JP2876550B2 - ラクトンからのアジピン酸の製造 - Google Patents

ラクトンからのアジピン酸の製造

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ある種のラクトンを一酸化炭素および水
と、均質なロジウム触媒およびヨウ化物または臭化物の
促進剤の存在下に、反応させるアジピン酸の製造方法に
関する。
本発明は、要約すれば、次の通りである:ある種のラ
クトンを一酸化炭素および水と、均質なロジウム触媒お
よびヨウ化物または臭化物の促進剤の存在下に転化し
て、アジピン酸を製造すること。
米国特許第4,622,423号および米国特許第4,788,333号
において、バーケ(Burke)は、重要なアジピン酸の高
い収率を与える、ブタジエンをアジピン酸へ転化する2
工程の方法を開示している。第1工程はブタジエンをヒ
ドロカルボキシル化して3−ペンテン酸を生成すること
である。第2工程は、3−ペンテン酸を一酸化炭素およ
び水で、ロジウム含有触媒、ヨウ化物促進剤およびある
種の不活性炭化水素溶媒、例えば、塩化メチレンの存在
下に、ヒドロカルボキシル化することである。
米国特許第4,788,333号には、γ−バレロラクトンは
ブタジエンのヒドロカルボキシル化において有意の副生
物であることが開示されている。また、α−メチル−γ
−ブチロラクトンはこの反応の少量の(<1%)の副生
物であることが発見された。γ−バレロラクトンおよび
α−メチル−γ−ブチロラクトンの両者は、3−ペンテ
ン酸のヒドロカルボキシル化に有効である反応条件下
に、それ以上のカルボニル化(またはヒドロカルボキシ
ル化)に対して不活性である。これらの副生物は収率を
損失させるので、これらのラクトンをアジピン酸に転化
する方法を発見することは有用であろう。
日本公開特許出願92,913/1979号(サドら)は、ラク
トンおよび一酸化炭素を、白金族の触媒の存在下に、促
進剤としてヨウ素化合物を使用して、反応させるジカル
ボン酸を製造することを開示している。実施例3におい
て、γ−バレロラクトンをロジウム触媒の存在下にカル
ボニル化して、予想された2−メチルグルタル酸を低い
収率(20.5%)でそして非分枝鎖のアジピン酸をより少
量(5.8%)で得ている。今回、ある種の分枝鎖のラク
トンをカルボニル化して実質的な量の予期されない、非
分枝鎖のジカルボン酸を生成することができることが発
見された。
本発明は、工程: a)γ−バレロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラク
トン、α,β−ジメチルプロピオラクトン、α−エチル
プロピオラクトンおよびβ−エチルプロピオラクトンか
ら成る群より選択される少なくとも1種のラクトンを、
一酸化炭素および水と、均質なロジウム触媒およびヨウ
化物化合物および臭化物化合物から成る群より選択され
る少なくとも1種の促進剤の存在下に、約190℃〜約250
℃の温度においておよび約100psi〜約2000psiの一酸化
炭素の分圧において反応させ、ここで促進剤対ロジウム
のモル比は約1:1〜約20:1であり、そして前記温度およ
び圧力は図面に示す多角形内に存在し、そして b)一酸化炭素の吸収が鋭く傾斜したとき反応をクエン
チング(quenching)する、 ことを特徴とする、アジピン酸の製造方法を提供する。
日本公開特許出願92,913/1979号(サドおよびタシ
