JP2862048B2 - 固体撮像素子 - Google Patents

固体撮像素子

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JP2862048B2
JP2862048B2 JP4333042A JP33304292A JP2862048B2 JP 2862048 B2 JP2862048 B2 JP 2862048B2 JP 4333042 A JP4333042 A JP 4333042A JP 33304292 A JP33304292 A JP 33304292A JP 2862048 B2 JP2862048 B2 JP 2862048B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、半導体基板上に1次
元もしくは2次元に配置された光検出器と、この光検出
器に蓄積される信号電荷を外部に読み出す電荷転送手段
とを有す固体撮像素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7は、例えばOPTICAL ENG
INEERING/JULY 1990/Vol.29
No.7 p786〜794に示された、硅素などの
半導体基板を介して、金属硅化物ショットキーバリア・
ダイオードより成る光検出器を有する、従来の固体撮像
素子の断面図および、固体撮像素子に入射した信号光の
振る舞いを示す模式図である。図において、1は固体撮
像素子、2は反射防止膜、3は硅素の半導体基板、4は
光電変換部である白金硅化物、5は層間絶縁用の酸化硅
素の誘電体、6はアルミニウムの反射膜であり、以下4
〜6をまとめて光検出器7と呼ぶことにし、固体撮像素
子1内に光検出器7は2次元に配置されている。30は
固体撮像素子に入射する信号光、31は固体撮像素子1
内で生じる回折光、32は回折光31のうち反射防止膜
2により固体撮像素子1の外部へ放射される光、33は
回折光31のうちゴーストとなる光である。
【0003】固体撮像素子1の動作について説明する。
固体撮像素子1に入射した信号光30は2次元に配置さ
れた各白金硅化物4で吸収され、ここで光電変換され
る。光電変換された電荷は、図には示していないが電荷
転送部に読み出され、電荷転送部の自己走査機能にした
がって逐次転送され、外部回路により映像信号に変換さ
れる。
【0004】次に、固体撮像素子1に入射した信号光3
0の振る舞いについて説明する。固体撮像素子1に入射
した信号光30は反射防止膜2が施された半導体基板3
を透過して光検出器7に達する。この信号光30の一部
は白金硅化物4の層で吸収されるが、他は透過もしくは
反射される。白金硅化物4を透過した信号光30は誘電
体5の層を透過し、アルミニウムから成る反射膜6で反
射され、白金硅化物4に戻る。白金硅化物4に戻った信
号光30の一部は白金硅化物4の層で吸収されるが、他
の一部は透過して半導体基板3の中へ抜け、残りは反射
され、再び誘電体5の層を透過し、反射膜6で反射され
る。以下これが繰り返される。反射膜6を設けることに
より、これと白金硅化物4の層との間で信号光30を繰
り返して反射させ、より多くの信号光30を白金硅化物
4へ吸収させて検出感度を高めている。
【0005】固体撮像素子1に入射し、白金硅化物4で
吸収されなかった信号光30は、半導体基板3上で多層
構造を成す構成要素の各層で反射される。各層の反射を
重ね合わせた、半導体基板3の光検出器7などが構成さ
れる面(以降、表面20と呼ぶ)を基準とした、信号光
30の入射方向から見た複素反射率は構成要素により各
部で大きく異なる。これら構成要素の大きさは、信号光
30の波長程度であることから、反射時に回折光31を
生じる。回折光31は半導体基板3の反射防止膜2の施
された面(以降、裏面21と呼ぶ)へ広範囲にわたって
入射する。裏面21で回折光31は反射し、この反射し
た回折光33が信号光30の入射したものと異なる光検
出器7に入射することによりゴーストとなる。
【0006】このため、輝度の高い物体を撮像すると、
映像画面上には高輝度部の像を中心にゴーストが生じ、
このために画質が損なわれ、本来現れるべき情景の像情
報が、ゴーストのために失われるという問題がある。例
えば、OPTICAL ENGINEERING/NO
V 1989/Vol.28 No.11 p1161
には、赤外線の輝度が高い高温部(たばこ)を含む物体
