JPH0573799B2 - - Google Patents

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JPH0573799B2
JPH0573799B2 JP63110722A JP11072288A JPH0573799B2 JP H0573799 B2 JPH0573799 B2 JP H0573799B2 JP 63110722 A JP63110722 A JP 63110722A JP 11072288 A JP11072288 A JP 11072288A JP H0573799 B2 JPH0573799 B2 JP H0573799B2
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pyrolysis furnace
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olefin
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Yoichi Tozawa
Hitoshi Matsuo
Morimasa Ogawa
Genichi Emoto
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Mitsubishi Kasei Corp
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Mitsubishi Kasei Corp
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Publication date
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は炭化水素の熱分解炉を制御する方法に
関する。詳しくは、本発明は炭化水素の熱分解炉
において、ナフサ等の炭化水素原料の性状が著し
く変化した際、それに対応して分解炉の運転条件
を迅速に変更し、かつ、エチレン、プロピレン等
のオレフイン製造量が所定量となるように分解炉
の運転条件を制御する方法に関する。 〔従来の技術〕 従来、エタン、プロパン等のガス状炭化水素、
及びナフサ、ガスオイル、灯油、軽油、重質油等
の液状炭化水素を水蒸気の存在下で熱分解(スチ
ームクラツキング)してエチレン、プロピレン等
のオレフイン系炭化水素(以下、オレフインと略
称する。)を製造する方法はよく知られている。 一般に工業的なオレフイン製造プラントにおい
ては、複数炉、例えば10炉以上の分解炉を有して
おり、プラント全体のオレフイン製造量を所定量
確保しながら各分解炉について分解管(チユー
ブ)内面に付着したコークを脱コークするために
デコーキング処理することが行なわれている。該
プラントにおけるエチレン、プロピレン等のオレ
フイン製造量は各分解炉の熱分解条件(運転条
件)やナフサ等の炭化水素原料の性状等によつて
変化するため、例えば、前日のエチレン・プロピ
レン等のオレフイン製造量を把握し、この結果に
基づいて1日1回分解炉の運転条件を変更するこ
と等によつてオレフイン製造量を所定量確保する
ことが行なわれている。 〔発明が解決しようとする課題〕 しかしながら、近年の炭化水素原料源の多様化
により、熱分解炉に供給するナフサ等の炭化水素
原料の性状が急激に変動した場合には、上記した
分解炉の運転条件を1日1回変更する方法では
日々のエチレン、プロピレン等のオレフイン製造
量が大きく変動し、要求されるオレフイン生産量
に対応したオレフイン製造量を確保するのが難し
いという問題があつた。 〔課題を解決するための手段〕 本発明者らは従来技術の上記状況に鑑み、熱分
解炉に供給するナフサ等の炭化水素原料の性状が
急激に変動する場合においてもエチレン、プロピ
レン等のオレフイン製造量の変動を少なくするた
めの運転方法につき鋭意検討を重ねた結果、本願
各発明を完成するに至つた。 即ち、本出願の第1の発明は、 夫々が選ばれた制御因子の設定値の下に運転を
制御されている複数の熱分解炉からなる熱分解炉
系列において炭化水素原料を水蒸気の存在下に熱
分解してオレフインを製造するにあたり、 予め、(A)運転中の各熱分解炉の運転状態を各熱
分解炉の運転を制御する制御因子を変数として、
予め設定された制御限界への接近の度合として表
わす関数(以下、「負荷余裕度関数」という)を
得ておくこと、並びに、(B)各熱分解炉の制御因子
及び原料炭化水素の性状因子を変数として各オレ
フインの収率を表わす関数(以下、「オレフイン
収率関数」という)を得ておくこと、そして、 熱分解炉系列の運転に際しては、 定められた時間間隔で各熱分解炉毎に、制御
因子のデータをコンピユーターに取込んで負荷
余裕度関数の値(以下、「負荷余裕度」という)
を算出しておくこと、 性状の異なる原料炭化水素への原料変更に際
し、 (a) 変更前の原料炭化水素の性状因子のデータ
と、変更後の原料炭化水素の性状因子のデー
タとをコンピユーターに取込んで対比して、
その変化量からオレフイン収率関数を用いて
熱分解炉系列のオレフイン製造量の予想変化
量(以下、「系列予想オレフイン変化量」と
いう)を算出すること、 (b) 系列予想オレフイン変化量に相当する量の
オレフイン製造量の変化を打消すべく、系列
予想オレフイン変化量に対応する熱分解炉系
列のオレフイン製造量の変更(以下、「原料
由来系列負荷変更量」という)を決定するこ
と、 (c) 上記(b)で算出された原料由来系列負荷変更
量を、上記で算出された各負荷余裕度の値
の大きさに応じて各熱分解炉へ配分し、各熱
分解炉の負荷変更量(以下、「炉負荷変更量」
という)を得ること、 (d)(イ) オレフイン収率関数を用いて、炉負荷変
