JP2857701B2 - 焼成状態の測定方法及び測定装置 - Google Patents
焼成状態の測定方法及び測定装置Info
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Description
焼成炉における原料の焼成状態を測定する技術に関し、
特に焼成炉内を撮影して得られた画像に基いて焼成状態
を測定する焼成状態の測定方法及び測定装置に関する。
揮発成分などを除去して品質を高めるために、原料のコ
ークスをロータリキルンなどの焼成炉中で焼成してい
る。また、硫化鉱を焼成して硫酸などを得る場合にもロ
ータリキルンを用いることがある。このロータリキルン
では、水平より僅かに傾斜させた長尺(例えば、50〜
100m程度)の焼成炉内にその低所側からバーナー炎
を吹き込みながら、高所側から炉内に原料を投入し、そ
の原料が低所側に至るまでの間に焼成が終了するように
なっている。
料を燃焼させ、その位置を保ち続けるために、炉内の焼
成状態を観察し、炉内に供給する燃料ガスの量や燃焼空
気の量などを適宜調整している。炉内を観察する方法と
しては、テレビカメラやCCDカメラなどの撮像装置で
炉内を撮影し、得られた画像を2値化する画像解析を行
なうことによって、原料の燃焼領域の位置を検出する方
法が公知である(特開昭63−230787号)。
た特開昭63−230787号公報に記載されているよ
うに単にビデオカメラで炉内を撮影しただけでは、画像
処理を行って2値化するのに十分な高品位の画像が得ら
れないことが、本発明者によって明らかとされた。その
原因として、広い波長範囲(例えば、可視光の全範囲や
紫外域から赤外域までの範囲)の電磁波をカメラで捉え
ると、バーナー炎の輝度が極端に大きくなってしまうた
め、光学系の迷光や信号の歪などが生じ、バーナー炎の
周囲がにじんで原料の燃焼領域を覆い隠してしまった
り、燃焼領域の輝度を変調してしまったりすることが挙
げられる。
スペクトル)の強度は、その光の波長帯に限れば炉壁や
バーナー炎からの熱放射(連続スペクトル)の強度より
も大きいが、広い波長範囲ではその熱放射の強度の積分
値の方が遥かに大きくなってしまい、燃焼領域とそれ以
外の所との判別が極めて付き難くなってしまう。従っ
て、画像処理を行っても、妨害要素の多い情報、即ち不
正確な情報しか得られないので、明確に燃焼領域の位置
を検出することは極めて困難であった。
されたもので、その目的とするところは、炉壁やバーナ
ー炎からの熱放射の影響を最小限に抑え、炉内における
原料の焼成状態や燃焼領域を正確に知ることを可能なら
しめる焼成状態の測定方法及び測定装置を提供すること
にある。
に、本発明者らは、例えばコークスの場合、含まれてい
る揮発成分の燃焼時にCH、CO2およびCO(硫化鉱
の場合にはSO2)の生成反応が起こるが、その反応は
エネルギー的に励起された状態にあることから、それら
生成物からは特有の励起光が放射されていると考えた。
そこで、炉内において放射される電磁波のスペクトル特
性を測定したところ、図8に示すように、原料の燃焼し
ている領域(反応領域)から放射された光(図8の
(イ)線)及びその近傍から放射された光(図8の
(ロ)線)のスペクトル特性においては、435nm付近
の波長帯にCHイオンの励起にともなうピークがあるこ
とがわかった。一方、バーナー炎からの熱放射(図8の
(ハ)線)や炉壁からの熱放射(図8の(ニ)線)のス
ペクトル特性においては、435nm付近にピークがある
ものの、その大きさは全体の強度に比較すると相対的に
小さいことがわかった。つまり、炉内の燃焼領域から
は、焼成中の原料より生ずる特定の生成物質から特定の
波長の励起光が放射されていることが確認された。従っ
て、その励起光を測定することにより、炉内の反応状態
を知ることができると考えられる。
で、焼成炉内を撮影して得られた画像に基づいて、原料
の焼成状態を測定する方法において、焼成炉内において
焼成中の上記原料より生ずる特定の生成物質から放射さ
れる励起光の波長帯の電磁波を選択的に透過可能なバン
ドパスフィルタを通して撮影し、当該撮影により得られ
た画像を、少なくとも、原料の燃焼領域,燃焼領域を通
過した焼成済原料,焼成炉内に吹き込まれているバーナ
ー炎及び燃焼領域よりもバーナー炎寄りの焼成炉の炉
