JP2875050B2 - 超硬練コンクリートを利用した伊勢海老魚礁の製造方法 - Google Patents

超硬練コンクリートを利用した伊勢海老魚礁の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超硬練コンクリートを利
用して表面に付着する藻,海草等の根付けを強固にする
とともに、内部に潮流が流れ、かつ、伊勢海老が自由に
行動できて、しかも身を潜めることのできる構造を有す
る伊勢海老の蝟集成育を行わせるための魚礁の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】わが国は周囲が海に囲まれているため、
古来より魚介類を主要な蛋白源として摂取している。一
方において近海の沿岸部に多くの工業廃水が流入して海
水が汚染されており、魚介類の魚獲高に悪影響を与えて
いる現状にある。そこで近年、海中に人工の魚礁を設置
して、この人工の魚礁に藻、海草等の根付けを行い、魚
介類を再び沿岸部に誘導しようとする試みがなされ、大
学、各企業においても多くの開発研究がなされて相応の
成果を挙げている。
【0003】上記人工の魚礁には、海草魚礁、貝魚礁、
魚魚礁等があるが、これらの魚礁の材料としては一般に
生コンクリート製、鋳鋼製、陶磁製、プラスチック製等
の造型体が多用されており、該造型体の形状は海流及び
海底の状況に応じて種々のものが製作され、かつ、使用
されている。
【0004】これらの人工の魚礁を海中に浸漬すると、
表面に藻、海草等が付着して生育する。すると小さな海
老、貝、魚類が集まるので、これら小さな生物を食する
中形生物が集り、更にこれら中形生物を食する大形生物
が集まる。このような繰り返しによって魚礁に対して多
くの魚介類が集まるので、これらの魚介類の資源を増加
することが出来る。尚、上記人工の魚礁に対する藻、海
草等の付着を容易にするため、該人工の魚礁の表面に予
め凹凸を形成して、前記藻等が定着するようにした試み
も実施されている。
【0005】このような人工の魚礁をコンクリートを用
いて造形するには、通常木枠もしくはプラスチック枠に
より形成された中空部内にセメントミルク、もしくはセ
メント中に所定量の石灰石、珪石等の粒状骨材を添加し
た練状体を挿入して、該セメントミルク又は練状体の固
化後に前記木枠もしくはプラスチック枠を取り外すこと
により、目的とする魚礁が得られる。特にセメント中に
所定量の石灰石、珪石等の粒状骨材を添加することによ
り、得られたコンクリートに適当な多孔性を付与するこ
とができて、通常の生コンクリートを用いた場合に比し
て藻、海草等の付着性を高めることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の人工魚礁の製造方法の場合、コントリート造
形体で成る魚礁がコンクリートの固化後に該木枠もしく
はプラスチック枠に強固に結合してしまうので、このコ
ントリート造形体を木枠もしくはプラスチック枠から抜
き取る作業が困難であり、多くの労力及び時間を要して
しまうという課題があった。従って作業員の負担が増大
し、能率の低下を来たしてしまう外、抜き取り作業時に
おける木枠もしくはプラスチック枠の破損が大きく、製
造時のコストアップを招来してしまうという難点を有し
ている。
【0007】そこで本発明はこのような従来の人工の魚
礁の製造方法が有している課題を解消して、固化後の魚
礁の抜き取り作業性を高めるとともに木枠もしくはプラ
スチック枠の破損を防止して、労力の低減及び製造時の
コストを低廉化することができる超硬練コンクリートを
利用した伊勢海老魚礁の製造方法を提供することを目的
とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、所定の型枠の内方に成形用型材として一
定の粒度を有する粒状体を所定の形状となるように充填
し、該粒状体と型枠との間に、セメント中に所定量の石
灰石、珪石等の粒状骨材を添加した超硬練コンクリート
用の練状体を打設し、該練状体の固化後に前記型枠及び
粒状体を除去することを特徴とする超硬練コンクリート
を利用した伊勢海老魚礁の製造方法を提供する。また、
第1の型枠の内方に伊勢海老が浸入する開口部を形成す
るための第1の木枠を配置し、該第1の木枠の内方に成
形用型材として一定の粒度を有する粒状体を充填すると
ともに、該第1の木枠と前記第1の型枠との間に、セメ
ント中に所定量の石灰石、珪石等の粒状骨材を添加した
超硬練コンクリート用の練状体を打設し、更に前記第1
の型枠の上方に第2の型枠を載置して、この第2の型枠
の内方に支持台を形成するための第2の木枠を選択的に
