JP2864817B2 - ポリオルガノシロキサン樹脂の製造方法 - Google Patents

ポリオルガノシロキサン樹脂の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オルガノハロゲンシラ
ンの加水分解によりポリオルガノシロキサン樹脂を製造
する方法に関し、更に詳述すると、オルガノハロゲンシ
ランを有機溶剤に溶解し、これを水に加えて加水分解す
ることにより、三官能性単位及び/又は二官能性単位か
らなるポリオルガノシロキサン樹脂を製造する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、オルガノハロゲンシランの加水分解によるポリオル
ガノシロキサン樹脂の製造方法は広く知られている。
【0003】しかし、オルガノハロゲンシランを単に水
に添加するだけでは、ポリオルガノシロキサン樹脂は製
造できるものの、製造されるポリオルガノシロキサン樹
脂のほとんどがゲル化してしまう。すなわち、こうして
得られるポリオルガノシロキサン樹脂は極めて不安定で
ゲル化し易く、水と溶解しない。更にまた、オルガノハ
ロゲンシランを水に添加して生じる高濃度の酸は、生成
したポリシロキサン樹脂を不安定にし、かつポリシロキ
サン樹脂中のシラノール基同士を縮合させるため、シラ
ノール基が減少し、最終的に得られるポリシロキサン樹
脂の所望な性質が得られないという欠点がある。
【0004】そこで、このような問題を解決させるた
め、加水分解時に有機溶剤を用いる手段がよく用いられ
てきた。かかる有機溶剤は酸濃度を低減させ、ポリオル
ガノシロキサン樹脂を安定化させ、生成するポリオルガ
ノシロキサン樹脂を容易に溶解することから、水と分離
して得ることができる。ここで、使用する有機溶媒は安
価であることは言うまでもなく、回収され易いものが製
造面で好ましく、よく使用される有機溶剤にトルエン,
キシレンのような芳香族系炭化水素、オクタン,ヘプタ
ンのような脂肪族系炭化水素、酢酸ブチルのようなエス
テル類、トリクロルエチレンのような塩素系有機溶剤が
挙げられ、実際の製造ではこれらの中で製造プロセス、
コスト面を考慮して選択されてきた。
【0005】上述の有機溶媒を用いてオルガノハロゲン
シランを加水分解する方法としては、米国特許第3,7
90,527号公報、米国特許第3,865,766号
公報及び米国特許第4,085,084号公報記載の方
法が公知であり、これらの例にはオルガノハロゲンシラ
ンと共にトルエンの使用が実施例で示されている。この
場合、これらの方法は、反応温度が80℃を越えないよ
うに外部から冷却を行い、加水分解温度を80℃以下と
して反応を行っている。もし、反応温度が80℃を越え
た場合、ポリオルガノシロキサンはゲル化し、特にミク
ロゲルを生じ、得られるポリオルガノシロキサン樹脂は
白濁し透明なものでなくなる。また、得られたポリオル
ガノシロキサン樹脂を有機溶剤に溶かし、調整したシリ
コーンワニスもこのため白濁したままで、その価値を失
ってしまう。
【0006】この場合、外部からの冷却によって反応熱
を除かないと、加水分解の発熱は非常に大きいので急激
に反応温度は上昇し、80℃を容易に越えてしまう。そ
のため外部からの冷却は徹底的に行う必要があるが、こ
のように外部から冷却することはオルガノハロゲンシラ
ンの加水分解による発熱が膨大であることから管理上工
程プロセスを複雑にする。
【0007】もし外部からの冷却を行わないで反応温度
をコントロールしようとするならばオルガノハロゲンシ
ラン溶液を水へ非常に遅い速度で添加する方法が考えら
れるが、これは反応時間が著しく長くなり、効率的でな
い。
【0008】従って、このようにオルガノハロゲンシラ
ンの加水分解工程においては、反応温度のコントロール
が困難であるという問題があった。
【0009】一方、ポリオルガノシロキサン樹脂を安定
化させる方法として、アルコールを加えて加水分解する
方法が特公昭62−41243号公報などに例示されて
おり、またアルコキシシランを加水分解する方法が特公
昭55−46415号公報、特公昭64−5604号公
報などに例示されている。これらの方法はシラノール同
士の縮合を防ぐためにポリオルガノシロキサン樹脂中に
