JP2874215B2 - Pwmコンバータの制御方法 - Google Patents

Pwmコンバータの制御方法

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JP2874215B2 JP26898789A JP26898789A JP2874215B2 JP 2874215 B2 JP2874215 B2 JP 2874215B2 JP 26898789 A JP26898789 A JP 26898789A JP 26898789 A JP26898789 A JP 26898789A JP 2874215 B2 JP2874215 B2 JP 2874215B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はPWMコンバータの制御方法に関する。
〔従来の技術〕
第4図はPWMコンバータの接続を示す図、第5図はPWM
コンバータの制御方法の従来例を示すブロック線図、第
6図はPWMコンバータ制御時のベクトル図である。
第4図において、3相交流電源の各相電圧VmU,VmV,V
mWは各相の交流リアクタ10を介して主スイッチング回路
11の入力端に接続されている。主スイッチング回路11の
出力側には、負荷に並列にコンデンサ12が接続されてい
る。電流検出器7は、コンバータ入力電流Ifbを検出
し、その検出値は第5図のPWMコンバータの制御システ
ムに入力される。
第5図の制御ブロック線図において、電圧増幅器1
は、直流電圧指令VCOMに対する実際の直流電圧Vdc
偏差ΔV入力して電流指令振幅I*を生成する。U,V,W各
相の正弦波発生器2U、2V、2Wはそれぞれ電源相電圧
mU,VmV,VmWを入力し、電源相電圧VmU,VmV,VmWに同期
した単位正弦波sinU,sinV,sinWを発生する。乗算器3は
これらの単位正弦波sinU,sinV,sinWと電流指令振幅I*
とを乗算し、U,V,W各相の入力電流指令IrefU,IrefV,I
refWを生成する。入力電流指令は3相であるが動作は各
相共同じであるので、以下、任意の1相のみについて説
明する。また、U相,V相,W相を識別する必要がない場合
には、これらの相を表わす添字を省略する。電流増幅器
4は、入力電流指令Irefと電流検出器7によって検出
されるコンバータ入力電流Ifbとの偏差ΔIを入力して
コンバータ入力電圧指令Vrefを生成する。PWM変換回路
5はコンバータ入力電圧指令(以下、電圧指令と記す)
refをPWMキャリア信号eTと比較してPWM信号SPWM
生成する。PWMコンバータ6の主スイッチング回路11
は、PWM信号によってスイッチングされ、直流電圧Vdc
がパルス幅変調されたコンバータ入力電圧VCを生成す
る。
このコンバータ入力電圧VCと電源相電圧Vmとの差分
Lは、第4図の交流リアクトル(以下、リアクトルと
記す)10に印加され、コンバータ入力電流Ifbが流れ
る。IfbU,IfbV,IfbWの3相分の有効電流を直流換算し
たものがIdcとして第4図に示されている。
ここで負荷電流ILの極性により次の2つのモードに
分けられる。
(i) IL>0:順変換時 コンデンサ12は放電し、直流電圧Vdcは減少の方向に
向かう。このとき、電流電圧指令VCOMと直流電圧Vdc
との偏差ΔV>0となり、電流指令振幅I*>0となる
ので交流入力電流指令(以下、電流指令と記す)Iref
は相電圧Vmと同相の信号となり、コンバータ入力電流
fbは入力相電圧Vmと同相に制御され、第6図(a)
に示すように力率1の順変換動作となる。
(ii) IL<0:逆変換時 コンデンサ12は充電され、直流電圧Vdcは増加の方向
に向かう。このとき、直流電圧指令VCOMと直流電圧V
dcとの偏差ΔV<0となり、電流指令振幅I*<0とな
るので電流指令Irefは相電圧Vmと逆相の信号となり、
コンバータ入力電流Ifbは相電圧Vmと逆相に制御され
