JP2866547B2 - レーザ装置 - Google Patents

レーザ装置

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JP2866547B2
JP2866547B2 JP5061680A JP6168093A JP2866547B2 JP 2866547 B2 JP2866547 B2 JP 2866547B2 JP 5061680 A JP5061680 A JP 5061680A JP 6168093 A JP6168093 A JP 6168093A JP 2866547 B2 JP2866547 B2 JP 2866547B2
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    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/35Non-linear optics
    • G02F1/355Non-linear optics characterised by the materials used
    • G02F1/361Organic materials
    • G02F1/3613Organic materials containing Sulfur

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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2次の非線形光学効果
を有する有機イオン結晶を非線形光学材料として用いた
波長変換素子を備えたレーザ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、2次の非線形光学材料として大き
な非線形光学特性を示す有機非線形光学材料が盛んに研
究されている。例えば代表的な分子結晶材料としてはM
NA(2−メチル−4−ニトロアニリン)、m−NA
(m−ニトロアニリン)、MAP(メチル−(2、4−
ジニトロフェニル)−アミノプロパネート)、POM
(3−メチル−4−ニトロピリジン−1−オキシド)
(例えば加藤政雄 他監修「有機非線形光学材料」シー
・エム・シー社 1985年刊、またはD.S.Che
mula et al.:”Nonlinear op
tical properties of organ
ic molecules and crystal
s”Vol1,2。Academic Press(1
987)等)、カルコン(特開平3−112982)
等、非常にたくさんの化合物が検討されている。
【0003】また有機イオン結晶としてはL−アルギニ
ンとリン酸との塩のL−アルギニンフォスフェートモノ
ハイドレート(LAP)や、2−アミノ−5−ニトロピ
リジンとリン酸との塩(2A5NPDP)(Z.Kot
ler et al.:J.Opt.Soc.Am.B
Vol.9(1992)534)や2−アミノ−5−
ニトロピリジンと酒石酸との塩(ANPT)(渡辺
他:日本化学学会第62秋季年会(1991)2I0
8)等が知られている。
【0004】さらに有機非線形光学材料として分子結晶
を用いた波長変換素子を含むレーザ装置(S.Duch
arme et al.:Appl.Phys.Let
t.Vol.57 (1990) 537)や Y.K
itaoka et al.:Technical D
igest of Conference on La
sers and Electro−Optics(C
LEO) (1991)CFA8 等)や導波路型波長
変換素子を含むレーザ装置(原田 他:第39回応用物
理学関係連合講演会(1992)29p−ZR−2等)
が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】有機非線形光学材料を
用いた波長変換素子を利用するレーザ装置には以下のよ
うな課題がある。
【0006】有機非線形光学材料として分子結晶を用い
た場合、分子同士が弱いファンデアワールス結合や水素
結合で結合しているため、大きな結晶を成長することが
困難である場合が多い。また結晶が成長できた場合でも
結晶が柔らかいため十分な面精度を持った研磨面が得難
く、散乱成分が増大し基本波の透過率が低くなるため波
長変換素子として十分機能しないという課題がある。
【0007】また、この様な分子結晶の問題点に鑑み、
近年、有機分子に結合強度の大きなイオン性を導入した
有機イオン結晶が検討し始められている。有機イオン結
晶においては、結晶中でファンデアワールス結合や水素
結合より強固なイオン結合が形成されるため、比較的大
型で機械的強度の大きい単結晶を簡単に得ることができ
る。しかし例えばLAPでは非線形光学定数が小さいた
め特に低パワーのレーザ光の変換効率が小さく、半導体
レーザ光の波長変換には適さないという課題がある。さ
らに例えば2A5NPDPやANPTにおいてはLAP
より大きいな非線形光学定数を有しているが、例えば波
長約1μm 帯の近赤外〜赤外光の基本波に対する光吸収
が存在し、波長変換素子に使用した場合、十分な波長変
換効率が得られないという課題がある。
【0008】レーザ装置の波長変換素子として分子結晶
の有機非線形光学材料を用いる場合、結晶が脆弱である
ため良好な結晶端面が得らない。そのため散乱成分が増
大し、基本波の高い光透過率が得られず、高効率な波長
変換素子を備えたレーザ装置を得ることができない。ま
た、例え良好な結晶端面が得られた場合でも、結晶の一
部に集中した基本波光により部分的な温度上昇がおこ
り、温度上昇により、基本波と高調波に対する屈折率が
変化し、位相整合条件(結晶中で基本波と高調波が同じ
位相速度で進む条件)が崩れ、基本波の強度が大きくな
っても変換効率が向上しないという課題がある。この問
題を解決するため、結晶端面に熱伝導率のよいサファイ
ヤ板を張り付け(佐々木 他:光学 第21巻 第5号
(1992) 284)結晶にこもった熱を取り出す事
