JP2859439B2 - 液晶ポリマーブレンド,その製法およびブレンドから製造した製品 - Google Patents

液晶ポリマーブレンド,その製法およびブレンドから製造した製品

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JP2859439B2 JP6500241A JP50024193A JP2859439B2 JP 2859439 B2 JP2859439 B2 JP 2859439B2 JP 6500241 A JP6500241 A JP 6500241A JP 50024193 A JP50024193 A JP 50024193A JP 2859439 B2 JP2859439 B2 JP 2859439B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、請求の範囲第1項の末尾に記載された液晶
ポリマーブレンドに関する。
この種のブレンドは、ポリマーマトリックスおよび液
晶ポリマーを含んでなる。ブレンドは、さらに、ポリマ
ーマトリックスと液晶ポリマーの相溶性を向上させる物
質を含有する。
本発明は、請求の範囲第13項の末尾に記載された液晶
ポリマーブレンドを製造する方法、および該ポリマーブ
レンドから本質的になる請求の範囲第18項および第19項
に記載の製品にも関する。
液晶ポリマーは、溶融状態において固体物質と液体と
の境界にあるポリマーである。液晶ポリマーが顕微鏡的
に溶融状態において流体であるので、液晶構造は、中間
相または異方性相と呼ばれている。顕微鏡的に、液晶ポ
リマーは、結晶の構造と同様の規則的な構造を有する。
その異方性が温度のみに依存する場合に、液晶ポリマー
は、「サーモトロピック」であると呼ばれる。多くの熱
可塑性材料の強さおよび剛性は、熱可塑性材料にサーモ
トロピックな主鎖液晶ポリマーをブレンドすることによ
って実質的に改良することができる。液晶ポリマーが、
熱可塑性材料マトリックス溶融物の流動方向に配向する
繊維を形成するからである。結果的に、この方法におい
て熱可塑性材料の、引張強さおよび弾性率のような機械
的性質が改良される。しばしば、液晶ポリマーの添加
は、熱可塑性材料の耐熱性および寸法的安定性をも改良
し、その加工がより容易になる。
しかし、前記ポリマーブレンドには、その横方向の性
質、例えば、衝撃強さが、対応する未ブレンドの可塑性
材料のものに比較して劣っているという問題がある。こ
の現象は、異方性構造、および液晶ポリマー相と熱可塑
性材料相との間の低い付着性に原因している。
液晶ポリマーと熱可塑性材料との相溶性、ならびにそ
れらのブレンドの衝撃強さは、ブレンドに第3成分、即
ち、相溶化剤として既知である物質を添加することによ
って、ある程度、改良できることが当技術において既知
である。相溶化剤の機能は、相間の表面張力をなくする
こと、付着性を改良すること、および分散性を改良する
ことにある。
ヨーロッパ特許出願公開第0 369 734号は、ポリ(ア
ルキレンテレフタレート)マトリックス、ポリアクリレ
ート系液晶ポリマーおよび低温での加工物品の衝撃強さ
を改良する物質からなるポリマーブレンドを記載してい
る。この文献によれば、衝撃強さ改良物質は、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、エチレン/アクリル酸コポリマ
ーまたはエチレン/プロペン/ジエンゴムであってよ
い。
液晶ポリマーとポリカーボネートとの相溶化ブレンド
がヨーロッパ特許出願公開第0 380 112号に記載されて
いる。該文献で使用されている相溶化剤はポリオレフィ
ンおよび/またはオレフィンコポリマーからなる。オレ
フィンポリマーの中で、スチレンモノマーを含んでなる
物質が例示されている。
前記文献の両方の態様に共通して、ポリマーブレンド
の衝撃強さの改良はかなり少ない。
本発明は、全く新規な液晶ポリマーブレンドを提供し
ながら、従来技術での問題を解決するものである。
本発明は、ポリマーの相溶性を促進するのに使用され
る物質が、反応性官能性基を有するポリマーからなると
いう思想に基づいている。驚くべきことに、熱可塑性材
料と液晶ポリマーのブレンドに、反応性基を有するポリ
マーを添加することによって、ポリマーマトリックスの
性質よりも良好な引張強さおよび曲げ強さを有するポリ
マーブレンドを提供することが可能であり、一方、実用
に関する限り、衝撃強さは少なくとも合理的に良好のま
まであることを見い出した。本発明のポリマーブレンド
の衝撃強さは、対応する未相溶化ブレンドの衝撃強さよ
りも少なくとも20%良好である。
特に、本発明のブレンドは、ポリオレフィンを含んで
なるマトリックスポリマー、 1〜99重量%の液晶ポリマー、および 0.1〜30重量%の、ポリマーマトリックスと液晶成分
の相溶性を促進する物質(相溶化剤)(液晶ポリマーお
よび相溶化剤の量はマトリックスポリマーと液晶ポリマ
