JP2871449B2 - 極低温膨張機 - Google Patents
極低温膨張機Info
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- JP2871449B2 JP2871449B2 JP6060594A JP6060594A JP2871449B2 JP 2871449 B2 JP2871449 B2 JP 2871449B2 JP 6060594 A JP6060594 A JP 6060594A JP 6060594 A JP6060594 A JP 6060594A JP 2871449 B2 JP2871449 B2 JP 2871449B2
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- piston
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は極低温膨張機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、極低温膨張機は、特開平2−17
0751号公報に示されているように知られている。こ
の膨張機は、一側にヒートステーションを備えたシリン
ダ内に、スラックピストンと蓄冷材を内装したディスプ
レーサとを往復動自由に内装し、前記シリンダに導入さ
れる高圧の例えばヘリウムガスを、前記スラックピスト
ン及びディスプレーサを介して前記シリンダのヒートス
テーション側端部に設ける膨張空間で膨張させ、この膨
張により低圧となった低圧ガスを前記スラックピストン
及びディスプレーサの移動で排出するようにし、前記高
圧ガスの導入と低圧ガスの排出との繰り返しにより、前
記ディスプレーサの蓄冷材温度を低下させ、前記ヒート
ステーションで極低温が得られるようにしたものであ
る。
0751号公報に示されているように知られている。こ
の膨張機は、一側にヒートステーションを備えたシリン
ダ内に、スラックピストンと蓄冷材を内装したディスプ
レーサとを往復動自由に内装し、前記シリンダに導入さ
れる高圧の例えばヘリウムガスを、前記スラックピスト
ン及びディスプレーサを介して前記シリンダのヒートス
テーション側端部に設ける膨張空間で膨張させ、この膨
張により低圧となった低圧ガスを前記スラックピストン
及びディスプレーサの移動で排出するようにし、前記高
圧ガスの導入と低圧ガスの排出との繰り返しにより、前
記ディスプレーサの蓄冷材温度を低下させ、前記ヒート
ステーションで極低温が得られるようにしたものであ
る。
【0003】そして、以上のように構成する極低温膨張
機は、図4に示したように、前記スラックピストンSP
の外周部及びディスプレーサDの外周部にピストンリン
グ溝A,Bを設けて、これらピストンリング溝A,B
に、フロン系樹脂(PTFE)から成るピストンリング
R1,R2と、これらピストンリングR1,R2をバッ
クアップするOリングO1,O2とを介装し、前記ピス
トンリングR1,R2をシリンダCの内周面に摺接させ
て、これらピストンシリンダR1,R2により前記シリ
ンダC内に、中間圧室Eと区画されるスラックピストン
側空室Fと、膨張空間Gとを気密状に形成し、前記中間
圧室Eとスラックピストン側空室Fとに差圧を発生させ
て、前記スラックピストンSP及びこのピストンに連動
するディスプレーサDを往復動させるようにしている。
機は、図4に示したように、前記スラックピストンSP
の外周部及びディスプレーサDの外周部にピストンリン
グ溝A,Bを設けて、これらピストンリング溝A,B
に、フロン系樹脂(PTFE)から成るピストンリング
R1,R2と、これらピストンリングR1,R2をバッ
クアップするOリングO1,O2とを介装し、前記ピス
トンリングR1,R2をシリンダCの内周面に摺接させ
て、これらピストンシリンダR1,R2により前記シリ
ンダC内に、中間圧室Eと区画されるスラックピストン
側空室Fと、膨張空間Gとを気密状に形成し、前記中間
圧室Eとスラックピストン側空室Fとに差圧を発生させ
て、前記スラックピストンSP及びこのピストンに連動
するディスプレーサDを往復動させるようにしている。
【0004】尚、図4に示した極低温膨張機は、シリン
ダCに設けるヒートステーションHSを単段としたもの
であるが、2段又はそれ以上として前記ディスプレーサ
Dに第2ディスプレーサを連動的に連結し、より極低温
を得るようにしたものも提供されており、この多段極低
温膨張機においては、前記第2ディスプレーサにおける
第1ディスプレーサ近くの外周にピストンリング溝を設
け、このピストンリング溝に、ピストンリング及びこの
ピストンリングをバックアップするコイルスプリングか
ら成るバックアップリングを介装させ、高温側となる第
1膨張空間と低温側となる第2膨張空間とを気密状にシ
ールさせている。
ダCに設けるヒートステーションHSを単段としたもの
であるが、2段又はそれ以上として前記ディスプレーサ
Dに第2ディスプレーサを連動的に連結し、より極低温
を得るようにしたものも提供されており、この多段極低
温膨張機においては、前記第2ディスプレーサにおける
第1ディスプレーサ近くの外周にピストンリング溝を設
け、このピストンリング溝に、ピストンリング及びこの
ピストンリングをバックアップするコイルスプリングか
ら成るバックアップリングを介装させ、高温側となる第
1膨張空間と低温側となる第2膨張空間とを気密状にシ
ールさせている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】所で、前記スラックピ
ストンSP及びディスプレーサDに設ける前記ピストン
リングR1,R2は、前記各空室を気密状にシールする
以外、前記スラックピストンSP及びディスプレーサD
の往復動を案内する働きを有するのであるが、前記ディ
スプレーサDに設ける前記ピストンリングR2は、該デ
ィスプレーサDのスラックピストン側に設けているた
め、前記シリンダCを横方向に用いる場合や、大形に形
成される場合、特に大形のシリンダCを横向きに用いら
れる場合前記ディスプレーサDがその自重により傾き、
ヒートステーション側端部がシリンダCの内周面に接触
して発熱したり、摺動抵抗増大による挙動不良を起こ
し、能力損失が大きくなったり、局部摩耗が生じて寿命
が低下したりする不具合があった。
ストンSP及びディスプレーサDに設ける前記ピストン
リングR1,R2は、前記各空室を気密状にシールする
以外、前記スラックピストンSP及びディスプレーサD
の往復動を案内する働きを有するのであるが、前記ディ
スプレーサDに設ける前記ピストンリングR2は、該デ
ィスプレーサDのスラックピストン側に設けているた
め、前記シリンダCを横方向に用いる場合や、大形に形
成される場合、特に大形のシリンダCを横向きに用いら