が提案されている。しかし、結晶内部で発生した熱が熱
伝導の悪い分子結晶を伝わって結晶表面まで到達した後
に初めてサファイヤ板により放熱されるため、放熱には
限界がある。またサファイヤ板は高価である等の課題が
ある。
【0009】有機イオン結晶を用いた場合、有機分子同
士は強固なイオン結合で結びついているため一般に結晶
成長が容易であり、結晶硬度も大きいことが期待でき
る。しかし通常の有機イオン結晶を使用した波長変換素
子を用いたレーザ装置では波長1μm 帯の近赤外〜赤外
域に光吸収があり大きな基本波強度が得られず効率のよ
い波長変換素子を備えたレーザ装置を得ることができな
いという課題がある。
【0010】本発明は有機イオン結晶を用いた高効率な
波長変換素子を備えたレーザ装置を提供する事を目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本発明のレーザ装置は、半導体レーザ、固体レーザ媒
質、光共振器及び波長変換素子を構成要素とするレーザ
装置、又は、半導体レーザ、光共振器及び波長変換素子
を構成要素とするレーザ装置の何れかの装置であって、
前記波長変換素子に用いられる非線形光学材料が、イオ
ン結合性の水素、水素結合性の水素または結晶水の水素
の何れか少なくとも1種が重水素で置換されており、且
つ、芳香環及び金属イオンを含む有機イオン結晶を用い
ることを特徴とする。
【0012】
【0013】また、前記本発明のレーザ装置に於いて
は、非線形光学材料が、ナトリウムp−ニトロフェノラ
ート二水和物結晶の結晶水の水素が重水素で置換された
非線形光学材料であることが好ましい。
【0014】また、前記本発明のレーザ装置に於いて
は、非線形光学材料が、p−ニトロフェノキシ酢酸ナト
リウム一水和物結晶の結晶水の水素が重水素で置換され
た非線形光学材料であることが好ましい。
【0015】また、前記本発明のレーザ装置に於いて
は、非線形光学材料が、5−スルフォサリチル酸ジナト
リウム三水和物結晶の結晶水の水素及び水酸基の水素が
重水素で置換された非線形光学材料であることが好まし
い。
【0016】尚、ここでイオン結合性の水素とはイオン
結合可能な水素であり各種有機、無機酸、無機塩基に含
まれる解離可能な水素であり、水素結合性の水素とは水
素結合可能な水素である。また、一般に分子内に水素原
子を有する化合物は、通常いずれの化合物も天然に存在
する割合で重水素が含まれているが、本発明で言うイオ
ン結合性の水素、水素結合性の水素または結晶水の水素
の何れか少なくとも1種が重水素で置換されたとは、天
然に存在する割合で重水素が含まれている通常の化合物
を意味するものではなく、イオン結合性の水素、水素結
合性の水素または結晶水の水素の何れか少なくとも1種
を、天然で存在する割合より、より多くの割合で重水素
が含まれる様に積極的に上記の水素が重水素で置換され
ている化合物を意味するものである。
【0017】
【作用】本発明のレーザ装置を用いることにより効率の
よい波長変換素子を備えたレーザ装置を提供できる理由
を説明する。
【0018】非線形光学材料として有機イオン結晶を用
いることにより、分子間の結合にイオン結合を導入する
ことが可能となる。そして従来の分子結晶に比べて結晶
成長の容易な、硬度が大きく加工性のよい結晶を得るこ
とができる。その結果、結晶の切断・研磨等の波長変換
素子作製プロセスを高精度で実施する事が可能となる。
そして良好な面精度を持った波長変換素子を実現でき、
散乱等による光の透過率低下を防止することが出来る。
【0019】次に金属イオン、好ましくは解離度の大き
な金属イオンを含む有機イオン結晶を用いることにより (1)アミン塩より強固なイオン結合を導入する事が可
能となる。 (2)結晶の密度を大きくすることが可能となる。 また、材料の熱伝導率kは k=Cp・α・ρ ここにCp:比熱 (J・g-1・K-1) α :熱拡散率 (m2 ・sec-1) ρ :密度 (g・m-3) である。従って熱伝導率は、密度が大きいほどまた結晶
が堅くて熱拡散率が大きいほど、大きくなる。従って金
属イオンを含む有機イオン結晶において比較的良好な熱
伝導を有する波長変換用素子を実現できる。さらに、 (3)アミン塩の場合にしばしば問題となるアミンの劣
化(酸化等によると考えられる)による着色の問題(例
えば佐々木孝友 他:日本結晶成長学会誌Vol.16
(1989) 34)などの欠点がない等の特徴を有
する。
【0020】また芳香環を有することにより芳香環のπ
電子による大きな非線形光学特性を発現する事が可能と
なる。有機イオン結晶のイオン結合性の水素、水素結合
性の水素、結晶水の水素の少なくとも1種を重水素化し
た材料を波長変換素子として利用する事により、波長変
換素子の加工精度が向上するとともに、波長1μm 帯
(特に波長0.7μm 〜1.1μm 程度)の基本波の透
過率を大きくすることが可能となり、高効率波長変換素
子を備えたレーザ装置が実現出来る。なお、本発明の非
線形光学材料中の重水素置換する水素(有機イオン結晶
のイオン結合性の水素、水素結合性の水素、結晶水の水
素)としては例えば水酸基の水素、カルボキシル基の水
素、スルフォン酸基の水素またはニトロ基、あるいはケ
トン基等の電子吸引基の隣の炭素に結合した水素など、
いわゆる解離しやすい活性水素のことである。
【0021】有機イオン結晶中にはイオン結合性の水
素、水素結合性の水素、結晶水の水素の他にも炭素原子
に直接共有結合した水素が存在する。しかし炭素原子に
直接共有結合した水素が波長1μm 帯、特に半導体レー
ザ、半導体レーザ励起のNd:YAGレーザや半導体レ
ーザ励起のNd:YVO4 レーザの発振波長である0.
7μm 〜1.1μm 帯、の光吸収に与える影響は、前記
解離可能な活性水素よりはるかに小さい。
【0022】解離可能な活性水素は比較的大きな変位の
分子振動や分子回転をしている。従って、これらの分子
振動による赤外光吸収は特定の赤外波長で現われるので
はなく比較的広い波長範囲にわたって現われる。そして
この基本モードの高次のモードによる光吸収が波長0.
