JP2859603B2 - 画像データの2値化方法および装置 - Google Patents

画像データの2値化方法および装置

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JP2859603B2
JP2859603B2 JP9192832A JP19283297A JP2859603B2 JP 2859603 B2 JP2859603 B2 JP 2859603B2 JP 9192832 A JP9192832 A JP 9192832A JP 19283297 A JP19283297 A JP 19283297A JP 2859603 B2 JP2859603 B2 JP 2859603B2
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洋 和島
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の各画素が複
数の階調である濃度を有する画像データを、2値化する
ための方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】画像処理システムを構築する上で、2値
化処理は必要不可欠である。
【0003】画像データを2値化する典型的な先行技術
は、たとえば特開昭63−19543に開示されてい
る。この先行技術では、たとえば図13(1)に示され
るように背景である芝生1上に高反射率を有する金属片
2が配置されて太陽光が照射されている状態を撮像した
画像データの全体を、単一の予め定めるしきい値で2値
化すると、図13(2)に示される2値化された画像が
得られ、多くのノイズが含まれる。また図14(1)に
示されるように、照明灯で照射した緩やかな画像の濃淡
の変化であるいわゆるシェーディングがある画像を撮像
して、単一の予め定めるしきい値で2値化すると、図1
4(2)で示される2値化画像が得られる。この図14
(2)に示される2値化画像では、図14(1)のシェ
ーディングの存在が2値化画像に現れ、したがって先行
技術ではシェーディングに対応することができない。
【0004】さらに他の先行技術は、たとえば特開昭6
3−220375および特開昭59−178872に開
示される。この先行技術では、図15(1)に示される
各画素が複数の濃度を有する太陽光が照射された原画像
データの一画面を、多数の小領域に分割し、各小領域毎
に2値化のためのしきい値を設定し、図15(2)に示
される2値化画像を得る。この先行技術では、金属片2
などの抽出対象の有無にかかわらず、しきい値を設定す
るので、図15(2)に示されるようにノイズ成分が残
る。
【0005】またこの先行技術では、図16(1)に示
される人工照明によるシェーディングがある原画像を2
値化したときにも、図16(2)に示されるようにノイ
ズ成分が残る。図15(1)および図16(1)は、前
述の図11(1)および図12(1)の各画像と同一で
ある。
【0006】要約すると先行技術では、照明条件変化、
テレビカメラなどのセンサの感度のばらつきおよび背景
の明るさの不均一性などの外乱に起因して、背景にノイ
ズ成分が残り、シェーディングに対応することができな
いなどの問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、背景
のノイズ成分を除去し、また原画像の緩やかな濃淡の変
化であるシェーディングによる悪影響を受けず、不要な
背景成分が2値化されないようにした画像データの2値
化方法および装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の各画素
が複数の濃度を有する一画面分の画像データを、一画面
の画素数未満の複数のウインドウに分割し、各ウインド
ウ毎に、濃度と画素数とのヒストグラムを作成し、この
ヒストグラムが、高濃度領域と低濃度領域とで画素数が
残余の中間濃度領域よりも多い双峰性であるかどうかを
判断し、双峰性であることが判断されたときにのみ、前
記高濃度領域と、前記低濃度領域との間にある濃度を弁
別レベルとして設定して、そのウインドウの画像データ
を2値化することを特徴とする画像データの2値化方法
である。
【0009】本発明に従えば、原画像である1画面分の
画像データを、複数の小領域であるウインドウに分割
