JP2868344B2 - 複合金属板の製造方法 - Google Patents
複合金属板の製造方法Info
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- JP2868344B2 JP2868344B2 JP24838791A JP24838791A JP2868344B2 JP 2868344 B2 JP2868344 B2 JP 2868344B2 JP 24838791 A JP24838791 A JP 24838791A JP 24838791 A JP24838791 A JP 24838791A JP 2868344 B2 JP2868344 B2 JP 2868344B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気装置の材料や軽量、
熱伝導性が良いことを生かした用途に適するアルミニウ
ムまたはJIS規格3003などのアルミニウム合金の
板と低炭素鋼板などの普通鋼の鋼板との比較的薄い複合
金属板、すなわちクラッド板を製造する方法に関するも
のである。
熱伝導性が良いことを生かした用途に適するアルミニウ
ムまたはJIS規格3003などのアルミニウム合金の
板と低炭素鋼板などの普通鋼の鋼板との比較的薄い複合
金属板、すなわちクラッド板を製造する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】複合金属板の製造技術は多様なものがあ
り、たとえば製造工程の初めの段階から複合化を行なう
ものとしては鋳込み圧延法と称し、一方の材料を鋳型の
中に吊しておき鋳ぐるみした鋳塊を作る方法がある。ま
た厚さ数百ミリメートルといったスラブの段階で素材を
重ね合わせ周辺を溶接して酸化を防止した上、加熱して
圧延して接合する熱間圧延法と一般に云われている方法
もある。
り、たとえば製造工程の初めの段階から複合化を行なう
ものとしては鋳込み圧延法と称し、一方の材料を鋳型の
中に吊しておき鋳ぐるみした鋳塊を作る方法がある。ま
た厚さ数百ミリメートルといったスラブの段階で素材を
重ね合わせ周辺を溶接して酸化を防止した上、加熱して
圧延して接合する熱間圧延法と一般に云われている方法
もある。
【0003】上記いずれの方法も以降の圧延・焼鈍など
の工程があることが前提になっており、アルミニウムと
鉄のように焼鈍すべき温度が大きく異なる材料の複合化
に適用することは困難である。すなわちアルミニウムの
融点660℃に対し、鉄の一般的な焼鈍温度は700℃
以上である。
の工程があることが前提になっており、アルミニウムと
鉄のように焼鈍すべき温度が大きく異なる材料の複合化
に適用することは困難である。すなわちアルミニウムの
融点660℃に対し、鉄の一般的な焼鈍温度は700℃
以上である。
【0004】また広い範囲の材料の組合せに適用できる
ものとして、火薬が爆発するとき発生する高圧力を利用
する爆着法が知られており、リニアモーターカーのリア
クションプレートなどのアルミニウムと鉄のクラッド材
において実用されている。しかしこの実用例のような厚
板(たとえばアルミニウム5mm厚、鋼板15mm厚)
ではそのまま最終製品とすることができても、薄板では
あとで圧延することを考えねばならず、やはり前述の鋳
込み圧延法等と同様な問題を生ずる。
ものとして、火薬が爆発するとき発生する高圧力を利用
する爆着法が知られており、リニアモーターカーのリア
クションプレートなどのアルミニウムと鉄のクラッド材
において実用されている。しかしこの実用例のような厚
板(たとえばアルミニウム5mm厚、鋼板15mm厚)
ではそのまま最終製品とすることができても、薄板では
あとで圧延することを考えねばならず、やはり前述の鋳
込み圧延法等と同様な問題を生ずる。
【0005】もっぱら薄板のクラッド材に適用される方
法として重ね圧延法といわれるものが知られている。こ
れは冷間または温間で素材の板を重ねて圧延機に送り込
んで圧下し、圧着するものでコイル状に連続的に作られ
るのが普通である。十分な接合が行なわれるためには1
パスでの圧下をできるだけ大きくすることが条件とさ
れ、非鉄金属同士の接合の場合には冷間で行なわれるこ
とが多いが、鋼板については加熱して温間で行なわれる
ことが多い。
法として重ね圧延法といわれるものが知られている。こ
れは冷間または温間で素材の板を重ねて圧延機に送り込