アルコキシ基を持たせることにより安定化させるもので
ある。
【0010】しかし、これらの方法は安定なポリオルガ
ノシロキサン樹脂を提供する方法として極めて有効であ
る反面、得られたポリオルガノシロキサン樹脂の重合度
を上げたい場合、縮合反応が進行し難く、重合時間が長
くなって工程面で不利であったり、得られたポリオルガ
ノシロキサン樹脂の硬化性が悪くなったりする問題があ
った。また、アルコールを用いた加水分解やアルコキシ
シランの加水分解は、廃水時にアルコールが水層に溶
け、排水が環境を汚染するためアルコールの回収法を確
立しておかねばならない問題がある。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】このようなこと
から、本発明者らは、アルコールやアルコキシシランを
用いず直接オルガノハロゲンシランを加水分解する方法
で、かつ反応温度を容易にコントロールし、特に加水分
解に最適な70〜80℃に容易に設定でき、短時間で効
率的に加水分解する方法を鋭意検討した。
【0012】即ち、特に数種のオルガノハロゲンシラン
を一度に加水分解する場合、それぞれの加水分解速度に
差が生じないような温度、瞬時に加水分解反応が行われ
る反応温度が好ましく、また加水分解して得られるポリ
オルガノシロキサン樹脂を重合する場合は、加水分解
後、ポリオルガノシロキサンは、高重合度でかつシラノ
ール含有量が豊富であることが好ましいが、そのため加
水分解条件、反応温度を適当なものにしなければならな
い。これらを併せ考えると、加水分解の反応温度を80
℃以下にコントロールすることは、このオルガノハロゲ
ンシランを加水分解して、ゲルを生じないようにポリオ
ルガノシロキサン樹脂を製造する絶対条件であり、その
中で最も好ましい加水分解温度は70〜80℃内にある
ものと考え、本発明者らは加水分解工程において冷却に
より反応熱を除き、反応温度をコントロールする煩雑さ
を省き、かかる温度に容易に制御し、短時間で効率よく
オルガノハロゲンシランを加水分解してポリオルガノシ
ロキサン樹脂を製造する方法を検討した。
【0013】その結果、本発明者らは有機溶剤−水系の
共沸還流によって加水分解の反応熱を除去する方法に着
眼し、オルガノハロゲンシランの加水分解を70〜80
℃の沸騰下で行うことによって加水分解反応温度を制御
することを試みた。
【0014】この場合、加水分解に用いる有機溶媒は、
オルガノハロゲンシランに対し、不活性で容易に溶解さ
せるもので、かつ加水分解して生じるポリオルガノシロ
キサン樹脂をも容易に溶解させるものが好ましく、従っ
て極性溶媒の使用は好ましくない。また、ヘキサンのよ
うに加水分解して生成するポリオルガノシロキサン樹脂
の溶解が困難なものも好ましくない。こうして選ばれる
非極性有機溶媒は、トルエン、キシレン、ベンゼン、シ
クロヘキサン、オクタン、ヘプタン、酢酸ブチル及びト
リクロルエチレンのような塩素系有機溶剤が挙げられる
が、製造プロセス、コスト面を考慮してできるだけ安価
なものを選びかつ回収再利用が容易であるものを選ぶこ
とが重要である。
【0015】そこで検討したが、有機溶剤−水系の沸騰
温度が70〜80℃内に入る単独の溶剤としてはベンゼ
ンやトリクロルエチレンが挙げられる。しかし、これら
の溶剤は生活環境に悪影響を及ぼすため、その使用は好
ましくない。また、トリクロルエチレンのような熱分解
し易い溶剤は、溶剤を留去した後も残存し、分解したと
きにポリオルガノシロキサン樹脂を不安定化させる上、
このような分解し易い溶剤は回収再利用の点で不利であ
る。
【0016】一方、トルエンやキシレンを用いると共沸
点が80℃を越える問題があった。
【0017】このため、本発明者らは更に検討を続けた
結果、このような単独溶剤でなく、水−有機溶剤系の沸
騰温度を60〜80℃、特に70〜80℃の範囲とする
2種以上の非ハロゲン系非極性溶剤の混合溶剤、とりわ
けトルエンとヘキサンとの混合溶剤が有効であった。オ
ルガノハロゲンシランをかかる混合溶剤に溶解させ、こ
れを一気に水に添加し、加水分解を行うことにより、上
記混合溶剤の沸点以下の反応温度で加水分解反応を進行
させることができた。また、この際生成する反応熱は該
