JP2861031B2 - 反応器の制御方法 - Google Patents

反応器の制御方法

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JP2861031B2 JP1087681A JP8768189A JP2861031B2 JP 2861031 B2 JP2861031 B2 JP 2861031B2 JP 1087681 A JP1087681 A JP 1087681A JP 8768189 A JP8768189 A JP 8768189A JP 2861031 B2 JP2861031 B2 JP 2861031B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は反応器の制御方法に関する。詳しくは、本発
明はナフサ等の炭化水素の熱分解炉や1,2−ジクロルエ
タン等の塩素化炭化水素の熱分解炉等の複数の反応器か
らなる反応器系列を効率よく運転するための反応器の制
御方法に関する。
〔従来の技術〕
複数の反応器で構成された反応器系列で転換反応を行
なうタイプの化学プラントは、通常、系列全体の目的生
成物の製造量を一定量確保しながら各反応器を順次定期
的に運転停止しチューンナップすることが行なわれてい
る。
このようなタイプの化学プラントには、例えば、炭化
水素の熱分解プラントや、塩素化炭化水素の熱分解プラ
ント等がある。以下には主として炭化水素の熱分解プラ
ントを例にとりつつ従来の運転状況につき説明する。
エタン、プロパン、ブタン等のガス状炭化水素、及び
ナフサ、ガスオイル、灯油、軽油、重質油等の液状炭化
水素を水蒸気の存在下で熱分解(スチームクラッキン
グ)してエチレン、プロピレン等のオレフィン系炭化水
素を製造する方法はよく知られている。上記熱分解にお
いては熱分解炉の分解管(チューブ)において炭素質の
生成(コーキング)が生起し、管内壁に析出するため、
一定期間毎に分解炉を停止してデコーキングすることが
行なわれている。通常、工業的なオレフィン製造プラン
トにおいては複数炉、例えば10炉以上の分解炉を有し、
プラント全体のオレフィン製造量を一定量確保しなが
ら、各分解炉について順次定期的にデコーキング処理す
ることが行なわれている。この場合運転員は、デコーキ
ング処理中の分解炉のオレフィン製造量に見合う量を、
運転中の各分解炉の現状の運転条件を考慮して、各分解
炉の運転に無理のないように経験的に振り分け、それに
合わせて運転条件(原料炭化水素供給量、熱分解温度
等)を変更することにより対応している。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記した各分解炉のイレフィン製造量
を運転員の経験により大まかに負荷配分するような各反
応器への負荷配分の方法では、各反応器の劣化状態の把
握が充分でなく、そのため各反応器にどの程度余裕があ
るかについてきめ細かく正確に判断できないため、余裕
のない反応器に必要以上に負荷を与えることにもなり、
反応器のチューンナップ、例えば分解炉のデコーキング
の周期を短くするばかりでなく、各反応器の劣化状態に
ばらつきを生ずる等の問題があった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は従来技術の上記状況に鑑み、各反応器の
劣化状態を正確に把握し、各反応器を適切な負荷配分で
運動する方法につき鋭意検討を重ねた結果、本発明を完
成した。
即ち、本発明の要旨は、 夫々が選ばれた制御因子の設定値の下に運転を制御さ
れている複数の反応器からなる反応器系列において転換
反応を行なうにあたり、 予め、運転中の各反応器の運転状態を、各反応器の運
転を制御する制御因子を変数として予め設定された制御
限界への接近の度合として表わす関数(以下、「負荷余
裕度関数」という)を得ておくこと、そして、 反応器系列の運転に際しては、 (a) 各反応器毎に、制御因子のデータをコンピュ
ータに取込んで負荷余裕度関数の値(以下、「負荷余裕
度」のいう)を算出すること、 (b) 反応器系列の転換反応生成物製造量の変更要
求に応じて必要な転換反応生成物製造量の変更量(以
下、「系列負荷変更量」という)を負荷余裕度の大きさ
に応じて各反応器へ配分し、各反応器の負荷変更量(以
下、「反応器負荷変換量」という)を得ること、 並びに、 各反応器の制御因子の設定値を、反応器負荷変更量
に見合う転換反応生成物製造量(以下、[必要転換反応
