JP2862275B2 - 外用剤用不織布強化含水アルギン酸フィルムの製造方法 - Google Patents
外用剤用不織布強化含水アルギン酸フィルムの製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、医薬品や化粧品等の外用剤として利用され
る、不織布で補強された不織布強化含水アルギン酸フィ
ルムの製造方法に関する。
る、不織布で補強された不織布強化含水アルギン酸フィ
ルムの製造方法に関する。
(従来の技術) 可溶性アルギン酸塩は、水溶液中でカルシウムイオン
等の2価金属塩と反応すると、容易にゲル化することが
知られている。この性質を利用して、含水アルギン酸フ
ィルムを製造することができる。含水アルギン酸フィル
ムは、医薬品、化粧品等の外用剤に応用され得る。これ
らの外用剤は、その用途に応じて薬効成分、保湿剤、殺
菌剤、着色剤等の有効成分及びその他の添加剤を含有す
る。このような含水アルギン酸フィルムは、一般に、上
記有効成分を含む可溶性アルギン酸塩水溶液を、ゲル化
することにより得られる。
等の2価金属塩と反応すると、容易にゲル化することが
知られている。この性質を利用して、含水アルギン酸フ
ィルムを製造することができる。含水アルギン酸フィル
ムは、医薬品、化粧品等の外用剤に応用され得る。これ
らの外用剤は、その用途に応じて薬効成分、保湿剤、殺
菌剤、着色剤等の有効成分及びその他の添加剤を含有す
る。このような含水アルギン酸フィルムは、一般に、上
記有効成分を含む可溶性アルギン酸塩水溶液を、ゲル化
することにより得られる。
含水アルギン酸フィルムの具体的な製造方法として
は、例えば英国特許第552,770号に、アルギン酸ナトリ
ウム(以下、アルギン酸Naとする)水溶液を、塩化カル
シウム水溶液等の溶液(ゲル化溶液)中に押し出す方法
が開示されている。ゲル化溶液中に押し出されたアルギ
ン酸Naは、カルシウムイオンと反応して即座にゲル化
し、含水アルギン酸フィルムを形成する。しかしこの方
法では、アルギン酸Na水溶液中に薬効成分、保湿剤等が
配合されている場合には、該有効成分が、形成されたゲ
ル状物(含水アルギン酸フィルム)から上記ゲル化溶液
中へ溶出するため、得られる含水アルギン酸フィルム中
の有効成分の含有量が一定しない。そのため、上記方法
は、医薬品や化粧品用の外用剤の製造には適していな
い。
は、例えば英国特許第552,770号に、アルギン酸ナトリ
ウム(以下、アルギン酸Naとする)水溶液を、塩化カル
シウム水溶液等の溶液(ゲル化溶液)中に押し出す方法
が開示されている。ゲル化溶液中に押し出されたアルギ
ン酸Naは、カルシウムイオンと反応して即座にゲル化
し、含水アルギン酸フィルムを形成する。しかしこの方
法では、アルギン酸Na水溶液中に薬効成分、保湿剤等が
配合されている場合には、該有効成分が、形成されたゲ
ル状物(含水アルギン酸フィルム)から上記ゲル化溶液
中へ溶出するため、得られる含水アルギン酸フィルム中
の有効成分の含有量が一定しない。そのため、上記方法
は、医薬品や化粧品用の外用剤の製造には適していな
い。
含水アルギン酸フィルムの他の製造方法が、食品工
業,Vol.10,No.4,(1967)に記載されている。この文献
に記載された方法に於ては、アルギン酸Na水溶液に難溶
性カルシウム塩を添加し、これを製膜、放置することに
よりゲル化が達成される。この方法では、難溶性のカル
シウム塩を使用するため、アルギン酸Na水溶液中に形成
されるカルシウムイオンの濃度は非常に低い。従って、
アルギン酸Naとカルシウムイオンとの反応が遅くなり、