更量に見合う量のオレフイン製造量(以
下、「必要オレフイン製造量」という)を
与える各熱分解炉の制御因子の値を算出
し、該算出値が各熱分解炉の制御因子の予
め設定された操作限界値を越えた場合に
は、該限界値を各熱分解炉の制御因子の値
とするが、それ以外の場合には該算出値を
各熱分解炉の制御因子の値に決定するこ
と、 又は、 (ロ) 各熱分解炉の制御因子の操作限界を制約
条件として、オレフイン収率関数を用い
て、必要オレフイン製造量に最も近いオレ
フイン生産量を与える各熱分解炉の制御因
子の値を算出し、該算出値を各熱分解炉の
制御因子の値に決定すること、 並びに、 各熱分解炉の制御因子の設定値を上記決定さ
れた制御因子の値に変更すること、 を特徴とする熱分解炉を制御する方法、 を要旨とするものである。 また、本出願の第2の発明は、 夫々が選ばれた制御因子の設定値の下に運転を
制御されている複数の熱分解炉からなる熱分解炉
系列において炭化水素原料を水蒸気の存在下に熱
分解してオレフインを製造する方法において、 予め、(A)運転中の各熱分解炉の運転状態を各熱
分解炉の運転を制御する制御因子を変数として、
予め設定された制御限界への接近の度合として表
わす関数(以下、「負荷余裕度関数」という)、を
得ておくこと、並びに、(B)各熱分解炉の制御因子
及び原料炭化水素の性状因子を変数として各オレ
フインの収率を表わす関数(以下、「オレフイン
収率関数」という)を得ておくこと、そして、 熱分解炉系列の運転に際しては、 〔〕 定められた時間間隔で各熱分解炉毎に、制
御因子のデータをコンピユーターに取込んで負
荷余裕度関数の値(以下、「負荷余裕度」とい
う)を算出しておくこと、 〔〕 短かい時間間隔で、 (a) 運転中の熱分解炉系列のオレフイン製造
量のデータ(以下、「実績オレフイン生産
量」という)と要求されるオレフイン生産
量のデータ(以下、「要求オレフイン生産
量」という)とをコンピユーターに取込ん
で対比して熱分解炉系列のオレフイン製造
量の変更量(以下、「系列負荷変更量」と
いう)を算出すること、 (b) 系列負荷変更量を、上記〔〕で算出さ
れた各負荷余裕度の値の大きさに応じて各
熱分解炉へ配分し、各熱分解炉の負荷変更
量(以下、「炉負荷変更量」という)を得
ること、 (c)(イ) オレフイン収率関数を用いて、炉負荷
変更量に見合う量のオレフイン製造量
(以下、「必要オレフイン製造量」とい
う)を与える各熱分解炉の制御因子の値
を算出し、該算出値が各熱分解炉の制御
因子の予め設定された操作限界値を越え
た場合には、該限界値を各熱分解炉の制
御因子の値とするが、それ以外の場合に
は該算出値を各熱分解炉の制御因子の値
に決定すること、 又は、 (ロ) 各熱分解炉の制御因子の操作限界を制
約条件として、オレフイン収率関数を用
いて、必要オレフイン製造量に最も近い
オレフイン生産量を与える各熱分解炉の
制御因子の値を算出し、該算出値を各熱
分解炉の制御因子の値に決定すること、 並びに、 各熱分解炉の制御因子の設定値を上記決定
された制御因子の値に変更すること、 を繰り返すに当り、 〔〕 性状の異なる原料炭化水素への原料変更に
際しては、 (a) 変更前の原料炭化水素の性状因子のデータ
と、変更後の原料炭化水素の性状因子のデー
タとをコンピユーターに取込んで対比して、
その変更量からオレフイン収率関数を用いて
熱分解炉系列のオレフイン製造量の予想変化
量(以下、「系列予想オレフイン変化量」と
いう)を算出すること、 (b) 系列予想オレフイン変化量に相当する量の
オレフイン製造量の変化を打消すべく、系列
予想オレフイン変化量に対応する熱分解炉系
列のオレフイン製造量の変更量(以下、「原
料由来系列負荷変更量」という)を決定する
こと、並びに、 (c) 上記〔〕(b)の系列負荷変更量を上記
〔〕(a)で算出された系列負荷変更量と上
記原料由来系列負荷変更量との合計量で置き
換えること、 を特徴とする熱分解炉を制御する方法、 を要旨とするものである。 以下、図面を参照しながら本願各発明につきさ
らに詳細に説明する。 本発明において、原料の炭化水素としてはエタ
ン、プロパン、ブタン等の常温でガス状の炭化水
素又はナフサ、ガスオイル、灯軽油、重質油等の
常温で液体である炭化水素が使用される。これら
の炭化水素原料はそれぞれを単独で用いて(単独
分解)もよく、あるいは液状炭化水素とガス状炭
化水素とを併用して(共分解)もよい。 第3図は本発明方法を実施する熱分解炉の一例
を示す模式図である。図中、1は熱分解炉本体、
2は加熱管、3は急冷熱交換器、7は燃料供給管
である。加熱管2は熱分解炉本体1の内部に配置
されているが、機能上、予熱部2′と熱分解部
2″に区分される。加熱管2の一端には原料炭化
水素、例えばナフサ等を導入するための原料炭化
水素供給管4が、他端には熱分解生成物を急冷熱
交換器3へ導くための出口配管6が接続されてお
り、更に予熱部の途中には水蒸気を導入するため
の水蒸気供給管5が接続されている。ナフサ等の
液状炭化水素原料は、通常100〜130℃の温度、
2.5〜6.0Kg/cm3Gの圧力で供給管4から供給し、
加熱管の予熱部2′を通過する間に通常、450〜
650℃の温度に昇温させて全量を気化させる。熱
分解部2″における熱分解条件としては例えば、
分解温度650〜850℃、水蒸気比(水蒸気/原料炭
化水素の重量比)0.4〜1.0の範囲が挙げられる。
該熱分解反応により生成した分解ガスは通常750
〜850℃の温度及び0.7〜1.2Kg/cm2Gの圧力で加
熱管2の末端から出て、出口配管6を経て急冷交
換器3にいたり、ここで通常、350〜500℃の温度
に冷却された後、排出管8を経て分離精製系へ導
入される。 本発明においては、夫々が選ばれた制御因子の