れる場合前記ディスプレーサDがその自重により傾き、
ヒートステーション側端部がシリンダCの内周面に接触
して発熱したり、摺動抵抗増大による挙動不良を起こ
し、能力損失が大きくなったり、局部摩耗が生じて寿命
が低下したりする不具合があった。
【0006】即ち、前記ディスプレーサDには蓄冷材が
内装されていて、それ自体重量をもっており、また、最
近では蓄冷効果を増すため80K以下で銅より比熱が大
きくなる鉛の蓄冷材を用いることがあり、また、前記デ
ィスプレーサDの途中に仕切板を設けて、その高温側
(80K以上)に銅製蓄冷材を、低温側に鉛製蓄冷材を
充填するようにしたものも提案されており、このため前
記ディスプレーサDの自重も、銅製蓄冷材のみを用いる
場合に比較して重くなるから、自重による傾きが顕著に
現れ、特に比重大な鉛を低温側に充填する場合には、デ
ィスプレーサDのスラックピストン側とヒートステーシ
ョン側との重量バランスが崩れ、自重による傾きを更に
助長することになっている。
内装されていて、それ自体重量をもっており、また、最
近では蓄冷効果を増すため80K以下で銅より比熱が大
きくなる鉛の蓄冷材を用いることがあり、また、前記デ
ィスプレーサDの途中に仕切板を設けて、その高温側
(80K以上)に銅製蓄冷材を、低温側に鉛製蓄冷材を
充填するようにしたものも提案されており、このため前
記ディスプレーサDの自重も、銅製蓄冷材のみを用いる
場合に比較して重くなるから、自重による傾きが顕著に
現れ、特に比重大な鉛を低温側に充填する場合には、デ
ィスプレーサDのスラックピストン側とヒートステーシ
ョン側との重量バランスが崩れ、自重による傾きを更に
助長することになっている。
【0007】本発明の目的は、設置方向を横向きにした
り大形になった場合や、蓄冷材に比重大な材料を用いた
場合でも、ディスプレーサの自重による傾きを少なくし
て、シリンダ内周面との接触を防止し、接触による発熱
や挙動不良による能力低下をなくし、能力を向上できな
がら、局部摩耗をなくして寿命も向上させることのでき
るようにする点にある。
り大形になった場合や、蓄冷材に比重大な材料を用いた
場合でも、ディスプレーサの自重による傾きを少なくし
て、シリンダ内周面との接触を防止し、接触による発熱
や挙動不良による能力低下をなくし、能力を向上できな
がら、局部摩耗をなくして寿命も向上させることのでき
るようにする点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
以上の目的を達成するため、高圧ガスの導入と低圧ガス
の排出とが繰り返され、一側にヒートステーシヨン11
をもつシリンダ1と、このシリンダ1に往復動自由に内
装するスラックピストン2及び蓄冷材を内装したディス
プレーサ3とを備え、前記スラックピストン2の外周部
及びディスプレーサ3のスラックピストン側外周部に設
けるピストンリング溝2a,3aにピストンリング1
3,14を介装して、前記シリンダ1内に、スラックピ
ストン側空室16と膨張空間17とを気密状に形成した
極低温膨張機において、前記ディスプレーサ3における
ヒートステーション側外周部に、摩擦係数の小さい耐摩
耗性素材から成るガイド部を設けたのである。
以上の目的を達成するため、高圧ガスの導入と低圧ガス
の排出とが繰り返され、一側にヒートステーシヨン11
をもつシリンダ1と、このシリンダ1に往復動自由に内
装するスラックピストン2及び蓄冷材を内装したディス
プレーサ3とを備え、前記スラックピストン2の外周部
及びディスプレーサ3のスラックピストン側外周部に設
けるピストンリング溝2a,3aにピストンリング1
3,14を介装して、前記シリンダ1内に、スラックピ
ストン側空室16と膨張空間17とを気密状に形成した
極低温膨張機において、前記ディスプレーサ3における
ヒートステーション側外周部に、摩擦係数の小さい耐摩
耗性素材から成るガイド部を設けたのである。
【0009】また、請求項2記載の発明は、ディプレー
サ3の長さ方向中間部に仕切材31を設けて、高温側に
銅材から成る蓄冷材32を、また、低温側に鉛材から成
る蓄冷材33を内装し、この低温側外周部に、摩擦係数
の小さい耐摩耗素材から成るガイド部を設けたのであ
る。
サ3の長さ方向中間部に仕切材31を設けて、高温側に
銅材から成る蓄冷材32を、また、低温側に鉛材から成
る蓄冷材33を内装し、この低温側外周部に、摩擦係数
の小さい耐摩耗素材から成るガイド部を設けたのであ
る。
【0010】また、請求項3記載の発明は、シリンダ1
の内周面に対向するガイド部の外周面と前記シリンダ1
の内周面との間に、ディスプレーサ3の正常な往復動時
には非接触で、前記ディスプレーサ3の傾動時接触する
隙間43を設けたのである。
の内周面に対向するガイド部の外周面と前記シリンダ1
の内周面との間に、ディスプレーサ3の正常な往復動時
には非接触で、前記ディスプレーサ3の傾動時接触する
隙間43を設けたのである。
【0011】更に請求項4記載の発明は、前記ガイド部
をガイドリング41により形成して、このガイドリング
41を、前記ディスプレーサ3のヒートステーション側
外周部に設けるガイドリング溝39に介装したのであ
り、また、請求項5記載の発明は、前記ガイド部を摩耗
係数の小さい耐摩耗素材から成る被膜層により形成した
のである。
をガイドリング41により形成して、このガイドリング
41を、前記ディスプレーサ3のヒートステーション側
外周部に設けるガイドリング溝39に介装したのであ
り、また、請求項5記載の発明は、前記ガイド部を摩耗
係数の小さい耐摩耗素材から成る被膜層により形成した
のである。
【0012】また、請求項6記載の発明は、前記ガイド
部を設けると共に、更に前記ディスプレーサ3における
ピストンリング14のスラックピストン側に、該スラッ
クピストン側の重量とヒートステーション側の重量との
重量バランスを調整するバランサ49を設けたのであ
る。
部を設けると共に、更に前記ディスプレーサ3における
ピストンリング14のスラックピストン側に、該スラッ
クピストン側の重量とヒートステーション側の重量との
重量バランスを調整するバランサ49を設けたのであ
る。
【0013】また、請求項7記載の発明はシリンダ1に
複数のヒートステーション11,12を設けて、前記シ
リンダ1に第1ヒートステーション11に対応する第1
ディスプレーサ3と第2ヒートステーション12に対応
する第2ディスプレーサ8とを往復動自由に内装して、
前記第1ディスプレーサ3と第2ディスプレーサ8とを
ユニバーサルジョイント7を介して連結すると共に、前
記第1ディスプレーサ3の第1ヒートステーション側外
周部と、前記第2ディスプレーサ8の第2ヒートステー
ション側外周部とに、ガイド部を設けたのである。
複数のヒートステーション11,12を設けて、前記シ
