JP2863554B2 - 石英ガラスるつぼ及びその製法 - Google Patents

石英ガラスるつぼ及びその製法

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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B19/00Other methods of shaping glass
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は石英ガラスるつぼ及びその製法に関し、特に
二酸化ケイ素含有外側部とこの外側部に一体化する合成
二酸化ケイ素からなる内側ライニングとから構成され、
シリコン単結晶引上げに使用される2層構成の石英ガラ
スるつぼ及びその製法に係わる。
[従来の技術] 従来、シリコン単結晶引上げに使用される2層構造の
石英ガラスるつぼとしては、二酸化ケイ素含有外側部
と,この外側部と一体化する合成二酸化ケイ素からなる
内側ライニングとから構成されたものが知られている。
以下、従来の各石英ガラスるつぼについて列挙する。
四塩化ケイ素の加水分解により得られた二酸化ケイ素
からなる内側ライニングを備えた構成のもの(ドイツ特
許公報第962868号)。
内側ライニングの原料が結晶質合成石英粒子からなる
構成のもの(特公昭58−50955号公報)。
内側ライニングの原料が四塩化ケイ素の加水分解によ
る合成石英のみで形成される構成のもの(特公昭58−50
955号公報)。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、従来の石英ガラスるつぼによれば、以
下の問題点を有する。
上記の場合、るつぼの内側ライニングが多孔質であ
るため、単結晶を引き上げなければならない半導体物質
が内側ライニングの孔の中に補促され、引き上げ操作が
著しく妨げられる。
上記の場合、結晶質合成石英粒子の製造が困難でか
つ多くの時間とエネルギーを要する。
上記の場合、内側ライニングを高純度にできるが、
粘性が低いため高温での使用ができず、大型化できな
い。また、内厚を大きくすることができない。更に、プ
レスなどを必要とするため、製造コストが高価となる。
更には、合成二酸化ケイ素に加水分解時に生じる塩素が
残留するため、高温真空中にて使用中発泡する場合があ
る。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、孔のない
平滑で耐熱性に優れた内側ライニングを有し、高温での
使用,大型化が可能で、かつ所望の厚みに容易にしえる
低コストの石英ガラスるつぼ及びその製法を提供するこ
とを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本願第1の発明は、二酸化ケイ素含有外側部,及びこ
の外側部の内側に設けられた合成二酸化ケイ素からなる
内側ライニングとを具備した石英ガラスるつぼにおい
て、前記外側部が天然産結晶質石英粒子を原料とし、か
つ前記内側ライニングが合成非晶質二酸化ケイ素を原料
とし、しかもこの合成非晶質二酸化ケイ素がシリコンア
ルコキシドの加水分解によって得られることを特徴とす
る石英ガラスるつぼである。
本願第2の発明は、シリコンアルコキシドの加水分解
により得られた非晶質二酸化ケイ素を粉砕して粉末状の
粗生成物を形成する工程と、この粗生成物を1000〜1300
℃で熱処理する工程と、天然産結晶質石英粒子を回転式
型内に供給して二酸化ケイ素含有外側部となる第1層を
形成する工程と、ひきつづき熱処理した前記粗生成物を
前記回転式型内に供給して合成二酸化ケイ素からなる内
側ライニングとなる第2層を形成する工程と、前記第1
層,第2層に熱を供給,溶融して二酸化ケイ素含有外側
部及びこれと一体化した合成二酸化ケイ素からなる内側
ライニングを形成する工程とを具備することを特徴とす
る石英ガラスるつぼの製法である。
前記非晶質二酸化ケイ素の粒度は、50〜100メッシュ
に粉砕することが好ましい。
熱処理温度を上記の如く1000〜1300℃に設定するの
は、1000℃未満の場合粒子の脱水,閉孔化が充分に行わ
れず、その後の溶融時に粒子が発泡し、内側ライニング
が多孔質化することからである。逆に、1300℃を越える
と、熱処理時と粒子が焼結するため、その後再度粉砕す
る必要があるからである。
上記内側ライニングの厚みは、少なくとも0.2mm以
上、好ましくはるつぼの肉厚の1/2以下とする。この理
由は、0.2mm以下であると、るつぼの使用中シリコン融
液中に内側ライニング表面が溶損し、外側部が露出して
初期の効果が得られないからである。また、上記のよう
につぼの肉厚の1/2以下とするのは、肉厚の1/2を越える
