JP2875037B2 - 空気調和機 - Google Patents

空気調和機

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JP2875037B2 JP5159691A JP5159691A JP2875037B2 JP 2875037 B2 JP2875037 B2 JP 2875037B2 JP 5159691 A JP5159691 A JP 5159691A JP 5159691 A JP5159691 A JP 5159691A JP 2875037 B2 JP2875037 B2 JP 2875037B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、冷媒加熱器を備えた
空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】空気調和機においては、冷凍サイクルに
冷媒加熱器を組み込み、冷媒加熱器の冷媒加熱作用によ
り暖房運転を行なうものがある。
【0003】この暖房運転では、室内温度と設定室内温
度との差を空調負荷として求め、その空調負荷に応じて
圧縮機の運転周波数および冷媒加熱器の加熱量を制御す
るようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、冷凍サイク
ルには冷媒(ガス)漏れの問題がある。また、据え付け
時のガスパージ量が初めから少ないこともある。
【0005】さらに、外気温が低い場合は、多量の冷媒
が圧縮機1内の冷凍機油に溶け込んでいわゆる寝込み状
態にあるため、冷媒の循環量が少なくなる。
【0006】このように冷媒が少ない状態で暖房運転が
実行されると、冷媒の循環量が少ないことから熱交換作
用が悪く、このため十分な暖房能力が得られないという
問題があった。
【0007】この発明は上記の事情を考慮したもので、
その目的とするところは、冷媒の循環量が少ない状態で
も、暖房能力を一定に保持することが可能な空気調和機
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の空気調和機
は、圧縮機、室内熱交換器、減圧器、冷媒加熱器を接続
した冷凍サイクルを備え、上記冷媒加熱器の冷媒加熱作
用により暖房運転を行なう空気調和機において、暖房運
転時、空調負荷に応じて上記圧縮機の運転周波数および
冷媒加熱器の加熱量を制御する手段と、上記冷媒加熱器
へ流入する冷媒の温度を検知する第1冷媒温度センサ
と、上記冷媒加熱器から流出する冷媒の温度を検知する
第2冷媒温度センサと、この第2冷媒温度センサの検知
温度と上記第1冷媒温度センサの検知温度との差を一定
時間ごとに検出する手段と、この検出結果に対応する数
値を所定回数にわたって積算する手段と、この積算結果
に応じて上記圧縮機の運転周波数を補正する手段とを備
える。
【0009】
【作用】暖房運転時、冷媒加熱器から流出する冷媒の温
度と冷媒加熱器に流入する冷媒の温度との差を一定時間
ごとに検出し、その検出結果に対応する数値を所定回数
にわたって積算する。そして、この積算結果に応じて圧
縮機の運転周波数を補正する。
【0010】
【実施例】以下、この発明の一実施例について図面を参
照して説明する。
【0011】図1は本発明に関わる空気調和機の全体の
構成を示しており、1は能力可変圧縮機で、その圧縮機
1の吐出口に四方弁2を介して室外熱交換器3を接続
し、その室外熱交換器3に逆止弁4(順方向)および膨
張弁5を介して室内熱交換器6を接続する。そして、室
内熱交換器6を上記四方弁2および逆止弁7(順方向)
を介して圧縮機1の吸入口に接続する。
【0012】さらに、上記逆止弁4と膨張弁5との接続
部から圧縮機1の吸込口にかけて、電磁式の二方弁8を
介して冷媒加熱器9を接続し、冷凍サイクルを構成す
る。
【0013】冷媒加熱器9は、ガスバ−ナ10を付属し
て備えており、そのガスバ−ナ10を比例弁11を介し
て燃料供給源(図示しない)に接続している。
【0014】すなわち、冷房運転時は、二方弁8を閉成
した状態で圧縮機1を起動し、図示実線矢印の方向に冷
媒を流して室外熱交換器3を凝縮器、室内熱交換器6を
蒸発器として働かせるようにしている。
【0015】暖房運転時は、二方弁8を開放した状態で
圧縮機1を起動するとともに、四方弁2を切換作動し、
さらに冷媒加熱器9を運転(ガスバーナ10を燃焼)
し、図示破線矢印の方向に冷媒を流して室内熱交換器6
を凝縮器、冷媒加熱器9を蒸発器として働かせるように
している。
【0016】また、逆止弁4と膨張弁5との間の冷媒配
管において、二方弁8の接続部よりも膨張弁5側に第1
冷媒温度センサ21を取り付ける。
【0017】冷媒加熱器9の出口側の冷媒配管に第2冷
媒温度センサ22を取り付ける。