る。その結果、第6図(b)に示すように力率1の逆変
換動作となる。
PWMコンバータは前記の動作を行うので、コンバータ
入力電流を制御することにより負荷状態に応じて順逆電
力変換を行い、かつ、直流電圧を一定に制御することが
可能である。
次にコンバータ入力電圧VCが電圧指令Vrefに対応し
てパルス幅変調されて生成される過程を説明する。
第7図は、コンバータ入力電圧が電圧指令に対応して
パルス幅変調されて生成される過程を示す図である。
いま、第7図(a)に示すように、振幅VTの三角波
キャリアeTにより振幅Vrの正弦波の電圧指令Vref
パルス幅変調する。このとき、1相分のPWM信号は第7
図(b)のようになり、このPWM信号がハイレベルHの
ときには直流出力の正電位側のスイッチング素子がオン
となり、ロウレベルLのときには直流出力の負電位側の
スイッチング素子がオンとなる。その結果、第4図に示
すN直流側中性点Nからみたコンバータ入力電圧▲VN C
▼は第7図(c)に示す波高値Vdc/2のパルス波形とな
る。このとき、パルス幅変調による高周波成分を除去し
た(復調した)、直流側中性点Nからみたコンバータ入
力電圧▲VN C▼を第7図(d)に示し、その振幅▲VN f
▼を次式に示す。
式(4)のKMを変調率と呼び、三角波キャリア振幅
(以下、キャリア振幅と記す)VTと電圧指令Vrefの振
幅Vrの比として定義される。
いま、電圧指令Vrefが単純な正弦波でなくさまざま
な高調波成分を含むひずみ波であったとしても、電圧指
令Vrefの振幅Vrがキャリア振幅VTをこえない場合に
は電圧指令Vrefの全ての周波数成分がパルス幅変調さ
れて直流側中性点Nからみたコンバータ入力電圧▲VN C
▼を生成する。
第7図(a)に示されているように、電圧指令Vref
の振幅Vrがキャリア振幅VTをこえておらず、かつ高調
波成分を含まない正弦波波形である場合は直流側中性点
Nからみたコンバータ入力電圧▲VN C▼の、パルス幅変
調による高周波成分を除去した波形も正弦波波形とな
る。このように、電圧指令Vrefが高調波成分を含まな
い正弦波波形のとき、変調率KMが1をこえていない限
り、電圧指令Vrefの振幅Vrがキャリア振幅VTをこえ
ることはないので、直流側中性点Nからみたコンバータ
入力電圧▲VN C▼の、パルス幅変調による高周波成分を
除去した波形は第7図(d)に示されているような正弦
波波形となる。
この直流側中性点NからみたU,V,W各相のコンバータ
入力電圧▲VN CU▼,▲VN CV▼,▲VN CW▼を用いて交
流側中性点OからみたU相コンバータ入力電圧VCUは次
式で表される。
式(5)において、▲VN CU▼,▲VN CV▼,▲VN CW
の高周波成分を除去した波形は120度ずつ位相がずれた
3相正弦波であるため、これらの総和は常に0となり、
その結果、高調波成分を除去した場合には、式(5)の
CUは次のようになる。
このように、正弦波で与えられているコンバータ電圧
指令Vrefの振幅Vrがキャリア振幅VTをこえないと
き、すなわち変調率KM1となっている限り、直流側
中性点Nからみたコンバータ入力電圧▲VN C▼のパルス
幅変調による高周波成分を除去した波形は正弦波とな
り、式(6)より交流側中性点Oからみたコンバータ入
力電圧VCの、パルス幅変調による高周波成分を除去し
た波形も正弦波となり、かつ、▲VN CU▼の高周波成分
を除去した波形と同相で、振幅も等しくなる(第7図
(e)参照)。
〔発明が解決しようとする課題〕
PWMコンバータが正常に動作するには第6図(a),
(b)からわかるように交流側中性点Oからみたコンバ
ータ入力電圧VCの基本波振幅は常に相電圧Vmの基本波
振幅より大きくならなければならない。このことは次式
で表わされる。
|Vc|≧|Vm| ……(7) 式(7)において等号が成り立つのはコンバータ入力電
流Ifbが0のときである。いま、相電圧Vmの基本波振
幅をVmOとし、式(3)を用いて式(7)を変形すると
