JP2860425B2 - 新規なポルフィリン誘導体およびその塩 - Google Patents

新規なポルフィリン誘導体およびその塩

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、癌の治療に用いられる新規なポルフィリン
誘導体およびその塩に関し、更に、詳細には、一般式
[I] 「式中、R1は、水素原子、低級アルキルアミノ基、ジ低
級アルキルアミノ基または環中の窒素原子を介して結合
する置換されていてもよい含窒素複素環式基を;R2は、R
1が水素原子の場合は、低級アルキルアミノメチル基、
ジ低級アルキルアミノメチル基または式−CH2R3(式
中、R3は、環中の窒素原子を介して結合する置換されて
いてもよい含窒素複素環式基を示す。)で表わされる基
を;またR1が低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルア
ミノ基または環中の窒素原子を介して結合する置換され
ていてもよい含窒素複素環式基である場合は、R2は、メ
チル基、ヒドロキシメチル基、ジカルボキシル基、低級
アルコキシカルボニル基、ハロゲノメチル基または低級
アルキルもしくはアリール基で置換されていてもよいカ
ルバモイルオキシメチル基を示す。」 で表わされるポルフィリン誘導体およびその塩に関す
る。
[従来の技術] 従来、ポルフィリン誘導体の置換基が窒素原子を介し
て結合している化合物として、特開昭63−145283号に式 「Yは、−N (R23X (ただし、R2は、C1〜4
ルキル基を;Xは、ハロゲン原子を示す。)もしくは置換
基を有していてもよいピリジニウムハライド基、もしく
は置換基を有していてもよいキノリニウムハライド基を
示す。」 で表わされる第四アンモニウム塩型の基結合している化
合物が記載されている。
一方、置換基として式 および (R1およびR2は、前記したと同様の意味を有する。)で
表わされる基が結合しているポルフィリン誘導体および
その塩は知られていない。
[発明が解決しようとする課題] 癌の治療に使用されているポルフィリン誘導体として
は、主としてヘマトポルフィリン誘導体(Hp D)が挙げ
られ、このHp Dは、正常組織では肝臓、腎臓、脾臓、リ
ンパ節、骨髄、皮膚などに親和性を持つ。しかし、Hp D
は、癌組織部位に長く貯留するという性質をもっている
ため、時間の経過とともに正常組織より徐々に排泄さ
れ、癌組織内濃度が高く貯留することになる。
また、Hp Dは光感受性物質であるため、Hp Dを投与さ
れた癌患者が十分な排泄時間を置かないで日光に当たれ
ば、日光皮膚炎を起こすことはよく知られている。
このため、Hp Dを用いる療法では、癌患者は薬物投与
後、長時間、たとえば、2〜4週間、自然光を断つ生活
を強いられる。
また、Hp Dを用いる療法では光ファイバーを遠隔使用
できる臓器(たとえば、肺、胃など)に限られること、
さらに、レーザー光の組織内透過能力にも限界があるた
め、浅層部位の腫瘍しか治療できないなどの問題があ
る。
この問題を解決するため、光増感作用に基づく殺細胞
能でなく、癌細胞に対して直接的に殺細胞能を発揮する
化合物の開発が望まれていた。
本発明の目的は、光増感作用に基づく殺細胞能でな
く、癌細胞に対して直接的に殺細胞能を発揮するポルフ
ィリン誘導体およびその塩を提供することにある。
[課題を解決するための手段] このような状況下において、本発明者らは鋭意研究し
た結果、上記した一般式[I]の新規なポリフィリン誘
導体およびその塩が上記課題を解決することを見出し、
本発明を完成するに至った。
以下、本発明について詳述する。
なお、本明細書において特にことわらないかぎり、ハ
ロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子また
はヨウ素原子を;低級アルキル基とは、たとえば、メチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ぺンチ
ルまたはヘキシルなどのC1〜6アルキル基を;低級ア
ルコキシ基とは、低級アルキル−O−基を;低級アルキ
ルアミノ基とは、低級アルキル−NH−基を;ジ低級アル
キルアミノ基とは、 を;低級アルコキシカルボニル基とは、低級アルキル 基を;アリール基とは、フェニル基、トリル基またはナ
フチル基を;ハロゲノメチル基とは、クロロメチルまた
はブロモメチル基を;含窒素複素環式基とは、たとえ
ば、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル
基、モルホリニル基、テトラゾリル基またはトリアゾリ
ル基などの四価となることなく結合しうる窒素原子を環
中に有する5員または6員の含窒素複素環式基をそれぞ
れ意味する。
R1およびR3における置換されていてもよい含窒素複素
環式基の置換基としては、低級アルキル基、ハロゲン原
子、オキソ基などが挙げられる。
一般式[I]のポルフィリン誘導体の塩としては、薬
理学的に許容される塩であれば特に限定されないが、た
とえば、塩基性基または酸性基における塩が挙げられ
る。具体的には、塩基性基における塩としては、たとえ
ば、塩酸、臭化水素酸、硫酸またはリン酸などの鉱酸と
の塩などが、酸性基における塩としては、たとえば、ナ
トリウムまたはカリウムなどのアルカリ金属との塩など
が挙げられる。
また、一般式[I]のポルフィリン誘導体およびその
塩において、異性体(たとえば、光学異性体、幾何異性
体、互変異性体など)が存在する場合、本発明は、それ
らすべての異性体を包含し、また、すべての結晶形、溶
媒和物および水和物をも包含する。
つぎに、本発明の一般式[I]のポルフィリン誘導体
およびその塩の製造法について説明する。
一般式[I]のポルフィリン誘導体またはその塩は、
公知方法を組み合わせることによって得ることができる
が、たとえば、以下に示す製造ルートにしたがって製造
することができる。
「式中、R1aは、R1と同様の低級アルキルアミノ、ジ低
級アルキルアミノまたは環中の窒素原子を介して結合す
る置換されていてもよい含窒素複素環式基を;R1bは、低
級アルキル基もしくはハロゲン原子で置換されていても
よいトリアゾリルまたはテトラゾリル基を;R4は、低級
アルキル基を;R5は、水素原子、低級アルキル基または
アリール基を;Xは、ハロゲン原子を示す。」 一般式[I a]、[I b]、[I c]、[I d]、[I
e]、[I f]または[I g]の化合物の塩としては、一
般式[I]の化合物の塩で説明したと同様の塩が挙げら
れる。
つぎに、一般式[I]の化合物またはその塩の製造法
を前述の製造ルートにしたがってさらに詳細に説明す
る。
(1)一般式[III a]の化合物との反応(一般式[I
a]、[I b]、[I f]または[I g]の化合物もしくは
それらの塩の製法) 一般式[II]、[V]、[VI]または[VII]の化合
物を、反応に不活性な溶媒の存在下または不存在下、一
般式[III a]の化合物とを反応させることによって、
一般式[I a]、[I b]、[I f]または[I g]の化合
物もしくはそれらの塩を得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を
およぼさないものであれば特に限定されないが、たとえ