設定値の下に運転を制御されている、上記第3図
に示すような熱分解炉を複数炉、通常10炉以上有
する熱分解炉系列において炭化水素原料を水蒸気
の存在下に熱分解してオレフインを製造するにあ
たり、予め、上記(A)及び(B)の関数を求めておき、
熱分解炉系列の運転に際しては上記一連の操作で
熱分解炉系列を制御する。(第1図は本出願の第
1の発明の制御方法を模式的に示すものである。)
以下に、その詳細を説明する。 (A) 負荷余裕度関数の設定 従来、運転員は各熱分解炉の運転状態を、(a)
熱分解炉出口温度、(b)原料炭化水素供給量、(c)
水蒸気供給用バルブ開度、(d)急冷熱交換器出口
温度、(e)対流部温度、(f)分解管表面温度等より
判断しており、その測定値のいずれかが所定の
上下限に近づいているようであればその炉につ
いては負荷を増やさない、もしくは減らす方向
に操作していた。本発明方法においては、この
ような運転員の主観的な判断に基づいて評価さ
れていた各熱分解炉の運転状態を、各熱分解炉
の運転を制御する上記(a)〜(f)のような制御因子
を変数に、予め設定された制御限界への接近の
度合として関数化して把握する。上記制御限界
は各熱分解炉の物理的制約及び運転の経験に基
づいて安全でかつ合理的な運転が可能な運転条
件範囲の限界として決定されるものであり、通
常、上記のような制御因子の各々について設定
されるが、場合によつては2個以上の制御因子
の組合せ(例えば和、積など)について設定す
ることもできる。各熱分解炉の運転状態をこの
ような制御限界への接近の度合として表わす上
記関数は、従つて、各熱分解炉にあとどれだけ
の負荷をかけることが可能であるかを表わして
いると見ることができる。そこでこの関数を
「負荷余裕度関数」と呼ぶことにする。 負荷余裕度関数の形は、各熱分解炉の運転状
態の制御限界への接近の度合を適切に反映する
ものである限り、特に限定されるものではな
い。通常は、選ばれた適切な数の制御因子の
各々についてプラントから得られる測定値の各
制御限界値からの偏差(又はその関数)を変数
とする関数を設定することによつて十分に目的
が達せられる。この後者の関数としては例えば
上記偏差(又はその関数)の積、和、又はそれ
らの混合した形等を用いることができる。無
論、用いる負荷余裕度関数の形によつて本発明
方法に従う制御方法の具体的な実施の態様は修
正を受ける。 上記のように負荷余裕度関数は種々の方法で
設定されるが、以下には制御因子の測定値の制
御限界値からの偏差の関数を変数とする関数を
設定する方法の一例であるフアジイー(fuzzy)
モデル(数学におけるフアジイー理論をもとに
したモデル)を用いる例につき説明する。 変数として用いる熱分解炉の運転を制御する
制御因子としては例えば以下のものが挙げら
る。制御因子 記号 熱分解炉出口温度 x1 原料炭化水素供給量又は その供給用バルブ開度 x2 水蒸気供給量又は その供給用バルブ開度 x3 急冷熱交換器出口温度 x4 対流部温度 x5 分解管表面温度 x6 運転日数 x7 x1〜6の制御因子は例えば、第3図において、
熱分解炉出口温度測定装置9、原料炭化水素供
給量又はその供給用バルブ開度測定装置10、
水蒸気供給量又はその供給用バルブ開度測定装
置11、急冷熱交換器出口温度測定装置12、
対流部温度測定装置13及び分解管表面温度測
定装置14において制御因子の値を測定するこ
とができる。 上記した各変数について夫々予め設定された
制御限界への接近の度合を反映する関数を定義
する。得られた関数を夫々「メンバーシツプ関
数」と呼ぶ。 各メンバーシツプ関数により評価された値を
下記のように合成して負荷余裕度関数を得る。 負荷余裕度=f〔g1(x1)、g2(x2)、g3(x3)、g4
x4)、g5(x5)、g6(x6)、g7(x7)〕 g1:メンバーシツプ関数(i=1〜7) f:負荷余裕度関数 負荷余裕度関数の精度を高めるためには一般によ
り多くの変数(制御因子)、従つてメンバーシツ
プ関数を用いるのが好ましいが、測定及びコンピ
ユーター制御の簡略化と制御の精度との比較に基
いてメンバーシツプ関数の数を減らすこともでき
る。このような観点から制御因子として例えば
x1、x2及びx3を用いることができる。その場合に
は次のようになる。 負荷余裕度=f〔g1(x1)、g2(x2)、g3
x3)〕 g1:メンバーシツプ関数(i=1〜3) f:負荷余裕度関数 負荷余裕度関数fの形は制御因子の操作方向に
よる影響を受けるのでその方向ごとに設定する
のがよい。 運転条件の変更に用いられる制御因子の選択
は特に限定されないが、通常、熱分解炉出口温
度及び原料炭化水素供給量の2つの制御因子で
必要な運転条件の変更を行なうことができる。
この場合、これら制御因子の操作方向は下記
()〜()のパターンに分類される。 () 熱分解炉出口温度:上げる 原料炭化水素供給量:増量 () 熱分解炉出口温度:下げる 原料炭化水素供給量:減量 () 熱分解炉出口温度:上げる 原料炭化水素供給量:減量 () 熱分解炉出口温度:下げる 原料炭化水素供給量:増量 一般に熱分解炉の温度が上昇するとより短かい
炭素鎖のオレフインが生成しやすく、また、原
料炭化水素供給量が増加するとオレフイン製造
量は全体として増加する。 従つて、熱分解炉系列のオレフインの製造量
の変更要求、即ち、例えば、オレフイン生産量
自体を変更(増加又は減少)する、あるいは、
生成オレフインの組成を変更(例えばエチレン
の生成割合を増加させる等)するといつた変更
要求に応じて、熱分解炉出口温度及び原料炭化
水素供給量の操作方向が上記()〜()の
パターンから選択されるので、通常、それに対
応した負荷余裕度関数とする。 各熱分解炉毎の制御因子の操作方向について
は、各熱分解炉の状況に応じて選択すればよ