次式を得る。
さらに変形すると次式を得る。
dc≧2・VmO/KM ……(9) 変調率KMが、パルス幅変調が正常に行われる最大値1
をとると、式(9)は次のようになる。
dc≧2・VmO ……(10) したがって、このときの直流電圧Vdcの最小値は2・V
mOとなり、これより小さなVdcではPWMコンバータの制
御動作が成立しない。
いま、ダイオード整流時の直流電圧Vdcについて考え
る。第8図はダイオード整流回路の回路図である。この
回路は容量性負荷回路のため、直流電圧は無負荷時に最
大となり、電源線間電圧振幅VU-VO以上にはならない。
すなわちVdc≦VU-VOになる。電源線間電圧振幅VU-VO
は相電圧振幅VmOと次の関係がある。
したがって、ダイオード整流の場合は相電圧振幅VmO
直流電圧Vdcとの間につぎの関係がある。
式(10)と式(12)を比較するとPWMコンバータによっ
て制御できる直流最小電圧は2VmOはであるため、ダイオ
ード整流電圧より高く となる。
ここで、PWMコンバータの実用上の問題を考える。一
般的に200V級(線間電圧実効値)のインバータの電力半
導体素子の電圧耐量は450V程度であり、電源電圧変動許
容範囲は170〜250V程度となっているのが普通である。
通常のインバータのように、ダイオード整流もしくは
それに類した方法により直流電圧を発生させている場合
には直流電圧Vdcの最大値は、電源線間電圧振幅VU-VO
の量大値を250Vとして、式(11),(12)から次のよう
に得られる。
このように、直流電圧最大値が354Vであるので、電力半
導体素子の電圧耐量450Vに比べ100V程度の余裕があり、
スイッチング時のサージ電圧やインバータ回生時の直流
電圧上昇に対して十分余裕がある。
次に、ダイオード整流のかわりにPWMコンバータを用
いてインバータに直流電圧を供給する場合の実用上の問
題を考える。インバータの半導体素子の電圧耐量はダイ
オード整流時と同じ450V、電源電圧変動許容範囲170〜2
50Vとする。このとき直流電圧Vdcの最小値Vdcminは、
電源線間電圧振幅VU-VOの最大値250Vとして式(10),
(11)より次のように得られる。
直流電圧の最小値が408Vであるので、電力半導体素子の
電圧耐量450Vに比べ40V程度しか余裕がなく、スイッチ
ング時のサージ電圧やインバータ回生時の直流電圧の過
渡上昇に対して余裕が少なく素子破壊の危険性がある。
また、PWMコンバータ自身も、インバータと同じ電力
半導体素子を使用することが多いので、素子破壊の危険
にさらされることになる。
以上説明したように変調率KMが1をこえない場合はP
WMコンバータの直流電圧最小値はダイオード整流電圧の
1.15倍以下には下がらない。
PWMコンバータの直流電圧最小値をダイオード整流電
圧程度にまで下げるための一つの手段として、変調率K
Mを1より大きくするということがある。
第9図は変調率KMを1より大きくした場合の、コン
バータ入力電圧の生成過程の説明図である。
いま極端な例として、変調率KMを無限大とする。PWM
キャリアと各電圧指令Vrefの関係は、第9図(a)に
示されているようになる。このとき主スイッチング素子
をスイッチングするPWM信号は第9図(b)のようにな
る。実際はキャリア周波数が電圧指令Vrefの周波数よ
り十分高いので実際のPWM信号は、電圧指令Vrefと基線
との交差点の間隔とロウレベルLの期問がほぼ等しい方
形波となる。
このとき直流側中性点Nからみたコンバータ入力電圧
▲VN C▼は第9図(c)のようになる。
直流側中性点からみたU,V,Wの各相のコンバータ入力
電圧▲VN CU▼,▲VN CV▼,▲VN CW▼がそれぞれ120度
ずつ位相がずれた方形波とすると、式(5)より交流側
中性点OからみたU相コンバータ入力電圧VCUは第9図
(d)のようになり、この波形をフーリエ展開すると、
交流側中性点Oからみたコンバータ入力電圧VCUの基本
波振幅は2/π Vdcとなる。
