JP2875457B2 - 遅延検波回路 - Google Patents

遅延検波回路

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JP2875457B2
JP2875457B2 JP5198492A JP19849293A JP2875457B2 JP 2875457 B2 JP2875457 B2 JP 2875457B2 JP 5198492 A JP5198492 A JP 5198492A JP 19849293 A JP19849293 A JP 19849293A JP 2875457 B2 JP2875457 B2 JP 2875457B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、PSK(Phase Shift
Keying)変調波信号を遅延検波する遅延検波回路に関
し、特に変調波信号から合成位相信号への変換手段の改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】図5には、一従来例に係る遅延検波回路
の構成が示されている。この図に示される回路は、PS
K変調波信号を遅延検波する回路である。
【0003】この従来例は、周波数fの搬送波をPS
K変調して得られるPSK変調信号を入力すべく、入力
端子10を備えている。入力端子10から入力されるP
SK変調波信号は、リミタ20に供給され、このリミタ
20によりその電圧レベルが制限される。電圧レベルが
制限されたPSK変調波信号は、位相信号変換器30に
供給される。位相信号変換器30は、ローカルマスタ発
振器80から、局部発振信号を入力する。局部発振信号
は、PSK変調波信号の搬送周波数fのm倍(m:自
然数)の周波数を有している。位相信号変換器30は、
この局部発振信号に基づき周波数fの基準信号を生成
し、この基準信号を用いてPSK変調波信号の位相を検
出する。検出した位相は、位相信号変換器30から一般
にMビット(M:自然数)表現される位相信号として位
相信号合成器40に供給される。
【0004】図6には位相信号変換器30の一例構成が
示されている。この図に示される構成は、例えば特願平
3−333759号にも開示されている。この図に示さ
れる位相信号変換器30は、分周器31、フリップフロ
ップ(以下FF)33、カウンタ35、ラッチ37及び
インバータ39を備えている。分周器31は、ローカル
マスタ発振器80から供給される局部発振信号をm分周
し、これにより周波数fの基準信号Aを生成する。
また、分周器31は、この基準信号Aの立ち上がりに
同期して立ち下がるパルスAも生成する。
【0005】また、FF33のセット(S)入力にはP
SK変調波信号が、リセット(R)入力には基準信号A
が入力されている。PSK変調波信号は、分周器31
によって生成される基準信号Aと同一の搬送周波数に
係る信号であるが、その位相は、基準信号Aと一般に
は一致しない。従って、FF33のQ出力Bは、例えば
図7に示されるように、PSK変調波信号が立ち上がっ
た後基準信号Aが立ち上がるまでの間H値をとる。
【0006】カウンタ35は、ローカルマスタ発振器8
0から供給される局部発振信号をクロック(CLK)入
力から入力し、これを計数するMビットのカウンタであ
る。カウンタ35における計数は、そのカウントイネー
ブル(CE)入力に供給される信号がH値である期間実
行される。このCE入力には、FF33からQ出力Bが
与えられる。従って、カウント35は、局部発振信号
を、FF33のQ出力BがH値を有する期間計数するカ
ウンタである。
【0007】カウンタ35の内容は、分周器31からリ
セット(RESET)入力に与えられるパルスAのタ
イミングでリセットされる。従って、カウンタ35の計
数値は図7において位相信号として示されるように、リ
セット直前において最大値となる。この計数値は、FF
33のQ出力BがH値を有している期間、すなわち基準
信号A1を基準として検出したPSK変調信号の位相を
示す値となる。この値は、パルスAをインバータ39
により反転して得られるタイミングで、ラッチ37によ
りラッチされる。ラッチ37はMビットのラッチであ
り、ラッチ37の内容は後段の位相信号合成器40に供
給される。また、パルスAも位相信号合成器40に供
給される。このようにして、PSK変調波信号の位相情
報が、Mビットに量子化された位相信号に変換される。
【0008】位相信号合成器40は、位相信号変換器3
0から供給されるMビットの位相信号を、M+L(L:
自然数)ビット表現される合成位相信号に拡張して出力
する。図8には、位相信号合成器40の一例構成が示さ
