JP2875447B2 - 内燃機関の失火判定装置 - Google Patents

内燃機関の失火判定装置

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JP2875447B2
JP2875447B2 JP2049593A JP2049593A JP2875447B2 JP 2875447 B2 JP2875447 B2 JP 2875447B2 JP 2049593 A JP2049593 A JP 2049593A JP 2049593 A JP2049593 A JP 2049593A JP 2875447 B2 JP2875447 B2 JP 2875447B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の失火検出装
置に関し、特に燃料系の原因に係る失火の検出装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の点火プラグでの点火が正常に
行なわれない、すなわち失火が生ずることがあるが、こ
の失火の原因を大別すると、燃料系に係るものと点火系
に係るものとがある。前者の燃料系に係るものは燃料混
合気のリーンまたはリッチに起因するものであり、後者
の点火系に係るものはいわゆるミス・スパークに起因す
るものである。ミス・スパークとは点火プラグに正常な
火花放電が生じないことを意味する。例えば未燃燃料の
付着による点火プラグのくすぶりやかぶりにより、ある
いは点火回路の異常により正常な火花放電が行われない
場合である。
【0003】本願出願人は、上記失火のうち燃料系の原
因に係るものを検出する失火検出装置として、失火時に
点火プラグ電極間に高電圧が保持される点に着目し、点
火電圧センサにより検出された点火電圧(点火プラグの
電極間電圧)を電子コントロールユニット(ECU)に
取り込み、該点火電圧をピークホールドし、このピーク
ホールド値を基準としてその所定割合で決定される所定
の比較電圧値(比較レベル)を設定し、点火電圧の値が
所定の比較電圧値(比較レベル)を越える期間が所定期
間以上のとき失火と判定するようにしたものを既に提案
している(特願平4−89401号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記提
案の内燃機関の失火判定装置では次のような問題点があ
った。
【0005】すなわち、点火プラグの電極間に保持され
る点火電圧は、ECU入力段の時定数等によって減衰し
ていくのに対し、比較レベルは点火電圧のピーク値に対
応した値(ピークホールド値)を基準とし、その所定割
合で決定されるレベルとなるため、時間経過によって変
化しない。
【0006】従って、特に失火時において比較レベルを
越える点火電圧の期間が、実際に保持される点火電圧の
期間よりも短く評価されることになる。そのため、点火
電圧の減衰度合によっては、点火電圧が比較レベルを越
える期間が前記所定期間に満たないとして、正常燃焼と
誤判定する恐れもあり、失火判定精度の面で改善される
余地が残されていた。
【0007】本発明は上記従来の問題点に鑑み、点火電
圧の減衰特性に影響されずに正確な失火の判定を行うこ
とができる内燃機関の失火判定装置を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、機関運転パラメータの値を検出する機関運
転状態検出手段と、前記運転パラメータの値に基づいて
点火時期を決定して点火指令信号を発生する信号発生手
段と、前記点火指令信号に基づいて機関に備えられた点
火プラグを放電させる為の高電圧を発生させる点火手段
と、前記点火手段に高電圧が発生される時の点火電圧値
を検出する電圧値検出手段と、該検出された点火電圧値
を所定の時定数で分圧する分圧手段と、前記点火指令信
号発生後の分圧された点火電圧値を所定の比較電圧値と
比較する電圧値比較手段と、前記点火指令信号発生後の
