欠点があった。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明の難燃性変性シリコーン樹脂組
成物は、シーリング材、コーティング材、注型材等とし
て用いられ、難燃性をはじめとして、速硬化性、貯蔵安
定性等に優れた性質を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 3:32 3:22) (56)参考文献 特開 昭64−9268(JP,A) 特開 昭63−92690(JP,A) 特開 昭53−129247(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 1/00 - 101/14 C08K 3/00 - 13/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)下記一般式(3) (式中、R1は炭素数1〜12の1価の炭化水素基で、R2
    炭素数1〜6の1価の炭化水素基であり、nは0〜2の
    整数である。) で示される加水分解性珪素官能基を末端に有するポリエ
    ーテル重合体からなる変性シリコーン樹脂 (b)下記一般式(1) (式中、nは0,1,2の整数、xは2〜6の整数、yは2
    〜5の整数である。)で示される臭素化合物及び/又は 下記一般式(2) (式中、mは30以上の数値、A1,A2及びA3は同一であっ
    ても相異なってもよく、それぞれ−NH4,−H,−CONH2
    いずれか一種類の官能基である。但し、A1,A2及びA3
    同時に−H又は−CONH2となる場合は除かれる。)で示
    されるポリリン酸化合物 (c)三酸化アンチモン (d)シラノール化合物の縮合触媒 (e)オルガノシラン化合物 を含有してなることを特徴とする難燃性一成分型変性シ
    リコーン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記オルガノシラン化合物が、 下記一般式(4) (式中、R3及びR4は炭素数1〜4の1価の炭化水素基
    で、Yは置換基又は置換原子を含みうる1価の炭化水素
    基であり、a及びbはそれぞれ0〜2の整数で、かつa
    とbの和は0〜2である。) で示されるオルガノシランであることを特徴とする請求
    項(1)記載の難燃性一成分型変性シリコーン樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】A剤として(a)下記一般式(3) (式中、R1は炭素数1〜12の1価の炭化水素基で、R2
    炭素数1〜6の1価の炭化水素基であり、nは0〜2の
    整数である。) で示される加水分解性珪素官能基を末端に有するポリエ
    ーテル重合体からなる変性シリコーン樹脂を含有し、B
    剤として(d)シラノール化合物の縮合触媒を含有し、
    A剤又はB剤の少なくとも一方に (b)下記一般式(1) で示される臭素化合物及び/又は 下記一般式(2) (式中、mは30以上の整数、A1,A2及びA3は同一であっ
    ても相異なってもよく、それぞれ−NH4,−H,−CONH2
    いずれか一種類の官能基である。但し、A1,A2及びA3
    同時に−H又は−CONH2となる場合は除かれる。)で示
    されるポリリン酸化合物、(c)三酸化アンチモン及び
    (e)オルガノシラン化合物を必須成分として含有する
    ことを特徴とする難燃性二成分型変性シリコーン樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】前記オルガノシラン化合物が、 下記一般式(4) (式中、R3及びR4は炭素数1〜4の1価の炭化水素基
    で、Yは置換基又は置換原子を含みうる1価の炭化水素
    基であり、a及びbはそれぞれ0〜2の整数で、かつa
    とbの和は0〜2である。) で示されるオルガノシランであることを特徴とする請求
    項(3)記載の難燃性二成分型変性シリコーン樹脂組成
    物。
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