生成物製造量]という)を与えるように変更すること、 を繰り返すこと、 を特徴とする反応器の制御方法、 に存する。
本発明方法は、各種の転換反応に使用される複数の反
応器を有する反応器系列において、各反応器を適切な状
態で運転するための反応器の制御方法に適用される。具
体的には、本発明方法は、例えばナフサ等の炭化水素の
熱分解によりオレフィンを製造する場合、又は1,2−ジ
クロルエタン等の塩素化炭化水素の熱分解により塩化ビ
ニルモノマーを製造する場合等に使用される複数の熱分
解炉を有する熱分解炉系列において、各熱分解炉を適切
な状態で運転するための分解炉の制御方法に好適に適用
される。
以下、炭化水素の熱分解炉の制御方法を例にとって図
面を参照しながら本発明につきさらに詳細に説明する。
工業的な炭化水素の熱分解において、原料の炭化水素
としてはエタン、プロパン、ブタン等の常温でガス状の
炭化水素又はナフサ、ガスオイル、灯油、軽油、重質油
等の常温で液体である炭化水素を使用される。これらの
炭化水素原料はそれぞれを単独で用いて(単独分解)も
よく、あるいは液状炭化水素とガス状炭化水素とを併用
して(共分解)もよい。
第2図は本発明方法が適用される熱分解炉の一例を示
す模式図である。図中、1は熱分解炉本体、2は加熱
管、3は急冷熱交換器、7は燃料供給管である。加熱管
2は熱分解炉本体1の内部に配置されているが、機能
上、予熱部2′と熱分解部2″とに区分される。加熱管
2の一端には原料炭化水素、例えばナフサ等を導入する
ための原料炭化水素供給管4が、他端には熱分解生成物
を急冷熱交換器3へ導くための出口配管6が接続されて
おり、更に予熱部の途中には水蒸気を導入するための水
蒸気供給管5が接続されている。ナフサ等の液状炭化水
素原料は、通常100〜130℃の温度、2.5〜6.0kg/cm2Gの
圧力で供給管4から供給し、加熱管の予熱部2′を通過
する間に通常、450〜650℃の温度に昇温させて全量を気
化させる。熱分解部2″における熱分解条件としては例
えば、分解温度650〜850℃、水蒸気比(水蒸気/原料炭
化水素の重量比)0.4〜1.0の範囲が挙げられる。該熱分
解反応により生成した分解ガスは通常、750〜850℃の温
度及び0.7〜1.2kg/cm2Gの圧力で加熱管2に末端から出
て、出口配管6を経て急冷熱交換器3にいたり、ここで
通常、350〜500℃の温度に冷却された後、排出管8を経
て分離精製系へ導入される。
本発明においては、夫々が選ばれた制御因子の設定値
の下に運転を制御されている、例えば、上記第2図に示
すような熱分解炉を複数炉、通常10炉以上有する熱分解
炉系列において炭化水素原料を水蒸気の存在下に熱分解
してオレフィンを製造する場合のように、複数の反応器
からなる反応器系列において転換反応を行なうにあた
り、予め、上記負荷余裕度関数を求めておき、反応器系
列の運転に際しては短かい時間間隔で上記〜の一連
の操作で反応器系列を制御する(第1図は本発明の制御
方法を模式的に示すものである)。以下に、炭化水素の
熱分解を例にとり、その詳細につき説明する。
負荷余裕度関数の設定 従来、炭化水素の熱分解において、運転員は各熱分解
炉の運転状態を、(a)熱分解炉出口温度、(b)原料
炭化水素供給量、(c)水蒸気供給量、(d)急冷熱交
換器出口温度、(e)対流部温度、(f)分解管表面温
度等より判断しており、それらの測定値のいずれかが所
定の上下限に近づいているようであればその炉について
は負荷を増やさない、もしくは減らす方向に操作してい
た。
本発明方法においては、このような運転員の主観的な
判断に基づいて評価されていた各反応器の運転状態を、
各反応器の運転を制御する上記(a)〜(f)のような
制御因子を変数に、予め設定された制御限界への接近の
度合として関数化して把握する。上記制御限界は各反応
器の物理的制約及び運転の経験に基づいて安全でかつ合
理的な運転が可能な運転条件範囲の限界として決定され
るものであり、通常、上記のような制御因子の各々につ
いて設定されるが、場合によっては2個以上の制御因子
の組合せ(例えば和、積など)について設定することも
できる。各反応器の運転状態をこのような制御限界への
接近の度合として表わす上記関数は、従って、各反応器
にあとどれだけの負荷をかけることが可能であるかを表
わしていると見ることができる。そこでこの関数を「負
荷余裕関数」と呼ぶことにする。
負荷余裕度関数の形は、各反応器の運転状態の制御限
界への接近の度合を適切に反映するものである限り、特
に限定されるものではない。通常は、選ばれた適切な数