配置し、この第2の木枠と第2の型枠との間に前記と同
一の練状体を打設するとともに、該練状体の上方から第
2の型枠の内方に前記と同一の粒状体を充填し、以下同
様の工程を繰り返して所望の立体形状を有する造形体を
成形し、該練状体の固化後に前記型枠及び粒状体を除去
することを特徴とする伊勢海老魚礁の製造方法を提供す
るものである。更に上記と同様の工程によって得られた
単体の造形体の複数個を積層固定して組み付けた伊勢海
老魚礁の製造方法を提供する。
【0009】前記成形用型材として使用する粒状体は、
所定のメッシュに粉砕された石灰石、珪石で成り、か
つ、該粒状体の粒径は、セメントに添加した粒状骨材と
同一の粒径を保持したことを特徴としている。更に型枠
の内方に挿入した練状体の固化後に、高圧水の吹付けに
より前記粒状体を除去する製造方法と、上記超硬練コン
クリート用の練状体はセメント20〜25重量%中に所
定のメッシュに粉砕された石灰石、珪石等の粒状骨材を
75〜80重量%、セメント凝結材を0〜0.6重量
%、残部水分を添加したものである製造方法を提供す
る。
【0010】
【作用】上記構成の本発明によれば、第1,第2の型枠
の内方に配置された木枠内に成形用型材として一定の粒
度を有する粒状体を充填して、石灰石,珪石等の粒状骨
材を含む練状体を打設する工程を繰り返すことにより、
該練状体の固化後に成形用型材として前記粒状体を簡単
に除去することができて、該成形用型材の除去作業が極
めて簡単に実施可能となる。
【0011】また、上記粒状体の粒径を、セメントに添
加した粒状骨材と同一の粒径を保持したことにより、練
状体の固化前に成形用型材としての前記粒状体が超硬練
コンクリート中に浸入することがなく、従って粒状体の
除去作業をスムーズに実施することができる。更に練状
体の固化後に高圧水を吹き付けることにより、前記粒状
体を簡単に除去することができる。
【0012】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の具体的な実施例
を説明する。図4は本発明にかかる伊勢海老用の魚礁1
の全体を示す外観図であって、この魚礁1は超硬練コン
クリートを用いて構成されており、図示例の場合には平
面視が2.5m×2.5mの正方形で高さが1.4mの
形状を有している。
【0013】この魚礁1の内方には、後述するように適
宜な空間部が形成されており、魚礁1の一方側の相対向
する外壁面に上記空間部に連通する多数の窓2,2…が
形成されているとともに、魚礁1の他方側の相対向する
外壁面にも同様に上記空間部に連通する多数の窓3,3
…が形成されている。上記の窓2,2…及び窓3,3…
は、魚礁1内の対面する方向に直線状に潮流を流通させ
ることを目的として開口形成されている。そして該魚礁
1を構成する天板33には複数個の水抜き穴4,4…が
設けられている。
【0014】図5は図1のA−A線に沿う断面図であっ
て、図示したように魚礁1の最下段には第1段目の造形
体11が配置されており、この造形体11の略中心部近
傍には伊勢海老が進入するための開口部11a,11a
が形成されている。即ち、魚礁1は海底の転石8,8上
に載置されるものであるため、これらの転石8,8によ
って魚礁1と海底との間に空隙部が形成されて、この空
隙部及び前記開口部11a,11aを経由して伊勢海老
が魚礁1内に進入するように設定される。
【0015】上記第1段目の造形体11の上面周縁部に
は、造形体と一体の超硬練コンクリートで成る第1段目
の支持台12a,12aが相互に適宜な間隔を保って固
定されていて、この支持台12a,12aによって包囲
された部位に前記開口部11aに連通する中空室25が
形成され、更に該支持台12a,12aの上方に第2段
目の造形体13が載置固定されている。この第2段目の
造形体13には複数の開口部13a,13aが形成され
ている。
【0016】上記の支持台12a,12a相互間に保持
された間隔によって、前記した魚礁1の相対向する面に
位置して該魚礁1内の中空室25に連通する多数の窓
2,2…及び窓3,3…(図4参照)が形成される。そし
て、支持台12a,12aは多数の窓2,2…及び窓
3,3…から流入する潮流の流れを阻害することなく、
魚礁内を流れるように窓2,2…又は窓3,3…と平行
となるように配置されている。そのため、中空室25は
魚礁の対面する直線に沿って潮流が相互に流通すること
となる。
【0017】上記の支持台12a,12aは、進入した
伊勢海老が身をひそめる物体としての役割を持ち、伊勢
海老が安心して蝟集することができる。そして上記の第
1段目の支持台12a,12aには、魚礁1の内方から
