JP2879906B2 - プロコラゲナーゼの製造方法 - Google Patents
プロコラゲナーゼの製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は分子量52000のプロコラゲナーゼの製造方法
に関する。さらに詳しくは、ヒト線維肉腫細胞HT1080由
来で無血清無蛋白質培地に於いて生育可能な足場非依存
性細胞を、無血清無蛋白質培地で培養し、培養液から分
子量52000のプロコラゲナーゼを分離精製することを特
徴とするプロコラゲナーゼの製造方法に関する。
に関する。さらに詳しくは、ヒト線維肉腫細胞HT1080由
来で無血清無蛋白質培地に於いて生育可能な足場非依存
性細胞を、無血清無蛋白質培地で培養し、培養液から分
子量52000のプロコラゲナーゼを分離精製することを特
徴とするプロコラゲナーゼの製造方法に関する。
本発明で得られるプロコラゲナーゼは、医化学、生化
学および薬学の研究用試薬として有用である。
学および薬学の研究用試薬として有用である。
[従来の技術] プロコラゲナーゼはコラーゲン分解酵素(コラゲナー
ゼ)の前駆物質であり、間質型コラーゲン(I型、IIお
よびIII型コラーゲン)を分解するコラゲナーゼ(以
下、間質型コラゲナーゼと呼ぶ)のプロコラゲナーゼと
して分子量52000または57000のものが知られている(Bi
ochemistry,27巻,6751頁,1988年参照)。これは、プラ
スミン、トリプシン等の蛋白分解酵素あるいは水銀化合
物などによって間質型コラゲナーゼに活性化される。
ゼ)の前駆物質であり、間質型コラーゲン(I型、IIお
よびIII型コラーゲン)を分解するコラゲナーゼ(以
下、間質型コラゲナーゼと呼ぶ)のプロコラゲナーゼと
して分子量52000または57000のものが知られている(Bi
ochemistry,27巻,6751頁,1988年参照)。これは、プラ
スミン、トリプシン等の蛋白分解酵素あるいは水銀化合
物などによって間質型コラゲナーゼに活性化される。
間質型コラゲナーゼは、動物の結合組織中に豊富に存
在するコラーゲン(間質型コラーゲン)の代謝調節をし
ていると考えられ、コラーゲンの異常蓄積が認められる
肝硬変、動脈硬化、肺線維症およびケロイド、あるいは
コラーゲンの分解亢進の認められるリウマチ様関節炎、
歯周炎、角膜潰瘍等の関連に於いて注目され研究されて
来た(例えば、American Journal of Pathology、92
巻、509頁、1978年参照)。そしてまた、この前駆体で
あるプロコラゲナーゼも上記の各病態の解明に関して注
目されている(例えば、The Journal of Biological Ch
emistry,258巻、9374頁、1983年参照)。
在するコラーゲン(間質型コラーゲン)の代謝調節をし
ていると考えられ、コラーゲンの異常蓄積が認められる
肝硬変、動脈硬化、肺線維症およびケロイド、あるいは
コラーゲンの分解亢進の認められるリウマチ様関節炎、
歯周炎、角膜潰瘍等の関連に於いて注目され研究されて
来た(例えば、American Journal of Pathology、92
巻、509頁、1978年参照)。そしてまた、この前駆体で
あるプロコラゲナーゼも上記の各病態の解明に関して注
目されている(例えば、The Journal of Biological Ch
emistry,258巻、9374頁、1983年参照)。
従って、前記各病態の医化学的、生化学的および薬学
的研究のために、高純度のヒト由来プロコラゲナーゼが
要求され、この効率的製造方法が望まれている。
的研究のために、高純度のヒト由来プロコラゲナーゼが
要求され、この効率的製造方法が望まれている。
さて、ヒト皮膚線維芽細胞あるいは癌細胞がイン ビ
トロで、間質型コラゲナーゼおよびプロコラゲナーゼを
産生することは既に知られ、これら細胞の培養液からプ
ロコラゲナーゼが得られている(Biochemistry,16巻,16
07頁,1977年、同25巻,4750頁,1986年、同27巻,6751頁,1
988年、Proceeding of the National Academy of Scien
ces of the United States of America,83巻,3756頁,19
86年参照)。これら方法では、血清含有培地で細胞を増
殖させた後、培地交換し無血清培地とし、無血清培地中
に産生されるプロコラゲナーゼを分離精製している。こ
のように培地交換操作を行なうのは、使用する細胞がそ
の増殖に血清含有培地を必要とするが、血清含有培地の
ままではプロコラゲナーゼに血清成分が混入して精製が
困難であるからである。
トロで、間質型コラゲナーゼおよびプロコラゲナーゼを
産生することは既に知られ、これら細胞の培養液からプ
ロコラゲナーゼが得られている(Biochemistry,16巻,16
