JP2872308B2 - 電気車の制御装置 - Google Patents

電気車の制御装置

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JP2872308B2 JP33133589A JP33133589A JP2872308B2 JP 2872308 B2 JP2872308 B2 JP 2872308B2 JP 33133589 A JP33133589 A JP 33133589A JP 33133589 A JP33133589 A JP 33133589A JP 2872308 B2 JP2872308 B2 JP 2872308B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電気車の制御装置の改良に係り、特に、電
気車の加速制御装置に関する。
〔従来の技術〕
牽引する無動力車(貨車や客車)の数や重量が変わる
電気車においては、加速時のノツチ進段は運転士の力量
に委ねられていた。つまり、重い荷を積載した貨車を牽
引しているときにノツチ進段を早くしすぎると空転を引
き起こし、逆にゆつくりノツチ進段をすると加速が遅く
なり列車運行ダイヤを乱す原因となる。また、電気車を
単機または軽荷重で加速させる場合、早いノツチ進段を
すると電気車が急加速し、例えば、貨車連結時に非常に
危険である。このような問題は、特に電気機関車が日々
積載量の異なる貨車を牽引する場合に起こり得る。
ところで、電車においては、モータ車に対するトレー
ラ−車(無動力車)の割合が固定されている。この場
合、荷重は、乗客が全く存在しない場合の荷重から、満
員の場合の荷重との間で変動するが、この変動幅は、電
気機関車が牽引する荷重の変動幅(極端な例では、単機
から貨車100両連結)に比べ、非常に小さく、電車の台
車等に設けられた荷重(乗客重量)検出器により検出さ
れた荷重に応じて引張力を補正する応荷重装置により補
正され、前記変動幅内の荷重に対しほぼ一定加速度を得
ることができる。しかし、電車であっても、例えば、ト
レーラー車のみを増加する編成とすれば、前記変動幅を
大きく逸脱した荷重となり、所定の加速度を得ることが
できない。従つて、電車において、加速度一定制御のた
めにトルク制御をせずに、電気機関車と同様にノツチを
30段位設け、運転士が引張力制御を行えば、トレーラー
車のみ増加してもフレキシブルに対応することができ
る。しかしながら、この場合も前述のように、加速(カ
行)運転を全て運転士の力量に頼るため運転士の熟練を
要する。
列車の加速制御について、次の技術が知られている。
特公昭48−21442号公報(公知例1)及び特開昭55−1
23559号公報(公知例2)には、デイーゼル機関車の加
速制御の仕方が記載されている。
公知例1に記載された技術は、デイーゼル機関車をカ
行制御するとき、リミツトノツチ設定回路により、荷重
に対応した負荷抵抗と粘着限界の間に存在するノツチを
設定し、カ行指令によりそのノツチまでノツチを時限進
段及び速度進段するというものである。また、公知例2
には、上記公知例1に記載されたデイーゼル機関車の時
限進段装置において、加速度をフイードバックし、進段
時限を変更する技術が記載されている。
また、電気機関車のカ行制御技術を記載したものとし
て、特開昭55−127807号公報(公知例3)がある。これ
に記載された技術は、主幹制御器にノツチ自動進段位置
を設け、ハンドル角度に応じて直流電動機の主回路電流
指令値に相当する主回路電流パタンを比例的に変化させ
るものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記公知例1,2においては、前者はノツチ進段をタイ
マーによる時限にて行つているので、重荷重のとき加速
度が著しく遅くなり、ダイヤが過密となつてきている現
状では、列車運行管理上好ましくない。また、後者で
は、進段時限を加速度により変更するので、重荷重の場
合に空転を引き起こす可能性がある。
公知例3においては、定電流制御(抵抗進段のためス
