JP2879015B2 - 防爆弁付コンデンサ用アルミケース - Google Patents

防爆弁付コンデンサ用アルミケース

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JP2879015B2 JP16940496A JP16940496A JP2879015B2 JP 2879015 B2 JP2879015 B2 JP 2879015B2 JP 16940496 A JP16940496 A JP 16940496A JP 16940496 A JP16940496 A JP 16940496A JP 2879015 B2 JP2879015 B2 JP 2879015B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、防爆弁を設けた
防爆弁付コンデンサ用アルミケースに関する。
【0002】
【従来の技術】従来からコンデンサは、一端閉鎖で一端
開口の筒状のアルミケース内に収容されており、そのア
ルミケースの開口部から外部に端子が引き出され、その
端子を基板などに接続している。特に、電解コンデンサ
の場合には電解液が漏れないように気密性を高めている
ため、コンデンサに過電圧や逆電圧がかかった際に、コ
ンデンサの内部の圧力が高くなってアルミケースが爆発
し、コンデンサ素子が発火して火事になったり煙が出た
りする不具合が発生していた。この不具合を解消するた
めに、コンデンサのアルミケースに、内部が所定の圧力
以上になった時に破れる肉厚の薄い薄肉部(防爆弁)を
設けておき、所定の圧力になると薄肉部が破れて、爆発
の被害をそのコンデンサ以外に及ぼさないようにした防
爆弁付コンデンサ用アルミケースが従来から提供されて
いる。防爆弁としての薄肉部は、一般にはアルミケース
の底面(閉鎖端面)に形成されており、ケースの外側ま
たは内側から刻印金型等によって、アルファベット等の
文字や図形が形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】防爆弁付きコンデンサ
用アルミケースには、その外面に合成樹脂製の被膜を溶
着したものがあり、その構造を図3並びに図4に示す。
一端閉鎖で一端開口の筒状のアルミケース30の外面に
は、製品番号や型名やメーカー名等の種々の種々の情報
を印刷するための合成樹脂製の被膜32が溶着されてい
る。アルミケース30の閉鎖端面である底面34には、
その底面34よりも厚みが薄い防爆弁としての薄肉部3
6が形成される。この薄肉部36は、底面34の内側に
刻印金型38によって溝40を設けることによって形成
される。即ち、底面34における溝40の形成した箇所
が防爆弁としての薄肉部36となる。従来は、溝40の
深さが一定、即ち薄肉部36の厚さが一定とされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】防爆弁としての薄肉部
36は、前述したように、図形やアルファベット等の文
字が形成されている。例えば、図4に示すように、
「+」の図形の場合には、4本の溝が交差する交点42
が存在する。このように、4本の溝が交差する交点42
は、アルミケース10の内部の圧力が所定の圧力になる
前に破壊される事態がたびたび生じていた。図示はしな
いが、例えば「T」の字のように3本の溝が交差する交
点や、交点「大」の字のように5本の溝が交差する交点
も、同様に所定の圧力になる前に破壊される率が高かっ
た。3本以上の溝が交差する交点には集中荷重がかかり
易く、そのため、所定の圧力になる前に、交点に破壊が
生じると考えられる。
【0005】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
で、防爆弁用の薄肉部を形成する3本以上の溝の交点に
おいて、その交点の薄肉部が所定の圧力以下で破壊され
ることを防止できるようにした防爆弁付コンデンサ用ア
ルミケースを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の目的を
達成するために、一端閉鎖の筒状のアルミケースの底面
に内側から溝を形成することによって薄肉部を設けた防
爆弁付コンデンサ用アルミケースにおいて、前記溝が3
以上交わる交点の薄肉部の厚みを交点付近の厚みより厚
くしたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明を図面に基づいて説
明する。図1は本発明に係るコンデンサ用アルミケース
の要部断面図である。アルミケース10は一端閉鎖で一
端開口の筒状をしており、そのアルミケース10の外面
には、製品番号や型名やメーカー名等の種々の情報を印
刷するための合成樹脂製の被膜12が溶着されている。
閉鎖端面である底面14には、アルミケース10の内側