07頁,1977年、同25巻,4750頁,1986年、同27巻,6751頁,1
988年、Proceeding of the National Academy of Scien
ces of the United States of America,83巻,3756頁,19
86年参照)。これら方法では、血清含有培地で細胞を増
殖させた後、培地交換し無血清培地とし、無血清培地中
に産生されるプロコラゲナーゼを分離精製している。こ
のように培地交換操作を行なうのは、使用する細胞がそ
の増殖に血清含有培地を必要とするが、血清含有培地の
ままではプロコラゲナーゼに血清成分が混入して精製が
困難であるからである。
[発明が解決しようとする課題] 上記公知の方法は以下のいずれかの点に於いて工業的
に十分とは言い難い。
に十分とは言い難い。
すなわち、まず第1に、使用細胞はその増殖に高価な
血清を要求するので製造コストが高くなる。
血清を要求するので製造コストが高くなる。
第2に、血清含有培地で細胞を増殖させた後、無血清
培地へと培地交換する際に無血清培地で細胞を十分洗浄
する必要があるので操作が煩雑となる。
培地へと培地交換する際に無血清培地で細胞を十分洗浄
する必要があるので操作が煩雑となる。
第3に、使用細胞のプロコラゲナーゼ生産能が低い。
生産能を上昇させるために培地中へホルボール 12−ミ
リステート 13−アセテートの添加がなされている場合
もあるが、これは発癌物質であってこの使用は危険であ
る。
生産能を上昇させるために培地中へホルボール 12−ミ
リステート 13−アセテートの添加がなされている場合
もあるが、これは発癌物質であってこの使用は危険であ
る。
本発明の目的は、上記の各欠点を克服し、工業的に有
利なプロコラゲナーゼの製造方法を提供することにあ
る。
利なプロコラゲナーゼの製造方法を提供することにあ
る。
[課題を解決するための手段] 種々検討の結果、本発明者等は、ヒト線維肉腫細胞HT
1080由来で無血清無蛋白質培地に於いて増殖可能な足場
非依存性細胞が、無血清無蛋白質培地中でプロコラゲナ
ーゼを高単位に産生する事を見い出し、この知見をもと
に本発明を完成した。
1080由来で無血清無蛋白質培地に於いて増殖可能な足場
非依存性細胞が、無血清無蛋白質培地中でプロコラゲナ
ーゼを高単位に産生する事を見い出し、この知見をもと
に本発明を完成した。
以下、本発明のプロコラゲナーゼ製造方法を説明す
る。
る。
まず、ヒト線維肉腫細胞HT1080由来で無血清無蛋白質
培地に於いて増殖可能な足場非依存性細胞を無血清無蛋
白質培地に懸濁し、35〜37℃で静置培養する。
培地に於いて増殖可能な足場非依存性細胞を無血清無蛋
白質培地に懸濁し、35〜37℃で静置培養する。
ヒト線維肉腫細胞HT1080由来で無血清無蛋白質培地に
於いて増殖可能な足場非依存性細胞は、ヒト線維肉腫細
胞HT1080(ATCC CCL 121)を無血清無蛋白質培地中で培
養し、ここで生育可能な細胞を選別することによって得
ることが出来る。すなわち、3〜4日の割合で細胞を含
む培養懸濁液の1/5〜1/2量を捨て、同量の新鮮な無血清
無蛋白質培地を補充する方法で培地交換しながら、ヒト
線維肉腫細胞HT1080(ATCC CCL 121)を無血清無蛋白質
培地中で1〜2年間培養し続け、生育した細胞を選別す
ることにより得ることが出来る。この様な方法で得られ
る細胞は、ヒト線維肉腫細胞HT1080(ATCC CCL 121)が
足場依存性であるのに対し、足場非依存性である。かく
して得られた細胞の1つは、「ヒト線維肉腫HT−P12−
4」と表示して工業技術院微生物工業技術研究所に寄託
した(受託番号、FERM P−10912)。
於いて増殖可能な足場非依存性細胞は、ヒト線維肉腫細
胞HT1080(ATCC CCL 121)を無血清無蛋白質培地中で培
養し、ここで生育可能な細胞を選別することによって得
ることが出来る。すなわち、3〜4日の割合で細胞を含
む培養懸濁液の1/5〜1/2量を捨て、同量の新鮮な無血清
無蛋白質培地を補充する方法で培地交換しながら、ヒト
線維肉腫細胞HT1080(ATCC CCL 121)を無血清無蛋白質
培地中で1〜2年間培養し続け、生育した細胞を選別す
ることにより得ることが出来る。この様な方法で得られ
る細胞は、ヒト線維肉腫細胞HT1080(ATCC CCL 121)が
足場依存性であるのに対し、足場非依存性である。かく
して得られた細胞の1つは、「ヒト線維肉腫HT−P12−
4」と表示して工業技術院微生物工業技術研究所に寄託
した(受託番号、FERM P−10912)。
なお、上記と同様にして得られた細胞の1つは、既に
公知のものもある(ヒト線維肉腫細胞HT1080−SF2、生
体の科学、37巻、4号、266頁、1986年参照)が、この
細胞も本発明の製造方法に使用し得る。
公知のものもある(ヒト線維肉腫細胞HT1080−SF2、生
