JP2877231B2 - スピロキヌクリジン誘導体の光学異性体、それらの製造法、それらからなる薬剤組成物およびそれらを使用した治療法 - Google Patents

スピロキヌクリジン誘導体の光学異性体、それらの製造法、それらからなる薬剤組成物およびそれらを使用した治療法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、スピロキヌクリジン誘導体の光学異性体、
このような異性体からなる薬剤組成物、これらによる中
枢神経系の病気の治療法およびこのような異性体の製造
法に関するものである。
本発明の出願人は、例えば、イスラエル特許出願第75
166号(1985年5月10日提出)および同第77568号(1986
年1月10日提出)に基ずくヨーロッパ出願第205247A2
(1986年12月17日公開)および米国特許出願第853,404
号(1986年4月18日提出)で例示されるような、キヌク
リジンの新規スピロ誘導体に関する先行特許出願の共同
発明者であり、本発明ではこれらの特許の内容を参考文
献として引用する。ここで述べられている新規キヌクリ
ジン誘導体は中枢神経系活性を持つものであることが発
明されている。2−メチルスピロ(1,3−オキサチオラ
ン−5′,3)キヌクリジンという化合物は、2−メチル
基がキヌクリジン環の窒素原子に関してオキサチオラン
環と同じ側に配位されている(シス)か、またはキヌク
リジン環の窒素原子の反対の側に配位されている(トラ
ンス)かによって、幾何シス−およびトランス−異性体
があるが、その生物学的活性について、特に深く研究さ
れており、臨床の前段階テストにおいてシス−異性体が
アルツハイマー型の老人性痴呆(以下SDATとする)の症
状緩和を特に有効に作用することが発見された。
幾何異性体の存在に加えて、今問題としているこれら
の化合物は、本発明の技術分野の人々に認められている
ように光学異性体についての可能性をも持つものであ
る。公知にようにこのような可能性は、実際には必らず
しも実在しない。さらに2−メチルスピロ(1,3−オキ
サチオラン−5′,3)キヌクリジンという化合物の幾何
異性体がSDATの治療に有効であるという見込みから、当
然のことながら、これらの化合物の相関的な生物学的活
性についての知見に興味が持たれている。一つの特定の
光学異性体による偏光面の旋光の方向と、その生物学的
効力との間の関係は全く予測不可能である。
本発明の主な目的な、2−メチルスピロ(1,3−オキ
サチオラン−5′,3)キヌクリジンの光学異性体を提供
することである。本発明のその他の目的、そして特に有
効な薬剤組成物の提供、および哺乳類における病気の治
療法については、以後の記載から明らかになるであろ
う。
本発明は(+)−シス−,(−)−シス−,(+)−
トランス−、および(−)−トランス−の2−メチルス
ピロ(1,3−オキサチオラン−5,3′)キヌクリジンから
なる群から選択される各々の光学異性体であって、特に
その比旋光度が決定された光学異性体を提供するもので
ある。好ましくは、これらの異性体は、高純度状態特に
95%以上の光学純度を持つものとして得ることができ
る。
本発明にはこのような各々の光学異性体の酸付加塩、
そのうちでも特に薬剤として使用できるそれらの付加塩
も包含されるものである。
本発明において得られる各々の光学異性体は下記のも
のである。
(+)−シス−2−メチルスピロ(1,3−オキサチオ
ラン−5,3′)キヌクリジン;エタノール中でのその遊
離塩基が[α]20約+32±1である。
(−)−シス−2−メチルスピロ(1,3−オキサチオ
ラン−5,3′)キヌクリジン;エタノール中でのその遊
離塩基が[α]20約−32±1である。
(+)−トランス−2−メチルスピロ(1,3−オキサ
チオラン−5,3′)キヌクリジン;エタノール中でのそ
の遊離塩基は[α]20が約+24±1.2である。
(−)−トランス−2−メチルスピロ(1,3−オキサ
チオラン−5,3′)キヌクリジン;エタノール中でのそ
の遊離塩基は[α]20が約−24±1.2である。
さらに、本発明のその他の目的は、(+)−シス−,
(−)−シス−,(+)−トランス−および(−)−ト
ランス−の2−メチルスピロ(1,3−オキサチオラン−
5,3′)キヌクリジンからなる群から選択された1種以
上またはそれらの薬剤適性のある酸付加塩と、不活性担
体または稀釈剤とからなる薬剤組成物をも提供すること
である。薬剤組成物は例えば、経口、経直腸、非経口投
与、またはインサフレーション(insufflation)または
鼻スプレーによる投与に適した形態のものである。そう
でない場合、経皮投与の適した形態であってもよく、こ
の場合にはさらに追加成分として低分子量脂肪酸を含有
するものであってもよい。
本発明の詳細の説明および特許請求項において使用さ
れる「1種以上のもの」または「1種以上の光学異性
体」は、1種のもの(即ち光学異性体)および2種また
は2種以上のものであって、混合物の場合、シス−また
はトランス−ラセミ体からなるものであってはならな
い。これらのラセミ体については上記した先行特許出願
中にも無論記載されている。
本発明の薬剤組成物は、投与単位形態のものであって
もよい。好ましくは、上記に相当する1種以上の光学異
性体またはそれらの薬剤として使用可能な酸付加塩を、