んで圧下し、圧着するものでコイル状に連続的に作られ
るのが普通である。十分な接合が行なわれるためには1
パスでの圧下をできるだけ大きくすることが条件とさ
れ、非鉄金属同士の接合の場合には冷間で行なわれるこ
とが多いが、鋼板については加熱して温間で行なわれる
ことが多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の重ね圧延法にお
いても、その名の示すごとく接合の駆動力は圧延にあ
り、加熱する場合においても熱は補助的役割をするだけ
である。すなわち鋼板などの場合には変形抵抗が大きく
冷間では圧下力が著しく大きくなるので、ある程度加熱
して軟化させ圧下を容易にしようというものである。
いても、その名の示すごとく接合の駆動力は圧延にあ
り、加熱する場合においても熱は補助的役割をするだけ
である。すなわち鋼板などの場合には変形抵抗が大きく
冷間では圧下力が著しく大きくなるので、ある程度加熱
して軟化させ圧下を容易にしようというものである。
【0007】したがって接合された材料は加熱した場合
でも冷間圧延後と同様な結晶粒が伸びて硬化した組織に
なっており、絞り加工等の加工用の用途には軟化のため
焼鈍を行なわねばならない。
でも冷間圧延後と同様な結晶粒が伸びて硬化した組織に
なっており、絞り加工等の加工用の用途には軟化のため
焼鈍を行なわねばならない。
【0008】しかしながらアルミニウムと普通鋼とでは
焼鈍に適した温度が全く異なっており、このような異質
の材料の複合金属板の場合に両方の材料の要求を満足す
るような焼鈍を行なうことは不可能である。このような
こともあってアルミニウムと普通鋼の薄板の複合材はほ
とんど実用化されていないのが現状である。
焼鈍に適した温度が全く異なっており、このような異質
の材料の複合金属板の場合に両方の材料の要求を満足す
るような焼鈍を行なうことは不可能である。このような
こともあってアルミニウムと普通鋼の薄板の複合材はほ
とんど実用化されていないのが現状である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題を解決
するものであって、少なくとも1のアルミニウムまたは
アルミニウム合金の板と少なくとも1の普通鋼の鋼板と
を重ねて接合し複合金属板を製造する方法において、前
記アルミニウムまたはアルミニウム合金の板を常温のま
ままたは常温から450℃以下に酸素濃度3%以下の雰
囲気中で加熱しつつ圧着ロール間に送り込むと共に、普
通鋼の鋼板の温度を600から910℃に酸素濃度3%
以下の雰囲気中で加熱しつつ圧着ロール間に送り込み、
30%以下の圧下率で圧着させることを特徴とする複合
金属板の製造方法である。
するものであって、少なくとも1のアルミニウムまたは
アルミニウム合金の板と少なくとも1の普通鋼の鋼板と
を重ねて接合し複合金属板を製造する方法において、前
記アルミニウムまたはアルミニウム合金の板を常温のま
ままたは常温から450℃以下に酸素濃度3%以下の雰
囲気中で加熱しつつ圧着ロール間に送り込むと共に、普
通鋼の鋼板の温度を600から910℃に酸素濃度3%
以下の雰囲気中で加熱しつつ圧着ロール間に送り込み、
30%以下の圧下率で圧着させることを特徴とする複合
金属板の製造方法である。
【0010】また加熱手段として、圧着すべきアルミニ
ウムまたはアルミニウム合金の板および普通鋼の鋼板の
うち少なくとも普通鋼の鋼板それぞれに1または2以上
の通電ロールを設け、前記通電ロール間に電流を流して
加熱を行なうことも特徴とする。
ウムまたはアルミニウム合金の板および普通鋼の鋼板の
うち少なくとも普通鋼の鋼板それぞれに1または2以上
の通電ロールを設け、前記通電ロール間に電流を流して
加熱を行なうことも特徴とする。
【0011】
【作用】本発明においては、複合金属板の素材となる金
属板を加熱して重ね合わせて圧着ロール間に送り込み接
合する。この際の加熱温度としてアルミニウムまたはア
ルミニウム合金の板については常温のまままたは常温か
ら450℃以下に、普通鋼の鋼板については600から
910℃好ましくはこの範囲でも750℃以上にまで加
熱する。本発明は高温による原子の拡散速度の上昇を接
合の主な駆動力としており、加熱温度は従来のいわゆる
重ね圧延法より高くなっている。上記温度未満では接合
強度が不十分となり、また上記温度を超えると結晶粒が
粗大化したり、鋼板においては組織変態により集合組織
