JP2862853B2 - 自動車用シート - Google Patents

自動車用シート

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JP2862853B2
JP2862853B2 JP9265859A JP26585997A JP2862853B2 JP 2862853 B2 JP2862853 B2 JP 2862853B2 JP 9265859 A JP9265859 A JP 9265859A JP 26585997 A JP26585997 A JP 26585997A JP 2862853 B2 JP2862853 B2 JP 2862853B2
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和吉 石森
聰 藤木
正利 田中
昇 嶋本
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Daihatsu Motor Co Ltd
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Daihatsu Kogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【本発明の属する技術分野】本発明は,自動車シートに
関し,詳しくは,追突された際の乗員の鞭打ち障害を防
止するため,追突を受けた際にヘッドレストを乗員の頭
部至近位置に自動的に移動させるヘッドレスト移動機構
を備えた自動車シートに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車シートに設けられるヘッドレスト
は,追突事故による乗員のムチ打ち障害を防止するため
にシートバックの上部に装着される。ヘッドレストによ
り鞭打ち障害を防止する目的を果たすためには,ヘッド
レストが適正な位置に装着されていることを要する。そ
のため,ヘッドレストの前後位置の調整ができる自動車
シートが種々提案されている。例えば,実開昭60−1
12955号公報に開示された可倒式ヘッドレストで
は,図3に示すように,ヘッドレスト23が前後方向に
移動可能に構成されている。図示するように,ヘッドレ
スト23を支持する支柱24がシートバック22に回動
可能に取り付けられており,支柱24に設けられたガイ
ドピン28とシートバック22に設けられたガイド板2
7との嵌合によって,ヘッドレスト23の位置ロックを
可能にし,段階的な前後位置の調整ができるように構成
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】鞭打ち防止のために
は,頭部とヘッドレストとの間隔が少ないほど追突を受
けた際に頭部が後方に振られる度合いが少なくなって鞭
打ち運動を軽減させることができる。従って,ヘッドレ
ストは頭部の至近位置になるよう前後位置を調整してお
くことが必要となる。しかしながら,頭部の至近位置に
ヘッドレストが常にあるのは乗員の運転姿勢に違和感を
与え,後方あるいは側方確認等の頭部の自由な動作の妨
げとなる。従って,上記従来構成のように前後位置の調
整機能が備わっている場合にも,頭部の至近位置に調整
されることは少なく,頭部から離れた位置に調整される
結果,鞭打ち防止の効果が十分に発揮されない問題点が
あった。本発明は上記問題点に鑑みて創案されたもの
で,ヘッドレストが平常時は頭部から適度に離れた位置
にあり,追突を受けた際に自動的に頭部の至近位置に移
動するよう構成された自動車シートを提供することを目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明が採用する手段は,シートクッションフレーム
を芯材とするシートクッションと,上記シートクッショ
ンフレームに下端部が連結されたシートバックフレーム
を芯材とするシートバックと,該シートバックの上部に
取り付けられたヘッドレストとを備えた自動車用シート
において,上記シートバックフレームの前面側に配置さ
れ,強い衝撃を受けた際の乗員からの荷重を受けて上端
部が後方に移動する衝撃受圧フレームと,上端部に上記
ヘッドレストが取り付けられ,中間部が上記シートバッ
クフレームの上端部に前後方向回動可能に支持され,下
端部が上記衝撃受圧フレームの上端部に連結されてなる
ヘッドレスト支持フレームとを具備してなることを特徴
とする自動車用シートとして構成される。
【0005】
【作用】本発明によれば,追突を受けた際の衝撃により
乗員の上半身が後方に移動する動きによりシートバック
に加えられる乗員からの荷重を,シートバックフレーム
の前方に配置された衝撃受圧フレームの後方移動により
吸収する。この衝撃受圧フレームの後方移動の動作によ
り,該衝撃受圧フレームの上端部に連結されたヘッドレ
スト支持フレームの下端部を後方に移動させる。該ヘッ
ドレスト支持フレームは中間部がシートバックフレーム
に前後方向回動可能に支持されているので,下端部の後
方移動によってヘッドレストを具備する上端部を前方に
移動させる。従って,追突時の乗員の上半身の後方移動
をシートバックで吸収すると共に,この衝撃吸収の動き
によってヘッドレストが前方に移動して乗員の頭部に近
づくことになるので,ヘッドレストによる鞭打ち防止が
効果的に発揮される。
【0006】
【発明の実施の形態】以下,添付図面を参照して,本発
明の実施の形態につき説明し,本発明の理解に供する。
尚,以下の実施の形態は本発明を具体化した一例であっ
て,本発明の技術的範囲を限定するものではない。ここ
に,図1は本発明の一実施の形態に係る自動車シートの
シートバック内構造を示す側面図(a)と背面図
(b),図2は追突を受けた際の動きを説明する側面図
である。図1(a)において,自動車シート1は,シー
トクッション2の後方に背もたれ角度調整可能にシート
バック3が取り付けられ,該シートバック3の上部にヘ
ッドレスト4が取り付けられて構成されている。上記シ
ートバック3内の構成は,同図に示すように,シートバ