ば、クロロホルム、塩化メチレンおよびジクロロエタン
などのハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフランおよ
びジオキサンなどのエーテル類;ベンゼン、トルエンお
よびキシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトニトリル
およびプロピオニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチ
ルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなど
のアミド類;ヘキサメチルホスホルアミドなどのホスホ
ルアミド類;並びにジメチルスルホキシドなどのスルホ
キシド類などが挙げられ、また、これらの溶媒を一種ま
たは二種以上混合して使用してもよい。
また、この反応は、塩基の存在下に行うこともでき
る。
この反応で必要に応じて用いられる塩基としては、た
とえば、炭酸水素アルカリ、炭酸アルカリもしくは水酸
化アルカリなどの無機塩基;またはトリエチルアミン、
トリプロピルアミンもしくはトリブチルアミンなどの有
機塩基などが挙げられる。
一般式[III a]の化合物は、これらを塩基として過
剰に用いてもよい。または、一般式[III a]の化合物
は、ナトリウムまたはカリウムなどとの塩として用いて
もよい。
一般式[III a]の化合物の使用量は、一般式[I
I]、[V]、[VI]または[VII]の化合物に対して、
それぞれ2倍モル以上、好ましくは、2.0〜10倍モルで
ある。
反応温度および反応時間は特に限定されないが、20〜
100℃で、30〜48時間実施すればよい。
このようにして得られる一般式[I a]または[I b]
の化合物もしくはそれらの塩は、単離せずにそのままつ
ぎの反応に用いてもよい。
(2)還元剤による還元 一般式[I a]または[X]化合物もしくはそれらの
塩を、反応に不活性な溶媒の存在下、水素化アルミニウ
ムリチウムまたは水素化ナトリウムシアノホウ素などの
還元剤と反応させることによって、一般式[I b]また
は[I g]の化合物もしくはそれらの塩を得ることがで
きる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を
およぼさないものであれば特に限定されないが、たとえ
ば、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテ
ル類;並びにヘキサメチルホスホルアミドなどのホスホ
ルアミド類などが挙げられ、また、これらの溶媒を一種
または二種以上混合して使用してもよい。
還元剤の使用量は、一般式[I a]または[X]の化
合物もしくはそれらの塩に対して、それぞれ等モル以
上、好ましくは、2〜4倍モルである。
反応温度および反応時間は特に限定されないが、−10
〜100℃で、1分〜2時間実施すればよい。
(3)ハロゲン化 一般式[I b]の化合物またはその塩を、反応に不活
性な溶媒の存在下、四臭化炭素−トリフェニルホスフィ
ンまたはチオニルクロリドなどのハロゲン化剤と反応さ
せることよって、一般式[I e]の化合物またはその塩
を得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を
およぼさないものであれば特に限定されないが、たとえ
ば、塩化メチレンおよびクロロホルムなどのハロゲン化
炭化水素類;テトラヒドロフランおよびジオキサンなど
のエーテル類;アセトニトリルおよびプロピオニトリル
などのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,
N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;トリエチル
ホスフェートなどのホスフェート類;並びにピリジンな
どが挙げられ、また、これらの溶媒を一種または二種以
上混合して使用してもよい。
ハロゲン化剤の使用量は、一般式[I b]の化合物ま
たはその塩に対して、2倍モル以上、好ましくは、2.0
〜6.0倍モルである。
反応温度および反応時間は特に限定されないが、0〜
60℃で、5分〜10時間実施すればよい。
(4)イソシアネート類との反応 一般式[I b]の化合物またはその塩を、反応に不活
性な溶媒の存在下または不存在下、イソシアネート類と
反応させることによって、一般式[I c]の化合物また
はその塩を得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を
およぼさないものであれば特に限定されないが、たとえ
ば、塩化メチレンおよびクロロホルムなどのハロゲン化
炭化水素類;ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの
芳香族炭化水素類;テトラヒドロフランおよびジオキサ
ンなどのエーテル類;ピリジン;並びにN,N−ジメチル
ホルムアミドなどのアミド類などが挙げられ、また、こ
れらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよ
い。
イソシアネート類としては、たとえば、メチルイソシ
アネートまたはエチルイソシアネートなどのC1〜6
ルキルイソシアネート類;フェニルイソシアネートなど
のアリールイソシアネート類;およびクロロスルホニル
イソシアネートまたはシアン酸ナトリウムなどのイソシ
アネート類などが挙げられる。
また、シアン酸ナトリウムは、塩酸もしくは硫酸など
の無機酸またはトリフルオロ酢酸もしくはトリクロロ酢
酸などの有機酸の存在下で使用するのが好ましい。
無機酸もとは有機酸の使用量は、シアン酸ナトリウム
に対して、等モル以上である。
イソシアネート類の使用量は、一般式[I b]の化合
物またはその塩に対して、2倍モル以上である。
反応温度および反応時間は特に限定されないが、10〜
140℃で、10分〜48時間実施すればよい。
(5)加水分解 一般式[I a]の化合物またはその塩を、酸または塩
基を用いる通常の加水分解に付すことによって、一般式
[I d]の化合物またはその塩を得ることができる。
(6)一般式[III b]の化合物との反応(一般式[I
a]または[I g]の化合物もしくはそれらの塩の製法) 一般式[IV]の化合物または式[VIII]の化合物を、
ジエチルアゾジカルボキシレート、トリフェニルホスフ
ィンおよび反応に不活性な溶媒の存在下、一般式[III
b]の化合物と反応させることによって、一般式[I a]
または[I g]の化合物もしくはそれらの塩を得ること
ができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を
およぼさないものであれば特に限定されないが、具体的
には前述の(1)で挙げたと同様の溶媒が挙げられる。
ジエチルアゾジカルボキシレート、トリフェニルホス
フィンおよび一般式[III b]の化合物の使用量は、一
般式[IV]の化合物または式[VIII]の化合物に対し
て、それぞれ、2倍モル以上である。
反応温度および反応時間は特に限定されないが、0〜
60℃で、1〜24時間実施すればよい。
(7)接触還元 一般式[IX]の化合物はまたその塩を、通常の接触還
元、たとえば、バイオケミカル・ジャーナル[Biochem.