テップ状であるがほぼ定電流制御)であり、荷重や速度
に対する配慮がなされていない。特に電気機関車が大き
な荷重を牽引する場合、電気機関車は最大出力を出しつ
つ、しかも空転しない限界のところで運転される。従つ
て、公知例3のように、起動時から定電流で走行させる
と、起動時に大出力がでて空転してしまい、また、速度
が高くなつたときにも粘着限界を越えて空転してしま
う。従つて、運転士が介在して空転を防止しなければな
らないという問題があつた。さらに、この技術も発生ト
ルクを主幹制御器の位置で自由に設定されるため、結局
は運転士の力量にカ行制御を頼らざるを得ない。
本発明の目的は、電気車のカ行制御において運転士の
負担を軽減する電気車の制御装置を提供することにあ
る。
また、他の目的は、電気車が牽引するどのような荷重
に対しても、ほぼ同一の加速度が得られ、しかも空転の
少ない自動加速装置を備えた電気車を提供することにあ
る。
また、他の目的は、電気車自身がこれから牽引しよう
とする荷重を自動的に検出する装置を提供することにあ
る。
また、他の目的は、空転を起こさずしかも適切な加速
を保障する引張力指令のパタン演算器を提供することに
ある。
〔課題を解決するための手段〕
予め記憶されていた異なる複数の電気車の速度−引張
力特性の中からひとつの速度−引張力特性を主幹制御器
のノツチにより選択する手段と、電気車の負荷条件を設
定する手段と、負荷条件に対応して零速度から定格速度
にわたる複数の速度−引張力特性を設定する手段と、前
記ノツチにより選択された速度−引張力特性の出力と前
記設定された負荷条件に対応する前記引張力設定手段か
らの速度−引張力特性の出力とを切換える手段と、この
切換え手段の出力に基づいて前記電気車を駆動する誘導
電動機を制御する手段とを備える。
〔作用〕
電気車の速度−引張力特性を設定する手段は、零速度
から定格速度にわたる速度−引張力特性を設定すること
ができ、複数の特性(複数の特性を選択する場合や、任
意に特性を設定する場合等)を設定することができるの
で、カ行運転時、運転士は自らハンドル操作する必要が
ない。また、運転士が手動で運転することを希望する場
合、切換手段を操作することにより、従来型の手動ノッ
チを扱うことができる。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図〜第11図を参照しな
がら説明する。
第1図はn個のインバータでn個の誘導電動機を制御
する電気機関車の制御ブロツク図を示している。以下、
制御の概要について説明する。
架線からパンタグラフを介して集電された直流フィル
タコンデンサ111〜11nを介して可変電圧可変周波数の交
流を出力するインバータ101〜10nに入力される。インバ
ータ101〜10nから出力される3相交流は、3相誘導電動
機81〜8nに与えられ駆動される。そして、誘導電動機81
〜8nの回転数は速度発電機21〜2nにより検出されフィー
ドバック制御される。また、誘導電動機電流IM1〜IMn
は、電流検出器121〜12nにより検出され、すべり周波数
を演算するためにすべり周波数演算部71〜7nヘフィード
バックされる。以下、電気機関車をノッチ扱いによる手
動で加速する場合と、ノッチ扱いをしない自動で加速す
る場合について説明する。
(1)電気機関車を手動で加速する場合 運転士は手動−自動切換スイツチ6を手動(M)側に
倒し、主幹制御器1を操作する。主幹制御器1はハンド
ル位置に応じたノツチ指令1aを出力し、その出力は、引
張力特性部41〜4nに入力される。引張力特性部41〜4nで
はノツチ指令に対応した速度−引張力特性を出力し、切
換スイツチ6を通してすべり周波数演算部71〜7nに与え
られる。すべり周波数演算部71〜7nでは、与えられた引
張力を出力するためのすべり周波数FSが演算され、速度
信号(ロータ周波数)FRに加算されインバータ周波数F
が出力される(後述)。インバータ周波数Fは変調率演
算部91〜9nに入力され、インバータ周波数Fに比例した
変調率VMが出力されV/F一定特性を得る。
インバータ周波数F及び変調率VMはインバータ101〜1