分圧された点火電圧値が前記比較電圧値を越える期間が
基準値を越えるとき、機関の失火状態と判定する失火判
定手段とを有する内燃機関の失火判定装置において、
記比較電圧値を、前記点火指令信号発生時の分圧された
点火電圧値の所定割合の値を基準として前記分圧の所定
の時定数と同程度の時定数で減衰するように変化させる
比較電圧値変化手段を設けたものである。
【0009】
【0010】
【作用】上記構成により本発明によれば、比較電圧値変
化手段は、比較電圧値を、点火指令信号発生時の分圧さ
れた点火電圧値の所定割合の値を基準として前記分圧手
段の所定の時定数と同程度の時定数で減衰するように変
化させる。これにより、点火電圧の減衰等の変動に影響
されずに点火指令信号発生後の分圧された点火電圧値が
比較電圧値を越える期間を正当に評価することができ、
その結果、正確な失火判定を行うことができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。
【0012】図1は、本発明による内燃機関の失火検出
装置の一実施例の構成を示す図である。
【0013】同図において、電源電圧(バッテリ電圧)
VBが供給される電源端子T1は一次側コイル2と二次
側コイル3とから成る点火コイル(点火手段)1と接続
され、一次側コイル2と二次側コイル3とは互いにその
一端で接続され、一次側コイル2の他端はトランジスタ
4のコレクタに接続され、トランジスタ4のベースは点
火指令信号Aが入力される入力端子T2に接続され、そ
のエミッタは接地されている。また、二次側コイル3の
他端はダイオード7のアノードに接続され、ダイオード
7のカソードはディストリビュータ6を介して点火プラ
グ5の中心電極5aに接続され、点火プラグ5の接地電
極5bは接地されている。
【0014】ディストリビュータ6と中心電極5aとを
接続する接続線15の途中には、その接続線15と静電
的に結合された(接続線15と数PFのコンデンサを形
成する)点火電圧センサ(電圧値検出手段)10が設け
られ、点火電圧センサ10の出力は、ECU8の失火判
定回路12に接続されている。失火判定回路12は、C
PU(中央処理装置)11に接続されており、判定結果
がCPU11に入力される。CPU11は、失火判定に
関連するタイミング制御を行う。
【0015】CPU11には、入力回路13を介して、
機関回転数等の吸気管内絶対圧や機関水温(冷却水
温)、機関運転パラメータの値を検出する各種機関運転
パラメータセンサ(機関運転状態検出手段)9が接続さ
れており、機関運転パラメータの検出値が入力される。
更に、CPU11は駆動回路14を介してトランジスタ
4のベース接続されており、トランジスタ4に通電制御
信号Aを供給する。
【0016】本実施例では、ECU8は、点火指令信号
発生手段、電圧値比較手段、比較電圧値変化手段及び失
火判定手段を構成する。
【0017】図2は、失火判定回路12の具体的な構成
を示すブロック図であり、入力端子T3は入力回路21
を介して第1の比較器25の非反転入力に接続されてい
る。ピークホールド回路22の出力は、比較レベル設定
回路23及び比較レベル減衰手段(比較電圧値変化手
段)24を介して第1の比較器25の反転入力に接続さ
れている。また、ピークホールド回路22には、適切な
タイミングでピークホールド値をリセットするリセット
信号R1がCPU11から供給される。
【0018】第1の比較器25の出力はゲート回路26
を介してパルス発生期間計測回路27に入力され、計測
回路27は、ゲート回路26が入力信号をそのまま出力
しているゲート期間中において第1の比較器25の出力
が高レベル(比較パルス)となっている期間を計測(積
算)し、該計測した期間の長さに応じた電圧VT(積算
値)を第2の比較器29の非反転入力に供給する。第2
の比較器29の反転入力には基準値設定回路28が接続
されており、失火判定用の基準電圧VTREFが供給さ
れる。VT>VTREFが成立するとき、第2の比較器
29の出力が高レベルとなり、FI失火等の失火発生と