マ)において、ヨウ化物促進ロジウム触媒を使用して、
アルキル置換ラクトンをカルボニル化して対応する線状
ジカルボン酸を生成できることが示されているが、報告
されている収率は非常に低い。とくに、γ−バレロラク
トンからのアジピン酸の収率はわずかに5.8%である。
今回、先行技術に教示されているものとは反対に、あ
る種のメチル−およびエチル−置換ラクトンのロジウム
触媒カルボニル化により、アジピン酸のすぐれた収率を
得ることができることが発見された。これは多数のプロ
セス変数を注意して制御することによって達成される。
促進剤対ロジウムの適切なモル比を使用すること、およ
び反応混合物中の温度および一酸化炭素の分圧を図面に
示す多角形の限界内に維持することはことに重要であ
る。
また、所望の生成物であるアジピン酸は、反応条件下
に分枝鎖の酸(例えば、2−メチルグルタル酸)および
還元された生成物(例えば、バレリン酸)にゆっくり転
化されることが発見された。したがって、アジピン酸の
最大の可能な収率を得るためには、通常ラクトンのすべ
てが反応してしまう前に反応をクエンチングすることが
必要である。
本発明の方法において出発物質として使用するγ−バ
レロラクトンまたはα−メチル−γ−ブチロラクトン
は、米国特許第4,788,333号に記載されているヒドロカ
ルボキシル化反応から得ることができるか、あるいは任
意の他の源から得ることができる。α,β−ジメチルプ
ロピオラクトン、α−エチルプロピオラクトンおよびβ
−エチルプロピオラクトンの合成は先行技術において記
載されている。
ロジウム触媒は、妨害する配位子、例えば、2座配位
のホスフィンを含有せず、そして反応条件下に均質な溶
液を形成することができる、ロジウム化合物、またはロ
ジウム化合物の混合物から誘導することができる。適当
な化合物は、次のものを包含する:米国特許第4,788,33
3号(第3欄第37−54行)に記載されているもの、なら
びに米国特許第4,788,333号中に列挙されているヨウ化
ロジウムおよび塩化ロジウムの臭化物類似体。反応混合
物中のロジウムの量は、反応混合物の1000部当たり0.1
〜10部、好ましくは約0.4〜約1.7部である。反応媒質の
重量は、溶媒、触媒、促進剤、および反応成分を含む。
ラクトンのカルボニル化の速度はロジウムの量を増加す
ると増加するが、アジピン酸の分解速度も増加すること
がある。
触媒は、予備形成するか、あるいはその場で形成する
ことができ、これを促進して満足な反応速度を達成しな
くてはならない。適当な促進剤はヨウ化物および臭化物
の化合物、およびそれらの混合物である。好ましいヨウ
化物および臭化物の促進剤は、次のものを包含する:H
I、HBr、低級アルキル臭化物、および低級アルキルヨウ
化物、例えば、ブロモメタン、1−ブロモブタン、1,4
−ジブロモブタン、2−ブロモブタン、1−ブロモプロ
パン、ブロモヘプタン、ヨウ化メチル、ヨウドエタン、
1−ヨウドブタン、1,4−ジ−ヨウドブタン、2−ヨウ
ドプロパン、1−ヨウドプロパンおよびヨウドヘプタ
ン。最も好ましくはHI、HBrおよびヨウ化メチルであ
る。驚くべきことには、促進剤がHBrであるとき、直線
の選択性はより高くかつ飽和C5酸への還元は少ない。促
進剤およびロジウムは、ヨウ化ロジウムにおけるよう
に、同一化合物中に存在することができる。一般に、促
進剤の濃度は、反応混合物の重量に基づいて、0.05〜1.