0.5〜500mgの範囲の量で含有し、不活性担体または稀釈
剤をも含有するものがよい。好ましくは5〜100mg、さ
らに好ましくは10〜50mgの範囲で含有しているものがよ
い。
本発明により提供される好ましい光学異性体は、
(−)−シス−2−メチルスピロ(1,3−オキサチオラ
ン−5,3′)キヌクリジンであり、これはすべての異性
体のうち最高の望ましい生物学的効力を持つものであ
る。この(−)−シス−異性体は、遊離塩基として使用
してもよく、さらにそれらの薬剤として使用可能な酸付
加塩の形態としてもよく、この異性体を含有する薬剤組
成物は、さらに、フィゾスチグミン、テトラヒドロアミ
ノアクリジン、コリン、レシチン、ピラセタム、アニラ
セタム、プラミラセタム、オキシラセタム、4−アミノ
ピリジン、3,4−ジアミノピリジン、ソマトスタチン、
ピレンゼピン、N−メチルアトロピン、N−ブチルスコ
ポラミン、スコポラミン、クロニジン、クアンファマイ
シンまたは神経成長因子からなる群から選択された1種
以上の化合物および望ましくはさらに不活性担体または
稀釈剤をも含有するものであってもよい。(その理由
は、後述する。) 本発明の他の目的は、哺乳類の中枢神経系の病気の治
療法をも提供することであり、詳細は以後に記載する。
本発明では、さらに上記した各々の光学異性体の1種
以上の製造法をも提供するものであり、(±)−シス−
2−メチルスピロ(1,3−オキサチオラン−5,3′)キヌ
クリジンおよび(±)−トランス−2−メチルスピロ
(1,3−オキサチオラン−5,3′)キヌクリジンからなる
群から選択された一種以上の塩基を、化学量論的反応を
行うのに充分な量の鏡像体の酸で処理し、目的とする光
学純度の画分がが得られるまで沈殿した塩を分別するこ
とにより製造する。母液および沈殿物は後述するように
さらに処理してもよい。
本発明では、シス−またはトランス−2−メチルスピ
ロ(1,3−オキサチオラン−5,3′)キヌクリジンを、d
−およびl−酒石酸を使用して分別結晶化することによ
り分離し、その際、各々鏡像異性体(+)および(−)
が得られる、本発明の化合物はその構造式から考えると
全部で四つの異性体が存在する。[例えばサウンダース
等によるJ.Med.Chem.30巻969〜75頁(1987年)を参照す
るとよい。この文献の内容は、本発明において参考文献
として引用するものであり、その中では、本発明の化合
物のジオキソラン類縁物を、クロマトグラフィー分離を
用いる合成法により製造しているものであって、本発明
における様なラセミ体の光学分割によって製造していな
い。] 本発明の光学分割法においては、(±)−シス−2−
メチルスピロ(1,3−オキサチオラン−5,3′)キヌクリ
ジンおよび(±)−トランス−2−メチルスピロ(1,3
−オキサチオラン−5,3′)キヌクリジンからなる群か
ら選択された塩基を、化学量論的反応を行うのに充分な
量の鏡像体の酸で処理し、沈殿した塩を目的とする光学
純度の画分が得られるまで分別する。この鏡像体の酸は
L−またはD−酒石酸または/およびL−まがはD−マ
ンデル酸であって、この他にも、本発明の技術分野で周
知の他の光学活性を有する酸も同様の目的で使用するこ
とができる。鏡像体の酸の量は、例えば、存在するすべ
てのラセミ塩基と反応するのに必要であるような等モル
量の約50%であってもよい。この反応は、エタノールの
ような有機溶媒中で行ってもよい。当然のことながら本
発明の技術分野の技術者にとって、このような目的で使
用される適当な溶媒の選択は容易である。分別の方法は
分別結晶法が手ごろである。発明者等は、通常、ほんの
わずかの回数の結晶化によって(例えば2回)、光学純
度の高い、例えば95%またはそれ以上の生成物を得るこ
とができることを発見したものである。
塩形成反応および/または結晶化により生成された母
液または液は塩基化し、残留塩基は、次に最初に使用さ
れた鏡像体の酸の鏡像体で処理し、沈殿した塩を再び目
的とする光学純度の画分が得られるまで分別してもよ
い。この段階でこの塩基の塩が生成し、ここで得られた
ものは、塩生成反応の第1段階において得られた塩中に
存在する塩基と反対の旋光度を持つものである。
目的とする鏡像体の塩基を得るため、上記の第一およ
び第二段階で生成された塩の一方または両方は、アルカ
リ金属水酸化物のような塩基で処理してもよい。このよ
うにすると、(+)および(−)−シス−2−メチルス
ピロ(1,3−オキサチオラン−5,3′)キヌクリジンおよ
び(+)および(−)−トランス−2−メチルスピロ
(1,3−オキサチオラン−5,3′)キヌクリジンからなる
群から選択された一方の鏡像体塩基を得ることができ
る。このよう鏡像体塩基は、無論、酸(特に薬剤として
使用できる酸)で処理してその酸付加塩にしてもよい。
このような酸として適しているものの具体例については
後述する。
本発明の各々の任意の異性体は、中枢神経系に対して
特異性のあるムスカリン性作働剤(muscarinic agonist
s)である。これらは、ムスカリン受容体の区分、すな
わちピレンゼピン−感受性M1受容体に対して高い特異性
がある。これらの薬剤特性により、これらの化合物はコ
リン作用系が機能不全である場合の条件下において、中
枢コリン作用機能を活性化することができる。従ってこ
れらの化合物(そして特にその(−)−シス−異性体)