く、一系列全体を同一のパターンとする必要は
ない。しかしながら、熱分解炉系列全体のオレ
フインの製造量の変更を、より多くの熱分解炉
に配分することが、熱分解炉系列の運転にとつ
てより簡便で合理的な場合が多いことから、一
系列全体を同一の操作方向のパターンとするこ
とが好ましい。 以下に、夫々()〜()のパターンにつ
いて、詳細に説明する。 パターン() 変数x1〜x6については分解炉の物理的制約と
運転の経験から決定される安全かつ合理的な運
転が可能な限界値、すなわち上限値をH1(i)と
し、これらの変数が該上限値に近づいたために
負荷をそれ以上上げるのが好ましくない点を通
常運転限界値(例えば、0.8H1(i)以上でH1(i)
未満の範囲から設定する)としてH2(i)とすれ
ば、メンバーシツプ関数は下記のとおりに定義
される。 gi=1(xi<H2(i) gi=H1(i)−xi/H1(i)−H2(i)(H2(i)xiH1(i)) gi∈〔0、1〕、(i=1〜6) giが大きい程余裕があることになる。 また運転日数x7については運転日数の運転状
態に及ぼす効果が他の変数とは異なることか
ら、例えば、 g7=1+α(0x71/3D)〔運転初期〕 g7=1.0(1/3Dx72/3D) g7=1−α(2/3Dx7D)〔運転末期〕 α∈〔0、0.05〕、D:運転日数上限 のように定義することができる。 以上のメンバーシツプ関数の合成を次のとお
りに定義する。 f(g1、g2、g3、g4、g5、g6、g7)=g1・g2・g3・g7
MIN(g4、g5、g6) (MIN(g4、g5、g6)とはg4、g5及びg6のうち
の最小値を示す。) パターン() 変数x1及びx2については分解炉の合理的な運
転が可能な下限値、すなわち操作下限値をL1
(i)とし、該下限値に近づいたためそれ以上下げ
るのが好ましくない点を通常運転限界値として
L2(i)とすれば、 gi=1(xi>L2(i)) gi=xi−L1(i)/L2(i)−L1(i)(L1(i)xiL2(i)) gi∈〔0、1〕、(i=1〜2) と定義される。 x3〜x6については下限を特に設定していない
ため、各々の変数が上限に近づいている場合、
より大きく負荷を下げるようにする。 gi=1(xi<H2(i)) gi=xi−H2(i)/H1(i)−H2(i)+1(H2(i)xiH1(i
)) gi∈〔1、2〕、(i=3〜6) と定義する。 運転日数x7については運転日数が経つている
ものにつきより大きく負荷を下げるようにす
る。 g7=1−α(0x71/3D) g7=1.0(1/3Dx72/3D) g7=1+α(2/3Dx7D) α∈〔0、0.05〕、D:運転日数上限 のように定義することができる。 以上のメンバーシツプ関数の合成を次のとお
りに定義する。 f(g1、g2、g3、g4、g5、g6、g7)=g1・g2・g3・g7
MAX(g4、g5、g6) (MAX(g4、g5、g6)とはg4、g5及びg6のうち
の最大値を示す。) パターン() 変数x1については操作上限に着目してパター
ン()におけるのと同様に gi=1(xi>L2(i)) gi=H1(i)−xi/H1(i)−H2(i)(H2(i)xiH1(i)) gi∈〔0、1〕、(i=1) と定義する。 x2については操作下限に着目してパターン
()と同様に gi=1(xi>L2(i)) gi=xi−L1(i)/L2(i)−L1(i)(L1(i)xiL2(i)) gi∈〔0、1〕、(i=2) と定義される。 x3〜x7についてはパターン()におけるの
と同じとする。 メンバーシツプ関数の合成もパターン()
におけるのと同じとする。 f(g1、g2、g3、g4、g5、g6、g7)=g1・g2・g3・g7
MIN(g4、g5、g6) パターン() 変数x1については操作下限に着目してパター
ン()におけるのと同様に gi=1(xi>L2(i)) gi=xi−L1(i)/L2(i)−L2(i)(L1(i)xiL2(i)) gi∈〔0、1〕、(i=1) と定義する。 x2については操作上限に着目してパターン
()におけるのと同様に gi=1(xi<H2(i)) gi=H1(i)−xi/H1(i)−H2(i)(H2(i)xiH1(i)) gi∈〔0、1〕、(i=2) と定義する。 x3〜x7についてはパターン()におけるの
と同様とする。 メンバーシツプ関数の合成もパターン()
におけるのと同じとする。 f(g1、g2、g3、g4、g5、g6、g7)=g1・g2・g3・g7
MIN(g4、g5、g6) (B) オレフイン収率関数の設定 各熱分解炉において製造される各オレフイン
の製造量は、各熱分解炉の制御因子及び原料炭
化水素の性状因子を変数とする関数(オレフイ
ン収率関数)として表わすことができる。各熱
分解炉の制御は、簡便かつ合理的な運転を行な
うことのできる制御因子が選ばれ、これが適切
な値に設定されて運転が制御されることから、
該関数はこの制御因子と、原料炭化水素の性状
を表わす因子とを変数とする。 オレフイン収率関数の形は各熱分解炉の制御
因子及び原料炭化水素の性状因子の変化を各オ
レフインの製造量に適切に反映するものであれ
ば特に限定されるものではない。 しかしながら、本発明方法においては、後記
するように、各熱分解炉の運転条件を変更する
ための制御因子の値を求めるためにこの関数を
用いることから、コンピユーター制御の簡略化
と制御の精度との比較に基づいて適切な制御因
子を変数として用い、できるだけ簡略化した形
の関数とすることが望ましい。 オレフイン収率関数は実験的に求めることが
できるが、例えば次のものが挙げられる。 fETY(COT、SG) =a0+a1・COT+a2・SG ……(1) fPPY(COT、SG) =b0+b1・COT+b2・SG ……(2) COT:熱分解炉出口温度 SG:原料炭化水素性状〔比重、組成(パラフ