判定される。なお、基準電圧VTREFは、機関運転状
態に応じて設定される。また、ゲート回路26のゲート
期間を決定するゲート信号G及び期間計測回路27のリ
セットタイミングを決定するリセット信号R2はCPU
11から供給される。
【0019】図3は、図2の入力回路21、ピークホー
ルド回路22、比較レベル設定回路23及び比較レベル
減衰手段24の具体的な構成を示す回路図である。
【0020】同図において入力端子T3は、抵抗215
を介して演算増幅器(以下「オペアンプ」という)21
6の非反転入力に接続されている。また入力端子T1
は、コンデンサ211と抵抗212とダイオード214
とを並列に接続した回路を介してアースに接続されると
ともに、ダイオード213を介して電源ラインVBSに
接続されている。コンデンサ211は、例えば104
F程度のものを使用し、前記電圧センサ13によって検
出される電圧を数千分の1に分圧する働きをする。また
抵抗212は例えば500KΩ程度のものを使用する。
ダイオード213及び214は、オペアンプ216の入
力電圧がほぼ0〜VBSの範囲内に入るようにするため
に設けられている。オペアンプ216の反転入力はその
出力と接続されており、オペアンプ216はバッファア
ンプ(インピーダンス変換回路)として動作する。オペ
アンプ216の出力は、第1の比較器25の非反転入力
及びオペアンプ221の非反転入力に接続されている。
【0021】オペアンプ221の出力はダイオード22
2を介してオペアンプ227の非反転入力に接続され、
オペアンプ221及び227の反転入力はいずれもオペ
アンプ227の出力に接続されている。従って、これら
のオペアンプもバッファアンプとして動作する。
【0022】オペアンプ227の非反転入力は抵抗22
3及びコンデンサ226を介して接地され、抵抗223
とコンデンサ226の接続点は、抵抗224を介してト
ランジスタ225のコレクタに接続されている。トラン
ジスタ225のエミッタは接地され、ベースにはリセッ
ト時高レベルとなるリセット信号R1がCPU11より
入力される。
【0023】オペアンプ227の出力は、比較レベル設
定回路23を構成する抵抗231及び232を介して接
地され、抵抗231と232の接続点が第1の比較器2
5の反転入力に接続されている。
【0024】また、抵抗223と224の接続点が比較
レベル減衰手段24を構成する抵抗241を介して接地
されている。
【0025】図3の回路によれば、検出された点火電圧
V(オペアンプ216の出力)のピーク値がピークホー
ルド回路22によって保持され、そのピークホールド値
が比較レベル設定回路23により、値1より小さい所定
割合に所定数倍されて比較レベルVCOMPとして設定
される。そして、この比較レベルVCOMPは、比較レ
ベル減衰手段24により入力回路(分圧手段)21の時
定数と同程度の時定数で減衰されながら第1の比較器2
5に供給される。従って、端子T4にはV>VCOMP
が成立するとき高レベルとなるパルス信号が出力され
る。
【0026】図4は、ゲート回路26及びパルス計測期
間計測回路27の具体的構成を示す回路図であり、トラ
ンジスタ41〜43及び抵抗44〜51により3段の反
転回路が構成されている。また、トランジスタ42のコ
レクタとアースとの間には、トランジスタ61が介装さ
れており、トランジスタ61のベースには、CPU11
からゲート信号Gが供給される。従って、ゲート信号G
が低レベルとなるゲート期間中においては、トランジス
タ43のコレクタは、端子T4の電圧の高/低に対応し
て低レベル/高レベルとなり、ゲート信号Gが高レベル
のときにはトランジスタ43のコレクタは端子T4の電
圧に拘らず高レベルとなる。トランジスタ43のコレク
タは抵抗52を介してトランジスタ54のベースに接続
されており、トランジスタ54のベースは抵抗53を介
して電源ラインVBSに接続されている。トランジスタ
54のエミッタは電源ラインVBSに接続され、コレク