0nに与えられ、三相交流を出力し誘導電導機81〜8nを駆
動する。
第2図はノツチによつて選択される速度−引張力特性
部41〜4n内部に記憶させてある速度−引張力特性の一例
を示すものである。
主幹制御器1のハンドルのノツチ位置に対応した速度
−引張力特性が選択される(ここでは1Nから30N)。運
転士は運転台上の電流計や速度計を見ながら電気機関車
の速度上昇に応じ30あるノツチを選択,進段し、加速制
御するのである。
(2)電気機関車を自動加速する場合 運転士は第1図の手動−自動切換スイツチ6を自動
(A)側に倒し、今回の運転で出力させたい引張力(後
述)を負荷条件設定器13により設定し、主幹制御器1を
図示しない自動加速スタートモードに合わせるだけで電
気機関車は加速しはじめる。
さて、負荷条件設定器13(後述)から出力された負荷
条件信号131は運転情報装置3に入力され負荷条件が負
荷条件記憶部32に記憶される。次に運転士が主幹制御器
1を操作し自動加速スタートモードに合わせるとスター
ト信号1bが運転情報装置3に入力されスイツチ31が入り
運転情報装置3は記憶してある負荷条件に対応した自動
加速運転指令3aを出力する。この自動加速運転指令3aは
引張力パタン演算部51〜5nに入力される。
この引張力パタン演算部51〜5nでは負荷条件に適合し
た引張力指令を演算するように構成することが望まし
く、キメ細い制御を実現できる。ここでは、簡略化した
ものとして、予め複数の負荷条件をパラメータとして速
度に対する引張力指令をパタンとして記憶しておく場合
を説明する。
この速度−引張力特性パタンの一例を第3図(a)に
示す。ここでは一例としてA〜E5段階の速度−引張力パ
タンが示されている。パタンAは電気機関車単機,Bは軽
荷重を牽引する場合、Cは中荷重を牽引する場合、Dは
重荷重を牽引する場合を示している。また、Eは電気機
関車の最大出力パタンであり、重荷重の上り勾配起動に
用いられる。
さて、ここで上記パタンのうちBのパタンが選択され
たとする。このパタン演算部51〜5nには速度センサ21〜
2nからの速度信号FRが入力されている。
パタンBの速度信号FRに対応した引張力指令が自動
(A)側に倒された切換スイツチ6を介してすべり周波
数演算部71〜7nに与えられる。例えば、パタンAが選択
されたとして、速度信号FRlが入力されると、引張力指
令Tlを出力する。
ところで、第3図(a)の速度−引張力パタンを見る
と、速度の低い領域では急激に所望の引張力にならず徐
々に立上つている。これは、電気機関車が多くの貨車を
連結して走り出す時、連結部が充分に延びるまで、急減
な加速を避けるようにしたためである。
また、このパタンの点線部より左側がやや右下がりの
特性となつているのは、速度に対する期待粘着係数の低
下を考慮したものであり実情に合わせて決めれば良い。
特に電気機関車が重荷重の貨車を牽引する場合、車輪と
レールの粘着が限界の所で運転しているため、速度の上
昇に伴つて引張力を低下させないと空転してしまう。点
線部右側A′〜E′部は電動機特性領域と呼ばれる領域
で電気機関車の最大出力E′を考慮して配分してある。
つまり、E′が限界特性で、E′以下のバタンA′〜
D′は自由に決めることができ、図とは違つて全ての特
性の最高速度を一致させることもできる。例えば、C′
の最高速度にあわせるため、A′B′はゆるやかに、
D′E′は勾配を急にする。
ここでは、5段階のパタンしかないが、その段階数を
増加させても良い。負荷条件を細かく取る場合には、パ
タン演算部51〜5n内部で負荷条件に見合つた速度−引張
力パタンを作成し記憶させておけば良い。また、これら
のパタンは、実際に牽引する重量に車両の走行抵抗を考
慮したパタンとなつている。つまり、入力する負荷条件
に約5%以上乗せされたパタンとする。
第3図(b)は、実際に即した速度−引張力パタンで
ある。図中A〜Bは第3図と同様の負荷条件である。E
〜E′のパタンは、電気機関車の晴天時に砂撒きをして
得られる粘着限界を考慮した最大出力でこれ以上は期待
できない。第3図(a)と比較すると、A〜Cのパタン
が達つている。A〜Cについて、起動時を除いて、一定