ーとの合計量に基づいて計算されている) を含んでなるポリマーブレンドであって、 該相溶性促進物質が反応性エポキシ基を有するエチレ
ン系ターポリマーからなり、 ブレンドの引張強さおよび曲げ強さがマトリックスポ
リマーの対応物質よりも良好であり、ブレンドのシャル
ピー衝撃強さが対応する未相溶のブレンドよりも少なく
とも20%良好であることを特徴とするポリマーブレンド
によって特徴付けられる。
本発明の方法は、ポリマーマトリックスとしてのポリ
オレフィン、および 1〜99重量%の液晶ポリマーを 0.1〜30重量部の、ポリマーマトリックスと液晶成分の
相溶性を促進する物質(相溶化剤)(液晶ポリマーおよ
び相溶化剤の量はマトリックスポリマーと液晶ポリマー
との合計量に基づいて計算されている) と溶融混合することを含んでなる液晶ポリマーブレンド
の製法であって、 該相溶性促進物質として、反応性エポキシ基を有する
エチレン系ターポリマーを使用し、 シャルピー衝撃強さが対応する未相溶化ブレンドより
も少なくとも20%良好である相溶化ポリマーブレンドを
形成し、 要すれば、得られたブレンドをさらに加工する ことを特徴とする液晶ポリマーブレンドの製法によって
特徴付けられる。
本発明において、相溶性促進物質は、反応性エポキシ
基を有するエチレン系ターポリマーであり、反応性エポ
キシ基を有するグリシジルメタクリレート、エチレンお
よびエチルアクリレートを含有する反応性エチレン系タ
ーポリマーからなる。
本明細書において、「官能性基を有する反応性相溶化
剤」とは、ブレンド中の少なくとも1種の成分と少なく
とも主として反応できるポリマーを意味する。実際、ブ
レドにおける相溶化剤と他の成分との相互作用の正確な
ことがらを決めること、化学反応が行われるか否かを確
かめることは困難である。従って、本発明の範囲内にお
いて、液晶ポリマーおよび/またはマトリックスポリマ
ーの官能性基と反応できる官能性基を有する全てのポリ
マーが、反応性相溶化剤であると考えられる。ポリオレ
フィンを含んでなるブレンドにおいて、相溶化剤として
働くポリマーの反応性官能性基が液晶ポリマーの官能性
基と反応する(または他の様式で相互作用する)。一般
的に、最後に挙げた基は、ポリマー鎖の自由末端基から
なる。相溶化剤のポリマー鎖(例えば、そのポリオレフ
ィン残基)は、いずれかの化学反応の必ずしも存在する
ことなく、ポリオレフィンマトリックスと相互作用す
る。ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)およびポ
リ(ブチレンテレフタレート)(PBT)のようなポリエ
ステル、および液晶ポリマーを含有するブレンドにおい
て、相溶化剤は、例えばPETが完全に不活性なポリマー
ではないので、マトリックスおよび液晶ポリマーの両方
と反応する。
相溶化剤の官能性基は、例えば、カルボキシ、アンハ
イドライド、エポキシ、オキサゾリノ、ヒドロキシ、イ
ソシアネートおよびカルボジイミド基を有してなってよ
い。
相溶化剤のポリマー残基は、コポリマー、ターポリマ
ー、グラフト化ポリオレフィン、グラフト化ポリスチレ
ンもよび熱可塑性エラストマーを有してなってよい。ポ
リオレフィンコポリマーの極性基は、一般に、アクリル
エステルまたは官能性アクリル酸基である。ターポリマ
ーの極性基は、マレイン酸無水物基、ヒドロキシル基お
よびエポキシ基であり、エポキシ基が特に好ましい。ス
チレンブロックコポリマーは、ポリスチレンセグメント
および軟質エラストマーセグメントからなってよい。典
型的なスチレンブロックは、SBS(スチレン/ブタジエ
ン/スチレンコポリマー)、SIS(スチレン/イソプレ
ン/スチレンコポリマー)およびSEBS(スチレン/エチ
レン/ブチレン/スチレンコポリマー)である。
使用する相溶化剤は、液晶ポリマーブレンドの他の成
分に応じて選択する。本発明によれば、特に好ましい相
溶化剤は、官能性ポリオレフィンまたはオレフィンコポ
リマー(スチレンのものを包含する)であり、官能性基
は、エポキシ、カルボキシ、アミンまたはヒドロキシル
基であることが好ましく、特に好ましい官能性基はエポ
キシおよびグリシジルメタクリレート基である。ポリマ
ーにおける官能性基の割合は、約0.1〜30%、好ましく
は1〜10%である。
「液晶ポリマーブレンド」とは、少なくとも1種の熱
可塑性材料が少なくとも1種の液晶ポリマーとブレンド
されているブレンドを意味する。ブレンドは、さらに、
少なくとも1種の該相溶化剤、および要すれば添加剤を
含有する。液晶ポリマーと熱可塑性材料とをブレンドす
ることは、熱可塑性材料の粘度よりも一般に低い粘度を
有するブレンドを与える。液晶ポリマー繊維がブレンド
の加工中に初めて形成されるので、液晶ポリマーと熱可
塑性材料のブレンドは、in situブレンドと呼ばれるこ
とがある。
ポリマーブレンドの可塑性マトリックスは、強さおよ
び加工性に関して所望の性質を有するいずれかの好適な
ポリマー材料からなっていてよい。マトリックスポリマ
ーの例としては、次のポリマーが挙げられる:ポリオレ
