JP2871280B2 - AlまたはAl合金鋳造用銅合金金型 - Google Patents

AlまたはAl合金鋳造用銅合金金型

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JP2871280B2
JP2871280B2 JP9218692A JP9218692A JP2871280B2 JP 2871280 B2 JP2871280 B2 JP 2871280B2 JP 9218692 A JP9218692 A JP 9218692A JP 9218692 A JP9218692 A JP 9218692A JP 2871280 B2 JP2871280 B2 JP 2871280B2
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casting
copper
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正男 小林
卓郎 岩村
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Mitsubishi Materials Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、AlまたはAl合金
鋳造用銅合金金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、AlまたはAl合金の鋳造金型
に用いられる金型材料としては、鉄系合金材料が用いら
れている。しかし、前記鉄系合金金型は、鉄系合金の熱
伝導性の低さから冷却速度が遅く、したがって、1回の
鋳造時間を長くとらなければならず、そのために単位時
間当たりのAlまたはAl合金鋳造スピードを高めるこ
とができず、AlまたはAl合金鋳造スピードを高めて
コストを削減するという要求には対応できなかった。さ
らに、鉄系合金材料金型を用いて鋳造したAlまたはA
l合金鋳物は結晶粒が微細化せず、Al合金鋳物の強度
および延性を十分に確保できないという課題もあった。
【0003】そこで、AlまたはAl合金鋳造用金型と
して、水冷または空冷の銅合金金型を用いることが考え
られるが、銅合金は一般にAl溶湯と反応しやすく、A
lまたはAl合金を銅合金製金型に鋳造すると、Alと
銅合金が反応し金型内面にCu−Al合金層が生じて付
着し、金型寿命も短く、実用に供することができないと
いう欠点があった。
【0004】この対策としては、例えば、銅合金金型の
表面上へのセラミック溶射した銅合金金型(軽金属学
会、第80回春期大会講演概要、P.195〜19
6)、銅合金金型の表面上へWCを溶射した銅合金金
型、銅合金金型の表面上へ硬質Crメッキをした銅合金
金型、銅合金金型の表面上へNi−5%Fe合金メッキ
をした銅合金金型、銅合金金型の表面上へCo−20%
Ni合金メッキをした銅合金金型などが提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記セラミッ
クおよびWC溶射層は剥離しやすく、また、硬質Crメ
ッキ、Ni−5%Fe合金メッキおよびCo−20%N
i合金メッキ等はAl溶湯との反応性に問題があり、十
分満足のいくものではなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
Cu合金のもつ優れた冷却能を犠牲にすることがなく、
Al溶湯と反応することがなく、さらに使用寿命の長い
AlまたはAl合金鋳造用銅合金金型を得るべく研究を
行った結果、(1) Taは、Al溶湯との濡れ性が悪
くまたAl溶湯との反応がないところから、銅または銅
合金金型表面上にTa層を形成すると、銅または銅合金
金型寿命が向上し、このTa層を形成した銅または銅合
金金型を用いてAlまたはAl合金を鋳造すると、単位
時間当たりのAlまたはAl合金鋳造スピードを高める
ことができ、得られたAlまたはAl合金鋳物の組織も
微細化し、強度および延性が鉄系合金材料金型で鋳造し
た場合に比べ10〜20%程度向上する、(2) さら
に、銅または銅合金金型とTa層との間に、中間層とし
て、Niメッキ層、Ni合金メッキ層、Crメッキ層、
Feメッキ層のうちの単層または2層以上の複数層から
なる中間層を形成すると、Ta層の銅または銅合金金型
表面に対する密着性がさらに向上し、一層金型寿命が向
上する、などの知見を得たのである。
【0007】この発明はかかる知見にもとづいてなされ
たものであって、(1) 銅または銅合金金型表面上
に、厚さ:0.005mm〜3mmのTa層を形成して
なるAlまたはAl合金鋳造用銅合金金型、(2) 銅
または銅合金金型表面上に、Niメッキ層、Ni合金メ
ッキ層、Crメッキ層、Feメッキ層のうちの単層また
は2層以上の複数層からなる中間層を形成し、さらにそ
の上にTa層を形成してなり、前記中間層およびTa層
メッキの合計厚さが0.005mm〜3mmの範囲内に
あるAlまたはAl合金鋳造用銅合金金型、に特徴を有
するものである。
【0008】次に、この発明におけるメッキを上記の通
り限定した理由を説明する。 (a)Ta層 Ta層は、Al溶湯との濡れ性および反応性が極めて少
なく、銅または銅合金金型寿命を向上させるが、その厚
さが0.005mm未満だと、Al溶湯流により短期間
に摩耗しかつ剥離しやすく、一方、その厚さが3mmを
越えると、冷却能が低下し、鋳造したAl鋳物の特性が
鉄系合金金型に比べて向上しなくなる。したがって、T
a層の厚さは、0.005mm〜3mmとした。
【0009】(b)中間層 銅または銅合金金型表面とTa層との間に、Niメッキ
層、Ni合金メッキ層、Crメッキ層、Feメッキ層の
うちの単層または2層以上の複数層からなる中間層を施
すと、Ta層の密着性が向上し、金型寿命が一層向上す
るが、Ta層と中間層の合計厚さが0.005mm以下
だと摩耗および剥離しやすく、また、Ta層と中間層の
合計で3mmを越えると冷却能が低下し、Al鋳物の特
性が鉄系合金金型に比べて、向上しなくなるので好まし
くない。したがって、Ta層と中間層の合計厚さを0.
