JP2872967B2 - ブラスト加工用マスキング材の製造方法および再生方法 - Google Patents

ブラスト加工用マスキング材の製造方法および再生方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加速された砥材を
衝突させ被加工面を食刻するブラスト加工において、被
加工面の一部を被覆して部分的に食刻されない表面を形
成するためのマスキング材、特に、微細で複雑且つ高精
度の位置合わせを必要とする電子部品の電極層の形成等
の精密なブラスト加工を行う際に用いられるブラスト加
工用マスキング材の製造方法および再生方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ガラス、金属、木材、プラスチック等の
被加工物表面に所定の模様やパターンに切り抜いたマス
キング材を貼設したうえ加速された砥材を衝突させてマ
スキング材により被覆されていない部分をブラスト加工
で食刻することにより被加工物表面に所定の凹凸を形成
させたり、被加工物表面のメッキ層その他異なる材質で
形成された層の一部を除去することは従来より広く行わ
れているが、このようなブラスト加工に用いられるマス
キング材としては、軟質材料は加工され難いというブラ
スト加工の特徴に着目して、例えば、特開昭59−92
926号公報に開示されているようなゴムやビニールな
どの軟質合成樹脂材が一般に採用されてきた。しかしな
がら、微細且つ正確な加工が求められる電子部品の電極
層のエッチング等の目的にこのブラスト加工法を採用す
る場合には、ゴム板やビニールシート等のマスキング材
を鋏やナイフ等のハンド工具によって加工する方法では
求められる精度の加工を実施できなかった。
【0003】そこで、特開昭57−33966号に開示
されているように、シルク印刷によって被加工物表面
に、所定のパターンに正確にマスキング樹脂層を形成す
る方法や、特開昭57−117242号公報に開示され
ているように、ファトレジストにより被加工物表面に光
硬化樹脂によるマスキング層を形成する方法が検討され
てきたが、これらの方法は正確なマスキング材パターン
を被加工物表面に形成させることができる反面、ブラス
ト加工に使用できる程の充分な強度を持ったマスキング
層を形成することが困難で、除去すべき電極層等が厚い
場合には化学エッチングに頼らざるを得ず、この場合に
は、過度なエッチングによるパターン崩れやエッチング
不足を防止するための溶剤の管理にコストがかかるのみ
ならず、酸などの危険な薬品を使用し、廃液には有害な
金属イオンを含むので、作業環境或いは地球環境保全の
面から問題が残されており、また、ブラスト加工が採用
可能な場合でも、前記の方法は被加工物表面に直接マス
キング層を形成するため、被加工物毎にマスキング材を
形成する工程と、加工後のマスキング材の除去工程は必
要となって、製造コストが高騰するのみならず、加工物
毎にマスキング材が廃棄されるために前記同様に地球環
境保全の面から問題が残されており、その対策が求めら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
するところは、前記のような要望に応えて微細且つ正確
な加工が求められる電子部品の電極層のエッチング等の
目的に利用できるパターン精度を確保し、ブラスト加工
に使用できる程の充分な強度を持ったマスキング材にお
いて、被加工物毎にマスキング材の形成と加工後のマス
キング材の除去といった工程を必要とせず且つ安価に製
造可能なブラスト加工用マスキング材の製造方法および
再生方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記のような課題を解決
した本発明は、加速された砥材を衝突させて被加工面を
食刻する際に被加工面の一部を被覆して部分的に食刻さ
れない表面を形成するためのブラスト加工用マスキング
の製造方法であって、被加工面の食刻すべき部分に対
応する孔部を形成してある金属製のマスキング材基板上
に水溶性の補強樹脂層を形成する工程と、この補強樹脂
層を非水溶性カバー層で覆う工程と、加圧水の噴射によ
り前記水溶性の補強樹脂層の不要の部分を溶解除去する
工程と、前記非水溶性カバー層を除去する工程とを順次
行うことを特徴とするブラスト加工用マスキング材の製
造方法を請求項1に係る発明とし、この発明における補
強樹脂層、光が照射されると水溶性から非水溶性に変
質する性質をもった特殊感光性樹脂シートであって、そ
の不要部分を溶解除去したのち光を照射して非水溶 性に