リンダ1に第1ヒートステーション11に対応する第1
ディスプレーサ3と第2ヒートステーション12に対応
する第2ディスプレーサ8とを往復動自由に内装して、
前記第1ディスプレーサ3と第2ディスプレーサ8とを
ユニバーサルジョイント7を介して連結すると共に、前
記第1ディスプレーサ3の第1ヒートステーション側外
周部と、前記第2ディスプレーサ8の第2ヒートステー
ション側外周部とに、ガイド部を設けたのである。
【0014】
【作用】請求項1記載の発明では、前記ガイド部を設け
たから、前記ディスプレーサ3が自重により傾くのを少
なくできるし、傾いてそのヒートステーション側端部が
前記シリンダ1の内周面と接触するのを防止できるので
ある。
たから、前記ディスプレーサ3が自重により傾くのを少
なくできるし、傾いてそのヒートステーション側端部が
前記シリンダ1の内周面と接触するのを防止できるので
ある。
【0015】従って、ディスプレーサ3のシリンダ内周
面への接触による発熱を防げるし、また、シリンダ内周
面に接触するのは前記ガイド部であるから、摺動抵抗の
増大を抑制でき、ディスプレーサ3の挙動不良を解消で
き、挙動不良による能力低下を防止できるのであり、更
にピストンリング13,14のシリンダ内周面との接触
を、その全幅にわたりほゞ均一にできるから、局部摩耗
もなくせ、特に前記ピストンリング13,14の寿命も
向上できるのである。
面への接触による発熱を防げるし、また、シリンダ内周
面に接触するのは前記ガイド部であるから、摺動抵抗の
増大を抑制でき、ディスプレーサ3の挙動不良を解消で
き、挙動不良による能力低下を防止できるのであり、更
にピストンリング13,14のシリンダ内周面との接触
を、その全幅にわたりほゞ均一にできるから、局部摩耗
もなくせ、特に前記ピストンリング13,14の寿命も
向上できるのである。
【0016】また、請求項2記載の発明では、前記ディ
スプレーサ3に仕切材31を設けて高温側に銅材から成
る蓄冷材32を、低温側に鉛材から成る蓄冷材33を内
周したから、ヒートステーション11をより低温(例え
ば50K)に冷却させられるのであり、その上、この低
温側外周部に前記ガイド部を設けたから、高温側、即
ち、スラッグピストン側と低温側、即ち、ヒートステー
ション側とで重量アンバランスがあっても、前記ディス
プレーサ3の傾きを少なくでき、従って、前記したよう
に能力を向上できながら、請求項1記載の発明と同様、
傾きによる発熱や挙動不良による能力低下を防止でき、
所望の能力にできるのであり、それでいて寿命も向上で
きるのである。
スプレーサ3に仕切材31を設けて高温側に銅材から成
る蓄冷材32を、低温側に鉛材から成る蓄冷材33を内
周したから、ヒートステーション11をより低温(例え
ば50K)に冷却させられるのであり、その上、この低
温側外周部に前記ガイド部を設けたから、高温側、即
ち、スラッグピストン側と低温側、即ち、ヒートステー
ション側とで重量アンバランスがあっても、前記ディス
プレーサ3の傾きを少なくでき、従って、前記したよう
に能力を向上できながら、請求項1記載の発明と同様、
傾きによる発熱や挙動不良による能力低下を防止でき、
所望の能力にできるのであり、それでいて寿命も向上で
きるのである。
【0017】また、請求項3記載の発明では、前記ガイ
ド部の外周面とシリンダ1の内周面との間に前記隙間4
3を設けたから、前記ディスプレーサ3が傾動すること
なく、センター上を正常に往復動するときには前記ガイ
ド部がシリンダ1の内周面に接触させずに往復動させら
れ、従って、前記ガイド部の接触による摺動抵抗の増大
をなくせるし、それでいて前記ディスプレーサ3が傾い
ても、その傾きを少なくできるのであり、また、傾動時
には前記ガイド部が接触するのであるから、接触による
発熱を減らせるし、また、摺動抵抗増大も抑えられるの
である。
ド部の外周面とシリンダ1の内周面との間に前記隙間4
3を設けたから、前記ディスプレーサ3が傾動すること
なく、センター上を正常に往復動するときには前記ガイ
ド部がシリンダ1の内周面に接触させずに往復動させら
れ、従って、前記ガイド部の接触による摺動抵抗の増大
をなくせるし、それでいて前記ディスプレーサ3が傾い
ても、その傾きを少なくできるのであり、また、傾動時
には前記ガイド部が接触するのであるから、接触による
発熱を減らせるし、また、摺動抵抗増大も抑えられるの
である。
【0018】また、請求項4記載の発明では、前記ガイ
ド部をガイドリング41により形成して、前記ガイドリ
ング溝39に介装したから、シリンダ1の内周面との隙
間管理が簡単かつ、有効にでき、前記ガイド部を形成す
る部品コストや、追加の加工コストも安くできるのであ
る。
ド部をガイドリング41により形成して、前記ガイドリ
ング溝39に介装したから、シリンダ1の内周面との隙
間管理が簡単かつ、有効にでき、前記ガイド部を形成す
る部品コストや、追加の加工コストも安くできるのであ
る。
【0019】また、請求項5記載の発明では、前記ガイ
ド部を前記被膜層47により形成したから、前記ガイド
部を任意な幅で、しかも、前記ディスプレーサ3におけ
るガス噴射孔の開孔位置に関係なく前記ディスプレーサ
3のヒートステーション側端部に設けられ、従って、デ
ィスプレーサ3の傾きを摺動抵抗の増加を少なくより有
効に減少させ得るのである。
ド部を前記被膜層47により形成したから、前記ガイド
部を任意な幅で、しかも、前記ディスプレーサ3におけ
るガス噴射孔の開孔位置に関係なく前記ディスプレーサ
3のヒートステーション側端部に設けられ、従って、デ
ィスプレーサ3の傾きを摺動抵抗の増加を少なくより有
効に減少させ得るのである。
【0020】また、請求項6記載の発明は、前記ディス
プレーサ3のスラックピストン側に前記バランサ49を
設けたから、前記ディスプレーサ3の横向き設置時にお
ける長さ方向の重心位置をピストンリング14による支
持位置側に移行させられ、従って、重量アンバランスが
あっても前記ディスプレーサ3の傾きをより小さくで
き、場合によっては傾きをなくすることもできる。
プレーサ3のスラックピストン側に前記バランサ49を
設けたから、前記ディスプレーサ3の横向き設置時にお
ける長さ方向の重心位置をピストンリング14による支
持位置側に移行させられ、従って、重量アンバランスが
あっても前記ディスプレーサ3の傾きをより小さくで
き、場合によっては傾きをなくすることもできる。
【0021】更に、請求項7記載の発明では、前記シリ
ンダ1に往復動自由に内装する第1ディスプレーサ3と
第2ディスプレーサ8との各ヒートステーション側外周
部にそれぞれガイド部を設たけから、第1ディスプレー
サ3の傾きとユニバーサルジョイント7で連結される第
2ディスプレーサ8の傾きとを共に少なくでき、これら
ディスプレーサ3,8の傾きによる発熱や挙動不良を防