し、各ウインドウ毎に、複数階調の各濃度と、その濃度
を有する画素を計数し、これによって高濃度領域と低濃
度領域を有する双峰性劣化を判断し、双峰性であること
が判断されたときのみ、2値化を行う。2値化のための
弁別レベルは、双峰性の高濃度領域と低濃度領域との間
にある濃度を弁別レベルとして設定する。
【0010】双峰性であるウインドウでは、抽出対象の
画像データの濃度は、たとえば弁別レベル以上であっ
て、一方の論理値、たとえば論理「1」とし、弁別レベ
ル未満の濃度を有する画像データは、背景として考え、
他方の論理値、たとえば論理「0」に設定される。
【0011】各ウインドウ毎の濃度と画素数との関係が
上述の双峰性ではなく、たとえば単方性であるかまたは
各濃度毎の画素数がほぼ等しく一様であるときなどに
は、そのウインドウの画像データは、抽出対象である被
検出物が存在せず、背景の画像データであるものと判断
することができ、このようなときには、背景に対応した
論理値、たとえば論理「0」に設定する。
【0012】本件明細書において、「ヒストグラム」と
いうのは、理解の便宜のためにのみ用いられており、各
ウインドウ毎の濃度と画素数との対応する関係を表す概
念として解釈されるべきであり、たとえば棒グラフ、
表、およびその他の表現の態様をすべて含む。
【0013】また本発明の双峰性の判断は、ウインドウ
内の濃度平均値mwを求め、その濃度平均値mwよりも
高濃度側と低濃度側との間の規定の濃度範囲を設定し、
前記規定の濃度範囲内の画素数Fnが予め定める画素数
Fc未満であるとき、双峰性であると判断することを特
徴とする。
【0014】本発明に従えば、各ウインドウ毎に濃度と
画素数との関係が、双峰性であるかどうかを判断するに
あたっては、そのウインドウに含まれる全画素の濃度の
平均値mwを演算して求め、その濃度平均値mwを含む
予め定める規定の濃度範囲(ThH〜ThL)を設定
し、その規定の濃度範囲内の画素数Fnを計数し、予め
定める画素数Fc未満であるとき、双峰性であると判断
する。こうして濃度平均値mwが双方の谷に存在すると
き、そのウインドウ内の各画素の濃度に関して2値化が
行われる。この双峰性であるウインドウで画像データの
2値化が行われるように、前記規定の濃度範囲の上限値
ThHと下限値ThLとを決定する定数aが選ばれる。
こうして各小領域であるウインドウ毎に、濃度・画素数
のヒストグラムから、単峰性および双峰性の情報を抽出
するので、上述のように濃度平均値が双方の谷になる双
峰性が顕著なウインドウが、抽出対象の存在時には、必
ず得ることができる。こうして単峰性および双峰性の判
別を行うことが容易である。
【0015】このように単峰性および双峰性の判断は、
上述のように最も双峰性が顕著なウインドウでは、双方
の谷が濃度平均値mwとなるので、この濃度平均値mw
を中心として規定の濃度範囲を設定し、すなわち後述の
定数aを定め、この濃度範囲内の度数である画素数Fn
と予め定める画素数Fcとの大小関係によって、行う。
上述のように双峰性が顕著なウインドウでその双峰性で
あることが検出されるように、後述の定数aを定め、ま
た2値化が達成されるように後述の定数bを定める。こ
うして最も双峰性が顕著な小領域に関する情報に基づい
て、複数の各ウインドウ毎に2値化するか否かを決定す
るので、背景のノイズ成分が非常に出にくい。
【0016】定数aは、たとえば0.5〜0.7などの
値であってもよく、定数bは、たとえば+10,+20
または−10,−20などであってもよい。この定数b
は、弁別レベルThwが、濃度平均値mwよりも、被検
出物の濃度寄りとなる値に定められ、これによって被検
出物を背景から区別して明瞭に識別することができる。
【0017】また本発明は、前記画面は、画素がマトリ
クス状に配列されて構成され、前記ウインドウは、1画
面を一配列方向に部分的に重なりかつ前記一配列方向に
垂直な他配列方向にも部分的に重なって、走査されるこ
とを特徴とする。
【0018】本発明に従えば、マトリクス状に配置され
た画素を有する一画面内で、ウインドウは、一配列方向
(たとえば横の水平方向)に部分的に重なりかつ一配列
方向に垂直な他配列方向(たとえば縦の垂直方向)にも
部分的に重なって走査される。このような走査される各
ウインドウ毎に、2値化処理を行うので、たとえばその
ウインドウの濃度の標準偏差σwが、最も双峰性が顕著