イン分、オレフイン分及びナフテン分の組成
あるいは元素分析値等)又は蒸留試験値(沸
点範囲)等から選ばれるもの〕 fETY(COT、SG):エチレン収率関数 fPPY(COT、SG):プロピレン収率関数 a0〜2及びb0〜2:係数(実験的に決定される) 後述する、原料炭化水素の変更に際しての熱
分解炉系列のオレフイン製造量の予想変化量の
算出にあたつては上記オレフイン収率関数は以
下のように用いられる。 オレフイン製造量は、 ETY=fETY(COT、SG)・NAP ……(3) PPY=fPPY(COT、SG)・NAP ……(4) ETY:エチレン製造量 PPY:プロピレン製造量 NAP:原料炭化水素供給量 と表わすことができる。 従つて、原料炭化水素の性状変化によつて予
想されるオレフイン製造量の変化は、 ΔETYe=a2・ΔSG・NAP ……(5) ΔPPYe=b2・ΔSG・NAP ……(6) ΔETYe:系列予想エチレン変化量 ΔPPYe:系列予想プロピレン変化量 ΔSG:原料炭化水素性状変化量 と表わされる。 また、後述する、各熱分解炉毎の制御因子の
値の算出にあたつてはオレフイン収率関数は以
下のように用いられる。 上記(3)及び(4)式より、 ΔETYc=fETY(COT(K)、SG(K)・NAP(K)− fETY(COT(K−1)、SG(K−1))・NAP
(K−1)……(7) ΔPPYc=fPPY(COT(K)、SG(K))・NAP(K)− fPPY(COT(K−1)、SG(K−1))・NAP
(K−1)……(8) ΔETYc:エチレン炉負荷変更量 ΔPPYc:プロピレン炉負荷変更量 COT(K):K回目の熱分解炉出口温度の測定値 COT(K−1):K−1回目の熱分解炉出口温
度の測定値 SG(K):K回目の原料炭化水素性状の測定値 SG(K−1):K−1回目の原料炭化水素性状
の測定値 と表わせることから、炉負荷変更量に見合う量
のオレフイン製造量を与える各熱分解炉の制御
因子の値、COT(K)及びNAP(K)の値を算出する
ことができる。 本出願の第1の発明に係る方法においては、
上記した(A)負荷余裕度関数及び(B)オレフイン収
率関数を用いて、下記〜の一連の操作で熱
分解炉系列を制御する。 即ち、第1図に示すように熱分解炉系列の運
転に際しては、定められた時間間隔で各熱分
解炉の負荷余裕度の値を(A)負荷余裕度関数を用
いて算出しておき、原料炭化水素の変更に際
し、(a)変更前の原料炭化水素の性状因子データ
と変更後のものとを対比し、その変化量からオ
レフイン収率関数を用いて系列予想オレフイン
変化量を算出し、(b)系列予想オレフイン変化量
に相当する量のオレフイン製造量の変化を打消
すべく原料由来系列負荷変更量を決定し、(c)原
料由来系列負荷変更量を負荷余裕度の大きさに
応じて各熱分解炉へ配分して炉負荷変更量を得
て、(b)各熱分解炉毎に炉負荷変更量に見合うオ
レフイン製造量を与える制御因子の値を(B)オレ
フイン収率関数に基づいて決定し、各熱分解
炉の制御因子の設定値を決定された制御因子の
値に変更して運転を続行するものである。 負荷余裕度の算出 上記(A)で得た負荷余裕度関数に各熱分解炉
毎に各熱分解炉の運転を制御する制御因子
(変数)の測定値データを与え、負荷余裕度
関数の値、即ち、負荷余裕度を算出する。負
荷余裕度の算出のタイミングは、後述する
以降の制御操作を行なう時間的間隔との兼ね
合いで決めればよい。以降の操作を行なう
時点になるべく近い時点で各熱分解炉の負荷
余裕度を算出すれば、各熱分解炉の状態がよ
り反映された制御操作を行なうことができる
ので好ましい。 (a) 系列予想オレフイン変化量の算出 原料炭化水素は常に一定の性状のものが
供給されるわけではなく、熱分解炉の運転
中には性状の異なる原料炭化水素への原料
変更が行なわれる場合が多い。本発明方法
においては、その際に、変更前の原料炭化
水素の性状因子のデータと、変更後の原料
炭化水素の性状因子のデータとをコンピユ
ーターに取込んで対比してその変化量から
オレフイン収率関数を用いて熱分解炉系列
のオレフイン製造量の予想変化量(系列予
想オレフイン変化量)を算出する。 原料炭化水素の性状因子としては、前述
の如く、比重、組成、蒸留試験値(沸点範
囲)等がある。これら性状因子のデータの
把握の仕方に特に制限はなく、各性状因子
につき、変更前に対する変更後のデータの
変化量(ΔSG)を求め、オレフイン収率
関数を用いて、例えば前記(5)及び(6)式によ
つて原料炭化水素の性状変化によつて予想
されるオレフイン製造量の変化(系列予想
オレフイン変化量)が算出される。 なお、原料炭化水素の性状変化が予め想
定される場合は、その時点で上記変化量を
求めればよいが、細かい性状変化や予期せ
ぬ性状変化によるオレフイン製造量の変動
をおさえるために、定められた時間間隔
で、例えば、周期的に、例えば0.5〜5時
間毎、好ましくは1〜2時間毎に変化量を
観測することもでき、それによつてよりき
め細かな制御をすることができる。 (b) 原料由来系列負荷変更量の決定 上記(a)で求めた系列予想オレフイン変化
量に相当する量のオレフイン製造量の変化
を打消すことにより、原料変更によるオレ
フイン製造量の変動を防ぐことができる。
そこで系列予想オレフイン変化量に対応す
る熱分解炉系列のオレフイン製造量の変更
量原料由来系列負荷変更量)を決定する。 即ち、例えば(5)及び(6)式に反応させて、 ΔETY2=−ΔETYe ……(9) ΔPPY2=−ΔPPYe ……(10) ΔETY2:エチレン原料由来系列負荷変更
量 ΔPPY2:プロピレン原料由来系列負荷変
更量 (c) 炉負荷変更量の算出 上記で求めた各熱分解炉の負荷余裕度
の値の大きさに応じて、上記原料由来系列
負荷変更量を各熱分解炉に配分する。配分
