JP2864013B1 - 弦楽器の力木による棹振動と駒振動との同調構造 - Google Patents

弦楽器の力木による棹振動と駒振動との同調構造

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Abstract

【要約】 【課題】 弦振動伝達において、駒側の振動は表板の上
面から、また、棹側の振動は表板の裏面から、直接、胴
表板の全体へ伝達する構造により、弦楽器の発音特性を
大幅に向上させる。 【解決手段】 棹振動伝達部材1そのものは、その先端
の切断面が、棹を接続する前の胴外二箇所へ露出し、こ
の露出面を胴外ヘッド部Aとし、棹を胴へ接続後は、棹
末端の棹切断面Aと胴外ヘッド部Aとは直結し、小胴側
から胴の中央部にかけての表板裏面では、該当弦楽器の
音響孔を避け、大胴側の任意位置の既存力木まで連続す
る長さを有し、左右対称に配置して、棹振動伝達部材1
の先部分と、棹末端の胴への接続部との接触面積を可能
な限り広くするために、棹切断面Aと胴外ヘッド部Aと
の直結の他に、棹振動伝達部材1の先部分の側面と胴接
続用突起部側面との接触、及び、胴内ヘッド部a・側板
接合部材5等との接触を含む、最低二箇所以上の接触箇
所を必要とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0000】本発明では、棹と胴との接続構造について
は、直接には関係しないが、一応、棹末端の切断面を
「凸の字型」にして、棹側の胴接続用突起部2´を前記
小胴側の側板接合部材5上部の棹接続用溝5´へ差込結
合する構造を一例として説明し、棹末端「凸の字型」の
胴接続用突起部2´は、凸部=胴内ヘッド部a・両肩部
分の切断面=棹切断面A・と呼び、前記棹・駒振動同調
部材1の各部分は、前記小胴側=頭部・音響孔付近=中
間部・前記大胴側=後部と呼び、説明する。
【0001】
【産業上の利用分野】胴表板裏面側に力木使用の弦楽器
に適用し、前記棹・駒振動同調部材1を胴内表板裏面へ
配置する事により、従来の駒振動伝達に加えて、棹振動
を、効率良く胴表板裏面側全体へ伝達するために、棹末
端と前記胴外ヘッド部Aとの直接続、及び、その中間部
以後の既存力木まで連続した棹の胴内延長部兼力木とし
ての、前記棹・駒振動同調部材1の配置方・構造によ
る、棹振動と駒振動との同調を促す振動伝達方法に関
し、具体的には、ギター系弦楽器と擦弦楽器の音響孔位
置と数・前記後部の接続すべき既存力木の位置等の違い
から、対象弦楽器それぞれに適用可能な前記棹・駒振動
同調部材1の配置方構造に関する。
【0002】
【従来の技術】ギター系弦楽器は、弦振動を駒から前記
大胴側表板裏面の力木7により、表板8への振動伝達を
促進し、前記小胴側には、側板接合部材5と表板補強部
材10、その他、補強用力木11等に相当する部材で構
成し、音響孔位置を境に棹側の振動は前記小胴側へ、駒
側の振動は前記大胴側へと、別々に伝達する構造であっ
た。
【0003】擦弦楽器においては、共鳴胴中央の表板裏
面に一本の力木を設けているが、棹末端と胴内力木先端
との直結構造は見られず、弦振動は、駒から表板8とい
う部材を介して胴内力木7へ伝達され、表板8から胴全
体へ伝達する構造であった。
【0004】結論として、ギター系弦楽器にしても擦弦
楽器にしても、棹と力木とは、胴外と胴内の違いから接
続せず、表板8を介しての間接的振動伝達方法であっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】弦振動は駒と棹の二箇
所から共鳴胴へ伝達されてい、駒側は現在の力木により
既に完成しているが、棹側の弦振動伝達構造については
不十分であるので、弦振動による棹の振動も効率良く共
鳴胴表板8へ伝達する工夫が必要である。
【0006】
【課題を解決するための手段】ギター系弦楽器・擦弦楽
器、共に、棹末端と力木頭部先端との直接続方式を採用