なウインドウからその近傍の双峰性のウインドウで、滑
らかに変化することになり、したがって2値化処理後の
不連続性をなくすことができる。
【0019】本発明の実施の他の形態では、ウインドウ
は、一画面の予め定める固定的な小領域であってもよ
い。
【0020】また本発明は、複数の画素が複数の濃度を
有しかつ画素がマトリクス状に配列される一画面分の画
像データをストアするメモリと、メモリにストアされた
画像データを読出して、前記一画面の画素数未満の画素
から成るウインドウを、一画面の一配列方向に部分的に
重なりかつ前記一配列方向に垂直な他配列方向にも部分
的に重なるように走査するウインドウ走査手段と、ウイ
ンドウ走査手段の出力に応答し、各ウインドウ毎に、濃
度と画素数とのヒストグラムを作成する手段と、ウイン
ドウ走査手段とヒストグラム作成手段との出力に応答
し、ヒストグラムが、高濃度領域と低濃度領域とで画素
数が残余の中間濃度領域よりも多い双峰性であるかどう
かを判断する双峰性判断手段と、ウインドウ走査手段と
双峰性判断手段との出力に応答し、双峰性であることが
判断されたときにのみ、前記高濃度領域と前記低濃度領
域との間にある濃度を弁別レベルとして設定して、その
ウインドウの画像データを2値化する2値化手段とを含
むことを特徴とする画像データの2値化装置である。
【0021】本発明に従えば、一画面分の画像データに
おける小領域を抽出するウインドウを、その一画面分の
全画像範囲で、一配列方向、たとえば水平方向および他
配列方向、たとえば垂直方向に移動して走査し、各ウイ
ンドウ毎に濃度・画素数のヒストグラムを作成し、その
ヒストグラムに基づいて単峰性および双峰性の情報を抽
出し、この情報に基づいて各ウインドウ毎に2値化する
か否かを決定する。したがって上述のように背景のノイ
ズ成分を除去し、シェーディングが存在しても、それに
よって悪影響を受けることなく抽出対象を背景と区別し
て2値化することができるようになる。
【0022】また本発明は、双峰性判断手段は、ウイン
ドウ走査手段の出力に応答し、各ウインドウ毎に、濃度
平均値mwを求める第1演算手段と、ウインドウ走査手
段の出力に応答し、各ウインドウ毎の濃度の標準偏差σ
wを求める第2演算手段と、第1および第2演算手段の
出力に応答し、aを予め定める定数とするとき、濃度の
上限値ThHと下限値ThL、 ThH = mw+a・σw ThL = mw−a・σw を有する規定の濃度範囲を設定する濃度範囲設定手段
と、ヒストグラム作成手段と濃度範囲設定手段との出力
に応答し、前記規定の濃度範囲内の画素数Fnが予め定
める画素数Fc未満であるとき、bを予め定める定数と
して、弁別レベルThw Thw = mw+b を設定する弁別レベル設定手段とを含み、2値化手段
は、ウインドウ走査手段と弁別レベル設定手段との出力
レベルに応答し、各ウインドウ内の画素の濃度を、前記
弁別レベルThwでレベル弁別して2値化することを特
徴とする。
【0023】本発明に従えば、一画面分の画像データに
おける最も双峰性が顕著なウインドウで2値化が行われ
るように、定数a,bを選び、この定数a,bを、残余
のウインドウに関してもそのまま用い、こうして背景の
ノイズ成分が非常に出にくくなる。
【0024】さらに本発明に従えば、各ウインドウ毎の
濃度の標準偏差σwを求めて、前記規定濃度範囲の上限
値ThHと下限値ThLとを演算して設定するようにし
たので、上述のように走査されるウインドウ毎の2値化
しきい値が滑らかに変化し、2値化処理後の画像データ
の不連続性がない。
【0025】また本発明は、ウインドウは、被検出物の
画像の面積の約2倍の面積を有し、被検出物の画像を含
む形状を有することを特徴とする。
【0026】本発明に従えば、ウインドウの面積を、抽
出対象である被検出物の画像の面積の約2倍とすること
によって、本件発明者の実験によれば、被検出物の背景
との2値化を、適切に行うことができることが確認され
た。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
一画面5の画像データを2値化するための手順を説明す
るための図である。この実施の一形態では、図1(1)
に示される画面5の被検出物である抽出対象6が、背景
7と区別される。抽出対象の画像6は、一方の論理値、
たとえば論理「1」であり、背景7は、他方の論理値、