引張力としたのは、加速度を一定とするためである。特
に、旅客列車の場合は乗心地を考えると加速度一定とす
ることが好ましい。
図中X−X′は、電気車が重荷重を牽引し、かつ雨天
時の粘着限界で、重荷重パタンDはX−X′よりやや低目
に設定されている。また、Eのパタンは前述の如く粘着
限界を考慮した電気車の最大出力である。晴天時で平坦
な路線では空転しないと思われるが、重荷重を牽引して
の上り勾配起動等では、徹砂してからカ行させる必要も
ある。E′は電動機特性領域で速度に反比例して減少し
たパタンとなつている。
第1図の引張力パタン演算部51〜5nの出力は、すべり
周波数演算部71〜7nに入力される。
ここで第4図を用いてすべり周波数演算部71〜7nにつ
いて説明する。
引張力特性部41〜4nまたは引張カパタン演算部51〜5n
から出力された引張力指令は、引張力−電動機電流パタ
ン演算部73に入力され、電流指令IMPとなつて出力され
る。この電流指令IMPと電流検出器CTの出力である電動
機電流IMとの偏差ΔIMがとられ、すべり周波数演算回路
72に入力される。この偏差ΔIMに応じた基本すべり周波
数FSPが出力され、速度信号FRと加算されたインバータ
周波数Fを得る(加速時)。前述のように、インバータ
周波数Fから、変調率VMが求められ、両者がインバータ
101〜10nに入力され、誘導電動機81〜8nを駆動する。
次に負荷条件設定器18について説明する。
まず、負荷条件について定義する。負荷条件とは、例
えば、電気機関車に50両,1,000tの貨車が連結されてい
るとすると、この貨車をある程度の加速度で牽引し得る
引張力のことをいう。言い換えると、電気機関車に期待
する引張力または電気機関車に出力させたい引張力をい
う。従つて、負荷よりも大きい条件で設定すれば、当然
のことながら加速度は増す。通常は、負荷の大きさその
もの(例えば、1000t)を設定するので、負荷条件を電
気機関車が牽引しなければならない負荷の大きさと考え
て差しつかえない。
第5図はボタンスイツチ式の負荷条件設定器13であ
る。スイツチは、単機13a,軽荷重13b,中荷重13c,重荷重
13d,勾配起動13eの5段階になつている。このボタンが
第3図A〜Eに対応している。この場合の勾配起動13e
は重荷重時の上り勾配起動であり、単機で上り勾配起動
する場合は、引張力を1段階高くして軽荷重13bを設定
すれば良い。
また、勾配起動ボタン単独では使えないようにしてお
き、荷重ボタン13a〜13dのいずれかとアンド条件となつ
たとき、その荷重における勾配起動となるように設定し
ておいても良い。第3図で説明するとBと勾配起動のア
ンド条件であればcの曲線が使われ、Dと勾配起動のア
ンド条件であればEの曲線が使われる。
運転士は運転開始時に手渡される運転時刻表により運
転スケジュール及び荷重を知ることができるので、その
情報により運転台上の荷重ボタン13を押下し設定する。
また、この荷重ボタン13は押ボタンを用いてもロータ
リースイツチを用いても同様のことが可能である。
上記2つの方法の場合、通常は抵抗等を用いて電位差
をかけて次段に送るのであるが、次段以降のプロツクの
ほとんどがデジタルで構成されているため符号化した方
が都合が良い。また、符号化した方が引き通し線の本数
も減る。例えば、3本の引通し線が前記押ボタンスイツ
チやロータリースイツチに接続されている場合、3本の
引き通し線をそれぞれa,b,cとして、次表のように符号
化する。
上記表の符号“1"は引き通し線が電源に接続されたこ
とを示している。3本の引き通し線を用いれば最大8つ
の負荷条件に対応することができる。
次に、キーボードやICカードを用いて設定する場合を
説明する。
運転士が乗務する直前に与えられた負荷条件をキーボ
ードにより設定したり、乗務の直前に渡され、予め負荷
条件が入力してあるICカードにより設定することも可能
である。
これらの場合、条件が前述の5段階に合致しないこと
が多い。
このような時は例えば、設定された負荷条件が単機
(第3図A曲線)の場合の何倍であるかを演算し、その