を赤外線撮像素子で観察したときの像の写真が示されて
いる。(図示を省略)
【0007】そこで、上記従来例の文献では固体撮像素
子1の半導体基板3の裏面21に施されている反射防止
膜2を最適化することにより、大部分の回折光31は固
体撮像素子1の外部に放射され、回折光31のうちゴー
ストとなる光33は僅かとなり、観測されなくなると示
している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の固体撮像素子1
は以上のように、半導体基板3の裏面21に適切な反射
防止膜2を施すことにより、ゴーストとなる光33の低
減が図れると示している。ところが、回折光31は反射
防止膜2へ広範囲に亙り入射するため、半導体基板3の
裏面21で空気に対して全反射を起こす臨界角を越える
角度で反射防止膜2に入射する回折光31も多々存在す
る。この臨界角は、半導体基板3の屈折率と空気の屈折
率とで決定されるため、臨界角を越える角度で反射防止
膜2に達する回折光31に対しては、半導体基板3の裏
面21での全反射により、反射防止膜2は効果を示さな
い。よって、反射防止膜2を如何に改善しても、臨界角
を越す角度で反射防止膜2に入射する回折光31によ
り、ゴーストが発生するという問題がある。
【0009】また、図7の従来例は感度を高めるために
光検出器7を白金硅化物4、酸化硅素の誘電体5、アル
ミニウムの反射膜6の多層構造としているが、光検出器
7をアルミニウムの反射膜6を除いて半導体基板3を介
さずに直接光検出器7へ信号光30を入射しても、固体
撮像素子として動作する。この固体撮像素子1の断面
と、固体撮像素子に入射した信号光の振る舞いを図8に
示す。なお、図7と同一、又は相当部分には同一符号を
用いて重複説明は省略する。
【0010】図8のように半導体基板3を介さずに、光
検出器7へ信号光30が入射する固体撮像素子1におい
ては、信号光30が半導体基板3上に配置された白金硅
化物4で吸収されずに、半導体基板3内へ透過されるさ
いに、これら構成要素各部による複素透過率の違いによ
り回折光31を発生する。この回折光31が上記従来例
と同様の振る舞いをすることにより、回折光31のうち
ゴーストとなる光33は発生する。
【0011】この発明は、上記のような問題点を解決す
るためになされたものであり、高輝度な光が入射しても
ゴーストを生じない、もしくはその強度が低い固体撮像
素子を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、入射した
光の一部を吸収し信号電荷に変換する光電変変換部、上
記光電変換部を透過した光を反射させて再度上記光電変
換部に入射させる反射膜、上記光電変換部と上記反射膜
の層間絶縁をする第1の誘電体から構成された光検出器
と、 上記光検出器に蓄積される信号電荷を読み出し外部
に転送する電荷転送手段、上記電荷転送手段が読み出し
た信号電荷の絶縁をする第2の誘電体、上記電荷転送手
段が読み出した信号電荷の絶縁をする第3の誘電体から
構成され、上記光検出器に隣接する隣接部とを備え、
記光電変換部、上記反射膜、上記第1の誘電体、上記第
2の誘電体及び上記第3の誘電体の屈折率及び膜厚は、
上記光検出器の上記入射光側からの複素反射率の振幅成
分又は位相成分と、上記隣接部の上記入射光側からの複
素反射率の振幅成分又は位相成分とが等しくなるように
構成されたものである。
【0013】第2の発明は、上記反射膜の大きさが上記
光電変換部の大きさより小さいものである。
【0014】第3の発明は、上記第1、第2、第3の誘
電体の膜厚の和を一定にし、上記光検出器及び上記隣接
部の全面に亙って上記反射膜を形成したものである。
【0015】第4の発明は、上記電荷転送手段を透明な
材料で構成したものである。
【0016】第5の発明は、上記反射膜及び上記電荷転
送手段の所定の面を粗面にしたものである。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【作用】この発明における半導体基板を介して信号光が
入射する固体撮像素子は、光電変換部、反射膜、第1の
誘電体から構成された光検出器と、電荷転送手段、第2
の誘電体、第3の誘電体から構成された隣接部とを備
え、光電変換部、反射膜、第1の誘電体、第2の誘電体
及び第3の誘電体の屈折率及び膜厚を、光検出器の入射
光側からの複素反射率の振幅成分又は位相成分と、隣接