たとえば論理「0」である。図1(1)ではウインドウ
は、さらに参照符11e,11d,11f,11gで示
される。ウインドウは、総括的には参照符11で示し、
個別的に添字a〜gなどを付すことがある。
【0028】図2は、本発明の実施の一形態の構成を示
すブロック図である。第1メモリ8にストアされた一画
面5分のデジタル画像データは、本発明の2値化処理装
置9に与えられ、ここで各画素毎に2値化され、こうし
て得られた2値化画像はメモリ10にストアされる。メ
モリ8にストアされるデジタル画像データは、水平およ
び垂直方向に行列状に配列された複数の各画素毎に、複
数の階調を有する濃度を有している。この階調は、たと
えば0〜255の合計256であってもよい。
【0029】図3は、図2の2値化処理装置9の動作を
説明するためのフローチャートである。ステップa1か
らステップa2に移り、一画面の画素数未満の画素を有
するウインドウ11を設定する。このウインドウ11
は、図1(1)に示されるように、一画面5を水平に部
分的に重なりかつ垂直方向にも部分的に重なった画素を
含んで、走査されて設定される。たとえば図4(1)に
示される水平方向に3画素および垂直方向に3画素を含
むウインドウ11aは、図4(2)のウインドウ11b
のように水平方向である行方向に一画素ずつ、ずれて走
査される。一画面5における一行分のウインドウ11の
走査が終了すると、次に、図5(1)に示されるよう
に、垂直方向、すなわち列方向に一画素分ずれて、ウイ
ンドウ11cが設定され、次に図5(2)に示されるよ
うに水平方向に一画素だけずれたウインドウ11dが設
定される。このようにして水平方向および垂直方向に、
順次的に一画素ずつずれたウインドウが設定されて走査
される。
【0030】本発明の実施の他の形態では、水平方向お
よび/または垂直方向に複数画素ずつ、たとえば2画素
ずつずれて、各ウインドウが部分的に重なって設定され
てもよい。本発明の実施のさらに他の形態では、各ウイ
ンドウは、部分的に重なることなく、隣接して設定され
てもよい。
【0031】図3のステップa3において、ウインドウ
11の小領域に含まれる各画素毎の複数の濃度を有する
画像データを、メモリ8から読出して抽出する。次のス
テップa4では、そのウインドウの特徴量を計算する。
この特徴量は、図6〜図8にそれぞれ示される濃度と画
素数とのヒストグラムと、そのウインドウ11に含まれ
る全ての画素の濃度の平均値mwおよびその濃度の標準
偏差σwである。濃度平均値mwは、ウインドウ11に
含まれる各画素毎の濃度をIiとし、そのウインドウ1
1の画素数をnとするとき、次式で表される。
【0032】
【数1】
【0033】濃度の標準偏差σwは、次式で示される。
【0034】
【数2】
【0035】ウインドウ11の特徴量の1つとしてさら
に、双峰性判断のための規定の濃度範囲を設定するため
の上限値ThHおよび下限値ThLを演算して求める。
【0036】 ThH = mw+a・σw …(3) ThL = mw−a・σw …(4) 次のステップa5では、前記規定の濃度範囲ThH〜T
hLに含まれる画素数Fnを計数する。図6〜図8で
は、濃度平均値mw,標準偏差σw、上限値ThHおよ
び下限値ThLには、個別的に数字1,2,3を付して
示し、総括的には、これらの数字1,2,3を省略して
説明する。図6〜図8の各ヒストグラムにおいて、前記
規定の濃度範囲に含まれる画素数Fn1〜Fn3は、斜
線を施して示す。
【0037】ステップa6では、各ウインドウ毎の規定
の濃度範囲に含まれる画素数Fnと予め定める画素数F
cとの比較を行って、式5の比較演算を行う。
【0038】 Fn < Fc …(5) 図6のヒストグラムを有するウインドウでは、Fn1≧
Fcであり、また図7のヒストグラムを有するウインド
ウでは、Fn2≧Fcであるので、前述の式5は成立せ
ず、単峰性と判断する。この式5が成立しないときに
は、そのウインドウは、抽出対象である被検出物を含ま
ない背景であるものと判断し、そのウインドウに含まれ
るすべての画素を、前記他方の論理値、たとえば前述の
ように論理「0」とする。
【0039】これに対して前述のステップa6において
式5が成立するときは、図8に示されるとおりであり、
このとき図8のヒストグラムを有するウインドウは双峰
性であるものと判断される。このときには、ステップa