体の科学、37巻、4号、266頁、1986年参照)が、この
細胞も本発明の製造方法に使用し得る。
無血清無蛋白質培地には、例えばハムF−12、イーグ
ルMEM、RPMI−1640、MEMダルベッコ液体培地等、通常の
無血清無蛋白質基礎培地から選ばれる1種または2種以
上の混合培地、好ましくはこれら培地にアミノ酸または
/およびビタミンを添加したpH6.5〜7.4の培地を使用す
る。アミノ酸または/およびビタミンの添加は、プロコ
ラゲナーゼ生産性を上昇させる効果が有る。これら培地
にはマイコプラズマによる汚染を防止するために例えば
硫酸ストレプトマイシン、硫酸カナマイシン等の抗生物
質を添加する事ができる。また培地のpHを調整するため
に適宜、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機
塩基を添加したり炭酸ガスを溶存させる事も出来る。
ルMEM、RPMI−1640、MEMダルベッコ液体培地等、通常の
無血清無蛋白質基礎培地から選ばれる1種または2種以
上の混合培地、好ましくはこれら培地にアミノ酸または
/およびビタミンを添加したpH6.5〜7.4の培地を使用す
る。アミノ酸または/およびビタミンの添加は、プロコ
ラゲナーゼ生産性を上昇させる効果が有る。これら培地
にはマイコプラズマによる汚染を防止するために例えば
硫酸ストレプトマイシン、硫酸カナマイシン等の抗生物
質を添加する事ができる。また培地のpHを調整するため
に適宜、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機
塩基を添加したり炭酸ガスを溶存させる事も出来る。
本発明に使用する細胞は、通常、培地1ml当り105個の
細胞密度以上で培養した時にプロコラゲナーゼの生産性
が高い。従って予め上記の培地で増殖させた細胞を集
め、好ましくは5X105〜3X106個/ml培地の細胞密度、さ
らに好ましくは1X106〜3X106個/ml培地の細胞密度に細
胞を懸濁し、通常4〜20日間、好ましくは7〜14日間静
置培養する。もちろん、上記の細胞密度以下で培養を開
始して細胞を増殖させ、これ以上の細胞密度に達してか
らさらに4〜20日間、好ましくは7〜14日間培養しても
良いことは言うまでもない。
細胞密度以上で培養した時にプロコラゲナーゼの生産性
が高い。従って予め上記の培地で増殖させた細胞を集
め、好ましくは5X105〜3X106個/ml培地の細胞密度、さ
らに好ましくは1X106〜3X106個/ml培地の細胞密度に細
胞を懸濁し、通常4〜20日間、好ましくは7〜14日間静
置培養する。もちろん、上記の細胞密度以下で培養を開
始して細胞を増殖させ、これ以上の細胞密度に達してか
らさらに4〜20日間、好ましくは7〜14日間培養しても
良いことは言うまでもない。
次に、遠心分離、濾過等の通常の分離手段で培養液か
ら細胞を除去し、得られる培養上清液をカラムクロマト
グラフィーに付しプロコラゲナーゼを分離精製する。
ら細胞を除去し、得られる培養上清液をカラムクロマト
グラフィーに付しプロコラゲナーゼを分離精製する。
カラムクロマトグラフィーによる分離精製は、通常2
段階で行なう。カラムから溶出されるプロコラゲナーゼ
は、後記のプロコラゲナーゼ量測定法により検出し、こ
れを指標に分画する。
段階で行なう。カラムから溶出されるプロコラゲナーゼ
は、後記のプロコラゲナーゼ量測定法により検出し、こ
れを指標に分画する。
第1段階目のカラムクロマトグラフィーでは、通常の
陽イオン交換体、例えばCM−セファロースCL−6B (フ
ァルマシア社製)あるいはヘパリン群特異的吸着体、例
えばヘパリンセファロース CL−6B(ファルマシア製)
を充填したカラムに培養上清を通し、下記の展開液で展
開し、粗製のプロコラゲナーゼの画分を分画する。
陽イオン交換体、例えばCM−セファロースCL−6B (フ
ァルマシア社製)あるいはヘパリン群特異的吸着体、例
えばヘパリンセファロース CL−6B(ファルマシア製)
を充填したカラムに培養上清を通し、下記の展開液で展
開し、粗製のプロコラゲナーゼの画分を分画する。
陽イオン交換体を充填したカラムクロマトグラフィー
の展開液には、CaCl2および非イオン界面活性剤を0.01
〜0.1v/v%含むトリス塩酸緩衝液と、CaCl2、非イオン
界面活性剤およびNaClを含むトリス塩酸緩衝液(pH7.
8)とを用い、直線的なNaClの濃度勾配をかけてプロコ
ラゲナーゼを溶出させる。非イオン界面活性剤には、ポ
リオキシエチレン ラウリルエーテルを用いるのが好ま
しい。プロコラゲナーゼはNaClが0.3〜0.5M濃度の時に
溶出する。
の展開液には、CaCl2および非イオン界面活性剤を0.01
〜0.1v/v%含むトリス塩酸緩衝液と、CaCl2、非イオン
界面活性剤およびNaClを含むトリス塩酸緩衝液(pH7.