は基本的に次式に従うのがよい。 (炉負荷変更量)=(原料由来系列負荷変更量)
×(各熱分解炉の負荷余裕度)/Σ(各熱分解炉の負荷
余裕度) しかしながら負荷余裕度関数の精度が不十
分であつて特定の熱分解炉の運転状態が過
大に又は過小に反映されるような場合には
経験に基いて上式に適当な係数を導入して
これを修正することもできる。 (d) 各熱分解炉毎の制御因子の値の決定 炉負荷変更量に見合う量のオレフイン製
造量(必要オレフイン製造量)を与える各
熱分解炉の制御因子の値を前記オレフイン
収率関数に基づいて下記(イ)及び(ロ)のうちの
いずれかの方法で決定する。 (イ) オレフイン収率関数を用いて、必要オ
レフイン製造量を与える各熱分解炉の制
御因子の値を算出し、該算出値が各熱分
解炉の制御因子の予め設定された操作限
界値を越えた場合には、該限界値を各熱
分解炉の制御因子の値とするが、それ以
外の場合には該算出値を各熱分解炉の制
御因子の値に決定する。 (ロ) 各熱分解炉の制御因子の操作限界を制
約条件として、オレフイン収率関数を用
いて、必要オレフイン製造量に最も近い
オレフイン生産量を与える各熱分解炉の
制御因子の値を算出し、該算出値を各熱
分解炉の制御因子の値に決定する。 なお、上記(イ)において、オレフイン収率関
数を用いて算出された各熱分解炉の制御因子
の値の一部のみが上記操作限界値を越えた場
合には、用いたオレフイン収率関数のうちの
一部を優先させて(例えば、前記(7)式及び(8)
式を用いる場合、エチレン収率又はプロピレ
ン収率のいずれか一方については十分な解を
与えるように一方を優先させて)再計算する
こともできる。 また、上記(ロ)について、前記(7)式及び(8)式
を用いて、その具体的な方法の一例を以下に
示す。 前記(7)式及び(8)式をNAP(K)、COT(K)に着
目して整理すると、 b=Ax ……(11) b=ΔETYc+NAP(K−1)・fETY (COT(K−1)、SG(K−1)) ΔPPYc+NAP(K−1)・fPPY (COT(K−1)、SG(K−1)) A=a0+a2・SG(K)a1 b0+b2・SG(K)b1 x=NAP(K) NAP(K)・COT(K) 制約条件については、 MAX{LoCOT、COT(K−1) −ΔCOT}COT(K)MIN{HiCOT、COT(K
−1)+ΔCOT}……(12) MAX{LoNAP、NAP(K−1)− ΔNAP}NAP(K)MIN{HiNAP、NAP(K−
1)+ΔNAP}……(13) HiCOT:熱分解炉出口温度上限 LoCOT:熱分解炉出口温度下限 HiNAP:原料炭化水素供給量又はその供給
用バルブ開度上限 LoNAP:原料炭化水素供給量又はその供給
用バルブ開度下限 ΔCOT:熱分解炉出口温度最大変化率 ΔNAP:原料炭化水素供給量又はその供給
用バルブ開度最大変化率 (12)式及び(13)式は、 k1=MAX{LoCOT、COT(K−1)−ΔCOT} k2=MIX{HiCOT、COT(K−1)+ΔCOT} 11=MAX{LoNAP、NAP(K−1)−ΔNAP} 12=MIN{HiNAP、NAP(K−1)+ΔNAP} とすると、次のようにまとめられる。 Cxd ……(14) C=k1 −1 −k2 1 −1 0 1 0d=0 0 −l1 l2 従つて、式(14)の制約条件の下、‖Ax−b‖
を最小化するxの値(最適解x*)を求めれ
ばCOT(K)及びNAP(K)を決定することができ
る。 この問題の最適解x*は以下のKuhn−
Tucker条件を満たしている事が必要十分で
ある。 ATAx*−AT+Cu=0 ……(15) Cx*d ……(16) u0 ……(17) (Cx*−d)・u=0 ……(18) u:ラグランジユ乗数ベクトル変数 なお、原料炭化水素として2種のものを併
用(共分解)する場合も同様に行なうことが
できる。例えばナフサ及びLPGを用いる場
合、前記(3)式及び(4)式は次のようになる。 ETY=fETY(COT、SG)・NAP +gETY(COT)・LPG ……(19) PPY=fPPY(COT、SG)・NAP +gPPY(COT)・LPG ……(20) fETY(COT、SG):エチレン収率関数(ナフ
サ原料) fPPY(COT、SG):プロピレン収率関数(ナ
フサ原料) gETY(COT):エチレン収率関数(LPG原料) gPPY(COT):プロピレン収率関数(LPG原
料) NAP:ナフサ供給量、LPG:LPG供給量 従つて、前記(5)式及び(6)式はそのまま、ま
た前記(7)式及び(8)式に相当する式は、 ΔETYc=fETY(COT(K)、SG(K))・NAP(K)+gETY(COT(K
))・LPG(K)−fETY(COT(K−1)、 SG(K−1))・NAP(K−1)−gETY(COT(K−1
))・LPG(K−1)……(21) ΔPPYc=fPPY(COT(K)、SG(K))・NAP(K)+gPPY(COT(K
))・LPG(K)−fPPY(COT(K−1)、 SG(K−1))・NAP(K−1)−gPPY(COT(K−1
))・LPG(K−1)……(22) となる。 従つて、(21)式及び(22)式は、 gETY(COT)=a0〓+a1〓COT gPPY(COT)=b0〓+b1〓COT α0=ΔETYc+{a0+a1COT(K−1)+a2SG(K
−1)}・NAP(K−1)+ α0=ΔETYc+{a0+a1COT(K−1)+a2SG(K
−1)}・NAP(K−1)+ {a0〓+a1〓COT(K−1)}・LPG(K−1)−a0〓・
LPG(K)β0=ΔPPYc α0=ΔETYc+{a0+a1COT(K−1)+a2SG(K
−1)}・NAP(K−1)+ {a0〓+a1〓COT(K−1)}・LPG(K−1)−a0〓・