7μm 〜1.1μm 帯の広い波長範囲にわたって現れや
すいので、解離可能な水素による基本波の光吸収が共有
結合で炭素原子等に結合している水素より特に大きくな
る。さらに炭素原子等に直接共有結合した水素は重水素
を含む溶媒から再結晶するだけでは重水素に置換でき
ず、非線形光学化合物を重水素原料から新規に合成する
必要があるため著しく高価なものとなってしまう。従っ
て解離可能な水素を重水素に置換する事により、効率よ
くしかも安価に0.7μm 〜1.1μm 帯の光吸収を低
減できる。
【0023】
【0024】また、前記本発明のレーザ装置に於いて、
非線形光学材料が、ナトリウムp−ニトロフェノラート
二水和物結晶の結晶水の水素が重水素で置換された非線
形光学材料である好ましい態様とすることにより、ナト
リウムp−ニトロフェノラート二水和物は吸収端波長5
15nmでかつ比較的大きな非線形光学定数を持ち大型
の光学的均一性に優れた結晶を短期間に成長することが
可能である。さらに結晶水の水素を重水素に置換するこ
とにより波長1μm 帯の近赤外〜赤外での光透過率を改
善することができる。従って低パワーの半導体レーザ励
起Nd:YAGレーザ光やNd:YVO4 レーザ光の波
長変換に適した材料となる。
【0025】また、前記本発明のレーザ装置に於いて、
非線形光学材料が、p−ニトロフェノキシ酢酸ナトリウ
ム一水和物結晶の結晶水の水素が重水素で置換された非
線形光学材料である好ましい態様とすることにより、p
−ニトロフェノキシ酢酸ナトリウム一水和物結晶の結晶
水の水素が重水素で置換された有機イオン結晶は吸収端
波長が約410nmと比較的短波長である。従って波長
840nm帯のAlGaAs系の半導体レーザや波長9
80nm帯のInGaAs系歪超格子構造を用いた半導
体レーザの2次高調波を吸収する事なく波長変換素子用
の結晶として有効である。さらに結晶水の水素を重水素
に置換することにより波長0.7μm 〜1.1μm帯の
近赤外〜赤外での光透過率を改善することができる。
【0026】また、前記本発明のレーザ装置に於いて、
非線形光学材料が、5−スルフォサリチル酸ジナトリウ
ム三水和物結晶の結晶水の水素及び水酸基の水素が重水
素で置換された非線形光学材料である好ましい態様とす
ることにより、5−スルフォサリチル酸ジナトリウム三
水和物結晶の結晶水の水素及び水酸基の水素が重水素で
置換された有機イオン結晶は吸収端波長が約370nm
であり、より短波長の第2次高調波発生に有効である。
【0027】
【実施例】以下実施例を用いて本発明を説明する。有機
イオン結晶ではイオン結合性の水素、水素結合性の水
素、あるいは結晶水の水素が一般に通常の分子結晶より
多く存在する。これらの水素は、分子振動や回転等によ
り2μm 以上の波長域に強い赤外吸収を起こす。この分
子振動や回転等の高次モードよる赤外吸収が、波長変換
に利用する1μm 帯の近赤外〜赤外光の波長と一致する
ため通常の有機イオン結晶を波長変換素子に利用しても
基本波光の透過率が大きくならず、その結果高効率な波
長変換素子を備えたレーザ装置を実現できない。これら
イオン結合性の水素、水素結合性の水素、結晶水は共有
合している水素とは異なり重水(D2 O)、重メタノ
ール(CH3 OD)、重エタノール(C2 5 OD)、
重アセトン(CD3 COCD3 )、等の水素結合性の重
水素、またはケトン基あるいはニトロ基のとなりの炭素
に結合した解離可能な重水素を含む溶媒中で再結晶を繰
り返すことで簡単に重水素と置換できる。
【0028】非線形光学材料としては2次の非線形光学
効果を示し、芳香環及び金属イオンを含む有機イオン結
晶であり、イオン結合性の水素、水素結合性水素、また
は結晶水の水素の少なくとも1種を重水素で置換した材
料である。金属イオン、好ましくは解離度の大きな金属
(イオン化エネルギーの小さな金属)イオンを含む有機
イオン結晶を用いることにより(1)アミン塩より強固
なイオン結合を導入する事が可能となり、さらに(2)
結晶の密度を大きくすることが可能となり、比較的良好
な熱伝導を有する波長変換用素子を作製できる。
【0029】解離度の大きな金属イオンとしてはアルカ
リ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、貴土類金属イ
オンなどが望ましい。また結晶密度を大きくするために
は鉛イオン、ビスマスイオン、貴土類金属イオン等が望
ましい。従って波長変換用素子にレーザ光を集光して
も、それによる温度上昇が小さく、素子の温度変化によ
る位相整合のずれ、変換効率の低下等の問題が起こりに
くい。
【0030】また芳香環を有する非線形光学材料を用い
ることにより芳香環のπ電子による大きな非線形光学特
性を利用する事が可能となる。ここで適度の非線形光学
定数の大きさと発生する高調波の波長より小さな吸収端
波長を有した材料を得るため、芳香環としてはベンゼン
環、フラン環、オキサゾール環等の単環で共役長が短い
ものがよく、強すぎない適当な強度の電子ドナー性置換
基と電子アクセプター性置換基を有していることが望ま
しい。
【0031】非線形光学材料としてより望ましくはナト
リウムp−ニトロフェノラート二水和物(化1)の結晶
水の水素を重水素化した有機イオン結晶、p−ニトロフ
ェノキシ酢酸ナトリウム一水和物(化2)結晶の結晶水
の水素が重水素で置換された有機イオン結晶または5−
スルフォサリチル酸ジナトリウム三水和物(化3)結晶
の結晶水及び水酸基の水素が重水素で置換された有機イ
オン結晶である。
【0032】
【化1】
【0033】
【化2】
【0034】
【化3】
【0035】有機イオン結晶の結晶水の水素を重水素に
置換するには、これらの有機イオン結晶を、例えば、重
水中で再結晶する事で可能である。重水置換率の向上の
ためには、これらの有機イオン結晶を加熱および/また
は真空下に放置して結晶水をできるだけ取り除いた後、
重水で数回再結晶する事により重水置換率を向上する事
が出来る。加熱温度は真空度や有機イオン結晶の種類に
よって異なるので一概に規定できないが、例えば、特に
限定するものではないが100℃以上が好ましく、その
化合物の分解温度以下で行う。真空としては特に限定は
なく、真空度が高ければ高い程結晶水が効率良く除去さ
れる。通常は、容易に入手できる真空装置の能力上から
は10-6Torr程度までの真空が用いられる。
【0036】波長変換素子の作製のためは上記有機イオ
ン結晶の結晶を成長し、位相整合方向に切断する。次に
光の散乱や反射を防ぐため研磨及びコーティングを行な
う。有機イオン結晶は通常の分子結晶比べて比較的硬い
ため切断や研磨を容易に行なうことができる。コーティ
ングは特に限定するものではなが例えばSiO2 ,Ti
2 ,MgF2 等の誘電体膜の多層コートが通常用いら
れる。直接コーティング処理を行なう代わりに基本波及
び高調波が透過し易いように無反射コートした光学ガラ
スをマッチング液や樹脂を介して接着してもよい。これ