式(7)より、この場合の交流側中性点Oからみたコ
ンバータ入力電圧基本波振幅|Vc|と相電圧振幅VmO
の関係は次式で表わされる。
式(15)を変形すると次式になる。
式(16)と式(12)を比較すると、変調率KMを無限大
にした場合にはPWMコンバータにおける直流電圧Vdc
下限値は1.57VmOとなり、ダイオード整流電圧1.73VmO
りも下げることができることがわかる。
実用的には変調率を前述のように極端に無限大まで大
きくしてVdcを1.57VmOまで下げる必要はなく、1より
ある程度大きくすれば、PWMコンバータの直流電圧最小
値は、ダイオード整流電圧 程度には下げることができる。
しかし、変調率KMを1より大きくした場合には以下
に示す問題点がある。
第10図は変調率を1より大きくした場合の、コンバー
タ入力電圧、コンバータ入力電流の波形ひずみを示す図
である。
いま、第10図(a)に示すように変調率KMが1より
若干大きいためパルス幅変調が正常に行われない期間が
生じ、直流側中性点Nからみたコンバータ入力電圧▲V
N CU▼,▲VN CV▼,▲VN CW▼のパルス幅変調による高
周波成分を除去した波形がピーク部分の60度の範囲だけ となっているひずみ波形の場合を考える。このとき、各
相の直流側中性点Nからみたコンバータ入力電圧▲VN
CU▼,▲VN CV▼,▲VN CW▼のパルス幅変調による高周
波成分を除去した波形の和を第10図(b)に示す。第10
図(a),(b)、および式(5)より交流側中性点O
からみたU相コンバータ入力電圧VCUのパルス幅変調に
よる高周波成分を除去した波形を第10図(c)の実線に
示す。第10図(c)の点線は直流側中性点からみたU相
コンバータ入力電圧VCUのパルス幅変調による高周波成
分を除去した波形である。
ここで無負荷時、すなわち第6図においてコンバータ
入力電流Ifb≒0の場合を考えると、入力リアクトル電
圧VL≒0となり、電源相電圧Vmと交流側中性点Oから
みたコンバータ入力電圧VCの基本波との位相差θ≒0
となる。
このときの交流側中性点OからみたU相コンバータ入
力電圧VCUのパルス幅変調による高周波成分を除去した
波形と電源相電圧VmUの関係を第10図(d)に示す。
第6図より、U相電源相電圧VmUと交流側中性点Oか
らみたU相コンバータ入力電圧VCUとリアクトル電圧V
LUの関係を次式に示す。
LU=VCU−VmU ……(17) 式(17)および第10図(d)よりU相リアクトル電圧V
LUの高周波成分を除去した波形は第10図(e)のように
なる。コンバータ入力電流(リアクトル電流)Ifbとリ
アクトル電圧VLとの関係は次式のようになる。
(L:リアクトルのインダクタンス) 式(18)より、無負荷時のU相コンバータ入力電流I
fbUは第10図(f)のようになる。この電流は第10図
(a)に示されている直流側中性点Nからみた、高周波
成分を除去したコンバータ入力電圧VCがひずんでいる
ことが原因で生ずるリップル電流である。負荷時のU相
コンバータ入力電流IfbUの波形を第10図(g)の実線
に示す。この波形は、直流側中性点NからみたU相コン
バータ入力電圧▲VN CU▼が正弦波ならば、第10図
(g)の点線に示されているように、U相相電圧VmU
同相の正弦波であるが、第10図(a)に示されているよ
うに高周波成分を除去した、直流側中性点Nからみたコ
ンバータ入力電圧▲VN C▼がひずんでいるので、第10図
(g)の実線に示されているようにひずんだ波形とな
る。
この電流のひずみは力率の低下や高調波電流の増大な
どの問題をひきおこすので好ましくない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、PW
Mコンバータ入力電流をひずませることなしにPWMコンバ
ータの直流電圧をダイオード整流時程度に下げることを
目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明のPWMコンバータの制御方法は、 交流側に交流リアクトルを介して3相交流電源が接続