混合溶剤の還流によって除熱されるので、加水分解工程
で外部から冷却することなく、反応温度をコントロール
することができ、従って加水分解温度が低いのでゲル化
が生じず、ミクロゲルの発生がないため、得られたポリ
オルガノシロキサン樹脂は透明であり、シリコーンワニ
スとして有機溶剤に溶解使用するときにも透明で、良品
質であることを知見し、本発明をなすに至ったものであ
る。
【0018】従って、本発明は、下記式(1) RSiX4−n …(1) (但し、Rはアルキル基、シクロアルキル基、アルケニ
ル基、アリール基及びフルオロアルキル基から選択され
る基、Xは塩素原子又は臭素原子を示し、nは1又は2
である。)で示されるオルガノハロゲンシランを有機溶
剤に溶解させ、これを水に添加して、上記オルガノハロ
ゲンシランを加水分解させることにより、ポリオルガノ
シロキサン樹脂を製造する方法において、上記有機溶剤
として、水一有機溶剤系の沸騰温度を60〜80℃、特
に70〜80℃の範囲とするように選択したトルエンと
ヘキサンとの混合溶剤を用いたことを特徴とするポリオ
ルガノシロキサン樹脂の製造方法を提供する。
【0019】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明のポリオルガノシロキサン樹脂の製造方法は、オルガ
ノハロゲンシランを加水分解することによって三官能単
位及び/又は二官能単位からなるポリオルガノシロキサ
ン樹脂を得るものである。
【0020】この場合、オルガノハロゲンシランとして
は、下記式(1) R nSiX4-n …(1) (但し、Rはアルキル基、シクロアルキル基、アルケニ
ル基、アリール基及びフルオロアルキル基から選択され
る基、Xは塩素原子又は臭素原子を示し、nは1又は2
である。)で示されるものが使用され、これらの1種を
単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ
る。
【0021】具体的には、オルガノハロゲンシランとし
て、Me2SiCl2,MeSiCl3,Ph2SiC
2,PhSiCl3,Et2SiCl2,EtSiC
3,ViSiCl3,Vi2SiCl2(Meはメチル
基、Phはフェニル基、Viはビニル基を示す)の1種
又は2種以上を用いることができる。
【0022】本発明においては、上記オルガノハロゲン
シランを有機溶剤に溶解させ、これを水に添加して、上
記オルガノハロゲンシランを加水分解させることにより
ポリオルガノシロキサン樹脂を製造するものであるが、
この場合、本発明では有機溶剤として、水−有機溶剤系
の沸騰温度を60〜80℃、より好ましくは70〜80
℃の範囲とするように選択したトルエンとヘキサンの混
合溶剤を用いるものである。
【0023】この場合、トルエンとヘキサンとは任意の
割合で混合したものを使用することができるが、ヘキサ
ンは前述のように生成したポリオルガノシロキサン樹脂
を溶解しないことから、その混合比を高めることは推賞
されない。また、ヘキサンの比率を上げると還流コンデ
ンサーの負荷が上昇することから、設備上不利な面が生
じる。更に、生成したポリオルガノシロキサン樹脂のト
ルエン−ヘキサン溶液は、反応後、加水分解水と容易に
分離されなければならない。これらのことからトルエン
−ヘキサンの混合比は容積比で5:5〜7:3であるこ
とが最も好ましい。例えば、このトルエン−ヘキサンの
容積比6:4の混合溶剤を用いて、オルガノハロゲンシ
ランの加水分解を行えば、還流温度は74〜76℃とな
り、還流による除熱は良好で、80℃以下の反応温度で
効率的に反応を行うことができる。
【0024】上記混合溶剤の使用量は、生成するポリオ
ルガノシロキサン樹脂をゲル化しないように安定に溶解
させかつポットイールドが低くならない量が好ましく、
生成するポリオルガノシロキサン樹脂の量の約1/2〜
同量ぐらいを使用することが好ましい。
【0025】上記オルガノハロゲンシランの混合溶剤溶
液を用いて加水分解を行う方法としては、室温からオル
ガノハロゲンシランの混合溶剤溶液を水へ添加し、還流
温度まで反応温度を上昇させ、80℃以下で反応を進行
させてもよく、また70〜80℃の温水へのオルガノハ
ロゲンシランの混合溶剤溶液を添加し、すぐに還流させ