フィン、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
ブチレン、ポリイソブチレン、ポリイソブチレン、ポリ
(4−メチル−1−ペンチレン)[エチレンおよびプロ
ピレンのコポリマー(EPM、EPDM)を包含する]、なら
びに塩素化およびクロロスルホン化ポリエチレン。マト
リックスポリマーは、スチレン、アクリル、ビニルおよ
びフルオロエチレン基を有する対応するポリアルカン、
種々のポリエステル、例えば、ポリ(エチレンテレフタ
レート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ならびに
ポリカーボネートからなっていてもよい。特に好ましい
マトリックスポリマーはポリオレフィンおよびポリエス
テルである。以下に説明する実施例において、ポリプロ
ピレンおよびポリ(エチレンテレフタレート)をマトリ
ックスポリマーとして使用した。しかし、ポリエチレン
およびポリ(ブチレンテレフタレート)も同様に好まし
い。本発明において、ポリプロピレンマトリックスとと
もに、グリシジルメタクリレート基を有するエチレンタ
ーポリマーを使用することが好ましく、ポリ(テレフタ
レートエステル)とともに、同様のターポリマーまたは
マレイン酸無水物グラフトSEBSを使用することが好まし
い。
液晶ポリマーは、芳香族主鎖サーモトロピックポリマ
ー、好ましくはサーモトロピックポリエステル、ポリ
(エステルアミド)、ポリ(エステルエーテル)、ポリ
(エステルカーボネート)またはポリ(エステルイミ
ド)を有してなっていてよい。液晶ポリマーは、ポリエ
ステルのコポリマー、例えば、ポリ(エチレンテレフタ
レート)とヒドロキシ安息香酸のコポリマーまたはヒド
ロキシナフトエ酸とヒドロキシ安息香酸のコポリマーを
有してなってよい。一般的に、液晶ポリマーは、以下の
一般式で示される成分(または少なくとも2種のそれ
ら)を相互に反応させる場合に形成されるポリマーとし
て定義できる:式HOOC−R1−COOHのジカルボン酸、式HO
−R2−OHのジオール、式HO−R3−COOHのオキシカルボン
酸 [式中、R1、R2およびR3は、2価の芳香族炭化水素基、
R4−X−R5(ただし、R4およびR5は2価の炭化水素基、
Xは酸素または硫黄原子、スルホニル、カルボニル、ア
ルキレンまたはエステル基、あるいはXは単結合、キシ
リレン基または2価の脂肪族炭化水素基である)で示さ
れる基である。]。液晶ポリマーは、式:HO−R3−COOH
で示されるオキシカルボン酸のホモポリマーを含んでな
っていてもよい。
液晶ポリマーおよびその性質に関する限り、「Handbo
ok of Polymer Science and Technology」、第2巻(19
89年)625〜675頁におけるチャン(Chung)らによる文
献を参照できる。
ポリマーブレンドにおいて、添加剤、充填剤、顔料お
よびブレンドの加工性を改良する種々の物質を使用でき
る。
液晶ポリマーブレンドにおいて、液晶ポリマーの割合
は、液晶ポリマーの添加によって達成される効果に応じ
て、広い範囲で変化する。その割合はマトリックスポリ
マーおよび液晶ポリマーの合計量に基づいて計算すれ
ば、液晶ポリマーは1〜99重量%の範囲で変化してよ
い。約1〜15重量%の液晶ポリマーをマトリックスポリ
マーに添加することによって、加工性を向上させる粘度
の減少が得られる。15〜85重量%の添加によって、自己
補強性の可塑性材料が得られるが、85〜99重量%の量が
変性液晶ポリマーを与える。しかし、本発明において、
液晶ポリマーの量が、マトリックスポリマーと液晶ポリ
マーの合計量の約5〜50重量%、特に約10〜30重量%で
あることが好ましい。マトリックスポリマーの量は、対
応して、約95〜50重量%、特に90〜70重量%であること
が好ましい。相溶化剤の量は、マトリックスポリマーと
液晶ポリマーの全重量に対して約0.1〜30重量%、好ま
しくは約1〜15重量%の範囲内で変化してよい。これら
成分の相対量によって、補強が液晶ポリマーによって行
われる補強プラスチックが得られる。
本発明のポリマーブレンドに、従来既知のプラスチッ
ク用添加剤を添加できる。これら添加剤は、例えば、安
定化剤、着色剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤および難燃
剤であってよい。要すれば、これら物質は、ポリマーブ
レンドを形成する前に、例えば、マトリックスポリマー
と予め混合することができる。ポリマー添加剤の量は、
ポリマーブレンドの重量に対して、典型的には約0.01〜
5重量%、好ましくは約0.1〜2重量%である。
本発明の液晶ポリマーブレンドに関して、次のものが
特に好ましい。
A.ポリプロピレン(PP)マトリックス、液晶ポリマー
(LCP)としてヒドロキシナフトエ酸とヒドロキシ安息
香酸のコポリマー、および相溶化剤(相溶化剤D)とし
て、グリシジルメタクリレートおよびエポキシ基を有す
るエチレンターポリマー。次の好ましいブレンド組成が