れている。
【0009】この図に示される位相信号合成器は、ラッ
チ42及び狭角合成器44を備えており、M=3ビット
の位相信号をM+L=4ビットの合成位相信号に拡張す
る機能を有している。
【0010】すなわち、位相信号変換器30から基準信
号Aの1周期当り1個出力される位相信号は、狭角合
成器44に供給される一方で、ラッチ42においてラッ
チされる。ラッチ42は、搬送周波数fの信号、例え
ばパルスAのタイミングで位相信号をラッチする。狭
角合成器44に入力されるのは、現時点における位相信
号と、それ以前のタイミング(パルスAのタイミン
グ)においてラッチされた位相信号である。狭角合成器
44は、これら2種類の位相信号を狭角合成し、その結
果得られる4ビットの合成位相信号を後段の減算器50
及び1シンボル遅延器90に供給する。
【0011】狭角合成器44によって実行される狭角合
成は、入力される2種類の位相信号によって表される位
相信号の中間値を示す合成位相信号を生成する処理であ
る。すなわち、位相信号変換器30から狭角合成器44
に入力される位相信号によって示される位相と、ラッチ
42から狭角合成器44に供給される位相信号によって
示される位相の中間値のうち、両位相がなす狭角の中間
値が、狭角合成器44によって求められ出力される。
【0012】位相信号合成器40の後段に設けられてい
る1シンボル遅延器90は、M+Lビットの合成位相信
号を、PSK変調波信号によって伝送される符号の1シ
ンボル期間だけ遅延させ、遅延させた合成位相信号を減
算器50に供給する。減算器50は、位相信号合成器4
0から出力される合成位相信号から1シンボル遅延器9
0によって遅延された合成位相信号を減算し、これによ
り、1シンボル期間におけるPSK変調波信号の位相の
変化を検出する。検出された位相の変化は、位相差信号
として周波数誤差補正器60を介して判定器70に供給
される。判定器70は、供給される位相差信号に基づ
き、PSK変調波信号によって伝送された符号を判定す
る。なお、周波数誤差補正器60は、PSK変調波信号
に係る搬送周波数fと、ローカルマスタ発振器80か
ら出力される局部発振信号をm分周して得られる基準信
号Aの周波数のずれによって生じる位相差信号の周波
数誤差を補正する回路である。このようにして、出力端
子11から、判定の結果たる符号が出力される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成を有する従来の遅延検波回路においては、復調
特性の向上に限界が生じていた。すなわち、位相信号変
換器から出力される位相信号のビット数Mを大きくする
と、量子化誤差が小さくなるため復調特性が良好とな
る。しかし、ビット数Mを増大させるためには、局部発
振信号をより高い周波数にしなければならず、回路の動
作周波数が高くなるため消費電力が増大してしまう。
【0014】このような消費電力の増大を抑制しつつ、
量子化誤差を小さくする手段としては、位相信号変換器
から出力される位相信号のビット数Mを抑制しつつ、位
相信号合成器における拡張ビット数Lを大きくするとい
う手段がある。しかし、位相信号合成器においてMビッ
トの位相信号からM+Lビットの合成位相信号への拡張
を行うためには、ラッチ等の手段によって、2種類の
位相信号を生成しなければならない。従って、拡張ビッ
ト数Lを増大させると、生成すべき位相信号の個数は2
の関係により加速的に増大することとなる。これは、
ある1個の合成位相信号を得るために、顕著に長い時間
が必要となることを意味している。
【0015】一般に、PSK変調波は、ナイキストフィ
ルタにより帯域制限されている。従って、位相信号を0
時間で取り込むことにより符号間干渉が最低となる。逆
にいえば、位相信号を取り込むために必要な時間(この
場合合成位相信号を生成するのに要する時間を含む)が
増大すると、符号間干渉が増大し、これにより復調特性
が劣化する。
【0016】この問題は、発明者による実験によっても
裏付けられている。この実験においては、変調方式とし
てπ/4シフトDQPSK(Differential Quarternary
PSK)が用いられた。また、PSK変調波信号の周波数
は450kHz、位相信号のビット数Mを4、合成位相
信号のビット数M+Lを6、1シンボル周期を47.6
μsec、合成位相信号の生成に要する時間を8.89
μsecとした。このような条件下、すなわち合成位相
信号の生成に要する時間が1シンボル周期の18.7%
となる条件下では、ビットエラーレートBER5%の場
合、理論値からの劣化が0.5dBとなる。同様にBE
R1%での理論値からの劣化は1.4dB、BER0.