変質させるようにするブラスト加工用マスキング材の製
造方法が請求項2に係る発明である。また、前記したよ
うなマスキング材を一使用したのちに再生する手段で
ある、被加工面の食刻すべき部分に対応する孔部を形成
してある金属製のマスキング材基板上の補強樹脂層を除
去する工程と、補強樹脂層が除去されたマスキング材基
板上に水溶性の補強樹脂層を形成する工程と、この補強
樹脂層を非水溶性カバー層で覆う工程と、加圧水の噴射
により前記水溶性の補強樹脂層の不要の部分を溶解除去
する工程と、前記非水溶性カバー層を除去する工程とを
順次行うことを特徴とするブラスト加工用マスキング材
の再生方法を請求項3に係る発明とし、この請求項3に
係る発明において、補強樹脂層を、光が照射されると水
溶性から非水溶性に変質する性質を持った特殊感光性樹
脂シートとして、その不要部分を溶解除去したのち光を
照射して非水溶性に変質させる方法を請求項に係る発
明とする。
【0006】本発明の前提となるマスキング材は、所定
の食刻パターンを形成しようとする被加工面を覆うよう
に位置させ、そのマスキング材を通してブラスト加工を
施すことにより、被加工面に所定の食刻パターンを形成
する点においては従来のマスキング材と変わることがな
く、また、ブラスト加工中に被加工物の表面と同様に多
くの投射材の攻撃に曝されるマスク材の表面が、ブラス
ト法によっては食刻され難い材料で構成されていること
も従来のマスキング材と変わらず、また、本発明では
属製のマスキング材基板を採用したので、反復使用によ
って一部が損耗してもブラスト加工により損耗した補強
樹脂層のみを再生すれば繰り返し使用することが可能と
なり、また、前記したマスキング基板に形成されたピン
孔等の位置決め手段は、マスキング材基板が金属製であ
るので従来の合成樹脂板を基材とする場合に比べて著し
く高精度に加工及びその形状の維持が可能であり、高精
度な食刻を要求される精密なブラスト加工においても直
接にマスキング材を被加工面に形成することもない。
【0007】更に、従来例えば合成樹脂製のマスキング
材をスクリーン印刷により被加工面に形成し、化学エッ
チングにより不要の金属層を除去していた工程におい
て、スクリーン印刷用として作成した金属製印刷原盤を
そのままマスキング材基板として利用できるので、複雑
なパターンを形成した高価な金属製のマスキング材基板
を新たに作成することなしに安価に本方法を採用する
とができる。
【0008】また、前記したマスキング材を反復使用す
る場合には、損耗した補強樹脂層を剥離除去して再生す
る必要が生ずるが、金属と合成樹脂という全く性質の異
なる材質の少なくとも2層により構成されることとした
ので、補強樹脂層を剥離するために加熱や溶解などの汎
用法で除去する場合でも、金属製のマスキング材基板は
それらの作用に耐えて当初の形状精度を損うことがない
ので、複数回の再生使用が可能となるのである。
【0009】なお、マスキング材基板として従来のMC
ナイロンを採用した場合には、ある程度の機械加工精度
を期待できるものの、本発明に用いる金属製マスキング
材基板には及ばないうえに熱膨張係数が大きくて精度の
維持が難しく、しかも、表面に形成した補強樹脂層の除
去方法が限定されてしまうという問題があり、また、マ
スキング材基板として従来のセラミックスやガラス板を
採用した場合には、穿孔が困難であると共に割れ易い等
の取り扱い上の制約も多く、しかも、高価である等の問
題があ
【0010】次に、本発明であるマスキング材の製造方
法と再生方法について説明する。本発明に用いるマスキ
ング材は繰り返し使用できるものであって、特に、この
ようなマスキング材が精密ブラストの分野で利用される
ことを鑑れば、精密に被加工面の食刻すべき部分に対応
する孔部が穿孔された高価なマスキング材基板は反復使
用できるように表面の補強樹脂層を再生して繰り返し利
用することが望ましく、そのため本発明では再生が容易
な構成とされている。すなわち、本発明の製造方法と再
生方法は、補強樹脂層を形成する合成樹脂としてPVA
等の水溶性樹脂を採用し、製造の段階では一旦前記水溶
性樹脂よりなる補強樹脂層の一面を防水目的とした非水
溶性カバー層により保護した上で、水溶性の補強樹脂層
の他面を覆うマスキング材基板側から孔部に供給される
加圧水流により水溶性の補強樹脂層の不要部分の除去を
行うことによって高精度に制御されたレーザーエッチン
グ装置などを使用することなしに、前記金属製のマスキ
ング材基板の孔部に応じた穿孔を金属マスキング材基板