005mm〜3mmとした。
【0010】
【実施例】次に、この発明を実施例にもとづいて、具体
的に説明する。純CuまたはCu−0.6%Cr−0.
1%Zrからなる組成の耐熱Cu合金を使用し、直径:
50mm、深さ:50mmの大空間およびその大空間の
下方に続く直径:20mm、深さ:50mmの小空間か
らなるキャビティを有し、外部寸法が高さ:150m
m、幅:100mm、厚さ:100mmを有する二つ割
り金型を機械加工にて作製し、次いで、これら金型キャ
ビティの内面に、表1〜表3に示される、減圧プラズマ
溶射による溶射Ta層または中間メッキ層と減圧プラズ
マ溶射による溶射Ta層からなる表面処理層を形成し、
本発明金型1〜17および比較金型1〜3(表3におい
て、*印を付けた値はこの発明の範囲外の値を示す)を
作製した。
【0011】さらに比較のため、前記Cu−0.6%C
r−0.1%Zrからなる組成の耐熱Cu合金金型の内
面に、表3に示す、セラミック溶射、WC溶射、硬質C
rメッキ、Ni−5%Fe合金メッキ、Co−20%N
i合金メッキなどの表面処理層を施した従来金型1〜5
を用意し、さらに、これとは別に、銅合金金型と同形状
のFe合金金型の従来金型6を用意した。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】
【表3】
【0015】上記表1〜表3に示した金型を用い、 鋳込材 :Al合金(AC4C)、 鋳込温度:700℃、 鋳造回数:最高500回、 の条件で鋳造試験を行ない、鋳造後の鋳型内面のAl合
金溶湯との反応の状況および表面処理層の剥離の状況を
調べた。表面処理層の剥離については、目視にて剥離の
有無を観察し、剥離が発生する鋳造回数で評価した。剥
離が発生した場合は、以後の鋳造試験は行なわなかっ
た。
【0016】Al合金溶湯との反応については、剥離が
発生した時点または、剥離が発生しない場合は500回
鋳造時点でのAl合金の金型への付着状況を目視にて調
べ、ほとんど付着していないものは○印、わずかに付着
しているものは△印、付着量が多い場合は×印を付して
示した。さらに、上記金型を用いて鋳造した上記被鋳造
物(アルミニウム合金鋳物)の引張試験を行ない、引張
強度、伸びを測定し、これらの結果を表4〜表6に示し
た。
【0017】
【表4】
【0018】
【表5】
【0019】
【表6】
【0020】
【発明の効果】表1〜表6に示される結果から、本発明
金型1〜17を用いて鋳造したAl合金鋳物は、従来金
型1(セラミック溶射金型)、従来金型2(WC溶射金
型)および従来金型6(従来のFe合金金型)用いて鋳
造したAl合金鋳物に比べて強度および伸びが優れてお
り、また、本発明金型1〜17は、従来金型3(硬質C
rメッキ金型)、従来金型4(Ni−5 %Fe合金単層メッ
キ金型)および従来金型5(Cr−20%Ni合金単層メッキ
金型)に比べ、Al合金溶湯との反応性が低いことがわ
かる。
【0021】また、比較金型1〜3に示されるように、
Ta層または中間メッキ層がこの発明の範囲から外れて
いると(表3において、*印を付けた値はこの発明の範
囲外の値を示す)、鋳造回数が少なくて表面処理層の剥
離が発生したり、得られたAl合金鋳物の強度および伸
びが低下したりして好ましくないことがわかる。
【0022】このように、この発明のAl合金鋳造用金
型は、従来のFe金型よりも優れた機械的特性を有する
Al合金鋳物が得られ、また、従来のセラミック溶射、
硬質Crメッキ等に比べ、剥離の発生、あるいは、Al
との反応性も少ないので、耐久性が優れるとともに、冷
却速度が速いため、1回の鋳造時間が短くすることがで
きて生産性が向上し、Al合金鋳物の製造コストを低減
でき、もって産業の発展に大いに貢献しうるものであ
る。
【0023】なお、前記実施例においては、Ta層は、
減圧プラズマ溶射による溶射Ta層を用いたが、この発
明のTa層は前記減圧プラズマ溶射による溶射Ta層に
限定されるものではなく、通常の電気メッキTa層、化
学メッキTa層などその他の手段により形成されたTa
層を用いてもよい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C23C 4/06 C23C 4/06 C25D 3/54 C25D 3/54 5/14 5/14 (56)参考文献 特開 平4−247805(JP,A) 特開 昭58−151941(JP,A) 特開 昭58−205652(JP,A) 特開 昭61−253355(JP,A) 特開 昭57−185990(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 17/22 B22C 9/06 C22C 27/02 103 C22C 4/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅または銅合金金型表面上に、厚さ:
    0.005mm〜3mmのTa層を形成してなることを
    特徴とするAlまたはAl合金鋳造用銅合金金型。
  2. 【請求項2】 銅または銅合金金型表面上に、Niメッ
    キ層、Ni合金メッキ層、Crメッキ層、Feメッキ層
    のうちの単層または2層以上の複数層からなる中間層を
    形成し、さらにその上にTa層を形成してなり、前記中
    間層およびTa層メッキの合計厚さが0.005mm〜
    3mmの範囲内にあることを特徴とするAlまたはAl
    合金鋳造用銅合金金型。
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