から図示しない刻印金型によって溝16を形成する。底
面14のうち、その溝16を形成した箇所は肉厚の薄い
薄肉部18となる。この底面14における薄肉部18の
厚みは、例えば、底面14の中央部付近の厚みが相対的
に薄く、外側に向けて徐々に厚みが厚くなるテーパ状と
するのが望ましい。このテーパ状の薄肉部18の厚み
は、アルミケース10の内部の圧力が所定の高い圧力に
なった時に、薄肉部18のうち厚みの相対的に薄い箇所
が破れ、薄肉部18のうち厚みの相対的に厚い外側は破
れることがないようにするのが望ましい。
【0008】文字や図形を構成する際に、一般に溝16
同士が交差する交点が存在する。本発明においては、交
点に至る溝16の本数が3以上のものにおいて、その交
点の位置の薄肉部18に、厚み部20を形成する。この
厚み部20は、溝16内に盛り上がった状態で形成され
る。ここで、交点に至る溝16の本数は、交点から異な
る方向へ伸びる溝16の数とする。即ち、「T」の字で
は、交点からは3本の線が伸びているので、この場合は
3本の溝が交差するものとする。図2に示すような
「+」の字では、交点からは4本の線が伸びているの
で、この場合は4本の溝が交差するものとする。「大」
の字では、交点からは5本の線が伸びているので、この
場合は5本の溝が交差するものとする。このように、4
本以上の溝16が交差する交点が存在する場合、その交
点における薄肉部18に厚み部20を設けて、その位置
の薄肉部18の厚みを厚くする。以上のように、3本以
上の溝16が交差する交点において、薄肉部18に厚み
部20を形成してあるので、3本以上の溝16が交差す
る交点の薄肉部18が、所定の圧力になる前に破れると
う不具合を解消することができる。
【0009】図1や図2において、薄肉部18の厚み
は、交点を除いて、底面14の中央部付近が薄く、外側
に向かうにつれて厚くなるテーパ状とした(テーパ状で
ないものでも適用できる)が、これは所定の圧力がかか
った際に、薄肉部18全体が破れるのではなく、薄肉部
18のうち肉厚の薄い部分がが破れるようにするためで
ある。一般に、溝16が交差する交点は、底面14の中
央部付近に多く存在するので、本発明は、薄肉部18の
厚みが中央部付近が相対的に薄く外側が相対的に厚い場
合に特に有効である。
【0010】なお、図1や図2で、アルミケース10の
外面に被膜12を溶着したものを示したが、最近多様さ
れる被膜12を溶着したアルミケース10に付いて例示
したものであるが、アルミケース10の外面に被膜12
を有しないものであっても、本発明を適用することがで
きる。更に、アルミケース10の内側ではなくて、外側
に溝16を形成したものであっても、本発明を適用する
ことができる。
【0011】
【発明の効果】以上説明のように、本発明に係る防爆弁
付コンデンサ用アルミケースによれば、3本以上の溝が
交差する交点における薄肉部の厚みを厚くすることによ
って、その交点の薄肉部が所定の圧力以下で破壊される
ことを防止することができる。更に、薄肉部の厚みが中
央部付近が相対的に薄く外側が相対的に厚い場合で、中
央部付近に溝の交点が存在する場合に、特に有効であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防爆弁付コンデンサ用アルミケー
スの一実施態様を示す要部断面図である。
【図2】図1の防爆弁付コンデンサ用アルミケースの要
部斜視図である。
【図3】従来の防爆弁付コンデンサ用アルミケースの他
の実施態様を示す要部断面図である。
【図4】図3の防爆弁付コンデンサ用アルミケースの要
部斜視図である。
【符号の説明】
10 アルミケース 14 底面 16 溝 18 薄肉部 20 厚み部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端閉鎖の筒状のアルミケースの底面に
    溝を形成することによって薄肉部を設けた防爆弁付コン
    デンサ用アルミケースにおいて、前記溝が3以上交わる
    交点の薄肉部の厚みを交点付近の厚みより厚くしたこと
    を特徴とする防爆弁付コンデンサ用アルミケース。
  2. 【請求項2】 前記交点の薄肉部の厚みを除いて、底面
    の中央部付近の薄肉部の厚みを底面の外周に近い位置の
    薄肉部の厚みより薄くしたことを特徴とする請求項1記
    載の防爆弁付コンデンサ用アルミケース。
  3. 【請求項3】 前記交点の薄肉部の厚みを除いて、底面
    の中央部付近の薄肉部の厚みを底面の外周に近い位置の
    薄肉部の厚みよりテーパ状に薄くしたことを特徴とする
    請求項2記載の防爆弁付コンデンサ用アルミケース。
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