止でき、能力低下をなくしてその能力を向上できるので
ある。
ンダ1に往復動自由に内装する第1ディスプレーサ3と
第2ディスプレーサ8との各ヒートステーション側外周
部にそれぞれガイド部を設たけから、第1ディスプレー
サ3の傾きとユニバーサルジョイント7で連結される第
2ディスプレーサ8の傾きとを共に少なくでき、これら
ディスプレーサ3,8の傾きによる発熱や挙動不良を防
止でき、能力低下をなくしてその能力を向上できるので
ある。
【0022】
【実施例】図1に示した極低温膨張機は、一側に第1ヒ
ートステーション11をもった大径部と第2ヒートステ
ーション12をもった小径部とから成る段付シリンダ1
の大径部内にスラックピストン2と第1ディスプレーサ
3とを往復動自由に内装すると共に、前記小径部内に、
カップリング棒4及び互いに直交する連結ピン5,6か
ら成るユニバーサルジョイント7を介して前記第1ディ
スプレーサ3と連結する第2ディスプレーサ8を内装
し、前記スラックピストン2の外周部と前記第1ディス
プレーサ3のスラックピストン側外周部及び前記第2デ
ィスプレーサ8の第1ディスプレーサ側外周部とに、そ
れぞれピストンリング溝2a,3a,8aを設けて、こ
れらピストンリング溝2a,3a,8aに、前記シリン
ダ1の内周面に摺接するピストンリング13,14,1
5を介装し、前記シリンダ1内に、スラックピストン側
空室16と前記第1ディスプレーサ3の高温側膨張空間
17及び前記第2ディスプレーサ8の低温膨張空間18
とを気密状に形成した横置形2段の極低温膨張機であ
る。
ートステーション11をもった大径部と第2ヒートステ
ーション12をもった小径部とから成る段付シリンダ1
の大径部内にスラックピストン2と第1ディスプレーサ
3とを往復動自由に内装すると共に、前記小径部内に、
カップリング棒4及び互いに直交する連結ピン5,6か
ら成るユニバーサルジョイント7を介して前記第1ディ
スプレーサ3と連結する第2ディスプレーサ8を内装
し、前記スラックピストン2の外周部と前記第1ディス
プレーサ3のスラックピストン側外周部及び前記第2デ
ィスプレーサ8の第1ディスプレーサ側外周部とに、そ
れぞれピストンリング溝2a,3a,8aを設けて、こ
れらピストンリング溝2a,3a,8aに、前記シリン
ダ1の内周面に摺接するピストンリング13,14,1
5を介装し、前記シリンダ1内に、スラックピストン側
空室16と前記第1ディスプレーサ3の高温側膨張空間
17及び前記第2ディスプレーサ8の低温膨張空間18
とを気密状に形成した横置形2段の極低温膨張機であ
る。
【0023】尚、前記シリンダ1のスラックピストン側
には、モ−タ19と、このモータ19の駆動で高圧ガス
通路20と低圧通路21とを切換える切換弁22と、前
記スラックピストン2に高圧ガスを導入したり、前記ス
ラックピストン2から低圧ガスを排出したりする給排通
路23をもつ通路体24とを備えた切換弁装置25を設
けており、この切換弁装置25の高圧ガス通路20の入
口部及び低圧ガス通路21の出口部には、図示していな
いが例えばヘリウム圧縮ユニットから延びる高圧ガス管
26及び低圧ガス管27を接続するようにしている。
には、モ−タ19と、このモータ19の駆動で高圧ガス
通路20と低圧通路21とを切換える切換弁22と、前
記スラックピストン2に高圧ガスを導入したり、前記ス
ラックピストン2から低圧ガスを排出したりする給排通
路23をもつ通路体24とを備えた切換弁装置25を設
けており、この切換弁装置25の高圧ガス通路20の入
口部及び低圧ガス通路21の出口部には、図示していな
いが例えばヘリウム圧縮ユニットから延びる高圧ガス管
26及び低圧ガス管27を接続するようにしている。
【0024】また、前記切換弁装置25には、中間圧室
28を設けて、この中間圧室28を、オリフィス29を
介して前記スラックピストン2の背面室30に連通さ
せ、この背面室30を中間圧力に保持するようにしてい
る。
28を設けて、この中間圧室28を、オリフィス29を
介して前記スラックピストン2の背面室30に連通さ
せ、この背面室30を中間圧力に保持するようにしてい
る。
【0025】また、前記第1ディスプレーサ3の内部に
は仕切材31を設け、高温側、即ち、スラックピストン
側には銅メッシュから成る蓄冷材32を、また、低温
側、即ち、第1ヒートステーション側には主として球状
の粒状鉛材から成る蓄冷材33を内装すると共に、前記
第2ディスプレーサ8の内部には、主として球状の粒状
鉛材から成る蓄冷材34を内装しており、また、前記第
1ディスプレーサ3の背面側、即ち、スラックピストン
側には、前記スラックピストン2に係合する連動ピン3
5を設けている。
は仕切材31を設け、高温側、即ち、スラックピストン
側には銅メッシュから成る蓄冷材32を、また、低温
側、即ち、第1ヒートステーション側には主として球状
の粒状鉛材から成る蓄冷材33を内装すると共に、前記
第2ディスプレーサ8の内部には、主として球状の粒状
鉛材から成る蓄冷材34を内装しており、また、前記第
1ディスプレーサ3の背面側、即ち、スラックピストン
側には、前記スラックピストン2に係合する連動ピン3
5を設けている。
【0026】更に、前記ピストンリング13,14,1
5は、主としてフロン系樹脂(PTFE)から成り、前
記スラックピストン2及び第1ディスプレーサ3の外周
に設けるピストンリング2a,3aの背面には、これら
ピストンリング13,14をバックアップするOリング
から成るバックアップリング36,37を設けると共
に、第2ディスプレーサ8の外周に設けるピストンリン
グ15の背面には、このピストンリングをバックアップ
するコイルばねから成るバックアップリング38を設け
ており、これらバックアップリング36,37,38に
より前記各ピストンリング13,14,15を前記シリ
ンダ1の内周面に対するシール性を高めている。
5は、主としてフロン系樹脂(PTFE)から成り、前
記スラックピストン2及び第1ディスプレーサ3の外周
に設けるピストンリング2a,3aの背面には、これら
ピストンリング13,14をバックアップするOリング
から成るバックアップリング36,37を設けると共
に、第2ディスプレーサ8の外周に設けるピストンリン
グ15の背面には、このピストンリングをバックアップ
するコイルばねから成るバックアップリング38を設け
ており、これらバックアップリング36,37,38に
より前記各ピストンリング13,14,15を前記シリ
ンダ1の内周面に対するシール性を高めている。
【0027】しかして、図1,2に示した第1実施例で
は、以上の構成において、前記第1ディスプレーサ3に
おける第1ヒートステーション近傍の外周部と、前記第
2ディスプレーサ3における第2ヒートステーション近
傍の外周部とにガイドリング溝39,40を設け、これ
