JP2859455B2 - 封止方法 - Google Patents

封止方法

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JP2859455B2
JP2859455B2 JP6543391A JP6543391A JP2859455B2 JP 2859455 B2 JP2859455 B2 JP 2859455B2 JP 6543391 A JP6543391 A JP 6543391A JP 6543391 A JP6543391 A JP 6543391A JP 2859455 B2 JP2859455 B2 JP 2859455B2
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純一 末永
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YUNICHIKA KK
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  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Encapsulation Of And Coatings For Semiconductor Or Solid State Devices (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶ポリマーによる各
種部品の封止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気・電子機器等の精密製品分野では、
コイルボビン、スイッチ、各種素子、IC、ガラスエポ
キシ基板等の部品に対して、水やオイル等の侵入を防ぐ
目的で、各種の部品を樹脂によって封止することが行わ
れている。例えば、センサーやICメモリーカードで
は、使用中に水やオイル等が侵入するとその機能が損な
われてしまうので、樹脂によって封止して保護されてい
る。封止が不十分であれば当然問題が発生することにな
るので、封止の良否は製品の信頼性を決定する重要なフ
ァクターとなる。
【0003】従来、封止の最も一般的な方法として、金
属又はプラスチックでケースを作成し、部品を収めた
後、隙間や残りの部分にエポキシ系の熱硬化性樹脂を充
填し、硬化させる方法が採用されている。エポキシ系の
熱硬化性樹脂は、接着性、電気的特性が良く、硬化の際
の収縮も少ないので、エポキシ系の熱硬化性樹脂を用い
る方法は封止の信頼性は高いが、封止に際して、一般
に、2液を混合する手間やかみこんだ泡を抜く手間がか
かるうえ、硬化させるために5分間程度加熱する必要が
あり、生産性の面で問題があった。
【0004】封止に熱可塑性樹脂を用いれば、成形機に
部品をセットする時間及び樹脂の充填と冷却固化の時
間、すなわち、1分間以内の短時間で製造できることか
ら、熱可塑性樹脂を用いる方法について種々検討されて
きたが、一般の熱可塑性樹脂では、流動性が悪く、封止
すべき部品を損傷するといった問題があり、実用化され
ていなかった。
【0005】そこで、近年登場した液晶ポリマー(サー
モトロピック液晶ポリマー)は、機械的特性、耐熱性、
耐薬品性、電気的特性等に優れるとともに、流動性が良
く、成形収縮が小さいことから、封止材としての使用が
期待され、種々検討されている。液晶ポリマーでケース
を作成し、液晶ポリマーで封止すれば、部品全体が液晶
ポリマーで覆われ、精密性の高い優れた製品が得られる
ことが期待されたが、実際には、界面での接着性が悪
く、信頼性のある製品は得られなかった。この原因は、
ケースの液晶ポリマーと封止材の液晶ポリマーとが融着
しないためと考えられる。両者を融着させるために、封
止する液晶ポリマーの温度を高くすることも試みられた
が、液晶ポリマーは成形温度の幅が広くないので、十分
な温度差を与えることができなかったり、バリが出やす
くなったりするという問題があり、実用化には至らなか
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、液晶ポリマ
ーで作成した部品を収めたケースを液晶ポリマーで封止
する方法において、界面での接着が良好で、信頼性の高
い製品を得ることのできる封止方法を提供しようとする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するものであり、その要旨は、第1液晶ポリマーで部
品の入ったケースをあらかじめ作成し、第2液晶ポリマ
