JP2861088B2 - 多色記録装置 - Google Patents

多色記録装置

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JP2861088B2
JP2861088B2 JP20684289A JP20684289A JP2861088B2 JP 2861088 B2 JP2861088 B2 JP 2861088B2 JP 20684289 A JP20684289 A JP 20684289A JP 20684289 A JP20684289 A JP 20684289A JP 2861088 B2 JP2861088 B2 JP 2861088B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、潜像担持体上にイオン流を制御して静電
潜像を形成し、2色以上の画像の記録を行なう多色記録
装置に関する。
[従来の技術] 従来、上記多色記録装置としては、次に示すようなも
のがある。すなわち、一様に帯電した感光体ドラム上に
画像露光を施して、1色目の画像に対応した静電潜像を
形成し、この静電潜像を現像して1色目の現像像を形成
する。次に、上記1色目の現像像が形成された感光体ド
ラム表面を一様に再帯電した後、2色目の画像を露光し
て静電潜像を形成し、この静電潜像を現像して2色目の
現像像を形成する。そして、このような工程を必要に応
じて繰返すことによって、2色以上の多色の画像記録を
行なうように構成されている。
[発明が解決しようとする課題] しかし、上記従来技術の場合には、次に示すような問
題点を有している。すなわち、2色目以降の画像の記録
は、感光体ドラムの表面を再帯電し、その上から2色目
以降の画像を露光することによって、多色の画像を記録
するように構成されている。そのため、2色目以降の画
像の露光に対して、すでに現像された1色目の現像像が
存在する領域と存在しない領域とで、2色目以降の感光
体ドラムの帯電状態及び露光状態が変化してしまい、2
色目以降の静電潜像を1色目の静電潜像と同様の条件で
形成することができない。
さらに、詳述すると、感光体ドラム表面に2色目の画
像を露光する際に、感光体ドラム上に1色目の現像像が
存在すると、この現像像が2色目の画像露光を遮り、1
色目の画像露光と同一の条件で2色目の画像露光を行な
うことができない。
そのため、現像像を透過する波長の光を用いて2色目
の画像露光を行なうことにより、1色目の現像像の露光
に対する影響をなくすことはできる。
しかし、この場合でも、2色目以降の画像露光のため
に感光体ドラム上を再帯電しても、感光体ドラムの表面
電位は、現像像の存在する領域と存在しない領域とで等
しくならない。その理由は、感光体ドラム上に現像像が
存在する領域では、感光体ドラム表面の電位が、ドラム
表面と現像像を形成する現像剤との間で分割されるた
め、現像像が存在する領域と存在しない領域とで等しく
ならないからである。
このように、2色目以降の画像露光を行なう感光体ド
ラムの表面電位が均一にならないため、2色目以降の静
電潜像を現像した場合に、1色目の画像と濃度等に差が
生じてしまい、画質が低下するという問題点があった。
この問題点は、画像の記録を画像の有無の2値でデジ
タル的に行なう場合にはそれほど目立たず、大きな問題
とはならないが、画像の記録を3値以上で行い中間調の
再現を可能とした記録装置においては、中間調の濃度が
大幅に変化してしまい、画質の劣化をもたらすため、大
きな問題点となっていた。
[課題を解決するための手段] そこで、この発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るためになされたもので、その目的とするところは、2
色目の静電潜像の形成条件を、潜像担持体上にすでに形
成された現像像の条件に応じて変化させることにより、
潜像担持体上に同時に複数の現像像を形成して多色記録
を行なう装置において、2色目以降の記録画像において
中間調の再現性が1色目と異なることなく、高品質の多
色画像記録が可能な多色記録記録装置を提供することに
ある。
すなわち、この発明は、イオン流を制御して照射する
ことによって潜像担持体上に静電潜像を形成する潜像形
成手段と、この潜像形成手段によって形成された静電潜
像を現像する2つ以上の色の異なる現像手段とを具備
し、潜像形成工程と現像工程を複数回行なうことによっ
て多色記録を行なう多色記録装置において、上記潜像形
成手段によって2色目以降の静電潜像を形成する際のイ
オン量を、潜像担持体上に既に形成された現像像の有無
による、当該潜像担持体の静電容量の変動を考慮して制
