JP2878999B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

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JP2878999B2
JP2878999B2 JP7261565A JP26156595A JP2878999B2 JP 2878999 B2 JP2878999 B2 JP 2878999B2 JP 7261565 A JP7261565 A JP 7261565A JP 26156595 A JP26156595 A JP 26156595A JP 2878999 B2 JP2878999 B2 JP 2878999B2
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    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
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    • F16H3/00Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion
    • F16H3/44Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion using gears having orbital motion
    • F16H3/62Gearings having three or more central gears
    • F16H3/66Gearings having three or more central gears composed of a number of gear trains without drive passing from one train to another

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機の制御
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動変速機においては、エンジン
によって発生させられた回転をトルクコンバータ等の流
体伝動装置を介して変速装置に伝達し、該変速装置にお
いて変速を行うようになっている。そして、前記流体伝
動装置と変速装置との間に、第1クラッチ(入力クラッ
チ)が配設され、該第1クラッチを係脱することによっ
てニュートラルレンジ(以下「Nレンジ」という。)と
前進走行レンジとのレンジの切換えを行うことができる
ようになっている。
【0003】また、前記自動変速機においては、前進走
行レンジが選択された状態で、車両を停止させたとき
に、第1クラッチの係合力を低減させることによって、
ニュートラル制御を行い、エンジン側に加わる負荷を小
さくして燃費を良くするとともに、車両に振動が発生す
るのを防止するようにしている。ところで、前記自動変
速機の油温が低いと、油の粘性抵抗が大きくなり、その
結果、油路抵抗が大きくなって油圧の応答性が低くな
る。したがって、第1クラッチの油圧サーボに供給され
る油圧を低くしても、油圧サーボ内の実際の油圧の変化
に遅れが生じ、第1クラッチに応答遅れが発生してしま
う。
【0004】また、第1クラッチの各プレート間には油
が介在させられているので、油の粘性抵抗が大きくなる
と、第1クラッチに大きな引きずりが生じ、解放が行わ
れにくい状態になってしまう。そこで、自動変速機の油
温が設定値以上になるか、又はエンジンを始動してから
設定時間が経過したときにだけニュートラル制御を行う
ことによって、第1クラッチの応答性を高くするように
している(特公平3−21790号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の自動変速機の制御装置においては、自動変速機の油
温が設定値以上になったときにニュートラル制御を行う
場合、自動変速機の油温を検出する油温センサに検出誤
差があるので、前記設定値をニュートラル制御が可能な
油温より高くする必要がある。
【0006】したがって、実際にはニュートラル制御を
行うことができる油温に達していても、ニュートラル制
御が行われず、燃費を良くするという効果が低下してし
まう。また、エンジンを始動してから設定時間が経過し
たときにニュートラル制御を行う場合、エンジンを始動
したときの油温によって設定時間が経過したときの油温
が異なる。
【0007】したがって、実際にはニュートラル制御を
行うことができない油温であるにもかかわらず、ニュー
トラル制御が行われたり、実際にはニュートラル制御を
行うことができる油温に達していても、ニュートラル制
御が行われなかったりすることがある。本発明は、前記
従来の自動変速機の制御装置の問題点を解決して、クラ
ッチの応答遅れが発生するのを防止することができ、ニ
ュートラル制御によって燃費を良くする効果を最大限に
得ることができる自動変速機の制御装置を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の自
動変速機の制御装置においては、エンジンと連結された
流体伝動装置と、前進走行レンジが選択されたときに係
合させられるクラッチと、油圧の給排によって前記クラ
ッチを係脱させる油圧サーボと、該油圧サーボに供給さ
れる油圧を発生させる油圧発生手段と、前記前進走行レ
ンジが選択され、アクセルペダルが解放され、ブレーキ
ペダルが踏み込まれ、かつ、車速がほぼゼロである車両
停止状態を検出する停止状態検出手段と、制御装置とを
有する。
【0009】そして、該制御装置は、前記クラッチの解
放が開始されたかどうかを検出する解放検出手段と、前
記車両停止状態が検出されたときに、前記クラッチがほ
ぼ解放状態になるまで、前記油圧サーボに供給される油
圧を低くする減圧手段と、前記油圧サーボに供給される
油圧を設定圧より小さくしても、前記クラッチの解放の
開始が検出されない場合に、前記減圧手段による減圧を
直ちに中止して、前記油圧サーボに供給される油圧を高
くする増圧手段とを有する。
【0010】本発明の他の自動変速機の制御装置におい
ては、さらに、前記設定圧は、前記油圧サーボのリター
ンスプリングのスプリング荷重に対抗することができる
値に設定される。本発明の更に他の自動変速機の制御装
置においては、さらに、前記増圧手段は、前記油圧サー
ボに供給される油圧が設定圧より小さい状態が設定時間
継続しても、前記クラッチの解放の開始が検出されない
場合に、前記減圧手段による減圧を直ちに中止して、前
記油圧サーボに供給する油圧を高くする。
【0011】本発明の更に他の自動変速機の制御装置に
おいては、さらに、前記減圧手段は、前記増圧手段によ
る増圧が行われた後は、前記車両停止状態が検出されな
くなるまで減圧を行わない。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の
実施の形態における自動変速機の制御装置の機能ブロッ
ク図である。図において、10はエンジン、12は該エ
ンジン10の回転を変速装置16に伝達する流体伝動装
置としてのトルクコンバータ、C1は前進走行レンジが
選択されたときに係合させられるクラッチとしての第1
クラッチ、C−1は該第1クラッチC1を係脱させる油
圧サーボ、40は該油圧サーボC−1に供給される油圧
を発生させる油圧発生手段としての油圧制御装置であ
る。
【0013】また、100は前記前進走行レンジが選択
され、図示しないアクセルペダルが解放され、図示しな
いブレーキペダルが踏み込まれ、かつ、車速がほぼゼロ
である車両停止状態を検出する停止状態検出手段であ
る。そして、41は制御装置としての自動変速機制御装
置であり、該自動変速機制御装置41は、前記第1クラ
ッチC1の解放が開始されたかどうかを検出する解放検
出手段101と、前記車両停止状態が検出されたとき
に、前記第1クラッチC1がほぼ解放状態になるまで、
前記油圧サーボC−1に供給される油圧を低くする減圧
手段102と、前記油圧サーボC−1に供給される油圧
を設定圧より小さくしても、前記第1クラッチC1の解
放の開始が検出されない場合に、前記減圧手段102に
よる減圧を直ちに中止して、前記油圧サーボC−1に供
給される油圧を高くする増圧手段103とを有する。
【0014】図2は本発明の実施の形態における自動変
速機の概略図、図3は本発明の実施の形態における自動
変速機の作動を示す図である。図に示すように、エンジ
ン10によって発生させられた回転は、出力軸11を介
してトルクコンバータ12に伝達される。該トルクコン
バータ12はエンジン10の回転を、流体(作動油)を
介して出力軸14に伝達するが、車速が設定値以上にな