タは抵抗55及びコンデンサ57を介してアースに接続
されている。抵抗55とコンデンサ57の接続点は、オ
ペアンプ59及び抵抗60を介して端子T5に接続され
ている。オペアンプ59はバッファアンプである。抵抗
55とコンデンサ57の接続点は、抵抗56を介してト
ランジスタ58のコレクタに接続され、トランジスタ5
8のエミッタは接地されている。トランジスタ58のベ
ースには、CPU11よりリセット信号R2が入力され
る。
【0027】図4の回路によれば、ゲート信号Gが低レ
ベルであって端子T4が高レベルのときトランジスタ4
3のコレクタが低レベルとなり、トランジスタ54がオ
ンし、コンデンサ57が充電される一方、ゲート信号G
が高レベル又は端子T4が低レベルのときはトランジス
タ54がオフし、コンデンサ57の充電が停止される。
従って、端子T5には、端子T4に入力されるパルス信
号がゲート期間中において高レベルである期間に比例す
る電圧VTが得られる。
【0028】以上のように構成される失火検出装置の動
作を図5及び図6を用いて説明する。図5及び図6の
(a),(b)はそれぞれ通電制御信号A及びゲート信
号Gを示す。また、図5(c)〜(e)は燃料混合気の
正常燃焼時の特性を示し、図6(c)〜(f)は燃料系
の原因に係る失火(以下「FI失火」という)時の特性
を示す。
【0029】図5(a)に示すように、本実施例では、
点火指令信号を時刻t0に発生させた後(点火に必要な
期間一次側コイル2に通電し、時刻t0において電流を
遮断した後)、時刻t1からt2の間再度通電を行う
(以下「再通電」という)。再通電は時刻t2におい
て、点火プラグ5の電極間に放電が発生しない程度の値
(所定印加電圧値)の電圧を印加し、点火プラグ5及び
その周辺回路の浮遊容量に電荷を蓄える(チャージす
る)ために行うものである。以下、時刻t2に点火プラ
グ5に印加される電圧を再チャージ電圧(再チャージ指
令信号)という。
【0030】図5(c)及び(d)は、検出した点火電
圧(入力回路21の出力電圧)V(B)及び比較レベル
VCOMP(C)の推移を示している。まず、図5
(c)を参照して正常燃焼時の点火電圧特性について説
明する。
【0031】図5(c)において、点火指令信号が発生
する時刻t0の直後においては点火電圧Vは燃料混合気
(点火プラグの放電ギャップ間)の絶縁を破壊する値ま
で上昇し、絶縁破壊後は、絶縁破壊前の容量放電状態
(数百アンペア程度の電流による非常に短い時間の放電
状態)から放電電圧が略一定の誘導放電状態へと移行す
る(数十ミリアンペア程度の電流により、数ミリ秒程度
の放電期間)。誘導放電電圧は、時刻t0以降の圧縮行
程に伴う気筒内の圧力が上昇することにより上昇する。
これは、圧力が高くなると誘導放電に必要な電圧も高く
なるためである。誘導放電の最後の段階においては点火
コイルの誘導エネルギーの減少により誘導放電を維持す
るための電圧よりも点火プラグ電極間の電圧が低くな
り、誘導放電は消失して容量放電状態(後期の容量放電
状態)へ移行する。容量放電状態においては点火プラグ
電極間の電圧は燃料混合気の絶縁を再度破壊するため上
昇するが、点火コイル1の残余のエネルギーが少なく電
圧上昇はわずかである。これは、燃焼が発生した場合
は、プラグギャップ間の電気抵抗が低いためであり、燃
焼時の燃料混合気がイオン化していることに起因する。
【0032】なお、ダイオード7と点火プラグ5との間
の浮遊容量に蓄えられた電荷(電極間で放電しきれずに
残った電荷)は、ダイオード7があるため、点火コイル
1側へは放電されないが、点火プラグ5の電極近傍に存
在するイオンによって中和されるため、容量放電終了時
の点火電圧Vは速やかに減少する。
【0033】その後、時刻t2において再チャージ電圧
が印加されると、点火電圧Vは上昇するが、このときチ
ャージされる電荷は、前述した後期容量放電終了直後と
同様に、点火プラグ5の電極近傍に存在するイオンによ
って中和されるため、速やかに減少する。