が変わり材質上好ましくなく、また加熱時の強度も低下
し、製造作業も困難になる。
属板を加熱して重ね合わせて圧着ロール間に送り込み接
合する。この際の加熱温度としてアルミニウムまたはア
ルミニウム合金の板については常温のまままたは常温か
ら450℃以下に、普通鋼の鋼板については600から
910℃好ましくはこの範囲でも750℃以上にまで加
熱する。本発明は高温による原子の拡散速度の上昇を接
合の主な駆動力としており、加熱温度は従来のいわゆる
重ね圧延法より高くなっている。上記温度未満では接合
強度が不十分となり、また上記温度を超えると結晶粒が
粗大化したり、鋼板においては組織変態により集合組織
が変わり材質上好ましくなく、また加熱時の強度も低下
し、製造作業も困難になる。
【0012】また、このような高温での加熱をするため
酸化防止手段が必要であり、酸素濃度3%以下の雰囲
気、たとえば窒素ガス雰囲気中で加熱から圧着までの工
程を行なう。このため装置全体を保護雰囲気の室の中に
入れるなどの手段が必要になる。高い圧下率によって接
合面に新生面を生成させ接合を促進させる低温接合法で
は酸化自体が少ないため、酸化の防止はさして重要でな
かったが、本発明の方法では後述のように高温、低圧下
率の接合であり酸化の防止は重要である。雰囲気中酸素
量はできるだけ低いことが望ましいが、実用的限界は3
%であり、これを超えると板の酸化が著しくなる。
酸化防止手段が必要であり、酸素濃度3%以下の雰囲
気、たとえば窒素ガス雰囲気中で加熱から圧着までの工
程を行なう。このため装置全体を保護雰囲気の室の中に
入れるなどの手段が必要になる。高い圧下率によって接
合面に新生面を生成させ接合を促進させる低温接合法で
は酸化自体が少ないため、酸化の防止はさして重要でな
かったが、本発明の方法では後述のように高温、低圧下
率の接合であり酸化の防止は重要である。雰囲気中酸素
量はできるだけ低いことが望ましいが、実用的限界は3
%であり、これを超えると板の酸化が著しくなる。
【0013】一方、圧着ロールによる圧下率は従来の重
ね圧延法より低くなっており、圧下率すなわち素材の板
厚の合計に対する製品板厚との差の比率は30%以下、
好ましくは20%以下の範囲内とする。圧下率を30%
以下とするのは圧下率が高くなると加工組織の形成によ
り材質が悪くなることが多いからである。本発明の方法
としては、加工組織の形成が少ない範囲での圧下に止め
るため20%以下が好ましい。素材の加熱温度が十分高
ければ圧下率は5%以上あれば通常は圧着可能である。
従来アルミニウムの拡散接合等においては、表面の酸
化被膜を除去する目的でブラッシングすることがしばし
ば行なわれてきたが、本発明者等の実験では前記条件内
ではその必要性はなく良好な圧着ができた。
ね圧延法より低くなっており、圧下率すなわち素材の板
厚の合計に対する製品板厚との差の比率は30%以下、
好ましくは20%以下の範囲内とする。圧下率を30%
以下とするのは圧下率が高くなると加工組織の形成によ
り材質が悪くなることが多いからである。本発明の方法
としては、加工組織の形成が少ない範囲での圧下に止め
るため20%以下が好ましい。素材の加熱温度が十分高
ければ圧下率は5%以上あれば通常は圧着可能である。
従来アルミニウムの拡散接合等においては、表面の酸
化被膜を除去する目的でブラッシングすることがしばし
ば行なわれてきたが、本発明者等の実験では前記条件内
ではその必要性はなく良好な圧着ができた。
【0014】上記のような本発明の工程は材質上特に好
ましい影響を与える。すなわち従来の重ね圧延法は圧着
における圧下率が高い一方、加熱しても再結晶温度以下
なので結晶粒は延伸した形になり、加工硬化状態にな
る。したがって曲げたり絞ったりの一般の加工用の用途
にするためには焼鈍して軟化させねばならないが、鋼を
軟化させるに十分な温度にすればアルミニウムについて
は融点を超えてしまう。ところが本発明の通電加熱法に
よれば素材に各板それぞれについて最適の温度に加熱し
接合したまま最終製品にできるからこのような問題がな
い。
ましい影響を与える。すなわち従来の重ね圧延法は圧着
における圧下率が高い一方、加熱しても再結晶温度以下
なので結晶粒は延伸した形になり、加工硬化状態にな
る。したがって曲げたり絞ったりの一般の加工用の用途
にするためには焼鈍して軟化させねばならないが、鋼を
軟化させるに十分な温度にすればアルミニウムについて