は、初老期痴呆、アルツハイマー型老人性痴呆(SDA
T)、アルツハイマー型とパーキンソン氏病の複合症、
晩発ジスキネジア、急性錯乱状態、過運動症、躁病、ピ
ック病、ハンティントンの舞踏病、フリードリッヒの運
動失調病、ダウン症候群、ギリ デ ラ トーレット
(Gilles de la Tourette)病、脳炎後遺症としての記
憶消失症候群、アルコール禁断症状、および進行性超核
麻痺(progressive supranuclear palsy)といった症状
の治療に有用である。即ちこれらの病気はすべて中枢コ
リン作用の機能不全がある程度までからみ合っているか
らである。
これらの化合物[そして特にその(−)−シス−異性
体]はSDATの治療に特に有効である。即ち、SDAT患者に
対してはこの(−)−シス−異性体は、フィゾスチグミ
ンまたはテトラヒドロアミノアクリジンのような抗コリ
ンエステラーゼ阻止剤との組合せ:コリンまたはレシチ
ンのようなアセチルコリン前駆物質との組合せ;さらに
はピラセタム、アニラセタム、オキシラセタムまたはプ
ラミラセタムのようなヌートロピック(nootropic)
剤、4−アミノピリジンまたは3,4−ジアミノピリジン
のようなCa2+チャンネルと反応する化合物との組合せ:
ソマトスタチンのようなアセチルコリン放出に調整効果
を持つことのできるペプチド類との組合せ:多量の投与
量で例えば流涎症、下痢、胃液分泌または嘔吐といった
予測されるような末梢の副作用を中和するための末梢の
抗ムスカリン剤(例えばピレンゼピン、N−メチルアト
ロピンまたはN−ブチルスコポラミン)との組合せ:吐
き気および/または嘔吐を防ぐためスコポデルム(Scop
oderm)のような経皮スコポラミンとの組合せ:SDATにお
けるコリン作用とノルアドレナリン作用の複合的な機能
不全による認識力および他の障害を軽くするためのアド
レナリン作用薬(クロニジンまたはクアンファマイシ
ン)との組合せ:神経成長因子(NGF、これは鼻スプレ
ーまたは脳室内注射のいずれかによって投与する。)と
の組合せによって使用することができる。
本発明の(−)−シス異性体は、上記の他の活性物質
と一緒に、または単独に、例えば、適度の稀釈剤または
担体中で注射によって、座薬のかたちで直腸から、イン
サフレーションまたは鼻スプレーによって、または、フ
ィゾスチグミンを含有するかまたはしない適当な基礎剤
中に入れて経皮で(例えばイスラエル特許出願第72684
号中に記記載されている装置を使用して)投与すること
ができる。
本発明の(−)−シス異性体は、それ単独でまたは本
発明の他の光学異性体の1種以上との混合物で、緩和な
活性の長期持続性コリン性作用剤の投与を必要とする患
者の治癒にも利用できる。このような薬剤は、緑内症と
いった患者に必要とされるが、これらの化合物はアセチ
ルコリンを不活性化する酵素即ち、アセチル−およびブ
チル−コリンエステラーゼによって分解されないからで
ある。この化合物は、筋無力症、膀胱機能障害、アディ
(Adi′s)病、およびイートン−ランブレット病のよ
うな末梢コリン作用の不全の治療に使用することもでき
る。
本発明の各々の光学異性体は、有機酸および無機酸と
安定した付加塩を形成する。治療用として使用する場
合、このような塩は、薬剤として使用できるものである
べきであるが、例えば単離のために、薬剤として適さな
い酸付加塩を使用する場合もあるが、本発明にはこのよ
うな酸付加塩をも含まれるものとする。本発明の技術分
野で公知のように、遊離塩基は、適当な酸との反応によ
り酸付加塩に変化させてもよく、さらにこの塩は、塩基
(例えば、水溶液中のアルカリ金属水酸化物)と反応さ
せることによって相当な遊離塩基に変化させてもよい。
本発明で使用される「薬剤として使用できる酸付加
塩」という用語は、相対的に毒性のない無機酸または有
機酸と本発明のクヌクリジン誘導体との組合わせに相当
する。酸として適するものを例示すれば、硫酸、リン
酸、塩酸、臭化水素酸、沃化水素酸、スルファミン酸、
メタルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエン
スルホン酸、酢酸、乳酸、コハク酸、マレイン酸、酒石
酸、クエン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、安息香酸
および桂皮酸がある。
本発明の詳細の説明および請求項において使用される
「薬剤組成物」の用語は、人間および/または家畜の治
療として適するものであるという意味と理解すべきであ
る。本発明の薬剤組成物において、適切な薬剤担体およ
び稀釈剤は、固形であっても液状のものであってもよ
く、例示としては、コーンスターチ、乳糖、リン酸カル
シウム、ステアリン酸、ポリエチレングリコール、水、
ごま油、ピーナッツ油、プロピレングリコール等があ
る。この組成物は、経口、経直腸または非経口投与用と
して適しており、またはインサフレーションまたは鼻ス
プレーによって投与してもよく、また特に経皮投与に適
した形態であってもよいが、いかなる場合においても本
発明の組成物は一つの投与単位をもつ投与形態であれば
よい。組成物は、例えば錠剤、粉末、顆粒、カプセル、
分散液、溶液、座薬、万能薬、軟膏等の形態にしてもよ
い。
本発明の薬剤組成物を経皮投与する場合、イスラエル
特許出願第72684号によるドラツグデリバリーシステム