J]、第45巻、第163〜170頁(1949年)に記載の方法ま
たはそれに準じた方法に付すことによって、一般式[I
g]の化合物またはその塩を得ることができる。
上で述べた製造法における一般式[II]、[IV]、
[V]、[VI]および[VII]の化合物;一般式[IX]
および[X]の化合物並びにそれらの塩;および式[VI
II]の化合物において、異性体(たとえば、光学異性
体、幾何異性体、互変異性体など)が存在する場合、こ
れらすべての異性体を使用することができ、また、すべ
ての結晶形、溶媒和物および水和物を使用することがで
きる。
このようにして得られた一般式[I]の化合物または
その塩は、抽出、晶出、カラムクロマトグラフィーなど
の常法にしたがって単離精製することができる。
ついで、本発明化合物を製造するための原料である一
般式[II]、[IV]、[V]、[VI]および[VII]の
化合物;一般式[IX]および[X]の化合物またはそれ
らの塩;および式[VIII]の化合物の製造法について説
明する。
一般式[II]および[IV]の化合物は、自体公知の方
法、たとえば、ジャスタス・リービッヒ・アナーレン・
デア・ケミー(Justus Liebigs Ann.der Chem.)、第13
29〜1338頁(1973年)およびジャーナル・オブ・ジ・ア
メリカン・ケミカル・ソサエティー(J.A.C.S.)、第97
巻、第6556〜6562頁(1975年)に記載の方法またはそれ
に準じた方法により製造することができる。
また、一般式[V]、[VI]および[VII]の化合
物;一般式[IX]および[X]の化合物またはそれらの
塩;および式[VIII]の化合物は、公知方法を組み合わ
せることによって得ることができるが、たとえば、以下
に示す製造ルートにしたがって製造することができる。
「式中、R1a、R4およびXは、前記した意味を有す
る。」 一般式[IX]および[X]の化合物並びに式[XVI]
および[XVII]の化合物の塩としては、一般式[I]の
化合物の塩で説明したと同様の塩が挙げられる。
また、式[XVII]の化合物の反応性誘導体としては、
たとえば、酸ハライドおよび活性アミド(またはイミダ
ゾールとの活性アミド)などが挙げられる。
ついで、一般式[V]、[VI]および[VII]の化合
物;一般式[IX]および[X]の化合物またはそれらの
塩;および式[VIII]の化合物の製造法を前述の製造ル
ートにしたがってさらに詳細に説明する。
上記製造ルート中の一般式[III a]の化合物との反
応、還元剤による還元、ハロゲン化および、接触還元な
どの反応は、上述した製法(1)、(2)、(3)およ
び(7)で説明したと同様の方法で実施することができ
る。
また、一般式[XIII]の化合物を、通常のハイドロボ
レーション反応(ボランを反応させ、ついでアルカリ性
過酸化水素と反応させる)、たとえば、ジャーナル・オ
ブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサィティ(J.A.C.