例示される。
A1 約70重量部のPP、約30重量部のLCPおよび5〜10重
量%(PPおよびLCPの重量に基づいて計算)の相溶化剤
D、ならびに A2 約90重量部のPP、約10重量部のLCPおよび2〜5重
量%(PPおよびLCPの重量に基づいて計算)の相溶化剤
D。
B.ポリ(エチレンテレフタレート(PET)マトリック
ス、他の成分はAと同様。次の好ましいブレンド組成が
例示される。
B1 約90重量部のPET、約10重量部のLCPおよび2〜5重
量%(PETおよびLCPの重量に基づいて計算)の相溶化剤
D。
C.ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)マトリック
ス、液晶ポリマー(LCP)としてヒドロキシナフトエ酸
とヒドロキシ安息香酸のコポリマー、相溶化剤(相溶化
剤A)として、マレイン酸無水物グラフトSEBS。次の好
ましいブレンド組成が例示される。
C1 約90重量部のPET、約10重量部のLCPおよび5〜10重
量%(PETおよびLCPの重量に基づいて計算)の相溶化剤
A。
特に好ましいマトリックスポリマー/液晶ポリマーブ
レンドは、マトリックスポリマーよりも良好な引張強さ
および曲げ強さを有すること、および未相溶化ポリマー
ブレンドよりも少なくとも20%良好な衝撃強さを有する
ことによって示される。従って、本発明のブレンドから
得られるノッチしていない試験試料のシャルピー(Char
py)衝撃強さは典型的には30kJ/m2以上である。
本発明の熱可塑性材料/液晶ポリマーブレンドは、従
来既知の方法によって調製できる。
混合方法は、バッチ法または連続法のいずれかであっ
てよい。典型的なバッチ法ミキサーの例としては、バン
バリーミキサーおよび熱ロール機が挙げられる。連続法
ミキサーの例としては、例えば、ファレル(Farrel)ミ
キサー、一軸押出機および二軸押出機が挙げられる。液
晶ポリマーと熱可塑性材料とを混合するために一軸押出
機または二軸押出機を使用することが好ましい。液晶ポ
リマーと熱可塑性材料との混合は、始めに二軸押出機で
液晶ポリマーを熱可塑性材料と予め混合し、次いでそれ
らを射出成形機において加工することによって、あるい
は、それらを予め混合することなく、射出成形または押
出によって加工することによって行える。
本発明のブレンドは最終製品を製造するのにポリマー
技術において従来既知である方法に従って加工できる。
従って、ブレンドは、成形物品、押出製品および熱成形
製品を製造するために使用できる。成形物品は、例え
ば、射出成形または吹込成形によって製造できる。繊
維、フイルム、パイプ、異形材、ケーブルおよびコーテ
ィングが押出製品の例として挙げられる。
前記のように、液晶ポリマーブレンドはin situブレ
ンドであるので、ブレンドを押出によって加工すること
が特に好ましい。LCP繊維が押出時に形成され、長手方
向における製品の強さの性質を改良する。本発明の好ま
しい態様によれば、ポリプロピレンマトリックスを含有
する液晶ポリマーブレンドを製造するために押出を使用
する。
回転ダイまたは同様の方法を使用することによって、
押出によって製造される製品の長手方向補強のみなら
ず、横断方向補強も達成され得る。こうして得られた二
軸配向は、液晶ポリマーブレンドを製品の製造のために
使用する場合に、特に好ましい。
本発明の液晶ポリマーブレンドによっておよび種々の
用途での使用によってかなりの利点が得られる。
従って、相溶化剤の添加によって液晶ポリマーブレン
ドの衝撃強さの実質的な改良を行うことが可能である。
しかし、以下の実施例で示すように、相溶化剤部分の増
加によってある程度でブレンドの長手方向強さが同時に
増加するので、本発明において、多量の相溶化剤を添加
して、ブレンドの引張強さおよび曲げ強さをポリマーマ
トリックスよりも高くしておくことが好ましい。
本発明によって得られる衝撃強さの改良の例として、
少量のエチレン系ターポリマーを添加した場合に射出成
形液晶/ポリプロピレンブレンド(30/70)のシャルピ
ー衝撃強さが3倍になるということが挙げられる。相溶
化剤の添加の後にブレンドのメルトフロー粘度も僅かに
増加する。これは、相溶化剤の添加が衝撃強さを改良し
ていることのみならず、相相互作用を増加していること
をも示している。相溶化剤の添加に続いて、液晶ポリマ
ー相の寸法が減少するが、これは、本発明の相溶化剤が
分散性を増加していることを示している。
熱可塑性材料のみからなる場合に、補強プラスチック
およびこれから製造した製品は、そのままリサイクルで
きる。ガラスのような他の材料からなる補強繊維を含有
しないからである。加工装置の摩耗が同様の理由で減少
される。加工性が改良され、大きな熱膨張がないので、
寸法的安定性を必要とする装置部品がブレンドから製造
できる。小さい温度係数のために、ブレンドは、電気お
よび光ケーブル用の構造材料として使用するのに好適で
ある。
前記のことを参照すれば、本発明は、特に、前記液晶
ポリマーブレンドから製造された電気および光ケーブル