らガイドリング溝39,40に、摩擦係数の小さい耐摩
耗素材(主としてフロン系樹脂)から成るガイドリング
41,42を介装したのである。
は、以上の構成において、前記第1ディスプレーサ3に
おける第1ヒートステーション近傍の外周部と、前記第
2ディスプレーサ3における第2ヒートステーション近
傍の外周部とにガイドリング溝39,40を設け、これ
らガイドリング溝39,40に、摩擦係数の小さい耐摩
耗素材(主としてフロン系樹脂)から成るガイドリング
41,42を介装したのである。
【0028】これらガイドリング41,42は本発明の
ガイド部を構成するもので、その背面側に、前記したピ
ストンリング13,14,15と同様、バックアップリ
ングを設けて前記シリンダ1の内周面に摺接するように
してもよいが、前記シリンダ1の内周面に対向する前記
ガイドリング41,42の外周面と前記シリンダ1の内
周面との間に、前記各ディスプレーサ3,8の正常な往
復動時、つまり、軸中心と同方向に往復動するときには
非接触となり、前記ディスプレーサ3,8の傾動時接触
する隙間43,44を設けるのが好ましい。
ガイド部を構成するもので、その背面側に、前記したピ
ストンリング13,14,15と同様、バックアップリ
ングを設けて前記シリンダ1の内周面に摺接するように
してもよいが、前記シリンダ1の内周面に対向する前記
ガイドリング41,42の外周面と前記シリンダ1の内
周面との間に、前記各ディスプレーサ3,8の正常な往
復動時、つまり、軸中心と同方向に往復動するときには
非接触となり、前記ディスプレーサ3,8の傾動時接触
する隙間43,44を設けるのが好ましい。
【0029】斯くすることで、正常な往復動時における
摺動抵抗を減少できながら前記ディスプレーサ3,8の
自重による傾きを抑えられるのである。
摺動抵抗を減少できながら前記ディスプレーサ3,8の
自重による傾きを抑えられるのである。
【0030】以上の構成において、前記切換弁32を切
換えて高圧ガスを導入させると、この高圧ガスはスラッ
クピストン2を介して前記スラックピストン側空室16
に入ると共に前記蓄冷材32,33を内装した第1ディ
スプレーサ3に流入し、前記スラックピストン側空室1
6への高圧ガスの導入により該スラックピストン側空室
16と前記背面室30との間に生ずる差圧で、前記スラ
ックピストン2が切換弁装置側に往動し、この往動に伴
い前記第1及び第2ディスプレーサ3,8が所定の時間
遅れで追従して往動するのである。そして、この往動
時、前記第1ディスプレーサ3に導入された高圧ガス
が、前記蓄冷材32,33を経てガス噴射孔45から前
記高温側膨張空間17に排出され、前記第1ヒートステ
ーション11を冷却すると共に、前記膨張空間17から
前記第2ディスプレーサ8に導入され、該第2ディスプ
レーサ8に内装した蓄冷材31を経て、ガス噴射孔46
から前記低温側膨張空間18に排出され、前記第2ヒー
トステーション12を冷却するのである。
換えて高圧ガスを導入させると、この高圧ガスはスラッ
クピストン2を介して前記スラックピストン側空室16
に入ると共に前記蓄冷材32,33を内装した第1ディ
スプレーサ3に流入し、前記スラックピストン側空室1
6への高圧ガスの導入により該スラックピストン側空室
16と前記背面室30との間に生ずる差圧で、前記スラ
ックピストン2が切換弁装置側に往動し、この往動に伴
い前記第1及び第2ディスプレーサ3,8が所定の時間
遅れで追従して往動するのである。そして、この往動
時、前記第1ディスプレーサ3に導入された高圧ガス
が、前記蓄冷材32,33を経てガス噴射孔45から前
記高温側膨張空間17に排出され、前記第1ヒートステ
ーション11を冷却すると共に、前記膨張空間17から
前記第2ディスプレーサ8に導入され、該第2ディスプ
レーサ8に内装した蓄冷材31を経て、ガス噴射孔46
から前記低温側膨張空間18に排出され、前記第2ヒー
トステーション12を冷却するのである。
【0031】また、前記切換弁22が切換えられ、前記
スラックピストン側空室16が低圧通路21に連通する
と、前記各膨張空間17,18に導入された高圧ガスは
膨張しながら排出され、前記蓄冷材32及び33,34
を冷却するのであり、また、前記スラックピストン2の
低圧通路21への連通による圧力低下で前記スラックピ
ストン側空室16と、前記背面室30との間に差圧が生
じ、この差圧により前記スラックピストン2及び第1及
び第2デイスプレーサ3,8が摺動し、前記各膨張空間
17,18のガスが強制的に排出されるのである。
スラックピストン側空室16が低圧通路21に連通する
と、前記各膨張空間17,18に導入された高圧ガスは
膨張しながら排出され、前記蓄冷材32及び33,34
を冷却するのであり、また、前記スラックピストン2の
低圧通路21への連通による圧力低下で前記スラックピ
ストン側空室16と、前記背面室30との間に差圧が生
じ、この差圧により前記スラックピストン2及び第1及
び第2デイスプレーサ3,8が摺動し、前記各膨張空間
17,18のガスが強制的に排出されるのである。
【0032】従って、以上の高圧ガス導入と低圧ガス排
出とを繰り返すことにより、前記蓄冷材32,33及び
34の温度が低くなり、前記第1ヒートステーション1
1が例えば50〜80Kの極低温に、また、第2ヒート
ステーション12が例えば10K〜15Kの極低温に冷
却されるのであるる しかして、以上の運転時、前記各ディスプレーサ3,8
には蓄冷材32,33及び34が内装されてそれ自体自
重をもっており、特に鉛材は銅材に比較して比重大であ
って、鉛材から成る蓄冷材33,34の使用で、その自
重が重くなるから、前記した差圧による往復動時、傾き
が生ずるのであり、特に、前記シリンダ1を横向きに設
置して用いられたり、また、大形になると前記ディスプ
レーサ3,8の傾きがより顕著となるのである。
出とを繰り返すことにより、前記蓄冷材32,33及び
34の温度が低くなり、前記第1ヒートステーション1
1が例えば50〜80Kの極低温に、また、第2ヒート
ステーション12が例えば10K〜15Kの極低温に冷
却されるのであるる しかして、以上の運転時、前記各ディスプレーサ3,8
には蓄冷材32,33及び34が内装されてそれ自体自
重をもっており、特に鉛材は銅材に比較して比重大であ
って、鉛材から成る蓄冷材33,34の使用で、その自
重が重くなるから、前記した差圧による往復動時、傾き
が生ずるのであり、特に、前記シリンダ1を横向きに設
置して用いられたり、また、大形になると前記ディスプ
レーサ3,8の傾きがより顕著となるのである。
【0033】そして、この傾きにより前記各ディスプレ
ーサ3,8のヒートステーション側端部が前記シリンダ
1の内周面に接触することになり、この結果、発熱が生
じたり、摺動抵抗の増加による挙動不良で能力低下が生