0重量%である。さらに、促進剤対ロジウムのモル比は
約1:1〜約20:1、好ましくは2:1〜15:1である。20:1より
大きいモル比において、回収されるアジピン酸の量は大
きく減少する。
この方法の出発物質であるラクトンは、室温において
液状であるので、追加の溶媒の使用は必須ではない。し
かしながら、より高いアジピン酸の収率および転化率は
カルボン酸溶媒中で得られる。好ましい溶媒はアジピン
酸、バレリン酸、およびカルボン酸の混合物、例えば、
ブタジエンのヒドロカルボキシル化の間に生成するもの
である。他の適当な溶媒は、反応の高い酸性、高い温度
の条件下に安定なものである。他の適当な溶媒は、次の
ものを包含する:飽和塩素化溶媒、例えば、塩化メチレ
ン;1〜10個の炭素原子を有するカルボン酸;芳香族化合
物、例えば、トルエン、キシレンおよびクロロベンゼ
ン;および極性非プロトン性溶媒、例えば、テトラメチ
レンスルホン。溶媒の混合物を、また、使用することが
できる。溶媒を使用する場合、それは通常反応混合物の
約10〜約90重量%で存在するであろう。
温度および一酸化炭素の分圧の使用可能な限界は相互
に関係する。例えば、固定したCOの分圧において、γ−
バレロラクトンのアジピン酸対分枝鎖の酸への転化にお
ける選択性は温度とともに増加する。同様に、所定の温
度において、アジピン酸への選択性はCOの分圧の減少と
ともに増加する。全体的に、温度の範囲は、図面に示す
ように、反応温度において100〜2000psiの範囲である。
より低い温度において、反応は遅すぎ、そしてより高い
温度において、副反応、例えば、脱カルボキシル化はか
なりおこる。最適な温度は200℃〜240℃である。最適な
COの分圧は温度に依存し、より高い圧力は高温において
触媒を安定化するために必要である。220〜240℃におい
て、最適なCO圧力は200〜600psiである。
一酸化炭素の吸収速度が鋭く低下したとき、反応をク
エンチングするか、あるいは全く停止することが重要で
ある。なぜなら、この時点において、反応しているラク
トンの量は比較的少ないが、他の副反応は連続してお
り、そして副反応は全体の収率および選択性を減少する
であろうからである。この反応は多数の方法で、例え
ば、温度を約120℃以下に減少することによってクエン
チングすることができる。
水はラクトンからのアジピン酸の形成に必要である
が、任意の時間において存在する水の量は低く、好まし
くは溶媒の20重量部当たり1部より少なく保持すべきで
ある。溶媒が存在しない場合、水の量は反応混合物の20
重量部当たり1部より少なくあるべきである。化学量論
的量の水を反応の開始時に添加するが、それは反応によ
り消費されるとき連続的に添加して、望ましくないほど
に高い濃度を回避することが好ましい。水の量は化学量
論的量を越えることができるが、大過剰で存在すべきで
はない。
反応時間は多くのプロセス変数、例えば、温度および
ロジウム濃度に依存するであろう。典型的には、0.25〜
5時間の反応時間はラクトンの出発物質の大部分を酸生
成物に転化するために十分である。反応の進行、したが
って最適な時間は、反応混合物から試料を抜き出し、そ
して標準の技術により試料を分析するか、あるいは一酸
化炭素の吸収を監視することによって決定することがで
きる。CO吸収において鋭い低下は、ラクトンのカルボニ
ル化速度の鋭い減少、それゆえアジピン酸の形成の鋭い
減少をシグナルする。この時点におけるそれ以上の反応
は、所望のアジピン酸を望ましくない副生成物に実質的
に転化する。
アジピン酸の単離はいくつかの標準の手順の任意のも
のにより達成することができる。この手順は、次のもの
を包含するが、これらに限定されない:濾過(反応混合
物がアジピン酸の非溶媒であるとき)、溶媒の抽出、お
よびクロマトグラフィー。
次の実施例によって、本発明をさらに説明するが、こ
れらの実施例は本発明を限定しない。部およびパーセン
トはモル%であり、そして生成物は、特記しない限り、
メチルエステルとしてガスクロマトグラフィーにより分
析した。
実施例 実施例1 220℃および600psiにおける酢酸溶媒中のロジウム触媒
および臭化水素の促進剤を使用するγ−バレロラクトン
のアジピン酸への転化 300mlのハステロイ−Cの機械撹拌式オートクレーブ