らのマッチング液や樹脂としては屈折率が本発明の非線
形光学材料に近いものから選択すればよく、例えばマッ
チング液としては1−ブロモナフタレンが、樹脂として
はエポキシ系の樹脂等が用いられる。
【0037】この様に作成した素子を、半導体レーザと
固体レーザ媒質と光共振器と波長変換素子を構成要素と
するレーザ装置(内部共振器型)、又は半導体レーザと
光共振器と波長変換素子を構成要素とするレーザ装置
(外部共振器型)において、前記波長変換素子を用いる
ことにより高効率な波長変換素子を備えたレーザ装置と
なる。この時、通常の分子結晶を用いた場合問題となる
熱の問題を解決することが可能である。これは有機イオ
ン結晶、特に解離度の大きな金属(イオン化エネルギー
の小さな金属)イオンを含む有機イオン結晶、では分子
間が強固なイオン結合で結合しているため結晶の硬度が
大きくなること、イオン結晶中の金属イオンにより結晶
密度が大きくなること、の2つの効果により熱伝導が分
子結晶より大きくなるためである。通常の分子結晶を波
長変換素子として用いた場合、結晶の一部に集光した基
本波により部分的な温度上昇がおこり位相整合条件(結
晶中で基本波と高調波が同じ位相速度で進む条件)が崩
れる。そのため基本波の強度が大きくなっても変換効率
が向上しないという問題を金属イオンを含む有機イオン
結晶用いることにより回避する事が出来、その結果高効
率な波長変換素子を備えたレーザ装置となる。
【0038】以下具体的実施例を用いてさらに詳細に説
明する。 実施例1 ナトリウムp−ニトロフェノラート二水和物として東京
化成工業(株)製試薬(4−ニトロフェノールナトリウ
ム二水和物として販売されているもの)をメタノールに
より再結晶精製を3回繰り返し単結晶を得た。これを試
料1とする。この試料1についての熱重量測定を行っ
た。昇温速度は10℃/分で、室温から600℃まで測
定した。温度約100℃から約170℃の範囲で全重量
の18.5%が失われた。これは結晶に対する結晶水の
重量比18.3%とよく一致することから、この温度範
囲で結晶中の結晶水がすべて失われたと考えられる。
【0039】試料1を30.0g、メノウ乳鉢を用いよ
く粉砕した後、ナス型フラスコに入れ、結晶水を取り除
くため、約200℃の油浴を用いて加熱した。加熱は試
料をかき混ぜながら行った。試料の結晶水が失われ、色
が黄色から赤色に変わりきった時点から約30分後、ナ
ス型フラスコ内の口に三方コックを取り付け、空気を1
-3Torrの真空に排気した。その間、約200℃の
油浴による加熱は続けられ、結晶水をほとんど取り除い
た。
【0040】その後、空気の排気を続けながら、試料を
室温下で放冷した。試料が室温付近まで冷却された後、
ナス型フラスコ内に窒素ガスを導入し約1気圧に保っ
た。その後、試料を約40℃に保ち、三方コックの一方
から窒素ガスを吹き込みながら、もう一方から注射器を
用いて重水(D2 O)を少しずつ加えていった。270
ml加えたところ、試料は完全に溶解し、オレンジ色の
溶液となった。その間試料溶液は約40℃に保った。そ
の後、フラスコを空気が入らないように密栓し、溶液を
冷却した。十分冷却したところ、黄色の結晶が析出し
た。この再結晶操作は、試料1の結晶水の水素原子を重
水素原子と置きかえるために行なったものである。結晶
を風乾し試料2とし、重量を測定したところ、28.2
gであった。
【0041】なお、NMRスペクトル(核磁気共鳴スペ
クトル)の測定より、結晶水の水素が重水素への置換率
は96%であった。試料2の粉末に対して、ジャーナル
オブ アプライド フィジックス39(1968年)
第3798頁に記載されている、クルツ(Kurtz)
の方法にしたがって、粉末法によって第2次高調波発生
(SHG)を測定した。試料はメノウ乳鉢により粉砕し
て用い、光源にはNd:YAGレーザー(波長1064
nm)を用いた。SHG強度は、尿素の値の約10倍と
なり、優れた非線形光学特性が観測された。
【0042】次に試料2を11.5g、メタノール−d
(CH3 OD)60ccに40℃で溶解し飽和溶液を調
製した。この飽和溶液より温度降下法により結晶育成を
行なった。育成開始温度は40℃で1日に1℃〜2℃ず
つ徐冷した。約10日間で15mm×10mm×7mm
の大きな光学的に良好な結晶(試料3)が得られた。な
お、育成中、結晶を含んだ溶液は、空気中の水分子の影
響を避けるため、窒素雰囲気下に保った。
【0043】試料3のビッカース硬度を測定したとこ
ろ、34という大きな値であった。この値は、例えば代
表的な非線形光学特性を有する分子結晶2−(N−プロ
リノール)−5−ニトロピリジン(PNP)結晶のビッ
カース硬度16の約2倍、尿素結晶のビッカース硬度9
の3倍以上である。また試料3の吸収端波長は、分光光
度計を用い透過法により測定した結果、約515nmで
あった。
【0044】なお、本実施例の結晶育成は温度降下法に
よったが、溶媒蒸発法すなわち、結晶を溶解した溶液の
溶媒をゆっくりと蒸発させて、結晶を析出、成長させる
方法を用いてもよい。
【0045】図1を用いて本発明によるレーザ装置の説
明を行なう。図1は本発明のレーザ装置の概略を示す図
であり、10は半導体レーザ、11は半導体レーザ光を
集光するためのレンズ系、12はNd:YAG結晶、1
3は光波長変換素子、14は出力ミラー、16は第2次
高調波を示す。本実施例ではNd:YAG結晶12の半
導体レーザ側端面とミラー14の凹面との間で光共振器
15が構成されている。前記光波長変換素子13は、波
長1064nmと532nmの両方の波長の光が透過し
やすいように無反射コートした光学ガラスをマッチング
液(この場合は1−ブロモナフタレン)または樹脂(例
えばエポキシ系樹脂)を介して本発明のナトリウムp−
ニトロフェノラート二水和物の結晶水の水素を重水で置
換した結晶(試料3より位相整合方向に切り出した結
晶、厚み1〜5mm)に張り付けた構成の波長変換素子
を用いた。
【0046】なお、ミラー14の表面は波長1064n
mの基本波は反射、波長変換された532nmの光は透
過する事ができる誘電体多層膜が形成されている。また
Nd:YAG結晶12の端面(レンズ系11側の面)に
は、10の半導体レーザからの励起光(808nm)の
光を透過し、波長1064nm及び第2次高調波の波長
532nmの光は反射する誘電体多層膜が形成されてい
る。半導体レーザ(波長808nm,出力1W)10を
用いてNd:YAG結晶11を励起し、波長1064n
mのレーザ光を発振させる。この時光共振器内では強力
な基本波が光共振器内に励起されるため効率よく波長変
換される。すなわち、波長1064nmのレーザ光は、
光波長変換素子13を通過することによりその一部が波
長変換され、532nmの第2次高調波を発生する。こ
れらのレーザ光はミラー14に到達し、波長変換されて
いない波長1064nmのレーザ光はミラー14の表面
で反射されて光波長変換素子13を通過し、Nd:YA
G結晶12の端面で反射され再び波長変換素子13を通
