JP2862623B2 - 養毛料 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、特定の脂肪族第三アミンを含有し、優れた
脱毛防止、養毛効果をもつ養毛料に関する。

［従来の技術］ 従来、禿や脱毛の原因としては、（１）毛根、皮脂腺
等の器官における男性ホルモンの活性化、（２）毛包へ
の血流量の低下、（３）皮脂の分泌過剰、過酸化物の生
成等による頭皮の異常、等が考えられている。

このため、従来の養毛料には、前記の原因を取り除い
たり、または軽減する作用をもつ化合物が一般に配合さ
れている。

例えば、ビタミンＥなどのビタミン類、センブリエキ
スなどの血管拡張剤、ヒノキチオールなどの抗炎症剤、
エストラジオールなどの女性ホルモン剤、セファランチ
ンなどの皮膚機能亢進剤などが配合され、脱毛症の予防
及び治療に用いられている。

［発明が解決しようとする問題点］ しかしながら、脱毛や発毛の機構は非常に複雑であ
り、従来の養毛料による、男性ホルモンの活性化の阻害
や毛包の血流量の増加等だけでは、充分な脱毛防止、養
毛の効果は認められなかった。

本発明者は、上記の事情に鑑み、脱毛防止、養毛に対
して有効な作用をもつ物質を探求した結果、特定の脂肪
族第三アミンを配合した養毛料が著しい脱毛防止、養毛
の効果をもつことを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。

［問題点を解決するための手段］ すなわち、本発明は、特定の脂肪族第三アミンを配合
することを特徴とする養毛料を提供するものである。以
下、本発明の構成について詳述する。

本発明において用いられる特定の脂肪族第三アミン
は、次のものがあげられる。

（１）一般式（Ａ）で表わされる第三アミン （式中R1,R2およびR3は直鎖または分岐のアルキル基ま
たはアルケニル基を表わし、R1,R2およびR3の炭素原子
数の合計は10から30の範囲である） （２）一般式（Ｂ）で表わされるジヒドロキシエチルア
ルキルアミン （式中Ｒは炭素原子数８から26の直鎖または分岐のアル
キル基あるいはアルケニル基を表わす） 上記脂肪族第三アミンのうちの一種または二種以上が
用いられる。

上記特定の脂肪族第三アミンの配合量は本発明の養毛
料中の0.0001〜20重量％の範囲である。配合量が0.0001
重量％未満では十分な脱毛防止及び、養毛効果が得られ
ず、20重量％を超えると製剤上また皮膚刺激の上からも
好ましくない。

本発明に係る養毛料には、上記特定の脂肪族第三アミ
ンの一種または二種以上のほか、他の成分として、ビタ
ミンB₆、ビタミンＥ及びその誘導体、ビオチン等のビタ
ミン類、パントテン酸及びその誘導体、グリチルレチン
酸及びその誘導体、ニコチン酸ベンジル等のニコチン酸
エステル類、サイクロスポリン類、塩化カルプロニウ
ム、セファランチン、オキセンドロン、ジアゾキシド、
ミノキシジル、エチニルエストラジオールなどを同時に
配合してもよい。更に、通常養毛料に用いられる添加
剤、例えば、ヒノキチオール、ヘキサクロロフェン、フ
ェノール、ベンザルコニウムクロリド、セチルピリジニ
ウムクロリド、ウンデシレン酸、トリクロロカルバニリ
ド及びビチオノールなどの抗菌剤、メントールなどの清
涼剤、サリチル酸、亜鉛及びその誘導体、乳酸及びその
アルキルエステルなどの薬剤、クエン酸等の有機酸類、
アルギニン等のアミノ酸類、エデト酸または、その塩等
のキレート剤、オリーブ油、スクワラン、流動パラフィ
ン、イソプロピルミリステート、高級脂肪酸、高級アル
コールなどの油分、グリセリン、プロピレングリコール
等の多価アルコール、非イオン界面活性剤、陽イオン界
面活性剤、陰イオン界面活性剤、香料、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、色素、エタノール、水、保湿剤、増粘剤な
どが本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合すること
ができる。

本発明の養毛料の性状は、液状、乳酸、軟膏など外皮
に適用できる性状のものであればいずれでもよい。

［実施例］ 次に実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明する。
本発明はこれにより限定されるものではない。配合量は
重量％である。