の構造部品に関する。
ブレンドは、エレクトニクス産業において使用されて
いる射出成形部品を製造するのにも使用できる。ブレン
ドから製造したパイプおよびチューブは典型的には、良
好なバリヤ性質、即ち、低い透過性を有する。
以下に、詳細な説明および非限定的な実施例を示し
て、本発明を具体的に説明する。実施例において、添付
図面を参照する。
図1は、a)相溶化剤の無い場合とb)7重量%の相
溶化剤Dのある場合の、ブラベンダーメルトミキサーに
おいて調製したPP/30重量%LCPブレンドの断面図のSEM
顕微鏡写真である。
図2は、PP/LCP/相溶化剤Dの押出ブレンドの延伸比
の関数として、弾性率を示す。
図3は、290℃での剪断速度の関数として、PP、PP/LC
P(70/30)およびPP/LCP(70/30)/10重量%相溶化剤D
ブレンドの溶融粘度を示す。
図4は、a)PP/EPDM(75/25)コンパウンドおよび
b)PP/18%EPDM/30%LCPブレンドの断面図のSEM顕微鏡
写真を示す。
図5は、PET/LCP10ブレンドの最大引張強さに対する
相溶化剤の影響を示す。
図6は、PET/LCP10ブレンドの曲げ強さに対する相溶
化剤の影響を示す。
図7は、PET/LCP10ブレンドのシャルピー衝撃強さに
対する相溶化剤の影響を示す。
図8は、LCPと相溶化剤の2成分ブレンド:a)PP/相溶
化剤D、b)LCPと相溶化剤D、およびc)LCPと相溶化
剤AのSEM顕微鏡写真を示す。
図9は、2成分LCPブレンドの溶融粘度に対する相溶
化剤の影響を示す。
図10は、相溶化ポリマーブレンド:a)PET/30%LCP/5
%相溶化剤D、b)PET/30%LCP/7.5%相溶化剤A、お
よびc)PP/30%LCP/5%相溶化剤Dから製造した押出ス
トランドのSEM断面図の顕微鏡写真を示す。
製造方法 1.一般的方法 サーモトロピック主鎖液晶ポリマー(LCP)を熱可塑
性材料とブレンドした。LCPの量はブレンド(相溶化剤
は含まない)の重量に対して10〜30重量%であった。ブ
レンドの成分の相溶性を改良するために、少量の異なっ
た相溶化剤をLCP/熱可塑性材料ブレンドに添加した。二
軸押出機において加工したブレンドを射出成形し、試験
試料を形成した。試料の機械的性質および熱的性質なら
びに形態およびレオロジーを試験した。
実施例4は、相溶化液晶ポリマーブレンドを調製する
新しい手順を開示しており、ここでは、相溶化剤が初め
に液晶ポリマーと予め混合され、熱可塑性材料がプロセ
スの第2段階において添加される。この手順によれば、
相溶化剤とLCPとの改良された相互作用が達成される。
2.材料 使用した液晶ポリマーは、商標ベクトラ(Vectra)A
950として市販されているPHB/HNA系の芳香族ポリマーで
あった。この製品は、ヘキスト・セラニーズ(Hoechst
Celanese)から市販されており、その密度は1.4g/cm3
あり、融点は280℃であり、引張強さが165MPaであり、
弾性率が9700MPaであり、破断時伸びが3.0%である。こ
れは、ヒドロキシナフトエ酸およびp−ヒドロキシ安息
香酸のコポリマーからなる。
ネステオイ(Neste Oy)から供給されているホモポリ
マーVB 19 50Kがポリプロピレンとして使用でき、アク
ゾ(AKZO)から供給されている結晶性製品アーナイト
(Arnite)D04 300がポリ(エチレンテレフタレート)
として使用できる。
使用した相溶化剤は、商標ロテーダー(Lotader)AX
8660として市販される反応性エチレン系ターポリマー
(相溶化剤D)であった。ポリマーはアトケム(Atoche
m)によって供給されている。製品は、約30重量%のエ
チルアクリレート、62重量%のエテンおよび8重量%の
反応性エポキシ基を有するグリシジルメタクリレートを
含有する。使用した他の反応性相溶化剤は、1.8重量%
の酸含量を有するマレイン酸無水物グラフトSEBSであっ
た(相溶化剤A)。製品は、シェル(Shell)から市販
されているクラトン(Kraton)FG1901 Xであった。前記
相溶化剤は熱可塑性材料とLCPのブレンドの重量に対し
て、2〜10重量%の量で添加した。
対照試験において、PP/LCPブレンドの衝撃強さの改良
を、非官能性EPDMゴム(Keltan 778 DSM)をブレンドに
添加することによって、およびLCPをPP/EPDM(75/25)
コンパウンド(DE 2561 Neste)にブレンドすることに
よって試みた。
3.ブレンド 溶融ブレンド工程前に、初めに、材料をドライペレッ
トとしてマトリックス熱可塑性材料と手動により混合し
た。次いで、混合したポリマーペレットを乾燥した。ブ
ンレドの乾燥条件をマトリックスポリマーに従って選択
し、通常は、70℃で少なくとも2時間で乾燥した。
材料の溶融ブレンドは、285〜290℃の温度(溶融ポリ
マーの温度は約290〜295℃であった)でベーストーフ
(Berstorff)ZE 25x33D共回転二軸押出機を用いて、ス