壁、の各部に対応する画像上における各領域相互間のコ
ントラストが高まるように補正することを提案するもの
である。 また、上記した第1の画像を、上記特定の生成
物質から放射される励起光の波長帯を除く波長帯の電磁
波を選択的に透過可能なフィルタを通して焼成炉内を撮
影して得られた第2の画像を用いて、演算処理するよう
にしてもよい。さらにまた、上記画像における各箇所と
焼成炉内における各箇所との対応関係を予め求めておく
とともに、焼成炉内における実際の原料の流れの経路を
予め求めておき、前記原料流の経路に対応する画像上の
仮想基準線に沿って連続的に輝度を求め、その輝度に基
いて画像上における燃焼領域を特定し、その画像上にお
ける燃焼領域を前記対応関係に照らし合わせることによ
り焼成炉内における実際の燃焼領域の位置の特定を行な
うようにしてもよい。
る装置であって、焼成炉内を撮影可能な第1の撮像手段
と、焼成中の原料より生ずる特定の生成物質から放射さ
れる励起光の波長帯の電磁波を選択的に透過可能なバン
ドパスフィルタとを備え、前記第1の撮像手段は前記バ
ンドパスフィルタを介して前記焼成炉に連設されるよう
になされると共に、少なくとも、上記原料の燃焼領域、
燃焼領域を通過した焼成済原料,焼成炉内に吹き込まれ
ているバーナー炎及び燃焼領域よりもバーナー炎寄りの
焼成炉の炉壁、の各部に対応する画像上における各領域
相互間のコントラストが高まるように上記撮影により得
られた画像の補正を行なう映像信号補正手段を備える測
定装置を提案する。また、本装置は、上記特定の生成物
質から放射される励起光の波長帯を除く波長帯の電磁波
を選択的に透過可能なフィルタを介して、第2の撮像手
段が上記焼成炉に連設されるようになっているととも
に、上記第1の撮像手段により得られた第1の画像を、
上記第2の撮像手段により得られた第2の画像を用いて
所望の画像となるように変換する画像処理手段を備えて
いるものとする。さらに、焼成炉内における実際の原料
の流れの経路に対応する画像上の仮想基準線に沿って連
続的に測定した輝度に基いて画像上における燃焼領域の
特定を行ない、且つその画像上における燃焼領域を、画
像における各箇所と焼成炉内における各箇所との対応関
係に照らし合わせることにより、焼成炉内における実際
の燃焼領域の位置の特定を行なう画像処理手段を備えて
いるものとする。なお、ここでいう焼成炉とは、ロータ
リキルンなどのように原料が炉内を移動しながら焼成さ
れていくタイプの炉をいう。
生成する特定物質から放射される励起光の波長帯の電磁
波を選択的に透過可能なバンドパスフィルタを通して、
炉内において焼成中の原料より生ずる特定の生成物質か
ら放射される励起光を撮影するため、このバンドパスフ
ィルタにより、バーナー炎や炉壁からの熱放射の透過が
大部分妨げられる(図2参照)。したがって、バーナー
炎の輝度が小さく抑えられ、光学系の迷光や信号の歪な
どがなくなり、画像が鮮明になるとともに、燃焼領域が
他の所よりも明るく捉えることができる。そのため、焼
成状態や燃焼領域の位置やその広さ(面積)などを測定
することも可能である。
正を行なっているため、原料の燃焼領域,燃焼領域を通
過した焼成済原料,バーナー炎及び燃焼領域よりもバー
ナー炎寄りの焼成炉の炉壁の各部に対応する画像上の領
域における各輝度の相互のコントラストを高めることが
でき、撮影により得られた画像を画像処理に適した画像
とすることができる。
る励起光の波長帯を捉えた第1の画像を、その励起光の
波長帯を除く波長帯を捉えた第2の画像を用いて、演算
処理することにより、例えば上記バンドパスフィルタの
透過帯域におけるバーナー炎や炉壁からの熱放射の強度
が原料の燃焼反応により放射される光の強度と同等かそ
れ以上になっても、例えば第1の画像の情報から第2の
画像の情報を減ずれば、熱放射の影響を除去して燃焼領
域を強調した画像が得られる。また、熱放射の強度が燃
焼反応による光よりも弱くても、第2の画像の情報を減
ずることにより熱放射の影響が除去されて、より鮮明な
画像が得られるのは勿論である。そして、第2の画像よ
り、炉内各部における熱放射の強度の分布を知ることが
でき、炉内温度を正確に把握することも可能である。
との対応関係を予め求めておくことにより、表示された
