JP2870795B2 - 縦型熱処理炉 - Google Patents

縦型熱処理炉

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【発明の詳細な説明】 (1)発明の目的 [産業上の利用分野] 本発明は、縦型熱処理炉に関し、特に炉芯管本体およ
び加熱部材を包囲する断熱管本体の中央部周面に対し凹
所を形成しその凹所に対して分離可能に断熱管分割体を
配設してなる縦型熱処理炉に関するものである。
[従来の技術] 従来、この種の縦型熱処理炉としては、炉芯管本体お
よび加熱部材を包囲する断熱管装置の上部,中央部,下
部における肉厚が実質的に同一とされており、その上部
および下部の放熱速度に比べ中央部の放熱速度が小さか
ったので、加熱部材の上部および下部を適宜に発熱せし
めることによって炉芯管本体の全長にわたりほぼ均等に
降温せしめるものが提案されていた。
[解決すべき問題点] しかしながら、従来の縦型熱処理炉では、内部空間の
均熱状態を維持しつつ降温する場合、断熱管装置50の中
央部の放熱速度がその上部および下部の放熱速度に比べ
て小さいのを加熱部材によって調整しつつ降温せしめて
いたので、(i)炉芯管本体の降温速度が低下してしま
う欠点があり、ひいては(ii)降温時間が延長されてし
まう欠点があり、換言すれば(iii)生産能率が悪化し
てしまう欠点があった。
そこで、本発明は、これらの欠点を除去すべく、断熱
管装置の中央部周面を複数の断熱管分割体に分割してお
き降温に際して断熱管本体から分離離間せしめることに
より、放熱量を上部および下部における放熱量に接近せ
しめて降温速度を改善し、ひいては降温時間を短縮し生
産能率を向上せしめてなる縦型熱処理炉を提供せんとす
るものである。
(2)発明の構成 [問題点の解決手段] 本発明により提供される問題点の解決は、 「炉蓋本体上に載置された半導体ウェーハを、断熱管装
置で包囲された炉芯管本体の内部空間に対して挿入し、
炉芯管本体の周囲でかつ断熱管装置の内部に配置された
加熱部材によって加熱することにより熱処理を施したの
ち取出す縦型熱処理炉において、断熱管装置が、 (a)炉芯管本体および加熱部材を包囲する断熱管本体
と、 (b)断熱管本体の中央部周面に対して形成された凹所
に対し分離可能に配設された断熱管分割体とを包有して
なることを特等とする縦型熱処理炉」 である。
[作用] 本発明にかかる縦型熱処理炉は、上述の構成を有する
ので、 (i)断熱管装置の中央部における放熱速度を上部およ
び下部における放熱速度に接近せしめる作用 をなし、ひいては (ii)降温時間を短縮する作用 をなし、結果的に (iii)生産能率を改善する作用 をなす。
[実施例] 次に、本発明にかかる縦型熱処理炉について、その好
ましい実施例を挙げ、具体的に説明する。しかしなが
ら、以下に説明する実施例は、本発明の理解を容易化な
いし促進化するために記載されるものであって、本発明
を限定するために記載されるものではない。換言すれ
ば、以下に説明される実施例において開示される各部材
は、本発明の精神ならびに技術的範囲に属する全ての設
計変更ならびに均等物置換を含むものである。
第1図は、本発明にかかる縦型熱処理炉の一実施例を
示すI−I旋にそった断面図であって、断熱管分割体52
A,52Bが断熱管本体51に対して嵌合された状態を示して
いる。
第2図は、第1図実施例のII−II線にそった横断面図
であって、ガス供給管22などが省略されている。
第3図は、第1図実施例の動作状態を示すIII−III線
にそった縦断面図であって、断熱管分割体52A,52Bが断
熱管本体51から分離された状態を示している。
第4図は、第1図実施例の使用状態を示すIV−IV線に
そた断面図であって、ガス供給管22などが省略されてい
る。
まず、第1図ないし第4図を参照しつつ、本発明にか
かる縦型熱処理炉の一実施例について、その構成を詳細