を利用するのが好ましいが、本発明による経皮投与は、
無論このシステムのみに限られるものではない。以上の
述べたように、経皮投与に適した本発明の薬剤組成物
は、追加成分として低分子量脂肪酸を含有するものから
なるものであってもよい。
上記に述べたように、このような組成物は、その他の
成分として、フィゾスチグミン、テトラヒドロアミノア
クリジン、コリン、レシチン、ピラセタム、アニラセタ
ム、プラミラセタム、オキシラセタム、4−アミノピリ
ジン、3,4−ジアミノピリジン、ソマトスタチン、ピレ
ンゼピン、N−メチルアトロピン、N−ブチルスコポラ
ミン、スコポラミン、クロニジン、クアンファマイシン
または神経成長因子からなる群から選択された1種以上
の化合物を含有していてもよい。
既に述べたように、本発明は哺乳類の中枢神経系の病
気(特に中枢コリン作用の機能不全による病気)の治療
法に関するもので、(+)−シス−,(−)−シス−,
(+)−トランス−および(−)−トランス−2−メチ
ルスピロ(1,3−オキサチオラン−5,3′)キヌクリジン
またはこれらの薬剤として使用できる酸付加塩からなる
群から選択さた1種以上を、好ましくは上記に記載され
たような薬剤組成物の形態で哺乳類に投与する。本発明
の具体例としては、アルツハイマー型老人性痴呆を治療
するため、患者に(−)−シス−2−メチルスピロ(1,
3−オキサチオラン−5,3′)キヌクリジンまたはその薬
剤を使用できる酸付加塩を、好ましくは上述したような
薬剤組成物の形態で投与する。この治療では(−)−シ
ス−異性体を、0.1〜60mg/体重kg、好ましくは0.5〜10m
g/体重kg、さらに好ましくは1〜5mg/体重kgの範囲内の
量で経口投与する。またこの化合物は、非経口投与で
(これには例えば筋肉内、静脈および皮下投与が含まれ
る)0.01〜40mg/体重kg、好ましくは0.05〜5mg/体重k
g、さらに好ましくは0.1〜2mg/体重kgの範囲内の量で経
口投与する。
投与の形態および投与の割合の処方に際しては、医者
は当然のことながら、症状の激しさ、患者の肉体的状況
等の一般的な症状を考慮するであろう。
患者の通常体重の範囲、上記の投与量範囲、そして、
一回投与よりも多回投与の方が好ましいといった可能性
を考慮すると、経口および非経口投与に適している本発
明の薬剤組成物は活性成分(特に本発明の(−)−シス
−異性体)を、(例えば)0.5〜500mg;好ましくは5〜1
00mg;そしてさらに好ましくは10〜50mgの範囲内の量で
含有しているものである。
さらに明確にするために、本発明の詳細な説明および
請求項における「中枢神経系の病気の治療法」という表
現は、中枢神経系の薬物誘発性の病気の予防法をも含む
ものである。
本発明を、下記の実施例によってさらに詳細に説明す
るが、これらの実施例により本発明は何ら限定されるも
のではない。
実施例1 [シス−およびトランス−2−メチルスピロ(1,3−オ
キサチオラン−5,3′)キヌクリジンの各々の鏡像体の
分離] 2lフラスコに、その遊離塩基としてのシス−2−メチ
ルスピロ(1,3−オキサチオラン−5,3′)キヌクリジン
(37.5g,0.188モル)とL−酒石酸(14.08g,0.094モ
ル)を入れ、無水アルコール(1120g)を加え、この混
合物を10分間還流してから、一夜放置した。得られた沈
殿物を濾別し、無水エタノールから再結晶化した。固形
生成物を塩基化し、塩酸塩として再沈殿させた。(収
量;11.7g,26%)このものは融点198〜200℃であり、
[α]20+32±1(エタノール中の遊離塩基)であっ
た。
母液を蒸発させ、同様にして塩基化(basify)し、D
−酒石酸で処理した。2回再結晶化した後、得られた酒
石酸塩を塩基化し、さらに塩酸塩として再沈殿させた。
(収量;14.7g,33.2%);このものは融点198〜200℃で
あり、[α]20−32±1(エタノール中の遊離塩基)で
あった。
下記の特性を各々の鏡像体について調べた。純粋なRf
(薄層クロマトグラフィー(TLC)、中世アルミナ、ク
ロロホルム)0.7,2,2,2−トリフルオロ−1−(9−ア
ントリル)エタノール(C6D6)を使用したNMRスペクト
ルは単一鏡像体(95%以上の光学純度)の存在を示し
た。CDCl3中でのその塩酸塩のNMRスペクトルは(±)−
シス−異性体塩酸塩のそれと同一であった。
上記と同じ手順によって、下記のものが得られた。
(−)−トランス−2−メチルスピロ(1,3−オキサ
チオラン−5,3′)キヌクリジン、エタノール中の遊離
塩基は[α]20−24±1.2, (+)−トランス−2−メチルスピロ(1,3−オキサ
チオラン−5,3′)キヌクリジン、エタノール中の遊離
塩基は[α]20+24±1.2, 後者の場合、さらにl−マンデル酸を使用し、l−マ
ンデル酸塩を、酢酸エチルから再結晶化させた。
実施例2 [単離した鏡像体の生物学的テスト] (+)−,(−)−および(比較のため(±)−シス
−2−メチルスピロ(1,3−オキサチオラン−5,3′)キ
ヌクリジン(塩酸塩)のマウス中のLD50は、表1に示す
通りであった。テストされた化合物の毒性には顕著な差
は認められなかった。
ラットの前脳ホモゲネートからの下記の3H−標識化合
物、即ち3H−キヌクリジンベンジレート(3H−QNB;非選