クリュー速度150rpmで行った。押出物をすぐに水中でク
エンチし、再びペレット化した。
4.射出成形 ブレンドおよび純粋なポリマーを前記のように乾燥
し、試験試料の形態に射出成形した。純粋な熱可塑性ポ
リマーはを典型的な条件で(ポリプロピレンを約210〜2
30℃)で乾燥した。ブレンドを約280〜290℃で射出成形
した。
5.押出 ベルトキャプスタンに対して水の深皿の後に接続され
たブラベンダープラスチコーダー(Plasti−Corder)PL
E 651実験用一軸押出機でブレンドをストランドに押し
出した。押出物を異なった速度で延伸し、ストランドの
性質に対する延伸比の影響の様子を得た(LCP配向)。
それぞれのストランドにおける延伸比を、ダイとストラ
ンド断面との比として求めた。押出機のシリンダー温度
は280〜285℃であった。円形穴キャピラリーの直径
(D)は5mmであり、キャピラリー長さ(L)は30mmで
あるので、L/Dは6であった。ベルトキャプスタンの速
度は10〜40m/分であった。
使用した二軸押出機はブラベンダーDSK42/7逆転二軸
押出機であった。温度は230〜290℃に保ち、スクリュー
の速度は75rpmであった、 ブレンドの特性 試験の前に、ISO 291を適用して、全ての試料を少な
くとも88時間にわたって試験室条件(約23℃および相対
湿度50%)でコンディショニングした。
1.機械的性質 ブレンドの機械的性質を、引張強さ、曲げ強さおよび
衝撃強さについてブレンドを試験することによって評価
した。
引張性質はISO 527に従って測定した。曲げ性質はISO
178と同様の装置を使用して、三点曲げ試験として測定
した。シャルピー衝撃強さは、ISO 179に従って、ツゥ
イック(Zwick)5102振子型試験機を使用して、未ノッ
チの試験試料について試験した。40kpcmの振子を使用し
た。
2.他の性質 ブレンド試料の形態を走査電子顕微鏡(SEM)を使用
して求めた。
ポリマーのレオロジーをせん断流動においてその溶融
粘度を測定することによって求めた。測定温度は290℃
であり、ダイのL/D比は20mm/0.5mmであった。バグレー
(Bagley)補正を行わなかったが、結果はラビノウイッ
チ(Rabinowitch)補正を含んでいた。
実施例1 相溶化PP/LCPブレンド ポリマーブレンドを、PPホモポリマー、LCP、および
2〜10重量%の反応性エチレン系ターポリマー(相溶化
剤D)から調製した。前記のように、ブレンドの加工、
射出成形および試験を行った。
得られた結果を表1に示す。表に示す略号、例えば、
PP/20/D3は液晶ポリマーブレンド組成物の組成に関して
おり、PP/20/D3は、ブレンドにおけるPPとLCPの量比が8
0:20であり、PPおよびLCPの合計重量に対して3重%の
物質Dが存在することを示している。
表から、相溶化剤の添加によってブレンドの衝撃強さ
が大いに改善されることがわかる。ブレンドPP/30/D2の
衝撃強さは、相溶化剤が添加されていない対応するもの
に比較して22%以上良好である。ブレンドPP/30/D5およ
びPP/30/D10においてはさらに良好な改善が得られてい
る。ブレンドの引張強さ、曲げ強さおよび弾性率は、良
好な衝撃強さレベル(即ち、シャルピー>30kJ/m2)維
持しながら、高い相溶化剤濃度によって、適切な投与量
(多くとも相溶化剤5重量%)によって、ある程度、減
少するが、ポリマーマトリックスそのものよりも良好な
強さおよび曲げ性質が得られる。
顕微鏡写真(図1aおよび図1b)は、相溶化剤が強い分
散効果をも有することを示している。
押し出したPP/LCPブレンドにおいて、延伸比を増加し
た場合に、より良好な引張強さが得られる。繊維に形成
されるときにLCP相が変形に付されるからである。この
事実は、図2によって証明されている。
粘度測定は、LCPの添加が熱可塑性材料(例えば、こ
の実施例においてポリプロピレン)の溶融粘度を減少さ
せることを示している。それの小さい粘度にもかかわら
ず、相溶化剤Dは、ポリプロピレンレベルに向かってブ
レンドの粘度を増加させる(図3)。このことは、ブレ
ンド成分間の増加された相互作用(化学反応かもしれな
い)を示唆している。
実施例2(比較) 非官能性ターポリマーの助けによって、PP/LCPブレン
ドの衝撃強さを改良することを試みた。第1の態様にお
いて、LCPをPP/EPDM(75/25)コンパウンドに混合し、
第2の態様において、5、10および20重量%のEPDMをPP
/30重量%LCPブレンドに添加した。ブレンドを前記のよ
うに、加工し、射出成形し、試験した。試験結果を表2
に示す。
表から明らかなように、軟質EPDMゴムの量の増加はブ
レンドの引張強さおよび曲げ強さのさらなる僅かな弱化
を生じさせる。しかし、ブレンドの衝撃強さは、予想し
たように、改良されない。顕微鏡写真は、PPマトリック
スへの小さいゴム粒子(0.5〜1mm)の滑らかな分散を示
している。非官能性ゴム粒子はLCP相とPP相の間の界面