【0018】30は空気調和機全般にわたる制御を行な
う制御部で、マイクロコンピュ―タおよびその周辺回路
からなる。
【0019】この制御部30に、四方弁2、二方弁8、
比例弁11、第1冷媒温度センサ21、第2冷媒温度セ
ンサ22、操作器31、室内温度センサ32、タイマ3
3、カウンタ34,35、およびインバータ回路36を
接続する。
【0020】インバータ回路36は、商用交流電源37
の電圧を整流し、それを所定周波数の電圧に変換して出
力するものである。この出力を圧縮機1の駆動モータに
供給する。
【0021】制御部30は、通常の冷房運転制御の他
に、次の機能手段を備えている。
【0022】(1)圧縮機1の運転,四方弁2の切換,
二方弁8の開放、および冷媒加熱器9の運転(ガスバー
ナ10の燃焼)により暖房運転を実行する手段。
【0023】(2)暖房運転時、操作部31の操作に基
づく設定室内温度と室内温度センサ32の検知温度との
差を空調負荷として求め、その空調負荷に対応する能力
指令コードを発生する手段。
【0024】(3)能力指令コードに応じて圧縮機1の
運転周波数(インバータ回路36の出力周波数)Fを制
御する手段。
【0025】(4)能力指令コードに応じて比例弁11
の開度を調節し、冷媒加熱器9の加熱量(ガスバーナ1
0の燃焼量)を制御する手段。
【0026】(5)暖房運転時、第2冷媒温度センサ2
2の検知温度T2 と第1冷媒温度センサ21の検知温度
1 との差ΔT(=T2 −T1 )を一定時間ts(たと
えば6秒間)ごとに検出する手段。
【0027】(6)検出した温度差ΔTに対応する数値
ΔKを所定回数x(たとえば30回)にわたって積算す
る手段。
【0028】(7)積算結果βに応じて圧縮機の運転周
波数Fを補正する手段。
【0029】つぎに、上記の構成において図2を参照し
ながら作用を説明する。
【0030】操作器31で冷房運転の開始操作がなされ
ると、二方弁8を閉成した状態で圧縮機1を起動し、図
1の実線矢印の方向に冷媒を流して冷房サイクルを形成
する。つまり、室外熱交換器3が凝縮器、室内熱交換器
6が蒸発器として働き、室内に冷風が吹出される。
【0031】操作器31で暖房運転の開始操作がなされ
ると、二方弁8を開放した状態で圧縮機1を起動すると
ともに、四方弁2を切換作動し、さらに冷媒加熱器9を
運転(ガスバーナ10を燃焼)し、図1の破線矢印の方
向に冷媒を流して暖房サイクルを形成する。つまり、室
内熱交換器6が凝縮器、冷媒加熱器9が蒸発器として働
き、室内に温風が吹出される。
【0032】この暖房運転時、操作器31の操作に基づ
く設定室内温度と室内温度センサ32の検知温度との差
を空調負荷として求め、その空調負荷に対応する能力指
令コードを発生する。そして、能力指令コードに応じて
圧縮機1の目標運転周波数Ftを決定する。
【0033】また、暖房運転時(ステップS1)、能力
指令コードが変更した時点でカウンタ34のカウント値
nをクリアする(ステップS2,3)。そして、タイマ
33によるタイムカウントtを開始し(ステップS
4)、一定時間Tsが経過したところで第2冷媒温度セ
ンサ22の検知温度T2 と第1冷媒温度センサ21の検
知温度T1 との差ΔT(=T2 −T1 )を検出する(ス
テップS5,6)。この温度差ΔTは、冷媒加熱器9の
温度過昇に伴って大きくなる。
【0034】そして、内部メモリに記憶している図3の
数値選択条件から、温度差ΔTに対応する数値ΔKを求
める。
【0035】すなわち、温度差ΔTが“12deg ”以上の
Cゾーンにあれば数値ΔKとして“+1”を選択する
(ステップS7,8)。温度差ΔTが“10deg ”以上,
“12deg ”未満のBゾーンにあれば数値ΔKとして
“0”を選択する(ステップS9,10)。温度差ΔT
が“10deg ”未満のAゾーンにあれば数値ΔKとして
“−1”を選択する(ステップS11)。
【0036】カウンタ34のカウント値nを“1”だけ
アップし(ステップS12)、そのカウント値nと所定
回数xとを比較する(ステップS13)。
【0037】カウント値nが所定回数xに達していなけ
れば、上記選択した数値ΔKをカウンタ35で逐次に積
算する(ステップS15)。
【0038】この積算値βは、冷媒循環量が減るなどし
て冷媒加熱器9から流出する冷媒の温度が上昇した場合
に増え、反対に冷媒循環量が増えるなどして冷媒加熱器
9から流出する冷媒の温度が下降した場合に減る。
【0039】その後、カウント値nが所定回数xに達す
ると(ステップS13)、そのカウント値nをクリアす
るとともに(ステップS14)、内部メモリに記憶して
いる図4の周波数補正値選択条件から、カウンタ35の
積算値βに対応する周波数補正値を求める。
【0040】すなわち、積算値βが“+10”以上のRゾ
ーンにあれば周波数補正値“+1.2Hz ”を選択する(ス