8)とを用い、直線的なNaClの濃度勾配をかけてプロコ
ラゲナーゼを溶出させる。非イオン界面活性剤には、ポ
リオキシエチレン ラウリルエーテルを用いるのが好ま
しい。プロコラゲナーゼはNaClが0.3〜0.5M濃度の時に
溶出する。
ヘパリン群特異的吸着体を充填したカラムクロマトグ
ラフィーの展開液にも上記と同様の緩衝液を使用し得る
が、この場合、プロコラゲナーゼはNaClの濃度が0.4〜
0.6Mの時に溶出する。
ラフィーの展開液にも上記と同様の緩衝液を使用し得る
が、この場合、プロコラゲナーゼはNaClの濃度が0.4〜
0.6Mの時に溶出する。
次に、上記で溶出した粗製のプロコラゲナーゼ画分を
要すれば膜フィルターで濃縮後、金属キレートアフィニ
ティカラムクロマトグラフィーで精製する。
要すれば膜フィルターで濃縮後、金属キレートアフィニ
ティカラムクロマトグラフィーで精製する。
このカラムには、例えば、金属キレーティングセファ
ロース 6B(ファルマシア社製)に亜鉛をキレーティ
ングし、これ(亜鉛キレーティングセファロース 6
B)を充填したカラムを使用する。
ロース 6B(ファルマシア社製)に亜鉛をキレーティ
ングし、これ(亜鉛キレーティングセファロース 6
B)を充填したカラムを使用する。
展開液には、NaCl、CaCl2および非イオン界面活性
剤、例えばポリオキシエチレン ラウリルエーテルを含
む酢酸緩衝液(pH約4.8)と、NaCl、CaCl2および非イオ
ン界面活性剤を含む2−(モルホリノ)エタンスルホン
酸モノハイドレート緩衝液(pH約6.8)とを用い、pH勾
配をかけながら(pHを徐々に低下させながら)カラムを
展開する。
剤、例えばポリオキシエチレン ラウリルエーテルを含
む酢酸緩衝液(pH約4.8)と、NaCl、CaCl2および非イオ
ン界面活性剤を含む2−(モルホリノ)エタンスルホン
酸モノハイドレート緩衝液(pH約6.8)とを用い、pH勾
配をかけながら(pHを徐々に低下させながら)カラムを
展開する。
プロコラゲナーゼは、展開液のpHが約5.3付近に達し
た時に溶出されるのでこの画分を集め、要すれば分子ふ
るい膜、例えばDIAFLO YM−5あるいはYM−10(アミ
コン社製)等の膜を使用して濃縮し、さらに要すればpH
を約7.5に調整してプロコラゲナーゼの水溶液を得る。
プロコラゲナーゼの水溶液は、通常凍結して保存する。
た時に溶出されるのでこの画分を集め、要すれば分子ふ
るい膜、例えばDIAFLO YM−5あるいはYM−10(アミ
コン社製)等の膜を使用して濃縮し、さらに要すればpH
を約7.5に調整してプロコラゲナーゼの水溶液を得る。
プロコラゲナーゼの水溶液は、通常凍結して保存する。
[発明の効果] 本発明の方法によると高価な血清を使用することな
く、高収量でしかも高純度のプロコラゲナーゼを容易に
製造することが出来る。また、本発明の方法で使用する
細胞は足場非依存性であるので、小さい培養装置で培養
可能である利点も有する。従って、本発明の方法はプロ
コラゲナーゼの工業的製造方法として優れている。
く、高収量でしかも高純度のプロコラゲナーゼを容易に
製造することが出来る。また、本発明の方法で使用する
細胞は足場非依存性であるので、小さい培養装置で培養
可能である利点も有する。従って、本発明の方法はプロ
コラゲナーゼの工業的製造方法として優れている。
[実施例] 以下実施例により本発明をさらに詳細に説明する。な
お、プロコラゲナーゼの物理化学的、生化学的性質は、
以下の方法で測定した。
お、プロコラゲナーゼの物理化学的、生化学的性質は、
以下の方法で測定した。
なお、測定時に使用する測定用緩衝液とは、0.2MNaC
l,5mMCaCl2,0.05(v/v)%Brij−35(ポリオキシエチレ
ン23ラウリルエーテルの商品名)および0.02(w/v)%N
aN3を含有する50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)を意味す
る。また、特にことわりがない限り、%表示はv/v%を
意味する。
l,5mMCaCl2,0.05(v/v)%Brij−35(ポリオキシエチレ
ン23ラウリルエーテルの商品名)および0.02(w/v)%N
aN3を含有する50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)を意味す
る。また、特にことわりがない限り、%表示はv/v%を
意味する。
(a)プロコラゲナーゼ量の測定法 a−1)プロコラゲナーゼ量の定義: 以下の操作で、プロコラゲナーゼをトリプシンで活性
化し、生じるコラゲナーゼが1分間当り1μgのI型コ
ラーゲンを分解する量をプロコラゲナーゼの1単位とす
る。
化し、生じるコラゲナーゼが1分間当り1μgのI型コ
ラーゲンを分解する量をプロコラゲナーゼの1単位とす
る。
a−2)プロコラゲナーゼの活性化方法: 検体溶液を測定用緩衝液に溶解して約0.1〜0.7単位/m