じたり、ピストンリング13,14,15の傾きによる
局部摩耗が生じたりするのであるが、前記各ディスプレ
ーサ3,8のヒートステーション側外周部に前記ガイド
リング41,42から成るガイド部を設けたから、前記
ディスプレーサ3,8が傾いたとき、前記ガイリング部
41,42がシリンダ1の内周面に接触して往復動を案
内することになり、前記ディスプレーサ3,8の傾きを
抑制できながら、これらディスプレーサ3,8のシリン
ダ内周面への直接接触を防止できるのである。
ーサ3,8のヒートステーション側端部が前記シリンダ
1の内周面に接触することになり、この結果、発熱が生
じたり、摺動抵抗の増加による挙動不良で能力低下が生
じたり、ピストンリング13,14,15の傾きによる
局部摩耗が生じたりするのであるが、前記各ディスプレ
ーサ3,8のヒートステーション側外周部に前記ガイド
リング41,42から成るガイド部を設けたから、前記
ディスプレーサ3,8が傾いたとき、前記ガイリング部
41,42がシリンダ1の内周面に接触して往復動を案
内することになり、前記ディスプレーサ3,8の傾きを
抑制できながら、これらディスプレーサ3,8のシリン
ダ内周面への直接接触を防止できるのである。
【0034】従って、前記シリンダ1を横向きに設置し
たり、大形とした場合や、蓄冷材に比重大な材料を用い
た場合でも、ディスプレーサ3,8の自重による傾きを
少なくしてシリンダ内周面との接触を防止できるから、
発熱を防止できるし、また、接触による摺動抵抗の増加
による挙動不良を防止できるのであって、能力低下をな
くし、能力を向上できるのであり、また、傾きを抑制で
きるからピストンリング13,14,15の局部摩耗も
防止でき、寿命も向上させられるのである。
たり、大形とした場合や、蓄冷材に比重大な材料を用い
た場合でも、ディスプレーサ3,8の自重による傾きを
少なくしてシリンダ内周面との接触を防止できるから、
発熱を防止できるし、また、接触による摺動抵抗の増加
による挙動不良を防止できるのであって、能力低下をな
くし、能力を向上できるのであり、また、傾きを抑制で
きるからピストンリング13,14,15の局部摩耗も
防止でき、寿命も向上させられるのである。
【0035】次に本発明の第2実施例を図3に基づいて
説明する。この第2実施例は前記ガイド部をガイドリン
グ41,42によらず、摩擦係数の小さい耐摩耗素材
(主としてフロン系樹脂)をコーティング又は貼付けに
より付着した被膜層47,48により形成したものであ
る。
説明する。この第2実施例は前記ガイド部をガイドリン
グ41,42によらず、摩擦係数の小さい耐摩耗素材
(主としてフロン系樹脂)をコーティング又は貼付けに
より付着した被膜層47,48により形成したものであ
る。
【0036】この被膜層47,48は、前記素材のコー
ティングや貼付けにより形成するのであるから、前記ガ
イド部を任意な幅で、しかも前記ディスプレーサ3,8
におけるガス噴射孔45,46の開孔位置に関係なく前
記ディスプレーサ3,8のヒートステーション側端部に
設けることができ、従って、ディスプレーサ3,8の傾
きを摺動抵抗の増加を少なくより有効に減少させ得るの
である。
ティングや貼付けにより形成するのであるから、前記ガ
イド部を任意な幅で、しかも前記ディスプレーサ3,8
におけるガス噴射孔45,46の開孔位置に関係なく前
記ディスプレーサ3,8のヒートステーション側端部に
設けることができ、従って、ディスプレーサ3,8の傾
きを摺動抵抗の増加を少なくより有効に減少させ得るの
である。
【0037】尚、前記被覆層47,48によりガイド部
を形成する場合も、前記被膜層47,48の外周面とシ
リンダ1の内周面との間に、前記ディスプレーサ3,8
の正常な往復動時、非接触で傾動時接触する隙間43,
44を設けるのが好ましい。この場合、前記ディスプレ
ーサ3,8のヒートステーション側端部に設けること
で、第1実施例に比較して同じ隙間43,44でも、前
記ディスプレーサ3,8の傾きを少なくできることにな
る。
を形成する場合も、前記被膜層47,48の外周面とシ
リンダ1の内周面との間に、前記ディスプレーサ3,8
の正常な往復動時、非接触で傾動時接触する隙間43,
44を設けるのが好ましい。この場合、前記ディスプレ
ーサ3,8のヒートステーション側端部に設けること
で、第1実施例に比較して同じ隙間43,44でも、前
記ディスプレーサ3,8の傾きを少なくできることにな
る。
【0038】以上の実施例では、前記ディスプレーサ
3,8にガイド部を設けたが、前記第1ディスプレーサ
3のスラックピストン側端部に、該スラックピストン側
の重量とヒートステーション側の重量との重量バランス
を調整するバランサ49を設けるのが好ましい。
3,8にガイド部を設けたが、前記第1ディスプレーサ
3のスラックピストン側端部に、該スラックピストン側
の重量とヒートステーション側の重量との重量バランス
を調整するバランサ49を設けるのが好ましい。
【0039】即ち、前記第1ディスプレーサ3の高温側
に前記した銅材から成る蓄冷材32を内装し、低温側に
鉛材から成る蓄冷材33を内装する場合、その比重差に
より、ヒートステーション側の重量が重くなり、前記デ
ィスプレーサ3の傾きを助長することになるが、前記バ
ランサ49により重量調整をすることにより、比重大で
あるが80K以下では比熱大となる鉛材から成る蓄冷材
33を併用して第1ヒートステーション11の能力を向
上し、50Kの極低温を得ることができながら重量アン
バランスによる傾きを抑制できることになり、前記ガイ
ド部との併用でより一層傾きによる発熱や挙動不良によ
る能力低下をなくし得るのである。
に前記した銅材から成る蓄冷材32を内装し、低温側に
鉛材から成る蓄冷材33を内装する場合、その比重差に
より、ヒートステーション側の重量が重くなり、前記デ
ィスプレーサ3の傾きを助長することになるが、前記バ
ランサ49により重量調整をすることにより、比重大で
あるが80K以下では比熱大となる鉛材から成る蓄冷材
33を併用して第1ヒートステーション11の能力を向
上し、50Kの極低温を得ることができながら重量アン
バランスによる傾きを抑制できることになり、前記ガイ
ド部との併用でより一層傾きによる発熱や挙動不良によ
る能力低下をなくし得るのである。
【0040】また、前記バランサ49を設ける場合、前
記第1ディスプレーサ3の重心位置を前記ピストンリン
グ14の位置に調整するのが好ましく、斯くすることで
前記ディスプレーサ3の自重による傾きを解消できる。
記第1ディスプレーサ3の重心位置を前記ピストンリン
グ14の位置に調整するのが好ましく、斯くすることで
前記ディスプレーサ3の自重による傾きを解消できる。
【0041】以上説明した実施例は、2つのヒートステ
ーション11,12をもった2段の極低温膨張機である