ると、ロックアップクラッチL/Cが係合させられ、出
力軸14に直接伝達することができるようになってい
る。
【0015】該出力軸14には、前進4段後進1段の変
速を行う変速装置16が接続される。該変速装置16
は、前進3段後進1段の変速を行う主変速機18及びア
ンダドライブの副変速機19から成る。そして、前記主
変速機18の回転は、カウンタドライブギヤ21及びカ
ウンタドリブンギヤ22を介して副変速機19に伝達さ
れ、該副変速機19の出力軸23の回転は、出力ギヤ2
4及びリングギヤ25を介してディファレンシャル装置
26に伝達される。
【0016】該ディファレンシャル装置26において
は、前記出力ギヤ24及びリングギヤ25を介して伝達
された回転が差動され、差動された回転が左右の駆動軸
27、28を介して図示しない駆動輪に伝達される。前
記主変速機18は、第1のプラネタリギヤユニット31
及び第2のプラネタリギヤユニット32を有するととも
に、前記第1のプラネタリギヤユニット31及び第2の
プラネタリギヤユニット32の各要素間においてトルク
の伝達を選択的に行うために、第1クラッチC1、第2
クラッチC2、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、
第3ブレーキB3、及びワンウェイクラッチF1、F2
を有する。
【0017】前記第1のプラネタリギヤユニット31
は、互いに並列に配設された第3ブレーキB3及びワン
ウェイクラッチF2を介して駆動装置ケース34と連結
されたリングギヤR1 、前記出力軸14に外嵌(かん)
されるとともに、回転自在に支持されたサンギヤ軸36
に形成されたサンギヤS1 、前記カウンタドライブギヤ
21と連結されたキャリヤCR1 、並びに前記リングギ
ヤR1 とサンギヤS1 との間において噛(し)合させら
れるとともに、前記キャリヤCR1 によって回転自在に
支持されたピニオンP1A、P1Bから成る。
【0018】そして、前記サンギヤ軸36は前記第2ク
ラッチC2を介して出力軸14と連結される。また、サ
ンギヤ軸36は、第1ブレーキB1を介して駆動装置ケ
ース34と連結されるとともに、直列に配設されたワン
ウェイクラッチF1及び第2ブレーキB2を介して駆動
装置ケース34と連結される。一方、前記第2のプラネ
タリギヤユニット32は、前記第1クラッチC1を介し
て出力軸14と連結されたリングギヤR2 、前記サンギ
ヤ軸36にサンギヤS 1 と一体に形成されたサンギヤS
2 、前記キャリヤCR1 と連結されたキャリヤCR2
及び前記リングギヤR2 とサンギヤS2 との間において
噛合させられ、キャリヤCR2 によって回転自在に支持
されるとともに、前記ピニオンP1Bと一体に形成された
ピニオンP2 から成る。
【0019】そして、前記カウンタドライブギヤ21
は、副変速機19に配設されたカウンタドリブンギヤ2
2と噛合させられ、主変速機18において変速された回
転を副変速機19に伝達する。該副変速機19は、第3
のプラネタリギヤユニット38を有するとともに、該第
3のプラネタリギヤユニット38の各要素間においてト
ルクの伝達を選択的に行うために、第3クラッチC3、
第4ブレーキB4及びワンウェイクラッチF3を有す
る。
【0020】前記第3のプラネタリギヤユニット38
は、カウンタドリブンギヤ22と連結されたリングギヤ
3 、前記出力軸23に回転自在に外嵌されたサンギヤ
軸39に形成されたサンギヤS3 、前記出力軸23に固
定されたキャリヤCR3 、前記リングギヤR3 とサンギ
ヤS3 との間において噛合させられるとともに、前記キ
ャリアCR3 によって回転自在に支持されたピニオンP
3 から成る。
【0021】次に、前記構成の自動変速機の動作につい
て説明する。図3において、S1は第1ソレノイドバル
ブ、S2は第2ソレノイドバルブ、S3は第3ソレノイ
ドバルブ、C1は第1クラッチ、C2は第2クラッチ、
C3は第3クラッチ、B1は第1ブレーキ、B2は第2
ブレーキ、B3は第3ブレーキ、B4は第4ブレーキ、
F1〜F3はワンウェイクラッチである。また、Rは後
進走行レンジを、NはNレンジを、DはDレンジを、1
STは1速の変速段を、2NDは2速の変速段を、3R
Dは3速の変速段を、4THは4速の変速段を示す。
【0022】そして、○は第1ソレノイドバルブS1、
第2ソレノイドバルブS2及び第3ソレノイドバルブS
3をそれぞれ開閉するための第1ソレノイド信号S1
第2ソレノイド信号S2 及び第3ソレノイド信号S3
オンの状態を、第1クラッチC1、第2クラッチC2、
第3クラッチC3、第1ブレーキB1、第2ブレーキB
2、第3ブレーキB3及び第4ブレーキB4が係合させ
られた状態を、ワンウェイクラッチF1〜F3がロック
した状態をそれぞれ示す。また、×は第1ソレノイドバ
ルブS1、第2ソレノイドバルブS2及び第3ソレノイ
ドバルブS3を開閉するための第1ソレノイド信号
1 、第2ソレノイド信号S2 及び第3ソレノイド信号
3 がオフの状態を、第1クラッチC1、第2クラッチC
2、第3クラッチC3、第1ブレーキB1、第2ブレー
キB2、第3ブレーキB3及び第4ブレーキB4が解放
された状態を、ワンウェイクラッチF1〜F3がフリー
の状態をそれぞれ示す。
【0023】なお、△はニュートラル制御時にオン・オ
フさせられる状態を、(○)はエンジンブレーキ時に第
3ブレーキB3が係合させられる状態を示す。Dレンジ
の1速時においては、第1クラッチC1及び第4ブレー
キB4が係合させられ、ワンウェイクラッチF2、F3
がロックさせられる。そして、出力軸14の回転は第1
クラッチC1を介してリングギヤR2 に伝達され、この
状態でワンウェイクラッチF2によってリングギヤR1
の回転が阻止されているので、サンギヤS2 を空転させ
ながらキャリヤCR2 の回転は大幅に減速させられてカ
ウンタドライブギヤ21に伝達される。
【0024】該カウンタドライブギヤ21からカウンタ
ドリブンギヤ22に伝達された回転は、リングギヤR3
に伝達されるが、第4ブレーキB4によってサンギヤS
3 の回転が阻止されているので、キャリヤCR3 の回転
は更に減速させられて出力軸23に伝達される。また、
Dレンジの2速時においては、第1クラッチC1、第1
ブレーキB1、第2ブレーキB2及び第4ブレーキB4
が係合させられ、ワンウェイクラッチF1、F3がロッ
クさせられる。そして、出力軸14の回転は第1クラッ
チC1を介してリングギヤR2 に伝達され、かつ、第2
ブレーキB2及びワンウェイクラッチF1によってサン
ギヤS2 の回転が阻止されているので、リングギヤR2
の回転は減速させられてキャリヤCR2 に伝達され、該
キャリヤCR2 の回転はリングギヤR1 を空転させなが
らカウンタドライブギヤ21に伝達される。
【0025】該カウンタドライブギヤ21からカウンタ
ドリブンギヤ22に伝達された回転は、リングギヤR3
に伝達されるが、第4ブレーキB4によってサンギヤS
3 の回転が阻止されているので、キャリヤCR3 の回転
は減速させられて出力軸23に伝達される。次に、Dレ
ンジの3速時においては、第1クラッチC1、第3クラ
ッチC3、第1ブレーキB1及び第2ブレーキB2が係
合させられ、ワンウェイクラッチF1がロックさせられ
る。そして、出力軸14の回転は第1クラッチC1を介
してリングギヤR2 に伝達され、かつ、第2ブレーキB
2及びワンウェイクラッチF1によってサンギヤS2
回転が阻止されているので、リングギヤR2 の回転は減
速させられてキャリヤCR2 に伝達され、該キャリヤC
2 の回転はリングギヤR1 を空転させながらカウンタ
ドライブギヤ21に伝達される。
【0026】該カウンタドライブギヤ21からカウンタ
ドリブンギヤ22に伝達された回転は、リングギヤR3
に伝達されるが、第3クラッチC3によってキャリヤC
3とサンギヤS3 との相対的な回転が阻止されている
ので、第3のプラネタリギヤユニット38が直結状態に
なる。したがって、カウンタドリブンギヤ22の回転は
出力軸23にそのまま伝達される。
【0027】次に、Dレンジの4速時においては、第1
クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3及
び第2ブレーキB2が係合させられる。そして、出力軸
14の回転は、第1クラッチC1を介してリングギヤR
2 に伝達されるとともに、第2クラッチC2を介してサ
ンギヤS2 に伝達され、第1のプラネタリギヤユニット
31及び第2のプラネタリギヤユニット32が直結状態
になる。したがって、出力軸11の回転はカウンタドラ
イブギヤ21にそのまま伝達される。
【0028】該カウンタドライブギヤ21からカウンタ
ドリブンギヤ22に伝達された回転は、リングギヤR3
に伝達されるが、第3クラッチC3によってキャリヤC
3とサンギヤS3 との相対的な回転が阻止されている