を窒素でフラッシュし、次いで高い純度の一酸化炭素で
フラッシュした。それに19.95g(200ミリモル)のγ−
バレロラクトン(VL)、10.77gのアジピン酸中の30%の
HBr(30ミリモルのHBr)、および6.65gのo−ジクロロ
ベンゼン(ODCB)(GCの内部標準)を含有する200mlの
アジピン酸溶液を供給した。オートクレーブを一酸化炭
素(CO)で300psiに加圧し、次いで220℃に加熱した。
反応は2.26g(230ミリモル)の水中に0.53g(2ミリモ
ル)のRhCl3・3H2Oを溶解することによって調製した溶
液をオートクレーブ中に注入することによって開始し
た。次いで、オートクレーブの圧力を調整弁によりCOで
600psiに直ちに調節した。追加の16mlの水を高い圧力注
射器のポンプを経て2時間かけて連続的に添加した。オ
ートクレーブの圧力は、1200psiの初期圧力において受
器からCOを供給することによって、600psiに一定に維持
した。カルボニル化速度は受器の圧力の低下を監視する
ことによって測定した。
COの吸収は約75分後に止んだ。初期(最初の45分)の
COの吸収に基づいて、反応についての初期一次速度定数
は30×10−3分−1であった。反応を合計2時間進行さ
せ、次いでそれを20℃に冷却した。過剰のCOを制御弁か
ら排出し、そして生成物を取り出した。オートクレーブ
をまず150mlのメタノールで100℃においてオートクレー
ブの圧力下で洗浄し、次いで100mlのメタノールで室温
において洗浄した。
生成物およびオートクレーブからの洗浄液を一緒に
し、濾過し、そして濾液を500mlにメタノールで希釈し
た。この溶液の試料を、過剰のメタノールおよびp−ト
ルエンスルホン酸のエステル化触媒とともに密閉したバ
イアル中で90℃に14時間加熱することによって、エステ
ル化した。それをメチルエステルとして毛管ガスクロマ
トグラフィーにより分析した。分析は次の組成を示した
(供給したVLの100モル当たりの生成物のモル): 回収 正規化 回収されたγ−バレロラクトン 19.8% 20.6 アジピン酸 42.8% 44.6 2−メチルグルタル酸 19.3% 20.1 エチルコハク酸 3.8% 3.9 2−ペンテン酸 0.5% 0.6 バレリン酸 7.8% 8.2 2−メチル酪酸 1.8% 1.9 合計 96.0% 100% 生成物の合計*は96%であり、バレロラクトンの転化率
は80.2%であり、そしてアジピン酸の収率**は53.4%
であった。
*回収されたすべての生成物のモル数を供給したVLのモ
ル数で割った。
**反応したVLの100モル当たりに形成したアジピン酸
のモル数(損失を説明するために補正されていない)。
実施例2 220℃および600psiにおける酢酸溶媒中のロジウム触媒
および臭化水素の促進剤を使用するγ−バレロラクトン
のアジピン酸への転化 実施例1における実験を反復したが、ただしRhCl3・3
H2Oの触媒の量を1.06g(4.0ミリモル)に増加した。約6
0分後にCOの吸収が止んだ。反応についての初期の一次
速度定数は46.2×10−3分−1であった(これは約15分
の半減期を表す)。生成物のGC分析は86.9%のVLの転化
を示し、そして次は正規化した収率である:アジピン酸
(AA)27.4%、メチルグルタル酸(MGA)30.3、エチル
コハク酸(ESA)8.5、バレリン酸(VA)16.8。直線性は
41.4%である。
実施例3 220℃および400psiにおける酢酸溶媒中のロジウム触媒
および臭化水素の促進剤を使用するγ−バレロラクトン
のアジピン酸への転化 実施例1における実験を反復したが、ただし初期の冷
圧は150psiであり、温度における最終の合計の圧力は40
0psiであり、合計の体積は150mlであり、そして他の成
分の量は次の通りであった:γ−バレロラクトン15.0g
(150ミリモル)、アジピン酸中の30%HBr8.1g(30ミリ
モル)、ODCB5.0g、RhCl3・3H2O0.8g(3ミリモル)お
よび水3.1g(172.5ミリモル)。
約60分後にCOの吸収が止んだ。反応についての初期の
一次速度定数は5.8×10−3分−1であった。反応は合