と、るつぼ自体が変形し、使用不能になる可能性がある
からである。
前記第1層及び第2層を溶融する温度は、大体1500〜
2200℃であり、アークトーチ,電気抵抗,高周波等によ
り加熱される。
[作用] 本発明によれば、内側ライニングの表面が平滑で孔の
ないち密な表面となり、しかも高温での使用,大型化が
可能で、かつ所望の厚みに容易にしえる低コストの石英
ガラスるつぼを得ることができる。また、従来のように
四塩化ケイ素使用による塩素の残留の問題がない。更
に、外側部に高粘性の天然石英粒子を原料とすることに
より、変形を防止することができる。更には、内側ライ
ニングの原料である合成非晶質二酸化ケイ素が、シリコ
ンアルコキシドを加水分解することによって得られるた
め、短時間で簡単に製造でき、コスト的にも安く大量生
産に適している。
また、本願第2の発明により製造されるるつぼを使用
してCZ(チョクラルスキ)法によりSi単結晶を引き上げ
る際、次のような長所が生れる。即ち、 CZ法では、シリコン融液と石英ガラスるつぼの壁面が
直接に接触するため、シリコン融液中に石英ガラスが溶
融する。このとき、石英ガラスるつぼ中の微量な不純物
も、シリコン融液中に溶解し、Si単結晶の品質を低下さ
せる。
しかし、本発明による石英ガラスるつぼは合成二酸化
ケイ素を原料とすることにより、容易に超高純度のもの
が得られ、このような石英ガラスるつぼを使用すること
により、高品質なSi単結晶を得ることができ、ひいては
その単結晶を用いて製造される半導体素子の製造歩留及
び信頼性を向上させることができる。
[実施例] 以下、本発明の一実施例について製造方法を併記して
説明する。
第1図は、石英ガラスるつぼの断面図を示す。
図中の1は、高粘性の天然産結晶質石英粒子からなる
外側部である。この外側部1の内側には、合成非晶質二
酸化ケイ素からなる内側ライニング2が外側部1と一体
化して設けられている。この内側ライニング2の合成非
晶質二酸化ケイ素は、シリコンアルコキシドの加水分解
によって得られる。前記内側ライニング2の厚みは例え
ば2mmで、ルツボ3の厚みの1/2以下である。なお、内側
ライニング2の厚みは、底部と胴部とでほぼ等しい。ま
た、るつぼ3のサイズは、例えば外径(L)200mm、厚
み(T)8mm、高さ(H)200mmである。
しかして、上記実施例に係る石英ガラスるつぼによれ
ば、高粘度の天然産結晶質石英粒子からなる外側部1、
及び合成非晶質二酸化ケイ素からなる内側ライニング2
の2層構造で、しかも前記合成非晶質二酸化ケイ素がシ
リコンアルコキシドを加水分解することによって得られ
るるため、内側ライニング2の表面が平滑で孔のないち
密な表面となり、しかも高温での使用,大型化が可能
で、所望の厚みに容易にしえコスト低減を図ることがで
きる。また、従来のように四塩化ケイ素使用による塩素
の残留の問題がない。更に、外側部1に高粘性の天然産
結晶質石英粒子を原料とすることにより、変形を防止す
ることができる。更には、内側ライニング2の原料であ
る合成非晶質二酸化ケイ素が、シリコンアルコキシドを
加水分解することによって得られるため、短時間で簡単
に製造でき、コスト的にも安く大量生産に適している。
次に、本発明の石英ガラスるつぼの製造方法について
説明する。
まず、高純度のシリコンアルコキシドの加水分解によ
り得られた非晶質二酸化ケイ素を、所定の粒度例えば50
〜100メッシュに粉砕し、粉末状の粗生成物を得た。つ
づいて、得られた粉末状の粗生成物を1000〜1300℃で熱
処理し、脱水,閉孔化した。次いで、天然産結晶質石英
粒子を回転式型に供給し、型の内壁に外側壁1となる第
1層を形成した。ひきつづき、前述した熱処理した粗生
成物を前記回転式型内に供給し、前記第1層の内側に第
2層を形成した。更に、回転型の回転を続けながらアー
クトーチ加熱により熱を供給して上記第1層,第2層を
溶融した。この結果、天然産結晶質石英粒子からなる外
側部1と非晶質二酸化ケイ素粒子からなる内側ライニン
グ2から構成された石英ガラスるつぼを形成できた。
こうした本発明方法によれば、上記したように内側ラ
イニング2の表面が平滑で孔のないち密な表面となり、
しかも高温での使用,大型化が可能で、所望の厚みに容
易にしえコスト低減を図ることができる。また、従来の
ように四塩化ケイ素使用による塩素の残留の問題がな
い。更に、外側部1に高粘性の天然石英粒子を原料とす
ることにより、変形を防止することができる。更には、
内側ライニングの原料である合成非晶質二酸化ケイ素
が、シリコンアルコキシドを加水分解することによって
得られるため、短時間で簡単に製造でき、コスト的にも
安く大量生産に適している。
事実、上記実施例1に係るるつぼより幅(W)30mmの