S.)第97巻、第6556〜6562頁(1975年)に記載の方法ま
たはそれに準じた方法を付すことによって一般式[XI
V]の化合物を得ることができる。
上で述べた製造法における一般式[XI]、[XIII]お
よび[XIV]の化合物;式[XII]および[XV]の化合
物;並びに式[XVI]および[XVII]の化合物またはそ
れらの塩において、異性体(たとえば、光学異性体、幾
何異性体、互変異性体など)が存在する場合、これらす
べての異性体を使用することができ、また、すべての結
晶形、溶媒和物および水和物を使用することができる。
このようにして得られる一般式[V]、[VI]、[VI
I]および[XIII]の化合物;一般式[IX]および
[X]の化合物またはそれらの塩;並びに式[VIII]、
[XII]、[XIV]および[XV]の化合物は、単離せずに
そのままつぎの反応に用いてもよい。
本発明のポルフィリン誘導体を、医薬として用いる場
合、通常製剤化に使用される賦形剤、常用の医薬担体、
たとえば、乳糖、デキストロース、蔗糖、ソルビトー
ル、マンニトール、グルコース、シクロデキストリン、
タルク、澱粉、メチルセルロース、ゼラチン、アラビア
ゴム、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセル
ロース、ビドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸
アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、植物油、白
色ワセリンおよび注射用蒸留水など並びに希釈剤などの
製剤助剤を適宜混合してもよく、これらは常法により軟
もしくは硬カプセル剤、錠剤、散剤、シロップ剤、顆粒
剤、細粒剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、液剤、粉体製剤、坐
剤、軟膏剤または皮下、筋肉内、静脈内もしくは点滴注
射剤などの形態で経口または非経口的に投与することが
できる。
本発明のポルフィリン誘導体の投与方法、投与量およ
び投与回数は、患者の年齢、体重および症状に応じて適
宜選択することができ、通常成人に対しては1日当たり
0.01〜20mg/Kgを1回から数回に分割して投与すればよ
い。
つぎに、本発明のポルフィリン誘導体の代表的化合物
の薬理作用について述べる。
(1)制癌作用 HeLa S−3細胞生育阻害試験 96穴マイクロタィタープレートに10%牛胎児血清2mM
グルタミンを含むMEM(Minimum essential medium)培
養液で被検化合物を適宜希釈する。
希釈系列を2系列で作製し、各々同じ培養液で2×10
4個/mlに調製したHeLa S−3細胞を0.1mlずつ各ウェル
に分注する。これらの操作は外部光のない所でできるだ
け迅速に行う。1系列を、そのまま炭酸ガスインキュベ
ーター内で4日間、37℃で培養する(無処置群)。他方
の1系列を、炭酸ガスインキュベーター内で1日間、37
℃で培養した後、そのプレートを20cmの高さより、60W
(100V)白熱電球で5分間光照射し、さらに炭酸ガスイ
ンキュベーター内で3日間、37℃で培養する(光処置
群)。
各々培養後、培養上清を除去し、エタノールで10分間
固定した後、生理食塩水で1回洗浄する。固定細胞をギ
ムザ染色で染色後、各々の細胞増殖抑制作用濃度(MI
C)を求める。
その結果を表−1に示す。
被検化合物 A.3,8,13,17−テトラメチル−7,12−ビス[2−(ピペ
リジン−1−イル)エチル]ポルフィリン−2,18−ジプ
ロピオン酸ジメチルエステル B.2,18−ビス(3−ヒドロキシプロピル)−3,8,13,17
−テトラメチル−7,12−ビス[2−(ピペリジン−1−
イル)エチル]ポルフィリン・塩酸塩 C.2,7−ビス[2−(4−エチルピペラジン−1−イ
ル)エチル]−13,17−ビス(3−ヒドロキシプロピ
ル)−3,8,12,18−テトラメチルポルフィリン・塩酸塩 D.2,18−ビス(3−ヒドロキシプロピル)−3,8,13,17
−テトラメチル−7,12−ビス[2−(モルホリン−1−
イル)エチル]ポルフィリン・塩酸塩 E.2,7−ビス[2−(4−エチルピペラジン−1−イ
ル)エチル]−3,8,12,18−テトラメチル−13,17−ビス
[3−(N−メチルカルバモイルオキシ)プロピル]ポ
ルフィリン・塩酸塩 F.2,18−ビス(3−クロロプロピル)−3,8,13,17−テ
トラメチル−7,12−ビス[2−(ピペリジン−1−イ
ル)エチル]ポルフィリン・塩酸塩 対照.7,12−ビス(2−ピリジニオエチル)−3,8,13,17
−テトラメチル−2,18−ビス(2−メトキシカルボニル
エチル)−21H,23H−ポルフィリンジブロマイド(特開
昭63−145283号の実施例1の化合物) 表−1から明らかなように、本実施例の化合物は、光
増感作用がほとんどなく、しかも強い抗腫瘍活性を発揮
する。
[発明の効果] よって、本発明化合物は、抗腫瘍剤として極めて有用
な化合物である。
[実施例] つぎに、本発明を参考例および実施例を挙げて説明す
るが、本発明は、これらに限定されるものではない。な
お、参考例および実施例で使用されている記号は、下記
の意味を有する。
Me:メチル、Et:エチル、 n−Pr:n−プロピル また、混合溶媒の混合比は、すべて容量比であり、カ
ラムクロマトグラフィーにおける担体は、特にことわら
ないかぎり、メルク社製のシリカゲル[キーゼルゲル6
0、アート.7734(Kieselgel60,Art.7734)]を用いた。
参考例1 2,18−ビス(3−ヒドロキシプロピル)−3,8,13,17−
テトラメチル−7,12−ジビニルポルフィリン 水素化アルミニウムリチウム960mgをテトラヒドロフ
ラン200mlに懸濁させる。一方、プロトポルフィリンジ
メチルエステル5.00gをテトラヒドロフラン300mlに溶解
させる。この溶液を先に得られた懸濁液に0〜5℃で30
分間を要して滴下する。この混合物に、飽和硫酸ナトリ
ウム水溶液2mlを5分間を要して滴下し、析出した不溶
物を去する。ついで、減圧下に溶媒を留去し、得られ
た残留物を石油エーテルで洗浄した後、五酸化リン上で
乾燥すれば、暗紫色無定形晶状の2,18−ビス(3−ヒド
ロキシプロピル)−3,8,13,17−テトラメチル−7,12−
ジビニルポルフィリン4.24gを得る。
IR(KBr)cm-1;1620,1590,1435,1360,1215,1170,109
5,1050 参考例2 2,18−ビス(3−ブロモプロピル)−3,8,13,17−テト
ラメチル−7,12−ジビニルポルフィリン 2,18−ビス(3−ヒドロキシプロピル)−3,8,13,17