択性M1およびM2拮抗剤)3H−ピレンゼピン(3H−PZ:選
択性M1拮抗剤)および3H−シス−ジオキソラン(3H−C
D,非選択性M1およびM2作動剤)を置換するためのコリン
作動性といわれている化合物の効力を表2中に示す。こ
の中には、比較のため、オキソトレモリン(主にM2作動
剤)、McN−A−343(主にM1作動剤)および(±)−シ
ス−およびトランス−2−メチルスピロ(1,3−オキサ
チオラン−5,3′)キヌクリジンをも含めた。
表2の注) Ki=IC50÷(1+C/KD):ここでCは放射性リガンド
の濃度であり、KDは、その解離定数である。
テスト化合物については、下記の通りである。
#1=オキソトレモリン(M×10-10で表示した。) #2=McN−A−343 #3=(±)−トランス−異性体 #4=(±)−シス−異性体 #5=(−)−シス−異性体 #6=(+)−シス−異性体 表2についての検討 表2から明らかなように、(±)−シス−異性体が最
高の、M1選択性を持ち、その(−)および(+)鏡像体
はそれに次ぐ。(−)−シス−鏡像体は、3H−QNB置換
に際し、そのラセミ体よりも2.2倍有効である。さらに
(±)−シス−異性体は最高の選択性M1作動剤であり、
プロトタイプのM1作動剤のMcN−A−343よりもさらに選
択性がすぐれている。表2の(d)および(e)の欄に
あるKi(3H−PZ):Ki(3H−CD)とKi(3H−PZ):Ki(3H
−QNB)の比から明らかなように、この本発明において
構造的にリジツトな化合物は、McN−A−343またはオキ
ソトレモリンよりもM1受容体に対して高い選択性を示し
た。しかしながら、テストした化合物のうち、Ki(3H−
PZ):Ki(3H−CD)とKi(3H−PZ):Ki(3H−QNB)の比
の順序の間にはいく分の明白な矛盾があり、特にオキソ
トレモリン、(±)−トランス−異性体およびMcN−A
−343については矛盾している。これらの化合物につい
てのKi(3H−PZ):Ki(3H−CD)の比の順序は、オキソ
トレモリン>McN−A−343>(±)−トランス−異性体
であったが、Ki(3H−PZ):Ki(3H−QNB)の順序はMcN
−A−343>(±)−トランス−異性体>オキソトレモ
リンであった。これらの比は、テストした化合物M1に対
する相対的選択性を示すもので、M2に対するものではな
い。1つのテストでは、オキソトレモリンが、M1結合サ
イト[K13H−PZ):Ki(3H−CD)]に対して最も弱い
相対的親和性を示したが、もう1つのテストではM1結合
サイト[Ki(3H−PZ):Ki(3H−QNB)]に対するその相
対的親和性はMcN−A−343おとびその(±)−トランス
−異性体よりも相対的親和性はMcN−A−343およびその
(±)−トランス−異性体よりも相対的により強かった
のはどうしてかは明らかでない。この現象の一つの説明
は、オキソトレモリンのすべてのムスカリン受容体に対
する親和性はそれより弱い作動剤McN−A−343またはそ
の(±)−トランス−異性体のそれより大きいので[ワ
トソン等JPET,237;411〜418(1986)]従って、前脳ホ
モゲネートから3H−PZおよび3H−QNBに、特に3H−QNBよ
りもムスカリン受容体にさらに低い親和性をもつ3H−PZ
に置換するためにはオキソトレモリンの濃度をさらに低
くする必要がある。このように原則的には、強い作動剤
は、選択されたリガントの選択性を考慮しなければ、弱
い作動剤よりも、さらに低いKi(3H−PZ):Ki(3H−QN
B)の比を生ずるであろう。他方3H−PZのKDは、3H−CD
のそれと同様であるので、弱い作用薬も強い作用薬も、
1つの受容体の区分に対するそれらの選択性が異ならな
い限り、これらのラベルされたリガンドを置換する際に
同様に作用するはずである。従って、Ki(3H−PZ):Ki
3H−CD)の比率はM1受容体に対する相対的親和性をさ
らに正確に示すはずである。実際にテストした化合物に
ついてのこれらの比率の順は、M1対M2の選択性について
の指数ともなっている、IC50(FB):IC50(CER)の比
率に対して見出される順と一致している。即ち(±)−
シス−異性体>(±)−トランス−異性体>オキソトレ
モリンである。(但し、BRは、前脳であり、主にM1受容
体を含むものであり、CERは小脳であり、主にM2受容体
を含むものである。) 表3には、単離したモルモットの回腸誘発収縮につい
ての研究結果を示す。表3から明らかなように、本発明
の(−)−シス−異性体は、対応ラセミ体と比較して2
倍の活性をもつものであり、(+)−シス−異性体は、
顕著な作用薬活性はない。
行動実験 エチルコリン アジリジニウム イオン(以下AF64A
と称する。)はシナプス前のコリン系に選択的に作用す
る神経毒であり、これをラットの脳室内に注射すると、
堅固なコリン作用の機能低下を誘発し、SDATで報告され
た大脳皮質および海馬のコリン作用の機能不全および認
識力の低下によく似た症状がみられる。従って、(−)
−および(比較のため)(±)−シス−2−メチルスピ
ロ(1,3−オキサチオラン−5,3′)キヌクリジンによる
AF64A誘発効果の回復の可能性について受動回避反応を
利用して検討した。この実験についての結果は、表4に
示す通りであり、本発明者等は、獲得試行後の薬物処理
モデルを用い、AF64Aおよび生理食塩水を注射したラッ