リング4を切出し、第2図(A)図示の電気炉5中で熱
処理(1250℃,20時間)を行ない、そのつぶれ量の測定
を行った(サンプル1)。また、比較のため、下記サン
プル2〜5についても同様な試験を行ったところ、後掲
する第1表に示す結果を得た。
サンプル2;上記実施例1と比べ内側ライニングの厚み
(4mm)のみ異なる石英ガラスるつぼを上記と同様にリ
ングにしたもの。
サンプル3;全てシリコンアルコキシド加水分解により
製造される二酸化ケイ素を原料とする石英ガラスるつぼ
を上記と同様にリングしたもの。
サンプル4;全て天然石英を原料とする石英ガラスるつ
ぼを上記と同様にリングにしたもの。
サンプル5;Si C4の加水分解により製造される二酸化
ケイ素を内側ライニングの原料とし、この内側ライニン
グの厚みを2mmとした石英ガラスるつぼを上記と同様に
リングにしたもの。なお、上記つぶれ量はL1(200mm)
と熱処理後の最短径(L2)(第2図(B)参照))の差
で表わされる。
また、上記各サンプルと同じ原料を用いて、外形406m
m、高さ305mm、肉厚8mmのるつぼを製造し、MCZ法により
ノンドープSi単結晶引上げに使用した。その結果、サン
プル1,2,4は正常に引上げされた。サンプル3は20%引
上げたところでルツボの変形が激しくなって引上げ不可
能となった。サンプル5はるつぼ内表面に開気孔が多く
存在したものとなり、Si融液が孔に補促され、引上げが
不可能であった。この理由は、SiCl4の加水分解により
得られる二酸化ケイ素は塩素の残留が避けられず、これ
が原因となり溶融時及び単結晶引き上げ時にるつぼ肉中
からの発泡を招き、内表面に開気孔の存在したものとな
ったためと推察される。
ところで、上記サンプル1,4に係るるつぼにより引き
上げられた結晶の特性を調べたところ、サンプル1,4の
ライフタイムは夫々80〜120(μm)、10〜40(μm)
であった。但し、測定方法は反射マイクロ波法を用い、
測定部分はウェハ中央部とした。なお、ウェハ中央部の
みならず、他の部分でもサンプル1の方がサンプル4に
比べ3〜5倍のライフタイムを示した。
[発明の効果] 以上詳述した如く、本発明に係る石英ガラスるつぼに
よれば、孔のない平滑で耐熱性に優れた内側ライニング
を有し、高温での使用、大型化が可能で、かつ所望の厚
みに容易にしえコスト低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る石英ガラスるつぼの断
面図、第2図はるつぼより切出したリングのつぶれ量を
測定するための説明図である。 1……外側部、2……内側ライニング、3……るつぼ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西脇 勉 山形県西置賜郡小国町大字小国町378番 地 東芝セラミックス株式会社小国製造 所内 (56)参考文献 特開 昭64−82526(JP,A) 特開 昭56−17996(JP,A) 特開 昭62−138335(JP,A) 特開 昭60−226418(JP,A) 特開 昭60−36342(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C30B 1/00 - 35/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二酸化ケイ素含有外側部,及びこの外側部
    の内側に設けられた合成二酸化ケイ素からなる内側ライ
    ニングとを具備した石英ガラスるつぼにおいて、前記外
    側部が天然産結晶質石英粒子を原料とし、かつ前記内側
    ライニングが合成非晶質二酸化ケイ素を原料とし、しか
    もこの合成非晶質二酸化ケイ素がシリコンアルコキシド
    の加水分解によって得られることを特徴とする石英ガラ
    スるつぼ。
  2. 【請求項2】シリコンアルコキシドの加水分解により得
    られた非晶質二酸化ケイ素を粉砕して粉末状の粗生成物
    を形成する工程と、この粗生成物を1000〜1300℃で熱処
    理する工程と、天然産結晶質石英粒子を回転式型内に供
    給して二酸化ケイ素含有外側部となる第1層を形成する
    工程と、ひきつづき熱処理した前記粗生成物を前記回転
    式型内に供給して合成二酸化ケイ素からなる内側ライニ
    ングとなる第2層を形成する工程と、前記第1層,第2
    層に熱を供給,溶融して二酸化ケイ素含有外側部及びこ
    れと一体化した合成二酸化ケイ素からなる内側ライニン
    グを形成する工程とを具備することを特徴とする石英ガ
    ラスるつぼの製法。
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