の制御因子の各々についてプラントから得られる測定値
の各制御限界値からの偏差(又はその関数)を変数とす
る関数を設定することによって十分に目的が達せられ
る。この後者の関数としては例えば上記偏差(又はその
関数)の積、和、又はそれらの混合した形等を用いるこ
とができる。無論、用いる負荷余裕度関数の形によって
本発明方法に従う制御方法の具体的な実施の態様は修正
を受ける。
上記のように負荷余裕度関数は種々の方法で設定され
るが、以下には制御因子の測定値の制御限界値からの偏
差の関数を変数とする関数を設定する方法の一例である
ファジィ(fuzzy)モデル(数学におけるファジィ理論
をもとにしたモデル)を用いる炭化水素の熱分解の場合
の例につき説明する。
変数として用いる熱分解炉の運転を制御する制御因子
としては例えば以下のものが挙げられる。
制御因子 記号 熱分解炉出口温度 x1 原料炭化水素供給量又は その供給用バルブ開度 x2 水蒸気供給量又はその x3 供給用バルブ開度 急冷熱交換器出口温度 x4 対流部温度 x5 分解管表面温度 x6 運転日数 x7 上記x1〜x6の制御因子は、例えば第2図において、熱
分解炉出口温度測定装置9、原料炭化水素供給量又はそ
の供給用バイブ開度の測定装置10、水蒸気供給量又はそ
の供給用バルブ開度の測定装置11、急冷熱交換器出口温
度側定装置12、対流部温度測定装置13及び分解管表面温
度測定装置14においてその値の測定することができる。
上記した各変数について夫々予め設定された制御限界
への接近の度合を反映する関数を定義する。得られた関
数を夫々「メンバーシップ関数」と呼ぶ。
各メンバーシップ関数により評価された値を下記のよ
うに合成して負荷余裕度関数を得る。
負荷余裕度=f〔g1(x1)、g2(x2)、 g3(x3)、g4(x4)、g5(x5)、g6(x6)、g
7(x7)〕 負荷余裕度関数の精度を高めるためには、一般により
多くの変数(制御因子)、従ってメンバーシップ関数を
用いるのが好ましいが、測定及びコンピュータ制御の簡
略化と制御の精度との比較に基いてメンバーシップ関数
の数を減らすこともできる。このような観点から制御因
子として例えばx1、x2及びx3を用いることができる。そ
の場合には次のようになる。
負荷余裕度=f〔g1(x1)、g2(x2)、g3(x3)〕 一般に負荷余裕度関数fの形は制御因子の操作方向に
より影響を受けるのでその方向ごとに設定するのがよ
い。
運転条件の変更に用いられる制御因子の選択は特に限
定されないが、通常、熱分解炉出口温度及び原料炭化水
素供給量の2つの制御因子で必要な運転条件の変更を行
なうことができる。この場合、これら制御因子の操作方
向は下記(I)〜(IV)のパターンに分類される。
(I) 熱分解炉出口温度 :上げる 原料炭化水素供給量:増量 (II) 熱分解炉出口温度 :下げる 原料炭化水素供給量:減量 (III ) 熱分解炉出口温度:上げる 原料炭化水素供給量:減量 (IV) 熱分解炉出口温度 :下げる 原料炭化水素供給量:増量 一般に熱分解炉の温度が上昇するとより短かい炭素鎖
のオレフィンが生成しやすく、また、原料炭化水素供給
量が増加するとオレフィン製造量は全体として増加す
る。
従って、熱分解炉系列のオレフィンの製造量の変更要
求、即ち、例えば、オレフィン生産量自体を変更(増加
又は減少)する、あるいは、生成オレフィンの組成を変
更(例えばエチレンの生成割合を増加させる等)すると
いった変更要求に応じて、熱分解炉出口温度及び原料炭
化水素供給量の操作方向が上記(I)〜(IV)のパター
ンから選択されるので、通常、それに対応した負荷余裕
度関数とする。
各熱分解炉毎の制御因子の操作方向については、各熱
分解炉の状況に応じて選択すればよく、一系列全体を同
一のパターンとする必要はない。しかしながら、熱分解
炉系列全体のオレフィンの製造量の変更を、より多くの
熱分解炉に配分することが、熱分解炉系列の運転にとっ
てより簡便で合理的な場合が多いことから、通常は一系
列全体を同一の操作方向のパターンとすることが好まし
い。
以下に、上記(I)〜(IV)のパターンの夫々につい
て、メンバーシップ関数及び負荷余裕度関数の設定の具
体例を詳細に説明する。
パターン(I) 変数x1〜x6については分解炉の物理的制約と運転の経
験から決定される安全かつ合理的な運転が可能な限界
値、即ち上限値をH1(i)とし、これらの変数が該上限
値に近づいたために負荷をそれ以上に上げるのが好まし
くない点を通常運転限界値(例えば、0.8H1(i)以上