し、前記頭部から前記中間部を経て、前記後部の既存力
木まで連続した構造の前記棹・駒振動同調部材1を設
け、棹振動を胴表板8の裏面側全体へ伝達する。
【0007】棹振動を胴表板8へ直接伝達する上記伝達
方式が、棹末端と力木との直接続しない従来構造と比較
して優れていることを確認するために、下記の実験をし
た。
【0008】実験用一部材構成の前記棹・駒振動同調部
材1の頭部を途中まで切り込みを入れて「Yの字型」に
又を開き、この先端両切断面の前記胴外ヘッド部Aと、
棹末端側の前記「凸の字型」加工部とを下記の通り接続
して、前記棹・駒振動同調部材1の下部を床面に、棹先
端に音叉を当てての音の強弱実験は下記のとおり。(実 験) 1,Yの字型の又に前記胴接続用突起部2´の両側面を
挟みつつ、前記棹切断面Aの両面へ前記胴外ヘッド部A
の各々を接続した場合の音量は、大である。 2,Yの字型の又を閉じて一本棒の形にして、前記胴外
ヘッド部Aを前記棹切断面Aの片面と接続した場合の音
量は、中である。 3,Yの字型の又を閉じて一本棒の形にして、前記胴外
ヘッド部Aを前記胴接続用突起部2´の前記胴内ヘッド
部aへ接続した場合の音量は、小である。
【0009】上記音叉実験から、棹末端の胴接続部と前
記ヘッド部との接続方は、多箇所接続方式の上記実験1
が最善であり、両部材の一点接続方式の上記実験2・3
の振動伝達効率は、前者に比べて劣る接続方ではある
が、上記実験3の接続方を擦弦楽器に採用すれば、駒振
動を直接に棹へ伝えるメリットもある。
【0010】棹という太い部材から前記棹・駒振動同調
部材1という細い部材への振動伝達をするためには、前
記凸の字型棹切断面中心部の前記胴内ヘッド部a位置よ
り、少し外れた前記棹切断面A位置の方が、その振幅度
が大きく、更に、片側より両側から振動を受けた方が、
効率が良いので、多箇所接続構造とした。
【0011】
【作用】前記棹切断面Aの該当位置から直接に、前記
・駒振動同調部材1先端切断面である二箇所の前記胴外
ヘッド部Aへ伝達された棹側の振動は、前記小胴側の前
記頭部から前記中間部を経て、前記大胴側の前記後部で
ある斜力木9・任意位置の既存力木7まで、左右対称に
連続延長する構造の前記棹・駒振動同調部材1の配置位
置に従って、棹振動は、効率良く胴表板8の裏面全体へ
伝達される。
【0012】弦振動伝達において、前記棹切断面Aと前
記胴外ヘッド部Aとを直接続した、棹の胴内延長部であ
る前記棹・駒振動同調部材1の前記頭部は、前記小胴側
表板の補強部材兼力木、前記中間部は、音響孔付近の補
強部材兼力木・前記後部は、任意位置の既存力木まで連
続する力木構造により、棹振動は、前記胴外ヘッド部A
から胴表板8の裏面へ、また、駒振動は、胴表板8の上
面から、前記棹・駒振動同調部材1という同一力木へ
と、駒と棹の二箇所から同時に振動伝達をする。
【0013】棹と駒位置の表板裏面側とは、前記棹・駒
振動同調部材1により連結する構造であり、前述の音叉
実験3の音量小の接続方でも、駒からの強い振動を前記
棹・駒振動同調部材1先端から直接に棹末端の胴内ヘッ
ド部aへ伝達するので、駒と棹とは相互に刺激しあう結
果、振動同調増幅作用を発生させる構造と言える。
【0014】
【実施例】本発明の実施例について、図面を参照して説
明する。
【0015】図1は、斜力木9の位置を示すもので、こ
の斜力木9は高音弦側へのみ設ける事が普通であるが、
前案実施例から、本発明での二本の前記棹・駒振動同調
部材1の前記後部の形状を、下記の第1実施例へ導くた
めの説明図である。(図1)
【0016】[本発明の第1実施例] ギター系弦楽器の例であり、二本の前記棹・駒振動同調
部材1は、その前記頭部から前記中間部前半までは、緩
やかな曲線、前記中間部後半からは音響孔に沿う急激な
曲線となるため、相互に接近して横力木4以降の前記大
胴側では斜力木9へ直線で連続し、この斜力木9側辺へ