は融点を超えてしまう。ところが本発明の通電加熱法に
よれば素材に各板それぞれについて最適の温度に加熱し
接合したまま最終製品にできるからこのような問題がな
い。
【0015】また鉄とアルミニウムのクラッド材におい
ては、接合界面に脆い合金層が生成して加工性を害する
ことが言われているが、本発明の複合金属板ではこのよ
うな問題はみられなかった。その理由は本発明の方法は
鉄とアルミニウムとが接触した後は圧着ロールによって
急激に冷やされ、高温に長時間保持されないことによる
ものと考えられる。
ては、接合界面に脆い合金層が生成して加工性を害する
ことが言われているが、本発明の複合金属板ではこのよ
うな問題はみられなかった。その理由は本発明の方法は
鉄とアルミニウムとが接触した後は圧着ロールによって
急激に冷やされ、高温に長時間保持されないことによる
ものと考えられる。
【0016】本発明の方法を実施するための装置として
は加熱手段に関して種々のものが考えられるが、本発明
者等が先に開発した通電加熱による方法が特に適してい
る(特開平2−307687号)。これは複数の金属板
それぞれに1または2以上の通電ロールを設け、この通
電ロール間に電流を流しつつ複数の金属板が重なるよう
に圧着ロール間に連続的に送り込んで複合金属板を製造
する方法である。 すなわち図1に示すように素材の金
属板1には2個の通電ロール11、14、金属板2には
1つの通電ロール12が設けられ、それぞれの通電ロー
ル間に電源21、23を接続して電流を流しつつ、素材
の金属板が重なるように圧着ロール4間に送り込むこと
により複合金属板5が製造される。
は加熱手段に関して種々のものが考えられるが、本発明
者等が先に開発した通電加熱による方法が特に適してい
る(特開平2−307687号)。これは複数の金属板
それぞれに1または2以上の通電ロールを設け、この通
電ロール間に電流を流しつつ複数の金属板が重なるよう
に圧着ロール間に連続的に送り込んで複合金属板を製造
する方法である。 すなわち図1に示すように素材の金
属板1には2個の通電ロール11、14、金属板2には
1つの通電ロール12が設けられ、それぞれの通電ロー
ル間に電源21、23を接続して電流を流しつつ、素材
の金属板が重なるように圧着ロール4間に送り込むこと
により複合金属板5が製造される。
【0017】電源は低周波の交流電源、直流電源等いず
れも使用できる。電源21の電流は一方の通電ロール1
1から一方の素材の金属板1を通り、圧着ロール4の部
分を経て他方の素材の金属板2を通り他方の通電ロール
12に至る。すなわち各素材の金属板1、2における電
流値は同一である。たとえば素材の金属板1が鋼板、2
がアルミニウム板であるとすると、アルミニウム板の方
が鋼板に比べて特に薄い場合でない限り、鋼板の方が電
気抵抗が高い。このため同じ電流値では鋼板の方がより
強く加熱される。必要温度は鋼板の方が高いので都合が
よいが、それでもなお鋼板の加熱が不足することが多い
ので、補助加熱用の通電ロール14を設け、電源23に
より電流を流して加熱を補助する。この加熱方法では素
材の金属板は絶えず昇温するので、本発明でいう加熱温
度は圧着ロール直前における温度ということになる。
れも使用できる。電源21の電流は一方の通電ロール1
1から一方の素材の金属板1を通り、圧着ロール4の部
分を経て他方の素材の金属板2を通り他方の通電ロール
12に至る。すなわち各素材の金属板1、2における電
流値は同一である。たとえば素材の金属板1が鋼板、2
がアルミニウム板であるとすると、アルミニウム板の方
が鋼板に比べて特に薄い場合でない限り、鋼板の方が電
気抵抗が高い。このため同じ電流値では鋼板の方がより
強く加熱される。必要温度は鋼板の方が高いので都合が
よいが、それでもなお鋼板の加熱が不足することが多い
ので、補助加熱用の通電ロール14を設け、電源23に
より電流を流して加熱を補助する。この加熱方法では素
材の金属板は絶えず昇温するので、本発明でいう加熱温
度は圧着ロール直前における温度ということになる。
【0018】この加熱方法は電源として商用周波数のも
ので済むので高周波加熱などに比べて電気設備の費用が
著しく安いと共に温度調節が容易で、板幅方向の温度分
布の均一性も良く、本発明の方法に適用するのに好適で
ある。
ので済むので高周波加熱などに比べて電気設備の費用が
著しく安いと共に温度調節が容易で、板幅方向の温度分