lの溶液を調製し、これを試験液とする。
lの溶液を調製し、これを試験液とする。
次に、試験液50μにトリプシン溶液(濃度1mg/ml、
シグマ社製トリプシンType12を測定用緩衝液に溶解して
調製)20μを添加し、35℃にて5分間インキュベート
した後、ダイズトリプシンインヒビター溶液(濃度3mg/
ml、メルク社製ダイズトリプシンインヒビターを測定用
緩衝液に溶解して調製)30μを添加してトリプシンを
失活させ、コラゲナーゼ溶液を得る。
シグマ社製トリプシンType12を測定用緩衝液に溶解して
調製)20μを添加し、35℃にて5分間インキュベート
した後、ダイズトリプシンインヒビター溶液(濃度3mg/
ml、メルク社製ダイズトリプシンインヒビターを測定用
緩衝液に溶解して調製)30μを添加してトリプシンを
失活させ、コラゲナーゼ溶液を得る。
a−3)コラゲナーゼ活性の測定方法: 牛由来I型コラーゲンをフルオレッセンイソチオシア
ネートで標識した基質溶液、すなわちFITC−コラーゲン
(コスモバイオ社製)の0.01N酢酸溶液(濃度1mg/ml)
を用い、永井等の方法(炎症、4巻、123頁、1984年
参照)に従って上記コラゲナーゼ溶液の活性(単位/m
l)を測定する。
ネートで標識した基質溶液、すなわちFITC−コラーゲン
(コスモバイオ社製)の0.01N酢酸溶液(濃度1mg/ml)
を用い、永井等の方法(炎症、4巻、123頁、1984年
参照)に従って上記コラゲナーゼ溶液の活性(単位/m
l)を測定する。
(b)分子量の測定: レムリーの方法(U.K.Laemmli,Nature,237巻、680
頁、1970年)に従い、SDS−ポリアクリルアミドゲルの
スラブ型電気泳動(6%ゲル)法で測定した。標準分子
量マーカーとして、ウサギ筋肉ホスホリラーゼb(分子
量94000)、ウシ血清アルブミン(分子量68000)、卵白
オブアルブミン(分子量43000)、ウシ赤血球カーボニ
ックアンヒドラーゼ(分子量30000)を用いた。
頁、1970年)に従い、SDS−ポリアクリルアミドゲルの
スラブ型電気泳動(6%ゲル)法で測定した。標準分子
量マーカーとして、ウサギ筋肉ホスホリラーゼb(分子
量94000)、ウシ血清アルブミン(分子量68000)、卵白
オブアルブミン(分子量43000)、ウシ赤血球カーボニ
ックアンヒドラーゼ(分子量30000)を用いた。
(c)パラアミノフェニル水銀酢酸(APMA)による活性
化の検討: 測定用緩衝液にプロコラゲナーゼを溶解し、約400単
位/mlの溶液を調製し、この140μにパラアミノフェニ
ル水銀酢酸の8mM溶液(測定用緩衝液に溶解して調製)2
0μを加え、35℃にて2時間インキュベートする。そ
の後、前記a−3)の方法でコラゲナーゼ活性を測定す
る。
化の検討: 測定用緩衝液にプロコラゲナーゼを溶解し、約400単
位/mlの溶液を調製し、この140μにパラアミノフェニ
ル水銀酢酸の8mM溶液(測定用緩衝液に溶解して調製)2
0μを加え、35℃にて2時間インキュベートする。そ
の後、前記a−3)の方法でコラゲナーゼ活性を測定す
る。
(d)活性化して得られるコラゲナーゼの基質特異性お
よびコラーゲンの切断様式の測定: 上記(c)の方法でAPMAとのインキュベートにより活
性化して得たコラゲナーゼ溶液を、測定用緩衝液で60単
位/mlに希釈し、この10μをそれぞれI型、II型およ
びIII型可溶性コラーゲンの測定用緩衝液溶液(濃度1.5
mg/ml)100μに加え、37℃で4時間インキュベート
し、この溶液を上記(b)と同様にして電気泳動する。
よびコラーゲンの切断様式の測定: 上記(c)の方法でAPMAとのインキュベートにより活
性化して得たコラゲナーゼ溶液を、測定用緩衝液で60単
位/mlに希釈し、この10μをそれぞれI型、II型およ
びIII型可溶性コラーゲンの測定用緩衝液溶液(濃度1.5
mg/ml)100μに加え、37℃で4時間インキュベート
し、この溶液を上記(b)と同様にして電気泳動する。
(e)阻害剤の検討 上記(a)に記載の通り、トリプシンで活性化して得
たコラゲナーゼ溶液あるいは上記(c)に記載の通りAP
MAで活性化して得たコラゲナーゼ溶液を測定用緩衝液に
て0.5単位/mlに希釈し、この50μに阻害剤溶液[エチ
レンジアミン4酢酸2ナトリウム溶液(測定用緩衝液に
溶解、濃度20mM)、オルトフェナンスロリン溶液(測定
用緩衝液に溶解、濃度20mM)、あるいは組織金属プロテ
イナーゼ阻害物質の溶液(測定用緩衝液に溶解、濃度40
単位/ml)]50μを加え、前記(a)の方法でコラゲ
ナーゼ活性を測定し、阻害能を判定する。なお、組織金
属プロテイナーゼ阻害物質(The Journal of Biochemis
try,254巻、1938頁、1979年参照)は、ヒト線維芽細胞W
S−1株(ATCC CRL 1502)を培養し、CMセファロース
CL−6B、亜鉛キレーティングセファロース 6B(い