その結果、ゲル化前に溶液を流延し製膜することが可能
となる。しかし、この方法において、カルシウム塩の量
を調節するなどの手段により、ゲル化速度を遅くする
と、この溶液を流延後ゲル化するまでの間、長時間放置
しなければならないので、連続製造の効率が低下してし
まう。逆にゲル化速度を速くすると、この溶液を流延し
製膜する前にゲル化してしまう。言い換えれば、上記方
法は製造条件の設定が難く、連続製造には適していな
い。
業,Vol.10,No.4,(1967)に記載されている。この文献
に記載された方法に於ては、アルギン酸Na水溶液に難溶
性カルシウム塩を添加し、これを製膜、放置することに
よりゲル化が達成される。この方法では、難溶性のカル
シウム塩を使用するため、アルギン酸Na水溶液中に形成
されるカルシウムイオンの濃度は非常に低い。従って、
アルギン酸Naとカルシウムイオンとの反応が遅くなり、
その結果、ゲル化前に溶液を流延し製膜することが可能
となる。しかし、この方法において、カルシウム塩の量
を調節するなどの手段により、ゲル化速度を遅くする
と、この溶液を流延後ゲル化するまでの間、長時間放置
しなければならないので、連続製造の効率が低下してし
まう。逆にゲル化速度を速くすると、この溶液を流延し
製膜する前にゲル化してしまう。言い換えれば、上記方
法は製造条件の設定が難く、連続製造には適していな
い。
可溶性アルギン酸塩水溶液を単にゲル化させただけの
含水アルギン酸フィルムは、フィルム強度が小さいので
実用上問題となることがある。この問題点を解決するた
め、含水アルギン酸フィルム中に適当な支持体、例えば
不織布を含ませることが行われている。不織布を含水ア
ルギン酸フィルム中に含ませるには、例えば前述の文献
の方法に於て、アルギン酸Na水溶液と難溶性カルシウム
塩との混合物に、不織布を浸漬してゲル化が行われる。
しかし、このような方法では、可溶性アルギン酸塩水溶
液を含む溶液に不織布を浸漬する際に不織布に気泡が付
着し、得られる含水アルギン酸フィルム中には気泡が含
まれてしまう。このような気泡は品質上好ましくない。
含水アルギン酸フィルムは、フィルム強度が小さいので
実用上問題となることがある。この問題点を解決するた
め、含水アルギン酸フィルム中に適当な支持体、例えば
不織布を含ませることが行われている。不織布を含水ア
ルギン酸フィルム中に含ませるには、例えば前述の文献
の方法に於て、アルギン酸Na水溶液と難溶性カルシウム
塩との混合物に、不織布を浸漬してゲル化が行われる。
しかし、このような方法では、可溶性アルギン酸塩水溶
液を含む溶液に不織布を浸漬する際に不織布に気泡が付
着し、得られる含水アルギン酸フィルム中には気泡が含
まれてしまう。このような気泡は品質上好ましくない。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は上記従来の問題点を解決するものであり、そ
の目的は、有効成分のバラツキがなく、容易に連続製造
することができ、気泡を含むことのない外用剤用不織布
強化含水アルギン酸フィルムの製造方法を提供すること
である。
の目的は、有効成分のバラツキがなく、容易に連続製造
することができ、気泡を含むことのない外用剤用不織布
強化含水アルギン酸フィルムの製造方法を提供すること
である。
(課題を解決するための手段) 本発明の外用剤用不織布強化含水アルギン酸フィルム
の製造方法は、不織布の一方の面に可溶性アルギン酸ナ
トリウム水溶液の膜を形成する第1の液膜形成工程と、
該一方の面に形成された該水溶液の膜に、可溶性カルシ
ウム塩水溶液を接触させる第1のゲル化工程と、該不織
布の他方の面に可溶性アルギン酸ナトリウム水溶液の膜