過し、波長変換された532nmの第2次高調波はミラ
ー14を通過し第2次高調波16として出力され、まだ
波長変換されていない波長1064nmのレーザ光は再
びミラー14で反射される工程が繰り返され、こうして
何度か光波長変換素子13を通過し、波長変換された5
32nmの第2次高調波が第2次高調波16として出力
される。
【0047】図2に本発明のレーザ装置の出力特性を示
す。図2はナトリウムp−ニトロフェノラート二水和物
の結晶水の水素を重水で置換した結晶を用いた素子(結
晶厚み2.2mm)を利用した場合の結果である。横軸
は励起用半導体レーザパワーを、縦軸は出力ミラー14
から漏れ出た基本波パワーと波長変換されたSH光(第
2次高調波)パワーを示す。基本波パワーは励起用の半
導体レーザパワーに比例しており、SH光パワーは半導
体レーザパワーの2乗にほぼ比例している。さらに半導
体レーザパワー1Wの時、4mWという大きな強度の緑
色のSH光を得た。図2中、21は基本波、22はSH
波の特性曲線を示す。
【0048】なお、本実施例では無反射コートした光学
ガラスとマッチングオイルとして1−ブロモナフタレン
を介して無反射コート層を形成したが、有機結晶に直接
無反射コート出来る材料があれば何れでも適用出来るこ
とは無論である。
【0049】比較例1 第2次高調波発生用結晶としての試料1を用いて成長し
た通常の結晶水(H2O)を含むナトリウムp−ニトロ
フェノラート二水和物結晶を用いた場合のレーザ装置の
出力特性を図3に示す。図3中、31は基本波、32は
SH光の特性曲線を示す。
【0050】励起用半導体レーザパワー1Wの時、1m
WのSH光パワーが得られたのみである。またミラー2
4から漏れ出た基本波パワーを比較すると、通常の結晶
水を含む試料から作成した素子を用いた場合は1.6m
Wであり重水を結晶水とする結晶から作成した試料を用
いた場合の基本波パワーの3.2mWの1/2の強度し
か得られなかった。
【0051】このことは、重水を含むナトリウムp−ニ
トロフェノラート二水和物の場合は基本波の透過率が大
きいため、光共振器内での基本波パワーが通常の水を結
晶水とするナトリウムp−ニトロフェノラート二水和物
の場合に比べて2倍となったことを示している。
【0052】図4にH2 O(42)とD2 O(41)の
光透過スペクトル(石英セル:試料厚み10mm)を示
す。波長1μm 帯(700nm以上)の近赤外〜赤外に
おいてD2 Oの方がH2 Oより透過率が大きく、結晶水
の水素を重水素で置換することにより基本波に対する光
透過率が向上し高効率な波長変換素子を備えたレーザ装
置を実現できたことがわかる。
【0053】比較例2 通常の結晶水を含むナトリウムp−ニトロフェノラート
二水和物結晶を用いた波長変換素子を備えたレーザ装置
と分子結晶である3−メチル−4−ニトロピリジン−1
−オキシド(POM)結晶を用いた波長変換素子を備え
たレーザ装置の出力特性の比較を図5、図6に示す。
【0054】図6は分子結晶であるPOM結晶を用いた
波長変換素子を備えたレーザ装置の出力特性を示したも
のである。図6中、61は基本波、62はSH波の特性
曲線を示す。
【0055】基本波パワーは励起用半導体レーザパワー
に比例しているが、SH光パワーは励起用半導体レーザ
パワー(または基本波パワー)の2乗に比例せず、複雑
な特性を示す。これは以下のように考えることが出来
る。励起用半導体レーザパワーが小さい時に(半導体レ
ーザパワーが50mW〜500mWくらいまで)には結
晶の角度は完全に位相整合角と一致していないので大き
なSH光パワーを得られない。励起用半導体レーザパワ
ーが中程度の時(半導体レーザパワーが500mW〜8
00mWくらいまで)は基本波が素子に集光された結晶
の温度が上昇し位相整合条件が満たされ始めるので比較
的大きなSH光強度が得られる。しかしこの時も熱伝導
の悪い分子結晶を用いているため結晶に温度勾配ができ
かつ温度勾配の大きさが励起用半導体レーザの出力によ
り変化するので、SH光パワーは励起用半導体レーザパ
ワー(または基本波パワー)の2乗には比例しない。さ
らに励起用半導体レーザパワーを大きくした時(半導体
レーザパワーが900mW〜1000mWくらいまで)
は、結晶の温度が上昇し位相整合条件からはずれて来る
ので、基本波パワーが大きくなってもSH光パワーは小
さくなる。さらに励起用半導体レーザパワーが1000
mWの時のSH光のビームパターンには乱れが観測され
結晶内で位相整合条件が部分的崩れていることがわかっ
た。なお、この出力特性は常に再現せず、室温やサンプ
ル毎により違った特性を示した。しかし、いずれの場合
もSH光パワーは基本波パワー(又は励起用半導体レー
ザパワー)の2乗には比例しなかった。
【0056】図5は通常の結晶水を含むナトリウムp−
ニトロフェノラート二水和物結晶を用いた波長変換素子
を備えたレーザ装置の出力特性を示したものである(図
3のスケールを変えて書き直した図)。図5中、51は
基本波、52はSH波の特性曲線を示す。
【0057】基本波パワーは励起用半導体レーザパワー
に比例しており、SH光パワーは励起用半導体レーザパ
ワーの2乗に比例している。これは熱伝導のよい有機イ
オン結晶を波長変換素子として利用しているため結晶内
で発生した熱が速やかに結晶表面に取り出され冷却され
るため結晶の温度上昇が小さく位相整合条件が崩れない
ためである。
【0058】表1に各種非線形光学材料と光学材料の熱
伝導率をレーザフラッシュ法により測定した例を示す。
従来よく知られている分子結晶(m−ニトロアニリン、
尿素、メチル−(2、4−ジニトロフェニル)−アミノ
プロパネート(MAP)、3−メチル−4−ニトロピリ
ジン−1−オキシド(POM))の熱伝導率は0.21
(W・m-1・K-1)〜0.35(W・m-1・K-1)であ
る。有機イオン結晶L−アルギニンフォスフェートモノ
ハイドレート(LAP)は0.59(W・m-1
-1),さらに金属イオンを含む有機イオン結晶(ニト
ロフェノキシ酢酸ナトリウム一水和物結晶、ナトリウム
p−ニトロフェノレート二水和物結晶、スルフォサリチ
ル酸ジナトリウム三水和物結晶)の熱伝導率は0.6〜
0.85(W・m-1・K-1)であり通常の分子結晶の2
から3倍の熱伝導度を示した。また金属イオンを含む有
機イオン結晶のほうがアミン塩結晶(LAP)より大き
な熱伝導率を示すことがわかる。これらの熱伝導率の値
は通常光学素子に使用される光学ガラスのそれと同程度
の値である。この結果は、光共振器中に金属イオンを含
む有機イオン結晶よりなる波長変換素子を配置したとき
熱による効果が観測されなっかたことをよく説明する。
なお、重水素化した有機イオン結晶の熱伝導率は、重水
素化しない通常の有機イオン結晶の熱伝導率とほぼ同じ
値を示した。
【0059】
【表1】
【0060】実施例2 東京化成(株)製のp−ニトロフェノキシ酢酸0.98
6gを55mlに溶解した溶液と水酸化ナトリウム0.