周縁部に向けて次第に下降するテーパ50,50が付与
されていて、このテーパ50,50に沿って第2段目の
造形体13の肉厚が周縁部に向けて次第に大きくなるよ
うに設定されている。このような形状としたことによっ
て中空室25の上下方向の寸法S1が、窓2及び窓3の
上下方向の寸法S0の略2倍となっている。換言すれ
ば、魚礁1の外壁面に形成される多数の窓2,2…及び
窓3,3…は、潮流の入口における上下方向の寸法が小
さく、かつ、入口から中心部に向けて次第に広くなるよ
うにしてある。
【0018】具体的な寸法例としては、中空室の略中心
位置における上下方向の寸法S1が140〜200mm
であり、魚礁の相対向する面に開口形成された窓2,3
の上下方向の寸法S0が70〜100mmであるように
設定されている。
【0019】上記した第2段目の造形体13の上面周縁
部には、更に超硬練コンクリートで構成された第2段目
の支持台14a,14aが適宜な間隔を保って固定され
ていて、この支持台14a,14aによって包囲された
部位に中空室26が形成され、更に該支持台14a,1
4aの上方に第3段目の造形体15が載置固定されてい
る。この第3段目の造形体15には開口部15a,15
aが形成されている。
【0020】上記の支持台14a,14aにも、前記支
持台12a,12aと同様なテーパ50,50が付与さ
れているとともに、このテーパ50,50に沿って第3
段目の造形体15の肉厚が次第に大きくなるように設定
されていて、中空室26の上下方向の寸法S1が、前記
した窓2及び窓3の上下方向の寸法S0の略2倍となっ
ている。
【0021】以下同様にして第4段目の造形体17,第
5段目の造形体19,第6段目の造形体21がそれぞれ
第3段目の支持台16a,16a、第4段目の支持台1
8a,18a、第5段目の支持台20a,20a、第6
段目の支持台22a,22aを介在させて積層固定され
ている。上記各支持台の内方には中空室27,28,2
9,30が形成されている。
【0022】各支持台16a,18a,20a,22a
には全て前記と同様なテーパ50,50が付与されてい
る。更に第6段目の支持台22a,22aの上面には前
記天板33が固定されており、この天板33には複数個
の水抜き穴4,4…が設けられている。上記各造形体1
7,19,21にはそれぞれ複数個の開口部17a,1
9a,21aが上記中空室27,28,29,30を介
して相互に連通された状態として形成されている。な
お、各支持台14a,16a,18a,20a,22a
の潮流の流通及び伊勢海老が身をひそませる役割につい
ては支持台12aと同様である。
【0023】図6は本発明にかかる魚礁1を部分的に破
断して、特に第4段目の造形体17及び第4段目の支持
台18a,18aを露出した状態を示しており、図示し
たように四隅部に支柱部41a,41a,41a,41
aが位置しているとともに、各造形体11,13,1
5,17の間に窓2,2…及び窓3,3…が開口されて
いる。上記例では支持台18a,18aが合計6個用い
られており、かつ、支持台17の略中心位置に4個の開
口部17aが形成されている。図示のように支持台18
a,18aは多数の窓2,2…及び窓3,3…から流入
する潮流の流れを阻害することなく、魚礁内を流れるよ
うに窓2,2…又は窓3,3…と平行となるように配置
されている。そのため、中空室25は魚礁の対面する直
線に沿って潮流が相互に流通することとなる。また、支
持台18a,18aは、中空室25内において適宜に配
置されているため、伊勢海老が安心して蝟集することが
できるための条件である伊勢海老が身をひそめる物体と
しての役割を果たすこととなる。
【0024】図7に示すAは上記第1段目の造形体11
の平面図であって、中心点に対して対称的位置に長方形
の開口部11aが4個形成されている。図7に示すBは
上記第2段目の造形体13の平面図であって、この第2
段目の造形体13には、中心点に対して対称的位置に長
方形の開口部13aが4個形成されている。この第2段
目の造形体13は、前記第1の造形体11を90°だけ
回動させた位置にある。
【0025】以下第3段目,第4段目,第5段目,第6
段目の造形体15,17,19,21の形状は、前記第
1段目の造形体11と第2段目の造形体13と同一であ
って、それぞれ中心点に対して対称的位置に長方形の開
口部15a,17a,19a,21aが4個ずつ形成さ
れている。このように造形体に設定された開口部が上下
方向の造形体間で相互に90°回動させた位置に形成さ
れているので、造形体の成形が容易であり、魚礁として
の生産性が高められる。