【0034】一方、比較レベルVCOMPは、図示例で
は、時刻t0までは前回リセットされた後における値に
応じた低レベルとなっており、その後の時刻t0〜t3
において点火電圧Vの上昇とともに上昇し、時刻t3を
過ぎると比較減衰手段24に基づき決定される時定数で
減衰していき、時刻t5以降で所定低レベル(>0)状
態とされる。続く時刻t6にリセット信号R1によりリ
セットがかかり前記所定低レベルが固定状態とされ、時
刻t2においてその状態が解除される(以下、所定低レ
ベル固定状態を解除する時点を「リセット(初期化)タ
イミング」という)。その後の時刻t2では再チャージ
電圧によってピーク値となった点火電圧Vに応じた値
(本実施例ではピーク値の2/3程度の値としている)
となり、時刻t2〜t7で比較減衰手段24により減衰
される。その結果、点火電圧Vと比較レベルVCOMP
との比較を行う第1の比較器25の出力は同図(d)に
示すように、時刻t0〜t8、時刻t9〜t10及び時
刻t11〜t2において高レベルとなるが、ゲート回路
26の出力は、ゲート信号Gが低レベルである時刻t3
〜t10及び時刻t11〜t12においてのみ高レベル
(比較パルス)となる。したがって、パルス発生期間計
測回路27の出力VTは、同図(e)に示すように変化
し、最終的な積算値TFは基準電圧VTREFを越え
ず、正常燃焼と判定される。
【0035】なお、従来装置の比較レベルVCOMPは
図5(c)に示すC´のように、点火電圧Vのピーク値
に応じた値をリセットされるまで保持する。そのため、
同図(d)の破線で示すように比較パルスの幅は、時刻
t3以前において本実施例よりも短くなるが、パルス発
生期間計測回路27により比較パルス幅の積算が行われ
る時刻t3〜t4においては同程度となる。従って、そ
の最終的な積算値TF´は本実施例の前記積算値TFと
等しくなり、従来装置においても正常燃焼と判定され
る。
【0036】次に、燃料混合気が燃料供給系の異常等に
よりリーン状態やカット状態となりFI失火が発生した
とき(燃焼が発生しなかったとき)の点火電圧特性につ
いて説明する。図6(c)において、点火指令信号の発
生時刻t0の直後においては点火電圧V(Ba)は点火
プラグ電極間の燃料混合気の絶縁を破壊する値まで上昇
するが、このときの絶縁破壊電圧の値は、燃料混合気に
占める空気の割合が正常時よりも多く含まれており、燃
料混合気の絶縁耐力が大きくなり、また、燃焼が発生し
ていないため、燃料混合気がイオン化しておらず、プラ
グギャップ間の電気抵抗が高くなる傾向にあることか
ら、正常燃焼時の電圧値よりも高くなる。この後、正常
燃焼時と同様に誘導放電状態へ移行するが、放電抵抗も
正常燃焼時よりも大きいことにより正常燃焼時よりも早
く容量放電状態へ移行する傾向を示す。誘導放電の最後
の段階で発生する容量放電(後期の容量放電)の値は、
燃料混合気の絶縁破壊電圧が正常燃焼時よりも大きいこ
とにより、正常燃焼時に比べて非常に大きくなる(時刻
t13)。
【0037】このとき、点火プラグ5の電極近傍にほと
んどイオンが存在しないため、ダイオード7と点火プラ
グ5との間に蓄えられた電荷は、イオンによって中和さ
れず、またダイオード7によって点火コイル1へ逆流す
ることもできないためそのまま保持される傾向を示す
が、実際は入力回路21の時定数等により同図(c)に
示すように減衰する。そして、気筒内圧力が低下して放
電要求電圧がこの電荷により印加されている電圧と等し
くなった時に、点火プラグ5の電極において放電される
が、点火電圧Vが高いときには比較的早期に放電されて
しまう(時刻t14)。
【0038】その後、時刻t2において再チャージ電圧
が印加されると、点火電圧Vは再び上昇し、前述と同様
にプラグ電極間のイオンによる中和がなく、またダイオ
ード7の作用により、高電圧状態が継続する傾向を示す
が、この時も、入力回路21の時定数等で減衰する。そ
して、気筒内圧力がさらに低下して放電要求電圧が点火
電圧Vと等しくなったときに、プラグ電極間で放電され
