JP2880635B2 - 高炉出銑樋の横断面形状 - Google Patents

高炉出銑樋の横断面形状

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JP2880635B2 JP2764594A JP2764594A JP2880635B2 JP 2880635 B2 JP2880635 B2 JP 2880635B2 JP 2764594 A JP2764594 A JP 2764594A JP 2764594 A JP2764594 A JP 2764594A JP 2880635 B2 JP2880635 B2 JP 2880635B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高炉出銑樋の横断面形
状に関し、さらに詳しくは、樋の耐火物の寿命延長を図
るための出銑樋の横断面形状に関するものである。
【0002】
【従来の技術】出銑樋に内張された耐火物の損傷は、深
さ方向においては図9に示すように、スラグ−気相界面
3およびスラグ−メタル界面4が大きく損傷し、流れの
方向においては図10に示すように、溶銑の出銑口から
の落ち口付近が大きく損傷することが知られている。特
に、該落ち口付近の損傷が大きいことから、樋耐火物の
寿命はこの部分で決定されており、この部分が大きく損
傷される機構の解明と耐火物の改善が大きな問題になっ
ている。
【0003】スラグ−メタル界面4の損傷については、
マランゴニー対流や電気化学的に局部損傷が起こるとさ
れている。しかし、流れ方向の損傷、すなわち溶銑の落
ち口付近で損傷が大きくなる損傷の機構はよく解ってい
ない。また、樋損傷の防止技術については、損傷機構が
不明ながらも耐火物の改善、樋形状の改善について従来
から実施されてきた。
【0004】たとえば、特開昭55−134112号公
報において、溶銑とスラグの接触する界面付近の側壁部
分を鉛直方向より外側へ30〜80°外側へ傾斜させる
手段が開示されている。この手段は或る程度樋の耐用性
向上を図ることが可能となるが、上述の溶銑落ち口付近
の損傷の大きさを低減できるものではなかった。また、
一般的には、損傷速度は小さくできないものの、損傷が
大きい部分での耐火物施工厚みを厚くすることによって
寿命の延長を図り耐用性を向上させてきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本願は、溶銑落ち口付
近での溶損を少なくし、溶銑樋の寿命延長を図る高炉出
銑樋の横断面形状を提供することを課題とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上述の溶銑
落ち口付近での損傷が大きい原因が、溶銑、溶融スラグ
の流動によるものである考え、溶銑樋内の溶銑、溶融ス
ラグの流動を水モデル実験により解析した。その結果は
以下の通りであった。 (1)スラグ−メタル界面における溶融スラグ内の境界
膜中の耐火物成分の拡散が耐火物の溶損の律速過程であ
る。
【0007】(2)また、流速は溶銑の落ち口付近の敷
部で最大になるが、敷部では損傷は大きくなく、溶銑だ
けに接している部分での流速の増加は損傷の増大につな
がらない。 (3)出銑口から空中を飛来した溶銑流は敷に当って下
流に流れ、また、側壁に向かって両側に分かれる。その
後溶銑の落ち口よりやや下流で流れが側壁に沿って這い
上がり溶銑が表面で沸き上がる。
【0008】(4)その結果、側壁のスラグ−メタル界
面での流動が大きくなり、この部分での損傷が最も大き
くなる。この結果をもとに、スラグ−メタル界面の側壁
近傍での流動速度を抑制することが耐火物の溶損の抑制
につながるという知見を得、本発明に到達した。すなわ
ち、本願発明は、高炉出銑樋の横断面形状に適用される
ものであり、次の技術手段を採った。すなわち、出銑時
のスラグ−メタル界面より下方の溶銑流通部の側壁面に
樋中心側に突出する突出部を設けたことを特徴とする高
炉出銑樋の横断面形状である。
【0009】該突出部から下方の溶銑流通部の幅を樋底
部の該側壁面間の幅より小さくなるように形成してもよ
い。
【0010】
【作用】
(1) 図1は本発明の第1の実施例の断面の説明図で
ある。また、図4(a)は本発明の第1の実施例の溶銑