【0026】一方、図8に示すCは、各造形体11,1
5,19上に固定された支持台12a,16a,20a
の配置例を示しており、図8に示すDは同じく造形体1
3,17,21上に固定された支持台14a,18a,
22aの配置例を示している。上記の各造形体6及び支
持台は、超硬練コンクリートを用いて一体的に構成され
ている。
【0027】以下に上記魚礁1の具体的な製造方法を説
明する。図3は本実施例で採用した第1の型枠40の形
状を示しており、この型枠40は平面視が正方形の鋼材
で構成されている。本実施例では上記型枠40が複数個
用いられる。
【0028】先ず図1に示すAに示したように、第1の
型枠40の内方に前記開口部11aを形成するための第
1の木枠41,41を配置する。次に同図に示すBに示
したように上記第1の木枠41,41の内方に、成形用
型材として所定のメッシュに粉砕された一定の粒度を有
する粒状体42,42を充填し、この第1の木枠41,
41の周囲と前記第1の型枠40との間に、セメント中
に所定量の石灰石、珪石等の粒状骨材を添加し、かつ、
必要に応じてセメント凝結材、表面安定材を添加して混
練した練状体43,43を打設する。
【0029】次に同図に示すCに示したように、前記第
1の型枠40の上方に第2の型枠44を載置し、この第
2の型枠44の内方に前記支持台12aを形成するため
の第2の木枠45,45を選択的に配置して、この木枠
45,45と第2の型枠44との間に前記と同様な練状
体43,43を打設する。
【0030】更に同図に示すDに示したように、上記練
状体43,43の上方から第2の型枠44の内方に粒状
体42を充填する。そして図2に示すEに示したよう
に、該粒状体42の上方から第3の型枠46を載置し、
この第3の型枠46の内方に前記開口部13aを形成す
るための第3の木枠47,47を配置する。
【0031】更に図2に示すFに示したように、上記第
3の木枠47,47の内方に前記と同一の粒状体42,
42を充填し、この第3の木枠47,47の周囲と前記
第3の型枠46との間に練状体43,43を打設する。
【0032】次に図1に示すAに示した工程に戻り、同
様な手順を繰り返して所望の立体形状を有する複数段の
造形体を成形し、各練状体43の固化後に各型枠40,
44,46を取外した後、成形用型材としての各粒状体
42,42…を除去することにより、目的とする伊勢海
老魚礁を得ることが出来る。尚、網体等により予め成形
用型材としての粒状体42を付形して各中空部を形成し
ておき、その後該中空部内に前記練状体43を打設して
も良い。
【0033】上記粒状体42,42…を除去するには、
高圧水の吹付けを実施することが作業能率を高める上で
好ましい。また、成形用型材として使用する粒状体42
は、練状体43に添加した粒状骨材と同一の粒径を保持
させることが望ましく、このような粒状体42を用いる
ことによって該粒状体42が練状体43内に浸入するこ
とがなく、固化後の粒状体42の除去作業が容易になる
という作用が得られる。
【0034】尚、上記の実施例は魚礁1を連続的な工程
に基づいて製造する方法を開示したが、本発明は上記の
製造方法に限定されるものではなく、例えば第1の型枠
40の内方に伊勢海老が浸入する中空部を形成するため
の第1の木枠41を配置し、該第1の木枠41の内方に
成形用型材として一定の粒度を有する粒状体42を充填
した後、上部から超硬練コンクリート用の練状体43を
打設し、該練状体43の固化後に前記第1の型枠40及
び粒状体42を除去して単体の造形体を成形し、得られ
た単体の造形体の複数個を積層固定して製造することも
可能である。
【0035】かかる本発明の構成によれば、魚礁1を海
中に浸漬すると、該魚礁内の各中空部に伊勢海老の餌と
なる貝類,藻,海草が付着し、かつ、これらの貝類,藻
類が潮流によって剥離しないという特徴がある。更に魚
礁1の相対向する面に形成された窓2,3によって魚礁
1内で適度な潮流が得られる上、中空室の略中心位置に
おける上下方向の寸法が各窓2,3の上下方向の寸法の
略2倍となっているので、魚礁1内で伊勢海老が自由に
行動するスペースがあり、かつ、伊勢海老が入り込んだ
後で窓2,3から外敵が進入できないという大きな特徴
がある。更に前記支持台によって伊勢海老が身をひそめ
る場所が形成されるという作用が得られ、伊勢海老魚礁
として要求される必須条件を満足するものである。
【0036】なお、超硬練コンクリートの好ましい配合
例としては、セメント20〜25重量%中に所定のメッ
シュに粉砕された石灰石、珪石等の粒状骨材(例えば7
号砕石程度)を75〜80重量%、セメント凝結材を0
〜0.6重量%、残部水分を添加して一体成形した超硬