倍率に見合つたパタンを予め作成する方法や、設定され
た条件以上で一番近い負荷条件を選択する方法等が考え
られる。このフローチヤートを第6図,第7図に示し
た。まず第6図から説明する。
ステツプ1001にて、今回運転の負荷条件Wをキーボー
ドまたはICカードにて入力する(第1図の負荷条件設定
器13に相当)。次に、電気機関車が単機で運転する場合
の負荷条件A(電気機関車自体の重量)で、先に入力さ
れた負荷条件Wを除す(ステツプ1002)。これで今回の
運転では、単機運転の場合の何倍の負荷が掛かるのか分
かり、どの位の引張力を出せば予定の加速度で動くのか
が分かる。つまり、先の倍率に応じた値だけ(その倍率
自体であることもある)、第3図のA曲線を上方に平行
移動すれば良い(ステツプ1003)。この場合、引張力パ
タン演算部51〜5n内のパタンは、第3図のように複数持
つ必要がなく、最小の負荷条件のパタンAのみ格納して
おけば良い。また、このフローチヤートの装置は、引張
力パタン演算部51〜5n内に備えておけば良い。
次に第7図について説明する。ステツプ2001にてキー
ボードまたはICカードにより負荷条件Wを入力する。ス
テツプ2002にて入力した負荷条件Wと、勾配起動時の負
荷条件E(第3図のE曲線を選択する場合の負荷条件)
との大きさを比較し、負荷条件W≧負荷条件Eを満足し
た場合には、ステツプ2006にて、第3図のE曲線が選択
され、以下、同様の比較がステツプ2003〜ステツプ2005
にてなされ、条件を満足したときに選択する曲線が決ま
る。また、最後まで満足しないときは、単機の場合のパ
タンである第3図の曲線Aが選択される。これらも、第
1図の引張力パタン演算部51〜5n内に設けられる。
次に電気機関車自身が自動的に負荷条件を決定する実
施例について説明する。
今まで述べた負荷条件の設定は、電気機関車が牽引す
る負荷条件を外部から入力する方式であつたが、人手を
介さず行うと一層便利なものとなる。
以下、負荷条件の演算の一例を原理から説明する。
電気機関車の負荷条件(列車重量)W,加速度α,引張
力TEの間には次式の関係が成立つ。
TE=KWα+TR …(1) ここで、Kは定数、TRは走行抵抗である。
また、走行抵抗TRは、列車速度vの関数で、引張力TE
は主電動機電流IMと速度vの関数で表わすことができ
る。さらに、加速度αは速度vの時間微分である事から
(1)式は下記のように表される。
(2)式を変形して、負荷条件(列車重量)Wの式に
すると、 となる。この(3)式から理解できることは、列車速度
vと主電動機電流IMが分かれば、その時の負荷条件Wが
演算できるということである。
次に、この原理を用いた負荷条件算出手段について、
第8図を参照して説明する。
列車速度vを入力して、走行抵抗演算部301にて走行
抵抗TRが演算される。また、主電動機電流IMを入力し
て、引張力演算部302にて引張力TEが演算される。この
両者の差を減算器303でとり、除算器304に入力する。一
方、速度vは微分器305にて時間微分され、除算器304に
入力される。この出力を乗算器306で1/K倍した結果が、
負荷条件Wである。この負荷条件Wを第1図の運転情報
装置3を介して、引張力パタン演算部51〜5nに入力する
ことにより、前記したように、最適の速度−引張力パタ
ンが選ばれ、電気機関車はどのような負荷条件において
もほぼ一定の加速度で起動される。
次に、列車速度v,主電動機電流IMの測定の仕方につい
て説明する。上記の(3)式を見ると、加速度が分母に
きているので、必ず加速状態にあるときに測定しなけれ
ばならない。測定方法として第1の方法は、まず、超低
速で車両間の連結部を延ばした後、単機運転の場合の引
張力で引張る。このとき、速度測定器(タコジエネレー
タ,パルスジエネレータ,エンコーダ等の周知の装置)
の出力が上昇しなければ、次の軽荷重時の引張力を出力
させる。速度が上昇してゆけば速度が生じているので、
その時の列車速度vと主電動機電流IM(複数電動機の場
合、電動機1個に換算した値、または、全電流値但し、
この時は、第8図の引張力演算302にて電動機1個分に