テップS16)。積算値βが“−10”以上,“+10”未
満のQゾーンにあれば周波数補正値“0Hz”を選択する
(ステップS17)。積算値βが“−10”未満のPゾー
ンにあれば周波数補正値“−0.6Hz ”を選択する。
【0041】周波数補正値“+1.2Hz ”を選択した場
合、現時点の運転周波数Fと能力指令コードに基づく目
標運転周波数Ftよりも所定値α(>+1.2Hz )大きい
値とを比較する(ステップS18)。ここで、現時点の
運転周波数Fが(Ft+α)と同じまたはそれよりも小
さければ、周波数補正値“+1.2Hz ”のアップが許容範
囲内にあると判断し、運転周波数Fを(Ft+1.2Hz )
に設定する(ステップS19)。ただし、現時点の運転
周波数Fが(Ft+α)よりも大きければ、周波数補正
値“+1.2Hz ”のアップが許容範囲から外れていると判
断し、運転周波数Fを目標運転周波数Ftにそのまま設
定する(ステップS20)。つまり、現状の運転周波数
Fを保持する。
【0042】周波数補正値“0Hz”を選択した場合は、
運転周波数Fを目標運転周波数Ftにそのまま設定する
(ステップS20)。つまり、現状の運転周波数Fを保
持する。
【0043】周波数補正値“−0.6Hz ”を選択した場
合、現時点の運転周波数Fと能力指令コードに基づく目
標運転周波数Ftとを比較する(ステップS21)。こ
こで、現時点の運転周波数FがFtよりも大きければ、
周波数補正値“−0.6Hz ”のダウンが許容範囲内にある
と判断し、運転周波数Fを(Ft−0.6Hz )に設定する
(ステップS22)。ただし、現時点の運転周波数Fが
Ftよりも小さければ、周波数補正値“−0.6Hz ”のダ
ウンが許容範囲から外れていると判断し、運転周波数F
を目標運転周波数Ftにそのまま設定する(ステップS
20)。つまり、現状の運転周波数Fを保持する。
【0044】したがって、たとえば冷媒漏れや冷媒寝込
みによって冷媒循環量が不足し、冷媒加熱器9から流出
する冷媒の温度が上昇を続けた場合には、運転周波数F
がアップ方向に補正され、冷媒循環量が増大する。この
増大により、不足した暖房能力を得ることができる。
【0045】また、同時に、冷媒加熱器9の温度過昇を
防ぐことができ、冷媒加熱器9の耐久性が向上する。
【0046】なお、上記実施例では、一定時間Tsを6
秒間、所定回数xを30回としたが、それらの値に限定
はなく、冷媒加熱器9の加熱容量などに応じて適宜に設
定可能である。
【0047】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、暖
房運転時、冷媒加熱器から流出する冷媒の温度と冷媒加
熱器に流入する冷媒の温度との差を一定時間ごとに検出
し、その検出結果に対応する数値を所定回数にわたって
積算し、その積算結果に応じて圧縮機の運転周波数を補
正する構成としたので、冷媒の循環量が少ない状態で
も、暖房能力を一定に保持することが可能な空気調和機
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の全体の構成を示す図。
【図2】同実施例の作用を説明するためのフローチャー
ト。
【図3】同実施例における数値選択条件のフォーマット
を示す図。
【図4】同実施例における周波数補正値選択条件のフォ
ーマットを示す図。
【符号の説明】
1…能力可変圧縮機、3…室外熱交換器、6…室内熱交
換器、9…冷媒加熱器、21…第1冷媒温度センサ、2
2…第2冷媒温度センサ、30…制御部、36…インバ
ータ回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F25B 13/00 341 F25B 1/00 321

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機、室内熱交換器、減圧器、冷媒加
    熱器を接続した冷凍サイクルを備え、前記冷媒加熱器の
    冷媒加熱作用により暖房運転を行なう空気調和機におい
    て、暖房運転時、空調負荷に応じて前記圧縮機の運転周
    波数および冷媒加熱器の加熱量を制御する手段と、前記
    冷媒加熱器へ流入する冷媒の温度を検知する第1冷媒温
    度センサと、前記冷媒加熱器から流出する冷媒の温度を
    検知する第2冷媒温度センサと、この第2冷媒温度セン
    サの検知温度と上記第1冷媒温度センサの検知温度との
    差を一定時間ごとに検出する手段と、この検出結果に対
    応する数値を所定回数にわたって積算する手段と、この
    積算結果に応じて前記圧縮機の運転周波数を補正する手
    段とを具備したことを特徴とする空気調和機。
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