を形成する第2の液膜形成工程と、該他方の面に形成さ
れた該水溶液の膜に、可溶性カルシウム塩水溶液を接触
させる第2のゲル化工程と、を包含し、さらにアルギン
酸ナトリウム水溶液に含有されるナトリウムイオンと可
溶性カルシウム塩水溶液に含有されるカルシウムイオン
のモル比が1:0.2〜0.35であることを特徴とし、そのこ
とによって上記目的が達成される。
の製造方法は、不織布の一方の面に可溶性アルギン酸ナ
トリウム水溶液の膜を形成する第1の液膜形成工程と、
該一方の面に形成された該水溶液の膜に、可溶性カルシ
ウム塩水溶液を接触させる第1のゲル化工程と、該不織
布の他方の面に可溶性アルギン酸ナトリウム水溶液の膜
を形成する第2の液膜形成工程と、該他方の面に形成さ
れた該水溶液の膜に、可溶性カルシウム塩水溶液を接触
させる第2のゲル化工程と、を包含し、さらにアルギン
酸ナトリウム水溶液に含有されるナトリウムイオンと可
溶性カルシウム塩水溶液に含有されるカルシウムイオン
のモル比が1:0.2〜0.35であることを特徴とし、そのこ
とによって上記目的が達成される。
本発明に用いられる可溶性カルシウム塩としては、ハ
ロゲン化カルシウム(フッ化カルシウムを除く)、硝酸
カルシウム、及び酢酸カルシウムを挙げることができ
る。
ロゲン化カルシウム(フッ化カルシウムを除く)、硝酸
カルシウム、及び酢酸カルシウムを挙げることができ
る。
本発明に用いられる不織布の素材は特に限定されな
い。ポリエチレン、ポリウレタン、ポリエステル、レー
ヨン、等の合成樹脂、パルプ等が利用され得る。更に、
不織布の他に織布も用いることができる。
い。ポリエチレン、ポリウレタン、ポリエステル、レー
ヨン、等の合成樹脂、パルプ等が利用され得る。更に、
不織布の他に織布も用いることができる。
本発明の含水アルギン酸フィルムは、必要に応じて各
種の有効成分や添加剤が含有され得る。その例として
は、各種の薬効成分、保湿剤、殺菌剤、抗菌剤、着色
剤、増粘剤、薬効成分の吸収促進剤、中和・緩衝剤、着
味料、香料、界面活性剤、軟化剤、有機・無機増量剤等
がある。
種の有効成分や添加剤が含有され得る。その例として
は、各種の薬効成分、保湿剤、殺菌剤、抗菌剤、着色
剤、増粘剤、薬効成分の吸収促進剤、中和・緩衝剤、着
味料、香料、界面活性剤、軟化剤、有機・無機増量剤等
がある。
本発明の含水アルギン酸フィルムを調製するには、ま
ず、上記アルギン酸ナトリウムを水に溶解させ、水溶液
とする。この水溶液は、通常の塗工方式で製膜し得るよ
うに、数百〜数万cpsの粘度の範囲に調整される。この
範囲より低粘度或いは高粘度では、製膜が困難となり、
好ましくない。
ず、上記アルギン酸ナトリウムを水に溶解させ、水溶液
とする。この水溶液は、通常の塗工方式で製膜し得るよ
うに、数百〜数万cpsの粘度の範囲に調整される。この
範囲より低粘度或いは高粘度では、製膜が困難となり、
好ましくない。
次に、これとは別に、上記可溶性カルシウム塩の水溶
液を調製する。可溶性カルシウム塩水溶液は、含有され
るカルシウムイオンの量が、上記アルギン酸Na水溶液に
含有されるアルギン酸NaのNaイオン1モルあたり、0.2
〜0.35モルとなるように調製される。この範囲よりも多
いと、得られる含水アルギン酸フィルムは固くなり、例
えば医療用の貼付剤とすると、使用感が悪くなる。この
範囲よりも少ないと、殆どゲル化が起こらず、フィルム
の強度が小さくなる。可溶性カルシウム塩水溶液の濃度
は、通常、1〜50重量%、好ましくは1〜20重量%であ
る。この範囲より高い濃度の水溶液を用いると、該水溶
液を接触させたアルギン酸ナトリウム水溶液の膜を収縮