に説明する。
10は、本発明にかかる縦型熱処理炉であって、石英な
どの適宜の材料で形成された炉芯管装置20と、炉芯管装
20の周囲に適宜の間隔を介して所望により配設された
均熱管30と、均熱管30の周囲に配設された加熱部材40
と、加熱部材40の周囲に配設された断熱管装置50と、ス
テンレスなどの適宜の材料で形成されており炉芯管装置
20を炉芯管支持部61によって保持するハウジング60と、
ステンレスなどの適宜の材料によって形成されており炉
芯管支持部61の下面に対して直接に当接される炉蓋本体
71を有する炉蓋装置70とを備えている。
炉芯管装置20は、断熱管装置50の断熱管本体51を貫通
して外部より延長されかつ外周面にそって軸方向に延長
されたのち頂部において内部空間21Bに対し開口された
ガス供給管22と、開口部21Aの近傍に開口されかつ断熱
管装置50の断熱管本体51を貫通して外部へ延長されたガ
ス排出管23とを包有している。ガス供給管22およびガス
排出管23は、ともに、断熱管50の内部に位置する部分
が、なるべく多く石英などの適宜の材料によって形成さ
れることが好ましい。
均熱管30は、たとえば炭化珪素などによって作成され
ており、炉芯管装置20の均熱領域を確保ないし拡張すべ
く炉芯管装置20のほぼ全長を包囲するように配設されて
いる。
加熱部材40は、均熱管30の外方に配設されており、炉
芯管装置20の軸方向にそってなるべく大きな均熱領域を
確保するために適宜に配設されている。
断熱管装置50は、グラスファイバなどの適宜の材料に
よって形成されており、炉芯管装置20,均熱管30および
加熱部材40を全体として包囲しており、中央部周面に凹
所51aを有する断熱管本体51と断熱管本体51の凹所51aに
対して配設されており移動手段53a,53bによって所望に
応じ断熱管本体51から分離離間される断熱管分割体52A,
52Bを包有している。
ハウジング60は、炉芯管本体支持部61の上面によって
炉芯管本体21の開口部21A端面を支持している。炉芯管
支持部61の上面には、配設溝62が形成されており、炉芯
管本体21の開口部21A端面との間のシールを確保するた
めにOリング63が配設されている。
炉蓋装置70は、ハウジング60の炉芯管支持部61の下面
に対して直接に当接されるステンレススチールなどによ
って形成された炉蓋本体71と、炉蓋本体71の下面を支持
しており炉蓋本体71を炉芯管支持部61の下面(ひいては
炉芯管装置20に含まれたの炉芯管本体21の開口部21A端
面)に向けて接近離間せしめる炉蓋移動部材72と、炉蓋
移動部材72の上面凹所に対して配設されており炉蓋本体
71が炉芯管支持部61の下面に対して当接されるとき緩衝
材として機能する弾性部材73と、炉蓋移動部材72の一端
部に対して配設された駆動シャフト74と、炉蓋本体71の
上面に対して形成された配設溝75に対して収容されてお
り炉蓋本体71が炉芯管支持部61の下面に対して当接され
シールを確保するOリング76とを包有している。
更に、第1図ないし第4図を参照しつつ、本発明にか
かる縦型熱処理炉の一実施例について、その作用を詳細
に説明する。
移動手段53a,53bによって断熱管分割体52A,52Bを、矢
印A1,B1で示すごとく移動することにより、断熱管本体5
1の中央部周面に形成された凹所51aから分離離間する。
これにより断熱管本体51の中央部における放熱速度を改
善でき、ひいては断熱管本体51の上部および下部におけ
る放熱速度に接近せしめることができる。したがって本
発明によれば、断熱管本体51の全長にわたりほぼ均等に
放熱を達成でき、ひいては縦型熱処理炉10ひいては炉芯
管本体21の冷却をその全長にわたり均質に促進できる。
このため本発明によれば、加熱部材40を部分的に動作
せしめて均質冷却をはるか必要を回避でき、降温操作を
簡潔化できる。
