JP2866441B2 - 炉水サンプリング装置 - Google Patents

炉水サンプリング装置

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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は沸騰水型原子炉における原子炉容器の底部に
据付けられているインコアモニタハウジング内の炉水を
サンプリングするための炉水サンプリング装置に関す
る。
(従来の技術) 一般に、沸騰水型原子炉においては運転期間中、炉内
の中性子束を適性な分布状態に保つため、棒状の中性子
計装管、すなわち、インコアモニタを燃料集合体の間に
挿設して中性子束の分布状態を監視するようにしてい
る。
このインコアモニタはその上端部に設置したスプリン
グの伸張力を利用して頭部が炉内の上部格子板の交差部
に係合され、下部がインコアモニタ案内管およびインコ
アモニタハウジング内に収容されている。インコアモニ
タの下端部はインコアモニタハウジングの下端部に固定
されたインコアモニタフランジの受座にOリングを介し
て当接支持される。この受座は鏡面仕上げされ、インコ
アモニタの下端部と密着して炉水のリークを防止するよ
うにしている。
原子炉用燃料は円筒状の低濃縮二酸化ウランペレット
を含む多管燃料集合体からなり、着脱自在な金属鞘つま
り、燃料チャンネル内に収納されており、インコアモニ
タの周辺を囲んで隣接配置されている。
すなわち、第2図に示したように炉心部20および冷却
水を収容した原子炉圧力容器21(部分のみ示す)内に一
体的にシュラウド22が設けられ、このシュラウド22に炉
心支持板23が水平に設けられている。この炉心支持板23
の下方に位置する原子炉圧力容器21の底部21aにはイン
コアモニタハウジング29が貫通して固着されている。こ
のインコアモニタハウジング29の上部にはインコアモニ
タ案内管25が一体的に連結され、このインコアモニタ案
内管25の上端部が炉心支持板23を貫通して上部開口部25
aが形成されている。インコアモニタ案内管25の上部開
口部25aにはインコアモニタ26が挿脱自在に嵌挿され、
インコアモニタ26の上部は上部格子板27の交差部下側に
係合される。インコアモニタ26の下端部はインコアモニ
タフランジ29に形成された受座にシール部30を介して当
接支持される。
なお、符号28は炉心部20に装荷された燃料集合体を示
す。
以上、説明した原子炉の構成機器は高い寸法精度が要
求されているため定期的に内面を点検、検査等を行ない
原子炉の構成機器の健全性を確認し、安全性を維持して
いく必要がある。
(発明が解決しようとする課題) 上述したように原子炉の構成機器は高い寸法精度が要
求されており、何らかの原因で炉心部に腐食等が生じた
場合、機器が損傷し、その機能を損って重大な事故を引
き起こす恐れがある。
特に、燃料集合体に隣接するインコアモニタおよびイ
ンコアモニタハウジングに腐食または亀裂等が発生する
と燃料チャンネルと干渉し、振動等により破壊に至るこ
とおよび炉水がリークし重大な事故に至る恐れがある。
したがって、炉心部の腐食等を未然に防止するため、
インコアモニタハウジング内の炉水を速やにサンプリン
グして炉水中の溶存酸素濃度を正確に測定しておかなけ
ればならない課題がある。
また、炉水をサンプリングするに際して、原子炉圧力
容器の蓋を開放して行えば、手間を要し、かつ作業環境
が悪化して作業員の放射線被爆の問題が発生する課題が
ある。
本発明は上記課題を解決するためにもなされたもの
で、沸騰水型原子炉において中性子計測管(インコアモ
ニタ)を収容しているインコアモニタハウジング内の炉
水をサンプリングするに際して、原子炉圧力容器の蓋を
開放することなく、しかも空気(酸素)に触れずにサン
プリングして炉水の溶存酸素濃度を正確に測定すること
ができ、もって応力腐食割れ(以下SCCと記す)環境の
調査を行って、原子炉運転中の環境改善をしてSCCの発
生を防止し、原子炉を安全に稼働することができる炉水
サンプリング装置を提供することにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明は末端部にフランジを有するインコアモニタハ
ウジングに着脱自在に排水管を連結し、この排水管内に
上下動自在に押上げ棒を挿入し、前記排水管の下部側面
に継手を介してバイパスラインを設け、このバイパスラ
インに真空ポンプおよびサンプリング容器を接続し、前
記継手に分岐して着脱自在に排水ノズルを接続してなる
ことを特徴とする。
(作 用) 原子炉の運転停止直後にインコアモニタフランジの下
部に排水管をねじ結合する。排水管内に押上げ棒を挿入
し、この押上げ棒をインコアモニタの下端面に連結させ
た状態でバイパスラインから真空ポンプで排気してバル
ブを閉じ、炉水サンプリング装置内を減圧状態に保持し