流の説明図であり、図4(b)は従来例の溶銑流の説明
図を示す。なお、1は敷、2は側壁、3はスラグ−気相
界面、4はスラグ−メタル界面、5は溶銑部、9は突出
部である。
【0011】図1に示すように高炉出銑樋の横断面にお
いて、出銑時のスラグ−メタル界面4より下方の溶銑流
通部の側壁面に樋中心側に突出する突出部9を設けたこ
とが本第1の実施例の特徴である。このように側壁面を
形成することにより、敷に沿い壁を這い上がった溶銑流
の方向が樋の中心方向に向かい、直接側壁部を洗うこと
がなくなり、耐用性が向上する。
【0012】図4(a)、(b)に示すように、本願発
明の場合、壁を這い上がった溶銑流が直接側壁部を洗う
ことがなくなり、耐用性が向上する。一方、従来の樋形
状では、壁を這い上がった溶銑流が直接側壁部を洗うた
め、損傷が大きくなる。突出部9の形状の各実施例を図
2、図3に示すが、形状はこれに限定されるものではな
く類似の形状のものでよいが、最も突出した部分の側壁
面からの距離をt、その位置の敷からの高さをu、樋底
部の幅をw、出銑時のスラグ−メタル界面4の高さをd
としたとき、突出部9の位置、大きさは次の関係にある
ことがより効果的である。
【0013】距離tは0.05wより大きく、0.5w
以下が好ましい。0.05w未満であれば、小さすきて
効果が顕著でない。0.5wより大きければ、樋の構造
上耐火物が2面加熱となるための熱衝撃による損傷の可
能性が大きくなる。より好ましくは0.07w以上で
0.3w以下である。高さuは、(1/3)・dより大
きく(9/10)・dより小さいことが望ましい。(1
/3)・dより小さければ効果は上がらない。(9/1
0)・dより大きければ、溶銑深さの位置変動により、
スラグ−メタル界面に溶銑の一部が入り、かえって損傷
速度を大きくする。好ましくは(1/2)・d以上、
(4/5)・d以下の範囲である。
【0014】(2) 図5は本発明の第2の実施例の断
面の説明図である。また図8は、従来例の説明図であ
り、図8(a)は断面図、図8(b)は溶銑流を示す。
この実施例は、突出部9を設けると共に突出部9から下
方の溶銑流通部の幅aを樋底部の幅wより小さく形成し
たのが本第2の実施例の特徴である。図8(a)に示す
ように、スラグ−メタル界面4よりも上方まで耐火物施
工厚さを厚くすることは、溶銑流の流路を狭くしスラグ
−メタル界面4の樋の損傷速後を大きくするために、か
えって逆効果となる。図8(b)に示すように、従来の
樋断面形状では、壁を這い上がった溶銑流が直接側壁面
を洗うために、側壁の損傷が大きくなる。
【0015】本実施例において図5に示すように、溶銑
部の狭路部の幅a、その高さbは、樋底部の幅をw、出
銑時のスラグ−メタル界面4の高さをdとしたとき、次
の関係にあることが好ましい。幅aは、(9/10)・
wより小さく、(1/3)・wより大きいことが望まし
い。(9/10)・wより大きければ効果が上がらな
い。また、(1/3)・wより小さいと溶銑部での流速
が速くなる過ぎて、敷部の耐食性に問題がでる。好まし
くは、(3/20)・w以上、(1/2)・w以下の範
囲である。
【0016】深さbは(1/3)・dより大きく、(9
/10)・dより小さいことが望ましい。(1/3)・
dより小さければ効果が上がらない。(9/10)・d
より大きければ、溶銑深さの位置変動により、スラグ−
メタル界面に溶銑の一部が入り、かえって損傷速度を大
きくする。好ましくは、(1/2)・d以上、(4/
5)・d以下での範囲である。
【0017】本実施例では、突出部9を設けると共に突
出部9から下方の溶銑部の溶銑流幅を狭くすることによ
り、側壁を敷に沿い壁を這い上がった溶銑流の方向が樋
の中心方向に向かうため、直接側壁部を洗うことがより
少なくなり、一層耐用性が向上する。突出部9および狭
路部の形状の実施例を図7に示す。形状はこれに限定さ
れるものではなく、類似の形状のものでよいが、図6に
示すように、突出部9の最も突出した部分の側壁面から
の距離をp、その位置の敷からの高さをbとし、樋底部
の幅をw、出銑時のスラグ−メタル界面4の高さをdと
したとき、突出部9の位置、大きさは次のようなものが
より効果的である。
【0018】距離pは、0.05wより大きく、0.5
w以下が好ましい。0.05未満であれば、小さすきて
効果が顕著でない。0.5wより大きければ、樋の構造