計4時間進行させた。生成物のGC分析は63.5%のVLの転
化を示し、101.9%の分析の生成物の計数そして次は正
規化した収率である:AA 60.5%、MGA 20.8%、ESA
4.0%、VA 12.2%。
実施例4 200℃および600psiにおける酢酸溶媒中のロジウム触媒
およびヨウ化水素の促進剤を使用するγ−バレロラクト
ンのアジピン酸への転化 実施例1における実験を反復したが、ただし臭化水素
の代わりに4.5gの57%の水性HI(20ミリモルのHI)を使
用し、そしてロジウム触媒は[Rh(COD)Cl]2(0.49
g;2.0ミリモル)であった。反応は5時間進行させ、こ
の時COの吸収が止んだ。反応についての初期の一次速度
定数は13.0×10−3分−1であった。生成物のGC分析は
78.1%のVLの転化を示し、そして次は正規化した収率で
ある:AA 41.2%、MGA 33.6%、ESA 6.3%、VA 15.6
%。直線性は51.4%である。
実施例5 200℃および600psiにおける酢酸溶媒中のロジウム触媒
およびヨウ化メチルの促進剤を使用するγ−バレロラク
トンのアジピン酸への転化 実施例1における実験を反復したが、ただし臭化水素
の代わりに2.13g(15ミリモル)のヨウ化メチルおよび
0.96gのメタノールを使用し、そしてロジウム触媒の量
は0.4g(1.5ミリモル)であった。溶媒の量を、また、1
50mlに減少し、そしてVLおよび水、およびODCBを相応し
て25%だけ減少した。反応は5時間進行させ、この時CO
の吸収が止んだ。反応についての初期の一次速度定数は
18.0×10−3分−1であった。生成物のGC分析は86.8%
のVLの転化を示し、そして次は正規化した収率である:A
A 43.4%、MGA 33.3%、ESA 7.3%、VA 9.5%。直
線性は51.7%である。
実施例6 200℃および1160psiにおけるアジピン酸溶媒中のRh触媒
およびHI促進剤を使用するα−メチルブチロラクトンの
ヒドロカルボキシル化 300mlのガラスライニングしたハステロイ−Cの震盪
管に、45mlの氷酢酸、4.0g(40ミリモル)のα−メチル
ブチロラクトン(MBL)、0.6gの57%の水性HI(2.7ミリ
モルのHI)、1.4g(80ミリモル)の水および0.21g(0.8
ミリモル)のRhCl3・3H2Oを供給した。
管を閉じ、−78℃に冷却し、排気し、次いで一酸化炭
素で500psiに加圧した。管を撹拌しながら200℃に約45
分間かけて加熱した;200℃における圧力は約1160psi(C
Oの分圧は約1060psiであった)。温度を200℃に維持
し、そしてさらに2時間およびCOを15分の間隔で添加し
て、合計の圧力を約1160psiに維持した。反応を2時間
後に0℃への冷却により停止させた。過剰のCOの圧力を
ゆっくり排気し、生成物を取り出し、そして管を2×20
mlのメタノールですすいだ。
生成物および洗液を一緒にし、そして溶液を濾過し
た。内部標準(5.00gのODCB)を添加し、そして生成物
をメタノールで200mlにした。試料を実施例1に記載さ
れているようにエステル化し、そしてそれをメチルエス
テルとして30m×0.25mmのCP−SIL−8 CB毛管GCカラム
で分析した。
分析は100%のMBLの転化率、98%の生成物の計数およ
び次の正規化した収率:25.5%のAA、51.4%の分枝鎖の
二酸(40.8%のMGA、5.9%のESA、4.7%の2,3−ジメチ
ルコハク酸、DMSA)および18.0%のバレリン酸+2−メ
チル酪酸。直線性は33.2%である。
実施例7 上の反応を230℃において1180〜1200psiの合計の圧力
で反復したとき、次の結果が得られた:100%のMBLの転
化率、94%の生成物の計数および次の正規化した収率:1
5.3%のAA、40.8%の分枝鎖の二酸(28.9%のMGA、6.4
%のESA、5.5%のDMSA)および29.9%のバレリン酸+2
−メチル酪酸。直線性は27.3%である。
本発明の主な特徴および態様は、次の通りである。
1、工程: a)γ−バレロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラク
トン、α,β−ジメチルプロピオラクトン、α−エチル