ておく。この減圧状態で押上げ棒を上方に移動するとイ
ンコアモニタハウジング内に貯溜されている炉水は排水
管内と押上げ棒との間を流下し、バイパスラインを流れ
サンプリング容器内にサンプリングされる。このように
してサンプリング容器内に炉水を速やかにサンプリング
でき、炉水の溶存酸素濃度を正確に測定することができ
る。また、サンプリングされてバイパスライン等に残留
されている炉水は排水ノズルからドレンすることがで
き、簡単にサンプリングおよび排水などの作業を行うこ
とができる。
(実施例) 第1図を参照しながら本発明に係る炉水サンプリング
装置の一実施例を説明する。
第1図において符号1は排水管を示しており、この排
水管1の上端部はインコアモニタフランジ29内にねじ込
みによって着脱自在に挿入されている。この排水管1内
には押上げ棒2が上下動自在のように挿入されている。
排水管1の下端部にはシリンダ3が第1の継手を介して
接続されている。押上げ棒2の下部側面とシリンダ3の
内面とはOリング5.5によって水密性が保持されてい
る。第1の継手4には枝管6を介して第2の継手7が接
続されている。第2の継手7には短管8を介して第1の
バルブ9、第3の継手10および排水ノズル11がそれぞれ
順次接続されている。また、第2の継手7の一方には第
1のバイパスライン12が接続され、このバスパスライン
12の端末はサンプリング容器13に接続されている。第1
のバイパスライン12から分岐して第2のバイパスライン
14が接続され、この第2のバイパスライン14には真空ポ
ンプ15が第4の継手16を介して接続されている。なお、
第1のバイパスライン12と第2のバイパスライン14との
間には第2のバルブ17が介在されている。なお、各継手
4、7、10、16、はワンタッチで接続、取り外しできる
構造のものを組込むことが望ましい。
次に上記実施例の作用について説明する。
炉水サンプリング装置は原子炉の運転を停止した直後
にインコアモニタフランジ29に取付けて、真空ポンプ15
を作動させて排気管1、枝管6、第2の継手7、短管
8、バイパスライン12、14および炉水サンプリング容器
13内を減圧状態にする。この状態で第2のバルブ17を閉
じて押上げ棒2を上方に移動すると、インコアモニタハ
ウジング24内の炉水は排水管1と押上げ棒2との間から
枝管6を通り、第1のバイパスライン12を流れてサンプ
リング容器13内に流れ込み空気、酸素に触れることなく
採取される。なお、排水管1、第1のバイパスライン12
およびサンプリング容器13などに残留している炉水は第
1のバルブ9を開くことによって排水ノズル11から容易
に流出できる。したがって、経時的に炉水をサンプリン
グする作業が容易となる。
このように上記実施例によれば炉内中性子を計測する
インコアモニタのハウジング内の炉水を、原子炉の停止
直後に、原子炉圧力容器21の蓋を開放することなく、ま
た空気に触れることなく、迅速にサンプリングできるの
で、炉水中の溶存酸素濃度を正確に測定することができ
る。
[発明の効果] 本発明によればインコアモニタハウジング内の炉水を
原子炉圧力容器の蓋を開放することなく速やかにサンプ
リングでき、かつ炉水中の溶存酸素濃度を正確に測定す
ることができる。
したがって、作業員の放射線被曝量の低減に寄与する
ことができる。
また、原子炉運転中の環境改善にも役立ちSCCの発生
を未然に防止し、もって原子炉を安全に稼働できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る炉水サンプリング装置の一実施例
を示す構成図、第2図は原子炉内に中性子計装管(イン
コアモニタ)が装荷された状態を示す断面図である。 1……排水管、2……押上げ棒 3……シリンダ、5……Oリング 6……枝管、7……第2の継手 8……短管、9……第1のバルブ 10……第3の継手、11……排水ノズル 12……第1のバイパスライン 13……サンプリング容器 14……第2のバイパスライン 15……真空ポンプ 16……第4の継手 17……第2のバルブ 20……炉心部 21……原子炉圧力容器 21a……原子炉圧力容器底部 24……インコアモニタハウジング 26……インコアモニタ 29……インコアモニタフランジ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】端末部にフランジを有するインコアモニタ
    ハウジングに着脱自在に排水管を連結し、この排水管内
    に上下動自在に押上げ棒を挿入し、前記排水管の下部側
    面に継手を介してバイパスラインを設け、このバイパス
    ラインに真空ポンプ及びサンプリング容器を接続し、前
    記継手に分岐して着脱自在に排水ノズルを接続してなる
    ことを特徴とする炉水サンプリング装置。
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