御する制御手段を設けるように構成されている。
上記潜像担持体としては、例えば誘電体ドラムを用い
ることができる。
また、上記潜像形成手段としては、例えばコロナ放電
によってイオン流を発生させ、このイオン流の放出をア
レイ状に配列された制御電極によって制御するようにし
たものが用いられるが、これに限定されるものではな
い。
さらに、上記制御手段としては、例えば潜像担持体上
に記録される画像情報を記憶しておき、この画像情報に
応じて次の潜像形成条件を制御するようにしたものが用
いられる。
[作用] この発明においては、潜像形成手段によって2色目以
降の静電潜像を形成する際のイオン量を、潜像担持体上
に既に形成された現像像の有無による、当該潜像担持体
の静電容量の変動を考慮して制御する制御手段を設ける
ように構成したので、潜像担持体上に2色目以降の静電
潜像を形成する際のイオン量を、潜像担持体上に既に形
成された現像像の有無による、当該潜像担持体の静電容
量の変動を考慮して、制御手段によって制御することが
でき、2色目以降の画像の記録を1色目と同じ条件で行
なうことができ、中間調の再現が可能な多色記録装置に
おいて、中間調の再現がすべて同じ条件で良好に行な
え、高品質の多色画像の記録が可能となる。
[実施例] 以下にこの発明を図示の実施例に基づいて説明する。
第2図はこの発明に係る多色記録装置の一実施例を示
すものである。図において、1は潜像担持体としての誘
電体ドラムであり、この誘電体ドラム1は、矢印方向に
回転可能に配設されている。また、この誘電体ドラム1
の周囲には、その回転方向に沿って、チャージスコロト
ロン2と、第1の潜像形成手段としての第1の記録ヘッ
ド3と、シアン色の現像剤を有する第1の現像器4と、
再帯電スコロトロン5と、第2の潜像形成手段としての
第2の記録ヘッド6と、赤色の現像剤を有する第2の現
像器7と、誘電体ドラム1上に形成されたトナー像に転
写前の帯電を施す転写前帯電器8と、誘電体ドラム1上
に形成されたトナー像を転写用紙9上に転写するための
転写帯電器10とが順次配設されている。
上記転写用紙9としては、連続紙が使用されており、
この転写用紙9は、供給ロール11から供給され、圧接ロ
ーラ12、13によって誘電体ドラム1表面に圧接される間
に、転写帯電器10による帯電を受けてトナー像が転写さ
れる。
その後、上記転写用紙9は、定着器14へと送られ、ト
ナー像が転写用紙9上に定着される。
なお、トナー像が転写された誘電体ドラム1の表面
は、プリクリーニングコロトロン15によって残留電荷が
消去された後、クリーナー16によって残留トナーや紙粉
等が除去され、次回の記録工程に備える。
ところで、上記第1及び第2の記録ヘッド3、6は、
第3図に示すように構成されている。
図において、3は記録ヘッドであり、この記録ヘッド
3は、誘電体ドラム1の近傍に配設されるイオン発生器
21と、このイオン発生器21に隣接して設けられるイオン
流制御スリット22の一側に配設される複数の制御電極2
3、23…と、各制御電極23、23…に画像制御電圧を印加
する制御回路24とで構成されている。
上記イオン発生器21は、放電ワイヤ25及びこれを取囲
むシールド26とからなり、上記シールド26は、左右に分
割可能な一対のシールド部材26a、26bを相互に離間配置
し、その両側を側板(図示せず)で固定してなるもので
あり、上記シールド26の上部開口27は、ノズル28から圧
縮空気が導入される空気導入用スリットとして形成され
るとともに、上記シールド26の下部開口29は、発生イオ
ンが排出されるイオン排出スリットとして形成される。
なお、上記放電ワイヤ25には、誘電体ドラム1上の帯電
極性と逆極性の高電圧が印加されるようになっている。
また、上記シールド26の下部には、絶縁性のスペーサ
30を介してガラス等からなる絶縁基板31が離間配設され
ており、上記シールド26の下部、スペーサ30及び絶縁基
板31で画成される部位が前記イオン排出スリット29に連
通するイオン流制御スリット22として誘電体ドラム1に
向かって形成されている。そしてまた、上記制御電極2
3、23…は、第4図に示すように、所定の解像度で絶縁
基板31に予め貼着され、絶縁基板31をシールド26側へ組
付ける際にイオン流制御スリット22の一側面に配置され
るようになっている。
さらに、上記制御回路24は、第3図に示すように、各
制御電極23、23…毎に付設されるもので、図示外の動作
指定部からの信号に応じた電圧を印加するかアースに接
続するかを切換える切換スイッチ33、33…を有してい
る。
第1図はこの実施例に係る制御回路を示すものであ
る。
図において、35は制御手段としてのCPU、36は1色目