7において、弁別レベルThwによってそのウインドウ
に含まれるすべての画素毎の濃度をレベル弁別して2値
化する。すなわち濃度が、弁別レベルThw以上である
とき、前記一方の論理値、たとえば前述の論理「1」と
し、濃度が弁別レベルThw未満であるとき、前記他方
の論理値、たとえば論理「0」に定める。
【0040】ステップa8では、図8に示されるように
双峰性を有するウインドウの各画素毎の2値化データ
が、各ウインドウ毎にストアされる。
【0041】次のステップa9では、一画面5のウイン
ドウ11が最終位置、たとえば図1(1)の右下の位置
に到達したかどうかが判断され、そうでなければ、ステ
ップa10に移り、前述の図4および図5に関連して述
べたように、ウインドウ11が走査される。
【0042】図9を参照して、ウインドウ11pが水平
方向に1ビットずつ順次的にずれて走査され、斜線を施
して示す合計4個の画素12が、ウインドウ11p,1
1qであり、残余の画素が論理「0」であって背景であ
ると判断され、しかもさらに次のウインドウ11rで
は、そのウインドウ11rに含まれる全ての画素の濃度
が背景であって論理「0」であるものと判断されたと
き、本件発明の実施の一形態では、これらの4つの画素
12は、最終的な2値化後の論理値は「1」であるもの
とする。すなわち図10に示されるように、各画素毎に
ANDゲート13による論理演算が行われる。ANDゲ
ート13の各入力には、1つの画素の各ウインドウ11
p,11q,11rなど毎の論理値が入力され、最終的
な論理値がライン14から導出される。
【0043】本発明の実施の他の形態では、抽出対象を
論理「0」とし、背景を論理「1」とするとき、NAN
Dゲートが用いられてもよく、またはその他の論理演算
素子が用いられてもよい。こうして1画面分の画像デー
タが2値化され、図1(3)の2値化画像が得られる。
【0044】図11は、本件発明者の実験結果を示す図
である。図11(1)に示されるように、背景である芝
生1内に高反射率の金属片2が置かれて太陽光が照射し
ている状態の画像である。この図11(1)に示される
原画像である複数階調の1画面分の画像データを、図1
〜図10に示される本発明の実施の一形態によって2値
化したとき、図11(2)に示される2値化画像が得ら
れた。この図11(2)に示される本発明による2値化
画像には、前述の図13(2)および図15(2)に示
される背景のノイズ成分が全く存在せず、明瞭な2値化
画像が得られることが判る。
【0045】また図12(1)に示されるように、芝生
1上に金属片2が配置されて照明灯によって人工照明さ
れた画像を、本発明の上述の実施の形態によって2値化
した画像は図12(2)に示されるとおりとなった。し
たがって前述の先行技術における図14(2)および図
16(2)のように、原画像の緩やかな濃淡のある原画
像に対応するシェーディングの悪影響が、本発明では、
存在しないことが確認された。このようにして本発明に
よれば、不要な背景成分が2値化されず、抽出対象であ
る被検出物の画像のみが良好に2値化処理される。
【0046】本発明は自動化のための画像処理に関連し
て有効に実施することができ、たとえば散布地雷を収集
するため、ゴルフ場の夜間整備のため、河川敷などに投
棄された空き缶を収集するため、航空および衛星写真の
解析処理のため、海上の浮遊物の検出のため、不完全な
照明条件下での部品を選別するため、およびファクシミ
リ装置、スキャナの読取りなどの撮像画像の処理のため
に、有利に実施することができる。
【0047】
【発明の効果】請求項1の本発明によれば、屋外画像処
理および工業用画像処理などの幅広い用途で、実施する
ことができ、たとえば細かいノイズが存在する画像、シ
ェーディングがある画像およびスポットライト的または
スポットライト的な明るさの変化がある画像などにおい
ても、不要な背景成分が2値化されず、良好な2値化処
理結果が得られる。
【0048】また本発明によれば、処理方法が単純であ
るので、処理が適用されるシステムによっては、コンピ
ュータを用いたソフトウエアプログラムによって本発明
を実施することは充分実用的である。また高速性が要求
されるシステムでは、本発明の処理がハードウエア化が
容易なアルゴリズムであるので、そのようなハードウエ
アによって本発明を実施することが充分可能である。
【0049】請求項2の本発明によれば、ウインドウ毎