換算する)を測定する。しかし、この方法では測定時間
がかかつてしまう。そこで、第2の方法は、連結部を延
ばした後、その電気機関車が頻繁に牽引する負荷条件の
半分の負荷条件を引張る引張力を出力させる。例えば、
頻繋に1000tの貨車を引張るのであれば、500tの貨車を
所定の加速度(測定走行でなく、通常走行時にはどの様
な負荷条件下でも、ほぼ一定の加速度でカ行することが
望まれるが、その時の加速度を指す)で牽引する場合に
必要な引張力で測定走行する。多くの場合電気機関車は
空転を起さず、通常力行時より小さい加速度でカ行す
る。この時の速度v及び主電動機電流IMを測定すれば、
負荷条件Wが演算される。ここで、牽引する貨車の重量
(負荷条件)が相当小さい場合、例えば上記例では500t
未満の場合、電気機関車の引張力が大きくなりすぎてし
まう。この時は、加速度検知器が動作して速度を絞る。
そして次の測定走行は、さらに小さい引張力でカ行し
て、列車速度v,主電動機電流IMを測定する。
上記のように、列車速度v,主電動機電流IMが求まり第
8図の構成で負荷条件Wが演算される。このとき、さら
に負荷条件Wを精度良く求めるには、走行抵抗演算部30
1の精度を高める必要がある。
例えば、この列車が走行を予定している路線情報(曲
線抵抗や勾配抵抗等)と、現在どの位置を走行している
か検知する列車位置検知装置により現在どのような状態
の路線上を走行中か認識させ、曲線や勾配による走行抵
抗を加えた値を走行抵抗TRとすることにより精度良く負
荷条件Wを求めることができる。
上記のような自動負荷検出装置を第1図の負荷条件設
定器13に搭載すれば、運転士はスタートモードにセツト
するだけで、電気機関車は自動的にカ行する。
また、前述の負荷条件設定スイツチと組合せることに
より、運転士による誤入力を是正することができる。
次に第9図及び第10図を用いて実際にカ行させる操作
を示す。
運転士が手動加速を希望する場合は、主幹制御器ハン
ドル400(第10図参照)をオフの位置からカ行P側に傾
ける。運転士は、引張力計404を見ながら、急加速,空
転のないように30ノツチある主幹制御器ハンドル400を
小きざみに進段してゆく。
ここで、引張力計404について簡単に説明する。従来
直流電動機を用いた電気機関車においては、引張力は主
電動機電流の関数となつていたため、運転士は主電動機
電流計を見ることにより電気機関車を運転することがで
きた。ところが、インバータにより駆動される誘導電動
機を主電動機に用いた電気機関車では、引張力は必ずし
も主電動機電流の関数とはなつていないので、主電動機
電流をみるだけでは運転は困離である。そこで、引張力
を直読できる引張力計が必要となつてくる。
第11図に引張力計404の外観を示す。図は6個誘導電
動機を搭載した電気機関車の場合の引張力計404で、上
段が引張力を示し、下段が回生プレーキの場合のブレー
キ力を示している。引張力(ブレーキ力)のレベルは棒
グラフで示され、発光ダイオードや液晶デイスプレイ等
のインジケータにより構成される。引張力は、すべり周
波数演算部71〜7n内のすべり周波数FSから簡単に求めら
れる。
次に運転士が自動加速を希望する場合を説明する。運
転士は、負荷条件設定スイツチ402を現在の負荷条件に
相当するモードに合わせ、主幹制御器ハンドル400を自
動の位置にもつてゆくことにより列車は自動加速する。
そして、希望の速度になつたら主幹制御器ハンドル400
をオフ位置に合わせることにより、惰行運転となる。
負荷条件の設定として、キーボード406により入力す
る方法、ICカード挿入口405にICカードを挿入すること
により入力する方法がある。これら入力方法が運転台に
備えられている場合は、入力方法の優先順位をつけてお
き、他をキヤンセルする手段を設ける必要がある。
また、先の実施例では主幹制御器ハンドル400を単に
自動側に倒したとき自動加速度が開始されるとしていた
が、オフ位置から自動位置にしたとき(機関車の停止状
態を含む惰行状態から自動位置に投入したとき)のみ自
動加速運転を開始する方法等があり、運転の扱い方と併