上述に対し、移動手段53a,53bにより矢印A2,B2方向に
断熱管分割体52A,52Bを移動せしめて断熱管本体51の中
央部周面に形成された凹所51aに対し接近せしめ嵌合す
ることにより、断熱管本体51の中央部における放熱を抑
制でき、縦型熱処理炉10ひいては炉芯管本体21における
熱処理を好適に実行できる。
本発明にかかる縦型熱処理炉の他の作用は、周知の縦
型熱処理炉と実質的に同様であるので、ここでは説明の
都合上、省略する。
加えて、本発明にかかる縦型熱処理炉の一実施例につ
いて、一層理解を深めるために、具体的な数値などを挙
げて説明する。
(実施例) 断熱管分割体52A,52Bを断熱管本体51の中央部周面に
形成された凹所51aから分離離間せしめたところ、加熱
部材40の近傍の温度を1200℃から800℃まで効果せしめ
るために、45分必要であった。
(比較例) 断熱管分割体52A,52Bを断熱管本体51の中央部周面に
形成された凹所51aに対して接近し嵌合せしめた状態と
したところ、加熱部材40の近傍の温度を1200℃から800
℃まで降下せしめるために、100分必要であった。
実施例および比較例を互いに比較すれば明らかなごと
く、本発明にかかる縦型熱処理炉によれば、降温速度を
改善でき、ひいては降温時間を短縮でき、結果的に熱処
理炉の生産性を向上できる。
なお、上述においては、断熱管分割体が2分割体によ
って形成されている場合について説明したが、本発明
は、これに限定されるものではなく、所望により3分割
体あるいは4分割体以上の分割体で形成してもよい。
(3)発明の効果 上述より明らかなように、本発明にかかる縦型熱処理
炉は、 (i)断熱管装置の中央部における放熱速度を上部およ
び下部における放熱速度に接近できる効果 を有し、ひいては (ii)降温時間を短縮できる効果 を有し、結果的に (iii)生産能率を改善できる効果 を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明にかかる縦型熱処理炉の一実施例を示す
I−I線にそった縦断面図、第2図は第1図実施例のII
−II線にそった横断面図、第3図は第1図実施例の動作
状態を示すIII−III線にそった縦断面図、第4図は第1
図実施例の使用状態を示すIV−IV線にそった断面図であ
る。10 ……縦型熱処理炉20 ……炉芯管装置 21……炉芯管本体 21A……開口部 21B……内部空間 22……ガス供給管 23……ガス排出管30 ……均熱管40 ……加熱部材50 ……断熱管装置 51……断熱管本体 51a……凹所 52A,52B……断熱管分割体 53a,53b……移動手段60 ……ハウジング 61……炉芯管支持部 62……配設溝 63……Oリング70 ……炉蓋装置 71……炉蓋本体 72……炉蓋移動部材 73……弾性部材 75……駆動シャフト 76……配設溝 77……Oリング
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F27B 1/00 - 1/28 H01L 21/22,21/31

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炉蓋本体上に載置された半導体ウェーハ
    を、断熱管装置で包囲された炉芯管本体の内部空間に対
    して挿入し、炉芯管本体の周囲でかつ断熱管装置の内部
    に配置された加熱部材によって加熱することにより熱処
    理を施したのち取出す縦型熱処理炉において、断熱管装
    置が、 (a)炉芯管本体および加熱部材を包囲するように断熱
    管本体と、 (b)断熱管本体の中央部周面に対して形成された凹所
    に対し分離可能に配設された断熱管分割体と を包有してなることを特徴とする縦型熱処理炉。
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