ので、第3のプラネタリギヤユニット38が直結状態に
なる。したがって、カウンタドリブンギヤ22の回転は
出力軸23にそのまま伝達される。
【0029】ところで、前記自動変速機には、第1クラ
ッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第1
ブレーキB1、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3及
び第4ブレーキB4を係脱して各変速段を達成するため
に油圧制御装置40が配設される。また、エンジン10
にはエンジン制御装置43が配設され、該エンジン制御
装置43によってエンジン10を制御することができる
ようになっている。
【0030】そして、前記油圧制御装置40及びエンジ
ン制御装置43は自動変速機制御装置(ECU)41に
接続され、該自動変速機制御装置41の制御プログラム
に従って作動させられる。また、前記自動変速機制御装
置41には、ニュートラルスタートスイッチ45、油温
センサ46、回転数センサ47、ブレーキスイッチ4
8、エンジン回転数センサ49、スロットル開度センサ
50及び車速センサ51がそれぞれ接続される。
【0031】そして、前記ニュートラルスタートスイッ
チ45によって図示しないシフトレバーのシフトポジシ
ョン、すなわち、選択されたレンジを、油温センサ46
によって油圧制御装置40内の油温を、回転数センサ4
7によって第1クラッチC1の入力側、すなわち、トル
クコンバータ12の出力回転数(以下「クラッチ入力側
回転数」という。)NC1を検出することができる。
【0032】また、ブレーキスイッチ48によって図示
しないブレーキペダルが踏み込まれているかどうかを、
エンジン回転数センサ49によってエンジン回転数NE
を、スロットル開度センサ50によってスロットル開度
θを、車速センサ51によって車速vを検出することが
できる。次に、前記油圧制御装置40について説明す
る。
【0033】図4は本発明の実施の形態における油圧制
御装置を示す第1の図、図5は本発明の実施の形態にお
ける油圧制御装置を示す第2の図である。図において、
プライマリバルブ59は図示しない油圧源からの油圧を
調整し、ライン圧として油路L−21に出力する。そし
て、マニュアルバルブ55はポート1、2、3、D、P
L 、Rを有し、前記プライマリバルブ59から油路L−
21及び油路L−4を介してポートPL に供給されたラ
イン圧が、図示しないシフトレバーを操作することによ
って各ポート1、2、3、D、Rにそれぞれ1レンジ
圧、2レンジ圧、3レンジ圧、Dレンジ圧及びRレンジ
圧として発生させられる。
【0034】前記シフトレバーをDレンジ位置に置く
と、前記ポートDに発生させられたDレンジ圧の油は、
油路L−1を介して第2ソレノイドバルブS2に、油路
L−2を介して1−2シフトバルブ57に、油路L−3
を介してB−1シーケンスバルブ56に供給される。ま
た、前記プライマリバルブ59からのライン圧は、油路
L−21を介して第3ソレノイドバルブS3に供給され
る。
【0035】そして、油路L−21からのライン圧は、
油路L−4を介してソレノイドモジュレータバルブ58
に、更に油路L−5を介して第1ソレノイドバルブS1
及び2−3シフトバルブ60に供給される。前記第1ソ
レノイドバルブS1、第2ソレノイドバルブS2及び第
3ソレノイドバルブS3を開閉するための第1ソレノイ
ド信号S1 、第2ソレノイド信号S 2 及び第3ソレノイ
ド信号S3 は、自動変速機制御装置41(図2)からの
切換信号を受けてオン・オフさせられ、前記第1ソレノ
イドバルブS1は油路L−8を介して1−2シフトバル
ブ57及び3−4シフトバルブ62に信号油圧を供給
し、第2ソレノイドバルブS2は油路L−9を介して2
−3シフトバルブ60に信号油圧を供給し、第3ソレノ
イドバルブS3は油路L−10を介してニュートラルリ
レーバルブ64に切換信号油圧を供給する。
【0036】前記1−2シフトバルブ57は、1速時に
上半位置(スプールの上側位置)を、2速〜4速時に下
半位置(スプールの下側位置)を採り、2−3シフトバ
ルブ60は1速及び2速時に下半位置を、3速及び4速
時に上半位置を採り、3−4シフトバルブ62は、1速
及び4速時に上半位置を、2速及び3速時に下半位置を
採り、ニュートラルリレーバルブ64は、ニュートラル
制御時に上半位置を、1速〜4速時に下半位置を採る。
【0037】前記ソレノイドモジュレータバルブ58
は、油路L−12を介してリニアソレノイドバルブ66
に接続され、該リニアソレノイドバルブ66は油路L−
13を介してC−1コントロールバルブ67に接続され
る。また、リニアソレノイドバルブ66は、更に油路L
−22を介してプライマリバルブ59に接続される。そ
して、前記リニアソレノイドバルブ66は自動変速機制
御装置41からの制御信号を受けて制御され、油路L−
13を介してC−1コントロールバルブ67に制御信号
油圧としてスロットル圧PTHを供給する。そして、前記
C−1コントロールバルブ67には、油路L−3、L−
14を介してDレンジ圧が供給され、C−1コントロー
ルバルブ67は、供給されたDレンジ圧を前記リニアソ
レノイドバルブ66からのスロットル圧PTHに対応した
油圧サーボC−1の制御油圧(以下「C−1油圧」とい
う。)PC1に調圧し、油路L−15に供給する。
【0038】前記B−1シーケンスバルブ56は、図に
おける左端にスプリングが配設され、図における右端に
制御油室が形成され、前記スプリングはスプールにスプ
リング荷重を加える。また、B−1シーケンスバルブ5
6は、1速時において油路L−3を介して前記制御油室
にDレンジ圧を受けて下半位置を採り、2速時において
油圧サーボB−2に油圧が供給されて油圧が立ち上がる
と、該油圧サーボB−2からシーケンス圧を受け、該シ
ーケンス圧及び前記スプリング荷重によってスプールが
右方に押され、上半位置を採る。
【0039】その結果、1−2シフトバルブ57からの
油圧が、B−1シーケンスバルブ56を介して3−4シ
フトバルブ62に供給され、該3−4シフトバルブ62
から更に、油路L−24及びB−1コントロールバルブ
70を介して油圧サーボB−1に供給される。このよう
に、油圧サーボB−2内の油圧の立上がりに対応させて
油圧サーボB−1に油圧が供給されるようになってい
る。
【0040】ところで、前記ニュートラルリレーバルブ
64は、ニュートラル制御時に上半位置を採る。したが
って、ニュートラル制御において、油路L−15に発生
させられたC−1油圧PC1は油路L−16、ニュートラ
ルリレーバルブ64及び油路L−17を介して油圧サー
ボC−1に供給される。また、B−1シーケンスバルブ
56を介して3−4シフトバルブ62に供給された油圧
は、1−2シフトバルブ57にも供給され、該1−2シ
フトバルブ57から更に、油路L−25、ニュートラル
リレーバルブ64及び油路L−23を介して信号圧とし
てB−1コントロールバルブ70に供給される。
【0041】そして、ニュートラルリレーバルブ64は
1速〜4速時において下半位置を採る。したがって、1
速〜4速時においてDレンジ圧の油は、油路L−3、ニ
ュートラルリレーバルブ64及び油路L−17を介して
油圧サーボC−1に供給される。また、前記ニュートラ
ルリレーバルブ64は、ニュートラル制御において上半
位置に切り換えられ、油路L−16と油路L−17とを
連結する。
【0042】なお、68は油路L−17に配設され、油
圧サーボC−1からの油の排出を滑らかにするためのダ
ンパバルブ、B−4は第4ブレーキB4(図3)の油圧
サーボである。次に、ニュートラル制御について説明す
る。図6は本発明の実施の形態におけるニュートラル制
御処理のフローチャート、図7は本発明の実施の形態に
おける自動変速機の制御装置のタイムチャートである。
なお、図7は後述する各サブルーチンの説明において援
用される。 ステップS1 自動変速機制御装置41(図2)は第1
クラッチ解放制御処理を行う。この場合、車速ゼロ推定
処理を行い、設定されたタイミングで2速の変速出力を
発生させ、第2ブレーキB2及び第1ブレーキB1の係
合を開始してヒルホールド制御を行い、設定されたタイ
ミングでC−1油圧PC1をスイープダウンする。
【0043】そのために、入力トルクに対応するエンジ
ン回転数NE を求め、該エンジン回転数NE に対応する
C−1油圧PC1を出力した後、該C−1油圧PC1を徐々
に低くする。なお、前記入力トルクは、エンジン回転数
E のほか、エンジン空気吸入量、燃料噴射量等から間
接的に検出することもできる。さらに、図示しないトル
クセンサによって変速装置16の入力トルクを直接検出
することもできる。また、この場合、トルクコンバータ
12の出力軸14に前記トルクセンサが取り付けられ