LPG(K)β0=ΔPPYc +{b0+b1COT(K−1)+b2SG(K−1)}・NAP(K
−1)+{b0〓 +b1〓COT(K−1)}・LPG(K−1)−b0〓・LPG(K) α1=a0+a2・SG(K) β1=b0+b2・SG(K) α2=a1〓・LPG(K) β2=b1〓・LPG(K) α3=a1 β3=b1 x=NAP(K) y=COT(K) と置き換えると、 α0=α1x+α2y+α3xy ……(23) β0=β1x+β2y+β3xy ……(24) となる。従つて、原料炭化水素1種の場合と同
様に、 制約条件 Gi(x、y)0(i=1〜4) ……(25) G1(x、y)=x−l20、 G2(x、y)=−x+l10、 G3(x、y)=y−k20、 G4(x、y)=−y+k10 の下、 F(x、y)=(α1x+α2y+α3xy−α02
(β1x+β2y+β3xy−β02……(26) を最小化するx及びyの値(最適解(x*
y*))を求めればCOT(K)及びNAP(K)を決定
することができる。 この問題における最適解(x*、y*)は以
下のKuhn−Tucker条件を満たしている事が
必要十分である。
〔実施例〕
以下に、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下
の実施例によつて限定されるものではない。 実施例 1 原料炭素水素としてナフサを用いて運転されて
いる12炉の熱分解炉からなる熱分解炉系列につい
て、前記パターン()〜()の中から運転状
況に応じてパターンを選び、g1〜7のメンバーシツ
プ関数を用いて1時間毎に各熱分解炉の負荷余裕
度を算出する一方、ナフサの性状因子として比重
を採用し、1時間毎に供給するナフサの性状の変
化を観測し、(5)及び(6)式に従つて系列予想オレフ
イン変化量を求め、原料由来系列負荷変更量を決
定し、上記算出された最新の負荷余裕度に基づき
各熱分解炉にこれを配分し、この配分量からオレ
フイン収率関数により各熱分解炉の制御因子の値
を算出し、制御因子の値を制御し、各熱分解炉の
運転を継続した。 1日毎の熱分解炉系列で製造されたエチレン及
びプロピレンの製造量の変化(実績値と目標値と
の対比)を第4図及び第5図に示す。 比較例 1 実施例1と同じ熱分解炉系列について、従来、
原料炭化水素の性状変化の観測に基づくフイード
フオワード制御をすることなく、運転員の経験に
より前日の実績オレフイン生産量と要求オレフイ
ン生産量との差を適当に各熱分解炉に配分し、1
日1回各熱分解炉の運転条件を変更する方法によ
つて運転を継続して際の、1日毎の熱分解炉系列
で製造されたエチレン及びプロピレンの製造量の
変化を第6図及び第7図に示す。 第4図及び第5図と第6図及び第7図とを対比
することによつて明らかなように、本発明方法に
よれば、エチレン又はプロピレンの要求生産量
(目標値)に対してエチレン又はプロピレンの実
績製造量の変動が少ないことが明らかであり、要
求オレフイン生産量により相応したオレフイン製
造を行なうことができ、熱分解炉におけるオレフ
イン製造の制御性が良好であることがわかる。 〔発明の効果〕 本発明方法によれば、原料炭化水素の性状、例
えばナフサ比重が急激に変更した場合でもエチレ
ン、プロピレン等のオレフインを一定した量で生
産できる。 また、本発明方法によれば、原料性状の変動に
かかわりなく、目的とするオレフインを生産目標
に応じて生産することができ、オレフイン生産量
の目標値に対する振れ幅を小さくすることができ
るので、生産能力の上限に近い生産量を目標値と
して設定しても良好な運転が可能となる。 また、従来、運転員が経験的に行なつていた制
御操作を系統的に行なうことができるので、操作
の個人差が解消されかつ、簡略化、自動化するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本出願の第1の発明の制御方法による
熱分解炉系列の制御を模式的に示す図である。第
2図は本出願の第2の発明の制御方法による熱分
解炉系列の制御を模式的に示す図である。第3図
は、本発明方法を実施する熱分解炉の一例を示す
略図である。 1:熱分解炉本体、2:加熱管、2′:加熱管
予熱部、2″:加熱管熱分解部、3:急冷熱交換
器、4:原料炭化水素供給管、5:水蒸気供給
管、6:出口配管、7:燃料供給管。 第4図及び第5図は実施例1における本発明方
法による配分の仕方で各熱分解炉の運転を継続し
た場合の熱分解炉系列で製造されたエチレン製造
量及びプロピレン製造量の変化を、夫々目標値に
対比させて示したグラフである。第6図及び第7
図は比較例1において、従来の、運転員の経験に
よる配分で各熱分解炉の運転を継続した場合の熱
分解炉系列で製造されたエチレン製造量及びプロ
ピレン製造量を、夫々目標値に対比させて示した
グラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 夫々が選ばれた制御因子の設定値の下に運転
    を制御されている複数の熱分解炉からなる熱分解
    炉系列において炭化水素原料を水蒸気の存在下に
    熱分解してオレフインを製造するにあたり、 予め、(A)運転中の各熱分解炉の運転状態を各熱
    分解炉の運転を制御する制御因子を変数として、
    予め設定された制御限界への接近の度合として表
    わす関数(以下、「負荷余裕度関数」という)を
    得ておくこと、並びに、(B)各熱分解炉の制御因子
    及び原料炭化水素の性状因子を変数として各オレ
    フインの収率を表わす関数(以下、「オレフイン
    収率関数」という)を得ておくこと、そして、 熱分解炉系列の運転に際しては、 定められた時間間隔で各熱分解炉毎に、制御
    因子のデータをコンピユーターに取込んで負荷