に位置しておらず、このことは、相の間の必要な相互作
用が達成されていないことを意味する。
このことは、同様の効果がゴム単独では得られないの
で、ゴム相溶化剤(D)の活性が化学的反応に基づいて
いるという基本的なコンセプトを補強する。
実施例3 相溶化PET/LCPブレンド PETポリマー、LCPおよび2、5および10重量%の反応
性エチレン系ターポリマー(相溶化剤D)またはマレイ
ン酸グラフトSEBSブロックコポリマー(相溶化剤A)か
ら、ポリマーブレンドを調製した。前記のように、ブレ
ンドの調製、射出成形およびそれの試験を行った。
結果を図5〜7に示す。
図5は、PET/LCP10ブレンドの衝撃強さが両方の相溶
化剤によって増加したことを示している。すでに2重量
%のターポリマーの添加によって、衝撃強さの明確な増
加が観測され、5重量%のターポリマーの添加の後に、
試験バーの半分のみが破壊された。これらバーの衝撃強
さは、非相溶化の試料の強さよりも3.5倍大きかった。1
0重量%の添加によって、衝撃強さはマトリックスポリ
マーの衝撃強さと同様のレベルまで上昇した。10重量%
のブロックコポリマーの添加でも、試験バーの半分のみ
が破壊された。これらバーの衝撃強さは非相溶化の試料
の強さよりも2.4倍大きかった。
相溶化剤の添加を行って得られた曲げ強さおよび引張
強さの変化を図6および図7に示す。
驚くべきことに、引張試験および曲げ試験においてブ
レンドの弾性率が、2%のターポリマー添加で、ポリマ
ーマトリックスの対応値よりも明確に良好であることが
観測される。同添加量での衝撃強さは約35kJ/m2である
ので、かなり好都合なポリマーブレンドがこの相溶化剤
添加によって得られている。
実施例4 LCPおよび相溶化剤の2成分ブレンド A.調製 相溶化剤とLCPとの間の相互作用を特徴付けるため
に、LCPと相溶化剤との2成分ブレンドを調製した。加
えて、ブレンドの新規な手順を、初めに相溶化剤をLCP
と混合することによって、および第2のブレンド工程に
おいて遅れて熱可塑性材料を添加することによって検討
した。アイデアは、相溶化剤に、LCPと相互作用する良
好な可能性を与えることである。
次の2成分ブレンドを最初に調製した: B1. PP/相溶化剤D(80/20) B2. ベクトラ(Vectra)A950/相溶化剤D(80/20) B3. ベクトラ(Vectra)A950/相溶化剤A(80/20) 次いで第2の工程において、ポリプロピレン(PP)お
よび/またはポリ(エチレンテレフタレート)(PET)
をブレンドB2およびB3に添加した。ブレンドは30重量%
のLCPおよび5〜7.5重量%の相溶化剤を含有していた。
B2PP ベクトラA950/相溶化剤D(80/20)+PP(VB195
0K) B2PET ベクトラA950/相溶化剤D(80/20)+PET(Arni
te D04300) B3PET ベクトラA950/相溶化剤A(80/20)+PET(Arni
te D04300) スクリュー速度75rpmでDSK 42/7逆転二軸押出機を用
いて約290℃で(B1については230℃)で、溶融ブレンド
を行った。乾燥後に、ブレンドを射出成形し、機械的性
質の試験のための試験試料を形成した。
これら結果を、初めに全ての3つの成分を混合し、次
いで押出機においてブレンドすることによる従来の方法
で調製した同様の組成を有するブレンドの結果と比較し
た。
2成分ブレンドのために使用した逆転二軸押出機は、
前の実施例で述べたブレンドのために使用した共回転の
ものほども、良好な混合装置ではないことを強調してお
く。
B.2成分ブレンドの形態およびレオロジー 相溶化剤Dを、1μm未満のオーダーの微細滴として
PP相に分散させた(図8a)。部分的にはLCPの大きな割
合からという理由で、相溶化剤DとLCPの2成分ブレン
ドは、繊維状構造を示した。相溶化剤は、顕微鏡写真に
おいて分離相として見ることができず、分離相を形成し
ないようにLCPと良好に反応することが可能である(図8
b)。相溶化剤DはLCPの溶融粘度を明確に高いレベルに
まで上昇させ(図9)、このことは、前の実施例におい
ても示したように相溶化剤とLCPとの間の化学反応を示
している。他方、PPへの相溶化剤Dの添加(ブレンドB
1)は、PPの溶融粘度に対して影響を与えない。従っ
て、LCPとPPとの相溶化において相溶化剤の効果は、PP
マトリックスにおける相溶化剤の良好な混合およびLCP
との化学反応に基づいている。
LCP/相溶化剤Aのブレンドは、多量のLCPの故に極度
に繊維状であり、その構造はLCPを連想させる可能性が
あった(図8c)。しかし、LCPの粘度は相溶化剤Aの添
加の後に全く増加せず、このことは、相溶化剤AとLCP
との相互作用が相溶化剤DとLCPとの相互作用と同様の
ものではないことを示している。
C.LCP/PETおよびLCP/PPの相溶化ブレンド 機械的性質および形態 両方の相溶化剤(AおよびD)は、表3からわかるよ
うに、LCP/PETブレンドの曲げ性質を改善した。