布の均一性も良く、本発明の方法に適用するのに好適で
ある。
【0019】図2は中心を鋼板、表、裏面をアルミニウ
ム板として3枚重ねて複合金属板を製造する場合を示し
ているが、アルミニウム板2と鋼板1を通電ロール1
1、12間で電源21により加熱し、アルミニウム板3
と鋼板1を通電ロール13、12間で電源22により通
電して加熱する。この場合2つの電源21、22の電流
の和が鋼板1に流れるよう電源21、22の位相を定め
る。さらに鋼板1の方を補助加熱するために補助加熱用
の通電ロール16を設け、電源25により電流を流すよ
うにしている。
ム板として3枚重ねて複合金属板を製造する場合を示し
ているが、アルミニウム板2と鋼板1を通電ロール1
1、12間で電源21により加熱し、アルミニウム板3
と鋼板1を通電ロール13、12間で電源22により通
電して加熱する。この場合2つの電源21、22の電流
の和が鋼板1に流れるよう電源21、22の位相を定め
る。さらに鋼板1の方を補助加熱するために補助加熱用
の通電ロール16を設け、電源25により電流を流すよ
うにしている。
【0020】図3は中心をアルミニウム板、表、裏面を
鋼板として3枚重ねて複合金属板を製造する場合を示
す。この例ではアルミニウム板2は加熱しない場合を示
しており、表、裏の鋼板1と6を通電ロール11、13
間で電源26により通電し、加熱する。さらに補助加熱
用の通電ロール14、15を設け電源23、24により
加熱しているが、この例では表、裏の鋼板1、6の厚さ
が同じなら必ずしも必要ではない。
鋼板として3枚重ねて複合金属板を製造する場合を示
す。この例ではアルミニウム板2は加熱しない場合を示
しており、表、裏の鋼板1と6を通電ロール11、13
間で電源26により通電し、加熱する。さらに補助加熱
用の通電ロール14、15を設け電源23、24により
加熱しているが、この例では表、裏の鋼板1、6の厚さ
が同じなら必ずしも必要ではない。
【0021】
(実施例1)図1に示す装置により厚さ0.4mm、幅
280mmのアルミニウム板と厚さ0.4mm、幅30
0mmの低炭素鋼板(JIS規格SPCE相当)により
2層の複合金属板を製造した。すなわち図1において素
材の金属板2をアルミニウム板、1を低炭素鋼板として
製造を行なった。アルミニウム板の加熱温度は200
℃、鋼板の加熱温度は800℃で酸素濃度0.1%以下
の窒素雰囲気中で加熱から圧着まで行なった。圧着ロー
ルでの圧下率は10%である。 製品の特性を調べたが
90度の曲げ、曲げ戻し試験を行なっても剥離を生じな
かった。また冷間圧延を行なったが、この場合も剥離を
生じなかった。その他ピール強度試験、加工性を調べる
ためのエリクセン試験、深絞り(スウィフトカップ)試
験等を行なったが、表1に示すように良好な特性を示し
た。なおエリクセン試験、深絞り試験はアルミニウム板
の側が絞られた外面になるようにして試験した。
280mmのアルミニウム板と厚さ0.4mm、幅30
0mmの低炭素鋼板(JIS規格SPCE相当)により
2層の複合金属板を製造した。すなわち図1において素
材の金属板2をアルミニウム板、1を低炭素鋼板として
製造を行なった。アルミニウム板の加熱温度は200
℃、鋼板の加熱温度は800℃で酸素濃度0.1%以下
の窒素雰囲気中で加熱から圧着まで行なった。圧着ロー
ルでの圧下率は10%である。 製品の特性を調べたが
90度の曲げ、曲げ戻し試験を行なっても剥離を生じな
かった。また冷間圧延を行なったが、この場合も剥離を
生じなかった。その他ピール強度試験、加工性を調べる
ためのエリクセン試験、深絞り(スウィフトカップ)試
験等を行なったが、表1に示すように良好な特性を示し
た。なおエリクセン試験、深絞り試験はアルミニウム板
の側が絞られた外面になるようにして試験した。
【0022】
【表1】
【0023】(実施例2)図3に示す装置により厚さ
0.4mm,幅300mmの低炭素鋼板を表、裏の表面
の金属板1、6とし、厚さ0.5mm、幅300mmの
アルミニウム板を中心の板2として3層の複合金属板を
製造した。鋼板の加熱温度は800℃でアルミニウムは
常温のままである。加熱雰囲気、圧下率の条件は実施例
1と同じである。表1に示すように製品特性は良好であ
った。
0.4mm,幅300mmの低炭素鋼板を表、裏の表面
の金属板1、6とし、厚さ0.5mm、幅300mmの
アルミニウム板を中心の板2として3層の複合金属板を