1%での理論値からの劣化が3.1dBとなる。これ
は、回線品質(BER)が良好になるにしたがって、理
論値からの劣化が大きくなるという傾向を示している。
これは、符号間干渉による復調特性劣化の特徴と合致し
ている。
【0017】本発明は、このような問題点を解決するこ
とを課題としてなされたものであり、PSK変調波信号
の位相を示す位相信号のビット数Mを顕著に増大させる
ことなく、かつ合成位相信号への拡張ビット数Lを増大
させることなく、必要なビット数M+Lを有する合成位
相信号を得ることを目的とする。また、本発明は、これ
により、合成位相信号に含まれる量子化誤差を抑制する
と共に合成位相信号の合成に必要な時間を半減させ、符
号間干渉が小さく復調特性が良好な遅延検波回路を得る
ことを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明のビット数拡張方法は、所定周波数の
搬送波をPSK変調して得られるPSK変調波信号を、
当該搬送波と同一の周波数を有する基準信号と位相比較
し、基準信号を基準としたPSK変調波信号の位相を示
しMビット表現される第1位相信号を生成し、上記PS
K変調波信号と逆相の反転PSK変調波信号を上記基準
信号と位相比較し、基準信号を基準とした反転PSK変
調波信号の位相を示しMビット表現される第2位相信号
を生成し、第1及び第2位相信号のいずれかを180°
移相させた上で当該第1及び第2位相信号を狭角合成す
ることにより、第1及び第2位相信号を、その中間値を
有しM+ビット表現される合成位相信号に拡張するこ
とにより、Mビットの第1及び第2位相信号をM+
ットの合成位相信号に拡張し、PSK変調波信号により
伝送された符号の判定に用いることを特徴とする。
【0019】また、本発明のビット数拡張方法は、所定
周波数の搬送波をPSK変調して得られるPSK変調波
信号を、当該搬送波と同一の周波数を有する基準信号
位相比較し、基準信号を基準としたPSK変調波信号の
位相を示しMビット表現される第1位相信号を生成し、
上記PSK変調波信号と逆相の反転PSK変調波信号を
上記基準信号と位相比較し、基準信号を基準とした反転
PSK変調波信号の位相を示しMビット表現される第2
位相信号を生成し、第1及び第2位相信号をMビット表
現される2 L 種類の位相信号に変換し更に当該2 L 種類の
位相信号を順次狭角合成する処理を、当該第1若しくは
第2位相信号又は2 L 種類の位相信号を上記順次狭角合
成の途上で180°移相させながら実行することによ
り、第1及び第2位相信号を、その中間値を有しM+L
(ここではLは2以上の自然数)ビット表現される合成
位相信号に拡張することにより、Mビットの第1及び第
2位相信号をM+Lビットの合成位相信号に拡張し、P
SK変調波信号により伝送された符号の判定に用いるこ
とを特徴とする。
【0020】また、本発明の遅延検波回路は、所定周波
数の搬送波をPSK変調して得られるPSK変調波信号
を、当該搬送波と同一の周波数を有する基準信号と位相
比較し、基準信号を基準としたPSK変調波信号の位相
を示しMビット表現される第1位相信号を生成する第1
位相信号変換器と、上記PSK変調波信号と逆相の反転
PSK変調波信号を上記基準信号と位相比較し、基準信
号を基準とした反転PSK変調波信号の位相を示しMビ
ット表現される第2位相信号を生成する第2位相信号変
換器と、第1及び第2位相信号のいずれかを180°移
相させた上で当該第1及び第2位相信号を狭角合成する
ことにより、第1及び第2位相信号を、その中間値を有
しM+1ビット表現される合成位相信号に拡張する位相
信号合成器と、を備え、Mビットの第1及び第2位相信
号をM+1ビットの合成位相信号に拡張し、PSK変調
波信号により伝送された符号の判定に用いることを特徴
とする。
【0021】また、本発明の遅延検波回路は、所定周波
数の搬送波をPSK変調して得られるPSK変調波信号
を、当該搬送波と同一の周波数を有する基準信号と位相
比較し、基準信号を基準としたPSK変調波信号の位相
を示しMビット表現される第1位相信号を生成する第1
位相信号変換器と、上記PSK変調波信号と逆相の反転
PSK変調波信号を上記基準信号と位相比較し、基準信
号を基準とした反転PSK変調波信号の位相を示しMビ
ット表現される第2位相信号を生成する第2位相信号変
換器と、第1及び第2位相信号をMビット表現される2