−テトラメチル−7,12−ジビニルポルフィリン4.20gを
塩化メチレン130mlに溶解させる。この溶液に四臭化炭
素7.82gおよびトリフェニルホスフィン6.18gを順次加
え、室温で20分間撹拌する。反応混合物にメタノール20
mlを加え、同温度で10分間撹拌した後、減圧下に溶媒を
留去する。得られた残留物をクロロホルム300mlに溶解
させ、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ
る。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をカラムク
ロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホルム)で精製す
れば、暗紫色無定形晶状の2,18−ビス(3−ブロモプロ
ピル)−3,8,13,17−テトラメチル−7,12−ジビニルポ
ルフィリン3.83gを得る。
IR(KBr)cm-1;1600,1420,1370,1245,1220,1195,110
0,1060 参考例3 2,18−ビス(3−ブロモプロピル)−7,12−ビス(2−
ヒドロキシエチル)−3,8,13,17−テトラメチルポルフ
ィリン 2,18−ビス(3−ブロモプロピル)−3,8,13,17−テ
トラメチル−7,12−ジビニルポルフィリン1.30gをテト
ラヒドロフラン65mlに溶解させる。0〜5℃で、この溶
液に水素化ホウ素ナトリウム244mgおよび三弗化ホウ素
−ジエチルエーテル0.80mlを順次加える。同温度で30分
間、さらに、室温で1時間撹拌し、水冷した後、1N水酸
化ナトリウム水溶液7.42mlを10分間を要して滴下する。
得られた混合物に30%過酸化水素水0.89mlを加え、室温
で1時間撹拌する。反応混合物を3N塩酸でpH7.0に調整
した後、クロロホルム250mlを加え、有機層を分取す
る。分取した有機層を水で洗浄した後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去する。得られた残
留物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホ
ルム:メタノール=100:1〜25:1)で精製すれば、暗紫
色無定形晶状の2,18−ビス(3−ブロモプロピル)−7,
12−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,8,13,17−テト
ラメチルポルフィリン410mgを得る。
IR(KBr)cm-1;1600,1430,1400,1370,1250,1230,121
0,1110,1040 参考例4 2,7−ビス(2−ブロモエチル)−3,8,12,18−テトラメ
チル−13,17−ジ−n−プロピルポルフィリン (1) 2,18−ビス(3−ブロモプロピル)−7,12−ビ
ス(2−ヒドロキシエチル)−3,8,13,17−テトラメチ
ルポルフィリン2.00gをヘキサメチルホスホルアミド60m
lに溶解させる。この溶液に水素化ナトリウムシアノホ
ウ素1.80gを加え、70℃で90分間撹拌する。反応混合物
に酢酸エチル800mlおよび水500mlを順次加え、1N塩酸で
pH2.0に調整した後、有機層を分取する。分取した有機
層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾
燥させ、減圧下に溶媒を留去する。得られた残留物をカ
ラムクロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホルム:メ
タノール=100:1〜40:3)で精製すれば、暗紫色無定形
晶状の2,7−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,8,12,18
−テトラメチル−13,17−ジ−n−プロピルポルフィリ
ン1.23gを得る。
(2) (1)で得られた化合物1.23gを塩化メチレン1
0mlに溶解させる。この溶液に四臭化炭素2.86gおよびト
リフェニルホスフィン2.26gを順次加え、室温で30分間
撹拌する。反応混合物にメタノール10mlを加え、同温度
で10分間撹拌した後、クロロホルム100mlおよび水20ml
を加え、有機層を分取する。分取した有機層を無水硫酸
ナトリウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去する。得ら
れた残留物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ク
ロロホルム)で精製すれば、暗紫無定形晶状の2,7−ビ
ス(2−ブロモエチル)−3,8,12,18−テトラメチル−1
3,17−ジ−n−プロプルポルフィリン134gを得る。
参考例5 2,7−ビス(2−ブロモエチル)−13,17−ビス(3−ヒ
ドロキシプロピル)−3,8,12,18−テトラメチルポルフ
ィリン 7,12−ビス(2−ブロモエチル)−3,8,13,17−テト
ラメチルポルフィリン−2,18−ジプロピオン酸ジメチル
エステル500mgをテトラヒドロフラン10mlに溶解させ
る。0〜5℃で、この溶液に水素化アルミニウムリチウ
ム25mgを加え、同温度で20分間撹拌する。反応混合物に
飽和硫酸ナトリウム水溶液0.2mlを1分間を要して滴下
し、析出した不溶物を去する。減圧下に溶媒を留去
し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(展開
溶媒;クロロホルム:メタノール=1:0〜30:1)で精製
すれば、暗紫色無定形晶状の2,7−ビス(2−ブロモエ
チル)−13,17−ビス(3−ヒドロキシプロピル)−3,
8,12,18−テトラメチルポルフィリン255mgを得る。
IR(KBr)cm-1;1595,1425,1400,1370,1290,1265,122
5,1200,1105 参考例6 2,7,12,18−テトラメチル−13,17−ビス[3−(ピペリ
ジン−1−イル)プロピル]−3,8−ジビニルポルフィ
リン 2,18−ビス(3−ブロモプロピル)−3,8,13,17−テ
トラメチル−7,12−ジビニルポルフィリン1.00gをN,N−
ジメチルホルムアミド20mlに溶解させる。この溶液にピ
ペリジン0.75mlおよびトリエチルアミン1.06mlを順次加
え、60℃で1時間撹拌した後、減圧下に溶媒を留去す
る。得られた残留物をクロロホルム100mlに溶解させ、
水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。減
圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をカラムクロマト