でH1(i)未満の範囲から設定する)としてH2(i)と
すれば、メンバーシップ関数は、例えば下記のとおりに
定義される。
gi=1(xi<H2(i)) gi∈〔0、1〕、(=1〜6) giが大きい程余裕があることになる。
また運転日数x7については運転日数の運転状態に及ぼす
効果が他の変数とは異なることから、例えば、 α∈〔0、0.05〕、D:運転日数上限 のように定義することができる。
以上のメンバーシップ関数の合成を、例えば次のとお
りに定義する。
f(g1、g2、g3、g4、g5、g6、g7)= g1・g2・g3・g7・MIN(g4、g5、g6) (MIN(g4、g5、g6)とはg4、g5及びg6のうちの最小値
を示す。) パターン(II) 変数x1及びx2については分解炉の合理的な運転が可能
な下限値、即ち操作下限値L/(i)とし、該下限値に近
づいたためのそれ以上下げるのが好ましくない点を通常
運転限界値としてL2(i)とすれば、例えば、 gi=1(xi>L2(i)) gi∈〔0、1〕、(=1〜2) と定義される。
x3〜x6については下限を特に設定していないため、各
々の変数が上限に近づいている場合、より大きく負荷を
下げるようにする。例えば、 gi=1(xi<H2(i)) gi∈〔1、2〕、(=3〜6) と定義する。
運転日数x7については運転日数が減っているものにつ
きより大きく負荷を下げるようにする。
例えば、 α∈〔0、0.05〕、D:運転日数上限 のように定義することができる。
以上のメンバーシップ関数の合成を、例えば次のとお
りに定義する。
f(g1、g2、g3、g4、g5、g6、g7)= g1・g2・g3・g7・MIN(g4、g5、g6) (MAX(g4、g5、g6)とはg4、g5及びg6のうちの最大値
を示す。) パターン(III) 変数x1については操作上限に着目してパターン(I)
におけるのと同様に、 gi=1(xi<H2(i)) gi∈〔0、1〕、(=1) と定義する。
x2については操作下限に着目してパターン(II)と同
様に、 gi=1(xi>L2(i)) gi∈〔0、1〕、(=2) と定義される。
x3〜x7についてはパターン(I)におけるのと同じと
する。
メンバーシップ関数の合成もパターン(I)における
のと同じとする。
f(g1、g2、g3、g4、g5、g6、g7)= g1・g2・g3・g7・MIN(g4、g5、g6) パターン(IV) 変数x1については操作下限に着目してパターン(II)
におけるのと同様に、 gi=1(xi>L2(i)) gi∈〔0、1〕、(=1) と定義する。
x2については操作上限に着目してパターン(I)にお
けるのと同様に、 gi=1(xi<H2(i)) gi∈〔0、1〕、(=2) と定義する。
x3〜x7についてはパターン(I)におけるのと同様と
する。
メンバーシップ関数の合成もパターン(I)における
のと同じとする。
f(g1、g2、g3、g4、g5、g6、g7)= g1・g2・g3・g7・MIN(g4、g5、g6) 本発明方法においては、上記したような負荷余裕度関
数を用いて、下記〜の一連の操作で反応器系列を制
御する。
即ち、第1図に示すように、反応器系列の運転に際し
ては、目標とする転換反応生成物製造量に近づけるため
に、あるいは、目標とする転換反応生成物製造量自体を
変更するために等の様々な原因により、転換反応生成物
の製造量の変更が要求される。その要求に応じて必要な
転換反応生成物製造量の変更(系列負荷変更量)につい
て、(a)各反応器の負荷余裕度を負荷余裕度関数を
用いて算出し、(b)その大きさに応じて系列負荷変
更量の各反応器への配分(反応器負荷変更量)を決定
し、各反応器の制御因子の設定値を反応器負荷変更量
に見合う転換反応生成物製造量(必要転換反応生成物製
造量)を与えるように変更して、運転を続行する操作を
繰り返すものである。
(a)負荷余裕度の算出 上記負荷余裕度関数に、各反応器毎に各反応器の運転
を制御する制御因子(変数)の測定値データを与え、負
荷余裕度関数の値、即ち負荷余裕度を算出する。
(b)系列負荷変更量の配分 上記のようして求めた各反応器の負荷余裕度の大きさ
に応じて、反応器系列の転換反応生成物製造量の変更要
求に応じて必要な転換反応生成物製造量の変更量、即ち
系列負荷変更量を各反応器に配分し、各反応器の負荷変
更量(反応器負荷変更量)を得る。配分は基本的に次式
に従うのがよい。
しかしながら負荷余裕度関数の精度が不十分であって
特定の反応器の運転状態が過大に又は過小に反映される
ような場合には経験に基いて上式に適当な係数を導入し