L 種類の位相信号に変換し更に当該2 L 種類の位相信号を
順次狭角合成する処理を、当該第1若しくは第2位相信
号又は2 L 種類の位相信号を上記順次狭角合成の途上で
180°移相させながら実行することにより、第1及び
第2位相信号を、その中間値を有しM+L(ここではL
は2以上の自然数)ビット表現される合成位相信号に拡
張する位相信号合成器と、を備え、Mビットの第1及び
第2位相信号をM+Lビットの合成位相信号に拡張し、
PSK変調波信号により伝送された符号の判定に用いる
ことを特徴とする。
【0022】そして、本発明の遅延検波回路は、合成位
相信号を符号の1シンボル期間遅延させる手段と、合成
位相信号と1シンボル期間遅延した合成位相信号との差
を求めることにより位相差信号を生成する手段と、生成
した位相差信号に基づき、PSK変調波信号により伝送
された符号と判定する手段と、を備えることを特徴とす
る。
【0023】
【作用】本発明のビット数拡張方法及び遅延検波回路に
おいては、まず、PSK変調波信号の位相が検出され、
Mビットの第1位相信号が生成される。この検出は、搬
送波と同一の周波数を有する基準信号との位相比較によ
って実行される。また、本発明においては、このPSK
変調波信号と逆相の反転PSK変調波信号についても基
準信号との位相比較による位相検出が実行され、検出さ
れた位相を示すMビットの第2位相信号が生成される。
生成された第1及び第2位相信号は、その中間値を有す
るM+Lビットの合成位相信号に拡張される。得られた
合成位相信号は、PSK変調波信号により伝送された符
号の判定に用いられる。例えば、合成位相信号を符号の
1シンボル期間遅延した信号と合成位相信号との差が求
められ、この差を示す位相差信号に基づき、PSK変調
波信号により伝送された符号が判定される。
【0024】従って、本発明においては、PSK変調波
信号と逆相の反転PSK変調波信号についても位相信号
(第2位相信号)を生成し、これを合成位相信号の生成
に用いているため、同一の拡張ビット数Lに係る従来技
術に比べ、合成位相信号を得るために必要な時間が半減
する。この結果、符号間干渉の低減、ひいては復調特性
の向上が実現される。加えて、第1及び第2位相信号の
ビット数Mを増大させる必要がないため、回路の高周波
動作化による消費電力の増大も生じない。
【0025】更に、拡張ビット数Lが1の場合、本発明
の遅延検波回路は、狭角合成器及び移相手段によって構
成可能である。すなわち、第1及び第2位相信号のいず
れかを180°移相した上で、第1及び第2位相信号を
狭角合成器に供給して狭角合成することにより、M+1
ビットの合成位相信号が生成される。従って、本発明の
遅延検波回路は、拡張ビット数Lが1の場合にはラッチ
等を用いることなく構成可能である。
【0026】更に、本発明の遅延検波回路は、拡張ビッ
ト数L≧2の場合、位相信号変換手段、複数の狭角合成
器及び移相手段から構成可能である。すなわち、第1及
び第2位相信号は、位相信号変換手段によってMビット
の2種類の位相信号に変換される。この2種類の位
相信号は、継続接続された複数の狭角合成器により順次
狭角合成され、これによりM+Lビットの合成位相信号
が生成される。その際、第1又は第2位相信号変換器か
ら最後段の狭角合成器に至る位相信号供給路上におい
て、第1若しくは第2位相信号又は狭角合成の途上で生
成される位相信号が180°移相され、これにより、第
1位相信号と第2位相信号の位相差が補償される。従っ
て、本発明においては、拡張ビット数L≧2の場合にお
いても、比較的簡素な回路構成により、位相信号合成器
を実現可能である。
【0027】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面に
基づき説明する。なお、図5乃至図8に示される従来例
と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0028】図1には、本発明の一実施例に係る遅延検
波回路の構成が示されている。この図に示されるよう
に、本実施例は、位相信号変換器30を2個(すなわち
30−1及び30−2)を備えている。位相信号変換器
30−1には、従来例における位相信号変換器30と同
様リミタ20によって電圧制限されたPSK変調波信号
が入力される。これに対し、位相変換器30−2には、