ーを用いて封止する方法において、第2液晶ポリマーと
して第1液晶ポリマーよりも流動開始温度が10℃以上高
い液晶ポリマーを用いることを特徴とする封止方法にあ
る。
【0008】なお、本発明における流動開始温度は、島
津製作所製フローテスターCFT-500Aにより、孔径0.5m
m、長さ2mmのノズルを用い、荷重20kg/cm2、昇温速度
5℃/分の条件で、ポリマーが流出し始める温度として
求められる値である。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明において、液晶ポリマーとは溶融状態において異方
性を示す、いわゆるサーモトロピック液晶ポリマーであ
って、射出成形可能なものを意味する。
【0010】本発明においては、流動開始温度の異なる
液晶ポリマーを用い、ケースには流動開始温度の低い第
1液晶ポリマー、封止材には流動開始温度の高い第2液
晶ポリマーを用いる。第2液晶ポリマーは、第1液晶ポ
リマーよりも流動開始温度が10℃以上高いものであるこ
とが必要で、特に20℃以上高いものが好ましい。第1液
晶ポリマーと第2液晶ポリマーの流動開始温度の差が10
℃未満であると界面で十分接着せず、封止が不完全とな
る。
【0011】本発明における液晶ポリマーの具体例とし
ては、特公昭56−18016号公報に開示されたエチレン
テレフタレート単位とパラヒドロキシ安息香酸残基単位
とからなる共重合ポリエステル、特開昭54−77691号
公報に開示された6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸残基
単位とパラヒドロキシ安息香酸残基単位とからなる共重
合ポリエステル、特公昭47−47870号公報に開示され
たパラヒドロキシ安息香酸残基単位、テレフタル酸残基
単位及び2価フェノール残基単位からなる共重合ポリエ
ステル、特開昭53−65421号公報に開示されたテレフ
タル酸残基単位とフェニルハイドロキノン残基単位とか
らなる共重合ポリエステル、米国特許第4600765号明
細書に開示されたテレフタル酸残基単位、フェニルハイ
ドロキノン残基単位及びスチロイルハイドロキノン残基
単位からなる共重合ポリエステル等が挙げられる。
【0012】第1液晶ポリマー及び第2液晶ポリマーと
しては、これらの中から流動開始温度差が適当となるよ
うに組み合わせて用いればよいが、液晶ポリマーは単一
ポリマーのほか、混合物として用いてもよい。特に第1
液晶ポリマーとして、第2液晶ポリマー(単一ポリマ
ー)とそれよりも流動開始温度の低い液晶ポリマーとの
混合物を用いると界面での接着が良好となり好ましい。
その理由は明確ではないが、流動開始温度の低い液晶ポ
リマーが接着部の表面にスキン層を形成するためと考え
られる。
【0013】液晶ポリマーは、通常、機械的特性、耐熱
性、寸法安定性等を向上させるために、ガラス繊維、炭
素繊維、有機繊維、ワラストナイト、マイカ、チタン酸
カリウムウイスカー、酸化亜鉛ウイスカー、酸化チタ
ン、カオリン、タルク等のフィラーを添加して用いられ
る。フィラーの添加量があまり多いと流動性が損なわれ
るので、フィラーの添加量は60重量%以下、好ましくは
15〜50重量%とする。また、必要に応じて、顔料、耐熱
剤、難燃剤等の添加剤を添加してもよい。
【0014】第1液晶ポリマーで作成されるケースには
種々の形状のものがあり、封止すべき部品と接触する一
部分をなすものであればその形状は問われない。例え
ば、一般的に最終製品がセンサー等の場合はボビン状を
している。これに封止すべきガラスエポキシ基板やセン
サー部品、素子、IC等の部品を組み込み、あるいは封
止すべきコイルを巻いた後、射出成形機に付けた金型に
入れて第2液晶ポリマーで封止するわけであるが、これ
ら封止すべき部品は第1液晶ポリマーによってケースを
作成する際にインサート成形によって一体化されていて
もよい。
【0015】封止は、通常の横型又は竪型射出成形機を
用いて行うことができるが、竪型射出成形機を用いると
部品のセットが容易である。封止に際しては、射出成形
機にセットされた所定の形状の金型に封止すべき部品を
セットし、第2液晶ポリマーを注入する。注入する第2
液晶ポリマーの温度は、当然第2液晶ポリマーの流動開
始温度よりも高い温度とされるが、好ましくは第2液晶
ポリマーの流動開始温度よりも5〜30℃高い温度とする
のが適当である。この際、封止すべき部品を損傷しない
ため、低圧で封止することが好ましい。この目的で、低
圧バルブ等を備えた射出成形機を用いると幅広い成形条
件を選択することができて好ましい。