トで、禁止学習(受動回避−ステツプスルー型)課題の
72時間後の記憶力に対する、これらの物質(0.2mg/kgを
経口投与)の効果を観察した。このテスト動物(Charle
s Riverで飼育されたスプラグダウリーラツト)に行つ
た手術は本発明者等による先行の公開ヨーロッパ特許出
願第205247号に記載されたと同様である。行動テストは
手術後1ヵ月目に行った。
行動テスト 行動テストの手順は2つの段階からなるものである。
予備訓練手順では、各々のラットを2つに仕切られた実
験箱の狭い明室に入れた。60秒の慣らし/適応時間後に
2つの室を仕切っていたドアを開き、時計のスイッチを
入れた。広い暗室に入るまでのラットの反応潜時(入り
込むまでの時間)を測定した。暗室に入ったとたんラッ
トはグリッド床から足へのがれられない電気ショック
(0.6mAを3秒間)を受けた。訓練手順の最後に、ショ
ック終了後60秒に、ラットを暗室から取り出し、二回蒸
留水、(−)−および(±)−シス−2−メチルスピロ
(1,3−オキサチオラン−5,3′)キヌクリジンを経口投
与した。それから、ラットをそれぞれのもとのゲージの
中にもどした。訓練後24時間にそのラットを再び明室に
入れ、60秒間適応させてから、暗室に入るまでの反応潜
時を測定することにより受動回避反応での記憶保持を測
定した。このテストはラットが暗室に入った時または60
0秒経過後に終りとした。600秒以内に暗室に入りこまな
かったものは実験箱から出し、反応潜時600秒とした。
結果を表4にまとめた。
〈議論〉 AF64Aを処置し、さらに(−)−または(±)−シス
−2−メチルスピロ(1,3−オキサチオラン−5,3′)キ
ヌクリジンを投与したラット群では反応潜時は、さらに
二回蒸留した水で処置した群より有意に長かった(各々
P<0.005およびP<0.05)。従ってAF64A処置群ではス
テップスルー型受動回避反応で反応潜時は、これら両化
合物により有意に改善されたが生理食塩水処置群ではこ
れらの化合物で処置しても有意な改善はみられなかつ
た。この結果は(−)−シス−異性体または(±)−シ
ス−異性体を投与することによりコリン系神経毒AF64A
によって誘発された認識力の低下は直すことができるこ
とを示している。
以上本発明についてのいくつかの実施例について詳記
したが、本発明の技術分野の人々にとっては、多くの変
更および改良を行なうことができることは自明のことで
ある。従って本発明は、このような実施例によって何ら
限定されるものではなく本発明の範囲は請求項によって
限定されるにすぎない。
(要約) 2−メチルスピロ(1,3−オキサチオラン−5,3′)キ
ヌクリジンの(+)−シス−,(−)−シス−,(+)
−トランス−および(−)−トランス−体を、(±)−
シスおよび(±)−トランス−異性体の各々の光学分割
により製造する。このような化合物は、哺乳類の中枢神
経系の病気、特に中枢コリン作用の機能不全による病気
の治療に使用することができる。生物学上のテストは、
(−)−シス−異性体は(±)−シス−異性体と同様
に、アルツハイマー型老人性痴呆の治療に特に有効であ
ることを示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−280497(JP,A) 特開 平1−16787(JP,A) 特開 平1−45387(JP,A) 特開 平1−104079(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 497/20 A61K 31/435 CA(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(DERWENT) MEDLINE

Claims (43)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(+)−シス−,(−)−シス−,(+)
    −トランス−および(−)−トランス−2−メチルスピ
    ロ(1,3−オキサチオラン−5,3′)キヌクリジンからな
    る群から選択される各々の光学異性体。
  2. 【請求項2】95%以上の光学純度を持つ、請求項第1項
    記載の各々の光学異性体。
  3. 【請求項3】請求項第1項の各々の光学異性体の酸付加
    塩。
  4. 【請求項4】請求項第1項の各々の光学異性体の薬剤と
    して使用できる酸付加塩。
  5. 【請求項5】(+)−シス−2−メチルスピロ(1,3−
    オキサチオラン−5,3′)キヌクリジンであってエタノ
    ール中でその遊離塩基が[α]20+32±1のもの、およ
    びその酸付加塩。
  6. 【請求項6】(−)−シス−2−メチルスピロ(1,3−
    オキサチオラン−5,3′)キヌクリジンであってエタノ
    ール中でのその遊離塩基が[α]20−32±1のもの、お
    よびその酸付加塩。
  7. 【請求項7】(+)−トランス−2−メチルスピロ(1,
    3−オキサチラン−5,3′)キヌクリジンであってエタノ
    ール中でその遊離塩基が[α]20+24±1.2のもの、お
    よびその酸付加塩。
  8. 【請求項8】(−)−トランス−2−メチルスピロ(1,
    3−オキサチオラン−5,3′)キヌクリジンであってエタ