され、直流側に平滑コンデンサおよび負荷が接続され、
直流側に生成された直流電圧の設定された直流電圧指令
値に対する偏差に対応して交流入力電流指令を生成し、
PWMコンバータ入力電流の検出値の、前記交流入力電流
指令の値に対する偏差に対応してPWMコンバータ電圧指
令を生成し、主スイッチング回路の開閉を制御するPWM
コンバータの制御方法であって、 PWMコンバータ電圧指令の周波数の3倍の周波数をも
つ補償信号を、PWMコンバータ各相の電圧指令に重畳し
て得られる信号を新たなPWMコンバータ電圧指令とし、
変調率が1以上のPWM信号を生成して前記主スイッチン
グ回路の動作を制御する。
〔作用〕
本発明の原理を第3図を用いて説明する。
変調率が1より大きい場合には、PWMコンバータ電圧
指令Vrefの振幅Vrは、PWMキャリアeTの振幅VTより
も大きい。したがって、PWMコンバータ電圧指令Vref
大きさがPWMキャリアの振幅VTよりも大きい期間Δtに
は、PWMコンバータ電圧指令Vrefの大きさに対応するPW
M信号が出力されず、ハイレベルまたはロウレベルの一
定値の信号が生成される。すなわち、第3図(a)の太
い線で画かれた信号ePWMに対応するPWM信号が出力され
る。したがって、そのようなPWM信号を復調しても、PWM
コンバータ電圧指令Vrefと同様な正弦波信号にならな
い。その結果、変調率が1より大きい場合には、PWMコ
ンバータ入力電圧の高周波成分を除去した(復調した)
波形は正弦波にならない。
ここで第3図(b)に示すように、U,V,W各相の電圧
指令VrefU,VrefV,VrefWに、その3倍の周波数の信号V
3fを重畳することを考える。V3fは各電圧指令VrefU,V
refV,VrefWに対して全て第3図(b)に示すような位相
関係にある。ここで とすると▲VA ref▼は第3図(d)に示す波形となり、
▲VA ref▼の振幅▲VA r▼はVrefの振幅Vrより下げる
ことができる。キャリア振幅 とすると、第3図(a)のePWMのようにハイまたはロ
ウレベルが一定期間続くようなことはおこらず、第3図
(d)の▲VA ref▼が正常にPWM変換されることにな
り、交流側中性点Oからみた相電圧VCU,VCV,VCWにおい
ては3倍調波成分は全て相殺されるため、変調率Vr/VT
>1とすることができ、入力電流波形をひずませること
なく、コンバータ入力電圧を上昇させることが可能とな
り、直流電圧の制御下限値を従来のものより下げること
ができる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
第1図は本発明のPWMコンバータの制御方法を示すブ
ロック線図である。
電圧増幅器1は直流電圧指令値VCOMと実際の直流電
圧Vdcの偏差ΔVを入力し、電流指令振幅I*を生成す
る。電源相電圧Vmが正弦波発生器2(サインテーブ
ル)に入力され、この正弦波発生器2は、U,V,W各相の
相電圧VmU,VmV,VmWに同期した単位正弦波sinU,sinV,si
nWを発生する。乗算器3はこれらの単位正弦波sinU,sin
V,sinWと電流指令振幅I*とを乗算し、電流指令IrefU,
IrefV,IrefWを生成する。電流指令は3相であるが、動
作は各相とも同様であるので、任意の相について説明す
る。以下、U,V,W相を識別する必要がある場合を除き、
U,V,W相を表わす添字は省略する。電流増幅器4は、電
流指令Irefとコンバータ入力電流の検出値との偏差Δ
Iを入力し、電圧指令Vrefを生成する。3倍調波発生
器16は電圧指令VrefU,VrefV,VrefWを入力し、電圧指令
refU,VrefV,VrefWの3倍の周波数の信号3f(以下、3
倍調波と記す。)を生成する。この3倍調波3fは各相の
電圧指令Vrefと加え合わされて新たな電圧指令▲VA
ref▼が生成される。PWM変換回路5はこの新たなコンバ