リミタ20による電圧制限されたPSK変調波信号がイ
ンバータ100を介して、すなわち反転された上で入力
される。位相信号変換器30−1及び30−2は、従来
例における位相信号変換器30と同様の構成を有してい
る。位相信号変換器30−1及び30−2によってそれ
ぞれ生成される位相信号は、位相信号合成器110に供
給される。位相信号合成器110は、従来例における位
相信号合成器40とは異る構成を有している。位相信号
合成器110によって得られる一般にM+Lビットの合
成位相信号は、従来例と同様減算器50及び1シンボル
遅延器90に入力される。
【0029】本実施例の特徴は、インバータ100によ
って反転されたPSK変調波信号についても位相信号変
換器30−2によりその位相を検出しMビットの位相信
号を生成すること及び位相信号変換器30−1及び30
−2から出力される2種類の位相信号を用いて狭角合成
を行い、M+Lビットの合成位相信号に拡張することに
ある。
【0030】まず、位相信号変換器30−1によって得
られる位相信号は、リミタ20から出力されるPSK変
調波信号の位相を、ローカルマスタ発振器80から出力
される局部発振信号をm分周して得られる基準信号A
を基準として検出した結果を示すMビットの信号であ
る。これに対し、位相信号変換器30−2から出力され
る位相信号は、インバータ100によって反転されたP
SK変調波信号の位相を、位相信号変換器30−1と同
一の基準信号A1を基準として検出した結果を示すMビ
ットの信号である。従って、位相信号変換器30−2か
ら出力される位相信号は、位相信号変換器30−1から
出力される位相信号に対し180°移相された信号とな
る。位相信号合成器110は、これら2種類の位相信号
を入力し、合成位相信号に拡張する。
【0031】図2には、位相信号合成器110の一例構
成が示されている。この図に示される位相信号合成器1
10は、M=3、L=1の例である。
【0032】この図に示される位相信号合成器110
は、180度移相器112及び狭角合成器114から構
成されている。180度位相器112は、位相信号変換
器30−2から出力され図においてで示される3ビッ
トの位相信号を180°移相させることにより、位相信
号変換器30−1から出力され図においてで示される
位相信号との位相差を補償する。狭角合成器114は、
位相信号変換器30−1から出力される位相信号と、1
80度移相器112によって移相された位相信号とを狭
角合成し、これにより4ビットの合成位相信号を生成す
る。このようにして、位相信号合成器110は、位相信
号の量子化ビット数を3ビットから4ビットに拡張す
る。
【0033】図3には、位相信号合成器110の構成の
他の例が示されている。この図に示される位相信号合成
器110は、M=3、L=2の構成である。
【0034】この図に示される位相信号合成器110
は、180度移相器112、狭角合成器114−1〜1
14−3及びラッチ116−1及び116−2を備えて
いる。ラッチ116−1は、位相信号変換器30−1か
ら出力される3ビットの位相信号を、位相信号変換器3
0−1又は30−2から供給されるパルスAのタイミ
ングでラッチする。狭角合成器114−1は、位相信号
変換器30−1から供給される位相信号と、ラッチ11
6−1によりラッチされている位相信号とを入力し、こ
れらを狭角合成することにより4ビットの位相信号を生
成する。同様に、ラッチ116−2は、位相信号変換器
30−2から出力される位相信号をパルスAのタイミ
ングでラッチし、狭角合成器114−2は、位相信号変
換器30−2から供給される位相信号とラッチ116−
2においてラッチされている位相信号とを狭角合成する
ことにより4ビットの位相信号を生成する。狭角合成器
114−2により合成された4ビットの位相信号は、狭
角合成器114−1により合成された位相信号との位相
差を補償すべく180度移相器112によって180°
移相される。狭角合成器114−3は、狭角合成器11
4−1から出力される4ビットの位相信号と、180度
移相器112によって移相された4ビットの位相信号と
を狭角合成することにより、5ビットの合成位相信号を
生成する。これにより、位相信号の量子化ビット数が3
ビットから5ビットに拡張される。
【0035】このように、本実施例によれば、位相信号
変換器30−1及び30−2における量子化ビット数M