画像を見ることにより、焼成炉内の焼成状態を把握する
ことができる。また、実際の原料流の経路に対応する画
像上の仮想基準線に沿って連続的に輝度を求めると、燃
焼領域においてはその手前側及び奥側よりも輝度が高く
なるので、燃焼領域に対応する画像上の領域を特定する
ことができる。
スを製造するロータリキルンの炉内を監視する場合を例
として挙げ、以下に説明する。 (第1実施例)図1には、本発明に係る測定装置が取り
付けられたロータリキルンの一例が模式的に示されてい
る。同図に示すように、この測定装置1は、原料の焼成
により生ずる特定の生成物質から放射される励起光を選
択的に透過可能なバンドパスフィルタ10と、テレビカ
メラやCCDカメラなどからなりロータリキルン2の焼
成炉20内を撮影する第1の撮像手段11と、得られた
画像の明度の補正を行なう映像信号補正手段12と、得
られた画像上の輝度を測定して炉20内の燃焼領域Aに
対応する画像上の領域を特定する画像処理手段13と、
画像を表示する表示装置14とを備えている。そして、
測定装置1は、焼成炉20の観察用窓21に図示しない
結像レンズを介して取り付けられる。
特性が示されている。同図に示すように、このバンドパ
スフィルタ10は、435nmを中心として±数nm〜数十
nm程度(例えば±5〜20nm)の透過帯域Dを有してい
る。図2において斜線を付した領域(吸収帯域)Eの波
長の光や熱放射などの電磁波はこのフィルタ10を透過
することができない。従って、原料30(図1参照)、
即ち生コークス中の揮発成分の燃焼反応により生成する
CHイオンの励起光(図2の(ホ)線)によるピーク
(435nm)は、その透過帯域D内に位置するため、そ
の略全体がバンドパスフィルタ10を透過して撮像手段
11に捉えられる。
照)の熱放射(図2の(ヘ)線)は連続スペクトルであ
るため、図2に破線で示した透過帯域D内の部分の熱放
射だけがバンドパスフィルタ10を透過して撮像手段1
1に達するが、それ以外の吸収帯域E内の一点鎖線で示
した部分の熱放射はバンドパスフィルタ10により妨げ
られて撮影されない。つまり、炉壁22やバーナー炎2
3の熱放射の大部分がバンドパスフィルタ10により遮
られるので、その影響が小さくなって、光学系の迷光や
信号の歪などがなくなり、鮮明な画像が得られるととも
に、燃焼領域Aが他の所よりも明るく捉えられる。な
お、本実施例では、バンドパスフィルタ10として薄膜
干渉フィルターを用いている。
タに備えられており、撮像手段11から出力された映像
信号を、例えば8ビットのデジタル信号に変換するとと
もに、画像処理に適したように補正するものである。即
ち、撮像手段11で撮影して得られた画像は、そのまま
ではコントラストが低いため、画像処理を行なうには不
適当である。そこで、この映像信号補正手段12におい
て、得られた画像のコントラストと明度の補正を行な
う。
3には撮像手段11により撮影された焼成炉20内の様
子が模式的に示されているが、バンドパスフィルタ10
を介して撮影したままの画像を例えば8ビット(256
点)でサンプリングすると、最暗部と最輝部との輝度差
が100点程度しかなく、燃焼領域Aとその周囲(炉の
奥部20aや焼成済原料31など)との輝度差は±30
点程度になってしまう。そこで、コントラストを増加さ
せ、必要な範囲、即ち燃焼領域Aの周辺における輝度差
が256点になるようにする。このようにすると、炉の
奥部20a、燃焼領域A、焼成済原料31、焼成済原料
31の近辺の炉壁22a、及びバーナー炎23の各輝度
は、例えば10、100、160、250、及び256
となり、燃焼領域Aとその周囲との輝度差が大きくな
り、画像処理に適するようになる。
備えられており、画像上の各領域と実際の焼成炉20内
の位置とを対応させて、炉20内における燃焼領域Aの
位置を特定するものである。つまり、処理前の画像は、
映像信号補正手段12から出力されたデジタル信号に基
いて、幾つかの領域に分けられているだけであり、その
各領域のどれに、例えば燃焼領域Aや焼成済原料31や
焼成済原料近辺の炉壁22aなどが対応するかわからな
いからである。
像手段11の撮影範囲、即ち撮像手段11で捉えた画像
における各部が、実際の焼成炉20内においてどの部分
にあたるかという対応関係を予め求めておく。加えて、