し、得られるフィルムに変形が生じると共に離水現象が
生じる。この範囲よりも低い濃度ではゲル化速度が遅く
なり、また、接触させる水溶液量が多くなるので、有効
成分が溶出してしまう。
液を調製する。可溶性カルシウム塩水溶液は、含有され
るカルシウムイオンの量が、上記アルギン酸Na水溶液に
含有されるアルギン酸NaのNaイオン1モルあたり、0.2
〜0.35モルとなるように調製される。この範囲よりも多
いと、得られる含水アルギン酸フィルムは固くなり、例
えば医療用の貼付剤とすると、使用感が悪くなる。この
範囲よりも少ないと、殆どゲル化が起こらず、フィルム
の強度が小さくなる。可溶性カルシウム塩水溶液の濃度
は、通常、1〜50重量%、好ましくは1〜20重量%であ
る。この範囲より高い濃度の水溶液を用いると、該水溶
液を接触させたアルギン酸ナトリウム水溶液の膜を収縮
し、得られるフィルムに変形が生じると共に離水現象が
生じる。この範囲よりも低い濃度ではゲル化速度が遅く
なり、また、接触させる水溶液量が多くなるので、有効
成分が溶出してしまう。
次に、上記可溶性アルギン酸ナトリウム水溶液の2分
の1量を常法、例えばキャスティング法により不織布の
一方の面上に流延して製膜する。このアルギン酸ナトリ
ウム水溶液の膜の表面に、上記可溶性カルシウム塩水溶
液の2分の1量を接触させる。この接触は、例えば、上
記可溶性カルシウム塩水溶液を、上記流延して得られる
アルギン酸ナトリウム水溶液の膜表面に直接噴霧するこ
とにより、或いは、上記可溶性カルシウム塩水溶液を表
面に付与した基材で上記流延したアルギン酸ナトリウム
水溶液表面を覆うことにより、行われる。上記基材とし
ては、例えば、プラスチックフィルム、不織布、紙等が
挙げられる。これらの基材に可溶性カルシウム塩水溶液
を付与するには、例えば、スプレー、浸漬、塗布等の方
法が用いられる。このようにして不織布の一方の面上に
アルギン酸のゲルが形成される。
の1量を常法、例えばキャスティング法により不織布の
一方の面上に流延して製膜する。このアルギン酸ナトリ
ウム水溶液の膜の表面に、上記可溶性カルシウム塩水溶
液の2分の1量を接触させる。この接触は、例えば、上
記可溶性カルシウム塩水溶液を、上記流延して得られる
アルギン酸ナトリウム水溶液の膜表面に直接噴霧するこ
とにより、或いは、上記可溶性カルシウム塩水溶液を表
面に付与した基材で上記流延したアルギン酸ナトリウム
水溶液表面を覆うことにより、行われる。上記基材とし
ては、例えば、プラスチックフィルム、不織布、紙等が
挙げられる。これらの基材に可溶性カルシウム塩水溶液
を付与するには、例えば、スプレー、浸漬、塗布等の方
法が用いられる。このようにして不織布の一方の面上に
アルギン酸のゲルが形成される。
次に、上記アルギン酸ゲルが形成された不織布の反対
側の面に、残り2分の1量の可溶性アルギンナトリウム
塩水溶液を流延製膜する。該可溶性アルギン酸ナトリウ
ム水溶液の膜に、上記と同様に残り2分の1量の可溶性
カルシウム塩水溶液を接触させ、アルギン酸のゲルを形
成する。以上のようにして不織布の他方の面にもアルギ
ン酸ゲルが形成され、不織布強化含水アルギン酸フィル
ムが得られる。
側の面に、残り2分の1量の可溶性アルギンナトリウム
塩水溶液を流延製膜する。該可溶性アルギン酸ナトリウ
ム水溶液の膜に、上記と同様に残り2分の1量の可溶性
カルシウム塩水溶液を接触させ、アルギン酸のゲルを形
成する。以上のようにして不織布の他方の面にもアルギ
ン酸ゲルが形成され、不織布強化含水アルギン酸フィル
ムが得られる。
上述のようにして得られる不織布強化含水アルギン酸