は、中央を除く既存力木7の先端部が各々接触する左右
対称の配置方・構造である。尚、前記大胴側の斜力木9
部分に限り、従来の構造を踏襲して、既存力木7より少
し太めが良いと思う。(図2)
【0017】[本発明の第2実施例] ギター系弦楽器の例であり、二本の前記棹・駒振動同調
部材1は、その前記頭部が胴の中心から少し外側に直線
で向かい、横力木3と交差する位置で角度を変え、前記
中間部でも直線のまま音響孔横を通過して、横力木4と
の交差位置でも再び角度が少し外側に変わり、前記大胴
側では、最も外側の既存力木7へ連続する、左右対称の
配置方・構造である。(図3)
【0018】[本発明の第3実施例] ギター系弦楽器の例であり、二本の前記棹・駒振動同調
部材1は、その前記頭部から前記中間部まで、緩やかな
曲線となり、音響孔を避けつつ互いに少しに接近して、
横力木4との交差位置で角度を変えて、前記大胴側で
は、両内側の既存力木7へそれぞれ直線で連続する左右
対称の配置方・構造である。尚、本実施例は、胴型に表
板を貼付する前に、前記棹・駒振動同調部材1の両方の
上辺該当位置へ溝を掘り、駒裏補強部材6´を組み込む
手順とする。(図4)
【0019】[本発明の第4実施例] ギター系弦楽器の例であり、二本の前記棹・駒振動同調
部材1は、前記頭部から前記中間部まで、音響孔を避け
つつ緩やかな曲線となり、横力木4手前から前記大胴側
へ入る間で急激に接近して接合し、中央の既存力木7へ
直線で連続する左右対称の配置方・構造であり、胴型に
表板を貼付する前に、前記棹・駒振動同 調部材1の上辺
の該当位置へ溝を掘り、駒裏補強部材6´を組み込む手
順とする。尚、本実施例での前記棹・駒振動同調部材1
そのものは、一対型ではあるが、擦弦楽器用の図7に記
載したYの字型とも言える構造である。(図5・図7)
【0020】[本発明の第5実施例] 擦弦楽器用の前記棹・駒振動同調部材1の一部材構成
で、その前記頭部先の曲げる部分に切り込みを入れ、角
度をつけて左右に又開きした「Yの字型」構造であり、
この又部分を棹末端に設ける三角形の前記胴接続用突起
部2´の側面と前記胴内ヘッド部aを含む全面へ接触さ
せて、Yの字型先端の二箇所の前記胴外ヘッド部Aを前
記棹切断面Aへ直結させる接続方にして、又開きした部
分以外は一本棒の形状で、擦弦楽器の前記小胴側と前記
中間部、及び、前記後部の既存力木7まで連続して、胴
内の表板裏面の中央へ配置する構造である。尚、Yの字
型構造の前記棹・駒振動同調部材1を胴型へ直接に接続
する場合は、前記棹・駒振動同調部材1の長さを、胴頭
部から胴尻までの長さとし、表板8貼付後に胴尻の点線
部分を削り取る手順である。(図6・図16)
【0021】[本発明の第6実施例] 擦弦楽器用の前記棹・駒振動同調部材1の一部材構成の
「Yの字型」構造であり、この先端の二箇所の切断面を
前記胴外ヘッド部Aとして胴外へ露出させて、「Yの字
型」の又部分へ、棹末端側を台形に加工した擦弦楽器用
の前記胴接続用突起部2´の両側面を挟みつつ、一本棒
部分は、前記小胴側と前記中間部、及び、前記後部ま
で、胴内表板裏面の中央へ連続する配置方・構造であ
る。(図8・図9・図16)
【0022】擦弦楽器用の前記棹・駒振動同調部材1
部に設けるYの字の分目から、前記胴内ヘッド部aまで
の間の二等辺三角形になる空間へは、図9記載のように
細い実線で示す振動伝達部材12の側面を前記胴内ヘッ
ト部aへ接続することにより、その両端から「Yの字
型」の又分かれしている部分へ、それぞれ振動伝達する
構造と、また、「Yの字型」の分目から前記胴内ヘッド
部aの間へ、細点線で示す振動伝達部材12を入れる
と、前述の音叉実験3構造となり、棹と駒との振動同調
増幅作用を促す構造となると思う。(図9)
【0023】[本発明の第7実施例]本工法での擦弦楽器の表・裏板は、 厚い板を加工して膨
らみをだし、ギターより太い力木を胴中央へ一本設ける