ータ電圧指令▲VA ref▼をPWMキャリアと比較してPWM信
号SPWMを発生させ、PWMコンバータ6の主スイッチング
回路を動作させて直流側中性点Nからみたコンバータ入
力電圧▲VN C▼を出力する。
ここで3倍調波発生器16は各相の電圧指令VrefU,V
refV,VrefWの周波数を3倍にし、かつその振幅を任意の
値にする機能をもつ。
第2図は第1図のブロック線図の動作を示すタイムチ
ャートである。
第2図(a)には電圧指令Vref、3倍調波3fおよび
新たなコンバータ入力電圧指令▲VA ref▼の関係が示さ
れている。第2図(a)の新たな電圧指令▲VA ref▼の
振幅▲VA r▼はもとの電圧指令Vrefの振幅Vrよりも小
さいことがわかる。3倍調波の振幅▲VA r▼を適当に選
ぶと、新たな電圧指令▲VA ref▼の振幅はもとの電圧指
令Vrefの振幅より下げることができる。
第2図では3倍調波に正弦波信号を用いているが、三
角波でもほぼ同等の効果が得られる。
ここで第2図(b)は新たなコンバータ入力電圧指令
▲VA ref▼の振幅を▲VA r▼キャリア振幅をVTとし、 とした場合のおのおのの波形を示す。また第2図(c)
は第2図(b)の場合の直流側中性点Nからみたコンバ
ータ入力電圧▲VN C▼のパルス幅変調による高周波成分
を除去した波形を示す。
電圧指令振幅▲VA r▼がキャリア振幅VTをこえない
ので▲VA ref▼の全ての周波数成分が直流側中性点Nか
らみたコンバータ入力電圧▲VN C▼にパルス幅変調され
る。
新たな電圧指令▲VA ref▼は、振幅Vr(>VT)のも
との電圧指令Vrefの周波数成分と、振幅V3fの3倍調
波3fの周波数成分よりなり、この新たな電圧指令▲VA
ref▼の全ての周波数成分が直流側中性点Nからみたコ
ンバータ入力電圧▲VN C▼にパルス幅変調される。この
とき、直流側中性点Nからみたコンバータ入力電圧▲V
N C▼中の、もとのコンバータ入力電圧指令Vrefによる
周波数成分の振幅は になり、3倍調波3fによる周波数成分の振幅は となる。このときの直流側中性点NからみたU相コンバ
ータ入力電圧▲VN CU▼を式で表わすと次のようにな
る。
V相,W相の直流側中性点Nからみたコンバータ入力電
圧▲VN CV▼,▲VN CW▼も同様に次式で表わされる。
ここで、式(5)よりパルス幅変調による高周波成分を
除去した、交流側中性点OからみたU相コンバータ入力
電圧VCUは次のように表わされる。
V相、W相の交流側中性点Oからみたコンバータ入力
電圧VCV,VCWも同様にパルス幅変調による高周波成分を
無視すると次式のようになる。
式(22)〜式(24)は次のことを表わしている。すな
わち交流側中性点Oからみたコンバータ入力電圧VCU,V
CV,VCWにおいては、直流側中性点Nからみたコンバータ
入力電圧▲VN CU▼,▲VN CV▼,▲VN CW▼における3
倍調波成分はすべて相殺され、パルス幅変調による高周
波成分を除去すると、振幅 の基本波成分のみが残る。換言すれば、式(22)〜(2
4)は変調率 となってもパルス幅変調による高周波成分を除去したコ
ンバータ入力電圧VCU,VCV,VCWはひずみ波ではなく正弦
波であることを表している。このときの交流側中性点O
からみたコンバータ入力電圧VCU,VCV,VCWにおいてパル
ス幅変調による高周波成分を除去した波形を第2図
(d)に示す。第2図(d)は正弦波でありひずみ波で
はない。
交流側中性点Oからみたコンバータ入力電圧VCU,
VCV,VCWのパルス幅変調による高周波成分を除去した波
形が正弦波となるので、コンバータ入力電流IfbU,
IfbV,IfbWも当然ひずみ波ではなく、正弦波となる。こ
のように3倍調波を電圧指令に重畳することにより、コ
ンバータ入力電流をひずませることなしに変調率KM
1にすることができる。
一般に3倍調波3fの振幅V3fを正弦波のコンバータ入
力電圧指令Vrefの振幅Vrの1/6にすれば、ひずみ波で