203gをエタノール10mlに溶解した溶液を混合す
ることによって、淡黄色沈澱を得た。この沈澱を取り出
し、自然乾燥させ、試料4を得た。
【0061】試料4のCD3 OD溶液の1 H−NMRス
ペクトル(テトラメチルシランのピークを0ppmとす
る)には、4.5ppmにメチレン基(プロトン数は
2)に基ずくシグナルが、4.8ppmに結晶水分子
(プロトン数は2)に基ずくシグナルが、7.0ppm
にはベンゼン環に結合したo−位の水素(プロトン数は
2)に基ずくシグナルが、8.1ppmにはベンゼン環
に結合したm−位の水素(プロトン数は2)に基ずくシ
グナルが、積分強度比、1:1:1:1で認められるこ
とから、試料4は、p−ニトロフェノキシ酢酸もしくは
その塩と水をモル比1:1で含むと考えられる。
【0062】また試料4および東京化成(株)製のp−
ニトロフェノキシ酢酸の透過法(KBr錠剤法)による
赤外吸収スペクトルをそれぞれ図7、図8に示す。図8
のスペクトルにみられるカルボキシル基に由来する吸収
(1780cm-1、1738cm-1、1708cm-1
それぞれ図8中においてE,F,Gで示した)は図7の
スペクトルにはみられない。さらに図8のスペクトルに
はみられないカルボキシレート基に由来する吸収(16
35cm-1、1609cm-1;それぞれ図7中に於て
A,Bで示した。)が図7のスペクトルにみられる。上
記のNMRの結果も考慮すると、試料4はp−ニトロフ
ェノキシ酢酸塩と水をモル比1:1で含むと考えられ
る。また、この場合塩の陽イオンとしてはナトリウムイ
オンしか考えられない。
【0063】さらに、試料4のDSC(示差走査熱分
析)チャートには、試料を室温から−50℃まで冷却し
ても水の凍結による発熱ピークはみられず、また試料を
−50℃から室温まで加熱した場合も水の融解による吸
熱ピークはみられなかった。このことより試料4に含ま
れる水は自由水ではなく結晶水であることがわかった。
【0064】以上の結果より、試料4はp−ニトロフェ
ノキシ酢酸ナトリウム一水和物である。試料4に対し
て、粉末法によって第2次高調波発生(SHG)を測定
した。試料はメノウ乳鉢により粉末化して用い、光源に
はNd:YAGレーザ(波長1064nm)を用いた。
SHG強度は、尿素の値の約10倍となり、優れた非線
形光学特性が観測された。
【0065】試料4の粉末を水に40℃で溶解し飽和溶
液を調製した。この飽和溶液より温度降下法により結晶
育成を行なった。育成開始温度は40℃で1日に2℃ず
つ徐冷した。約10日間で大きな、例えば、8mm×5
mm×4mmの、結晶が得られた。この結晶を試料5と
した。この結晶の吸収端波長は、分光光度計を用いて透
過法により測定した結果、約410nmであった。
【0066】なお、本実施例の結晶育成は温度降下法に
よったが、溶媒蒸発法を用いてもよい。p−ニトロフェ
ノキシ酢酸ナトリウム一水和物の結晶水の重水化につい
て述べる。
【0067】以下の操作のうち、ナス型フラスコ内を空
気排気下、窒素雰囲気下の状態置くの操作は、空気中の
水分の影響、例えば重水分のHとDの交換反応、を避け
るためにおこなった。
【0068】試料4と同様にして合成された試料を3
0.0g、メノウ鉢を用いてよく粉砕した後、ナス型フ
ラスコに入れ、ナス型フラスコの口に三方コックを取り
付け、ナス型フラスコ内の空気を排気して、室温の窒素
ガスを導入し約1気圧に保った。その後、試料を約50
℃に保ち、三方コックの一方から室温の窒素ガスを吹き
込みながら、もう一方から注射器を用いて重水を少しず
つ加えていった。約60ml加えたところ、試料は完全
に溶解し淡黄色溶液となった。その間試料溶液は約50
℃に保たれた。その後、フラスコに空気が入らないよう
に密栓し、溶液を放冷したところ、淡黄色結晶が析出し
た。析出した結晶を乾燥窒素雰囲気で乾燥した。以上の
重水化の操作を3回繰り返し重水化試料を作製した。こ
の再結晶操作は、試料4の結晶水の水素を重水素に置き
換えるために行ったものである。得られた粉末試料につ
いて粉末法を用いてSHGを測定した。重水化していな
い試料4と同程度の尿素の約10倍のSHG強度を示し
た。
【0069】この試料の粉末を重水に40℃で溶解し飽
和溶液を調整した。結晶成長温度は40℃で1日に0.
2℃〜2℃ずつ徐冷した。約10日間で10mm×4m
m×4mmの結晶を得た。この結晶を試料6とした。得
られた試料の結晶水の重水化率はNMRの測定より91
%であった。またこの結晶の吸収端波長は、分光光度計
を用いて透過法により測定した結果、約410nmであ
った。
【0070】なお実施例1と同様に、真空・加熱により
結晶水を除去した後に重水中で再結晶する事により、少
ない再結晶の回数で結晶水の重水化率を向上出来る。次
に試料5(p−ニトロフェノキシ酢酸ナトリウム一水和
物結晶)、試料6(p−ニトロフェノキシ酢酸ナトリウ
ム一水和物の結晶水を重水で置換した結晶)より波長1
064nmで位相整合する角度に結晶を切り出した。さ
らに実施例1と同様に結晶を研磨し、マッチングオイル
を介して無反射コートした光学ガラスを結晶の両端面に
はりつけて波長変換素子を作製した。これらの波長変換
素子を実施例1と同様の装置の光共振器中に配置してレ
ーザ装置とした。試料6より作製した波長変換素子を用
いた場合、半導体レーザパワー1Wの時4mWという大
きな第2次高調波出力を得た。
【0071】試料5より作製した波長変換素子を用いた
場合、半導体レーザパワー1Wの時0.4mWの第2次
高調波出力を得たのみである。 実施例3 まず実施例2と同様の操作により、試料5(p−ニトロ
フェノキシ酢酸ナトリウム一水和物結晶)、試料6(p
−ニトロフェノキシ酢酸ナトリウム一水和物の結晶水を
重水で置換した結晶)を作製した。次にこれらの試料が
波長980nmで位相整合する事をパルス色素レーザを
用いて確認した。そして試料5、試料6を波長980n
mで位相整合する角度で切り出した。次に実施例1、実
施例2と同様にして波長変換素子を作製した。この時、
無反射コートは波長980nmと波長490nmの両方
の波長の光が透過するように誘電体多層膜をコーティン
グした。
【0072】次に図9を用いて本発明による外部共振器
型の波長変換素子を備えたレーザ装置の説明を行う。基
本波光源としては波長980nmのInGaAs系歪超格子構
造を有した半導体レーザ90を用いた。また光共振器は
2個の凹面ミラー92(92a、92b)及び1個の平
面ミラ−91より構成されるリング共振器となってい
る。ここで凹面ミラー92のうちで入力側のミラー92
a及び平面ミラー91には波長980nm及び490n
mの光が反射する誘電体多層膜のコーティングが施され
ている。また凹面ミラー92のうちで出力側のミラー9
2bには波長980nmの光は反射し490nmの光が
透過する誘電体多層膜のコーティングが施されている。
光波長変換素子93は表面に基本波である波長980n
mの光及び第2次高調波の波長である490nmの光を
を効率よく透過するように無反射コートを施した光学ガ
ラス板をマッチング液等を介して挟み込んである。光源
である半導体レーザ90の波長が2枚の凹面ミラー92
及び平面ミラー91で構成されるリング共振器の共振波
長と一致すると、半導体レーザ90からでた光は、この
光共振器内に閉じこめられるため、共振器内での基本波
(波長980nm)の光強度が増大し効率よく第2次高
調波94(波長490nm)に変換される。すなわち、
光波長変換素子93を通過して、第2次高調波(波長4
90nm)に変換された光は、出力側の凹面ミラー92
bを通過し、第2次高調波94として出力し、第2次高
調波(波長490nm)に変換されなかった基本波(波
長980nm)の光は、出力側の凹面ミラー92bで反
射され、更に平面ミラー91で反射され、次いで凹面ミ
ラー92aで反射されて、再び、光波長変換素子93に
入力される。そして第2次高調波(波長490nm)に
変換された光は、出力側の凹面ミラー92bを通過し
て、第2次高調波94として出力し、第2次高調波(波
長490nm)に変換されなかった基本波(波長980
nm)の光は、再び出力側の凹面ミラー92bで反射さ
れ、前記と同様の操作が繰り返される事により、効率良
く第2次高調波を取り出すことができる。。
【0073】本構成のレーザ装置により基本波パワー1
00mWのとき第2次高調波2mWの出力を得た。また
第2次高調波出力は基本波パワーの2乗に比例してお
り、SH光のビームパターンの乱れも観測されなっか
た。
【0074】重水素化しない試料から作製した波長変換
素子を用いた場合、基本波パワー100mWの時第2次
高調波として0. 5mWの出力を得たのみである。な
お、半導体レーザ光の波長を安定化するため凹面ミラー
92aからの反射戻り光を半導体レーザ90にフィード
バックするする事や、出力ミラー92bから漏れでた基
本波の出力をモニターし半導体レーザの電流を制御する
事により安定した第2次高調波出力を得ることが出来
る。
【0075】さらに、基本波光源として980nmの半
導体レーザ光を用いたが他の波長の半導体レーザ光源、
例えば通常のAlGaAs系半導体レーザ光源、を用い
てもよい。
【0076】実施例4 5−スルフォサリチル酸ジナトリウム三水和物結晶の結
晶水の水素及びイオン結合性(または水素結合性)の水
酸基の水素を重水で置換した結晶を波長変換素子に用い
たレーザ装置について以下に説明する。
【0077】東京化成(株)製5−スルフォサリチル酸
二水和物0.969gを10mlの純水に溶解した。次
に水酸化ナトリウム0.305gを5mlの純水に溶解
した。これら2種類の溶液を混合しさらに5mlの純水
を加え、60℃に加熱・撹拌しながら2時間反応させ
た。この溶液を約10℃で1日放置して5−スルフォサ
リチル酸ジナトリウム三水和物結晶の無色粉末結晶を
0.523g得た(試料7)。この粉末結晶をメノウ鉢
で細かく粉砕し、粉末法によりSHG強度を測定したと
ころ、尿素と同程度のSHG強度を示した。
【0078】次に5−スルフォサリチル酸ジナトリウム
三水和物結晶の結晶水の水素及びイオン結合性(または
水素結合性)の水素である水酸基の水素を重水で置換し
た材料について示す。
【0079】東京化成(株)製5−スルフォサリチル酸
二水和物0.969gを10mlの純水に溶解した。次
に水酸化ナトリウム0.305gを5mlの重水に溶解
した。これら2種類の溶液を混合しさらに5mlの重水
を加え、60℃に加熱・撹拌しながら2時間反応させ
た。この溶液を約10℃で1日放置して5−スルフォサ
リチル酸ジナトリウム三水和物結晶の無色粉末結晶を
0.483g得た。
【0080】次にこの試料を重水で3回再結晶し目的の
5−スルフォサリチル酸ジナトリウム三水和物結晶の重
水素化試料(試料8)とした。試料8の粉末結晶をメノ
ウ鉢で細かく粉砕し、粉末法によりSHG強度を測定し
たところ、尿素と同程度のSHG強度を示した。また1
H−NMRにより結晶水及び5−スルフォサリチル酸の
水酸基の水素の重水素への置換率はともに約92%であ
った。なおこの重水化のプロセスは乾燥窒素を満たした
グローブボックッス中で行ったが、実施例1、実施例2
と同様の方法でもよい。
【0081】次に試料8と同様にして合成された試料3
0.0gをメノウ鉢を用いてよく粉砕した後この粉末を
重水に40℃で溶解し飽和溶液を調整した。結晶成長温
度は40℃で1日に0.2℃〜2℃ずつ徐冷した。約2
0日間で20mm×13mm×33mmの非常に大型の
無色透明の結晶を得た。
【0082】この結晶より波長1064nmに位相整合
する角度に結晶を切り出し、実施例1、実施例2と同様
に波長変換素子を作製した。この波長変換素子を図1と
同様の内部共振器型レーザ装置に組み込んで使用した。
【0083】本実施例では励起用半導体レーザとして波
長808nm,励起出力3Wのものを用いた以外は実施
例1と同様の構成である。励起用半導体レーザパワー3
Wの時2mWのSH光パワーが得られた。この時、SH
光は励起半導体レーザパワー及び基本波パワーの2乗に
比例していた。さらに熱の影響と考えられるビームパタ
ーンの乱れは観測されなっかた。
【0084】試料7と同様にして合成された試料30.
0gを用いて5−スルフォサリチル酸ジナトリウム三水
和物の結晶(大きさ25mm×15mm×40mm)を
20日間で合成した。この結晶より波長1064nmに
位相整合する角度に結晶を切り出し、波長変換素子を作
製した。励起用半導体半導体レーザパワー3Wの時0.
3mWのSH光強度が得られたのみであった。なおこの
時もSH光は励起半導体レーザパワー及び基本波パワー
に比例していた。さらに熱の影響と考えられるビームパ
ターンの乱れは観測されなっかた。
【0085】なお本実施例では第2次高調波発生につい
ての例を示したが、光和周波発生や光差周波発生の場合
でも本発明を用いることが出来る。又実施例では固体レ
ーザ媒質としてNd:YAGを用いたが、他のレーザ、
例えばNd:YVO4 、Ti:Al2 3 、Nd:Li
YF4 、LiNdP4 12、Cr:LiCaAlF6
Cr:LiSrAlF6 等を用いてもよい。
【0086】
【発明の効果】本発明は、効率良く第2次高調波を取り
出すことの出来るレーザ装置を提供できる。
【0087】また、前記本発明のレーザ装置に於いて、
非線形光学材料が、前記非線形光学材料を構成する有機
イオン結晶の結晶水を、加熱下および/または真空下に
放置する事により除去し、次いでイオン結合性の重水
素、水素結合性の重水素または重水の少なくとも1種を
含む溶媒で再結晶させることにより重水素置換された有
機イオン結晶からなる非線形光学材料である好ましい態
様とすることにより、より効率良く第2次高調波を取り
出すことの出来るレーザ装置を提供できる。
【0088】また、前記本発明のレーザ装置に於いて、
非線形光学材料が、ナトリウムp−ニトロフェノラート
二水和物結晶の結晶水の水素が重水素で置換された非線
形光学材料である好ましい態様とすることにより、低パ
ワーの半導体レーザ励起Nd:YAGレーザ光やNd:
YVO4 レーザ光の波長変換にも適した効率良く第2次
高調波を取り出すことの出来るレーザ装置を提供でき
る。
【0089】また、前記本発明のレーザ装置に於いて、
非線形光学材料が、p−ニトロフェノキシ酢酸ナトリウ
ム一水和物結晶の結晶水の水素が重水素で置換された非
線形光学材料である好ましい態様とすることにより、波
長840nm帯のAlGaAs系の半導体レーザや波長
980nm帯のInGaAs系歪超格子構造を用いた半
導体レーザに於いても2次高調波を吸収する事なく効率
良く第2次高調波を取り出すことの出来るレーザ装置を
提供できる。
【0090】また、前記本発明のレーザ装置に於いて、
非線形光学材料が、5−スルフォサリチル酸ジナトリウ
ム三水和物結晶の結晶水の水素及び水酸基の水素が重水
素で置換された非線形光学材料である好ましい態様とす
ることにより、さらに短波長の第2次高調波発生にも有
効で、効率良く第2次高調波を取り出すことの出来るレ
ーザ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のレーザ装置の概略を示す図
である。
【図2】本発明の実施例1におけるレーザ装置の出力特
性を示す図である。
【図3】本発明の比較例1におけるレーザ装置の出力特
性を示す図である。
【図4】H2 OおよびD2 Oの光透過スペクトルを示す
図である。
【図5】本発明の比較例2におけるレーザ装置の出力特
性を示す図である。
【図6】本発明の比較例2におけるレーザ装置の出力特
性を示す図である。
【図7】p−ニトロフェノキシ酢酸ナトリウム一水和物
の赤外吸収スペクトルを示す図である。
【図8】p−ニトロフェノキシ酢酸の赤外吸収スペクト
ルを示す図である。
【図9】本発明の別の一実施例のレーザ装置の概略を示
す図である。
【符号の説明】
13、93 光波長変換素子 11 レンズ系 12 Nd:YAG結晶 14 出力ミラー 15 光共振器 91 平面ミラー 92、92a、92b 凹面ミラー 10、90 半導体レーザ 16、94 第2次高調波 21、31、51、61 基本波 22、32、52、62 SH波
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平4−244391 (32)優先日 平4(1992)9月14日 (33)優先権主張国 日本(JP) (56)参考文献 特開 昭63−13025(JP,A) 第52回応用物理学会学術講演会講演予 稿集10p−T−2(1991) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/35 504 G02F 1/37 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体レーザ、固体レーザ媒質、光共振
    器及び波長変換素子を構成要素とするレーザ装置、又
    は、半導体レーザ、光共振器及び波長変換素子を構成要
    素とするレーザ装置の何れかの装置であって、前記波長
    変換素子に用いられる非線形光学材料が、イオン結合性
    の水素、水素結合性の水素または結晶水の水素の何れか
    少なくとも1種が重水素で置換されており、且つ、芳香
    環及び金属イオンを含む有機イオン結晶を用いることを
    特徴とするレーザ装置。
  2. 【請求項2】 非線形光学材料が、ナトリウムp−ニト
    ロフェノラート二水和物結晶の結晶水の水素が重水素で
    置換された非線形光学材料である請求項1に記載のレー
    ザ装置。
  3. 【請求項3】 非線形光学材料が、p−ニトロフェノキ
    シ酢酸ナトリウム一水和物結晶の結晶水の水素が重水素
    で置換された非線形光学材料である請求項1に記載のレ
    ーザ装置。
  4. 【請求項4】 非線形光学材料が、5−スルフォサリチ
    ル酸ジナトリウム三水和物結晶の結晶水の水素及び水酸
    基の水素が重水素で置換された非線形光学材料である請
    求項1に記載のレーザ装置。
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