押出ブレンドの形態を図10のSEM顕微鏡写真によって
示す。ブレンドB2PETは試料全体にわたって高度に繊維
状の構造を示したが、高レベルの強さおよび剛性を示し
ており、一方、B3PETは変形LCPドメインを含有していた
が、B2PETよりも少ない繊維を有していた。加えて、LCP
ドメイン(繊維)はPETマトリックスに良好に付着して
いたが、繊維表面は、高い反応性の相溶化剤のためにB2
PETにおいてあまり滑らかではなかった。
PP/LCPブレンドの引張および衝撃強さを表4に示す。
衝撃強さの顕著な改善が相溶化剤Dによって再び達成さ
れたが、強さおよびモジュラスの値は、未相溶化ブレン
ドに比較して僅かに減少した。B2PPの衝撃強さは常套の
方法で調製した同様のブレンド(表1のPP/30/D5)より
も良好であった。
熱可塑性材料マトリックスポリマー添加前のLCPおよ
び相溶化剤の予備ブレンドは、得られたブレンドの性質
のために、好都合であり得る。
ブレンドB2PPにおいて、LCPは、図10においてわかる
ようにマトリックスにかなり良好に付着した繊維状ドメ
インを形成した。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08J 5/00 CES C08J 5/00 CES C08L 67/00 C08L 67/00 69/00 69/00 77/12 77/12 79/08 79/08 D 101/12 101/12 //(C08L 23/00 101:12 23:08) (72)発明者 ヴェストマン、マルユット フィンランド国 エフイーエン‐02210 エスポー、クーンシルッピ 2アー8 番 (56)参考文献 特開 平3−215548(JP,A) 特開 平3−179051(JP,A) 特開 平5−156135(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 1/00 - 101/14

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィンを含んでなるマトリックス
    ポリマー、 1〜99重量%の液晶ポリマー、および 0.1〜30重量%の、ポリマーマトリックスと液晶成分の
    相溶性を促進する物質(相溶化剤)(液晶ポリマーおよ
    び相溶化剤の量はマトリックスポリマーと液晶ポリマー
    との合計量に基づいて計算されている) を含んでなるポリマーブレンドであって、 該相溶性促進物質が、反応性エポキシ基を有するエチレ
    ン系ターポリマーであり、反応性エポキシ基を有するグ
    リシジルメタクリレート、エチレンおよびエチルアクリ
    レートを含有する反応性エチレン系ターポリマーからな
    り、 ブレンドの引張強さおよび曲げ強さがマトリックスポリ
    マーの対応物質よりも良好であり、ブレンドのシャルピ
    ー衝撃強さが対応する未相溶のブレンドよりも少なくと
    も20%良好であることを特徴とするポリマーブレンド。
  2. 【請求項2】マトリックスポリマーが、ポリプロピレン
    またはポリエチレンまたはこれらのコポリマーを含んで
    なる請求の範囲第1項に記載のポリマーブレンド。
  3. 【請求項3】液晶ポリマーが、ポリエステル、ポリ(エ
    ステルアミド)、ポリ(エステルエーテル)、ポリ(エ
    ステルカーボネート)およびポリ(エステルイミド)か
    らなる群から選択されたものである請求の範囲第1項に
    記載のポリマーブレンド。
  4. 【請求項4】ポリマーマトリックスとしてのポリオレフ
    ィン、および 1〜99重量%の液晶ポリマーを 0.1〜30重量部の、ポリマーマトリックスと液晶成分の
    相溶性を促進する物質(相溶化剤)(液晶ポリマーおよ
    び相溶化剤の量はマトリックスポリマーと液晶ポリマー
    との合計量に基づいて計算されている) と溶融混合することを含んでなる液晶ポリマーブレンド
    の製法であって、 該相溶性促進物質として、反応性エポキシ基を有するエ
    チレン系ターポリマーであり、反応性エポキシ基を有す
    るグリシジルメタクリレート、エチレンおよびエチルア
    クリレートを含有する反応性エチレン系ターポリマーを
    使用し、 シャルピー衝撃強さが対応する未相溶化ブレンドよりも
    少なくとも20%良好である相溶化ポリマーブレンドを形
    成し、 要すれば、得られたブレンドをさらに加工する ことを特徴とする液晶ポリマーブレンドの製法。
  5. 【請求項5】請求の範囲第1〜3項のいずれかに記載の
    ブレンドを少なくとも部分的に含有する電気および光ケ
    ーブルの構造部品。
  6. 【請求項6】請求の範囲第1〜3項のいずれかに記載の
    ブレンドを少なくとも部分的に含有する射出成形、吹込
    成形および深絞り成形製品。
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