    余裕度関数の値(以下、「負荷余裕度」という)
    を算出しておくこと、 性状の異なる原料炭化水素への原料変更に際
    し、 (a) 変更前の原料炭化水素の性状因子のデータ
    と、変更後の原料炭化水素の性状因子のデー
    タとをコンピユーターに取込んで対比して、
    その変化量からオレフイン収率関数を用いて
    熱分解炉系列のオレフイン製造量の予想変化
    量(以下、「系列予想オレフイン変化量」と
    いう)を算出すること、 (b) 系列予想オレフイン変化量に相当する量の
    オレフイン製造量の変化を打消すべく、系列
    予想オレフイン変化量に対応する熱分解炉系
    列のオレフイン製造量の変更量(以下、「原
    料由来系列負荷変更量」という)を決定する
    こと、 (c) 上記(d)で算出された原料由来系列負荷変更
    量を、上記で算出された各負荷余裕度の値
    の大きさに応じて各熱分解炉へ配分し、各熱
    分解炉の負荷変更量(以下、「炉負荷変更量」
    という)を得ること、 (d)(イ) オレフイン収率関数を用いて、炉負荷変
    更量に見合う量のオレフイン製造量(以
    下、「必要オレフイン製造量」という)を
    与える各熱分解炉の制御因子の値を算出
    し、該算出値が各熱分解炉の制御因子の予
    め設定された操作限界値を越えた場合に
    は、該限界値を各熱分解炉の制御因子の値
    とするが、それ以外の場合には該算出値を
    各熱分解炉の制御因子の値に決定するこ
    と、 又は、 (ロ) 各熱分解炉の制御因子の操作限界を制約
    条件として、オレフイン収率関数を用い
    て、必要オレフイン製造量に最も近いオレ
    フイン生産量を与える各熱分解炉の制御因
    子の値を算出し、該算出値を各熱分解炉の
    制御因子の値に決定すること、 並びに、 各熱分解炉の制御因子の設定値を上記決定さ
    れた制御因子の値に変更すること、 を特徴とする熱分解炉を制御する方法。 2 夫々が選ばれた制御因子の設定値の下に運転
    を制御されている複数の熱分解炉からなる熱分解
    炉系列において炭化水素原料を水蒸気の存在下に
    熱分解してオレフインを製造する方法において、 予め、(A)運転中の各熱分解炉の運転状態を各熱
    分解炉の運転を制御する制御因子を変数として、
    予め設定された制御限界への接近の度合として表
    わす関数(以下、「負荷余裕度関数」という)を
    得ておくこと、並びに、(B)各熱分解炉の制御因子
    及び原料炭化水素の性状因子を変数として各オレ
    フインの収率を表わす関数(以下、「オレフイン
    収率関数」という)を得ておくこと、そして、 熱分解炉系列の運転に際しては、 〔〕 定められた時間間隔で各熱分解炉毎に、制
    御因子のデータをコンピユーターに取込んで負
    荷余裕度関数の値(以下、「負荷余裕度」とい
    う)を算出しておくこと、 〔〕 短かい時間間隔で、 (a) 運転中の熱分解炉系列のオレフイン製造
    量のデータ(以下、「実績オレフイン生産
    量」という)と要求されるオレフイン生産
    量のデータ(以下、「要求オレフイン生産
    量」という)とをコンピユーターに取込ん
    で対比して熱分解炉系列のオレフイン製造
    量の変更量(以下、「系列負荷変更量」と
    いう)を算出すること、 (b) 系列負荷変更量を、上記〔〕で算出さ
    れた各負荷余裕度の値の大きさに応じて各
    熱分解炉へ配分し、各熱分解炉の負荷変更
    量(以下、「炉負荷変更量」という)を得
    ること、 (c)(イ) オレフイン収率関数を用いて、炉負荷
    変更量に見合う量のオレフイン製造量
    (以下、「必要オレフイン製造量」とい
    う)を与える各熱分解炉の制御因子の値
    を算出し、該算出値が各熱分解炉の制御
    因子の予め設定された操作限界値を越え
    た場合には、該限界値を各熱分解炉の制
    御因子の値とするが、それ以外の場合に
    は該算出値を各熱分解炉の制御因子の値
    に決定すること、 又は、 (ロ) 各熱分解炉の制御因子の操作限界を制
    約条件として、オレフイン収率関数を用
    いて、必要オレフイン製造量に最も近い
    オレフイン生産量を与える各熱分解炉の
    制御因子の値を算出し、該算出値を各熱
    分解炉の制御因子の値に決定すること、 並びに、 各熱分解炉の制御因子の設定値を上記決定
    された制御因子の値に変更すること、を繰り
    返すに当り、 〔〕 性状の異なる原料炭化水素への原料変更に
    際しては、 (a) 変更前の原料炭化水素の性状因子のデータ
    と、変更後の原料炭化水素の性状因子のデー
    タとをコンピユーターに取込んで対比して、
    その変更量からオレフイン収率関数を用いて
    熱分解炉系列のオレフイン製造量の予想変化
    量(以下、「系列予想オレフイン変化量」と
    いう)を算出すること、 (b) 系列予想オレフイン変化量に相当する量の
    オレフイン製造量の変化を打消すべく、系列
    予想オレフイン変化量に対応する熱分解炉系
    列のオレフイン製造量の変更量(以下、「原
    料由来系列負荷変更量」という)を決定する
    こと、並びに、 (c) 上記〔〕(b)の系列負荷変更量を上記
    〔〕(a)で算出された系列負荷変更量と上
    記原料由来系列負荷変更量との合計量で置き
    換えること、 を特徴とする熱分解炉を制御する方法。
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