練コンクリートを用いるとよく、得られた伊勢海老魚礁
の圧縮強度及び多孔率がともに良好となり、魚礁として
要求される性能を満足することができる。例えば図1に
示した平面視が2.5m×2.5mの正方形で高さが
1.4mの形状を有する魚礁1を製造する場合に、上記
石灰石、珪石等の粒状骨材及びセメント凝結材と水分と
の混合割合を、表1に示した配分例に基づいて調整し、
3種類のサンプルを製造した。
【0037】
【表1】
【0038】上記表1に基づいて製造したサンプル1,
2,3に関し、夫々1日経過後の圧縮強度、28日経過
後の圧縮強度及び透水性を測定した結果を表2に示す。
なお、多孔率を測定するためにその透水性を測定した。
透水性が良好であるほど多孔率も高いこととなる。
【0039】
【表2】
【0040】表2のサンプル1は、透水性が29g/c
2・minであって、3個のサンプル中で透水性が最
も良好であり多孔率が高いが、1日経過後及び28日経
過後の圧縮強度が、3個のサンプル中最も弱い。従って
圧縮強度が上記のサンプル1以下に弱くなると、長期の
使用中に波浪により造型体が破壊される惧れがあるの
で、セメントの混合割合の下限はサンプル1のセメント
量から20%が適当である。一方サンプル3は、1日経
過後及び28日経過後の圧縮強度が3個のサンプル中最
も大きく、長期の使用中にあっても波浪による破壊が発
生しないが、透水性が3個のサンプル中最も少なく、コ
ンクリート魚礁内の空隙が少ない。従ってこの透水性が
サンプル3以下に少なくなると、多孔率が低くなり藻、
海草類の付着後の定着率が弱くなる惧れがあり、かつ、
混合時の粘性が大きくなりすぎて、混合物の型内への詰
め込み作業が困難になるので、セメントの混合割合の上
限は25%が適当である。またセメントの混合割合が決
定されると、必然的に珪石等粒状骨材の混合割合も決定
されて、この混合割合は表1のサンプル1,3から75
〜80重量%が適当である。更にセメント凝結材は必要
に応じて添加すれば良いため、その混合割合は0〜0.
6重量%が適当である。一方表1のサンプル2は強度、
多孔率の面でともに良好であり、人工の魚礁用の超硬練
コンクリートとしては3個のサンプルの中で最も適して
いる。
【0041】
【発明の効果】以上詳細に説明した如く、本発明にかか
る超硬練コンクリートを利用した伊勢海老魚礁の製造方
法によれば、その基本的な方法として、第1,第2の型
枠の内方に配置された木枠内に成形用型材として一定の
粒度を有する粒状体を充填して、石灰石,珪石等の粒状
骨材を含む練状体を打設する工程を繰り返すことを特徴
とするものであり、このような方法を採用することによ
り、従来例のようにコントリート造形体で成る魚礁がコ
ンクリートの固化後に木枠もしくはプラスチック枠に強
固に結合するという事態を防止して、コントリート造形
体の抜取作業が簡単となり、作業員の負担が減少すると
ともに時間が低減されて、作業能率とコストを上昇させ
ることができる。更に上記セメント中にセメント凝結
材、表面安定材を添加したことにより、魚礁の表面及び
内部構造が安定するという効果がある。
【0042】一方、成形用型材として使用する粒状体の
粒径を、セメントに添加した粒状骨材と同一の粒径を保
持したことにより、練状体の固化前に成形用型材として
の粒状体の魚礁中に浸入することがなく、固化後に該粒
状体の除去作業がスムーズに行えるという効果がある。
更に練状体の固化後に高圧水を吹き付けることにより、
前記粒状体を簡単に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した伊勢海老魚礁の製造方法を示
す工程概要図。
【図2】本発明を適用した伊勢海老魚礁の製造方法を示
す工程概要図。
【図3】本発明で用いた型枠の形状を示す外観図。
【図4】本発明を適用した伊勢海老魚礁の全体を示す外
観図。
【図5】図1のA−A線に沿う断面図。
【図6】本発明にかかる魚礁を部分的に破断した外観
図。
【図7】上記実施例における各造形体の構造例を示す平
面図。
【図8】上記実施例における各支持台の構造例を示す平
面図。
【符号の説明】
1…(伊勢海老用の)魚礁 2,3…窓 11,13,15,17,19,21…造形体 11a,13a,15a,17a,19a,21a…開
口部 12a,14a,16a,18a,20a,22a…支
持台 25,26,27,28,29,30…中空室 33…天板 40,44,46…型枠 41,45,47…木枠 42…粒状体 43…練状体

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の型枠の内方に成形用型材として一