せて方式は種々設定することができる。
さらに、手動と自動の切換えは、例えば、手動−自動
切換スイツチ403を設けることにより行うことができ
る。この時、自動加速開始指令は主幹制御器ハンドル40
0をP側に倒す(どのノツチでも良い)だけであり、自
動位置を設ける必要がない。
尚、第9図の401はプレーキ弁ハンドルであり、この
ハンドルを調整することにより電気機関車は減速する。
また、第9図では、カ行ハンドルとブレーキハンドルを
分けたが、第10図のように主幹制御器ハンドル400にブ
レーキ部Bを設けても良い。
以上、電気機関車1両で貨車を牽引したり単機で走行
したりする場合を示したが、特に急な勾配を多くの貨車
を牽引する場合は引張力が足らない。このようなとき、
電気機関車を2両またはそれ以上連結して貨車を牽引す
ることが行われている。
この場合、制御系の指令線は引通し線を用いれば良
い。さて、電気機関車を重連にすると、単独のときより
ほぼ倍の引張力が得られる。従つて、同じ負荷条件で電
気機関車を重連にすると、加速度が予定の加速度以上と
なつてしまう。そこで、重連の場合は、引張力をほぼ半
分位に低下させるモードを設けることにより予定の加速
度を得る。
例えば、第3図,第5図を参照して、貨車の総重量か
ら今回運転は中荷重であると判断した場合、運転士は中
荷重選択スイツチ13Cを押下(ロータリースイツチの場
合はその目盛に合わせる)する。重連運転であれば、図
示しない重連スイツチを押下し設定は完了する。この時
の速度−引張力パタンは、A曲線付近のパタンとなる。
3重連の場合は、ほぼ3分の1で済むので同様の構成に
より実現される。
尚、以上の実施例ではインバータを用いた誘導電動機
制御について述べたが、チヨツパ装置を用いた直流電動
機制御でも同様に実現できることは言うまでもない。
また、上記実施例では、電気機関車について説明した
が、電車についてトレーラー車を増加させる場合にも簡
単に転用することができる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、電気車の起動前に運転士が負荷条件
を初期設定するだけで、カ行運転をすることができる。
さらに、運転士が手動運転を希望する際は、スイツチひ
とつで手動モードに切換わる。
従つて、従来非常に困離とされていたカ行運転が簡単
になるため、運転士の負担を軽減することができる。ま
た、操作場や駅構内での運転も手動により自在に行え
る。
また、いちいち負荷条件を設定しなくとも、自動加速
側にセツトするだけで、電気車が自ら負荷条件を設定す
るので、より扱いが簡単となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例を示す制御プロツク図、第
2図は、ノツチにより選択される速度−引張力特性図、
第3図は、本発明による速度−引張力パタンを示す図、
第4図は、すべり周波数演算部を示す図、第5図は、本
発明の一実施例である負荷条件設定器を示す図、第6図
は、本発明による速度−引張力パタンの作成方法を示す
フローチャート、第7図は、本発明による負荷条件を選
択のフローチャート、第8図は、本発明の一実施例であ
る自動荷重検出のブロツク図、第9図は、本発明を備え
た電気車の運転台を示す図、第10図は、本発明による主
幹制御器を示す図、第11図は、本発明による引張力−ブ
レーキ力インジケータを示す図である。 1…主幹制御器、13…負荷条件設定器、41〜4n…速度−
引張力特性格納部、51〜5n…速度−引張力パタン演算
部、71〜7n…すべり周波数演算部、101〜10n…インバー
タ、81〜8n…誘導電動機。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮下 友治 茨城県勝田市市毛1070番地 株式会社日 立製作所水戸工場内 (72)発明者 山口 博史 茨城県勝田市市毛1070番地 株式会社日 立製作所水戸工場内 (56)参考文献 特開 昭62−44002(JP,A) 特開 昭60−169912(JP,A) 特開 昭62−81904(JP,A) 実開 昭62−88402(JP,U) 特公 昭54−42126(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60L 9/00 - 9/32 B60L 15/00 - 15/28