の濃度と画素数とのヒストグラムの双峰性の判断を、濃
度平均値mwを含む予め定める規定の濃度範囲内の画素
数Fnが予め定める画素数Fcであるとき双峰性と判断
し、こうして各ウインドウ毎に濃度および画素数のヒス
トグラムから単峰性および双峰性の情報を抽出するの
で、最も双峰性が顕著な、すなわち濃度平均値mwが双
峰の谷になるウインドウが必ず得られ、たとえば前述の
先行技術に関連して述べたようにメッシュ状の小領域に
予め分割して2値化をする方法に比べて、単峰性および
双峰性の判別を行い易い。また最も双峰性が顕著な小領
域であるウインドウに関する情報に基づいて、各ウイン
ドウ毎に2値化するか否かを決定するので、背景のノイ
ズ成分が非常に出にくい。
【0050】請求項3の本発明によれば、一画面中の小
領域を抽出するウインドウを全画像範囲で走査するの
で、最も双峰性が顕著な小領域を見つけて、これによっ
て前記規定の濃度範囲、および弁別レベルを定めるため
の定数a,bを選ぶことができるようになり、良好な2
値化画像を得ることができる。
【0051】請求項3におけるウインドウを走査する構
成において、或る画素が複数のウインドウに含まれ、そ
のうちの少なくとも1つのウインドウで被検出物である
抽出対象であるものと判断されて2値化され、たとえば
論理値「1」であれば、残余のウインドウで背景であっ
て論理「0」であるとレベル弁別されても、2値化の結
果は論理「1」とし、このようにし、各画素毎に、複数
のウインドウ毎にレベル弁別された論理結果を、たとえ
ばAND条件で、求めて、最終的な2値化結果を得るこ
とができる。
【0052】請求項4の本発明によれば、上述のよう
に、不要な背景成分が2値化されず、良好な2値化処理
結果を得ることができ、背景のノイズ成分が非常に出に
くく、また2値化処理後の画像の不連続性が無い。また
請求項4の本発明によれば、処理方法が単純であり、マ
イクロコンピュータなどによって実施することができ、
さらにハードウエア化が容易である。
【0053】請求項5の本発明によれば、規定の濃度範
囲を設定する濃度の上限値ThHおよび下限値ThL
は、濃度平均値mwおよび濃度標準偏差σwを用いて定
められ、これによって最も双峰性が顕著な小領域の近傍
の双峰性小領域での2値化しきい値である弁別レベルT
hwが滑らかに変化し、2値化処理後の不連続性がな
い。
【0054】請求項6の本発明によれば、ウインドウを
抽出画像である被検出物の約2倍の面積を有するように
選び、そのウインドウは被検出物の画像を含む形状とす
ることによって、被検出物を明瞭に正確に2値化するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の一画面5の画像データ
を2値化するための手順を説明するための図である。
【図2】本発明の実施の一形態の構成を示すブロック図
である。
【図3】図2の2値化処理装置9の動作を説明するため
のフローチャートである。
【図4】図4(1)は水平方向に3画素および垂直方向
3画素を含むウインドウ11aを示す図である。図4
(2)は水平方向である行方向に一画素ずつずれて走査
されるウインドウ11bを示す図である。
【図5】図5(1)は垂直方向、すなわち列方向に一画
素分ずれてウインドウ11cが設定されることを示す図
であり、図5(2)はウインドウ11dが水平方向に一
画素だけずれた状態を示す図である。
【図6】ウインドウの濃度と画素数との関係を示すヒス
トグラムであり、単峰性と判断される状態を示す図であ
る。
【図7】ウインドウの濃度と画素数との関係を示すヒス
トグラムであり、他の単峰性と判断される状態を示す図
である。
【図8】ウインドウの濃度と画素数との関係を示すヒス
トグラムであり、本発明に従って双峰性と判断される状
態を示す図である。
【図9】或る画素が複数のウインドウ11p,11q,
11rなどに含まれて、2値化される状態を示す図であ
る。
【図10】或る画素が複数のウインドウに含まれたと
き、その画素の最終の2値化結果を得る構成を説明する
ための図である。
【図11】本件発明者の2値化の実験結果を示す図であ
る。
【図12】本件発明者の2値化の他の実験結果を示す図
である。
【図13】典型的な先行技術の2値化の結果を示す図で
ある。
【図14】図13の先行技術の2値化の結果を示す図で
ある。
【図15】他の典型的な先行技術の2値化の結果を示す