図4には画像の表示範囲が模式的に示されているが、同
図に示したように、予め焼成炉20内における実際の原
料の流れ、即ち焼成炉20の投入口24より投入された
原料30が焼成されて取出口25に至るまでの経路に基
いて、画像における前記原料流に対応する仮想の原料流
基準線(図4の(ト−チ)線)を決めておく。
てきた補正済みの映像信号よりなる画像に付いて、原料
流基準線(ト−チ)に沿って例えば手前側(撮像手段1
1に近い側)から炉の奥部20aに向かって連続的に輝
度を測定する。図5にはその典型的な測定結果が模式的
に示されているが、同図に示したように、奥側に向かう
に連れて輝度が徐々に下がった後、輝度の高い状態が続
き、再び輝度が下がっていく。これは、燃焼領域Aにお
いて、その手前側や奥側よりも輝度が高くなるからであ
る。
あった輝度が上昇傾向に転じ始めてから再び下降傾向に
転ずるまでの範囲(図5の領域F)が燃焼領域Aに対応
していることになる。そして、画像上において、原料流
基準線(ト−チ)上の前記領域Fに該当する部分を含む
領域を燃焼領域Aとする。その特定した燃焼領域Aに基
いて、焼成済原料31や焼成済原料近辺の炉壁22aや
バーナー炎23などに該当する領域の特定を行う。そし
て、それら特定された各領域よりなる画像を表示させる
信号を表示装置14に出力する。なお、図4において、
同心円状の線は、炉壁22に記された等距離線であり、
外側から順に、焼成炉20の手前側からの距離が例えば
10m、20m、30m、40m、50mであることを示し
ている(図3も同じ)。また、符号26で示したもの
は、焼成炉20の手前側から25mの位置に設けられた
マーク(基準目印)26であり、必要に応じてこのマー
ク26を基準として画像と実際の焼成炉20との位置の
対応関係の校正を行なう。
ー炎23によって燃焼領域Aが覆い隠される場合が生じ
る。この場合には、バーナー炎23で覆われたか否かの
判断を画像処理手段13において行なう。そして、覆わ
れたと判断した場合にはその画像を棄却し、それ以外の
バーナー炎23で覆われていないと判断された画像によ
って燃焼領域Aの測定を行なう。なお、その判断基準
は、例えば予想される燃焼領域Aの近傍にバーナー炎2
3の輝度(上記した8ビットのサンプリングの場合に
は、256)に対応する領域が存在するか否かであり、
存在する場合をもってバーナー炎23で覆われたものと
みなす。
段13における各処理内容は、バンドパスフィルタ10
を介して撮像手段11により得られた画像において燃焼
領域Aに該当する領域を特定することができ、さらに実
際の焼成炉20内における燃焼領域Aの位置を特定する
ことができれば、上記実施例における処理内容に限定さ
れないのはいうまでもない。また、測定装置1を種々設
計変更してもよいのは勿論である。
定装置の光学系の他の例が示されている。なお、上記第
1実施例と同一の部材や同一の点等に付いては同一の符
号を付し、その説明を省略する。同図に示すように、こ
の第2実施例においては、焼成炉20の観察用窓21
(図1参照)に取り付けられる結像レンズ15と上述し
たバンドパスフィルタ10との間にダイクロイックミラ
ー16などの分光手段を設け、結像レンズ15からダイ
クロイックミラー16に至る光路(リ,ヌ−ル,ヲ)
を、ミラー16を透過してバンドパスフィルタ10及び
第1の撮像手段11に至る第1の光路(ル,ヲ−ワ)
と、ミラー16で反射してフィルタ17及び第2の撮像
手段18に至る第2の光路(ル,ヲ−カ)とに分岐させ
ている。そして、第1の撮像手段11より得られた画像
を第2の撮像手段18より得られた画像を用いて演算処
理するようになっている。
段18に435nmにピークを有する上記励起光が入射す
るのを防ぐものであり、少なくとも上記バンドパスフィ
ルタ10の透過帯域D以外の吸収帯域E(図2参照)内
に透過帯域を有している。これにより、第2の画像は、
原料30の燃焼の影響が除かれた像となる。
像の情報から第2の画像の情報を減じてその差を求め
る、というものであれば、第1の画像において燃焼領域
A以外の部分の影響を略消去することができる。即ち、
燃焼領域Aを抽出することができ、燃焼領域Aをより一
層鮮明にした画像を得ることができる。この様な演算処
理は上記画像処理手段13において行われる。なお、上