ック3の芯材をなすシートバックフレーム5の前方側
に,衝撃受圧フレーム6が配置され,該衝撃受圧フレー
ム6の下端部は上記シートバックフレーム5に固定され
ている。又,シートバックフレーム5は正面から見て
(図1(b))逆Uの字状に形成された上辺部にヘッド
レスト支持フレーム7に固定された回動部材9が回動可
能に嵌合されている。上記ヘッドレスト支持フレーム7
は,図1(b)に示すように2本の支持フレーム7a,
7bによって構成され,各上端部によりヘッドレスト4
を支持し,各中間部にそれぞれ上記回動部材9a,9b
が固定され,下方がLの字状に折り曲げ形成されて,そ
の各端部は衝撃受圧フレーム6の上端部に接合されてい
る。上記回動部材9a,9bは,円形パイプで形成され
たシートバックフレーム5に回動可能に嵌合されている
ので,ヘッドレストフレーム7はその中間部を支点とし
て前後方向に回動することができる。しかし,上記のよ
うに端部が衝撃受圧フレーム6の上端部に接合されてい
るので,常時はヘッドレスト支持フレーム7は回動でき
ない。回動は衝撃受圧フレーム6の動作に係る。上記衝
撃受圧フレーム6の動作とは,該衝撃受圧フレーム6の
上部位置の変動であって,その位置変動を行わせる構造
が,図1(a)に示す衝撃受圧フレーム6の下部に形成
された低剛性部8である。この低剛性部8は,正面から
見て(図1(b))円形パイプを逆Uの字状に曲げ加工
して形成された衝撃受圧フレーム6の両側下部に所要数
の穴開け加工あるいは切欠き加工を施すことにより形成
される。このように部分的な穴開け又は切欠き加工によ
って,この部分のパイプの剛性が低下するので,衝撃受
圧フレーム6に所定以上の強い衝撃が加えられたとき,
低剛性部8が変形して衝撃受圧フレーム6が該低剛性部
8から折れ曲がる状態となる。
【0007】上記構成になる自動車シート1の追突時の
動作について,図2を参照して以下に説明する。図2
(a)は平常時の状態で,シート上に着座した乗員12
の頭部とヘッドレスト4との間は頭部の自由な動きを妨
げない適度な間隔に保たれている。尚,ヘッドレスト4
の前後位置調節の構造を設ける場合には,ヘッドレスト
4内に調整機構を装備することができる。追突を受ける
と,乗員12は後方に上半身を振られる衝撃を受けるの
で,乗員12の背部がシートバック3に強い荷重を加え
る結果,図2(b)に示すように,衝撃受圧フレーム6
は低剛性部8から折れ曲がり,上端部は後方に移動す
る。この衝撃受圧フレーム6の動きによって,上端部に
接合されたヘッドレスト支持フレーム7の端部は後方に
移動し,ヘッドレスト支持フレーム7は回動部材9でシ
ートバックフレーム5に回動支持された中間部を支点と
して回動し,ヘッドレスト4を前方に移動させる。上記
のように,追突を受けた際には衝撃受圧フレーム6の後
方移動によって,乗員12の衝撃による荷重を吸収し,
この荷重を吸収する動きによってヘッドレスト4を前方
に移動させる。この結果,図2に示すように,ヘッドレ
スト4と乗員12の頭部との間隔は,上半身の後方移動
と相まって至近位置となり,頭部の鞭打ち運動を抑え
る。このように,本実施の形態に係る構成のヘッドレス
ト4の移動は,追突の衝撃が強いほどヘッドレスト4の
移動量が大きく,頭部の後方移動を至近位置で支え,効
果的に鞭打ち障害を防止する。
【0008】
【発明の効果】以上の説明の通り本発明によれば,ヘッ
ドレストは平常時には頭部の自由な動きを妨げない適度
な位置にあるが,追突を受けた際には,衝撃による上半
身の後方移動を衝撃受圧フレームで吸収して,その衝撃
吸収の動きによってヘッドレストを前方に移動させる。
従って,追突時にヘッドレストが頭部の至近位置に移動
して頭部の鞭打ち運動を抑え,鞭打ち障害を効果的に防
止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係る自動車シートの
シートバック内構造を示す側面図(a)と背面図
(b)。
【図2】 上記実施の形態に係る自動車シートの追突時
の状態を示す側面図。
【図3】 従来例に係るヘッドレストの前後位置調整構
造を示す側面図。
【符号の説明】
1…自動車シート 2…シートクッ
ション 3…シートバック 4…ヘッドレス
ト 5…シートバックフレーム 6…衝撃受圧フ
レーム 7…ヘッドレスト支持フレーム 8…低剛性部 9…回動部材 10…バネ部材
(低剛性部) 12…乗員
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 正利 滋賀県蒲生郡竜王町大字山之上3000番地 ダイハツ工業株式会社 滋賀テクニカ ルセンター内 (72)発明者 嶋本 昇 滋賀県蒲生郡竜王町大字山之上3000番地 ダイハツ工業株式会社 滋賀テクニカ ルセンター内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A47C 7/38 A47C 7/44 B60N 2/42 B60N 2/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートクッションフレームを芯材とする
    シートクッションと,上記シートクッションフレームに
    下端部が連結されたシートバックフレームを芯材とする
    シートバックと,該シートバックの上部に取り付けられ
    たヘッドレストとを備えた自動車用シートにおいて,上
    記シートバックフレームの前面側に配置され,強い衝撃
    を受けた際の乗員からの荷重を受けて上端部が後方に移
    動する衝撃受圧フレームと,上端部に上記ヘッドレスト
    が取り付けられ,中間部が上記シートバックフレームの
    上端部に前後方向回動可能に支持され,下端部が上記衝
    撃受圧フレームの上端部に連結されてなるヘッドレスト
    支持フレームとを具備してなることを特徴とする自動車
    用シート。
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