フィルムには、気泡は含まれない。しかし、気泡がフィ
ルム中へ混入するのを確実に防止するため、上記の不織
布強化含水アルギン酸フィルムの製造に先だって、不織
布にアルギン酸ナトリウム水溶液を含浸させることも推
奨される。アルギン酸ナトリウム水溶液を不織布に含浸
させておけば、該不織布上に気泡を含むことのない不織
布強化含水アルギン酸フィルムが、確実に得られる。
フィルムには、気泡は含まれない。しかし、気泡がフィ
ルム中へ混入するのを確実に防止するため、上記の不織
布強化含水アルギン酸フィルムの製造に先だって、不織
布にアルギン酸ナトリウム水溶液を含浸させることも推
奨される。アルギン酸ナトリウム水溶液を不織布に含浸
させておけば、該不織布上に気泡を含むことのない不織
布強化含水アルギン酸フィルムが、確実に得られる。
アルギン酸ナトリウム水溶液の膜に接触した可溶性カ
ルシウム塩水溶液中のカルシウムイオンは、速やかにア
ルギン酸ナトリウムと反応するので、ゲル化は接触と同
時に起こる。そのため、含水アルギン酸フィルムを効率
的に連続製造することができる。このようにして製造し
た不織布強化含水アルギン酸フィルムには、気泡が含ま
れず、品質的に好ましいものである。可溶性カルシウム
塩水溶液をその表面に付与した基材を用いて調製された
不織布強化含水アルギン酸フィルムは、必要に応じて基
材から剥離して使用される。調製された不織布強化含水
アルギン酸フィルムの厚みは、使用目的により異なる
が、通常0.1mm〜5mmである。このフィルムは、従来技術
の項で記した英国特許の方法のように、含水アルギン酸
フィルムが溶液中に形成されることがないので、有効成
分や必要とされる添加剤が失われない。
ルシウム塩水溶液中のカルシウムイオンは、速やかにア
ルギン酸ナトリウムと反応するので、ゲル化は接触と同
時に起こる。そのため、含水アルギン酸フィルムを効率
的に連続製造することができる。このようにして製造し
た不織布強化含水アルギン酸フィルムには、気泡が含ま
れず、品質的に好ましいものである。可溶性カルシウム
塩水溶液をその表面に付与した基材を用いて調製された
不織布強化含水アルギン酸フィルムは、必要に応じて基
材から剥離して使用される。調製された不織布強化含水
アルギン酸フィルムの厚みは、使用目的により異なる
が、通常0.1mm〜5mmである。このフィルムは、従来技術
の項で記した英国特許の方法のように、含水アルギン酸
フィルムが溶液中に形成されることがないので、有効成
分や必要とされる添加剤が失われない。
(実施例) 本発明を実施例について以下に説明する。
実施例1 アルギン酸Na(君津化学工業製、ISグレード)2重量
部を、日本薬局方精製水98重量部に均一に溶解し、アル
ギン酸Na水溶液を調製した。このアルギン酸Na水溶液の
2分の1をポリウレタン不織布の一方の面上に、厚さ0.
5mmに流延した。これとは別に、10重量%塩化カルシウ
ム(半井化学製、試薬特級)水溶液を調製し、これをポ
リエチレンテレフタレートフィルム上に噴霧した。噴霧
されるカルシウムイオンの量は、上記で調製したアルギ
ン酸Na水溶液の全量に含有されるアルギン酸NaのNaイオ
ン1モルに対して、0.1モルである。塩化カルシウム水
溶液を噴霧した上記フィルムの該塩化カルシウム水溶液
が上記流延製膜したアルギン酸Na水溶液と接するよう
に、該フィルムで不織布の表面を覆い、2分間放置し
た。これにより、不織布の一方の面上にアルギン酸ゲル
が形成された。
部を、日本薬局方精製水98重量部に均一に溶解し、アル
ギン酸Na水溶液を調製した。このアルギン酸Na水溶液の
2分の1をポリウレタン不織布の一方の面上に、厚さ0.