製造した。鋼板の加熱温度は800℃でアルミニウムは
常温のままである。加熱雰囲気、圧下率の条件は実施例
1と同じである。表1に示すように製品特性は良好であ
った。
【0024】(比較例1)実施例2に用いたのと同じ素
材の金属板により、低炭素鋼板とアルミニウム板の3層
の複合金属板の製造工程を実施した。装置は実施例2と
同様に図3に示すものを用いたが、鋼板の加熱温度は5
50℃でアルミニウム板は常温のまま、圧下率は実施例
2と同様の10%とした(表1)。加熱中の雰囲気につ
いては実施例2と同様の窒素雰囲気である。結果は良好
な接合はせず、曲げによりすぐはがれた。
材の金属板により、低炭素鋼板とアルミニウム板の3層
の複合金属板の製造工程を実施した。装置は実施例2と
同様に図3に示すものを用いたが、鋼板の加熱温度は5
50℃でアルミニウム板は常温のまま、圧下率は実施例
2と同様の10%とした(表1)。加熱中の雰囲気につ
いては実施例2と同様の窒素雰囲気である。結果は良好
な接合はせず、曲げによりすぐはがれた。
【0025】(比較例2)素材、加熱温度等の条件は比
較例1と同様であるが、圧下率を35%としたものであ
る。製品特性は表1に示すように接合はするものの再結
晶温度以下で加工を受けたため材料が硬化し、加工性は
不良であった。
較例1と同様であるが、圧下率を35%としたものであ
る。製品特性は表1に示すように接合はするものの再結
晶温度以下で加工を受けたため材料が硬化し、加工性は
不良であった。
【0026】
【発明の効果】アルミニウムまたはアルミニウム合金と
普通鋼の鋼板との複合金属板を製造する場合、本発明の
方法によれば、素材の各金属板を十分に加熱した上で少
ない圧下率で圧着するので各素材の本来の特性を損なわ
ず複合化することができる。したがって深絞り加工など
種々の用途に適した複合金属板を製造することができ
る。
普通鋼の鋼板との複合金属板を製造する場合、本発明の
方法によれば、素材の各金属板を十分に加熱した上で少
ない圧下率で圧着するので各素材の本来の特性を損なわ
ず複合化することができる。したがって深絞り加工など
種々の用途に適した複合金属板を製造することができ
る。
【図1】本発明の方法を実施する装置の例を示す概念図
【図2】本発明の方法を実施する装置の例を示す概念図
【図3】本発明の方法を実施する装置の例を示す概念図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B23K 103:20
Claims (2)
- 【請求項1】 少なくとも1のアルミニウムまたはアル
ミニウム合金の板と少なくとも1の普通鋼の鋼板とを重
ねて接合し複合金属板を製造する方法において、前記ア
ルミニウムまたはアルミニウム合金の板を常温のままま
たは常温から450℃以下に酸素濃度3%以下の雰囲気
中で加熱しつつ圧着ロール間に送り込むと共に、普通鋼
の鋼板の温度を600から910℃に酸素濃度3%以下
の雰囲気中で加熱しつつ圧着ロール間に送り込み、30
%以下の圧下率で圧着させることを特徴とする複合金属
板の製造方法。 - 【請求項2】 圧着すべきアルミニウムまたはアルミニ
ウム合金の板および普通鋼の鋼板のうち少なくとも普通
鋼の鋼板それぞれに1または2以上の通電ロールを設
け、前記通電ロール間に電流を流して加熱を行なうこと
を特徴とする請求項1記載の複合金属板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24838791A JP2868344B2 (ja) | 1991-09-03 | 1991-09-03 | 複合金属板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24838791A JP2868344B2 (ja) | 1991-09-03 | 1991-09-03 | 複合金属板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0569161A JPH0569161A (ja) | 1993-03-23 |
JP2868344B2 true JP2868344B2 (ja) | 1999-03-10 |
Family
ID=17177353
Family Applications (1)
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