    ノール中でのその遊離塩基が[α]20−24±1.2のも
    の、およびその酸付加塩。
  9. 【請求項9】(+)−シス−,(−)−シス−,(+)
    −トランス−および(−)−トランス−2−メチルスピ
    ロ(1,3−オキサチオラン−5,3′)キヌクリジンまたは
    それらの薬剤として使用できる酸付加塩からなる群から
    選択された1種以上と、不活性担体または希釈剤とから
    なる中枢神経系疾患の治療用の薬剤組成物。
  10. 【請求項10】経口、経直腸、非経口または経皮投与ま
    たはインサフレーション、鼻スプレーによって投与する
    のに適した形態の請求項第9項記載の薬剤組成物。
  11. 【請求項11】経皮投与するのに適した形態にあり、追
    加成分として低分子量脂肪酸を含有している、請求項第
    10項記載の薬剤組成物。
  12. 【請求項12】投与単位量の形態にした請求項第11項記
    載の薬剤組成物。
  13. 【請求項13】1種以上の上記異性体またはその薬剤と
    して使用できる酸付加塩が、0.5〜500mgの範囲の量で存
    在し、さらに不活性担体または希釈剤を含有するもので
    ある請求項第12項記載の薬剤組成物。
  14. 【請求項14】量が5〜100mgの範囲内にある、請求項
    第13項記載の薬剤組成物。
  15. 【請求項15】量が、10〜50mgの範囲内にある、請求項
    第14項記載の薬剤組成物。
  16. 【請求項16】1種以上のものが、本質的に(−)−シ
    ス−2−メチルスピロ(1,3−オキサチオラン−5,3′)
    キヌクリジンまたはそれの薬剤として使用できる酸付加
    塩である、請求項第13項記載の薬剤組成物。
  17. 【請求項17】さらに、フィゾスチグミン、テトラヒド
    ロアミノアクリジン、コリン、レシチン、ピラセタム、
    アニラセタム、プラミラセタム、オキシラセタム、4−
    アミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、ソマトスタ
    チン、ピレンゼピン、N−メチルアトロピン、N−ブチ
    ルスコポラモン、スコポラミン、クロニジン、クアンフ
    ァマイシン、および神経成長因子(Nerve Growth Facto
    r)からなる群から選択された1種以上の化合物を含有
    する、請求項第16項記載の薬剤組成物。
  18. 【請求項18】経口、経直腸、非経口または経皮投与ま
    たはインサフレーションまたは鼻スプレーによる投与に
    適した形態の、請求項第17項記載の薬剤組成物。
  19. 【請求項19】経皮投与に適した形態の、追加成分とし
    て低分子量脂肪酸を含有している、請求項第18項記載の
    薬剤組成物。
  20. 【請求項20】(−)−シス−2−メチルスピロ(1,3
    −オキサチオラン−5,3′)キヌクリジンまたはその薬
    剤として使用できる酸付加塩と、フィゾスチグミン、テ
    トラヒドロアミノアクリジン、コリン、レシチン、ピラ
    セタム、アニラセタム、プラミラセタム、オキシラセタ
    ム、4−アミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、ソ
    マトスタチン、ピレンゼピン、N−メチルアトロピン、
    N−ブチルスコポラミン、スコポラミン、クロニジン、
    クアンファマイシン、および神経成長因子からなる群か
    ら選択された1種以上の化合物からなる中枢神経系疾患
    の治療用の薬剤組成物。
  21. 【請求項21】不活性担体または希釈剤をも含有してい
    る、請求項第20項記載の薬剤組成物。
  22. 【請求項22】経口、経直腸、非経口または経皮投与ま
    たはインサフレーションまたは鼻スプレー投与に適した
    形態の、請求項第21項記載の薬剤組成物。
  23. 【請求項23】経皮投与に適した形態のものであって、
    追加成分として低分子量脂肪酸を含有している、請求項
    第22項記載の薬剤組成物。
  24. 【請求項24】(+)−シス−,(−)−シス−,
    (+)−トランス−および(−)−トランス−2−メチ
    ルスピロ(1,3−オキサチオラン−5,3′)キヌクリジン
    またはその薬剤として使用できる酸付加塩からなる群か
    ら選択された1種類以上を有効成分として含有する、哺
    乳類の中枢神経の病気の治療用の薬剤組成物。
  25. 【請求項25】不活性担体または希釈剤をも含有してい
    る、請求項24項記載の薬剤組成物。
  26. 【請求項26】中枢コリン作用系の機能不全による病気
    を治療するためのものである、請求項第24項記載の薬剤
    組成物。
  27. 【請求項27】化合物(−)−シス−2−メチルスピロ
    (1,3−オキサチオラン−5,3′)キヌクリジンまたはそ
    の薬剤として使用できる酸付加塩を有効成分として含有
    する、アルツハイマー型老人性痴呆の患者の治療用の薬
    剤組成物。
  28. 【請求項28】不活性担体または希釈剤をも含有してい
    る、請求項第27項記載の薬剤組成物。
  29. 【請求項29】薬剤組成物が、経口、経直腸、非経口ま