上耐火物が2面加熱となるための熱衝撃による損傷の可
能性が大きくなる。より好ましくは0.07w以上で
0.3w以下である。高さbは、(1/3)・dより大
きく(9/10)・dより小さいことが望ましい。(1
/3)・dより小さければ効果は上がらない。(9/1
0)・dより大きければ、溶銑深さの位置変動により、
スラグ−メタル界面に溶銑の一部が入り、かえって損傷
速度を大きくする。好ましくは(1/2)・d以上、
(4/5)・d以下の範囲である。
【0019】
【実施例】
実施例1 高炉出銑樋において、図1に示す樋形状の中子を作り、
樋用耐火物を流し込み施工した。通常の乾燥の後、実使
用した。改善前に比べて、溶銑の落ち口付近での損傷速
度は低減したが、それより上流側、下流側では殆ど変化
はなかった。この場合にも、最大損傷部位は溶銑の落ち
口付近であった。最大溶損部位での損傷速度を求めた。
32700トン、および、79100トンのとき、残銑
を抜いて損傷速度を測定すると共に、1炉代終了時(通
銑量109000トン)に損傷速度を計算した。損傷速
度はそれぞれ、2.7,2.6,2.8mm/千トンと
なった。
【0020】比較例として、図8(a)に示す樋形状で
耐火物を施工し、同様に使用した。通銑量32600ト
ン、および、74500トン、寿命となった81400
トンの時の損傷速度は3.4、3.6、3.7mm/千
トンであった。以上のように、本発明によって損傷速度
が減少し、耐用寿命が向上することは明らかであり、本
発明は優れた効果を奏することがわかる。
【0021】実施例2 高炉出銑樋において、図5に示す樋形状の中子を作り、
樋用耐火物を流し込み施工した。通常の乾燥の後、同様
に実使用した。損傷の基本的形態は図9と同様であっ
た。最大溶損部位での損傷速度を求めた。通銑量が36
500トン、および、75400トンのとき、残銑を抜
いて損傷速度を測定すると共に、1炉代終了時(通銑量
123000トン)に損傷速度を計算した。損傷速度は
それぞれ、1.9,2.1,2.1mm/千トンとなっ
た。
【0022】
【発明の効果】本発明により、出銑主樋耐火物の寿命延
長を図ることが可能になった。また、耐火物寿命延長に
より、耐火物原単位の削減が図られると同時に、耐火物
施工の頻度が減少し、作業者の労働条件の改善にも寄与
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の断面の説明図である。
【図2】図1の寸法説明図であり、図2(a)、(b)
はそれぞれ異なった突出部の形状を示す。
【図3】本発明の第1の実施例の断面の説明図であり、
図3(a)、(b)、(c)はそれぞれ異なった突出部
の形状を示す。
【図4】溶銑流の説明図であり、それぞれ、図4(a)
は本第1の実施例、図4(b)は従来例を示す。
【図5】本発明の第2の実施例の断面の説明図である。
【図6】図5の寸法説明図であり、図6(a)、(b)
はそれぞれ異なった断面形状を示す。
【図7】本発明の第2の実施例の断面の説明図であり、
図7(a)、(b)、(c)はそれぞれ異なった断面形
状を示す。
【図8】従来例の説明図であり、図8(a)は断面図、
図8(b)は溶銑流を示す。
【図9】典型的な樋損傷の断面の説明図である。
【図10】出銑口からの距離とスラグ−メタル界面の損
傷速度の関係グラフである。
【符号の説明】
1 敷 2 側壁面 3 スラグ−気相界面 4 スラグ−メタル界面 5 溶銑部 6 耐火物の施工ライン 7 残存耐火物ライン 8 最大損傷部位 9 突出部 a 狭路部の幅 b 狭路部の高さ d 出銑時のスラグ−メタル界面の高さ p 距離 t 距離 u 高さ w 樋底部の幅

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高炉出銑樋の横断面形状において、出銑
    時のスラグ−メタル界面より下方の溶銑流通部の側壁面
    に樋中心側に突出する突出部を設けたことを特徴とする
    高炉出銑樋の横断面形状。
  2. 【請求項2】 該突出部から下方の溶銑流通部の幅を樋
    底部の該側壁面間の幅より小さくした請求項1記載の高
    炉出銑樋の横断面形状。
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