構造であるが、本実施例は、ギター構造を応用する事か
ら、中央に一本のみ設ける擦弦楽器力木構造では薄板使
用のため、駒位置表板部分の補強力が弱いので弦の圧力
により変形するため、前記棹・駒振動同調部材1の三本
構成によりこの部分を補強し、棹末端の形状を補正後の
図18とし、細実線で記載した接続部材13を別部材と
して設け、この先端を、前記棹切断面Aの胴接続部中央
へ直結させ、その末端を胴内ヘッド部aとして、通常、
擦弦楽器に使用する力木7より少し細めにした中央力木
7先端の前記ヘッド部Aを、前記胴内ヘッド部aに直接
続させて、前述の音叉実験3の接続方をする文字通り
棹の胴内延長部兼力木として、また、前記中央力木7よ
り細めでギター力木より太めの長力木「一対型」を加え
三本構成で駒位置を補強し、その他、横力木・点線で
示すギター的感覚の力木等を設けて胴の表板全体、及
び、裏板側を補強し、更に、棹と胴との接合強化のため
に竹杭を三本設ける構造の実施例である。(図10・
18・図19
【0024】以下、本発明の全実施例に共通する部分を
まとめて簡単に説明する。
【0025】ギター系弦楽器では、側板接合部材5上面
の棹接続用溝5´へ、棹末端の前記胴接続用突起部2´
を差し込み、棹と胴とを接続し、棹接続用溝5´寄り直
近の両側位置へ溝を掘り、前記棹・駒振動同調部材1
先部分を埋め込み、その先端切断面二箇所の前記ヘッド
部Aを胴外へ露出させる。(図13・図14・図15)
【0026】前記頭部から前記中間部までの間の曲線を
描く実施例では、音響孔の両横側には従来通りの補強用
力木を設ける方が良い。(図3を除くギター系弦楽器
図)
【0027】ギター系弦楽器の実施例は、全て、胴型完
成後に、図面に示す太い実線部材の(横力木3・横力木
4、その他、駒裏力木6の代用部材の仮付け)等を先に
設けて胴型を補強し、前記棹・駒振動同調部材1を追加
する際、横力木3・横力木4に溝を設けて組み合わせ、
実施例によっては駒裏補強部材6´を所定位置へ接続後
に、表板を貼付してから、音響孔・必要部材等を設ける
作業手順とする。(図2・図3・図4・図5・図11・
図12)
【0028】前記棹・駒振動同調部材1の横力木3・横
力木4と交差する位置を、少し薄く括れた状態と、棒状
の状態と、どちらの構造が振動伝達効率は良いか、現在
では結論を出せないので、本発明の第2実施例と第7実
施例の試作では、前記棹・駒振動同調部材1の太さを、
前記頭部は太め・前記中間部ではやや細く、前記後部で
は既存力木7の太さの棒状として、末端は厚さ0mmと
した。(図11)
【0029】ギター試作の例では、胴型へ表板を貼付
後、図1に示す、糊を着けない駒裏力木6位置の仮部材
を除去し、駒に設ける弦受けの真裏にあたる位置へ、駒
裏力木6を新たに設けるが、この部材は、胴の左右両端
には届かない長さにする。(図1・図2・図3・図4・
図5・図10)
【0030】擦弦楽器の棹と胴との接続構造において
は、Yの字に開いた又部分へ、図16に記載した擦弦楽
器用棹末端部の胴接続用突起部2´を嵌め込み固定する
構造は、困難のため、試作チェロでは、補正後の図18
に記載する接続部材13を採用する構造としたが、どち
らも前記胴外ヘッド部Aと前記棹切断面Aとの接続方は
同様であり、その他の接続構造でも応用は可能であるも
のと確信する。(図6・図7・図8・図9・図16・
18・図19
【0031】擦弦楽器の棹と胴との接続構造において、
バイオリンのような小型のものは、棹末端の胴接続部の
構造を図16に示すように、表板8の上になる部分と、
胴接続用突起部2´との間に表板を挟み、且つ、胴接続
用突起部2´は図17に示す棹接続用溝5´へ差し込み
固定する方法も考えられるが、構造が複雑のため、もっ
と簡単な工法はあると思うので、現行の棹・胴接合構造
への応用を希望する。(図7・図9・図16・図17)
【0032】チェロのように大型のものは、棹末端胴接