ながら反応を行ってもよい。
【0026】なお、加水分解に用いる水の量は、オルガ
ノハロゲンシランのハロゲンと反応するに十分な量、好
ましくは反応して発生する塩酸を完全に溶解できるくら
いの大過剰を必要とし、ハロゲンに対し15モル当量〜
40モル当量の水を用いることが通常である。
【0027】また、加水分解反応時間は、1時間ぐらい
の短時間で終了させることが可能である。
【0028】加水分解反応後、ポリオルガノシロキサン
樹脂の混合溶剤溶液、すなわち有機層は水洗を行い、生
成した酸を取り除くが、この工程において、水洗、分液
は問題なく行われる。もし、分液性が悪い場合には、芒
硝水などを水洗に用いることにより、分液性は改善され
る。
【0029】水洗によって中性となった有機層は、混合
溶剤をストリップすることによって使用するオルガノハ
ロゲンシランに応じた所望のポリオルガノシロキサン樹
脂を得ることができる。このポリオルガノシロキサン樹
脂の分子量分布は通常約2,000〜数万であり、また
シラノール基含有量は、通常3〜10重量%である。
【0030】このようなポリオルガノシロキサン樹脂
は、トルエン、キシレンのような有機溶剤に溶かされ、
シリコーンワニスとして使用できる。このとき50%キ
シレン溶液にしたものは通常粘度15〜30cs前後の
ものとなる。また、ポリオルガノシロキサン樹脂は固形
含量80〜95%で汎用な重合触媒とともに熱重合を行
い、分子量分布数千〜数十万でシラノール含有量0.5
〜2.0重量%のポリオルガノシロキサン樹脂とするこ
とができる。このポリオルガノシロキサン樹脂は、トル
エン、キシレンのような有機溶剤に溶かされ、シリコー
ンワニスとして使用することができるが、この場合、5
0%キシレン溶液の粘度として、数十〜数百csのもの
を得ることができる。これらポリオルガノシロキサン樹
脂やシリコーンワニスは透明なものであり、安定に保存
されるものである。
【0031】なお、加水分解に使用したトルエン−ヘキ
サン混合液はストリップ工程によって容易に回収され、
蒸留による精製を行わずとも、再度オルガノハロゲンシ
ランの加水分解に使用することができるので、非常に経
済的である。
【0032】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
【0033】〔実施例1〕撹拌機、還流コンデンサー、
温度計、滴下ロートを備えた5リットルの四つ口フラス
コに70〜80℃の温水3600gを仕込んだ。なお、
滴下ロートの滴下管の先端は液中滴下できるように長く
温水の中に入るようにした。
【0034】滴下ロートにジメチルジクロルシラン18
2.5g(1.42モル)、メチルトリクロルシラン1
41.3g(0.95モル)、ジフェニルジクロルシラ
ン12.8g(0.05モル)、フェニルトリクロルシ
ラン365.9g(1.73モル)をトルエン411.
6g(約470ml)とヘキサン208.2g(約31
5ml)との混合液(トルエン:ヘキサン=6:4)に
溶かしたものを仕込み、この溶液を50分で温水へ滴下
した。このときの反応温度は74〜76℃で、反応混合
液は還流した。滴下後、30分撹拌熟成を行い、次いで
冷却し、下層の酸性水層を分離した。上層の有機層は、
水洗水が中性になるまで約1リットルの水で洗い、中性
後も2回水洗を行った。水洗後の有機層は濾過し、トル
エン−ヘキサンの混合液は常圧ストリップ、減圧ストリ
ップを行って除去した。その結果、分子量分布1,00
0〜25,000、シラノール含有量4.9重量%のポ
リオルガノシロキサン樹脂が得られた。この樹脂中に残
存するトルエン−ヘキサンをキシレンを加えてストリッ
プする操作によってキシレンに置換し、固形分50%の
キシレン溶液に調整した。その粘度は20cs前後であ
り、収量は1276.7g(収率95.5%)であっ
た。なお、ストリップによるトルエン−ヘキサン混合液
の回収率は93.0%であった。
【0035】〔実施例2〕実施例1と同様な反応装置に
70〜80℃の温水2883.0gを仕込み、滴下ロー
トにジメチルジクロルシラン258.0g(2.00モ
ル)、メチルトリクロルシラン133.2g(0.88
モル)、ジフェニルジクロルシラン300.0g(1.