記第2の撮像手段18は上記撮像手段11と同様の構成
のカメラである。
等からの黒体放射を検出するために、好ましくは可視光
から近赤外域にかかる波長帯域に設けられているとよ
く、より好ましくは600〜1000nmの波長帯域であ
るとよく、さらにより好ましくは650nm付近の波長帯
であるとよい。この様な透過帯域のフィルタ17を用い
れば、黒体放射部分と励起反応部分(燃焼領域A)との
輝度差が拡大し、励起反応部分を抽出することがさらに
容易となる。
いて光路を分岐させる代わりに、図7に示すように、互
いに光軸を平行にした2台の撮像手段11,18を近接
させて配置してよい。この場合、監視すべき部分、即ち
燃焼領域Aの位置が光軸の近傍であり、且つ撮像手段1
1及び18の間隔に対して数十倍以上離れていれば、上
記第2実施例と同様な効果が得られた。
情報から第2の画像の情報を減じてその差を求めるとい
う処理内容の他にも、例えば以下のような処理内容が考
えられる。即ち、第1の画像(強度をP1とする。)と
第2の画像(強度をP2とする。)との相互に対応する
各部(画素)において、(1)式で表される強度比や、
(2)式で表される相対的な強度差を求め、その値に基
いて画像を再構成する。このようにすれば、それら強度
比や相対的な強度差は得られた画像の輝度に関係なく放
射される光の性質に依存するため、燃焼領域Aの判別が
さらに容易となるだけでなく、焼成炉20内の温度分布
の測定も可能となる。 P1/P2……(1) (P2−P1)/P2=1−P1/P2……(2)
る代わりに、第1の画像と第2の画像とに異なる色を割
り当てて、それら2つの画像を合成して表示させるよう
にしてもよい。このようにすれば、色の違いによって燃
焼領域Aを判別することが可能となるので、カラー表示
の表示装置14に表示された画像を見て焼成状態を監視
する場合には極めて有効である。例えば、第1の画像を
青色にし、第2の画像を赤色にすると、燃焼領域Aは青
色で表示され、その他の領域は紫色や赤色に表示される
ので、燃焼領域Aの判別が一目瞭然となる。
は、本発明をコークスの焼成に適用した場合に付いて説
明したが、本発明は、硫化鉱など、コークス以外の原料
を焼成する場合に適用可能であるのは勿論である。例え
ば硫化鉱の焼成の場合には、焼成中の硫化鉱よりSO2
が特定の生成物質として生ずる。従って、そのSO2に
基く励起光の波長帯(570〜580nm)の光を透過可
能なバンドパスフィルタを用いて焼成炉20内を撮影す
ればよい。
定装置によれば、原料の燃焼反応に基く特定の励起光を
バンドパスフィルタにより選択的に透過させて炉内にお
いて焼成中の原料より生ずる特定の生成物質から放射さ
れる励起光の撮影を行なうため、輝度の大きなバーナー
炎により従来惹き起こされていた光学系の迷光や信号の
歪などを除去することができるとともに、バーナー炎や
炉壁からの熱放射の影響が小さくなり、焼成状態を正確
に把握することができる。また、燃焼領域の位置やその
広さ(面積)なども知ることができる。
正を行なっているので、炉内の各部に対応する画像上の
領域における各輝度の相互のコントラストを高めること
により、撮影したままの画像処理に適さない画像を、画
像処理に適した画像に直すことができ、画像処理を行う
ことが可能となる。従って、画像処理によってより鮮明
な画像を得ることができる。
画像とその励起光を除いた第2の画像とで演算処理を行
なって、例えば第1の画像の情報から第2の画像の情報
を減ずることにより、熱放射の影響を除去して燃焼領域
を強調した画像が得られる。そして、第2の画像より、
炉内各部における熱放射の強度の分布を知ることがで
き、炉内温度を正確に把握することもできる。
との対応関係を予め求めておき、実際の原料流の経路に
対応する画像上の仮想基準線に沿って連続的に輝度を求
めることにより、燃焼領域に対応する画像上の領域を特
定することができるので、表示された画像を見るだけで
焼成炉内の実際の燃焼領域を知ることができ、焼成状態
を把握することができる。
た焼成炉内における原料の燃焼領域の位置及び燃焼領域
の範囲並びに焼成状態の測定、監視が容易になり、焼成
炉の稼働状態を最適に制御することができ、ひいては焼
成により得られたコークスなどの品質が安定し、向上す
る。
リキルンの一例を示す模式図である。