る。 ステップS2 インニュートラル制御処理を行い、ニュ
ートラル制御状態を形成する。この場合、エンジン回転
数NE 及びクラッチ入力側回転数NC1が安定するのを待
機し、両者が安定した後、両者に対応させてC−1油圧
C1を設定圧ずつ高くしたり低くしたりする。 ステップS3 第1クラッチ係合制御処理を行う。この
場合、C−1油圧PC1をスロットル開度θ、エンジン回
転数NE 等に基づいて設定された設定圧ずつ高くし、油
圧サーボC−1(図5)のピストンストロークにおける
ピストンの移動を終了させる。そして、前記油圧サーボ
C−1のピストンストロークにおけるピストンの移動が
終了した後、C−1油圧PC1を設定圧ずつ高くし、係合
ショックが発生するのを防止する。
【0044】次に、図6のステップS1における第1ク
ラッチ解放制御処理のサブルーチンについて、図8から
10までに基づいて説明する。図8は本発明の実施の形
態における第1クラッチ解放制御処理の第1のフローチ
ャート、図9は本発明の実施の形態における第1クラッ
チ解放制御処理の第2のフローチャート、図10は本発
明の実施の形態におけるエンジン回転数と入力トルク及
びC−1油圧との関係図、図12は本発明の実施の形態
における第1クラッチ解放制御処理のタイムチャートで
ある。なお、図10において、横軸にエンジン回転数N
E を、縦軸に入力トルクTT (=t・C・NE 2 )及び
C−1油圧PC1を採ってある。 ステップS1−1 フラグFLGAがオフであるかどう
かを判断する。フラグFLGAがオフである場合はステ
ップS1−8に、オフでない場合はステップS1−2に
進む。ここで、前記フラグFLGAは、図示しないイグ
ニッションスイッチが順にオン、オフ、オンになると初
期化されてオフにされる。 ステップS1−2 シフトポジョンがD、3、2及びL
以外であるかどうかを判断する。シフトポジョンがD、
3、2、及びL以外である場合はステップS1−3に、
シフトポジョンがD、3、2、及びLのうちの一つであ
る場合は、前進走行レンジが選択されたと判断してステ
ップS1−4に進む。 ステップS1−3 フラグFLGAをオフにして、ステ
ップS1−1に戻る。 ステップS1−4 図示しないアクセルペダルが踏み込
まれてアイドルオフになっているかどうかを判断する。
アイドルオフになっている場合はステップS1−3に、
アイドルオフになっていない場合はステップS1−5に
進む。 ステップS1−5 図示しないブレーキペダルが解放さ
れてブレーキオフになっているかどうかを判断する。ブ
レーキオフになっている場合はステップS1−3に、ブ
レーキオフになっていない場合はステップS1−6に進
む。 ステップS1−6 車速がゼロになっていないかどうか
を判断する。車速がゼロになっていない場合はステップ
S1−3に、車速がゼロになっている場合はステップS
1−7に進む。 ステップS1−7 エンジン回転数NE がアイドリング
回転数よりわずかに高く設定された値NEX以上であるか
どうかを判断する。エンジン回転数NE が値NEX以上で
ある場合はステップS1−3に進み、エンジン回転数N
E が値NEXより小さい場合はステップS1−1に戻る。 ステップS1−8 クラッチ入力側回転数NC1の変化量
に基づいて車速ゼロ推定処理を行う。 ステップS1−9 ニュートラル制御の開始条件が成立
するのを待機する。同時に図示しない第1タイマの計時
を開始する。
【0045】この場合、前記クラッチ入力側回転数NC1
がほぼ0になったこと、前記アクセルペダルが解放さ
れ、スロットル開度θが所定値以下になってアイドルオ
ンであること、前記ブレーキペダルが踏み込まれ、ブレ
ーキスイッチ48(図2)がオンになり、ブレーキオン
であることの各条件のすべてが満たされると、開始条件
が成立したと判断される。なお、クラッチ入力側回転数
C1がほぼ0になったかどうかは、回転数センサ47の
検出限界を検出したかどうかによって判断される。本実
施の形態においては、実際の車速が設定値(2〔km/
h〕)になったときに検出限界を検出したと判断する。 ステップS1−10 前記第1タイマの計時による時間
1 が経過するのを待機する。この場合、時間T1 は、
車速ゼロ推定処理によって計算され、時間T1 が経過し
たときに車速がゼロになると推定される。 ステップS1−11 ヒルホールド制御を開始するため
に2速の変速出力を発生させ、第1ソレノイドバルブS
1(図4)を開閉するための第1ソレノイド信号S1
オンにして、油圧サーボB−2に油圧を供給して第2ブ
レーキB2を係合させる。また、油圧サーボB−2内の
油圧の立上がりに伴って、B−1シーケンスバルブ56
(図5)に油圧サーボB−2内のシーケンス圧が供給さ
れ、前記油圧サーボB−1に油圧が供給され、第1ブレ
ーキB1が係合される。
【0046】このようにして、ヒルホールド制御が行わ
れ、変速装置16において2速の変速段が形成され、第
1クラッチC1、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2
及び第4ブレーキB4が係合させられ、ワンウェイクラ
ッチF1、F3がロックする。この状態で、登坂路にお
いて車両が後退しようとすると、副変速機19の出力軸
23に逆方向の回転が伝達され、リングギヤR1 を正方
向に回転させようとする。ところが、前記ワンウェイク
ラッチF2がこの回転を阻止するので、車両は後退しな
い。 ステップS1−12 第3ソレノイド信号S3 をオンに
し、ニュートラルリレーバルブ64を上半位置に切り換
え、C−1油圧PC1を制御可能な状態にする。 ステップS1−13 図10に示すように、入力トルク
T に対応するエンジン回転数NE を検出し、参照エン
ジン回転数NEmにエンジン回転数NE の値をセットす
る。 ステップS1−14 エンジン回転数NE に対応させて
第1クラッチC1が解放を開始する直前のC−1油圧P
C1を発生させて、出力する。 ステップS1−15 入力トルクTT に対応するエンジ
ン回転数NE を再び検出する。 ステップS1−16 エンジン回転数NE が参照エンジ
ン回転数NEmと比較して変化しているかどうかを判断す
る。エンジン回転数NE が参照エンジン回転数N Emと比
較して変化している場合はステップS1−17に、変化
していない場合はステップS1−18に進む。 ステップS1−17 ステップS1−16においてエン
ジン回転数NE が参照エンジン回転数NEmと比較して変
化していると判断されたときのエンジン回転数N E の値
を参照エンジン回転数NEmにセットし、新たな参照エン
ジン回転数NEmに対応するC−1油圧PC1を発生させ
て、出力する。 ステップS1−18 次の式に示すように、C−1油圧
C1を設定時間TDOWNが経過するごとに設定圧PTHDOWN
ずつ低く(スイープダウン)する。
【0047】PTH=PTH−PTHDOWN ステップS1−19 C−1油圧PC1が設定圧PX 以下
であること、クラッチ入力側回転数NC1が設定値NX
下であること、及びC−1油圧PC1が設定圧PX以下で
ある状態が設定時間TX だけ継続していることの三つの
条件が成立しているかどうかを判断する。三つの条件が
成立している場合はステップS1−20に、三つの条件
のうちの一つでも成立していない場合はステップS1−
23に進む。
【0048】なお、前記設定圧PX は、油圧サーボC−
1の図示しないリターンスプリングのスプリング荷重に
対抗することができる値に設定される。また、前記設定
値N X は、ゼロよりわずかに大きく、第1クラッチC1
の解放が開始され、スリップの開始を検出することがで
きる値に設定される。さらに、前記設定時間TX は、油
温が常温であるときの応答遅れに相当する時間に設定さ
れる。 ステップS1−20 フラグFLGAをオンにする。 ステップS1−21 1速の変速出力を行う。 ステップS1−22 第3ソレノイド信号S3 をオフに
して、ステップS1−1に戻る。 ステップS1−23 第1クラッチC1の解放状態が形
成された後、速度比e(=NC1/NE )が定数e1 より
大きくなるまでステップS1−18による減圧を継続
し、速度比eが定数e1 より大きくなると、ステップS
1−18の減圧を停止して処理を終了し、速度比eが定
数e1 より大きくならないと、ステップS1−15に戻
る。なお、前記定数e1 は、第1クラッチC1を解放し
たときの油圧の操作に対するクラッチ入力側回転数NC1
の変化の遅れを考慮して、例えば0.75とする。ま
た、速度比eに代えてクラッチ入力側回転数NC1を使用
してもよい。
【0049】ところで、前記トルクコンバータ12の入
力側の回転数であるエンジン回転数NE と出力側の回転
数であるクラッチ入力側回転数NC1との差(以下「差回
転」という。)ΔNが変化したかどうかを判断すること