グラフィー(展開溶媒;クロロホルム:メタノール=10
0:1〜10:1)で精製すれば、暗紫色無定形晶状の2,7,12,
18−テトラメチル−13,17−ビス[3−(ピペリジン−
1−イル)プロピル]−3,8−ジビニルポルフィリン550
mgを得る。
IR(KBr)cm-1;1610,1430,1370,1340,1295,1255,122
0,1200,1150,1110 参考例7 7,12−ジエチル−3,8,13,17−テトラメチルポルフィリ
ン−2,18−ジプロピオン酸ジメチルアミド メソポルフィリン500mgをN,N−ジメチルホルムアミド
10mlに溶解させる。0〜5℃で、この溶液にオキシ塩化
リン0.18mlを加え、同温度で2時間撹拌する。50%ジメ
チルアミン水溶液20mlに、この反応混合物を0〜5℃、
で10分間を要して滴下した後、室温で2時間撹拌する。
ついで、減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をクロ
ロホルム100mlに溶解させる。この溶液に水100mlを加
え、3N塩酸でpH1.5に調整した後、有機層を分取する。
分取した有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄
した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。減圧下に溶
媒を留去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィ
ー(展開溶媒;クロロホルム:メタノール=1:0〜10:
1)で精製すれば、暗紫色無定形晶状の7,12−ジエチル
−3,8,13,17−テトラメチルポルフィリン−2,18−ジプ
ロピオン酸ジメチルアミド250mgを得る。
IR(KBr)cm-1;1610,1440,1395 実施例1 3,8,13,17−テトラメチル−7,12−ビス[2−(ピペリ
ジン−1−イル)エチル]ポルフィリン−2,18−ジプロ
ピオン酸ジメチルエステル・塩酸塩 (1) 7,12−ビス(2−ブロモエチル)−3,8,13,17
−テトラメチルポルフィリン−2,18−ジプロピオン酸ジ
メチルエステル2.97g、ピペリジン1.95mlおよびトリエ
チルアミン2.75mlをN,N−ジメチルホルムアミド60mlに
溶解させ、この溶液を60〜70℃で5時間撹拌した後、減
圧下に溶媒を留去する。得られた残留物をクロロホルム
300mlに溶解させ、水で洗浄した後、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥させる。減圧下に溶媒を留去し、得られた残
留物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホ
ルム:メタノール=40:1)で精製すれば、暗紫色無定形
晶状の3,8,13,17−テトラメチル−7,12−ビス[2−
(ピペリジン−1−イル)エチル]ポルフィリン−2,18
−ジプロピオン酸ジメチルエステル1.22gを得る。
(2) 上記(1)で得られた化合物をクロロホルム−
テトラヒドロブランの混合溶媒(1:1)50mlに溶解さ
せ、この溶液に塩化水素ガスを導入する。減圧下に溶媒
を留去し、得られた固定をジエチルエーテルで洗浄した
後、五酸化リン上で乾燥すれば、暗紫色無定形晶状の3,
8,13,17−テトラメチル−7,12−ビス[2−(ピペリジ
ン−1−イル)エチル]ポルフィリン−2,18−ジプロピ
オン酸ジメチルエステル・塩酸塩を得る。
IR(KBr)cm-1;1725,1620,1510,1430,1360,1240,120
0,1165,1120 同様にして、表−2および表−3の化合物を得る。
なお、表−2および表−3におけるR1は、それぞれ、
つぎの式: および で表わされる化合物の置換基を示す。
実施例2 7,12−ビス[2−(4−エチル−2,3−ジオキソピペラ
ジン−1−イル)エチル]−3,8,13,17−テトラメチル
ポルフィリン−2,18−ジプロピオン酸ジメチルエステル 7,12−ビス(2−ブロモエチル)−3,8,13,17−テト
ラメチルポルフィリン−2,18−ジプロピオン酸ジメチル
エステル230mlをN,N−ジメチルホルムアミド4.6mlに溶
解させる。この溶液に4−エチル−2,3−ジオキソピペ
ラジンのナトリウム塩410mgを加え、50℃で12時間撹拌
する。反応混合物にクロロホルム40mlおよび水20mlを順
次加え、6N塩酸でpH1.5に調整した後、有機層を分取す
る。分取した有機層で水を洗浄した後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥させる。減圧下に溶媒を留去し、、得られた
残留物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ベンゼ
ン:酢酸エチル:メタノール=1:1:0〜10:10:3)で精製
すれば、暗紫色無定形晶状の7,12−ビス[2−(4−エ
チル−2,3−ジオキソピペラジン−1−イル)エチル]
−3,8,13,17−テトラメチルポルフィリン−2,18−ジプ
ロピオン酸ジメチルエステル30mgを得る。
IR(KBr)cm-1;1730,1655,1605,1430,1355,1255,120
0,1160 同様にして、表−4の化合物を得る。
なお、表−4におけるR1は、つぎの式: で表わされる化合物の置換基を示す。
実施例3 3,8,13,17−テトラメチル−7,12−ビス[2−(1,2,4−
トリアゾール−1−イル)エチル]ポルフィリン−2,18
−ジプロピオン酸ジメチルエステル・塩酸塩 7,12−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,8,13,17−
テトラメチルポルフィリン−2,18−ジプロピオン酸ジメ
チルエステル500mg、1,2,4−トリアゾール220mg、トリ
フェニルホスフィン840mgおよびジエチルアゾジカルボ
キシレート0.50mlをテトラヒドロフラン20mlに溶解さ
せ、この溶液を室温で17時間撹拌する。減圧下に溶媒を
留去し、得られた残留物をクロロホルム50mlに溶解させ
る。この溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し
た後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。減圧下に溶媒
を留去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒;クロロホルム:メタノール=1:0〜50:1)
で精製すれば、暗紫色無定形晶状の3,8,13,17−テトラ
メチル−7,12−ビス[2−(1,2,4−トリアゾール−1