    たは経皮投与、インサフレーションまたは鼻スプレーに
    よる投与に適した形態のものであり、経皮投与の場合、
    薬剤組成物が追加成分として低分子量脂肪酸を含有する
    ものである、請求項第28項記載の薬剤組成物。
  30. 【請求項30】キヌクリジン誘動体と共に、フィゾスチ
    グミン、テトラヒドロアミノアクリジン、コリン、レシ
    チン、ピラセタム、アニラセタム、プラミラセタム、オ
    キシラセタム、4−アミノピリジン、3,4−ジアミノピ
    リジン、ソマトスタチン、ピレンゼピン、N−メチルア
    トロピン、N−ブチルスコポラミン、スコポラミン、ク
    ロニジン、クアンファマイシン、および神経成長因子か
    らなる群から選択された1種類以上の化合物をも含有し
    ている、請求項第27項記載の薬剤組成物。
  31. 【請求項31】化合物またはその薬剤として使用できる
    酸付加塩を0.1〜60mg/体重kgの範囲内の量で経口投与で
    きるように含有することを特徴とする、請求項第27項記
    載の薬剤組成物。
  32. 【請求項32】化合物またはその薬剤として使用できる
    酸付加塩を0.5〜10mg/体重kgの範囲内の量で経口投与で
    きるように含有することを特徴とする、請求項第27項記
    載の薬剤組成物。
  33. 【請求項33】化合物またはその薬剤として使用できる
    酸付加塩を1〜5mg/体重kgの範囲内の量で経口投与でき
    るように含有することを特徴とする、請求項第27項記載
    の薬剤組成物。
  34. 【請求項34】キヌクリジンと共に、フィゾスチグミ
    ン、テトラヒドロミアミノアクリジン、コリン、レシチ
    ン、ピラセタム、アニラセタム、プラミラセタム、オキ
    シラセタム、4−アミノピリジン、3,4−ジアミノピリ
    ジン、ソマトスタチン、ピレンゼピン、N−メチルアト
    ロピン、N−ブチルスコポラミン、スコポラミン、クロ
    ニジン、クアンファマイシンおよび神経成長要素から成
    る群から選択された1種以上の化合物をも同時投与でき
    るように含有することを特徴とする請求項第31項記載の
    薬剤組成物。
  35. 【請求項35】化合物またはその薬剤として使用できる
    酸付加塩を0.01〜40mg/体重kgの範囲内の量で非経口投
    与できるように含有することを特徴とする、請求項第27
    項記載の薬剤組成物。
  36. 【請求項36】化合物またはその薬剤として使用できる
    酸付加塩を0.05〜5mg/体重kgの範囲内の量で非経口投与
    できるように含有することを特徴とする、請求項第27項
    記載の薬剤組成物。
  37. 【請求項37】化合物またはその薬剤として使用できる
    酸付加塩を0.1〜2mg/体重kgの範囲内の量で非経口投与
    できるように含有することを特徴とする、請求項第27項
    記載の薬剤組成物。
  38. 【請求項38】キヌクリジンと共に、フィゾスチグミ
    ン、テトラヒドロアミノアクリジン、コリン、レシチ
    ン、ピラセタム、アニラセタム、プラミラセタム、オキ
    シラセタム、4−アミノピリジン、3,4−ジアミノピリ
    ジン、ソマトスタチン、ピレンゼピン、N−メチルアト
    ロピン、N−ブチルスコポラミン、スコポラミン、クロ
    ニジン、クアンファマイシンおよび神経成長因子からな
    る群から選択された1種以上の化合物をも同時投与でき
    るように含有することを特徴とする請求項第35項記載の
    薬剤組成物。
  39. 【請求項39】(±)−シス−2−メチルスピロ(1,3
    −オキサチオラン−5,3′)キヌクリジンおよび(±)
    −トランス−2−メチルスピロ(1,3−オキサチオラン
    −5,3′)キヌクリジンからなる群から選択された塩基
    を鏡像体の酸で処理し、沈殿した塩を目的とする光学純
    度が得られるまで分別することからなる、請求項第1項
    記載の各々の光学異性体の1種以上の製造法。
  40. 【請求項40】母液を塩基化し、残留塩基を、最初に使
    用した鏡像体の酸の鏡像体で処理し、沈殿した塩を目的
    とする光学純度が得られるまで分別することからなる、
    請求項第39項記載の製造法。
  41. 【請求項41】(+)−と−(−)−シス−2−メチル
    スピロ(1,3−オキサチオラン−5,3′)キヌクリジン、
    ならびに(+)−と(−)−トランス−2−メチルスピ
    ロ(1,3−オキサチオラン−5,3′)キヌクリジンからな
    る群から選択された一つの鏡像体塩基と、一つの鏡像体
    の酸とから得られた塩を、塩基で処理して目的とする鏡
    像体塩基を単離する、請求項第39または40項記載の製造
    法。
  42. 【請求項42】単離された鏡像体塩基を酸で処理して、
    その酸は酸付加塩を形成する、請求項第41項記載の製造
    法。
  43. 【請求項43】酸が薬剤として使用できる酸である、請
    求項第42項記載の製造法。
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