が、1つのヒートステーションをもつ単段の極低温膨張
機にも適用できるし、2段以上の多段の極低温膨張機に
も適用できる。
ーション11,12をもった2段の極低温膨張機である
が、1つのヒートステーションをもつ単段の極低温膨張
機にも適用できるし、2段以上の多段の極低温膨張機に
も適用できる。
【0042】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、前記ガイド部
を設けたから、前記ディスプレーサ3が自重により傾く
のを少なくできるし、傾いてそのヒートステーション側
端部が前記シリンダ1の内周面と接触するのを防止でき
るのである。
を設けたから、前記ディスプレーサ3が自重により傾く
のを少なくできるし、傾いてそのヒートステーション側
端部が前記シリンダ1の内周面と接触するのを防止でき
るのである。
【0043】従って、ディスプレーサ3のシリンダ内周
面への接触による発熱を防げるし、また、シリンダ内周
面に接触するのは前記ガイド部であるから、摺動抵抗の
増大を抑制でき、ディスプレーサ3の挙動不良を解消で
き、挙動不良による能力低下を防止できるのであり、更
にピストンリング13,14のシリンダ内周面との接触
を、その全幅にわたりほゞ均一にできるから、局部摩耗
もなくせ、特に前記ピストンリング13,14の寿命も
向上できるのである。
面への接触による発熱を防げるし、また、シリンダ内周
面に接触するのは前記ガイド部であるから、摺動抵抗の
増大を抑制でき、ディスプレーサ3の挙動不良を解消で
き、挙動不良による能力低下を防止できるのであり、更
にピストンリング13,14のシリンダ内周面との接触
を、その全幅にわたりほゞ均一にできるから、局部摩耗
もなくせ、特に前記ピストンリング13,14の寿命も
向上できるのである。
【0044】また、請求項2記載の発明では、前記ディ
スプレーサ3に仕切材31を設けて高温側に銅材から成
る蓄冷材32を、低温側に鉛材から成る蓄冷材33を内
周したから、ヒートステーション11をより低温(例え
ば50K)に冷却させられるのであり、その上、この低
温側外周部に前記ガイド部を設けたから、高温側、即
ち、スラックピストン側と低温側、即ち、ヒートステー
ション側とで重量アンバランスがあっても、前記ディス
プレーサ3の傾きを少なくでき、従って、前記したよう
に能力を向上できながら、請求項1記載の発明と同様、
傾きによる発熱や挙動不良による能力低下を防止でき、
所望の能力にできるのであり、それでいて寿命も向上で
きるのである。
スプレーサ3に仕切材31を設けて高温側に銅材から成
る蓄冷材32を、低温側に鉛材から成る蓄冷材33を内
周したから、ヒートステーション11をより低温(例え
ば50K)に冷却させられるのであり、その上、この低
温側外周部に前記ガイド部を設けたから、高温側、即
ち、スラックピストン側と低温側、即ち、ヒートステー
ション側とで重量アンバランスがあっても、前記ディス
プレーサ3の傾きを少なくでき、従って、前記したよう
に能力を向上できながら、請求項1記載の発明と同様、
傾きによる発熱や挙動不良による能力低下を防止でき、
所望の能力にできるのであり、それでいて寿命も向上で
きるのである。
【0045】また、請求項3記載の発明では、前記ガイ
ド部の外周面とシリンダ1の内周面との間に前記隙間4
3を設けたから、前記ディスプレーサ3に傾動すること
なく、センター上を正常に往復動するときには前記ガイ
ド部がシリンダ1の内周面に接触させずに往復動させら
れ、従って、前記ガイド部の接触による摺動抵抗の増大
をなくせるし、それでいて前記ディスプレーサ3が傾い
ても、その傾きを少なくできるのであり、また、傾動時
には前記ガイド部が接触するのであるから、接触による
発熱を減らせるし、また、摺動抵抗増大も抑えられるの
である。
ド部の外周面とシリンダ1の内周面との間に前記隙間4
3を設けたから、前記ディスプレーサ3に傾動すること
なく、センター上を正常に往復動するときには前記ガイ
ド部がシリンダ1の内周面に接触させずに往復動させら
れ、従って、前記ガイド部の接触による摺動抵抗の増大
をなくせるし、それでいて前記ディスプレーサ3が傾い
ても、その傾きを少なくできるのであり、また、傾動時
には前記ガイド部が接触するのであるから、接触による
発熱を減らせるし、また、摺動抵抗増大も抑えられるの
である。
【0046】また、請求項4記載の発明では、前記ガイ
ド部をガイドリンク41により形成して、前記ガイドリ
ング溝39に介装したから、シリンダ1の内周面との隙
間管理が簡単かつ、有効にでき、前記ガイド部を形成す
る部品コストや、追加の加工コストも安くできるのであ
る。
ド部をガイドリンク41により形成して、前記ガイドリ
ング溝39に介装したから、シリンダ1の内周面との隙
間管理が簡単かつ、有効にでき、前記ガイド部を形成す
る部品コストや、追加の加工コストも安くできるのであ
る。
【0047】また、請求項5記載の発明では、前記ガイ
ド部を前記被膜層47により形成したから、前記ガイド
部を任意な幅で、しかも、前記ディスプレーサ3におけ
るガス噴射孔の開孔位置に関係なく前記ディスプレーサ
3のヒートステーション側端部に設けられ、従って、デ
ィスプレーサ3の傾きを摺動抵抗の増加を少なくより有
効に減少させ得るのである。
ド部を前記被膜層47により形成したから、前記ガイド
部を任意な幅で、しかも、前記ディスプレーサ3におけ
るガス噴射孔の開孔位置に関係なく前記ディスプレーサ
3のヒートステーション側端部に設けられ、従って、デ
ィスプレーサ3の傾きを摺動抵抗の増加を少なくより有
効に減少させ得るのである。
【0048】また、請求項6記載の発明は、前記ディス
プレーサ3のスラックピストン側に前記バランサ49を
設けたから、前記ディスプレーサ3の横向き設置時にお
ける長さ方向の重心位置をピストンリング14による支
持位置側に移行させられ、従って、重量アンバランスが
あっても前記ディスプレーサ3の傾きをより小さくで
き、場合によっては傾きをなくすることもできる。
プレーサ3のスラックピストン側に前記バランサ49を
設けたから、前記ディスプレーサ3の横向き設置時にお
ける長さ方向の重心位置をピストンリング14による支
持位置側に移行させられ、従って、重量アンバランスが
あっても前記ディスプレーサ3の傾きをより小さくで
き、場合によっては傾きをなくすることもできる。
【0049】更に、請求項7記載の発明では、前記シリ
ンダ1に往復動自由に内装する第1ディスプレーサ3と
第2ディスプレーサ8との各ヒートステーション側外周
部にそれぞれガイド部を設たけから、第1ディスプレー
サ3の傾きとユニバーサルジョイント7で連結される第
2ディスプレーサ8の傾きとを共に少なくでき、これら
ディスプレーサ3,8の傾きによる発熱や挙動不良を防