長特性を示す特性図である。
た焼成炉内の様子を示す模式図である。
連続的に輝度を測定して得られた典型的な結果を模式的
に示す特性図である。
れている。
が示されている。
ル特性の実測値を示す特性図である。
の仮想基準線) 1 測定装置 2 ロータリキルン 10 バンドパスフィルタ 11 第1の撮像手段 12 映像信号補正手段 13 画像処理手段 17 フィルタ 18 第2の撮像手段 20 焼成炉 22a 焼成済原料近辺の炉壁(燃焼領域よりもバーナ
ー炎寄りの焼成炉の炉壁) 23 バーナー炎 31 焼成済原料
Claims (6)
- 【請求項1】 焼成炉内を撮影して得られた画像に基づ
いて、原料の焼成状態を測定する方法において、 焼成炉内において焼成中の上記原料より生ずる特定の生
成物質から放射される励起光の波長帯の電磁波を選択的
に透過可能なバンドパスフィルタを通して撮影し、 当該撮影により得られた画像を、少なくとも、原料の燃
焼領域,燃焼領域を通過した焼成済原料,焼成炉内に吹
き込まれているバーナー炎及び燃焼領域よりもバーナー
炎寄りの焼成炉の炉壁、の各部に対応する画像上におけ
る各領域相互間のコントラストが高まるように補正する
こと を特徴とする焼成状態の測定方法。 - 【請求項2】 上記バンドパスフィルタを通した撮影に
より得られた第1の画像を、上記特定の生成物質から放
射される励起光の波長帯を除く波長帯の電磁波を選択的
に透過可能なフィルタを通して焼成炉内を撮影して得ら
れた第2の画像を用いて、演算処理することを特徴とす
る請求項1記載の焼成状態の測定方法。 - 【請求項3】 上記画像における各箇所と焼成炉内にお
ける各箇所との対応関係を予め求めておくとともに、焼
成炉内における実際の原料の流れの経路を予め求めてお
き、前記原料流の経路に対応する画像上の仮想基準線に
沿って連続的に輝度を求め、その輝度に基いて画像上に
おける燃焼領域を特定し、その画像上における燃焼領域
を前記対応関係に照らし合わせることにより焼成炉内に
おける実際の燃焼領域の位置を特定することを特徴とす
る請求項2記載の焼成状態の測定方法。 - 【請求項4】 上記測定方法に用いられる装置であっ
て、焼成炉内を撮影可能な第1の撮像手段と、焼成中の
原料より生ずる特定の生成物質から放射される励起光の
波長帯の電磁波を選択的に透過可能なバンドパスフィル
タとを備え、前記第1の撮像手段は前記バンドパスフィ
ルタを介して前記焼成炉に連設されるようになされると
共に、少なくとも、上記原料の燃焼領域、燃焼領域を通
過した焼成済原料,焼成炉内に吹き込まれているバーナ
ー炎及び燃焼領域よりもバーナー炎寄りの焼成炉の炉
壁、の各部に対応する画像上における各領域相互間のコ
ント ラストが高まるように上記撮影により得られた画像
の補正を行なう映像信号補正手段を備えていることを特
徴とする焼成状態の測定装置。 - 【請求項5】 上記特定の生成物質から放射される励起
光の波長帯を除く波長帯の電磁波を選択的に透過可能な
フィルタを介して、第2の撮像手段が上記焼成炉に連設
されるようになっているとともに、上記第1の撮像手段
により得られた第1の画像を、上記第2の撮像手段によ
り得られた第2の画像を用いて所望の画像となるように
変換する画像処理手段を備えていることを特徴とする請
求項4記載の焼成状態の測定装置。 - 【請求項6】 焼成炉内における実際の原料の流れの経
路に対応する画像上の仮想基準線に沿って連続的に測定
した輝度に基いて画像上における燃焼領域の特定を行な
い、且つその画像上における燃焼領域を、画像における
各箇所と焼成炉内における各箇所との対応関係に照らし
合わせることにより、焼成炉内における実際の燃焼領域
の位置の特定を行なう画像処理手段を備えていることを
特徴とする請求項5記載の焼成状態の測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15521693A JP2857701B2 (ja) | 1993-06-25 | 1993-06-25 | 焼成状態の測定方法及び測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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