部の入射光側からの複素反射率の振幅成分又は位相成分
とが等しくなるように構成したので、固体撮像素子に入
射した信号光はこれらの構成要素で反射もしくは透過し
ても回折を起こさず、各構成要素で反射、もしくは構成
要素を透過した信号光は反射防止膜により固体撮像素子
の外部に放出され、ゴーストは発生しない。
【0021】
【実施例】実施例1. 図1はこの発明による固体撮像素子に入射した信号光の
振る舞いを示す断面模式図で、図2はこの発明による固
体撮像素子の一実施例を示す光検出器7、および電荷転
送手段駆動用の電極を有した面の断面図を示す。図1、
2中、図7の従来例と同一、又は相当部分には同一符号
を用いて重複説明は省略する。図2において、4は光電
変換部である金属硅化物、8は素子間分離に用いられる
酸化硅素などの誘電体、9は層間絶縁に用いられる酸化
硅素などの誘電体であり、10は電荷転送手段駆動用の
電極であり、11は窒化硅素などの保護膜である。
下、特に明記しない限り、半導体基板3を介して光検出
器7へと信号光30を入射させる固体撮像素子1を用い
て説明する。
【0022】一般に、図1のような多層構造を成す構成
に垂直方向より信号光30が入射したとき、各部の複素
反射率rは次式のように表すことができると知られてお
り、複素反射率の振幅成分を振幅反射率、位相成分を位
相反射率と呼ぶ。
【0023】
【数1】
【0024】なお、式(1)中、m11,m12,m2
1,m22は次式で表される。
【0025】
【数2】
【0026】多層構造を成す構成要素の複素屈折率は、
式(1),(2)の関係を満たすような各層の膜厚、屈
折率を求めることにより、任意の値に設定できる。
【0027】信号光30の入射方向から見た光検出器7
など多層構造を成す構成要素の複素反射率を任意の値で
一定となるべく、固体撮像素子1の各構成要素の膜厚
を、例えば、図2中光検出器7部、および前記光検出器
7の隣接部15で表1の如く設定する。表1の如く構成
要素を設定したとき、式(1)、(2)より、半導体基
板3の表面20を基準とした、信号光30の入射方向か
ら見た複素反射率は、信号光30の波長を4.0μmと
すると、光検出器7部、前記隣接部15部共に、0.6
9×exp(−j×0.25)となり一致する。同様の
手段を、固体撮像素子1の全構成要素に適応することに
より、固体撮像素子1の全面に亙り構成要素各部の複素
反射率は一定となる。
【0028】
【表1】
【0029】ところで、回折光31は固体撮像素子1の
表面21の複素反射率分布が信号光30の波長オーダー
で変動することにより発生する。したがって、上記のよ
うに、固体撮像素子1内全面で、信号光30の入射方向
から見た構成要素の複素反射率を、上記手段によって一
定とすることにより回折を抑制できる。故に、図1の如
く固体撮像素子1へ入射した信号光30が、固体撮像素
子1の光検出器7側諸構成要素により反射を起こして
も、反射光は拡がらずに、半導体基板3の空気に対する
臨界角以下で反射防止膜2に入射するので、反射光は反
射防止膜2により固体撮像素子1の外部へ放射され、ゴ
ーストとなる光33は発生しない。
【0030】また、このように固体撮像素子内の信号光
の入射方向から見た、構成要素の複素反射率を一定とす
る構成は、表1の構成に限らず、各構成要素の膜厚を、
式(1)、(2)を満たす所定の膜厚に設定することに
より多々存在する。さらに、単層構成を成すときなど、
構成要素によっては所望の複素反射率となる式(1),
(2)を満たす膜厚が存在しないことも有り得る。この
ようなときは、式(1),(2)を満たす、所定の屈折
率を持つ光学的な層を構成要素に付加することにより、
所望の複素反射率を得ることができる。
【0031】実施例2.さらに、固体撮像素子1の構造
によっては、構成要素の複素反射率を一定とする構造を
提供することが困難となり得る。しかしながら、実施例
1と同様の手段により複素反射率の位相成分、もしくは
振幅成分の一方を一定とする構造を提供することは、振
幅成分、位相成分を共に一定とすることに比べ容易であ
る。この様な場合、固体撮像素子1に入射した信号光3
0は諸構成要素で反射するさいに回折を起こすが、複素
反射率の位相成分、振幅成分共に固体撮像素子1内の各
部で変動している場合に比べ、回折光31の強度は低く
なる。したがって、このような場合では、前記実施例1
の様にゴーストとなる光33はなくなりはしないが、観