る(時刻t15)。
【0039】一方、比較レベルVCOMP(Ca)は、
図示例では時刻t0までは前回リセットされた後におけ
る値に応じた低レベルとなっており、時刻t0以後、点
火電圧Vの上昇とともに上昇し、ピーク値に達した後、
比較レベル減衰手段24に基づき決定される時定数で減
衰していく。時刻t6〜t2において所定低レベル固定
状態とされ、時刻t2以後は再チャージ電圧によってピ
ーク値となった点火電圧Vに対応した値まで一旦上昇す
るが、前記同様に比較レベル減衰手段24によって減衰
する。
【0040】その結果、第1の比較器25の出力は同図
(d)に示すように、時刻t0〜時刻t9及び時刻t2
〜t10において高レベルとなるが、ゲート回路26の
出力は、ゲート期間TG中に高レベルとなった期間内の
み高レベルとなる。したがって、パルス発生期間計測回
路27の出力VTは、同図(e)に示すように変化し、
最終的な積算値TMFは基準電圧VTREFを越え、第
2の比較器29の出力は、同図(f)に示すよう、時刻
t16〜t4において高レベルとなり、FI失火が検出
される。
【0041】上記FI失火発生時における従来装置の比
較レベルVCOMPは図6(c)の破線に示すC´aの
ように、時刻t0までは前回リセットされた後における
点火電圧Vのピーク値に応じた値となっており、時刻t
0以後、点火電圧Vとともに上昇し、ピーク値に応じた
レベルを時刻t6まで保持する。そして、時刻t6〜t
2において所定低レベル固定状態とされ、時刻t2以後
は再チャージ電圧によってピーク値となった点火電圧V
に対応した値を保持する。
【0042】そのため、従来装置において同図(d)の
破線で示すように比較パルスの幅は、時刻t3以後にお
いて本実施例よりも短くなり、その最終的な積算値TM
F´は本実施例の前記積算値TMFよりもかなり小さく
なって基準電圧VTREFを越えず、失火発生時である
にも拘らず正常燃焼と誤判定される。
【0043】これに対して本実施例では、上述したよう
に、点火電圧Vが入力回路21の時定数等により減衰す
る点を考慮して、その減衰度合に応じて比較レベルVC
OMPを減衰させるようにしたので、正確な失火判定を
行うことができる。なお、上記積算値TMF,TF,T
MF´,TF´の関係を式で表すと、 TMF/TF>>TMF´/TF´ となる。
【0044】なお、本実施例ではゲート回路26が開い
ているゲート期間TG(時刻t3〜t4)は、後期容量
放電の終了時点近傍から所定期間としているが、ゲート
期間TGの終了時刻t4は、ディストリビュータ6のロ
ータヘッドが次のセグメントにかかる手前(点火からク
ランク角度で120度程度の範囲内)であればいつでも
よい。
【0045】また、パルス発生期間計測回路27は時刻
t4においてリセットするようにしている。
【0046】また、上述した例では、ピークホールド回
路22のリセットタイミングは、再チャージ電圧を印加
する時点と同時としている。なお、本発明は図示の実施
例に限定されず種々の変形が可能である。その変形例と
しては、例えば燃焼度合により気筒ないのイオン密度が
異なる結果、点火電圧の減衰割合も変化する点を考慮
し、固定抵抗241に代えて可変抵抗を設け、この可変
抵抗の抵抗値を設け、この可変抵抗の抵抗値を燃焼度合
に関するパラメータ(例えば吸気管内絶対圧や機関水
温)により変化させ、比較電圧値VCOMPの減衰特性
を変更するようにしてもよい。このように構成した場
合、比較電圧値の減衰がより一層、点火電圧値Vの減衰
特性に適合したものとなり、上記実施例よりも失火判定
精度が向上する。
【0047】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、機関運転パラメータの値を検出する機関運転状態検
出手段と、前記運転パラメータの値に基づいて点火時期
を決定して点火指令信号を発生する信号発生手段と、前
記点火指令信号に基づいて機関に備えられた点火プラグ
を放電させる為の高電圧を発生させる点火手段と、前記