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】予め記憶されてた異なる複数の電気車の速
    度−引張力特性の中からひとつの速度−引張力特性を主
    幹制御器のノツチにより選択する手段と、電気車の負荷
    条件を設定する手段と、負荷条件に対応して零速度から
    定格速度にわたる複数の速度−引張力特性を設定する手
    段と、前記ノツチにより選択された速度−引張力特性の
    出力と前記設定された負荷条件に対応する前記引張力設
    定手段からの速度−引張力特性の出力とを切換える手段
    と、この切換え手段の出力に基づいて前記電気車を駆動
    する誘導電動機を制御する手段とを備えた電気車の制御
    装置。
  2. 【請求項2】主幹制御器を操作してノツチを手動で進段
    することにより加速する手段を備えた電気車において、
    電気車の負荷条件を設定する手段と、負荷条件に対応し
    て零速度から定格速度にわたる複数の速度−引張力特性
    を設定する手段と、前記電気車の速度を検出する手段
    と、その検出された速度情報に基づいて前記設定された
    負荷条件に対応する前記引張力設定手段からの速度−引
    張力特性の出力に基づいて前記電気車を自動で加速させ
    る手段と、前記手動加速と前記自動加速のいずれかを選
    択する切換え手段を備えた電気車の制御装置。
  3. 【請求項3】負荷条件に対応して零速度から定格速度に
    わたる複数の速度−引張力特性を設定する手段と、走行
    中の電気車の速度及び主電動機電流を検出する手段と、
    これら検出値を入力してこの電気車が引つ張る負荷条件
    を演算する手段と、この演算結果を入力として前記設定
    手段から前記電気車の速度又は速度相当値に対する引張
    力指令を発生する手段と、この引張力指令に基づいて前
    記電気車を駆動する制御手段を備えた電気車の制御装
    置。
  4. 【請求項4】可変電圧可変周波数のインバータにより誘
    導電動機を制御して電気車を駆動する電気車において、
    異なる複数の電気車の速度−引張力特性の中からひとつ
    の速度−引張力特性を主幹制御器のノツチにより選択す
    る手段と、この電気車に出力させる負荷条件を設定する
    手段と、予め負荷条件に対応して零速度から定格速度に
    わたる複数の速度−引張力特性のパタンを設定する手段
    と、前記ノツチによる選択手段の出力または前記設定さ
    れた負荷条件に対応する前記引張力設定手段からの速度
    −引張力特性パタンの出力いずれかを選択する切換え手
    段と、この切換え手段の出力に基づいて前記誘導電動機
    のすべり周波数を演算する手段と、このすべり周波数と
    この誘導電動機の回転数を加減算することにより得られ
    るインバータ周波数指令とこのインバータ周波数指令に
    比例したインバータ出力電圧指令とを前記インバータに
    入力して動作させる制御手段を備えた電気車の制御装
    置。
  5. 【請求項5】可変電圧可変周波数のインバータにより電
    気車を駆動する誘導電動機と、異なる複数の電気車の速
    度−引張力特性の中からひとつの速度−引張力特性を主
    幹制御器のノツチより手動で選択する手段と、前記ノツ
    チによる選択手段の出力に基づいて前記誘導電動機のす
    べり周波数を演算しこれに基づいて前記インバータを制
    御する制御手段を備えた電気車において、 前記誘導電動機が出力しているトルク又はトルク相当値
    を表示する手段を電気車の運転台に備えたことを特徴と
    する電気車。
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