を増大させることなく、従って動作周波数の高周波化や
消費電力の増大を引きおこすことなく量子化誤差を低減
し復調特性を向上させることができる。更に、その際、
位相信号合成器110において生成すべき位相信号の個
数を、位相信号変換器として30−1及び30−2の2
個を設けることにより半減しているため、合成位相信号
の生成に必要な時間を半減させることができる。これに
より、符号間干渉を低減し、復調特性を向上させること
ができる。
【0036】図4には、発明者による実験の結果が示さ
れている。この実験は、先に従来技術の問題点を示すに
当たって示した測定条件と、合成位相信号の生成に要す
る時間が4.44μsecと相違するのみで同一の測定
条件で行われた。尚、図4の横軸は1ビット当り平均信
号エネルギーEと雑音電力密度Nの比(dB)であ
り、縦軸はビットエラーレート(%)である。
【0037】この図に示されるように、ビットエラーレ
ートBERが5%の場合の理論値からの劣化は0.5d
B、1%の場合の劣化は0.9dB、0.1%の場合の
劣化が1.7dBとなる。従って、従来技術における実
験結果との比較から明らかなように符号間干渉による復
調特性の劣化が抑圧されている。従って、本実施例によ
れば、従来技術に比べ良好な復調特性を得ることができ
る。
【0038】なお、本発明は、N相PSKなどにも適用
できる。更に、位相信号変換器30−1及び30−2に
おける量子化ビット数M及び位相信号合成器110にお
ける拡張ビット数Lは、周波数fとデータ伝送速度の
関係やIC化プロセスなどの制約はあるが設計的に任意
に定められるものである。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
PSK変調波信号の位相を当該PSK変調波信号の立ち
上がり及び立ち下がりを用いて検出し、第1及び第2位
相信号を生成するようにしたため、この第1及び第2位
相信号を合成位相信号への拡張に使用することにより、
当該拡張に必要な時間を短縮することができ、符号間干
渉の低減による復調特性の改善を実現することができ
る。また、その為に必要な回路構成は比較的簡素な回路
構成で足りる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る遅延検波回路の構成を
示すブロック図である。
【図2】この実施例における位相信号合成器の一例構成
を示すブロック図である。
【図3】この実施例における位相信号合成器の他の一例
を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る実験結果を従来技術との対比で示
す図である。
【図5】一従来例に係る遅延検波回路の構成を示すブロ
ック図である。
【図6】この実施例における位相信号変換器の構成を示
すブロック図である。
【図7】位相信号変換器の動作を示すタイミングチャー
トである。
【図8】この従来例における位相信号合成器の構成を示
すブロック図である。
【符号の説明】
10 入力端子 11 出力端子 30−1,31−2 位相信号変換器 50 減算器 70 判定器 80 ローカルマスタ発振器 90 1シンボル遅延器 100 インバータ 110 位相信号合成器 112 180度移相器 114,114−1〜114−3 狭角合成器 116−1,116−2 ラッチ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定周波数の搬送波をPSK変調して得
    られるPSK変調波信号を、当該搬送波と同一の周波数
    を有する基準信号と位相比較し、基準信号を基準とした
    PSK変調波信号の位相を示しMビット(M:自然数)
    表現される第1位相信号を生成し、 上記PSK変調波信号と逆相の反転PSK変調波信号を
    上記基準信号と位相比較し、基準信号を基準とした反転
    PSK変調波信号の位相を示しMビット表現される第2
    位相信号を生成し、第1及び第2位相信号のいずれかを180°移相させた
    上で当該第1及び第2位相信号を狭角合成することによ
    り、 第1及び第2位相信号を、その中間値を有しM+
    ビット表現される合成位相信号に拡張することにより、 Mビットの第1及び第2位相信号をM+ビットの合成
    位相信号に拡張し、PSK変調波信号により伝送された