18モル)、フェニルトリクロルシラン462.0g
(2.18モル)、トルエン410.3g(470m
l)とヘキサン207.9g(315ml)との混合液
(トルエン:ヘキサン=6:4)を仕込んだ。実施例1
と同様に反応、熟成、後処理を行い、分子量分布1,0
00〜25,000、シラノール含有量5.7重量%の
ポリオルガノシロキサン樹脂を得た。これをキシレン置
換した後、固形含有量90%でオクチル酸亜鉛12.9
gを触媒として加え、140℃で熱重合を行った。固形
含有量50%キシレン溶液にしたときに、粘度が120
csを越えた時点でキシレン480.0gを加え、重合
を停止させた。更にキシレンを50%となるように調整
したところ、分子量分布2,000〜4,000,00
0のシラノール含有量0.8重量%のポリオルガノシロ
キサン樹脂キシレン溶液が1348.5g(収率93.
0%)で得られた。なお、溶剤の回収率は91.2%で
あった。
【0036】〔比較例1〕実施例1において、加水分解
溶媒として、トルエン−ヘキサン混合液の代わりにトル
エンのみを用いて同様の反応を行ったところ、反応温度
は80℃を越え、最高92℃まで上昇した。これを同様
な後処理、ストリップを行ったが、得られたポリオルガ
ノシロキサン樹脂は白濁したものとなった。固形分50
%のキシレン溶液にしたときも白濁したままで、種々濾
過等を試みたが、それは除去されず、透明なものは得ら
れなかった。
【0037】〔比較例2〕実施例1において、加水分解
溶媒としてトリクロルエチレンを用いた場合、反応温度
を73〜75℃として反応を行うことができた。しか
し、同様に後処理、ストリップしたものは透明であった
が、得られたポリオルガノシロキサン樹脂中にはトリク
ロルエチレンが1.0〜4.0%残存していた。この残
存するトリクロルエチレンは保存中に分解し、ポリオル
ガノシロキサン樹脂を不安定にする要因となることがわ
かった。
【0038】また、このトリクロルエチレンを用いる方
法は、トリクロルエチレンを再利用しようとする場合、
安定剤を添加して精留する必要があり、非常に煩雑な工
程を必要とするものであった。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、オルガノハロゲンシラ
ンの加水分解にトルエン−ヘキサン混合溶剤を用いるこ
とにより、反応熱が水−混合溶剤系の還流によって除熱
され、加水分解が混合系の沸騰温度以下で行えることか
ら、反応温度のコントロールが容易となる。特に、反応
熱の除熱は還流によって行われることにより、外部より
冷却して加水分解を行う必要はなく、工程の煩雑さが解
消される。なおかつ加水分解を短時間で効率的に行え
る。しかも使用する混合溶剤は、トルエン、ヘキサンで
あり、工業的に安価であり、回収再利用も容易であるの
で、経済的に有利である。
【0040】得られるポリオルガノシロキサン樹脂は、
ゲル化やミクロゲルの生成はなく、白濁など外観に問題
がなく、透明なポリオルガノシロキサン樹脂が得られ
る。従って、このポリオルガノシロキサン樹脂は、有機
溶剤に溶かされ、調整してシリコーンワニスとして使用
できるが、種々の顔料などと混合され、耐熱塗料や電気
絶縁材料など多種の方面での使用も可能である。
【0041】また、得られるポリオルガノシロキサン樹
脂は、活性なシラノール基を多く含むので、即乾性のシ
リコーンワニスを提供することが可能であり、更に重合
が容易であるので種々の重合度のポリオルガノシロキサ
ン樹脂を提供することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 幹夫 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28−1 信越化学工業株式会社 合成技術研究 所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 77/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1) RSiX4−n …(1) (但し、Rはアルキル基、シクロアルキル基、アルケニ
    ル基、アリール基及びフルオロアルキル基から選択され
    る基、Xは塩素原子又は臭素原子を示し、nは1又は2
    である。)で示されるオルガノハロゲンシランを有機溶
    剤に溶解させ、これを水に添加して、上記オルガノハロ
    ゲンシランを加水分解させることにより、ポリオルガノ
    シロキサン樹脂を製造する方法において、上記有機溶剤
    として、水−有機溶剤系の沸騰温度を60〜80℃の範
    囲とするトルエンとヘキサンの混合溶剤を用いたことを
    特徴とするポリオルガノシロキサン樹脂の製造方法。
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