によって第1クラッチC1の係合状態を検出しようとす
ると、例えば、第1クラッチC1が完全に係合している
状態及び解放された状態のいずれにおいても差回転ΔN
は変化しない。したがって、第1クラッチC1が完全に
係合している状態と第1クラッチC1が解放された状態
とを区別するのが困難になってしまう。
【0050】そこで、速度比eが定数e1 より大きくな
るのを待機することによって、確実に第1クラッチC1
の係合が開始される直前の状態にすることができる。な
お、前記差回転ΔNは自動変速機制御装置41によって
算出される。次に、図8のステップS1−8における車
速ゼロ推定処理のサブルーチンについて説明する。
【0051】図11は本発明の実施の形態における車速
ゼロ推定処理のフローチャートである。 ステップS1−8−1 現在のクラッチ入力側回転数N
C1(i) から、時間Δtだけ前のクラッチ入力側回転数N
C1(i-1) を減算することによって回転数差ΔNC1 (i)
算出する。この場合、前記時間Δtは前記自動変速機制
御装置41(図2)内のクロックによって設定され、時
間Δtごとにクラッチ入力側回転数NC1が検出されるよ
うになっている。 ステップS1−8−2 回転数差ΔNC1(i) を時間Δt
で除算することによって車両の減速度Aを算出する。 ステップS1−8−3 現在のクラッチ入力側回転数N
C1(i) を減速度Aで除算することによって車両停止状態
になるまでの時間T1 を算出する。
【0052】次に、前記第1クラッチC1の係脱状態と
差回転ΔNとの関係について図13から15までに基づ
いて説明する。図13は本発明の実施の形態における第
1クラッチの状態説明図、図14は本発明の実施の形態
における第1クラッチが引きずり領域にあるときのタイ
ムチャート、図15は本発明の実施の形態における第1
クラッチがスリップ領域にあるときのタイムチャートで
ある。なお、図13において、横軸にC−1油圧P
C1を、縦軸に差回転ΔN及びトルクTqを採ってある。
【0053】図13において、Tqはエンジン10(図
2)から第1クラッチC1を介して変速装置16に伝達
されるトルク、ΔNは差回転である。前記C−1油圧P
C1を徐々に高くすると、前記トルクTqが大きくなり、
該トルクTqが大きくなるにつれてトルクコンバータ1
2に負荷が加わり、それに伴って差回転ΔNが大きくな
る。
【0054】したがって、該差回転ΔNを算出すること
によって、第1クラッチC1の係脱状態、すなわち、ト
ルクTqの伝達状態を知ることができる。ところで、第
1クラッチC1が完全に解放された状態から係合を開始
してC−1油圧PC1を高くすると、油圧サーボC−1の
ピストンストロークがなくなる位置(以下「ストローク
エンド位置」という。)に到達する。次に、C−1油圧
C1を更に高くすると、第1クラッチC1は完全な係合
状態になる。そこで、第1クラッチC1が完全に解放さ
れた状態からピストンがストロークエンド位置に到達す
るまでの領域を引きずり領域(非作動領域)とし、ピス
トンがストロークエンド位置に到達してから第1クラッ
チC1が完全に係合するまでの領域をスリップ領域(作
動領域)とする。
【0055】前記引きずり領域においては、第1クラッ
チC1の各摩擦材は互いに接触させられていない。とこ
ろが、各摩擦材間に存在する油の粘性特性によって、多
少のトルクTqが伝達される。そして、前記トルクTq
は、ピストンのストロークが大きくなり、摩擦材間の隙
間(すきま)が小さくなるに従って徐々に大きくなる。
したがって、前記引きずり領域においても、トルクTq
の伝達に伴って前記差回転ΔNが生じ、トルクTqが大
きくなるに伴って差回転ΔNも徐々に大きくなる。
【0056】一方、スリップ領域においては、前記第1
クラッチC1の各摩擦材が互いに接触させられるので、
摩擦力が発生してトルクTqが急激に大きくなる。しか
も、前記ピストンは既にストロークエンド位置に到達し
ているので、油圧サーボC−1内の油の流れがなくな
り、C−1油圧PC1は急激に高くなる。その結果、摩擦
力がその分大きくなり、トルクTqが一層大きくなる。
そして、該トルクTqが急激に大きくなる結果、差回転
ΔNも急激に大きくなる。
【0057】次に、第1クラッチC1の係脱状態の変化
に伴って差回転ΔNが変化する量(以下「変化量」とい
う。)δと、差回転ΔNの単位時間当たりの変化量(以
下「変化率」という。)ρとの関係について説明する。
なお、サンプリングタイムT SAM の計時を開始した時点
の差回転ΔNを参照差回転ΔNm としたとき、前記変化
量δは、任意の時点の差回転ΔNと参照差回転ΔNm
の差で表すことができる。
【0058】前記油圧サーボC−1に供給されるC−1
油圧PC1を高くしようとした場合、差回転ΔNは、前述
したように、引きずり領域においては徐々に、スリップ
領域においては急激に変化する。したがって、差回転Δ
Nの変化量δは、引きずり領域では小さく、スリップ領
域では大きい。また、差回転ΔNの変化率ρも引きずり
領域では小さく、スリップ領域では大きくなる。
【0059】そこで、前記変化率ρが引きずり領域とス
リップ領域とで異なることに着目し、C−1油圧PC1
設定量だけ高くしたときの引きずり領域及びスリップ領
域におけるそれぞれの標準の変化率ρ1 、ρ2 を求め、
両変化率ρ1 、ρ2 の間の値を適宜選択し、その値を基
準変化率ρREF として設定する。該基準変化率ρREF
このように設定すると、第1クラッチC1が引きずり領
域にある間の変化率ρは基準変化率ρREF より常に小さ
くなり、第1クラッチC1がスリップ領域にある間の変
化率ρは基準変化率ρREF より常に大きくなる。
【0060】したがって、前記変化率ρと前記基準変化
率ρREF とを比較することによって、前記第1クラッチ
C1が引きずり領域にあるかスリップ領域にあるかを容
易に判断することができる。すなわち、前記変化率ρが
基準変化率ρREF より低いときに第1クラッチC1は引
きずり領域にあり、前記変化率ρが基準変化率ρREF
り高いときに第1クラッチC1はスリップ領域にあると
判断することができる。
【0061】また、その判断に基づいて、第1クラッチ
C1を引きずり領域からスリップ領域に移行する直前の
状態に維持することができる。そのために、インニュー
トラル制御が開始されると、自動変速機制御装置41
は、少なくとも油圧サーボC−1のピストンが後退を開
始するまで、C−1油圧PC1を低くし、第1クラッチC
1をスリップ領域から引きずり領域に移行させる。
【0062】続いて、前記差回転ΔNの変化率ρが前記
基準変化率ρREF を超えないようにC−1油圧PC1を制
御する。ここで、本実施の形態においては、前記変化率
ρと基準変化率ρREF とを比較するに当たり、両者を直
接比較するのではなく、設定時間当たりの差回転ΔNの
変化量δと、前記基準変化率ρREF に対応する閾(しき
い)値とを比較するようにしている。
【0063】そして、図14及び15に示すように、サ
ンプリングタイムTSAM のほか、該サンプリングタイム
SAM を3等分することによって得られる時間TS1、T
S2を前記設定時間とする。この場合、第1クラッチC1
の係合を開始した後、時間T S1、TS2及びサンプリング
タイムTSAM が経過したタイミングを、それぞれt1〜
t3としたとき、各タイミングt1〜t3の閾値ΔNRi
(i=A、B、C)は ΔNRA=ρREF ・TS1 ΔNRB=ρREF ・TS2 ΔNRC=ρREF ・TSAM になる。
【0064】ところで、引きずり領域においては変化率
ρは小さいので、図14から分かるように、時間が経過
するのに従って、差回転ΔNの変化量δが大きくなって
も、各タイミングt1〜t3においてそれぞれ閾値ΔN
Riを超えることはない。そこで、自動変速機制御装置4
1は、サンプリングタイムTSAM が経過するごとにC−
1油圧PC1を設定圧ΔPUPだけ高くし、第1クラッチC
1の係脱状態をスリップ領域側に移行する。このよう
に、油圧サーボC−1のピストンは、サンプリングタイ
ムTSAM が経過するごとにストロークエンド位置に近づ
けられる。
【0065】そして、前記ピストンがストロークエンド
位置に到達し、第1クラッチC1がスリップ領域に移行
すると、差回転ΔNの変化率ρは基準変化率ρREF より
大きくなる。例えば、図15に示すように、第1クラッ
チC1の係合を開始した後、時間T S1が経過する前のタ
イミングt4において差回転ΔNの変化量δが閾値NRA
を超える。そこで、自動変速機制御装置41は、タイミ
ングt4(実際は自動変速機制御装置41の制御プログ
ラムによって前記変化量δが閾値NRAを超えたと判断さ
れた時点)において第1クラッチC1が引きずり領域か
らスリップ領域に移行したと判断し、C−1油圧PC1
設定圧ΔPDOWNだけ低くする。そして、前記タイミング