ずれもファルマシア社製)およびG−3000 SW−XL(東
洋ソーダ社製)を用いたカラムクロマトグラフィーによ
り調製した。
たコラゲナーゼ溶液あるいは上記(c)に記載の通りAP
MAで活性化して得たコラゲナーゼ溶液を測定用緩衝液に
て0.5単位/mlに希釈し、この50μに阻害剤溶液[エチ
レンジアミン4酢酸2ナトリウム溶液(測定用緩衝液に
溶解、濃度20mM)、オルトフェナンスロリン溶液(測定
用緩衝液に溶解、濃度20mM)、あるいは組織金属プロテ
イナーゼ阻害物質の溶液(測定用緩衝液に溶解、濃度40
単位/ml)]50μを加え、前記(a)の方法でコラゲ
ナーゼ活性を測定し、阻害能を判定する。なお、組織金
属プロテイナーゼ阻害物質(The Journal of Biochemis
try,254巻、1938頁、1979年参照)は、ヒト線維芽細胞W
S−1株(ATCC CRL 1502)を培養し、CMセファロース
CL−6B、亜鉛キレーティングセファロース 6B(い
ずれもファルマシア社製)およびG−3000 SW−XL(東
洋ソーダ社製)を用いたカラムクロマトグラフィーによ
り調製した。
実施例1 ハム−F12培地[ハムF−12粉末培地(日水製薬社
製)10.6gを蒸留水1に溶解して調製、以下HF培地と
呼ぶ]1当りに、粉末イーグルアミノ酸ビタミン培地
(日水製薬社製)1.76g、炭酸水素ナトリウム1.6g、硫
酸ストレプトマイシン50mgおよび硫酸カナマイシン60mg
を加えた後、炭酸ガスを吹き込んでpHを約7に調整し培
地を調製した(以下、これをHF−AV培地と呼ぶ)。
製)10.6gを蒸留水1に溶解して調製、以下HF培地と
呼ぶ]1当りに、粉末イーグルアミノ酸ビタミン培地
(日水製薬社製)1.76g、炭酸水素ナトリウム1.6g、硫
酸ストレプトマイシン50mgおよび硫酸カナマイシン60mg
を加えた後、炭酸ガスを吹き込んでpHを約7に調整し培
地を調製した(以下、これをHF−AV培地と呼ぶ)。
ヒト線維肉腫細胞HT1080由来で無血清無蛋白質培地に
於いて生育可能な足場非依存性細胞(ヒト線維肉腫HT−
P12−4と表示し、工業技術院微生物工業技術研究所に
寄託済み、受託番号、FERM P−10912)を、HF−AV培地
に懸濁し、1X105個/ml培地の懸濁液として前培養した。
すなわち、この懸濁液を12個のフラスコ(底面積それぞ
れ225cm2)に50mlずつ加え、95%空気−5%炭酸ガスの
雰囲気下、37℃で14日間静置培養した。この間、培養開
始より4日目、8日目および11日目にそれぞれHF−AV培
地50mlを添加した。
於いて生育可能な足場非依存性細胞(ヒト線維肉腫HT−
P12−4と表示し、工業技術院微生物工業技術研究所に
寄託済み、受託番号、FERM P−10912)を、HF−AV培地
に懸濁し、1X105個/ml培地の懸濁液として前培養した。
すなわち、この懸濁液を12個のフラスコ(底面積それぞ
れ225cm2)に50mlずつ加え、95%空気−5%炭酸ガスの
雰囲気下、37℃で14日間静置培養した。この間、培養開
始より4日目、8日目および11日目にそれぞれHF−AV培
地50mlを添加した。
14日間培養の後、培養上清液を吸引して廃棄の後、遠
心分離(600rpm,15分間)により細胞を集めた。
心分離(600rpm,15分間)により細胞を集めた。
得られた細胞を、HF−AV培地に懸濁し、細胞密度1X10
6個/ml培地の懸濁液を調製し、この懸濁液を60mlずつ6
個のフラスコ(底面積175cm2)に加え、95%空気−5%
炭酸ガスの雰囲気下、37℃で14日間静置培養した。
6個/ml培地の懸濁液を調製し、この懸濁液を60mlずつ6
個のフラスコ(底面積175cm2)に加え、95%空気−5%
炭酸ガスの雰囲気下、37℃で14日間静置培養した。
培養液を集め、遠心分離(1000rpm、5分間)して培
養上清約340mlを得、これに1mM CaCl2および0.05% Bri
j−35(ポリオキシエチレン23ラウリルエーテルの商品
名)を含む10mMトリス塩酸緩衝液(4℃でpH7.8、以
下、CM−A緩衝液と略記する)を加えて600mlの溶液を
得た。
養上清約340mlを得、これに1mM CaCl2および0.05% Bri
j−35(ポリオキシエチレン23ラウリルエーテルの商品
名)を含む10mMトリス塩酸緩衝液(4℃でpH7.8、以
下、CM−A緩衝液と略記する)を加えて600mlの溶液を
得た。
次に、この溶液を、CM−A緩衝液で平衡化したCM−セ
ファロースCL−6B (ファルマシア社製)が充填された
カラム(2.46cm X 18cm、充填容量85ml)に供した。CM
−A緩衝液でカラムを洗浄後、CM−A緩衝液250mlと、
0.7MNaClを含むCM−A緩衝液250mlとを用いて直線的な
濃度勾配法により毎時40mlの流速で展開した。プロコラ
ゲナーゼはNaCl濃度が0.3〜0.5Mの時に溶出した。