の画像データを記憶するRAM、37は2色目の画像データ
を記憶するRAM、38は補正用のデータを記憶するROM、39
及び40は1色目の画像の記録を行なうためのラインバッ
ファ及びD/A変換器、41及び42は2色目の画像の記録を
行なうためのラインバッファ及びD/A変換器、3、6は
前記記録ヘッド、43はホスト機器とのI/Oポートをそれ
ぞれ示している。
この実施例では、1ドット当たりの階調数を3とし
た。すなわち、1色目のシアン色、2色目の赤色とも、
ベタ画像のトナー層を厚さを意味するパイルハイトは30
μm、中間濃度部では15μmであり、そのときの各々の
濃度は1.2及び0.6である。また、潜像電位は、各々V1、
V2である。
また、誘電体ドラム1表面の静電容量は、ドラム表面
の誘電体として比誘電率が3で、厚さが50μmのPET
(ポリエチレンテレフタルート)を使用した場合、 8.85×10-12×{3/(50×10-6)} =5.31×10-9(F/Cm2) となる。
一方、シアン色のベタ部のトナーの静電容量は、トナ
ーの誘電率を3×10-4とした場合、 8.85×10-12×{3/(50×10-6)} =8.85×10-9(F/Cm2) となる。
従って、シアン色のトナー像の静電容量は、見掛け
上、誘電体ドラム1の誘電体からなるコンデンサとその
上のトナー層からなるコンデンサを直列に接続した値と
等しくなり、ベタ部の静電容量は、3.31×10-9(F/C
m2)となる。また、中間濃度部の静電容量は、4.08×10
-9(F/Cm2)となる。
従って、誘電体ドラム1表面の静電容量は、トナー像
の有無及びトナー像の濃度によって異なる。そのため、
CPU35は、誘電体ドラム1上の静電容量を考慮して、記
録ヘッド6による2色目の静電潜像の形成を行なうよう
になっている。
以上の構成において、この実施例に係る多色記録装置
では、次のようにして多色画像の記録が行なわれる。
すなわち、記録すべき1色目及び2色目の画像データ
は、ホスト機器からI/Oポート43を介して色毎に入力さ
れ、これらの画像データは、RAM36及び37にそれぞれ記
憶されるが、これらの画像データに対しては、2色目の
静電潜像を形成すべき位置に1色目のトナー像があるか
ないか、又トナー像がある場合にはベタ部か中間濃度部
かが判別され、その判別結果に応じて次に示すような補
正がなされる。
この補正は、第5図(a)に示すようにして行なわれ
る。
記録すべき1色目及び2色目の画像データは、ホスト
機器からI/Oポート43を介して入力され、RAM36及び37に
それぞれ記憶される。そして、CPU35は、RAM36及び37の
データに基づいて、2色目の静電潜像を形成すべき位置
に1色目のトナー像があるかないか、又トナー像がある
場合にはベタ部か中間濃度部かを判別する(ステップ
1)。次に、1色目のトナー像がベタ部の場合には、RO
M38のテーブルBを選択し(ステップ2)、又1色目の
トナー像が中間濃度部の場合には、ROM38のテーブルA
を選択(ステップ3)する。そして、ROM38のテーブル
A又はBから2色目の画像データに対する補正データを
得る(ステップ4)。
なお、1色目のトナー像がない場合には、RAM37から
そのまま2色目のデータエリアより画像データを得る
(ステップ5)。
その際、記録ヘッド6の1ビットの画像データは、1
バイトに信号から構成されており、上記テーブルAに
は、例えば第5図(b)に示すように、画像なしの場合
には0FFH、中間濃度の場合には7FH、ベタ画像の場合に
は00Hとなるように予め設定されている。
さらに、詳述すると、2色目の画像データを記録すべ
き位置に1色目の画像データがない場合には、2色目の
画像データに応じてそのまま静電潜像の形成を行なえば
良い。
次に、2色目の画像データを記録すべき位置に1色目
の画像データがあって、しかもその濃度が0.6であり、
2色目の画像データが同じく濃度0.6の中間濃度画像の
場合には、次のように補正する。2色目の画像データと
して濃度0.6の中間濃度画像を記録する場合には、第6
図に示すように、誘電体ドラム1の表面に形成される潜
像の電位は、V1である必要がある。
しかし、誘電体ドラム1の表面に濃度0.6のトナー像
が既に形成されていると、誘電体ドラム1表面に静電容
量は、前記の如く見掛け上4.08×10-9(F/cm2)となっ
ている。従って、この誘電体ドラム1の表面に2色目の
中間濃度の画像に対応した電位V1の静電潜像を形成する
ために印加しなければならないイオン量は、Q=CVの関
係から、V1×4.08(nC/cm2)となる。そのため、記録ヘ