続部の大部分が表板8の上面に位置する場合は、胴接続
用突起部2´を設けて胴頭部へ接続することが困難のた
め、棹末端の切断面を補正後の図18に記載した形状に
し、棹と胴との結合強化のために竹杭を必要数設け、接
続部材13の末端側を胴内ヘッド部aして既存力木7先
端のヘッド部と接続する構造が現実的である。(補正後
の図10・図18・図19
【0033】現在、試作品として存在するのは、図1・
図3・無改造のギターと、前案ギター式チェロ(側板巾
100mm・膨らみは表板17mm・裏板20mm)
本発明の第7実施例のギター式チェロ(補正後の図1
)(側板巾110mm・膨らみは表板 5mm・裏板
7mm)での試作で、表・裏板に膨らみをつけること
は、ベニヤの平板では可能である。
【0034】
【発明の効果】前記棹・駒振動同調部材1先端の前記胴
外ヘッド部Aを前記棹切断面Aに接続するという事は、
即ち、弦振動伝達の源である駒位置と棹とは、前記棹・
駒振動同調部材1という同一力木により、直接に連絡し
あう構造になるので、駒と棹の振動は、相互に刺激しあ
い、同調増幅作用が発生するため、弦楽器の発音特性は
大幅に改善される。
【0035】試作品としてのギターでは、図3に示す第
2実施例と、無改造ギター、それに図1に示す前案試作
品(全てベニヤ板胴)で、この三本のギターの性能を比
較した結果、無改造と前案試作品では、低音弦(第6
弦)が弱いのに対して、本発明の第2実施例試作品は、
上記二本の試作ギターの低音弦(第6弦)より優り、全
音域で平均的な音量を有し、高級品を思わせる音質を得
た。
【0036】前記棹・駒振動同調部材1採用により、薄
い平板を使用するギター構造応用の擦弦楽器でも、駒位
置の表板部分が補強され、弦の圧力に絶えられる構造と
なる事から、従来の厚い板を加工して膨らみをだす本工
法より低価格での擦弦楽器の製作が可能となる事を効果
として上げ、 肝心の性能比較については、擦弦楽器
試作品のギター構造応用ベニヤ板胴前試作チェロ(米栂
材自作駒)は、昭和63年製作・本発明第7実施例のベ
ニヤ板胴試作チェロ(市販の駒)は、現在、塗り完了後
半月経過したばかり、塗りの乾燥・弾き込み不十分等、
同条件比較には、適当年月使用(弾き込み)後にすべき
であるが、強いて比較すれば、 本試作品(補正後の図1
0)の方が、各開放弦を指で弾いた場合、音が敏感で明
瞭、前試作品は少し感度が悪くカスレ音に感じるのは、
前述の表・裏板の膨らみ方、力木の配置方、駒自体の構
造の違いによるものと推測でき、弓使用の場合、本試作
品は全音域にほぼ平均的音量であるのに対し、前試作品
には音ムラがあり、部分的に非常に良く鳴るところがあ
るのは、10年という歳月使用した弾き込み期間が関係
し、その意味において本試作品も現時点では、塗り上げ
15日、日を追うごとに、音に柔らかさを増しつつある
事から、このまま弾き込みを続ければ、前試作品の音質
・音量を越えるであろう、という兆しは感じている。
尚、本工法の擦弦楽器(図6・図7・図8・図9)での
実験は、試作品の製作技術を習得するための時間が無い
ため出来ないので、現在、その効果については不明では
あるが、前述の振動同調増幅作用には、大いに期待てい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】試作ギター胴内に設ける斜力木9の所在位置説
明斜視図である。
【図2】棹・駒振動同調部材1の第1実施例・一対型
成胴内配置の正面図である。
【図3】棹・駒振動同調部材1の第2実施例・一対型
成胴内配置の正面図である。
【図4】棹・駒振動同調部材1の第3実施例・一対型
成胴内配置の正面図である。
【図5】棹・駒振動同調部材1の第4実施例・一対型
成胴内配置の正面図である。
【図6】棹・駒振動同調部材1の第5実施例・一部材構
成「Yの字型」擦弦楽器用の棹・駒振動同調部材1の胴
型への接続方を胴外から見た正面図である。
【図7】棹・駒振動同調部材1の第5実施例・二部材構