に層着された補強樹脂層に簡便に形成することができる
のである。
【0011】そして、前記した工程を経たのち補強樹脂
層の他の片面を保護する非水溶性カバー層を取り去れ
ば、所定の孔部を有する金属製のマスキング材基板にそ
れと同じ穿孔を有する水溶性の補強樹脂層が形成された
本発明のマスキング材が容易に製造でき、また、反復使
用したのちにおいて再生したいときには、前記した工程
を行う前に、金属製のマスキング材基板表面にある損耗
した補強樹脂層を汎用の方法により除去する工程を加え
るだけで、本発明のマスキング材が容易に再生できるの
である。なお、非水溶性カバー層は特に限定されるもの
ではないが、ナイロンシート等の非水溶性樹脂シートや
金属板などが一般に使用される。
【0012】また、前記した製造方法や再生において補
強樹脂層を形成する合成樹脂として、PVA等の水溶性
でありながら露光によって硬化し且つ非水溶性にその性
質が変化する特殊感光製樹脂を採用し、これを前記の製
造方法と同様に水に溶解させて補強樹脂層に所定の孔部
を穿孔したのち露光させて非水溶性に変質させるように
してもよく、このようによれば、マスキング材基板であ
る金属板の孔部に応じた穿孔を補強樹脂層に簡便に形成
することができると共に、この補強樹脂層は非水溶性と
なるので、湿式のブラスト加工用としても採用できるマ
スキング材を提供できることとなる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の好ましい実施の形
態を詳しく説明する。 (本発明で用いるスキング材) 図1は本発明で用いるマスキング材の断面模式図であ
る。このマスキング材1は被加工面の食刻すべき部分に
対応する2mm角の孔部4が2mm間隔で多数配置されると
ともに、位置合わせ手段である直径4mmのピン孔5が所
定の間隔で形成された厚さ0.15mm、幅400 mm、長さ600
mmのステンレス鋼板よりなるマスキング材基板2の片面
に耐摩耗性に優れた補強樹脂層3を前記マスキング材基
板2と同じ孔部4とピン孔5が形成された状態で装着さ
れているものである。なお、ステンレス鋼板よりなるマ
スキング材基板2はこのために特別に作成されたもので
はなく、従来、マスキング材の被加工物表面へスクリー
ン印刷を施すための原盤として使用されているものを流
用したものである。また、前記補強樹脂層3としては、
アイセロ化学(株)より商品名APMフィルムとして販
売されている厚さ0.3mmのPVA基樹脂フィルムを採用
した。このPVA基樹脂フィルム樹脂はそのままでは水
溶性の性質を示すものの、紫外線を照射することにより
硬化し非水溶性に変質する性質を持ったもので、変質し
て補強樹脂層3となったのちはブラスト加工にも充分な
耐摩耗性を有するものである。
【0014】図2は前記したようなマスキング材を利用
してブラスト加工を行っている状態の説明図である。厚
さ5mm、幅400 mm、長さ600 mmのステンレス板に前記ピ
ン5に対応した位置決めピン8を立設して構成されてい
る位置決め治具7に被加工物6をセットする。この被加
工物6は厚さ2mm、幅400 mm、長さ600 mmの圧電材料で
あって、その表面には0.01mmの銅メッキ層が設けてあ
る。この銅メッキ層は圧電素子の電極を形成するもの
で、0.001mm の単位で精度良く所定の形状のスリットを
形成しなくてはならない。そして、加工に関しては、予
め別の汎用的手段により前記ピン8に応じたピン孔を穿
孔した被加工物6を、コンベア上に整列させた位置決め
治具7にそれぞれ被加工物6をそのメッキ層が上向きと
なるように装着する。この装着は位置決め治具7を採用
したので、そのピン孔に前記ピン8を貫通せしめれば容
易に被加工物6を位置決め治具7に対して所定の位置に
配置させることができるのである。次に、更にその上に
本発明に係るマスキング材1をその金属製のマスキング
材基板2が被加工物6を向く方向に積み重ねる。この場
合にもマスキング材基板2及び補強樹脂層3には位置決
め用のピン孔5が設けてあるので、前記ピン8をピン孔
5に貫通せしめれば容易にマスキング材1を前記位置決
め治具7に対して所定の位置に位置させることができ、
従って、マスキング材1の孔部4は確実に被加工物6の
食刻すべき所定の位置に配置させられるのである。
【0015】次に、図示しない汎用の締め付け方法によ
り位置決め治具7と被加工物6とマスキング材1とをブ
ラスト加工中それらが分離しない程度に結合し、コンベ
アを作動させて前記結合体をブラスト加工室へ搬送す
る。そして、ブラスト加工室では、上方の噴射ノズル9