    定の粒度を有する粒状体を所定の形状となるように充填
    し、該粒状体と型枠との間に、セメント中に所定量の石
    灰石、珪石等の粒状骨材を添加した超硬練コンクリート
    用の練状体を打設し、該練状体の固化後に前記型枠及び
    粒状体を除去することを特徴とする超硬練コンクリート
    を利用した伊勢海老魚礁の製造方法。
  2. 【請求項2】 第1の型枠の内方に伊勢海老が浸入する
    開口部を形成するための第1の木枠を配置し、該第1の
    木枠の内方に成形用型材として一定の粒度を有する粒状
    体を充填するとともに、該第1の木枠と前記第1の型枠
    との間に、セメント中に所定量の石灰石、珪石等の粒状
    骨材を添加した超硬練コンクリート用の練状体を打設
    し、更に前記第1の型枠の上方に第2の型枠を載置し
    て、この第2の型枠の内方に支持台を形成するための第
    2の木枠を選択的に配置し、この第2の木枠と第2の型
    枠との間に前記と同一の練状体を打設するとともに、該
    練状体の上方から第2の型枠の内方に前記と同一の粒状
    体を充填し、以下同様の工程を繰り返して所望の立体形
    状を有する造形体を成形し、該練状体の固化後に前記型
    枠及び粒状体を除去することを特徴とする超硬練コンク
    リートを利用した伊勢海老魚礁の製造方法。
  3. 【請求項3】 型枠の内方に伊勢海老が浸入する中空部
    を形成するための木枠を配置し、該木枠の内方に成形用
    型材として一定の粒度を有する粒状体を充填するととも
    に、該木枠と前記型枠との間に、セメント中に所定量の
    石灰石、珪石等の粒状骨材を添加した超硬練コンクリー
    ト用の練状体を打設し、該練状体の固化後に前記型枠及
    び粒状体を除去して単体の造形体を成形し、得られた単
    体の造形体の複数個を積層固定して組み付けたことを特
    徴とする超硬練コンクリートを利用した伊勢海老魚礁の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 前記成形用型材として使用する粒状体
    は、所定のメッシュに粉砕された石灰石、珪石で成る請
    求項1,2又は3記載の超硬練コンクリートを利用した
    伊勢海老魚礁の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記成形用型材として使用する粒状体
    は、セメントに添加した粒状骨材と同一の粒径を保持す
    る請求項1,2,3又は4記載の超硬練コンクリートを
    利用した伊勢海老魚礁の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記型枠の内方に挿入した超硬練コンク
    リート用の練状体の固化後に、高圧水の吹付けにより前
    記粒状体を除去することを特徴とする請求項1,2,
    3,4又は5記載の超硬練コンクリートを利用した伊勢
    海老魚礁の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記超硬練コンクリート用の練状体はセ
    メント20〜25重量%中に所定のメッシュに粉砕され
    た石灰石、珪石等の粒状骨材を75〜80重量%、セメ
    ント凝結材を0〜0.6重量%、残部水分を添加したも
    のである請求項1,2,3,4,5又は6記載の超硬練
    コンクリートを利用した伊勢海老魚礁の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101842980B1 (ko) * 2016-03-16 2018-03-28 주식회사 포레스텍 친환경 다공성 구형체 자갈 블럭 제조방법
KR101842977B1 (ko) * 2016-03-16 2018-03-28 주식회사 포레스텍 집합성형체형 친환경 다공성 자갈 블럭 제조방법

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KR101842980B1 (ko) * 2016-03-16 2018-03-28 주식회사 포레스텍 친환경 다공성 구형체 자갈 블럭 제조방법
KR101842977B1 (ko) * 2016-03-16 2018-03-28 주식회사 포레스텍 집합성형체형 친환경 다공성 자갈 블럭 제조방법

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