測されるゴーストの強度は抑制される。
【0032】実施例3.上記実施例1、2は固体撮像素
子1内の構成要素による複素反射率を任意の値で一定に
させるものであるが、上記複素反射率を光検出器7の値
と一致させることにより、検出感度の劣化なく同様の効
果が得られる。
【0033】これは、上記実施例1、2に示したよう
に、半導体基板3を介して信号光30が光検出器7に入
射する固体撮像素子1において、固体撮像素子1に入射
した信号光30は、半導体基板3を透過して光電変換部
である金属硅化物4に達する。上記金属硅化物4の吸収
率を上げるために、金属硅化物4を透過した信号光30
を金属硅化物4、誘電体5、反射膜6間で多重反射さ
せ、繰り返し金属硅化物4で吸収させている。このさ
い、金属硅化物4の吸収率を最大に、つまり光検出器7
の感度を最大とするように、誘電体5の光学的膜厚は設
計されている。よって、固体撮像素子1全面で複素反射
率を上記光検出器7部に一致するべく、光検出器7部以
外の構成要素を設定することにより、光検出器7の検出
感度が劣化することなく、上記実施例1、2と同様の効
果が得られる。
【0034】実施例4.図3は実施例4を示す固体撮像
素子1の断面模式図である。図3中、図2の実施例1と
同一、又は相当部分には同一符号を用いて重複説明は省
略する。図3における、半導体基板3を介して信号光3
0を光検出器7へ入射させる固体撮像素子1は、金属硅
化物4上に誘電体5を介して、金属硅化物4の寸法と等
しい、もしくはそれより小さな反射膜6を備えている。
【0035】反射膜6が金属硅化物4より大きい場合、
光検出器7部とその隣接部の複素反射率は次のようにな
る。光検出器7部では、金属硅化物4の光吸収により振
幅反射率は高くない。一方、その隣接部は、酸化硅素の
ような透明な誘電体5と反射膜6により構成されるため
振幅反射率は高い。さらに、その周辺部には反射膜6が
ないため、振幅反射率は高くない。
【0036】この様に、反射膜6が金属硅化物4より大
きい固体撮像素子1では、振幅反射率が大きく変動する
部分が存在するため、回折光31の強度は高くなり、そ
の結果ゴーストとなる光33の強度は高くなる。図3
は、反射膜6を、金属硅化物4の寸法と等しい、もしく
はそれより小さくしていることから、反射膜6の影響範
囲は金属硅化物4上に限定され、金属硅化物4の光吸収
により振幅反射率が局所的に高くなることはない。その
結果、固体撮像素子1内で振幅反射率の変動は減少し、
回折光31の発生を抑圧するための設計を容易にする。
【0037】実施例5.図4は実施例5を示す固体撮像
素子1の断面模式図である。図4中、図2の実施例1と
同一、又は相当部分には同一符号を用いて重複説明は省
略する。図4中、誘電体5は誘電体9と概ね同一の屈折
率材料より成るもので、これにより固体撮像素子内の光
検出器7外の各部で誘電体5と誘電体9の膜厚の和が変
動する部分はなくなる。
【0038】一般に、固体撮像素子1内で断線されるこ
となく配線を行うために、各構成要素間で厚さ方向の形
状は滑らかなテーパー形状をなして結ばれる。ところ
が、テーパー形状を成して膜厚が周期的に変動する領域
では、各構成要素の光路長も周期的に変動するため、複
素反射率の特に位相成分は変動する。したがって、これ
らの部分で信号光30が反射すると、複素反射率の特に
位相成分の変動から信号光30は回折し、その結果ゴー
ストが発生する。
【0039】そこで、図4に示すように、固体撮像素子
1内の各部で同一の屈折率材料より成る構成要素の各膜
厚の和を一定に構成することにより、固体撮像素子1内
で各構成要素の膜厚が周期的に変動する領域をなくす。
これにより、固体撮像素子1内で複素反射率が周期的に
変動する領域はなくなり、回折光31の発生を抑圧する
ための設計を容易にする。
【0040】ただし、信号光30の入射方向から見て反
射膜6など、光を透過しない材料の反対側の形状はこの
限りでない。また、図4は固体撮像素子1の全面で構成
要素の膜厚の和を一定にしているが、同一構成要素の組
み合わせにより成る各部分の内で一定であれば良い。
【0041】実施例6.図5は実施例6を示す固体撮像
素子1の断面構成図である。図5中、図4と同一、又は
相当部分には同一記号を用いて重複説明は省略する。こ
の実施例6においては、反射膜6を誘電体5上の全面に
形成している。この実施例6は、実施例5と同様の効果
に加え、反射膜6を固体撮像素子1全面に形成したの