図である。
【図16】図15の先行技術の2値化の結果を示す図で
ある。
【符号の説明】
5 画面 6 画像 7 背景 8,10 メモリ 9 2値化処理装置 11,11a〜11g ウインドウ

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の各画素が複数の濃度を有する一画
    面分の画像データを、一画面の画素数未満の複数のウイ
    ンドウに分割し、 各ウインドウ毎に、濃度と画素数とのヒストグラムを作
    成し、 このヒストグラムが、高濃度領域と低濃度領域とで画素
    数が残余の中間濃度領域よりも多い双峰性であるかどう
    かを判断し、 双峰性であることが判断されたときにのみ、前記高濃度
    領域と、前記低濃度領域との間にある濃度を弁別レベル
    として設定して、そのウインドウの画像データを2値化
    することを特徴とする画像データの2値化方法。
  2. 【請求項2】 双峰性の判断は、 ウインドウ内の濃度平均値mwを求め、 その濃度平均値mwよりも高濃度側と低濃度側との間の
    規定の濃度範囲を設定し、 前記規定の濃度範囲内の画素数Fnが予め定める画素数
    Fc未満であるとき、双峰性であると判断することを特
    徴とする請求項1記載の画像データの2値化方法。
  3. 【請求項3】 前記画面は、画素がマトリクス状に配列
    されて構成され、 前記ウインドウは、1画面を一配列方向に部分的に重な
    りかつ前記一配列方向に垂直な他配列方向にも部分的に
    重なって、走査されることを特徴とする請求項1または
    2記載の画像データの2値化方法。
  4. 【請求項4】 複数の画素が複数の濃度を有しかつ画素
    がマトリクス状に配列される一画面分の画像データをス
    トアするメモリと、 メモリにストアされた画像データを読出して、前記一画
    面の画素数未満の画素から成るウインドウを、一画面の
    一配列方向に部分的に重なりかつ前記一配列方向に垂直
    な他配列方向にも部分的に重なるように走査するウイン
    ドウ走査手段と、 ウインドウ走査手段の出力に応答し、各ウインドウ毎
    に、濃度と画素数とのヒストグラムを作成する手段と、 ウインドウ走査手段とヒストグラム作成手段との出力に
    応答し、ヒストグラムが、高濃度領域と低濃度領域とで
    画素数が残余の中間濃度領域よりも多い双峰性であるか
    どうかを判断する双峰性判断手段と、 ウインドウ走査手段と双峰性判断手段との出力に応答
    し、双峰性であることが判断されたときにのみ、前記高
    濃度領域と前記低濃度領域との間にある濃度を弁別レベ
    ルとして設定して、そのウインドウの画像データを2値
    化する2値化手段とを含むことを特徴とする画像データ
    の2値化装置。
  5. 【請求項5】 双峰性判断手段は、ウインドウ走査手段
    の出力に応答し、各ウインドウ毎に、濃度平均値mwを
    求める第1演算手段と、 ウインドウ走査手段の出力に応答し、各ウインドウ毎の
    濃度の標準偏差σwを求める第2演算手段と、 第1および第2演算手段の出力に応答し、aを予め定め
    る定数とするとき、濃度の上限値ThHと下限値Th
    L、 ThH = mw+a・σw ThL = mw−a・σw を有する規定の濃度範囲を設定する濃度範囲設定手段
    と、 ヒストグラム作成手段と濃度範囲設定手段との出力に応
    答し、前記規定の濃度範囲内の画素数Fnが予め定める
    画素数Fc未満であるとき、bを予め定める定数とし
    て、弁別レベルThw Thw = mw+b を設定する弁別レベル設定手段とを含み、 2値化手段は、 ウインドウ走査手段と弁別レベル設定手段との出力レベ
    ルに応答し、各ウインドウ内の画素の濃度を、前記弁別
    レベルThwでレベル弁別して2値化することを特徴と
    する請求項4記載の画像データの2値化装置。
  6. 【請求項6】 ウインドウは、被検出物の画像の面積の
    約2倍の面積を有し、被検出物の画像を含む形状を有す
    ることを特徴とする請求項4または5記載の画像データ
    の2値化装置。
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