t4においてサンプリングタイムTSAM をリセットす
る。この場合、同様に、タイミングt4から時間TS1
S2、及びサンプリングタイムTSAM が経過したタイミ
ングを、それぞれt5〜t7としたとき、各タイミング
t5〜t7において閾値ΔNRiがそれぞれ設定される。
【0066】このように、第1クラッチC1が引きずり
領域からスリップ領域に移行した時点でC−1油圧PC1
が低くされるので、第1クラッチC1は常に引きずり領
域からスリップ領域に移行する直前の状態に維持され
る。したがって、第1クラッチC1の各摩擦材は互いに
当接させられることがほとんどなくなるので、エンジン
10から変速装置16に伝達されるトルクTqが極めて
小さくなる。その結果、燃費を良くすることができるだ
けでなく、車両に振動が発生するのを防止することがで
きる。さらに、第1クラッチC1の各摩擦材が発熱した
り、耐久性が低下したりするのを防止することができ
る。
【0067】しかも、油圧サーボC−1のピストンは、
ストロークエンド位置の直前に維持されるので、ピスト
ンのロスストロークを小さくすることができる。したが
って、ロスストロークによる係合遅れが生じるのを防止
することができる。その結果、エンジン10の空吹き及
び係合ショックが発生するのを防止することができる。
【0068】ところで、前記引きずり領域においては、
差回転ΔNの変化量δが閾値ΔNRiを超えることはな
く、自動変速機制御装置41は、サンプリングタイムT
SAM が経過するごとにC−1油圧PC1を設定圧ΔPUP
け高くし、第1クラッチC1の係脱状態をスリップ領域
側に移行するようになっている。ところが、C−1油圧
C1を設定圧ΔPUPだけ高くしたときに、油の粘性抵抗
等によって、油圧サーボC−1内における実際のC−1
油圧PC1の上昇に遅れが生じる。
【0069】したがって、前回の判断においてC−1油
圧PC1を設定圧ΔPUPだけ高くした後、サンプリングタ
イムTSAM が経過した時点においてC−1油圧PC1の上
昇に遅れが残っていると、実際は、変化量δが閾値ΔN
Riを超えているにもかかわらず、見掛け上、変化量δが
閾値ΔNRiを超えていないと判断されることがある。こ
の場合、C−1油圧PC1は、必要以上に早く設定圧ΔP
UPだけ高くされるので、C−1油圧PC1の上昇の遅れが
蓄積され、引きずり領域からスリップ領域に移行したと
きにオーバシュートが発生してしまう。
【0070】また、前記サンプリングタイムTSAM が必
要以上に長いと、前記ピストンを必要以上に後退させて
しまう。そこで、C−1油圧PC1を適切な時点ごとに高
くすることができるように、前記設定圧ΔPUPだけ高く
したときの、C−1油圧PC1の実際の変化が終了するの
に必要な時間に対応させて、前記サンプリングタイムT
SAM が設定されるようになっている。
【0071】したがって、C−1油圧PC1の上昇の遅れ
がなくなってから設定圧ΔPUPだけ高くすることになる
ので、遅れが蓄積されることがなくなり、第1クラッチ
C1が引きずり領域からスリップ領域に移行したときに
オーバシュートが発生するのを防止することができる。
また、油圧サーボC−1のピストンが必要以上に後退す
るのを防止することができる。
【0072】次に、図6のステップS2におけるインニ
ュートラル制御処理のサブルーチンについて、図16及
び17に基づいて説明する。図16は本発明の実施の形
態におけるインニュートラル制御処理の第1のフローチ
ャート、図17は本発明の実施の形態におけるインニュ
ートラル制御処理の第2のフローチャートである。 ステップS2−1 油圧制御フラグF、図示しないカウ
ンタのカウント値C、参照差回転ΔNm の初期値を次の
ようにセットして初期設定を行う。
【0073】F←オフ C←0 ΔNm ←その時点における差回転ΔN(=NE −NC1
の値 ステップS2−2、S2−3 C−1油圧PC1を第1ク
ラッチ解放制御処理における最終値に保持する。第1ク
ラッチC1が所定の状態まで解放されたことが確認され
た後、直ちに差回転ΔNが変化したかどうかの判断を開
始すると、第1クラッチ解放制御処理における減圧によ
る差回転ΔNの変化によって誤判断してしまう可能性が
ある。そこで、図示しない第2タイマによって計時し、
時間T2 が経過するのを待機し、その間前記C−1油圧
C1の値を保持する。これにより、差回転ΔNが変化し
たかどうかの判断を遅延させ、第1クラッチC1が解放
された直後の不安定な状態においてC−1油圧PC1が制
御されるのを防止することができる。 ステップS2−4 エンジン回転数NE からクラッチ入
力側回転数NC1を減算することによって差回転ΔNを算
出する。 ステップS2−5 あらかじめ設定されたサンプリング
タイムTSAM が経過したかどうか、例えば、1.0〔s
ec〕又は0.5〔sec〕が経過したかどうかを判断
する。前記サンプリングタイムTSAM が経過した場合は
ステップS2−6に、経過していない場合はステップS
2−11に進む。 ステップS2−6 差回転ΔNと参照差回転ΔNm との
差、すなわち、変化量δの絶対値が閾値ΔNRC以下であ
るかどうかを判断する。変化量δの絶対値が閾値ΔNRC
以下である場合はステップS2−7に、変化量δの絶対
値が閾値ΔNRCより大きい場合はステップS2−9に進
む。 ステップS2−7 カウンタのカウント値Cが設定値C
R より小さいかどうかを判断する。カウント値Cが設定
値CR より小さい場合はステップS2−8に、カウント
値Cが設定値CR 以上である場合はステップS2−16
に進む。 ステップS2−8 サンプリングタイムTSAM が経過し
ても変化量δの絶対値が閾値ΔNRC以下であるので、第
1クラッチC1は引きずり領域にあると判断し、自動変
速機制御装置41は、サンプリングタイムTSAM が経過
した時点で、C−1油圧PC1を設定圧ΔPUPだけ高く
(増圧)する。
【0074】PC1←PC1+ΔPUP さらに、前記参照差回転ΔNm に差回転ΔNをセット
し、油圧制御フラグFをオンにする。 ΔNm ←ΔN F←オン ステップS2−9 第1クラッチC1が引きずり領域か
らスリップ領域に移行しつつあると判断することができ
るので、サンプリングタイムTSAM が経過した時点でC
−1油圧PC1を設定圧ΔPDOWNだけ低く(減圧)する。
【0075】PC1←PC1−ΔPDOWN さらに、参照差回転ΔNm に差回転ΔNをセットし、油
圧制御フラグFをオフにするとともに、カウンタのカウ
ント値Cから値“1”を減算する。 ΔNm ←ΔN F←オフ C←C−1(ただし、C<0になった場合はC=0とす
る。) 前記第1クラッチ解放制御処理のステップS1−12に
おいて、速度比eが定数e1 より大きくなったことが判
断されると、第1クラッチC1がある程度まで解放され
たことが確認される。その結果、第1クラッチ解放制御
処理が終了させられるが、油圧サーボC−1のピストン
が後退を開始するほどには第1クラッチC1は解放され
ていない。そこで、第1クラッチC1がスリップ領域か
ら引きずり領域に移行するまでC−1油圧PC1を低くす
る必要がある。そこで、第1クラッチC1がスリップ領
域から引きずり領域に移行するまで、ステップS2−9
の処理が繰り返される。
【0076】なお、第1クラッチC1が一旦(いった
ん)スリップ領域から引きずり領域に移行すると、第1
クラッチC1は引きずり領域からスリップ領域に移行す
る直前の状態に維持されるので、ステップS2−9の処
理は行われなくなる。このように、変化量δの絶対値が
閾値ΔNRCより大きくなった場合、C−1油圧PC1を設
定圧ΔPDOWNだけ低くする処理を繰り返すことによっ
て、油圧サーボC−1のピストンが確実に後退を開始す
るまで、第1クラッチC1を解放することができる。 ステップS2−10 ステップS2−9において減圧さ
れる前のC−1油圧PC1を参照C−1油圧PC1m として
セットするとともに、図示しない記憶装置に格納する。
【0077】PC1m ←減圧前のPC1 ステップS2−11 閾値ΔNRiの更新処理を行う。 ステップS2−12 油圧制御フラグFがオンであるか
どうか、すなわち、前回のサンプリングタイムTSAM
経過した時点においてC−1油圧PC1が高くされたかど
うかを判断する。油圧制御フラグFがオンである場合は
ステップS2−13に、油圧制御フラグFがオンでない
場合はステップS2−16に進む。 ステップS2−13 前回のサンプリングタイムTSAM
が経過した時点においてC−1油圧PC1が設定圧ΔPUP
だけ高くされている(油圧制御フラグFがオン)ので、
差回転ΔNから参照差回転ΔNm を減算した変化量δが
閾値ΔNRi以下であるかどうかを判断する。前記変化量
δが閾値ΔNRi以下である場合はステップS2−14
に、変化量δが閾値ΔNRiより大きい場合はステップS