5mmに流延した。これとは別に、10重量%塩化カルシウ
ム(半井化学製、試薬特級)水溶液を調製し、これをポ
リエチレンテレフタレートフィルム上に噴霧した。噴霧
されるカルシウムイオンの量は、上記で調製したアルギ
ン酸Na水溶液の全量に含有されるアルギン酸NaのNaイオ
ン1モルに対して、0.1モルである。塩化カルシウム水
溶液を噴霧した上記フィルムの該塩化カルシウム水溶液
が上記流延製膜したアルギン酸Na水溶液と接するよう
に、該フィルムで不織布の表面を覆い、2分間放置し
た。これにより、不織布の一方の面上にアルギン酸ゲル
が形成された。
次に、上記アルギン酸ゲルが生成された不織布の反対
側の面上に、残り2分の1のアルギン酸Na水溶液を厚さ
0.5mmに流延した。流延したアルギン酸Na水溶液の表面
を、上記と同様にして10重量%塩化カルシウム水溶液を
噴霧したポリエチレンテレフタレートフィルムで覆い、
2分間放置した。噴霧されるカルシウムイオンの量は、
上記で調製したアルギン酸Na水溶液の全量に含有される
アルギン酸NaのNaイオン1モルに対して、0.1モルであ
る。これにより、不織布の他方の面上にもアルギン酸ゲ
ルが形成された。
側の面上に、残り2分の1のアルギン酸Na水溶液を厚さ
0.5mmに流延した。流延したアルギン酸Na水溶液の表面
を、上記と同様にして10重量%塩化カルシウム水溶液を
噴霧したポリエチレンテレフタレートフィルムで覆い、
2分間放置した。噴霧されるカルシウムイオンの量は、
上記で調製したアルギン酸Na水溶液の全量に含有される
アルギン酸NaのNaイオン1モルに対して、0.1モルであ
る。これにより、不織布の他方の面上にもアルギン酸ゲ
ルが形成された。
このようにして得られた不織布強化含水アルギン酸フ
ィルムには、気泡は含まれていなかった。得られた不織
布強化含水アルギン酸フィルムの、フィルム強度及びフ
ィルムの使用感を、官能試験により調べた。フィルムの
強度及び使用感は共に良好であった。
ィルムには、気泡は含まれていなかった。得られた不織
布強化含水アルギン酸フィルムの、フィルム強度及びフ
ィルムの使用感を、官能試験により調べた。フィルムの
強度及び使用感は共に良好であった。
実施例2 アルギン酸Na(君津化学工業製、ISグレード)2重量
部と、銅クロロフィリンNa0.01重量部とを、日本薬局方
精製水97.99重量部に均一に溶解し、銅クロロフィリンN
aを含有するアルギン酸Na水溶液を調製した。このアル
ギン酸Na水溶液に、ポリエステル−レーヨン不織布を浸
漬し、該不織布にアルギン酸Na水溶液を含浸させた。こ
の不織布上に、上記アルギン酸Na水溶液の2分の1を、
厚さ0.5mmに流延した。これとは別に、10重量%塩化カ
ルシウム(半井化学製、試薬特級)水溶液を調製し、こ
れを放電処理したポリエチレンフィルム上に噴霧した。
噴霧されるカルシウムイオンの量は、上記で調製したア
ルギン酸Na水溶液の全量に含有されるアルギン酸NaのNa
イオン1モルに対して、0.1モルである。塩化カルシウ
ム水溶液を噴霧した上記フィルムの塩化カルシウム水溶
液が上記流延製膜したアルギン酸Na水溶液と接するよう
に、該フィルムで不織布の表面を覆い、2分間放置し
た。これにより、不織布の一方の面上にアルギン酸ゲル
が形成された。
部と、銅クロロフィリンNa0.01重量部とを、日本薬局方
精製水97.99重量部に均一に溶解し、銅クロロフィリンN
aを含有するアルギン酸Na水溶液を調製した。このアル
ギン酸Na水溶液に、ポリエステル−レーヨン不織布を浸
漬し、該不織布にアルギン酸Na水溶液を含浸させた。こ
の不織布上に、上記アルギン酸Na水溶液の2分の1を、
厚さ0.5mmに流延した。これとは別に、10重量%塩化カ
ルシウム(半井化学製、試薬特級)水溶液を調製し、こ
れを放電処理したポリエチレンフィルム上に噴霧した。
噴霧されるカルシウムイオンの量は、上記で調製したア
ルギン酸Na水溶液の全量に含有されるアルギン酸NaのNa
イオン1モルに対して、0.1モルである。塩化カルシウ
ム水溶液を噴霧した上記フィルムの塩化カルシウム水溶
液が上記流延製膜したアルギン酸Na水溶液と接するよう
に、該フィルムで不織布の表面を覆い、2分間放置し
た。これにより、不織布の一方の面上にアルギン酸ゲル
が形成された。
次に、上記アルギン酸ゲルが生成された不織布の反対
側の面上に、残り2分の1のアルギン酸Na水溶液を厚さ
0.5mmに流延した。流延した該水溶液の表面を、上記と
同様にして10重量%塩化カルシウム水溶液を噴霧したポ
リエチレンテレフタレートフィルムで覆い、2分間放置
した。噴霧されるカルシウムイオンの量は、上記で調製