止でき、能力低下をなくしてその能力を向上できるので
ある。
ンダ1に往復動自由に内装する第1ディスプレーサ3と
第2ディスプレーサ8との各ヒートステーション側外周
部にそれぞれガイド部を設たけから、第1ディスプレー
サ3の傾きとユニバーサルジョイント7で連結される第
2ディスプレーサ8の傾きとを共に少なくでき、これら
ディスプレーサ3,8の傾きによる発熱や挙動不良を防
止でき、能力低下をなくしてその能力を向上できるので
ある。
【図1】 本発明の第1実施例を示す全体の断面図。
【図2】 要部の拡大断面図。
【図3】 第2実施例の要部の説明図。
【図4】 従来例を示すシリンダの断面図。
1 シリンダ 2 ス
ラックピストン 2a,3a ピストンリング溝 3 第
1ディスプレーサ 7 ユニバーサルジョイント 8 第
2ディスプレーサ 11,12 ヒートステーション 13,14 ピ
ストンリング 16 スラックピストン側空室 17 膨
張空間 32,33 蓄冷材 39 ガ
イドリング溝 41 ガイドリング 43 隙
間 47 被膜層 49 バ
ランサ
ラックピストン 2a,3a ピストンリング溝 3 第
1ディスプレーサ 7 ユニバーサルジョイント 8 第
2ディスプレーサ 11,12 ヒートステーション 13,14 ピ
ストンリング 16 スラックピストン側空室 17 膨
張空間 32,33 蓄冷材 39 ガ
イドリング溝 41 ガイドリング 43 隙
間 47 被膜層 49 バ
ランサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−280553(JP,A) 特開 昭64−49858(JP,A) 特開 平2−140559(JP,A) 特開 平2−140560(JP,A) 実開 平1−75753(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F25B 9/14 510 F25B 9/14 530
Claims (7)
- 【請求項1】 高圧ガスの導入と低圧ガスの排出とが繰
り返され、一側にヒートステーシヨン(11)をもつシ
リンダ(1)と、このシリンダ(1)に往復動自由に内
装するスラックピストン(2)及び蓄冷材を内装したデ
ィスプレーサ(3)とを備え、前記スラックピストン
(2)の外周部及びディスプレーサ(3)のスラックピ
ストン側外周部に設けるピストンシリンダ溝(2a)
(3a)にピストンリング(13)(14)を介装し
て、前記シリンダ(1)内に、スラックピストン側空室
(16)と膨張空間(17)とを気密状に形成した極低
温膨張機において、前記ディスプレーサ(3)における
ヒートステーション側外周部に、摩擦係数の小さい耐摩
耗性素材から成るガイド部を設けていることを特徴とす
る極低温膨張機。 - 【請求項2】 ディスプレーサ(3)の長さ方向中間部
に仕切材(31)を設けて、高温側に銅材から成る蓄冷
材(32)を、また、低温側に鉛材から成る蓄冷材(3
3)を内装し、この低温側外周部に、摩擦係数の小さい
耐摩耗素材から成るガイド部を設けている請求項1記載
の極低温膨張機。 - 【請求項3】 シリンダ(1)の内周面に対向するガイ
ド部の外周面と前記シリンダ(1)の内周面との間に、
ディスプレーサ(3)の正常な往復動時には非接触で、
前記ディスプレーサ(3)の傾動時接触する隙間(4
3)を設けている請求項1又は2記載の極低温膨張機。 - 【請求項4】 ガイド部がガイドリング(41)から成
り、ディスプレーサ(3)のヒートステーション側外周
部に設けるガイドリング溝(39)に介装している請求
項1乃至3の何れか1項記載の極低温膨張機。 - 【請求項5】 ガイド部が摩擦係数の小さい耐摩耗素材
から成る被膜層(47)から成る請求項1乃至3の何れ
か1項記載の極低温膨張機。 - 【請求項6】 ディスプレーサ(3)におけるピストン
リング(14)のスラックピストン側に、該スラックピ
ストン側の重量とヒートステーション側の重量との重量
バランスを調整するバランサ(49)を設けている請求
項1又は2記載の極低温膨張機。 - 【請求項7】 シリンダ(1)に複数のヒートステーシ
ョン(11)(12)を設けて、前記シリンダ(1)に
第1ヒートステーション(11)に対応する第1ディス
プレーサ(3)と第2ヒートステーション(12)に対
応する第2ディスプレーサ(8)とを往復動自由に内装
して、前記第1ディスプレーサ(3)と第2ディスプレ
ーサ(8)とをユニバーサルジョイント(7)を介して
連結すると共に、前記第1ディスプレーサ(3)の第1
ヒートステーション側外周部と、前記第2ディスプレー
サ(8)の第2ヒートステーション側外周部とに、ガイ
ド部を設けている請求項1又は2記載の極低温膨張機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6060594A JP2871449B2 (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | 極低温膨張機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6060594A JP2871449B2 (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | 極低温膨張機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07269970A JPH07269970A (ja) | 1995-10-20 |
JP2871449B2 true JP2871449B2 (ja) | 1999-03-17 |
Family
ID=13147058
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6060594A Expired - Fee Related JP2871449B2 (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | 極低温膨張機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2871449B2 (ja) |
-
1994
- 1994-03-30 JP JP6060594A patent/JP2871449B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07269970A (ja) | 1995-10-20 |
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Legal Events
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |