JP2724641B2 - 分子性結晶およびそれを用いた光波長の変換方法 - Google Patents

分子性結晶およびそれを用いた光波長の変換方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は非線形光学材料として有
用な分子性結晶に関する。また、分子性結晶を非線形光
学材料として用いた光波長の変換方法および光波長変換
モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、非線形光学材料−レーザー光のよ
うな強い光電界を与えたときに現われる、分極と電界と
の間の非線形性−を有した材料が注目を集めている。か
かる材料は、一般に非線形光学材料として知られてお
り、例えば次のものなどに詳しく記載されている。“ノ
ンリニア・オプティカル・プロパティーズ・オブ・オー
ガニック・アンド・ポリメリック・マテリアル”エー・
シー・エス・シンポジウム・シリーズ233 デビット
・ジェイ・ウイリアムス編(アメリカ化学協会1983
年刊)「“Nonlinear Optical Properties of Organic
and Polymeric Material” ACS SYMPOSIUM SERIES 23
3David J. Williams 編 (American Chemical Society,
1983年刊)」、「有機非線形光学材料」加藤正雄、
中西八郎監修(シー・エム・シー社、1985年刊、
“ノンリニア・オプティカル・プロパティーズ・オブ・
オーガニック・モレキュールズ・アンド・クリスタル
ズ”第1巻および第2巻、ディー・エス・シュムラおよ
びジェイ・ジス編(アカデミック・プレス社1987年
刊)「"Nonlinear Optical Properties of Organic Mol
ecules and Crystals" vol 1および2 D.S.Chemla an
d J.Zyss編(Academic Press社刊)。
【0003】非線形光学材料の用途の1つに、2次の非
線形効果に基づいた第2高調波発生(SHG)および和
周波、差周波を用いた波長変換デバイスがある。これま
で実用上用いられているものは、ニオブ酸リチウムに代
表される無機質のペロブスカイト類である。しかし最近
になり、電子供与基および電子吸引基を有するπ電子共
役系有機化合物は前述の無機質を大きく上回る、非線形
光学材料としての諸性能を有していることが知られるよ
うになった。より高性能の非線形光学材料の形成には、
分子状態での非線形感受率の高い化合物を、反転対称性
を生じない様に配列させる必要がある。このうちの一つ
である高い非線形感受率の発現にはπ電子共役鎖の長い
化合物が有用であることが知られており、前述の文献に
も種々記載されているが、それらの化合物においては自
明の如く吸収極大波長が長波長化し、例えば青色光の透
過率の低下を招き、第二高調波としての青色光の発生に
障害となる。このことは、p−ニトロアニリン誘導体に
おいても生じており、第二高調波発生の効率にその波長
の透過率の影響が大きいことは、アライン・アゼマ他
著、プロシーディングス・オブ・エスピーアイイー、4
00巻、ニュー・オプティカル・マテリアルズ(Alain
Azems 他著、Proceedings of SPIE 、400巻、Now Op
tical Materials), (1983)186頁第4図より明
らかである。
【0004】従って青色光に対する透過率の高い非線形
光学材料の出現が望まれている。従来、ニトロアニリン
のベンゼン核の炭素原子を窒素原子などで置き換えるこ
とが検討されて来たが必ずしも満足のいく結果は得られ
ていない。また、本出願人はより優れた方法について、
特開昭62−210430号および特開昭62−210
432号公報にて開示した。更に、特開昭62−599
34号、特開昭63−23136号、特開昭63−26
638号、特公昭63−31768号、特開昭63−1
63827号、特開昭63−146025号、特開昭6
3−85526号、特開昭63−239427号、特開
平1−100521号、特開昭64−56425号、特
開平1−102529号、特開平1−102530号、
特開平1−237625号、特開平1−207724号
公報などに多くの材料が開示されている。しかしなが
ら、先に述べたように2次の非線形光学材料として有用
であるためには、分子状態での性能のみでは不十分であ
り、集合状態での分子配列に反転対称性の無いことが必
須である。しかるに現状では分子配列を予想することは
極めて困難であり、また全有機化合物中での存在確率も
高いのではない。
【0005】また、波長変換のための素子として用いる
場合には、結晶中での分子の配列を十分考慮する必要が
あるものの、上記のものの多くはその点の考慮が必ずし
も十分にされていない。更に、現在に至るまで有機非線
形光学材料を用いた波長変換素子が商品として世に出現
していない。この理由としては、例えば下記のことが考
えられる。まず第一に大部分の化合物において、粉末法
SHGの評価のみ頼っており、単結晶における分子配列
と入射基本波および出射変換波の偏光方向や角度との関
係について考慮されていない。また上記のような非線形
光学材料を用いてファイバー型の光波長変換素子を形成
する場合、各材料の最大の非線形光学定数を利用し得る
方向に結晶が配向しないので、結局その光波長変換素子
の波長変換効率はさほど高くないものとなってしまう。
また光波長変換素子の波長変換効率は素子が長いほど高
くなるが、上述のような材料は均一な単結晶を得るのが
難しく、そのため長い光波長変換素子を作成するのには
不向きであるという問題もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の第一の
目的は、青色光透過性に優れ且つ反転対称性のない波長
変換素子に適した分子配列を有する分子性結晶を提供す
ることである。第二の目的は、非線形応答性のうち光波
長の変換に関する応答性を利用した方法を提供すること
にある。第三の目的は、波長変換効率が高く、そして青
色領域の第2高調波も容易に得ることができる光波長変
換モジュールを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、下記の式(1)で表わされる分子によっ
て構成されることを特徴とする分子性結晶により、本発
明の目的が達成可能なことを見出した。 式(1)
【0008】
【化2】
【0009】式(1)の化合物は一般的には下記の方法
にて合成可能である。すなわち、1H−1,2,4−ト
リアゾールと4−フルオロアセトフェノンとの反応によ
って得ることができる。溶媒としては、n−ヘキサンの
ような炭化水素、テトラヒドロフラン、1,2−ジメト
キシエタンのようなエーテル、N,N−ジメチルホルム
アミド、N−メチルピロリドンのようなアミド、ジメチ
ルスルホキシド、スルホランのような含硫黄化合物、ア
セトニトリルのようなニトリル、酢酸エチルのようなエ
ステルなどが用いられる。中でもアミド、含硫黄化合
物、ニトリルが好ましい。反応の際塩基を用いることが
好ましく、用いる塩基としては、ピリジン、トリエチル
アミン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−
ウンデセンのような有機塩基、炭酸カリウム、炭酸水素
ナトリウム、水酸化ナトリウムのような無機塩基のいず
れでもよい。また反応温度は−10℃ないし150℃、
好ましくは20℃ないし100℃が望ましい。合成法の
具体例は特願平3−23750号明細書に記載されてい
る。
【0010】次にここで得られた粉末を単結晶化するわ
けであるが、単結晶化の方法としては、溶媒蒸発法、温
度降下法、蒸気拡散法などの溶液法、ブリッジマン法な
どの融液法、また昇華による方法が挙げられる。単結晶
化に際しては、結晶工学ハンドブック編集委員会編“結
晶工学ハンドブック(共立出版、1971年刊)第VII
編、第8章の記載を参考にして行なうことができる。波
長変換の方法には、適当な大きさの単結晶を用い、角度
位相整合や温度位相整合によるもの、導波路を用いたチ
ェレンコフ放射による方法などがある。後者の例として
は、ファイバー型の光波長変換素子と光源装置とから構
成されたものがあり、本発明の場合には上記光波長変換
素子のコアとしては式(1)で示される非線形光学材料
を単結晶状態にして用い、またこのコアを構成する
(1)の結晶配向を、そのa軸が略コアの長軸方向に延
びる向きに設定し、一方光源装置は、上記b軸と直交す
る結晶のb軸あるいはc軸の方向に直線偏光した基本波
を光波長変換素子に入射させるように構成したことを特
徴とするものである。
【0011】基本波として用いるレーザ光源としては例
えば表1のものが挙げられる。なお、基本波の波長に関
しては前述した材料の吸収による影響を除いては何ら制
限されない。このことは、レーザ・アンド・オプトロニ
クス(Laser & Optronics)59頁(1987年11月
刊)より明らかである。
【0012】
【表1】
【0013】
【実施例】次に本発明を実施例に基づいて更に詳しく説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 式(1)の化合物の単結晶を作成した。特願平3−23
750号明細書の記載に基づいて合成し得られた式
(1)の化合物の粉末に1,2−ジメトキシエタンを加
え、約45℃で溶解した。これを室温にて一夜放置し
た。この際栓を付けず溶媒の蒸発を可能にした。析出し
た平行六面体の薄板状結晶を濾取し、広い面の大きさが
約2×1.5mm2 のものを種晶として選んだ。再び式
(1)の化合物の粉末に1,2−ジメトキシエタンを加
え、約45℃で溶解した。これに種晶を加え室温に放置
した。約10分後微結晶が多数析出した。種晶を溶かさ
ず微結晶のみが溶解する程度に加熱し、再び室温に放置
した。栓を付けず溶媒の蒸発を可能にしておいた。24
時間後結晶は約40×10×1mm 3 の大きさに成長して
いた。溶媒としてフルオロベンゼンを用いても同様の単
結晶が得られた。
【0014】実施例2 式(1)の化合物のX線結晶構造解析を行なった。実施
例1の種晶作成時に得られた小さめの結晶を用いた。得
られた結晶学的データを示す。 晶系 単斜晶系 空間群 P21 点群 2 格子定数 a=5.519Å b=4.808Å c=16.853Å β=93.04° Z 2 また、結晶構造を図1に示す。上記結晶学的データよ
り、本結晶は反転対称性を持っていないことがわかる。
【0015】実施例3 実施例1で得られた大きな結晶の良質な部分を切り取り
第二高調波発生を行なった。実験には図2の装置を用い
た。YAGレーザ(1064nm)の偏光方向を結晶軸
に対して平行な方向に設定して、結晶をb軸に対して回
転させたときに緑色光(532nm)をビーム状に観測
することができた。このことは本結晶が1064nmで
位相整合が可能であることを示すものであり、従って本
発明の結晶は光波長変換のための非線形光学材料として
有望であることがわかる。
【0016】参考例1 実際にファイバー型の光波長変換素子を形成する上で、
結晶配向をどのように設定し、またそこに入射させる基
本波の偏光方向をどのような向きに設定すれば高い波長
変換効率が得られるかは、不明であった。以下に、高い
波長変換効率を得るために適した非線形光学材料の結晶
配向および基本波の直線偏光方向の設定法について説明
する。(1)の結晶は単斜晶系をなし、点群は2であ
る。したがって非線形光学定数のテンソルは数式(1)
で表わされる。 数式(1)
【0017】
【数1】
【0018】ここでd21は、光学軸X、Y、Zを考えた
とき、X方向に直線偏光した光(以下、X偏光という。
Y、Zについても同様。)を基本波として入射させてY
偏光の第2高調波を取り出す場合の非線形光学定数であ
り、同様にd22はY偏光の基本波を入射させてY偏光の
第2高調波を取り出す場合の非線形光学定数、d33はZ
偏光の基本波を入射させてY偏光の第2高調波を取り出
す場合の非線形定数、d25はYとZ偏光の基本波を入射
させてY偏光の第2高調波を取り出す場合の非線形光学
定数、d34はYとZ偏光の基本波を入射させてZ偏光の
第2高調波を取り出す場合の非線形光学定数である。以
下、各非線形光学定数の大きさについて述べる。
【0019】(1)の屈折率は未だ明らかになっていな
いので、下式 dIJK =N ・f1(2ω)fJ ( ω)fk ( ω) bIJK で非線形光学定数dIJK を導き出せるbIJK の値を示
す。なお、Nは単位体積当りの分子数、f (ω)、f (2
ω)はそれぞれ、基本波、第2高調波に関する局所電場
修正因子である。 b21=0 b22=2.56 b23=3.40 b14=b25=b36=0 b16=0 b34=3.40 なおこれらのbIJK の値は、X線結晶構造解析およびPP
P-CIMO法とWardの式を用いて計算したβに基つぐ値であ
り、単位は〔×10-30 esu 〕である。
【0020】この表からd22、d23、d34が大きい値を
とりうることが分かる。そこで図3に示すように、
(1)からなるコア111をクラッド121内に充てん
させるファイバー型の光波長変換素子101を形成する
に当り、(1)の結晶をそのa軸がコア軸方向に伸びる
ように配向させた上で(これは以下に記す方法で実現可
能である)、この光波長変換素子101に結晶のc軸あ
るいはb軸の方向に直線偏光した基本波を入射させれ
ば、上記の大きな非線形光学定数d22、d23を利用でき
ることになる。
【0021】実施例4 図4は本発明の第4実施例による光波長変換モジュール
を示している。この光波長変換モジュールは、ファイバ
ー型の光波長変換素子101と、この光波長変換素子い
101に基本波を入力させる光源装置20とから構成さ
れている。ここで、上記光波長変換素子101の作成方
法について説明する。まずクラッドとなる中空のガラス
ファイバーが用意される。このガラスファイバーは一例
としてSF15ガラスファイバーからなり外径が100
μm程度で中空部の径が2μmのものである。一方、
(1)を1,2−ジメトキシエタンの溶媒1リットルに
120gを添加し、(1)の飽和溶液(温度35℃で)
を用意する。この(1)の飽和溶液を恒温槽にて温度3
5℃に一定に保ち、図5に示すようにこの溶液内にガラ
スファイバーの一端を進入させる。すると毛管現象によ
り(1)の溶液がガラスファバー内に進入する。この状
態で保存すると溶媒である1,2−ジメトキシエタンが
蒸発し、過飽和状態になる。そしてガラス中空管内部に
結晶核が発生し、単結晶が成長する。それにより20mm
以上もの長い範囲にわたって結晶方位が一定に揃った単
結晶状態が得られる。
【0022】上述のようにして(1)をガラスファイバ
ー129内に単結晶状態で充てんさせると、その結晶配
向状態は図3に示したように、a軸がコア軸方向に延び
る状態となる。以上述べたようにしてコア111が充て
んされた後、ガラスファイバー129の両端をファイバ
ーカッターで切断して、長さ10mmの光波長変換素子1
01を形成した。図4図示のように、この光波長変換素
子101を光源装置20と組み合わせて光波長変換モジ
ュールが構成される。本実施例においては、基本波を発
生する光源として半導体レーザー21が用いられてお
り、そこから発せられた波長870nmのレーザー光
(基本波)15はコリメートレンズ22によって平行ビ
ーム化され、次いでアナモリフィックプリズムペアー2
3およびλ/2板25に通され、集光レンズ26で小さ
なビームスポットに絞られた上で、光波長変換素子10
1の入射端面10aに照射される。それにより、この基
本波15が光波長変換素子101内に入射する。前述し
た通り、コア111を構成する(1)は、a軸がコア軸
方向に延びる結晶配向状態となっており、一方本例で
は、光源装置20のλ/2板25を回転させることによ
り、b軸方向に偏光状態の基本波15を光波長変換素子
101に入力させる。
【0023】光波長変換素子101内に入射した基本波
15は、コア111を構成する(1)により、波長が1
/2(=435nm)の第2高調波16に変換される。
この第2高調波16はクラッド121の外表面の間で全
反射を繰り返して素子101内を進行し、基本波15の
コア部での導波モードと、第2高調波16のクラッド部
への放射モードとの間で位相整合がなされる(いわゆる
チェレンコフ放射)。
【0024】光波長変換素子101の出射端面10bか
らは、上記第2高調波16と基本波15とが混合したビ
ーム16′が出射する。この出射ビーム16′は、集光
レンズ27に通された集光された後、上記435nmの
第2高調波16は良好に透過させる一方、870nmの
基本波15は吸収するバンドパスフィルター28に通さ
れ、第2高調波16のみが取り出される。偏光板等を使
用して、上記第2高調波16はb軸方向の偏光であるこ
とが確認された。つまり本例では、前述した(1)の非
線形光学定数d23が利用されている。この第2高調波1
6の光強度を光パワーメータ29で測定して、波長変換
効率を求めたところ、1W換算で約1%であった。
【0025】
【発明の効果】本発明の化合物は特願平3−23750
号明細書に記載したように青色光透過性が高く、また式
(1)で表わされる分子で構成される分子性結晶は、分
子配列に反転対称性が無いため、2次の非線形光学効果
を有する。従って2次の非線形光学効果を用いた波長変
換に有用な材料となる。特に青色領域の変換波の発生に
は有用である。また、詳細に説明した通り本発明の光波
長変換モジュールによれば、(1)が有する高い非線形
光学定数を実際にファイバー型の非線形光学材料におい
て利用可能で、しかも光波長変換素子を充分に長く形成
可能であるので、極めて高い波長変換効率を実現でき
る。また(1)は400nm以下に吸収端を有するもの
であるから、この光波長変換モジュールによれば、80
0nm程度のレーザー光を基本波として用いて、青色領
域の第2高調波を効率良く取り出すことも可能になる。
【0026】上記ではチェレンコフ放射方式を用いた方
法について説明したが、これらに限定されるだけでな
く、導波−導波の位相整合も可能である。波長変換波は
第2高調波に限定されるだけでなく、第3高調波、和お
よび差周波発生にも用いられる。また上記化合物を単結
晶化し、そこからバルクの単結晶を切り出し、YAGレ
ーザー光を入力しその第2高調波の発生が可能である。
この時の位相整合方法には角度位相整合を用いる。これ
らのバルク単結晶はレーザーのキャビティ外で用いられ
るだけでなく、LD励起固体レーザー等の固体レーザー
のキャジティ内で用いる事で、波長変換効率を高めるこ
とが出来る。さらには、外部共振器型のLDの共振器内
に配置することでも、波長変換効率を高めることが出来
る。以上の単結晶化には、ブリッジマン法、溶媒蒸発法
等が用いられる。波長変換波は第2高調波に限定される
だけでなく、第2高調波、和差周波発生にも用いられ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】式(1)の化合物の結晶構造を示す、ステレオ
図である。a、b、cは各々結晶軸、a、b、cを示
す。
【図2】単結晶を用いて第2高調波を発生させる装置で
ある。
【図3】ファイバー型の光波長変換素子におけるコアの
結晶配向を示す。
【図4】ファイバー型の光波長変換素子を作成する方法
の説明図を示す。10aは入射端面、10bは出射端面
を示す。
【図5】式(2)の化合物の単結晶晶をコアとするファ
イバーの溶媒蒸発法による単結晶成長装置を示す。
【符号の説明】
10 式(1)の化合物から成る単結晶 11 Nd:YAGレーザー 13 基本波カットフィルター 15 基本波 16 第2高調波 16′基本波の混合した第2高調波 20 光源装置 21 半導体レーザー 22 コリメートレンズ 23 アナモリフィックプリズムペアー 25 λ/2板 26、27 集光レンズ 28 バンドパスフィルター 29 光パワーメーター 128 式(1)の化合物の飽和溶液 129 クラッド(ガラスファイバー) 101 光波長変換素子 111 コア 121 クラッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 明憲 神奈川県足柄郡開成町宮台798番地 富 士写真フイルム株式会社内 審査官 佐藤 宙子 (56)参考文献 特開 平5−40285(JP,A) 冨士フィルム研究報告 NO.36 P P.55−64 (平成3年3月31日発行)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式(1)で表わされる分子によっ
    て構成されることを特徴とする単斜晶系であり、P2
    の空間群を有する分子性結晶。式(1) 【化1】
  2. 【請求項2】 レーザー光と非線形光学材料とを用いて
    光波長の変換を行う際に、非線形光学材料として請求項
    1記載の分子性結晶からなる単結晶を用いる光波長の変
    換方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の分子性結晶からなる単結
    晶の非線形光学材料がコアに充てんされ、該光学材料の
    結晶がそのa軸が略コア軸方向に延びるように配向され
    てなる光波長変換素子と、この光波長変換素子に、前記
    a軸とほぼ直交する結晶のb軸あるいはc軸の方向に直
    線偏光した基本波を入射させる光源装置とからなる光波
    長変換モジュール。(但し、結晶軸の決め方は2回軸を
    C軸とし、他の結晶軸は右手系に従う。)
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