で、反射膜6の製造誤差により複素反射率が変動して、
信号光が回折し、ゴーストとなることはない。従って、
製造精度が緩和される。
【0042】実施例7.例えば、図2に示した固体撮像
素子1において、電荷転送手段駆動用電極10を透明な
材料で構成する。一般に、電荷転送手段駆動用電極10
にはアルミニウムが広く用いられている。アルミニウム
の振幅反射率は80〜90%以上と高い値を持つ。とこ
ろが、光検出器7部の振幅反射率は金属硅化物4の光吸
収により高くない。よって、光検出器7と電荷転送手段
駆動用電極10部とでは振幅反射率は大きく異なる。こ
のように、固体撮像素子1内で振幅反射率の大きな変動
があると、固体撮像素子1内で信号光30が反射するさ
いに大きな回折光31を生じる。
【0043】そこで、電荷転送手段駆動用電極10を透
明な材料で構成することにより、電極部の振幅反射率は
アルミニウムを電極に用いていたときに比べて低減さ
れ、光検出器7部の振幅反射率に近付き、各構成要素に
よる振幅反射率の変動は小さくなり、回折光31の発生
を抑圧するための設計を容易にする。
【0044】実施例8.図6は実施例8を示す固体撮像
素子1の断面模式図である。図6中、図2と同一、又は
相当部分には同一符号を用いて重複説明は省略する。図
6は固体撮像素子1内のアルミニウムにより成る反射膜
6や、電荷転送手段駆動用電極10の表面を粗面にして
いる。
【0045】固体撮像素子1に入射した信号光30は、
固体撮像素子1内の反射膜6や、電荷転送手段駆動用電
極10などで反射されるさいに回折を起こす。そこで、
図6に示すように反射膜6や電荷転送手段駆動用電極1
0などの表面を粗面にした構造を取ることにより、反射
のさいに生じる回折光31はあらゆる方向に散乱され、
回折光31の方向性は減じられる。その結果、ゴースト
となる光33の集中は減じられ、観察されるゴーストの
強度は低くなる。
【0046】なお、本実施例のように、アルミニウム
のような振幅反射率が高く、素子内の占有面積が高いも
のを粗面にしたときが、ゴーストとなる光33の低減に
対して最も効果があるが、全ての構成要素に対してゴー
ストの強度の違いはあるが同様の効果がある。
【0047】実施例9.また、上記実施例1〜3、5、
7、8は半導体基板3を介して、信号光30が光検出器
7へ入射する固体撮像素子1に対するものであるが、実
施例1と逆方向に信号光30を入射させる、つまり、半
導体基板3を介さずに光検出器7へ信号光30を入射さ
せるアルミニウムの反射膜6を有しない固体撮像素子1
においては、半導体基板3上の各構成要素で複素透過率
が違うことにより、信号光30は固体撮像素子1上に形
成された構成要素を透過する際に回折される。この回折
光31が上記実施例1と同様の振る舞いをすることによ
りゴーストとなる光33が発生する。したがって、上記
実施例1〜3、5、7、8の構成要素における複素反射
率の条件を、複素透過率に置き換え、同様の手段で構成
要素の複素透過率を一定とすることによりゴーストは発
生しない。
【0048】なお、上記実施例1〜9では主にショット
キーダイオード型光検出器を用いた固体撮像素子を例に
して説明してきたが、上記発明による固体撮像素子はシ
ョットキーダイオード型光検出器を用いたものに限らな
い。さらに、光検出器が一次元に配列された固体撮像素
子にも適用される。
【0049】
【効果の効果】第1の発明では、光電変換部、反射膜、
第1の誘電体、第2の誘電体及び第3の誘電体の屈折率
及び膜厚は、光検出器の入射光側からの複素反射率の振
幅成分又は位相成分と、隣接部の入射光側からの複素反
射率の振幅成分又は位相成分とが等しくなるように構成
されたので、固体撮像素子で観察されるゴーストの強度
を抑制できる効果がある。
【0050】第2の発明では、反射膜の大きさが光電変
換部の大きさより小さいので、複素反射率の振幅成分が
局所的に高い部分がなくなり、固体撮像素子で観察され
るゴーストの強度を抑制できる効果がある。
【0051】第3の発明では、第1、第2、第3の誘電
体の膜厚の和を一定にし、反射膜を光検出器部及び隣接
部の全面に亙って形成したので、複素反射率が変動する
ことがなく、固体撮像素子で観察されるゴーストの強度
を抑制できる効果がある。
【0052】第4の発明では、電荷転送手段を透明な材
料で構成したので、複素反射率の振幅成分が局所的に高
い部分がなくなり、固体撮像素子で観察されるゴースト