てこれを修正することもできる。
各反応器の運転条件の変更 各反応器の制御因子の設定値を、上記(b)で算出
された反応器負荷変更量に見合う転換反応生成物製造量
(必要転換反応生成物製造量)を与えるように変更して
反応器系列の運転を続行する。
各反応器の制御因子の設定値の変更の仕方には特に制
限はない。例えば、該設定値と転換反応生成物製造量と
の関係を過去の運転状況から経験的に割り出し、それに
従って変更することができる。
例えば、炭化水素の熱分解の場合には、前述の如く、
熱分解炉の温度(x1)が上昇すると共により短かい炭素
鎖のオレフィンが生成しやすいこと、原料炭化水素供給
量(x2)が増加するとオレフィン製造量は全体として増
加すること等の一般的な傾向があることから、これを定
量的に把握し、必要オレフィン製造量とそれに対応する
各熱分解炉の制御因子の設定値との関係を作表してお
き、それに従って各熱分解炉の制御因子の値を変更する
ことができる。またそのような制御因子の値とオレフィ
ン製造量との関係を実験データに基いて予め関数化して
おき、この関数を用いて必要オレフィン製造量からそれ
に対応する制御因子の値を算出することもできる。
本発明方法によれば、熱分解炉系列の運転にあたっ
て、各熱分解炉毎に制御因子のデータをコンピュータに
取込んで上記〜の一連の操作により各熱分解炉の運
転条件を変更するまでの制御を随時行なうことにより、
各熱分解炉に適切な負荷を与えるべく運転条件の変更を
簡便、適切かつ迅速に行なうことができる。一定時間
毎、例えば0.5〜12時間毎に、好ましくは1〜8時間毎
に本発明方法による制御を行なえば、各熱分解炉の劣化
状態のばらつきをより少なくし、より適切な負荷配分で
熱分解炉系列を制御することができる。
また、塩素化炭化水素の熱分解炉系列を制御する場合
には、熱分解炉の運転を制御する制御因子として例え
ば、熱分解炉出口温度(x1′)、原料塩素化炭化水素
(例えば、1,2−ジクロルエタン)供給量又はその供給
用バルブ開度(x2′)急冷熱交換器出口温度(x4′)、
対流部温度(x5′)、分解管表面温度(x6′)、運転日
数(x7′)を選択し、前記した炭化水素の熱分解炉系列
の制御の場合と同様の手法により、系列負荷変更量を各
熱分解炉にその負荷余裕度に応じて配分することによ
り、適切な負荷配分で熱分解炉系列を制御することがで
きる。
〔実施例〕
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明する
が、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例によ
って限定されるものではない。
実施例1 原料炭化水素としてナフサを用いて運転されている12
炉の熱分解炉からなる熱分解炉系列について、本発明方
法に従って、前記パターン(I)によってg1〜g7のメン
バーシップ関数を用いて、ある時点における各熱分解炉
の負荷余裕度を算出したところ表−1に示す結果を得
た。オレフィン製造量の実績値と予め設定された目標値
との差として求めたオレフィン製造量の変更量(系列負
荷変更量)を、上記算出された負荷余裕度に基づき、各
熱分解炉に配分した結果(炉負荷変更量の比率(表−1
中の/Σ))を第3図に示す。
各熱分解炉の制御因子の設定値とオレフィン製造量と
の関係をこの炉系列の過去の運転状況から経験的に割り
出したものに従って上記炉負荷変更量に見合う必要オレ
フィン製造量を与えるように、各熱分解炉の制御因子の
設定値の変更を行ない各熱分解炉の運転を継続した。更
に、6時間毎に上記目標値との関係に応じてパターン
(I)〜(IV)を用いて負荷余裕度を算出し、各熱分解
炉の制御因子の値を制御し運転を継続する操作を繰返し
た。その結果、従来、この炉系列において、各熱分解炉
の負荷余裕度を定量的に算出せず、運転員の経験によっ
て適当に各熱分解炉に系列負荷変更量を配分して各熱分
解炉の運転を継続した場合にくらべて、デコーキング周
期を15〜20%延長することができた。
実施例2 実施例1と同様にしてパターン(II)によってある時
点における各熱分解炉の負荷余裕度を算出したところ表
−2に示す結果を得た。
オレフィン製造量の実績値と予め設定された目標値と
の差として求めたオレフィン製造量の変更量を系列負荷
変更量として上記算出された負荷余裕度に基づき各熱分
解炉に配分した結果(炉負荷変更量の比率(表−2中の
/Σ))を第4図に示す。
実施例1におけるのと同様にこの配分量に基づいて各
熱分解炉を運転し、運転を継続したところ、実施例1と