−イル)エチル]ポルフィリン−2,18−ジプロピオン酸
ジメチルエステル80mgを得る。この化合物を実施例1と
同様にして塩化水素ガスと反応させれば、暗紫色無定形
晶状の3,8,13,17−テトラメチル−7,12−ビス[2−
(1,2,4−トリアーゾール−1−イル)エチル]ポルフ
ィリン−2,18−ジプロピオン酸ジメチルエステル・塩酸
塩を得る。
IR(KBr)cm-1;1725,1600,1495,1425,1340,1265,120
0,1160,1135,1100 実施例4 3,8,13,17−テトラメチル−7,12−ビス[2−(ピペリ
ジン−1−イル)エチル]ポルフィリン−2,18−ジプロ
ピオン酸・塩酸塩 3,8,13,17−テトラメチル−7,12−ビス[2−(ピペ
リジン−1−イル)エチル]ポルフィリン−2,18−ジプ
ロピオン酸ジメチルエステル40mgをテトラヒドロフラン
4mlに溶解させる。この溶液に6N塩酸0.8mlを加え、室温
で24時間撹拌した後、減圧下に溶媒を留去する。得られ
た残留物をジエチルエーテルで洗浄した後、五酸化リン
上で乾燥すれば、暗紫色無定形晶状の3,8,13,17−テト
ラメチル−7,12−[2−(ピペリジン−1−イル)エチ
ル]ポルフィリン−2,18−ジプロピオン酸・塩酸塩40mg
を得る。
IR(KBr)cm-1;1710,1505,1440,1370,1320,1140,1120 同様にして、表−5の化合物を得る。
なお、表−5におけるR1は、次の式: で表わされる化合物の置換基を示す。
実施例5 2,18−ビス(3−ヒドロキシプロピル)−3,8,13,17−
テトラメチル−7,12−ビス[2−(ピペリジン−1−イ
ル)エチル]ポルフィリン・塩酸塩 3,8,13,17−テトラメチル−7,12−ビス[2−(ピペ
リジン−1−イル)エチル]ポルフィリン−2,18−ジプ
ロピオン酸ジメチルエステル820mgをテトラヒドロフラ
ン80mlに溶解させる。この溶液に水素化アルミニウムリ
チウム100mgを加え、室温で30分間撹拌する。反応混合
物に飽和硫酸ナトリウム水溶液1.5mlを1分間を要して
滴下し、析出した不溶物を去する。減圧下に溶媒を留
去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(展
開溶媒;クロロホルム:メタノール=10:1〜5:1)で精
製すれば、暗紫色無定形晶状の2,18−ビス(3−ヒドロ
キシプロピル)−3,8,13,17−テトラメチル−7,12−ビ
ス[2−(ピペリジン−1−イル)エチル]ポルフィリ
ン600mgを得る。この化合物を実施例1と同様にして塩
化水素ガスと反応させれば、暗紫色無定形晶状の2,18−
ビス(3−ヒドロキシプロピル)−3,8,13,17−テトラ
メチル−7,12−ビス[2−(ピペリジン−1−イル)エ
チル]ポリフィリン・塩酸塩を得る。
IR(KBr)cm-1;1600,1505,1430,1220,1140,1115 同様にして、表−6の化合物を得る。
なお、表−6におけるR1は、つぎの式: で表わされる化合物の置換基を示す。
実施例6 2,7,12,18−テトラメチル−13,17−ビス[3−(N−メ
チルカルバモイルオキシ)プロピル]−3,8−ビス[2
−(ピペリジン−1−イル)エチル]ポルフィリン・塩
酸塩 2,18−ビス(3−ヒドロキシプロピル)−3,8,13,17
−テトラメチル−7,12−ビス[2−(ピペリジン−1−
イル)エチル]ポルフィリン250mgをピリジン50mlに溶
解させる。この溶液にメチルイソシアネート0.13mlを加
え、5時間還流した後、減圧下に溶媒を留去する。得ら
れた残留物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ク
ロロホルム:メタノール=20:1〜5:1)で精製すれば、
暗紫色無定形晶状の2,7,12,18−テトラメチル−13,17−
ビス[3−(N−メチルカルバモイルオキシ)プロピ
ル]−3,8−ビス[2−(ピペリジン−1−イル)エチ
ル]ポルフィリン140mgを得る。この化合物を実施例1
と同様にして塩化水素ガスと反応させれば、暗紫色無定
形晶状の2,7,12,18−テトラメチル−13,17−ビス[3−
(N−メチルカルバモイルオキシ)プロピル]−3,8−
ビス[2−(ピペリジン−1−イル)エチル]ポルフィ
リン・塩酸塩を得る。
IR(KBr)cm-1;1680,1630,1600,1510,1435,1420,125
5,1185,1140,1120 同様にして、表−7の化合物を得る。
なお、表−7におけるR1は、つぎの式: で表わされる化合物の置換基を示す。
実施例7 2,18−ビス(3−カルバモイルオキシプロピル)−3,
8,13,17−テトラメチル−7,12−ビス[2−(モルホリ
ン−1−イル)エチル]ポルフィリン・塩酸塩 2,18−ビス(3−ヒドロキシプロピル)−3,8,13,17
−テトラメチル−7,12−ビス[2−(モルホリン−1−
イル)エチル]ポルフィリン120mgを塩化メチレン20ml
およびN,N−ジメチルホルムアミド5mlの混合溶媒に溶解
させる。この溶液に85%シアン酸ナトリウム620mgおよ
びトリフルオロ酢酸1.25mlを順次加え、室温で24時間撹
拌する。反応混合物に水10mlを加え、飽和炭素水素ナト
リウム水溶液でpH7.0に調整した後、有機層を分取す
る。分取した有機層を無水硫酸マグネシウムをで乾燥さ
せ、減圧下に溶媒を留去する。得られた残留物をカラム
クロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホルム:メタノ
ール=30:1〜20:1)で精製すれば、暗紫色無定形晶状の
2,18−ビス(3−カルバモイルオキシプロピル)−3,8,
13,17−テトラメチル−7,12−ビス[2−(モルホリン
−1−イル)エチル]ポルフィリン130mgを得る。この
化合物を実施例1と同様にして塩化水素ガスと反応させ
れば、暗紫色無定形晶状の2,18−ビス(3−カルバモイ
ルオキシプロピル)−3,8,13,17−テトラメチル−7,12
−ビス[2−(モルモリン−1−イル)エチル]ポルフ
ィリン・塩酸塩を得る。
IR(KBr)cm-1;1705,1600,1515,1450,1400,1330,126
0,1240,1120,1080 実施例8 2,18−ビス(3−クロロプロピル)−3,8,13,17−テト
ラメチル−7,12−ビス[2−(ピペリジン−1−イル)
エチル]ポルフィリン・塩酸塩 2,18−ビス(3−ヒドロキシプロピル)−3,8,13,17
−テトラメチル−7,12−ビス[2−(ピペリジン−1−
イル)エチル]ポルフィリン50mgをピリジン13mlに溶解
させる。この溶液に氷冷下で塩化チオニル0.10mlを加