ファロースCL−6B (ファルマシア社製)が充填された
カラム(2.46cm X 18cm、充填容量85ml)に供した。CM
−A緩衝液でカラムを洗浄後、CM−A緩衝液250mlと、
0.7MNaClを含むCM−A緩衝液250mlとを用いて直線的な
濃度勾配法により毎時40mlの流速で展開した。プロコラ
ゲナーゼはNaCl濃度が0.3〜0.5Mの時に溶出した。
プロコラーゲナーゼを含む画分114ml(濃度、306単位
/ml)を集め、DIAFLO YM−5膜(アミコン社製)を用
いて濃縮して粗精製プロコラゲナーゼ溶液(濃度2123単
位/ml)15mlを得た。
/ml)を集め、DIAFLO YM−5膜(アミコン社製)を用
いて濃縮して粗精製プロコラゲナーゼ溶液(濃度2123単
位/ml)15mlを得た。
この溶液を、0.5MNaCl、1mM CaCl2および0.05%Brij
−35(ポリオキシエチレン23ラウリルエーテルの商品
名)を含む50mM 2−(モルホリノ)エタンスルホン酸
モノハイドレート緩衝液(トリスにて4℃でpH6.8に調
整、以下、MES−A緩衝液と略記する)で平衡化した亜
鉛キレーティングセファロース6B (ファルマシア社
製)を充填したカラム(1.2cm X 16cm、充填容量18ml)
に供した。カラムをMES−A緩衝液で充分洗浄後、0.5MN
aCl、1mM CaCl2および0.05%Brij−35(ポリオキシエチ
レン23ラウリルエーテルの商品名)を含む酢酸緩衝液
(トリスにて4℃でpH4.8に調整、以下、酢酸緩衝液と
略記する)45mlと、MES−A緩衝液45mlとを用いて、毎
時13mlの流速でpH勾配をかけながら(pHを低下させなが
ら)展開した。プロコラゲナーゼはpHが5.3付近で単一
ピークとして溶出した。この画分を集めプロコラゲナー
ゼの溶液6.1ml(5619単位/ml)を得た。
−35(ポリオキシエチレン23ラウリルエーテルの商品
名)を含む50mM 2−(モルホリノ)エタンスルホン酸
モノハイドレート緩衝液(トリスにて4℃でpH6.8に調
整、以下、MES−A緩衝液と略記する)で平衡化した亜
鉛キレーティングセファロース6B (ファルマシア社
製)を充填したカラム(1.2cm X 16cm、充填容量18ml)
に供した。カラムをMES−A緩衝液で充分洗浄後、0.5MN
aCl、1mM CaCl2および0.05%Brij−35(ポリオキシエチ
レン23ラウリルエーテルの商品名)を含む酢酸緩衝液
(トリスにて4℃でpH4.8に調整、以下、酢酸緩衝液と
略記する)45mlと、MES−A緩衝液45mlとを用いて、毎
時13mlの流速でpH勾配をかけながら(pHを低下させなが
ら)展開した。プロコラゲナーゼはpHが5.3付近で単一
ピークとして溶出した。この画分を集めプロコラゲナー
ゼの溶液6.1ml(5619単位/ml)を得た。
ここで得られたプロコラゲナーゼは、以下に示す物理
化学的、生化学的性質から間質型コラゲナーゼの前駆体
であるプロコラゲナーゼと同定された。
化学的、生化学的性質から間質型コラゲナーゼの前駆体
であるプロコラゲナーゼと同定された。
・分子量:52000 ・活性化:そのままではコラゲナーゼ活性を示さない
が、トリプシン、パラアミノフェニル水銀酢酸およびパ
ラクロロ水銀安息香酸で活性化され、分子量43000のコ
ラゲナーゼが生成する。
が、トリプシン、パラアミノフェニル水銀酢酸およびパ
ラクロロ水銀安息香酸で活性化され、分子量43000のコ
ラゲナーゼが生成する。
・活性化により生成するコラゲナーゼの基質特異性:I
型、II型およびIII型コラーゲンを加水分解し、これら
を3:1に切断する。
型、II型およびIII型コラーゲンを加水分解し、これら
を3:1に切断する。
・阻害剤:活性化により生成したコラゲナーゼは、エチ
レンジアミン4酢酸2ナトリウム、オルトフェナンスロ
リンおよびヒト線維芽細胞WS−1(ATCC CRL 1502)由
来組織金属プロテイナーゼ阻害物質により阻害される。
レンジアミン4酢酸2ナトリウム、オルトフェナンスロ
リンおよびヒト線維芽細胞WS−1(ATCC CRL 1502)由
来組織金属プロテイナーゼ阻害物質により阻害される。
実施例2 実施例1の場合と同一の細胞を前培養し(前培養条件
は実施例1の場合に同じ)、HF−AV培地に懸濁し、それ
ぞれ5X105,8X105,1X106および2X106個/ml培地の細胞懸
濁液を調製した。この60mlずつをそれぞれ底面積175cm2
のフラスコ内に入れ95%空気−5%炭酸ガスの雰囲気
下、37℃で14日間静置培養した。
は実施例1の場合に同じ)、HF−AV培地に懸濁し、それ
ぞれ5X105,8X105,1X106および2X106個/ml培地の細胞懸
濁液を調製した。この60mlずつをそれぞれ底面積175cm2
のフラスコ内に入れ95%空気−5%炭酸ガスの雰囲気
下、37℃で14日間静置培養した。