同様に従来に比べてデコーキング周期を15〜20%延長す
ることができた。
〔発明の効果〕 本発明方法によれば、各反応器の運転状態に応じてよ
りきめ細かく、より適切に反応器の運転を調整できるの
でデコーキング等のチューンナップの周期が延長され
る。また、従来運転員が経験的に行なっていた操作を系
統的に行なうことができるので、操作の個人差が解消さ
れ、かつ簡略化することができる。
さらに各反応器の負荷変更に対する余裕度を定量的に
評価できるようになるので、計算機による反応器の制御
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の制御方法による反応器系列の制御を模
式的に示す図である。 第2図は、本発明方法を実施する熱分解炉の一例を示す
略図である。 1:熱分解炉本体、2:加熱管、2′:加熱管予熱部、
2″:加熱管熱分解部、3:急冷熱交換器、4:原料炭化水
素供給管、5:水蒸気供給管、6:出口配管、7:燃料供給
管。 第3図及び第4図は、夫々実施例1及び実施例2におい
て、系列負荷変更量を負荷余裕度の値に基づき12の熱分
解炉に配分した時の炉負荷変更量の比率を示すグラフで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江本 源一 岡山県倉敷市潮通3丁目10番地 三菱化 成株式会社水島工場内 (56)参考文献 特開 昭48−31384(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07B 61/00 C10G 9/00,11/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】夫々が選ばれた制御因子の設定値の下に運
    転を制御されている複数の反応器からなる反応器系列に
    おいて転換反応を行なうにあたり、 予め、運転中の各反応器の運転状態を、各反応器の運転
    を制御する制御因子を変数として予め設定された制御限
    界への接近の度合として表わす関数(以下、「負荷余裕
    度関数」という)を得ておくこと、そして、 反応器系列の運転に際しては、 (a) 各反応器毎に、制御因子のデータをコンピュ
    ータに取込んで負荷余裕度関数の値(以下、「負荷余裕
    度」という)を算出すること、 (b) 反応器系列の転換反応生成物製造量の変更要求
    に応じて必要な転換反応生成物製造量の変更量(以下、
    「系列負荷変更量」という)を負荷余裕度の大きさに応
    じて各反応器へ配分し、各反応器の負荷変更量(以下、
    「反応器負荷変換量」という)を得ること、 並びに、 各反応器の制御因子の設定値を、反応器負荷変更量
    に見合う転換反応生成物製造量(以下、「必要転換反応
    生成物製造量」という)を与えるように変更すること、 を繰り返すこと、 を特徴とする反応器の制御方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の反応器の制御方法におい
    て、転換反応が熱分解反応であることを特徴とする方
    法。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の反応器の制御方法におい
    て、熱分解反応が炭化水素の熱分解反応であることを特
    徴とする方法。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の反応器の制御方法におい
    て、炭化水素が、ナフサ、ガスオイル、灯油、軽油及び
    重質油からなる群から選ばれる液状炭化水素を含むもの
    であることを特徴とする方法。
  5. 【請求項5】請求項3に記載の反応器の制御方法におい
    て、炭化水素がエタン、プロパン及びブタンからなる群
    から選ばれるガス状炭化水素を含むものであることを特
    徴とする方法。
  6. 【請求項6】請求項2に記載の反応器の制御方法におい
    て、熱分解反応が塩素化炭化水素の熱分解反応であるこ
    とを特徴とする方法。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の反応器の制御方法におい
    て、塩素化炭化水素が1,2−ジクロルエタンを含むもの
    であることを特徴とする方法。
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