2−16に進む。 ステップS2−14 前回のサンプリングタイムTSAM
が経過した時点においてC−1油圧PC1が設定圧ΔPUP
だけ高くされた結果、差回転ΔNが大きく変化したこと
になる。したがって、第1クラッチC1は引きずり領域
からスリップ領域に移行したと判断し、後述するステッ
プS2−16の時点でC−1油圧PC1を設定圧ΔPDOWN
だけ低く(減圧)する。
【0078】PC1←PC1−ΔPDOWN さらに、サンプリングタイムTSAM をリセットし、油圧
制御フラグFをオフにするとともに、カウンタのカウン
ト値Cに値“1”を加算する。 ΔNm ←ΔN F←オフ C←C+1 この場合、C−1油圧PC1が設定圧ΔPDOWNだけ低くさ
れたときは、第1クラッチC1は引きずり領域からスリ
ップ領域に移行する直前の状態になるので、設定圧ΔP
DOWNだけ低くすることによって変動したC−1油圧PC1
が安定した時点で、再びC−1油圧PC1を設定圧ΔPUP
だけ高くしたい。そこで、C−1油圧P C1が設定圧ΔP
DOWNだけ低くされたことを検出し、検出の時点でサンプ
リングタイムTSAM をリセットし、その計時を再び開始
するようになっている。
【0079】このようにして、C−1油圧PC1を設定圧
ΔPDOWNだけ低くした後、早めに設定圧ΔPUPだけ高く
することができるので、第1クラッチC1を常に引きず
り領域からスリップ領域に移行する直前の状態に維持す
ることができる。ところで、サンプリングタイムTSAM
をリセットした後において、前記変化量δの絶対値が閾
値ΔNRCを超えたときにC−1油圧PC1の減圧が検出さ
れると、ステップS2−9の処理が行われ、C−1油圧
C1が更に低くされてしまう。
【0080】そこで、C−1油圧PC1が設定圧ΔPDOWN
だけ低くされたときには、参照差回転ΔNm をセットし
ないようにする。この場合、変化量δは、差回転ΔNと
一つ前の参照差回転ΔNm との差になり、基本的にはほ
とんど0になる。したがって、C−1油圧PC1を設定圧
ΔPDOWNだけ低くした後、設定圧ΔPUPだけ高くするこ
とができる。その結果、ステップS2−9の処理はほと
んど実行されなくなる。 ステップS2−15 ステップS2−14において減圧
される前のC−1油圧P C1を参照C−1油圧PC1m とし
てセットするとともに、図示しない記憶装置に格納す
る。
【0081】PC1m ←減圧前のPC1 ステップS2−16 第1クラッチC1のインニュート
ラル制御の終了条件が成立しているかどうかを判断す
る。終了条件が成立している場合はインニュートラル制
御処理を終了し、終了条件が成立していない場合はステ
ップS2−4に戻り、前記処理を繰り返す。
【0082】次に、図16のステップS2−11におけ
る閾値ΔNRiの更新処理のサブルーチンについて、図1
8に基づいて説明する。図18は本発明の実施の形態に
おける閾値の更新処理のフローチャートである。本実施
の形態において、閾値ΔNRAは15〔rpm〕に、閾値
ΔNRBは20〔rpm〕に、閾値ΔNRCは30〔rp
m〕にそれぞれ設定される。 ステップS2−11−1 前記サンプリングタイムT
SAM の計時を開始してから経過した時間(以下「経過時
間」という。)Tsam が時間TS1より短いかどうかを判
断する。経過時間Tsam が時間TS1より短い場合はステ
ップS2−11−2に、経過時間Tsam が時間TS1以上
である場合はステップS2−11−3に進む。 ステップS2−11−2 閾値ΔNRiとしてΔNRAをセ
ットする。 ステップS2−11−3 経過時間Tsam が時間TS2
り短いかどうかを判断する。経過時間Tsam が時間TS2
より短い場合はステップS2−11−4に、経過時間T
sam が時間TS2以上である場合はステップS2−11−
5に進む。 ステップS2−11−4 閾値ΔNRiとしてΔNRBをセ
ットする。 ステップS2−11−5 閾値ΔNRiとしてΔNRCをセ
ットする。
【0083】次に、図6のステップS3における第1ク
ラッチ係合制御処理のサブルーチンについて、図19か
ら21までに基づいて説明する。図19は本発明の実施
の形態における第1クラッチ係合制御処理のサブルーチ
ンを示す第1のフローチャート、図20は本発明の実施
の形態における第1クラッチ係合制御処理のサブルーチ
ンを示す第2のフローチャート、図21は本発明の実施
の形態におけるマップを示す図である。なお、図21に
おいて、横軸にスロットル開度θを、縦軸に設定値を採
ってある。 ステップS3−1 インニュートラル制御の終了条件が
成立した時点のクラッチ入力側回転数NC1を値N(1)
してセットし、自動変速機制御装置41(図2)内の図
示しないメモリに格納する。同時に第3タイマの計時を
開始する。 ステップS3−2 図21のマップを参照して、スロッ
トル開度θに対応させて設定された棚圧としての定数P
C1S を読み込む。そして、ステップS2−10、S2−
15においてセットされたベース圧としての参照C−1
油圧PC1m に定数PC1S を加算し、加算後の値をC−1
油圧PC1としてセットする。なお、定数P C1S は油圧サ
ーボC−1(図5)の図示しないピストンを確実に移動
させることができ、かつ、係合によって発生させられる
係合ショックを小さくすることができる値に設定され
る。
【0084】したがって、運転者が発進操作を行って、
車両の停止状態から発進状態への移行が検出されると、
前記参照C−1油圧PC1m に定数PC1S が加算されて油
圧サーボC−1に供給される油圧が高くされ、第1クラ
ッチC1は半係合状態にされる。続いて、油圧サーボC
−1に供給される油圧が更に高くされ、第1クラッチC
1は完全係合状態にされる。 ステップS3−3 クラッチ入力側回転数NC1が値N
(1) から定数DSNを減算した値より小さくなるのを待
機し、クラッチ入力側回転数NC1が値N(1) から定数D
SNを減算した値より小さくなると、第1クラッチC1
の係合が開始されたと判断し、ステップS3−4に進
む。 ステップS3−4 変速段が1速であるかどうかを判断
する。変速段が1速である場合はステップS3−6に、
1速でない場合はステップS3−5に進む。 ステップS3−5 1速の変速出力を発生させる。 ステップS3−6 リニアソレノイドバルブ66(図
4)からのスロットル圧P THを変更し、C−1油圧PC1
を圧力PB (図7)にした後、スイープアップする。そ
の後、時間ΔtB が経過するごとに設定圧ΔPB ずつC
−1油圧PC1を高くし、第1クラッチC1の係合を続け
る。 ステップS3−7 第3タイマの計時による時間T3
経過したかどうかを判断する。時間T3 が経過した場合
はステップS3−10に、時間T3 が経過していない場
合はステップS3−8に進む。 ステップS3−8 クラッチ入力側回転数NC1が定数D
ENより小さいかどうかを判断する。クラッチ入力側回
転数NC1が定数DENより小さい場合はステップS3−
9に進み、クラッチ入力側回転数NC1が定数DEN以上
である場合はステップS3−3に戻る。なお、クラッチ
入力側回転数NC1が定数DENより小さいと判断される
と、図示しない第4タイマが計時を開始する。 ステップS3−9 第4タイマの計時による時間T4
経過したかどうかを判断する。時間T4 が経過した場合
はステップS3−10に進み、時間T4 が経過していな
い場合はステップS3−3に戻る。
【0085】この場合、前記定数PC1S 、圧力PB 及び
設定圧ΔPB の設定値はスロットル開度θ等の入力トル
クTT に対応した変数に基づいて設定される。 ステップS3−10 第3ソレノイド信号S3 をオフに
する。なお、本発明は前記実施の形態に限定されるもの
ではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させること
が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するもの
ではない。
【0086】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、自動変速機の制御装置においては、エンジンと連
結された流体伝動装置と、前進走行レンジが選択された
ときに係合させられるクラッチと、油圧の給排によって
前記クラッチを係脱させる油圧サーボと、該油圧サーボ
に供給される油圧を発生させる油圧発生手段と、前記前
進走行レンジが選択され、アクセルペダルが解放され、
ブレーキペダルが踏み込まれ、かつ、車速がほぼゼロで
ある車両停止状態を検出する停止状態検出手段と、制御
装置とを有する。
【0087】そして、該制御装置は、前記クラッチの解
放が開始されたかどうかを検出する解放検出手段と、前
記車両停止状態が検出されたときに、前記クラッチがほ
ぼ解放状態になるまで、前記油圧サーボに供給される油