培養開始7日目および14日目に、各フラスコから培養
液1mlを採取した。2.5%Brij−35(ポリオキシエチレン
23ラウリルエーテルの商品名)20μ、次いで上記培養
液1mlをポリスチレン性遠沈管に入れ、1000rpmで5分間
遠心分離し、得られた培養上澄液を以下の分析時まで−
80℃で凍結保存した。
液1mlを採取した。2.5%Brij−35(ポリオキシエチレン
23ラウリルエーテルの商品名)20μ、次いで上記培養
液1mlをポリスチレン性遠沈管に入れ、1000rpmで5分間
遠心分離し、得られた培養上澄液を以下の分析時まで−
80℃で凍結保存した。
凍結保存していた培養上清をすみやかに解凍し、以下
の通りカラムクロマトグラフィーでコラゲナーゼ阻害物
質を除去し、プロコラゲナーゼ定量用試験溶液を調製し
た。
の通りカラムクロマトグラフィーでコラゲナーゼ阻害物
質を除去し、プロコラゲナーゼ定量用試験溶液を調製し
た。
培養上澄液からのコラゲナーゼ阻害物質の除去法: MES−A緩衝液で平衡化した亜鉛−キレーティングセ
ファロース 6B(ファルマシア社製)0.5mlをカラムに
充填し、培養上清液0.5mlをカラム上部に加えた。
ファロース 6B(ファルマシア社製)0.5mlをカラムに
充填し、培養上清液0.5mlをカラム上部に加えた。
次いで、酢酸緩衝液とMES緩衝液とを混合してpH6.2の
緩衝液を調製し、カラムを4回洗浄した(1回当り1ml
の緩衝液を使用)。
緩衝液を調製し、カラムを4回洗浄した(1回当り1ml
の緩衝液を使用)。
次いで酢酸緩衝液とMES緩衝液を混合してpH5.3の緩衝
液を調製し、この緩衝液をカラムに2回通した(1回当
り1mlの緩衝液を使用)。
液を調製し、この緩衝液をカラムに2回通した(1回当
り1mlの緩衝液を使用)。
溶出液(pH5.3の画分)を集め、1N NaOHで中和し、プ
ロコラゲナーゼ定量用溶液を得た。
ロコラゲナーゼ定量用溶液を得た。
次に、前記のプロコラゲナーゼ量測定法に従い、この
溶液中のプロコラゲナーゼ量を測定し、この値から、プ
ロコラゲナーゼの生産量(単位/ml培地)を算出した。
溶液中のプロコラゲナーゼ量を測定し、この値から、プ
ロコラゲナーゼの生産量(単位/ml培地)を算出した。
結果を第1表に示す。
Claims (1)
- 【請求項1】ヒト線維肉腫細胞HT1080由来で無血清無蛋
白質培地に於いて生育可能な足場非依存性細胞を、無血
清無蛋白質培地で培養し、培養液から分子量52000のプ
ロコラゲナーゼを分離精製することを特徴とするプロコ
ラゲナーゼの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23894189A JP2879906B2 (ja) | 1989-09-14 | 1989-09-14 | プロコラゲナーゼの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23894189A JP2879906B2 (ja) | 1989-09-14 | 1989-09-14 | プロコラゲナーゼの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03103178A JPH03103178A (ja) | 1991-04-30 |
JP2879906B2 true JP2879906B2 (ja) | 1999-04-05 |
Family
ID=17037559
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23894189A Expired - Lifetime JP2879906B2 (ja) | 1989-09-14 | 1989-09-14 | プロコラゲナーゼの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2879906B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ES2281133T3 (es) * | 1997-07-23 | 2007-09-16 | Roche Diagnostics Gmbh | Identificacion de lineas celulares humanas para la produccion de proteinas humanas mediante la activacion endogena de genes. |
-
1989
- 1989-09-14 JP JP23894189A patent/JP2879906B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03103178A (ja) | 1991-04-30 |
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