成「Yの字型」擦弦楽器用の棹・駒振動同調部材1と棹
の胴接続用突起部2´部分断面との接合部を胴外から見
拡大正面図である。
【図8】棹・駒振動同調部材1の第6実施例・一部材構
成「Yの字型」擦弦楽器用の棹・駒振動同調部材1の胴
表板への接続方を胴外から見た正面図である。
【図9】棹・駒振動同調部材1の第6実施例・一部材構
成「Yの字型」擦弦楽器用の棹・駒振動同調部材1と棹
の胴接続用突起部2´部分断面との接合部を胴外から見
拡大正面図である。
【図10】棹・駒振動同調部材1の三本構成の第7実施
例・ギター構造応用の擦弦楽器の胴内表板裏面の正面図
である。
【図11】棹・駒振動同調部材1を直棒にした場合の正
面図である。
【図12】横力木3及び横力木4の溝位置の説明のため
の正面図である。
【図13】棹の付け根部分へ棹接続用溝5´を設けた胴
頭部の拡大平面図である。
【図14】ギター系弦楽器の「凸の字型」棹末端部の拡
大斜視図である。
【図15】ギター系弦楽器の棹と胴との接続方説明の部
分拡大正面図である。
【図16】擦弦楽器用の胴接続用突起部2´を有する棹
末端部の拡大斜視図である。
【図17】一部材構成「Yの字型」棹・駒振動同調部材
と側板接合部材5との結合状態を示す拡大斜視図であ
る。
【図18】擦弦楽器用の胴接続用突起部2´無しの棹末
端部分の背面拡大斜視図である。
【図19】大型擦弦楽器の棹と胴との接続部の中央部分
側面の拡大断面図である。
【符号の説明】
1……… 棹・駒振動同調部材 A…… 胴外ヘッド部・棹切断面 a…… 胴内ヘッド部 2……… 棹 2´……胴接続用突起部 3……… 横力木 4……… 横力木 5……… 側板接合部材 5´……棹接続用溝 6……… 駒裏力木 6´……駒裏補強部材 7……… 既存力木 8……… 表板 9……… 斜力木 10……… 表板補強部材 11……… 補強用力木 12……… 振動伝達部材 13……… 接続部材 14……… ヒール(棹・胴接続補強部材) 15……… 指板

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弦楽器には、音響孔を胴中央に有する
    ギター系弦楽器と、胴中央の左右に有する擦弦楽器とが
    あり、胴は、棹を接続する小胴側と、駒・緒止め等を有
    する大胴側とから成り、どちらの弦楽器胴内表板裏面に
    も適用可能な力木構造による、棹・駒振動同調部材1
    有し、前記棹・駒振動同調部材1 は、その先端ヘッド部を棹末
    端側の胴接続面へ直接に接続させて前記小胴側に配置す
    る頭部と、上記二種類の弦楽器それぞれの音響孔を避け
    つつ連続配置する中間部と、更に、前記大胴側任意位置
    の既存力木まで連続する後部とから成り、前記ヘッド部
    から前記後部末端までを一部材構成、又は、前記大胴側
    既存力木との連接により構成して、それぞれの該当する
    弦楽器の胴内表板裏面側へ、必要とする本数を左右対称
    の位置へ配置する構造であり、 前記ヘッド部は、棹末端部が接続する位置の前記小胴側
    頭部の胴外へ、前記棹・駒振動同調部材1の先端切断面
    を露出させて胴外ヘッド部Aとし、棹末端部にける胴
    接続用突起部先端を胴内ヘッド部aとして、棹末端側の
    胴接続面へは、前記棹・駒振動同調部材1の各々の先端
    ヘッド部を直接に接続する構造より、 弦楽器胴内表板裏面側へ、棹の胴内延長部兼力木として
    前記棹・駒振動同調部材1を採用して、弦振動を最も
    強く受ける駒側と棹側との振動同調を促す力木の配置方
    を特徴とする、弦楽器に於ける弦振動の伝達方法であ
    る。以上の構成から成る、弦楽器の力木による棹振動と
    駒振動との同調構造
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