より砥粒10を噴射して、マスキング材1の孔部4を通
して被加工物6のマスキング材1で覆われていない表面
を食刻し、銅メッキ層を除去して必要な銅電極パターン
を形成させることができる。なお、本実施例において
は、400 mm×600 mmの中に直径8mmの噴射ノズル9を9
本備え、粒度220 番のWA砥粒を投射材として0.2 MP
aの噴射圧力でブラスト加工を行ったところ、不要部分
の銅メッキ層を10分で完全に除去することができた。
また、マスキング材はブラスト加工により損耗するもの
の、繰り返し50回の使用迄は金属製のマスキング材基
板2にブラスト加工による損耗を与えることはなく、耐
摩耗性樹脂層3の再生を行うことなしにそのまま繰り返
し使用可能であった。
【0016】 (本発明であるマスキング材の製造方法と再生方法) 前記したマスキング材1を用いたブラスト加工を50回
繰り返したところ、マスキング材1の補強樹脂層3はブ
ラスト加工によって部分的に損耗を受けたのみで、金属
製のマスキング材基板2は何等損耗を受けておらず、損
耗を受けた補強樹脂層3のみを再生することにより高価
な金属製のマスキング材基板2は繰り返し利用可能とな
る。そこで、このマスキング材の再生方法を図3A〜E
に示した模式図を参考にしながら説明する。なお、図に
示した手順のうち図3Aに示す損耗した補強樹脂層の剥
離工程を行わない場合が本発明に係るマスキング材の製
造方法となるので、マスキング材の製造方法のみの説明
は省略する。
【0017】まず、第1段階として図3Aに示すよう
に、損耗した補強樹脂層3を剥離する。この補強樹脂層
3は前記したようにPVA基樹脂を採用してあるので、
水中に浸漬する方法によっても膨潤してブラッシング等
により剥離可能であるが、再生作業時間の短縮のため、
刷毛により損耗した補強樹脂層3の表面に過塩素酸溶液
12を塗布する方法を採用した。この方法によれば、数
秒の内に損耗した補強樹脂層3は軟化してヘラ等を利用
した汎用的な方法により容易に剥離可能となる。そし
て、第2段階として図3Bに示すように、穿孔を施して
いない新しい光を照射することにより水溶性から非水溶
性に変質する性質をもった特殊感光性樹脂シート3aを
マスキング材基板2に貼設する。この段階では前記特殊
感光性樹脂シート3aは水溶性を有しているので、金属
製のマスキング材基板2の表面を湿潤させてその上に前
記特殊感光性樹脂シート3aを重ね、余分な水分や空気
をローラー等により押圧して接合部から押し出せば、水
分により前記特殊感光性樹脂シート3aの表面が微小溶
解して糊状の組織となって、その接着力のみで必要な接
着強度を得ることができるが、材質によっては接着剤を
使用することもある。
【0018】次に、第3段階として図3Cに示すよう
に、前記特殊感光性樹脂シート3aの上に更に0.3 mmの
非水溶性ビニールシートを非水溶性カバー層13として
重ね、次工程の穿孔に際して過度に特殊感光性樹脂シー
ト3aの溶解が起こらないように防水する。非水溶性カ
バー層13は前記したように非水溶性ビニールシートと
して前記第2段階と同じ方法によって貼設したが、この
防水措置は臨時的なものであるので、金属板やガラス板
などの非透水性板部材を利用して防水措置を施すことも
可能である。
【0019】さらに、第4段階として図3Dに示すよう
に、マスキング材基板2の裏側から加圧水を吹きかけて
金属製のマスキング材基板2の孔部14に合わせて特殊
感光性樹脂シート3aに穿孔を施す。この段階において
は前記特殊感光性樹脂シート3aは水溶性を有するので
浸漬による穿孔も可能であるが、本発明のマスキング材
は微小なブラスト加工に適するものであって、数ミリか
ら数十ミクロンの穿孔には加圧水を採用するのがより好
適である。この場合水圧は0.2 MPa程度で充分であ
る。
【0020】続いて、第5段階として図3Eに示すよう
に、前記非水溶性カバー層13を除去したのち紫外線発
生手段16を作動させて特殊感光性樹脂シート3aの全
面に紫外線17を照射し、特殊感光性樹脂シート3aを
非水溶性に改質すると共に硬化させて耐摩耗性樹脂層3
とし、これでマスキング材の再生を完了する。特殊感光
性樹脂シート3aはそのままでもある程度の耐摩耗性を
有しているので、そのまま改質することなく使用しても
よいが、このような補強樹脂層3に特殊感光性樹脂シー
ト3aを改質させたものを採用する場合には、この改質
によって強度を向上させることができ、再生までの再使
用回数を増加させるためには改質を行うことがより好適
である。
【0021】
【発明の効果】以上の通り本発明によれば、加工の度に