点火手段に高電圧が発生される時の点火電圧値を検出す
る電圧値検出手段と、該検出された点火電圧値を所定の
時定数で分圧する分圧手段と、前記点火指令信号発生後
の分圧された点火電圧値を所定の比較電圧値と比較する
電圧値比較手段と、前記点火指令信号発生後の分圧され
た点火電圧値が前記比較電圧値を越える期間が基準値を
越えるとき、機関の失火状態と判定する失火判定手段と
を有する内燃機関の失火判定装置において、前記比較電
圧値を、前記点火指令信号発生時の分圧された点火電圧
値の所定割合の値を基準として前記分圧手段の所定の時
定数と同程度の時定数で減衰するように変化させる比較
電圧値変化手段を設けるようにしたので、点火電圧の減
衰等の変動に影響されずに点火指令信号発生後の分圧さ
れた点火電圧値が比較電圧値を越える期間を正当に評価
することができ、その結果、正確な失火判定を行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る失火検出装置の全体構
成を示す図である。
【図2】失火判定回路の具体的な構成を示すブロック図
である。
【図3】失火判定回路の一部の具体的な構成を示す回路
図である。
【図4】失火判定回路の一部の具体的な構成を示す回路
図である。
【図5】燃焼時の失火判定回路の動作を説明するための
タイムチャートである。
【図6】失火時の失火判定回路の動作を説明するための
タイムチャートである。
【符号の説明】
1 点火コイル 2 一次側コイル 3 二次側コイル 5 点火プラグ 8 電子コントロールユニット(ECU) 9 各種機関運転パラメータセンサ 10 点火電圧センサ 11 CPU 22 ピークホールド回路 24 比較レベル減衰手段 26 パルス発生期間計測回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 馬場 茂樹 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 久木 隆 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 石岡 卓司 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 平4−339175(JP,A) 特開 平6−137250(JP,A) 実開 平2−126078(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02P 17/12 F02D 45/00 368 G01M 15/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関運転パラメータの値を検出する機関
    運転状態検出手段と、前記運転パラメータの値に基づい
    て点火時期を決定して点火指令信号を発生する信号発生
    手段と、前記点火指令信号に基づいて機関に備えられた
    点火プラグを放電させる為の高電圧を発生させる点火手
    段と、前記点火手段に高電圧が発生される時の点火電圧
    値を検出する電圧値検出手段と、該検出された点火電圧
    値を所定の時定数で分圧する分圧手段と、前記点火指令
    信号発生後の分圧された点火電圧値を所定の比較電圧値
    と比較する電圧値比較手段と、前記点火指令信号発生後
    の分圧された点火電圧値が前記比較電圧値を越える期間
    が基準値を越えるとき、機関の失火状態と判定する失火
    判定手段とを有する内燃機関の失火判定装置において、前記比較電圧値を、前記点火指令信号発生時の分圧され
    た点火電圧値の所定割合の値を基準として前記分圧手段
    の所定の時定数と同程度の時定数で減衰するように 変化
    させる比較電圧値変化手段を設けたことを特徴とする内
    燃機関の失火検出装置。
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