ッド6からは、V1×4.08(nC/cm2)だけのイオン量を放
出すれば良いことになる。
第7図は現像像のパイルハイトと書込みデータの電圧
との関係を示すものである。また、第8図はイオン量と
書込みデータとの関係を示すものである。
そして、ホスト機器からプリントリクエスト信号が入
力されると、CPU35は、1色目のシアンの画像から記録
を開始する。すなわち、誘電体ドラム1の表面は、画像
形成動作に先だって、チャージスコロトロン2によって
一様に帯電される。その後、誘電体ドラム1の表面に
は、第1図に示すように、RAM36に記録された1色目の
画像信号に応じて、ラインバッファ39及びD/A変換器40
を介して記録ヘッド3によって1色目の静電潜像がすべ
て形成されるまで繰返される(ステップ6〜9)。この
誘電体ドラム1上に形成された1色目の静電潜像は、第
1の現像器4のシアン色のトナーによって現像され、シ
アン色のトナー像となる。
次に、上記誘電体ドラム1の表面は、再帯電スコロト
ロン5によって一様に再帯電される。その後、誘電体ド
ラム1の表面には、RAM37に記憶された補正後の2色目
の画像データに基づいて、ラインバッファ41及びD/A変
換器42を介して記録ヘッド6によって2色目の静電潜像
が形成される。
このとき、記録ヘッド6によって形成される2色目の
画像データは、上記の如く2色目の静電潜像を形成すべ
き位置に1色目のトナー像があるかないか、又トナー像
がある場合にはベタ部か中間濃度部かに応じて、既に補
正されているため、誘電体ドラム1上に1色目のトナー
像の有無等に拘りなく、常に一定の静電潜像を形成する
ことができる。従って、誘電体ドラム1上に同時に2色
のトナー像を形成して多色記録を行なう装置において、
2色目の記録画像において中間調の再現性が1色目と異
なることなく、高品質の多色画像記録が可能となる。
なお、上記の実施例では、誘電体ドラム1が1回転す
る間に2色の画像を形成する場合について説明したが、
誘電体ドラム1が2回転する間に2色の画像記録を行な
う場合でもよいことは勿論である。
また、記録する画像の色も3色以上でも勿論良い。
さらに、上記実施例では、テーブルに記憶された値は
固定した場合について説明したが、濃度又は潜像電位の
値に応じて所定の演算式等に基づいて適宜変更するよう
にしても良い。
また、この発明は、転写タイプばかりでなく、カラー
静電プロッタ等にも適用できることは勿論である。
[発明の効果] この発明は以上の構成及び作用よりなるもので、2色
目の静電潜像の形成条件を、潜像担持体上にすでに形成
された現像像の条件に応じて変化させることにより、潜
像担持体上に同時に複数の現像像を形成して多色記録を
行なう装置において、2色目以降の記録画像において中
間調の再現性が1色目と異なることなく、高品質の多色
画像記録が可能な多色記録記録装置を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係る多色記録装置の一実施例を示す
ブロック図、第2図は多色記録装置を示す構成図、第3
図は記録ヘッドを示す断面図、第4図は制御電極を示す
斜視図、第5図(a)、(b)は動作を示すフローチャ
ート及びメモリの内容を示す説明図、第6図は光学濃度
と潜像電位との関係を示すグラフ、第7図は現像像のパ
イルハイトと書込みデータとの関係を示すグラフ、第8
図はイオン量と書込みデータとの関係を示すグラフであ
る、 [符号の説明] 1……誘電体ドラム 2、5……帯電用スコロトロン 3、6……記録ヘッド 4、7……現像器 35……CPU

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン流を制御して照射することによって
    潜像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、こ
    の潜像形成手段によって形成された静電潜像を現像する
    2つ以上の色の異なる現像手段とを具備し、潜像形成工
    程と現像工程を複数回行なうことによって多色記録を行
    なう多色記録装置において、上記潜像形成手段によって
    2色目以降の静電潜像を形成する際のイオン量を、潜像
    担持体上に既に形成された現像像の有無による、当該潜
    像担持体の静電容量の変動を考慮して制御する制御手段
    を設けたことを特徴とする多色記録装置。
JP20684289A 1989-08-11 1989-08-11 多色記録装置 Expired - Lifetime JP2861088B2 (ja)

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