    符号の判定に用いることを特徴とするビット数拡張方
    法。
  2. 【請求項2】 所定周波数の搬送波をPSK変調して得
    られるPSK変調波信号を、当該搬送波と同一の周波数
    を有する基準信号と位相比較し、基準信号を基準とした
    PSK変調波信号の位相を示しMビット(M:自然数)
    表現される第1位相信号を生成し、 上記PSK変調波信号と逆相の反転PSK変調波信号を
    上記基準信号と位相比較し、基準信号を基準とした反転
    PSK変調波信号の位相を示しMビット表現される第2
    位相信号を生成し、 第1及び第2位相信号をMビット表現される2 L 種類の
    位相信号に変換し更に当該2 L 種類の位相信号を順次狭
    角合成する処理を、当該第1若しくは第2位相信号又は
    L 種類の位相信号を上記順次狭角合成の途上で180
    °移相させながら実行することにより、 第1及び第2位
    相信号を、その中間値を有しM+L(L:2以上の自然
    数)ビット表現される合成位相信号に拡張することによ
    り、 Mビットの第1及び第2位相信号をM+Lビットの合成
    位相信号に拡張し、PSK変調波信号により伝送された
    符号の判定に用いることを特徴とするビット数拡張方
  3. 【請求項3】 所定周波数の搬送波をPSK変調して得
    られるPSK変調波信号を、当該搬送波と同一の周波数
    を有する基準信号と位相比較し、基準信号を基準とした
    PSK変調波信号の位相を示しMビット(M:自然数)
    表現される第1位相信号を生成する第1位相信号変換器
    と、 上記PSK変調波信号と逆相の反転PSK変調波信号を
    上記基準信号と位相比較し、基準信号を基準とした反転
    PSK変調波信号の位相を示しMビット表現される第2
    位相信号を生成する第2位相信号変換器と、 第1及び第2位相信号のいずれかを180°移相させた
    上で当該第1及び第2位相信号を狭角合成することによ
    り、第1及び第2位相信号を、その中間値を有しM+1
    ビット表現される合成位相信号に拡張する位相信号合成
    器と、 を備え、 Mビットの第1及び第2位相信号をM+1ビットの合成
    位相信号に拡張し、PSK変調波信号により伝送された
    符号の判定に用いる ことを特徴とする遅延検波回路。
  4. 【請求項4】 所定周波数の搬送波をPSK変調して得
    られるPSK変調波信号を、当該搬送波と同一の周波数
    を有する基準信号と位相比較し、基準信号を基準とした
    PSK変調波信号の位相を示しMビット(M:自然数)
    表現される第1位相信号を生成する第1位相信号変換器
    と、 上記PSK変調波信号と逆相の反転PSK変調波信号を
    上記基準信号と位相比較し、基準信号を基準とした反転
    PSK変調波信号の位相を示しMビット表現される第2
    位相信号を生成する第2位相信号変換器と、 第1及び第2位相信号をMビット表現される2 L 種類の
    位相信号に変換し更に当該2 L 種類の位相信号を順次狭
    角合成する処理を、当該第1若しくは第2位相信号又は
    L 種類の位相信号を上記順次狭角合成の途上で180
    °移相させながら実行することにより、第1及び第2位
    相信号を、その中間値を有しM+L(L:2以上の自然
    数)ビット表現される合成位相信号に拡張する位相信号
    合成器と、 を備え、 Mビットの第1及び第2位相信号をM+Lビットの合成
    位相信号に拡張し、P SK変調波信号により伝送された
    符号の判定に用いる ことを特徴とする遅延検波回路。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4記載の遅延検波回路にお
    いて、 合成位相信号を符号の1シンボル期間遅延させる手段
    と、 合成位相信号と1シンボル期間遅延した合成位相信号と
    の差を求めることにより位相差信号を生成する手段と、 生成した位相差信号に基づき、PSK変調波信号により
    伝送された符号を判定する手段と、 を備えることを特徴とする遅延検波回路。
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