の強度を抑制できる効果がある。
【0053】第5の発明では、反射膜及び電荷転送手段
の所定の面を粗面にしたので、反射される信号光を散乱
させることができ、固体撮像素子で観察されるゴースト
の強度を抑制できる効果がある。
【0054】
【0055】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1を示す半導体基板を介して
光検出器へと信号光が入射する固体撮像素子の断面構
成、および固体撮像素子に入射した信号光の振る舞いを
示した図である。
【図2】この発明の実施例1を示す固体撮像素子の断面
構成図である。
【図3】この発明の実施例4を示す固体撮像素子の断面
構成図である。
【図4】この発明の実施例5を示す固体撮像素子の断面
構成図である。
【図5】この発明の実施例6を示す固体撮像素子の断面
構成図である。
【図6】この発明の実施例8を示す固体撮像素子の断面
構成図である。
【図7】従来の半導体基板を介して光検出器へと信号光
が入射する固体撮像素子の断面構成、および固体撮像素
子に入射した信号光の振る舞いを示した図である。
【図8】従来の半導体基板を介さずに光検出器へと信号
光が入射する固体撮像素子の断面構成、および固体撮像
素子に入射した信号光の振る舞いを示した図である。
【符号の説明】
1 固体撮像素子 3 半導体基板 5 誘電体 6 反射膜 7 光検出器 10 電荷転送手段駆動用電極 30 信号光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若林 諭 鎌倉市大船五丁目1番1号 三菱電機株 式会社 電子システム研究所内 (72)発明者 松下 匡 鎌倉市大船五丁目1番1号 三菱電機株 式会社 電子システム研究所内 (72)発明者 玉川 恭久 鎌倉市大船五丁目1番1号 三菱電機株 式会社 電子システム研究所内 (72)発明者 八木 宏文 伊丹市瑞原4丁目1番地 三菱電機株式 会社 エル・エス・アイ研究所内 (56)参考文献 特開 平1−112781(JP,A) 特開 平4−68572(JP,A) 特開 平3−109769(JP,A) 特開 平4−258167(JP,A) 特開 昭62−134966(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 27/14 - 27/148 H01L 29/762 - 29/768

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射した光の一部を吸収し信号電荷に
    変換する光電変変換部、上記光電変換部を透過した光を
    反射させて再度上記光電変換部に入射させる反射膜、上
    記光電変換部と上記反射膜の層間絶縁をする第1の誘電
    体から構成された光検出器と、 上記光検出器に蓄積される信号電荷を読み出し外部に転
    送する電荷転送手段、上記電荷転送手段が読み出した信
    号電荷の絶縁をする第2の誘電体、上記電荷転送手段が
    読み出した信号電荷の絶縁をする第3の誘電体から構成
    され、上記光検出器に隣接する隣接部とを備え、 上記光電変換部、上記反射膜、上記第1の誘電体、上記
    第2の誘電体及び上記第3の誘電体の屈折率及び膜厚
    は、上記光検出器の上記入射光側からの複素反射率の振
    幅成分又は位相成分と、上記隣接部の上記入射光側から
    の複素反射率の振幅成分又は位相成分とが等しくなるよ
    うに構成されたことを特徴とする固体撮像素子。
  2. 【請求項2】 上記反射膜の大きさが上記光電変換部の
    大きさより小さいことを特徴とする請求項1記載の固体
    撮像素子。
  3. 【請求項3】 上記第1、第2、第3の誘電体の膜厚の
    和を一定にし、上記光検出器及び上記隣接部の全面に亙
    って上記反射膜を形成したことを特徴とする請求項1記
    載の固体撮像素子。
  4. 【請求項4】 上記電荷転送手段を透明な材料で構成し
    たことを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子。
  5. 【請求項5】 上記反射膜及び上記電荷転送手段の所定
    の面を粗面にしたことを特徴とする請求項1記載の固体
    撮像素子。
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