【0016】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
る。実施例で使用した液晶ポリマーは、次のとおりであ
る。 (Tfは流動開始温度を意味する。) (a)ロッドランLC-3030T (ユニチカ社製) :Tf 200℃ (b)ロッドランLC-5050GM (ユニチカ社製) :Tf 280℃ (c)ベクトラA-130 (ポリプラスチックス社製) :Tf 285℃ (d)ベクトラC-130 (ポリプラスチックス社製) :Tf 310℃ (e)ザイダーG-330 (アモコ社製) :Tf 340℃ (f)ロッドランLC-3030TとロッドランLC-5050GMとの等重量混合物 :Tf 250℃
【0017】なお、ロッドランLC-3030Tは、タルクを30
重量%添加した前記型液晶ポリエステル、ロッドラン
LC-5050GMは、ガラス繊維25重量%とマイカ25重量%を
添加した型液晶ポリエステル、ベクトラA-130及びベ
クトラC-130は、ガラス繊維30重量%を添加した型液
晶ポリエステル、ザイダーG-330は、ガラス繊維30重量
%を添加した型液晶ポリエステルである。
【0018】実施例1〜4及び比較例1〜2 表1に示した液晶ポリマーを用い、第1液晶ポリマーで
作成された、両端に直径10mm、厚さ1mmのワイヤー止め
を有する、直径40mm、長さ15mm、厚さ1mmのボビンに直
径0.6mmの銅線を厚さ2mmにコイル状に巻き、これを金
型に入れ、第2液晶ポリマーで直径10mmの丸棒となるよ
うに封止した。
【0019】第2液晶ポリマーの注入は、金型温度を50
℃とし、型絞め力40トンの山城精機社製竪型射出成形機
を使用し、表1に示した樹脂温度と樹脂圧力で行った。
【0020】得られたコイルボビンは、両液晶ポリマー
の界面で融着しており、また、深さ1mの水中に浸漬し
て24時間放置し、水の侵入の有無を調べる耐水テストで
水の侵入は認められなかった。結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】実施例5 実施例4と同じ液晶ポリマーを用い、第1液晶ポリマー
で幅10mm、長さ20mm、高さ5mm、厚さ0.9mmの箱型ケー
ス (コード部分には穴が設けてある。) を作成し、これ
にセンサー機能部品を入れた後、実施例4と同様な条件
で、第2液晶ポリマーで封止した。得られた製品は、両
液晶ポリマーの界面で融着しており、耐水テストで水の
侵入は認められなかった。
【0023】また、センサーには、一般に−30〜80℃の
ヒートサイクルに耐えることが要求されるが、上記製品
について、このヒートサイクルテストを20サイクル行っ
た後、再度耐水テストを行ったところ、水の侵入は認め
られなかった。
【0024】比較例3 比較例1と同じ液晶ポリマーを用い、実施例5と同様な
試験を行った。得られた製品は、両液晶ポリマーの界面
で融着しておらず、少し力をかけただけで隙間が生じ、
また、耐水テストで水が侵入し、回路がショートしてセ
ンサーとしての機能を果たせないものであった。
【0025】
【発明の効果】本発明の方法によれば、従来の熱硬化性
樹脂による封止に比べて著しく生産性が向上し、また、
精密成形性と耐熱性に優れた液晶ポリマーのみで部品の
全てを覆うことが可能になり、高性能の製品を得ること
が可能になる。
【0026】また、本発明の方法で封止された製品は、
線膨張係数が小さく、耐熱性、耐薬品性、耐水性に優れ
た液晶ポリマーで覆われているため、良好なヒートサイ
クル性と耐熱性、耐薬品性、耐水性を有するものとな
る。したがって、本発明の方法は、コイルボビン、モー
ターコイル、各種回路基板、センサー部品等の封止に好
ましく利用される。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1液晶ポリマーで部品の入ったケース
    をあらかじめ作成し、第2液晶ポリマーを用いて封止す
    る方法において、第2液晶ポリマーとして第1液晶ポリ
    マーよりも流動開始温度が10℃以上高い液晶ポリマーを
    用いることを特徴とする封止方法。
  2. 【請求項2】 第1液晶ポリマーとして第2液晶ポリマ
    ーとそれよりも流動開始温度の低い液晶ポリマーとの混
    合物を用いる請求項1記載の封止方法。
JP6543391A 1991-03-05 1991-03-05 封止方法 Expired - Lifetime JP2859455B2 (ja)

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