プロピオラクトンおよびβ−エチルプロピオラクトンか
ら成る群より選択される少なくとも1種のラクトンを、
一酸化炭素および水と、均質なロジウム触媒およびヨウ
化物化合物および臭化物化合物から成る群より選択され
る少なくとも1種の促進剤の存在下に、約190℃〜約250
℃の温度においておよび約100psi〜約2000psiの一酸化
炭素の分圧において反応させ、ここで促進剤対ロジウム
のモル比は約1:1〜約20:1であり、そして前記温度およ
び圧力は図面に示す多角形内に存在し、そして b)一酸化炭素の吸収が鋭く低下したとき反応をクエン
チング(quenching)する、 ことを特徴とする、アジピン酸の製造法。
2、反応を溶媒中で実施し、そして反応混合物中に存在
する水は溶媒の20部当たり約1部以下の水である、上記
第1項記載の方法。
3、溶媒は塩化メチレン、1〜10個の炭素原子を有する
カルボン酸、トルエン、キシレン、およびテトラメチレ
ンスルホンから成る群より選択される少なくとも1種で
ある、上記第2項記載の方法。
4、溶媒は酢酸である、上記第3項記載の方法。
5、促進剤はHI、HBr、低級アルキルヨウ化物、および
低級アルキル臭化物から成る群より選択される、上記第
1項記載の方法。
6、促進剤対ロジウムの比は2:1〜15:1の範囲である、
上記第5項記載の方法。
7、促進剤はHBrである、上記第6項記載の方法。
8、均質なロジウム触媒は反応混合物の1000部当たり0.
1〜10部の比で存在する、上記第1項記載の方法。
9、均質なロジウム触媒は反応混合物の1000部当たり0.
4〜1.7部の比で存在する、上記第1項記載の方法。
10、促進剤はヨウ化水素、または低級アルキルヨウ化物
であり、そして促進剤対ロジウムの比は2:1〜15:1の比
の範囲である、上記第1項記載の方法。
11、ラクトンはγ−バレロラクトンである、上記第1項
記載の方法。
12、ラクトンはα−メチル−γ−ブチロラクトンであ
る、上記第1項記載の方法。
13、ラクトンはγ−バレロラクトン、α−メチル−γ−
ブチロラクトン、α,β−ジメチルプロピオラクトン、
α−エチルプロピオラクトンおよびβ−エチルプロピオ
ラクトンから成る群より選択される少なくとも2種のラ
クトンの混合物である、上記第1項記載の方法。
14、溶媒は1〜10個の炭素原子を有するカルボン酸の混
合物である、上記第2項記載の方法。
【図面の簡単な説明】
図面は、温度と一酸化炭素の分圧との間の関係のグラフ
の表示である。このグラフ上に示されている多角形は、
アジピン酸の高い収率がγ−バレロラクトン、α−メチ
ル−γ−ブチロラクトン、α,β−ジメチルプロピオラ
クトン、α−エチルプロピオラクトンおよびβ−エチル
プロピオラクトンのロジウム触媒を用いるヒドロカルボ
キシル化から達成することができる区域である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】工程: a)γ−バレロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラク
    トン、α,β−ジメチルプロピオラクトン、α−エチル
    プロピオラクトンおよびβ−エチルプロピオラクトンか
    ら成る群より選択される少なくとも1種のラクトンを、
    一酸化炭素および水と、均質なロジウム触媒およびヨウ
    化物化合物および臭化物化合物から成る群より選択され
    る少なくとも1種の促進剤の存在下に、約190℃〜約250
    ℃の温度においておよび約100psi〜約2000psiの一酸化
    炭素の分圧において反応させ、ここで促進剤対ロジウム
    のモル比は約1:1〜約20:1であり、そして前記温度およ
    び圧力は図面に示す多角形内に存在し、そして b)一酸化炭素の吸収が鋭く低下したとき反応をクエン
    チング(quenching)する、 ことを特徴とする、アジピン酸の製造方法。
JP2108959A 1989-04-26 1990-04-26 ラクトンからのアジピン酸の製造 Expired - Fee Related JP2876550B2 (ja)

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