したアルギン酸Na水溶液の全量に含有されるアルギン酸
NaのNaイオン1モルに対して、0.1モルである。これに
より、不織布の他方の面上にもアルギン酸ゲルが形成さ
れた。
側の面上に、残り2分の1のアルギン酸Na水溶液を厚さ
0.5mmに流延した。流延した該水溶液の表面を、上記と
同様にして10重量%塩化カルシウム水溶液を噴霧したポ
リエチレンテレフタレートフィルムで覆い、2分間放置
した。噴霧されるカルシウムイオンの量は、上記で調製
したアルギン酸Na水溶液の全量に含有されるアルギン酸
NaのNaイオン1モルに対して、0.1モルである。これに
より、不織布の他方の面上にもアルギン酸ゲルが形成さ
れた。
このようにして得られた不織布強化含水アルギン酸フ
ィルムには、気泡は含まれていなかった。得られた不織
布強化含水フィルム中の銅クロロフィリンNaの含有量
は、フィルム形成前のそれとほぼ等しく、フィルムの強
度及び使用感は共に良好であった。
ィルムには、気泡は含まれていなかった。得られた不織
布強化含水フィルム中の銅クロロフィリンNaの含有量
は、フィルム形成前のそれとほぼ等しく、フィルムの強
度及び使用感は共に良好であった。
(発明の効果) 本発明の製造方法によれば、このように、含有される
有効成分のバラツキがなく、且つ、気泡を含むことな
く、外用剤用不織布強化含水アルギン酸フィルムが効率
良く連続製造され得る。本発明方法を適用すれば、医薬
品、化粧品等の分野で使用されるアルギン酸を基剤とす
る外用剤を、一定品質で、効率よく、連続的に製造し得
る。
有効成分のバラツキがなく、且つ、気泡を含むことな
く、外用剤用不織布強化含水アルギン酸フィルムが効率
良く連続製造され得る。本発明方法を適用すれば、医薬
品、化粧品等の分野で使用されるアルギン酸を基剤とす
る外用剤を、一定品質で、効率よく、連続的に製造し得
る。
Claims (2)
- 【請求項1】不織布の一方の面に可溶性アルギン酸ナト
リウム水溶液の膜を形成する第1の液膜形成工程と、 該一方の面に形成された該水溶液の膜に、可溶性カルシ
ウム塩水溶液を接触させる第1のゲル化工程と、 該不織布の他方の面に可溶性アルギン酸ナトリウム水溶
液の膜を形成する第2の液膜形成工程と、 該他方の面に形成された該水溶液の膜に、可溶性カルシ
ウム塩水溶液を接触させる第2のゲル化工程と、を包含
し、 さらにアルギン酸ナトリウム水溶液に含有されるナトリ
ウムイオンと可溶性カルシウム塩水溶液に含有されるカ
ルシウムイオンのモル比が1:0.2〜0.35であることを特
徴とする外用剤用不織布強化含水アルギン酸フィルムの
製造方法。 - 【請求項2】前記第1の液膜形成工程に先立ち、前記不
織布に可溶性アルギン酸ナトリウム水溶液を含浸させる
工程、を包含する請求項1に記載の外用剤用不織布強化
含水アルギン酸フィルムの製造方法。
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---|---|---|---|
JP1133790A JP2862275B2 (ja) | 1989-05-26 | 1989-05-26 | 外用剤用不織布強化含水アルギン酸フィルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP1133790A JP2862275B2 (ja) | 1989-05-26 | 1989-05-26 | 外用剤用不織布強化含水アルギン酸フィルムの製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH02311536A JPH02311536A (ja) | 1990-12-27 |
JP2862275B2 true JP2862275B2 (ja) | 1999-03-03 |
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JP1133790A Expired - Fee Related JP2862275B2 (ja) | 1989-05-26 | 1989-05-26 | 外用剤用不織布強化含水アルギン酸フィルムの製造方法 |
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-
1989
- 1989-05-26 JP JP1133790A patent/JP2862275B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH02311536A (ja) | 1990-12-27 |
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