マスキング材の形成と除去、廃棄といった無駄な作業を
行うことなしに、繰り返し使用可能なマスキング材を用
いた高精度なブラスト加工が可能となる。また、金属製
のマスキング材基板は、例えば、従来から使用されてい
るスクリーン印刷用原盤がそのまま流用可能であって新
たに作成する必要がなく、そのうえスクリーン印刷の場
合のように形成可能な補強樹脂層の厚さに制限を受ける
ことがない。更にこのような特徴を備えているに係わら
ず、その製造方法および再生方法は高い精度と強度を維
持したまま極めて簡単であって、新たに特殊な特別に高
価な加工装置をそのために備えることなしに行うことが
できる利点もある。しかも、補強樹脂層はブラスト加工
の都度除去する場合に比べて有効に利用できるから、廃
棄物となる樹脂量を厳守させること可能であると共に、
酸やアルカリなどの劇薬を使用した化学エッチングが採
用されていた分野においてのブラスト加工の採用を可能
とするので、環境保全の面においても寄与するところも
大きいものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いるマスキング材の断面模式図であ
る。
【図2】本発明に用いるマスキング材を用いたブラスト
加工を説明する断面模式図である。
【図3】A〜Eは本発明の再生方法および製造方法の説
明図でる。
【符号の説明】
1 マスキング材 2 金属製のマスキング材基板 3 補強樹脂層 3a 光を照射することにより水溶性から非水溶性に変質
する性質をもった特殊感光性樹脂シート 4 孔部 5 位置決め手段としてのピン孔 13 非水溶性カバー層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−318318(JP,A) 特開 昭54−96895(JP,A) 特開 平5−162076(JP,A) 特開 平9−193014(JP,A) 特開 平5−177543(JP,A) 特開 平3−86479(JP,A) 実開 昭62−11563(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B24C 1/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加速された砥材を衝突させて被加工面を
    食刻する際に被加工面の一部を被覆して部分的に食刻さ
    れない表面を形成するためのブラスト加工用マスキング
    の製造方法であって、被加工面の食刻すべき部分に対
    応する孔部を形成してある金属製のマスキング材基板上
    に水溶性の補強樹脂層を形成する工程と、この補強樹脂
    層を非水溶性カバー層で覆う工程と、加圧水の噴射によ
    り前記水溶性の補強樹脂層の不要の部分を溶解除去する
    工程と、前記非水溶性カバー層を除去する工程とを順次
    行うことを特徴とするブラスト加工用マスキング材の製
    造方法
  2. 【請求項2】 補強樹脂層が、光を照射することにより
    水溶性から非水溶性に変質する性質をもった特殊感光性
    樹脂シートであって、その不要部分を溶解除去したのち
    光を照射して非水溶性に変質させる請求項1に記載のブ
    ラスト加工用マスキング材の製造方法
  3. 【請求項3】 加速された砥材を衝突させて被加工面を
    食刻する際に被加工面の一部を被覆して部分的に食刻さ
    れない表面を形成するためのブラスト加工用マスキング
    材の再生方法であって、被加工面の食刻すべき部分に対
    応する孔部を形成してある金属製のマスキング材基板上
    に形成してある補強樹脂層を除去する工程と、補強樹脂
    層が除去されたマスキング材基板上に水溶性の補強樹脂
    層を形成する工程と、この補強樹脂層を非水溶性カバー
    層で覆う工程と、加圧水の噴射により前記水溶性の補強
    樹脂層の不要の部分を溶解除去する工程と、前記非水溶
    性カバー層を除去する工程とを順次行うことを特徴とす
    るブラスト加工用マスキング材の再生方法。
  4. 【請求項4】 補強樹脂層が、光を照射することにより
    水溶性から非水溶性に変質する性質をもった特殊感光性
    樹脂シートであって、その不要部分を溶解除去したのち
    光を照射して非水溶性に変質させる請求項4に記載のブ
    ラスト加工用マスキング材の再生方法。
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