圧を低くする減圧手段と、前記油圧サーボに供給される
油圧を設定圧より小さくしても、前記クラッチの解放の
開始が検出されない場合に、前記減圧手段による減圧を
直ちに中止して、前記油圧サーボに供給される油圧を高
くする増圧手段とを有する。
【0088】この場合、車両停止状態が検出されると、
減圧手段は、前記クラッチがほぼ解放状態になるまで、
前記油圧サーボに供給される油圧を低くする。そして、
前記油圧サーボに供給される油圧を設定圧より小さくし
ても前記クラッチの解放の開始が検出されない場合は、
自動変速機の油温が低く、油の粘性抵抗が大きいことが
分かるので、増圧手段は、前記減圧手段による減圧を直
ちに中止して、前記油圧サーボに供給される油圧を高く
する。
【0089】したがって、発進時には既にクラッチが係
合させられた状態になるので、クラッチの応答遅れが発
生するのを防止することができる。また、実際にクラッ
チの応答遅れが発生するような場合にだけ、ニュートラ
ル制御を行わないようにすることができるので、燃費を
良くする効果を最大限に得ることができる。
【0090】本発明の他の自動変速機の制御装置におい
ては、さらに、前記設定圧は、前記油圧サーボのリター
ンスプリングのスプリング荷重に対抗することができる
値に設定される。この場合、前記設定圧は、本来ならば
確実にクラッチの係合が開始される油圧であるので、油
の粘性抵抗が大きくなり油路抵抗が大きくなっているこ
と、及びクラッチの引きずりが生じていることだけを検
出することができる。
【0091】本発明の更に他の自動変速機の制御装置に
おいては、さらに、前記増圧手段は、前記油圧サーボに
供給される油圧が設定圧より小さい状態が設定時間継続
しても、前記クラッチの解放の開始が検出されない場合
に、前記減圧手段による減圧を直ちに中止して、前記油
圧サーボに供給される油圧を高くする。この場合、油圧
が設定圧よりも小さい状態が設定時間継続したことを判
断条件としているので、油温が常温であるときに、油の
粘性抵抗によって応答遅れがわずかに発生しても、油圧
が設定圧よりも小さい状態が設定時間継続しない。
【0092】したがって、ニュートラル制御を行うこと
ができるので、燃費を良くする効果を最大限に得ること
ができる。本発明の更に他の自動変速機の制御装置にお
いては、さらに、前記減圧手段は、前記増圧手段による
増圧が行われた後は、前記車両停止状態が検出されなく
なるまで減圧を行わない。
【0093】この場合、増圧手段によって応答遅れが発
生したことが検出されると、車両停止状態が検出されな
くなるまで、次の減圧が行われない。したがって、減圧
手段による減圧と増圧手段による増圧とが頻繁に繰り返
されることによってハンチングが発生するのを防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における自動変速機の制御
装置の機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における自動変速機の概略
図である。
【図3】本発明の実施の形態における自動変速機の作動
を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態における油圧制御装置を示
す第1の図である。
【図5】本発明の実施の形態における油圧制御装置を示
す第2の図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるニュートラル制御
処理のフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態における自動変速機の制御
装置のタイムチャートである。
【図8】本発明の実施の形態における第1クラッチ解放
制御処理の第1のフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態における第1クラッチ解放
制御処理の第2のフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態におけるエンジン回転数
と入力トルク及びC−1油圧との関係図である。
【図11】本発明の実施の形態における車速ゼロ推定処
理のフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態における第1クラッチ解
放制御処理のタイムチャートである。
【図13】本発明の実施の形態における第1クラッチの
状態説明図である。
【図14】本発明の実施の形態における第1クラッチが
引きずり領域にあるときのタイムチャートである。
【図15】本発明の実施の形態における第1クラッチが
スリップ領域にあるときのタイムチャートである。
【図16】本発明の実施の形態におけるインニュートラ
ル制御処理の第1のフローチャートである。
【図17】本発明の実施の形態におけるインニュートラ
ル制御処理の第2のフローチャートである。
【図18】本発明の実施の形態における閾値の更新処理
のフローチャートである。
【図19】本発明の実施の形態における第1クラッチ係
合制御処理のサブルーチンを示す第1のフローチャート
である。
【図20】本発明の実施の形態における第1クラッチ係
合制御処理のサブルーチンを示す第2のフローチャート
である。
【図21】本発明の実施の形態におけるマップを示す図
である。
【符号の説明】
10 エンジン 12 トルクコンバータ 16 変速装置 40 油圧制御装置 41 自動変速機制御装置 100 停止状態検出手段 101 解放検出手段 102 減圧手段 103 増圧手段 C1 第1クラッチ C−1 油圧サーボ PX 設定圧 TX 設定時間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16H 59:54 59:68 (72)発明者 山本 義久 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 岩田 昭仁 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−263922(JP,A) 特開 昭60−241556(JP,A) 特開 昭59−19764(JP,A) 実開 昭61−175649(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48 B60K 41/00 - 41/28

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンと連結された流体伝動装置と、
    前進走行レンジが選択されたときに係合させられるクラ
    ッチと、油圧の給排によって前記クラッチを係脱させる
    油圧サーボと、該油圧サーボに供給される油圧を発生さ
    せる油圧発生手段と、前記前進走行レンジが選択され、
    アクセルペダルが解放され、ブレーキペダルが踏み込ま
    れ、かつ、車速がほぼゼロである車両停止状態を検出す
    る停止状態検出手段と、制御装置とを有するとともに、
    該制御装置は、前記クラッチの解放が開始されたかどう
    かを検出する解放検出手段と、前記車両停止状態が検出
    されたときに、前記クラッチがほぼ解放状態になるま
    で、前記油圧サーボに供給される油圧を低くする減圧手
    段と、前記油圧サーボに供給される油圧を設定圧より小
    さくしても、前記クラッチの解放の開始が検出されない
    場合に、前記減圧手段による減圧を直ちに中止して、前
    記油圧サーボに供給される油圧を高くする増圧手段とを
    有することを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記設定圧は、前記油圧サーボのリター
    ンスプリングのスプリング荷重に対抗することができる
    値に設定される請求項1に記載の自動変速機の制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記増圧手段は、前記油圧サーボに供給
    される油圧が設定圧より小さい状態が設定時間継続して
    も、前記クラッチの解放の開始が検出されない場合に、
    前記減圧手段による減圧を直ちに中止して、前記油圧サ
    ーボに供給する油圧を高くする請求項1に記載の自動変
    速機の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記減圧手段は、前記増圧手段による増
    圧が行われた後は、前記車両停止状態が検出されなくな
    るまで減圧を行わない請求項1に記載の自動変速機の制
    御装置。
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