ある新たな電圧指令▲VA ref▼の振幅▲VA r▼は最小と
なり、 に等しくなることが知られている。したがって、V3f
r/6とし、かつ、前述のように とすると、式(22)〜(24)より、パルス幅変調による
高周波成分を無視した、交流側中性点Oからみたコンバ
ータ入力電圧の波高値VCOは、次式で表わされる。
式(25)と式(7)からコンバータ直流電圧最小値は次
の不等式を満足する。
式(24)と式(12)を比べると、本実施例のPWMコン
バータの直流電圧下限値はダイオード整流の場合の直流
電圧最大値と等しいことがわかる。
実際には、パルス幅変調による高周波成分を無視した
コンバータ入力電圧振幅VCOは、コンバータのスイッチ
ング素子の上下短絡防止のすきま時間のため式(25)に
示す よりも低くなるので、直流電圧下限値は よりも若干高くなるが、IGBT等の高速スイッチング素子
を使えばすきま時間を短くできるためほぼ問題ない。
〔発明の効果〕
以上に説明したように本発明は、コンバータ入力電圧
指令にその3倍の周波数の信号を重畳して新たなコンバ
ータ入力電圧指令とすることにより、入力電流のひずみ
を生じさせることなしにダイオード整流電圧程度までPW
Mコンバータの直流電圧を下げることができる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のPWMコンバータの制御方法を示すブロ
ック線図、第2図は第1図のブロック線図の動作を示す
タイムチャート、第3図は本発明の原理の説明図、第4
図はPWMコンバータの接続を示す図、第5図はPWMコンバ
ータの制御方法の従来例を示すブロック線図、第6図は
PWMコンバータ制御時のベクトル図、第7図はコンバー
タ入力電圧が電圧指令に対応してパルス幅変調されて生
成される過程を示す図、第8図はダイオード整流回路
図、第9図は変調率を1より大きくした場合の、コンバ
ータ入力電圧の生成過程の説明図、第10図は変調率を1
より大きくした場合の、コンバータ入力電圧、コンバー
タ入力電流の波形ひずみを示す図である。 1……電圧増幅器、2……サインテーブル、3……乗算
器、4……電流増幅器、5……PWM変換回路、6……PWM
コンバータ、7……電流検出器、10……交流リアクタ、
11……主スイッチング回路、12……コンデンサ、16……
3倍調波発生器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山川 孝之 福岡県北九州市小倉北区大手町12番1号 株式会社安川電機製作所小倉工場内 (56)参考文献 特開 平1−136568(JP,A) 特開 昭62−77867(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02M 7/00 - 7/98

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】交流側に交流リアクトルを介して3相交流
    電源が接続され、直流側に平滑コンデンサおよび負荷が
    接続され、直流側に生成された直流電圧の設定された直
    流電圧指令値に対する偏差に対応して交流入力電流指令
    を生成し、PWMコンバータ入力電流の検出値の、前記交
    流入力電流指令の値に対する偏差に対応してPWMコンバ
    ータ電圧指令を生成し、主スイッチング回路の開閉を制
    御するPWMコンバータの制御方法において、 前記PWMコンバータ電圧指令の周波数の3倍の周波数を
    もつ補償信号を、前記PWMコンバータ各相の電圧指令に
    重畳して得られる信号を新たなPWMコンバータ電圧指令
    とし、変調率が1以上のPWM信号を生成して前記主スイ
    ッチング回路の動作を制御することを特徴とするPWMコ
    ンバータの制御方法。
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