脱毛防止効果試験例 （１）試験法 試料使用前後の洗髪時脱毛本数の変化で判定した。被
験者は実施例および比較例各群それぞれ８名とした。試
験期間は６ヵ月間とし、前期の２ヵ月間は試料無塗布の
期間、後期の４カ月間を試料塗布の期間とした。試料塗
布期間には、試料を１日２回、１回につき２〜4mlを頭
皮に塗布した。試験期間中は、１日おきに洗髪して抜毛
を回収し、太さ50μｍ以上の毛髪の本数を数えた。各期
間の抜毛本数は、試料無塗布の２カ月間のデータと養毛
剤塗布期間の後半２カ月間の抜毛本数のデータをそれぞ
れの期間ごとにまとめ、被験者毎に一日平均の抜毛本数
の変化率（養毛料塗布期間の平均抜毛本数÷無塗布期間
の平均抜毛本数×100）を％で表わした。

表２から明らかなように、特定の脂肪族第三アミン配
合の本発明に係る養毛料の脱毛防止効果は極めて優れて
いる。

養毛効果試験例 （１）試験法 本発明の養毛剤の養毛作用を調べるため、トリコグラ
ム試験を実施した。被験者は実施例および比較例各群そ
れぞれ８名とした。試料塗布期間は４ケ月間とし、この
間試料を１日２回、１回につき２〜4mlを頭皮に塗布し
た。塗布直前および４ヵ月塗布終了直後にそれぞれ被験
者１名につき頭頂部から終毛を50本抜去し、抜去毛髪の
毛根を顕微鏡下で観察し、毛根の形態から毛髪の成長
期、退行期、休止期を判定し、毛根休止期率を計算し
た。試料塗布前後における休止期率の増減によって各試
料の養毛効果を比較した。

（２）試料 表１に示した、脱毛防止効果試験と同じ試料（実施例
１〜6,比較例１）を用いた。

表３から明らかなように、本発明に係る養毛料は、毛
根休止期率を減少させ、優れた養毛効果を有している。

実施例 ７ 以下の組成からなるローションを調整した。

95％エタノール 75.0 N,N−ジメチルドデシルアミン 0.02 ヒノキチオール 0.01 酢酸トコフェロール 0.2 ２−ヒドロキシ−４−メトキシベンゾフェノン0.2 硬化ヒマシ油エチレンオキシド（60モル）付加物 0.5 ドデシル硫酸ナトリウム 0.06 香料 0.8 色素 適量 精製水 23.03 （製造法） 95％エタノールに、精製水と色素を除く各成分を添加
し、撹拌溶解させた後、精製水を混合して調色し、透明
液状のローションを得た。

実施例 ８ （Ａ 相） N,N−ジメチルステアリルアミン 10.0 N,N−ジヒドロキシエチルデシルアミン 2.0 N,N−ジヒドロキシエチル−２−デシルテトラデシル
アミン 0.5 流動パラフィン 5.0 セトステアリルアルコール 5.5 グリセリルモノステアレート 3.0 ポリオキシエチレン（20モル付加）−２−オクチルド
デシルエーテル 3.0 酢酸トコフェロール 0.05 プロピルパラベン 0.3 香料 0.05 （Ｂ 相） グリセリン 7.0 ジプロピレングリコール 20.0 ポリエチレングリコール4000 5.0 ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.005 精製水 39.595 （製造法） Ａ相、Ｂ相をそれぞれ加熱溶解して混合し、ホモミキ
サーで乳化して軟膏状養毛料を得た。

［発明の効果］ 本発明に係る養毛料は、毛根休止期率を減少させ、養
毛効果、脱毛防止効果、共に極めて優れた効果を有して
いる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石野 章博 東京都中央区銀座７丁目５番５号 株式 会社資生堂内 (56)参考文献 特開 昭63−201112（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−120809（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−131711（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−292215（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) A61K 7/06

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】下記一般式（Ａ）で表わされる第三アミン （式中、R¹、R²およびR³は直鎖または分岐のアルキル基
   またはアルケニル基を表わし、R¹、R²およびR³の炭素原
   子数の合計は10から30の範囲である）、 および下記一般式（Ｂ）で表わされるジヒドロキシエチ
   ルアルキルアミン （式中、Ｒは炭素原子数８から26の直鎖または分岐のア
   ルキル基またはアルケニル基を表わす） の中から選ばれる１種または２種以上を配合することを
   特徴とする養毛料。