え、同温度で15分間撹拌した後、減圧下に溶媒を留去す
る。得られた残留物をクロロホルム10mlに溶解させ、水
で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。減圧
下に溶媒を留去し、得られた残留物をカラムクロマトグ
ラフィー(展開溶媒;クロロホルム:メタノール=50:1
〜20:1)で精製すれば、暗紫色無定形晶状の2,18−(3
−クロロプロピル)−3,8,13,17−テトラメチル−7,12
−ビス[2−(ピペリジン−1−イル)エチル]ポルフ
ィリン30mgを得る。この化合物実施例1と同様にして塩
化水素ガスと反応させれば、暗紫色無定形晶状の2,18−
ビス(3−クロロプロピル)−3,8,13,17−テトラメチ
ル−7,12−ビス[2−(ピペリジン−1−イル)エチ
ル]ポルフィリン・塩酸塩を得る。
IR(KBr)cm-1;1605,1510,1430,1230,1140,1115 実施例9 2,18−ビス(3−ヒドロキシプロピル)−3,8,13,17−
テトラメチル−7,12−ビス[2−(4−メチル−2,6−
ジオキソピペラジン−1−イル)エチル]ポルフィリン 2,7−ビス(2−ブロモエチル)−13,17−ビス(3−
ヒドロキシプロピル)−3,8,12,18−テトラメチルポル
フィリン200mgおよび4−メチル−2,6−ジオキソピペラ
ジンのカリウム塩290mgを用いて、実施例7と同様に反
応させ、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒;クロロホルム:メタノール=12:1)で精製
すれば、暗紫色無定形晶状の2,18−ビス(3−ヒドロキ
シプロピル)−3,8,13,17−テトラメチル−7,12−ビス
[2−(4−メチル−2,6−ジオキソピペラジン−1−
イル)エチル]ポルフィリン95mgを得る。
IR(KBr)cm-1;1730,1670,1430,1390,1340,1265,123
0,1165 実施例10 2,7−ジエチル−3,8,12,18−テトラメチル−13,17−ビ
ス[3−(ピペリジン−1−イル)プロピル]ポルフィ
リン・塩酸塩 2,7,12,18−テトラメチル−13,17−ビス[3−(ピペ
リジン−1−イル)プロピル]−3,8−ジビニルポルフ
ィリン300mgをギ酸10mlに溶解させる。この溶液にメチ
ルメタクリレート0.6mlおよび5%パラジウム−炭素
(触媒)60mgを順次加え、1気圧水素雰囲気下、50℃で
5時間撹拌した後、触媒を去する。減圧下に溶媒を留
去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(展
開溶媒;クロロホルム:メタノール=20:1)で精製すれ
ば、暗紫色無定形晶状の2,7−ジエチル−3,8,12,18−テ
トラメチル−13,17−ビス[3−(ピペリジン−1−イ
ル)ピロピル]ポリフィリン180mgを得る。この化合物
を実施例1と同様にして塩化水素ガスと反応させれば、
暗紫色無定形晶状の2,7−ジエチル−3,8,12,18−テトラ
メチル−13,17−ビス[3−(ピペリジン−1−イル)
ピロピル]ポルフィリン・塩酸塩を得る。
IR(KBr)cm-1;1600,1510,1440,1370,1145 同様にして、表−8の化合物を得る。
なお、表−8におけるR2は、つぎの式: で表わされる化合物の置換基を示す。
実施例11 2,18−ビス[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]
−7,12−ジエチル−3,8,13,17−テトラメチルポルフィ
リン 7,12−ジエチル−3,8,13,17−テトラメチルポルフィ
リン−2,18−ジプロピオン酸ジメチルアミド230mgをテ
トラヒドロフラン10mlに溶解させる。この溶液に水素化
アミニウムリチウム70mgを加え、2時間還流した後、氷
冷する。反応混合物に飽和硫酸ナトリウム水溶液1mlを
1分間を要して滴下し、析出した不溶物を去する。減
圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をジエチルエーテ
ルで洗浄した後、五酸化リン上で乾燥すれば、暗紫色無
定形晶状の2,18−ビス[3−(N,N−ジメチルアミノ)
プロピル]−7,12−ジエチル−3,8,13,17−テトラメチ
ルポルフィリン160mgを得る。この化合物を実施例1と
同様にして塩化水素ガスと反応させれば、暗紫色無定形
晶状の2,18−ビス[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロ
ピル]−7,12−ジエチル−3,8,13,17−テトラメチルポ
ルフィリン・塩酸塩を得る。
IR(KBr)cm-1;1610,1505,1450,1400,1370
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/535 A61K 31/535 (72)発明者 三上 秀忠 富山県高岡市野村4区1227 (72)発明者 堀 孝子 富山県富山市五福末広町1008 審査官 内藤 伸一 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 487/22 A61K 31/40 A61K 31/41 A61K 31/445 A61K 31/495 A61K 31/535 CA(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 「式中、R1は、水素原子、低級アルキルアミノ基、ジ低
    級アルキルアミノ基または環中の窒素原子を介して結合
    する置換されてもいてよい含窒素複素環式基を;R2は、R
    1が水素原子の場合は、低級アルキルアミノメチル基、
    ジ低級アルキルアミノメチル基または式−CH2R3(式
    中、R3は、環中の窒素原子を介して結合する置換されて
    いてもよい含窒素複素環式基を示す。)で表わされる基
    を;またR1が低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルア
    ミノ基または環中の窒素原子を介して結合する置換され
    ていてもよい含窒素複素環式基である場合は、R2は、メ
    チル基、ヒドロキシメチル基、ジカルボキシル基、低級
    アルコキシカルボニル基、ハロゲノメチル基または低級
    アルキルもしくはアリール基で置換されていてもよいカ
    ルバモイルオキシメチル基を示す。」 で表わされるポルフィリン誘導体およびその塩。
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